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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】屋根構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20231212BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20231212BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
H02S20/23 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020013312
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021119279
(43)【公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】荒崎 満
(72)【発明者】
【氏名】神原 達二
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-075527(JP,A)
【文献】特開2002-294955(JP,A)
【文献】特開2019-090165(JP,A)
【文献】特開2011-021468(JP,A)
【文献】特開2013-084948(JP,A)
【文献】特開2016-037790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
H02S 20/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向と、前記第1方向と交差する第2方向に並んだ複数の太陽電池モジュールと、
前記第1方向に延びる複数の凸部であって前記第2方向に並んだ前記複数の凸部を含む屋根と、
前記太陽電池モジュールを前記屋根の前記凸部に固定する複数の固定具と、を有し、
各々の前記固定具は、少なくとも前記第2方向における前記太陽電池モジュールの端部を支持しており、
前記太陽電池モジュールの長さは、前記第2方向において、前記太陽電池モジュールを固定する前記固定具が設置された前記凸部の中心どうしの間の第1距離よりも短く、前記太陽電池モジュールを固定する前記固定具が設置された前記凸部どうしの間の第2距離よりも長
前記固定具は、前記凸部に当接する脚部と、前記太陽電池モジュールの荷重を下方から支える積載部と、前記第2方向に互いに隣接する前記太陽電池モジュールの端部を上方から押圧するフランジ部材と、を有し、
前記積載部は、前記凸部の頂きよりも上方に位置し、
前記フランジ部材は、前記第2方向に互いに隣接する前記太陽電池モジュールどうしの間に設けられた締結部材によって前記積載部を含む基部に締結されており、
前記複数の固定具のうちのいくつかの前記積載部は、互いに近接する4つの前記太陽電池モジュールの角を積載している、屋根構造。
【請求項2】
前記第2方向における前記太陽電池モジュールの長さは、前記第1距離から10mm~50mmの範囲を減じた値である、請求項1に記載の屋根構造。
【請求項3】
前記第2方向における前記太陽電池モジュールの長さは、950mm~990mmの範囲である、請求項1又は2に記載の屋根構造。
【請求項4】
前記太陽電池モジュールは、薄膜型の光電変換素子を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の屋根構造。
【請求項5】
記積載部は、前記太陽電池モジュールの表面と直交する方向から見て前記脚部と重複する位置に設けられている、請求項1からのいずれか1項に記載の屋根構造。
【請求項6】
前記太陽電池モジュールは、一対の長辺と一対の短辺を含み、受光面に直交する方向から見て実質的に長方形の形状を有し、
前記太陽電池モジュールは、前記一対の長辺が前記第1方向に沿うように配置されている、請求項1からのいずれか1項に記載の屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを含む屋根構造に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅や工場のような建造物の屋根に、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールが設置されることがある。このような太陽電池モジュールは、屋根材の種類に応じて適切な固定具によって屋根上に設置される。以下の特許文献1では、太陽電池モジュールは、折板屋根上に設置されている。
【0003】
特許文献1では、取付け金具(固定具)が折板屋根のハゼに取り付けられている。取付け金具から上方に取付ボルトが突出している。載置具と固定板が、取付ボルトに取り付けられている。太陽電池モジュールの端部が載置具と固定板によって挟まれている。これにより、太陽電池モジュールは、載置具と固定板によって固定される。
【0004】
また、特許文献1では、載置具と固定板との間に、チャンネル材(桟材)が必要に応じて設けられている。チャンネル材は、一方向に沿って延びている。載置具と固定板は、チャンネル材上の任意の位置に取り付け可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-154584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
太陽電池モジュールを製造する業者は、一般に、屋根構造を構成する屋根材を製造する業者とは異なる。そのため、通常、屋根材の種類や形状に合わせて太陽電池モジュールを設計したり、太陽電池モジュールのサイズや形状に合わせて屋根材を設計したりすることはない。前述したように、太陽電池モジュールは、屋根材の種類や形状に応じた適切な固定具を利用することによって屋根上に設置される。
【0007】
ここで、屋根材の種類や形状によっては、太陽電池モジュール用の固定具の配置に制約が生じる。特に、折板屋根のように、一方向に延びる複数の凸部が並んでいる屋根の場合、固定具の設置位置が、折板屋根の凸部の位置に制約されることがある。そのため、複数の太陽電池モジュールを集積して配置することも困難になることがある。
【0008】
特許文献1に記載されているように、載置具と固定板の設置位置を柔軟に変更するため、屋根上に桟材が設けられることもある。しかしながら、追加の桟材を使用することによって、太陽電池モジュールの設置にかかる時間が増したり、屋根材にかかる負荷が増大したりする。
【0009】
したがって、太陽電池モジュールの施工を容易にしつつ、屋根材にかかる負荷を低減できる、太陽電池モジュールを含む屋根構造が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様に係る屋根構造は、太陽電池モジュールと、第1方向に延びる複数の凸部であって前記第1方向と交差する第2方向に並んだ前記複数の凸部を含む屋根と、前記太陽電池モジュールを前記屋根の前記凸部に固定する複数の固定具と、を有する。各々の前記固定具は、少なくとも前記第2方向における前記太陽電池モジュールの端部を支持している。前記太陽電池モジュールの長さは、前記第2方向において、前記太陽電池モジュールを固定する前記固定具が設置された前記凸部の中心どうしの間の第1距離よりも短く、前記太陽電池モジュールを固定する前記固定具が設置された前記凸部どうしの間の第2距離よりも長い。
【発明の効果】
【0011】
上記態様によれば、太陽電池モジュールの施工を容易にしつつ、屋根材にかかる負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る太陽電池モジュールを含む屋根構造の模式的平面図である。
図2図1の矢印2A方向から見た屋根構造の側面図である。
図3】太陽電池モジュールの斜視図である。
図4図2の領域3Aにおける拡大図である。
図5】一実施形態に係る固定具の基部の斜視図である。
図6図3の6A-6A線に沿った太陽電池モジュールの模式的断面図である。
図7】第2実施形態に係る太陽電池モジュールを含む屋根構造の模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、太陽電池モジュールを含む屋根構造の模式的平面図である。図2は、図1の矢印2A方向から見た屋根構造の側面図である。図3は、太陽電池モジュールの斜視図である。図4は、図2の領域3Aにおける拡大図である。
【0015】
本実施形態において、屋根構造は、太陽電池モジュール100と、固定具200と、屋根300と、を含んでいてよい。好ましくは、屋根構造は、図1に示すように、複数の太陽電池モジュール100を含んでいる。
【0016】
本実施形態では、屋根300は、一方向において波状に湾曲又は屈曲した形状を有していてよい。具体的には、屋根300は、第1方向(図のY方向。以下同様。)に延びる複数の凸部310を含んでいる。複数の凸部310は、第1方向に交差する第2方向(図のX方向。以下同様。)に並んでいる。このような屋根300の例として、折板のような金属屋根が挙げられる。図2及び図4に示す例では、屋根300を構成する屋根材どうしが、凸部310のハゼ部320のところで互いに係合している。
【0017】
固定具200は、太陽電池モジュール100を屋根300の凸部310に固定する。本実施形態では、固定具200は、屋根300の凸部310に取り付けられている。一例として、固定具200は、凸部310に設けられたハゼ部320に取り付けられている。各々の固定具200は、太陽電池モジュール100の端部、第2方向における太陽電池モジュール100の両端部を支持している。
【0018】
なお、本実施形態において、凸部310は、屋根300の凸状の領域であって、後述の固定具200の脚部214が当接可能な程度に略平坦な領域を意味する。図4に示す例では、凸部310は、上方に向けられた面312を含み、かつ当該面312と下方に傾斜する領域314との間の境界どうしの間の領域R1に相当する。
【0019】
図1に示す例において、複数の太陽電池モジュール100は、第1方向と第2方向の両方に沿って並んでいる。この代わりに、複数の太陽電池モジュール100は、第1方向と第2方向のいずれか一方に沿って並んでいてもよい。
【0020】
太陽電池モジュール100は、受光面に直交する方向から見て実質的に長方形の形状を有していてよい。ここで、受光面とは、太陽電池モジュール100の、太陽光を受ける側の表面のことを意味する。太陽電池モジュール100は、一対の長辺102と一対の短辺104を含んでいてよい。
【0021】
各々の太陽電池モジュール100は、パネル部110と、パネル部110の端に設けられたフレーム120と、を有していてよい(図3参照)。パネル部110は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子を含んでいてよい。フレーム120は、パネル部110の各辺に設けられていてよい。本実施形態では、フレーム120は、パネル部110の周囲を取り囲んでいる。
【0022】
太陽電池モジュール100の長さL3は、第2方向において、太陽電池モジュール100を固定する固定具200が設置された凸部310の中心どうしの間の第1距離L1よりも短い。なお、一例では、第1距離L1は、固定具200が設置された凸部310のハゼ部320の中心どうしの間の距離に相当する。さらに、太陽電池モジュール100の長さL3は、第2方向において、太陽電池モジュール100を固定する固定具200が設置された凸部310どうしの間の第2距離L2よりも長い。
【0023】
これにより、太陽電池モジュール100の第2方向における両端が、固定具200が設置された凸部310上に位置する(図2及び図4参照)。したがって、凸部310に取り付けられた小型で簡易な固定具200によって太陽電池モジュール100を屋根300に取り付けることができる。特に、太陽電池モジュール100の端辺にわたって延びる長さを有する桟のような柱部材又は架台を使用することなく、屋根300の凸部310に局所的に設置した固定具200によって、太陽電池モジュール100の端部を支持することができる(特に図4参照)。これにより、桟のような柱部材又は架台が利用される場合と比較すると、太陽電池モジュール100の施工が簡易になり、屋根300にかかる負荷も低減させることができる。
【0024】
第2方向における太陽電池モジュールの長さL3は、前述の第1距離L1から、好ましくは10mm~50mmの範囲、より好ましくは18mm~30mmの範囲を減じた値であってよい。これにより、第2方向に互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間に固定具200を配置する隙間を確保しつつ、複数の太陽電池モジュール100をなるべく密に配置することができる。
【0025】
ここで、屋根300が図1及び図2に示すような折板屋根である場合、第2方向において互いに隣接する凸部310の中心どうしの間の距離(ピッチ)P1は、ほとんどの折板屋根において、約333mm又は約500mmの値である。したがって、第2方向における太陽電池モジュール100の長さL3は、333mm又は500mmの整数倍から、好ましくは10mm~50mmの範囲、より好ましくは18mm~30mmの範囲を減じた値であってよい。これにより、太陽電池モジュール100の第2方向における両端を屋根の凸部310上に位置させることができる。
【0026】
より詳細には、第2方向における太陽電池モジュール100の長さL3は、好ましくは950mm~990mmの範囲、より好ましくは970mm~982mmの範囲であってよい。この場合、太陽電池モジュール100を、第2方向において互いに隣接する凸部310の中心どうしの間の距離が333mmの折板屋根と当該距離が500mmの折板屋根のどちらに設置したとしても、太陽電池モジュール100の第2方向における両端が屋根300の凸部310上に位置する。したがって、太陽電池モジュール100を、小型で簡易な固定具200によってほとんどの折板屋根に対して設置することができる。
【0027】
太陽電池モジュール100は、一対の長辺102が第1方向に沿うように配置されていてよい。この場合、固定具200は、第2方向における太陽電池モジュール100の両端部を支持する。これにより、第2方向における太陽電池モジュール100の中心にかかる自重が小さくなるため、固定具200は、太陽電池モジュール100をより安定的に支持することができる。この代わりに、太陽電池モジュール100は、一対の短辺104が第1方向に沿うように配置され、かつ固定具200が第2方向における太陽電池モジュール100の両端部を支持していてもよい。
【0028】
固定具200の構造は、太陽電池モジュール100を支持可能であれば特に制限されない。好ましくは、固定具200は、屋根300の凸部310上に局所的に配置されている。
【0029】
図5は、一実施形態に係る固定具の基部の斜視図である。基部210は、太陽電池モジュール100の荷重を下方から支える積載部212と、屋根300の凸部310に当接する脚部214と、を有していてよい。脚部214は、太陽電池モジュール100及び固定具200の荷重を支える部分に相当する。
【0030】
本実施形態では、基部210は、第2方向に互いに隣接する太陽電池モジュール100を支えるため、第2方向に互いに隣接する一対の積載部212を有していてよい。太陽電池モジュール100の端部、例えばフレーム120が、一対の積載部212上に積載されている。この場合、固定具200、具体的にフランジ部材220は、第2方向に互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間に位置する。
【0031】
本実施形態では、基部210は、ハゼ部320を挟持可能に構成されている。具体的には、基部210は、締結部材230が緩められた状態において互いに揺動可能に構成された一対の部分を含む。これらの一対の部分どうしの間に、ハゼ部320を挟みこむ隙間が形成されている。締結部材230によって基部210を構成する前述の一対の部分を互いに締結することによって、基部210は、ハゼ部320を挟みこむ。
【0032】
フランジ部材220は、第2方向に互いに隣接する太陽電池モジュール100の端部を上方から積載部212に向けて押圧する一対の押圧部222を有する。一対の押圧部222どうしの間に、フランジ部材220を基部210に締結させる締結部材240が通る穴を有する板部224が設けられている。フランジ部材200は、第2方向に互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間に設けられた締結部材240によって基部210に締結される。
【0033】
締結部材240が基部210とフランジ部材220を互いに締結することによって、太陽電池モジュール100の端部が、積載部212と押圧部222との間に挟み込まれる。このようにして、複数の固定具200のうちのいくつか、具体的には第2方向に互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間に位置する固定具200は、第2方向に互いに隣接する太陽電池モジュール100の両方を支持する。
【0034】
積載部212は、太陽電池モジュール100の表面と直交する方向から見て脚部214と重複する位置に設けられていることが好ましい。さらに、積載部212は、第2方向において脚部214からはみ出ない領域内に設けられていることが好ましい。これにより、積載部212にかかる太陽電池モジュールの荷重の直下に脚部214が位置することになるため、脚部214と凸部310との当接点を支点とした回転方向の力が固定具200にかかりにくくなる。したがって、太陽電池モジュール100をより安定的に支持することができる。
【0035】
また、積載部212と押圧部222による太陽電池モジュール100の端部を挟み込む力を維持するために、締結部材240のネジ部の径は、例えば8~12mm程度であることが好ましい。このようなサイズの締結部材240を用いてフランジ部材220を基部210に締結させることを考慮すると、第2方向において互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間の隙間は、18mm以上であることが好ましい。
【0036】
一方で、積載部212が確実に屋根300の凸部310上に配置するようにするためには、第2方向において互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間の隙間は、30mm以下であることが好ましい。これらの観点から、前述したように、第2方向における太陽電池モジュール100の長さL3は、前述の第1距離L1から、18mm~30mmの範囲を減じた値であることがより好ましい。これにより、第2方向に互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間に固定具200を配置する隙間を確保しつつ、複数の太陽電池モジュール100を第2方向においてなるべく密に配置することができる。
【0037】
また、第1方向において複数の太陽電池モジュール100が並んでいる場合、第1方向において互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間の距離は、第2方向において互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間の距離よりも短くてよい。これは、第1方向において互いに隣接する太陽電池モジュール100どうしの間に固定具200が不要だからである。
【0038】
次に、図6を用いて、太陽電池モジュール100のパネル部110の構成の一例について説明する。図6は、図3の6A-6A線に沿った太陽電池モジュールの模式的断面図である。
【0039】
パネル部110は、光電変換素子10と、光電変換素子10の受光面側に設けられた第1基板600と、光電変換素子10に関して第1基板600とは反対側に設けられたシート状の保護材900と、を有している。
【0040】
第1基板600は、受光面側に露出していてよい。第1基板600は、例えば樹脂基板やガラス基板のような透明又は半透明な基板であってよい。
【0041】
パネル部110は、第1基板600と光電変換素子10との間に、第1封止層400を有していてよい。第1封止層400は、少なくとも光電変換素子10の表面側を覆っていてよい。
【0042】
第1封止層400は、透明又は半透明な絶縁体によって構成されていてよい。例えば、第1封止層400は、合成樹脂によって形成されていてよい。そのような合成樹脂として、例えばEVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)、オレフィン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂、アイオノマー樹脂もしくはシリコーン樹脂、又はこれらの組み合わせを用いることができる。
【0043】
光電変換素子10は、第2基板20上に薄膜状に設けられていてよい。第2基板20は、光電変換素子10を形成する基体となる部分である。第2基板20は、例えば、樹脂基板、ガラス基板又は金属基板により構成されていてよい。第2基板20の、光電変換素子10側の表面には、不図示の絶縁層が形成されていてもよい。
【0044】
パネル部110は、第2基板20と保護材900との間に、第2封止層800を有していてよい。第2封止層800は、合成樹脂のような絶縁体によって形成されていてよい。そのような合成樹脂として、例えばEVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)、オレフィン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂、アイオノマー樹脂もしくはシリコーン樹脂、又はこれらの組み合わせを用いることができる。なお、第2封止層800の厚みは、第1封止層400の厚みと同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0045】
保護材900は、例えばPET樹脂、PVF(ポリフッ化ビニル)樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)樹脂、ナイロン樹脂もしくはポリアミド樹脂、又はこれらの組み合わせによって構成されていてよい。
【0046】
パネル部110は、光電変換素子10の側部にシール材500を有していてもよい。シール材500は、光電変換素子10及び第2基板20の周縁部を囲んでおり、第1基板600の裏面側にも付着していてよい。また、パネル部110とフレーム120との間に接着材250が設けられていてよい。
【0047】
光電変換素子10の組成又は種類は特に限定されない。好ましくは、光電変換素子10は、いわゆる薄膜型の光電変換素子であることが好ましい。薄膜型の光電変換素子としては、例えば、いわゆるCIS系の光電変換素子、CdTe系の光電変換素子、又はアモルファスシリコン系の光電変換素子が挙げられる。
【0048】
これらの薄膜型の光電変換素子10は、蒸着法やエッチングのような成膜技術によって製造することができる。このような成膜技術によって製造された薄膜型の光電変換素子10は、適当なサイズに切断することによって、任意のサイズに形成することが容易である。したがって、前述したサイズを有する太陽電池モジュール100を製造し易い。
【0049】
一方、単結晶シリコン又は多結晶シリコンを用いた、いわゆる結晶型の光電変換素子は、円柱状のシリコンのインゴット(シリコン塊)から切り出された多数のウェハーによって構成されている。より具体的には、各々の太陽電池モジュールは、格子状に並んだ多数のウェハーによって構成されている。したがって、結晶型の光電変換素子を含む太陽電池モジュール100のサイズは、元のシリコンのインゴット、具体的にはウェハーのサイズに基づいてある程度決定される。したがって、前述したサイズを有する太陽電池モジュール100を製造し難い。
【0050】
ただし、前述したサイズを有する太陽電池モジュール100を製造することができるのであれば、本発明の太陽電池モジュール100は、結晶系の光電変換素子を含んでいても良い。
【0051】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る太陽電池モジュールを含む屋根構造の模式的平面図である。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されている。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0052】
第2実施形態では、固定具200の配置が、第1実施形態の固定具200の配置と異なっている。具体的には、各々の固定具200は、太陽電池モジュール100の角に設けられている。なお、固定具200の構造は、第1実施形態の固定具200の構造と同じであってよい。
【0053】
さらに、複数の固定具200のうちのいくつかは、互いに近接する4つの太陽電池モジュール100の角を支持している。すなわち、太陽電池モジュール100どうしの間に位置する各々の固定具200が、4つの太陽電池モジュール100の角を支持している。これにより、複数の太陽電池モジュール100を支持するための固定具200の数を減らすことができる。
【0054】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0055】
10 光電変換素子
100 太陽電池モジュール
200 固定具
210 基部
212 積載部
214 脚部
220 フランジ部
240 締結部材
300 屋根
310 凸部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7