(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】画像処理システム及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20231212BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231212BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20231212BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H04N1/387
H04N1/00 L
H04N1/04 106A
G03G21/00 500
(21)【出願番号】P 2020027183
(22)【出願日】2020-02-20
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 晶子
(72)【発明者】
【氏名】門 直史
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-283494(JP,A)
【文献】特開2015-170968(JP,A)
【文献】特開2010-103710(JP,A)
【文献】特開2019-134272(JP,A)
【文献】特開2011-244089(JP,A)
【文献】特開2010-119014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
H04N 1/00
H04N 1/04
G06T 1/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサによって読み取られた画像である読取画像にエラーが発生したか否かを判定し、前記エラーの発生の有無を示す情報であるエラー情報と前記読取画像とを含むデータを生成し、前記データを送信する画像読取装置と、
前記データを受信し、前記エラー情報に基づいて前記エラーの発生の有無に応じた画像処理を前記読取画像に対して行う画像処理装置と、
を具備し、
前記読取画像は、複数の読取対象媒体の各々の画像である複数の媒体画像を含み、
前記画像読取装置は、前記読取画像の読取長が、複数の読取対象媒体の合計の長さ以上の長さを有する読取最大長であって、前記画像読取装置が有するメモリにおける読取画像用の記憶領域サイズの上限値に基づいて決定される前記読取最大長を超過したときに、前記読取画像に前記エラーが発生したと判定
し、
前記画像処理装置は、前記エラー情報が前記エラーが発生していることを示す場合に、前記複数の媒体画像のうち前記読取画像における副走査方向で最後に位置する終端を有する媒体画像である廃棄対象画像を廃棄する一方で、前記複数の媒体画像のうち前記廃棄対象画像以外の媒体画像である非廃棄対象画像を画像保存装置へ送信する、
画像処理システム。
【請求項2】
前記画像処理装置は、前記エラー情報が前記エラーが発生していないことを示す場合に、前記複数の媒体画像のすべてを画像保存装置へ送信する、
請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理装置は、前記画像読取装置での第一の読取によって読み取られた前記読取画像である第一読取画像に含まれる前記非廃棄対象画像である第一非廃棄対象画像と、前記画像読取装置での第二の読取であって、前記第一の読取に後続する前記第二の読取によって読み取られた前記読取画像である第二読取画像であって、前記エラーが発生していない前記第二読取画像に含まれる媒体画像とを含む単一の画像ファイルを生成し、生成した前記単一の画像ファイルを前記画像保存装置へ送信する、
請求項
1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
画像読取装置と画像処理装置とを具備する画像処理システムにおける画像処理方法であって、
前記画像読取装置が、イメージセンサによって読み取られた画像である読取画像にエラーが発生したか否かを判定し、前記エラーの発生の有無を示す情報であるエラー情報と前記読取画像とを含むデータを生成し、前記データを送信し、
前記画像処理装置が、前記データを受信し、前記エラー情報に基づいて前記エラーの発生の有無に応じた画像処理を前記読取画像に対して行い、
前記読取画像は、複数の読取対象媒体の各々の画像である複数の媒体画像を含み、
前記画像読取装置は、前記読取画像の読取長が、複数の読取対象媒体の合計の長さ以上の長さを有する読取最大長であって、前記画像読取装置が有するメモリにおける読取画像用の記憶領域サイズの上限値に基づいて決定される前記読取最大長を超過したときに、前記読取画像に前記エラーが発生したと判定
し、
前記画像処理装置は、前記エラー情報が前記エラーが発生していることを示す場合に、前記複数の媒体画像のうち前記読取画像における副走査方向で最後に位置する終端を有する媒体画像である廃棄対象画像を廃棄する一方で、前記複数の媒体画像のうち前記廃棄対象画像以外の媒体画像である非廃棄対象画像を画像保存装置へ送信する、
画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理システム及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ装置等の画像読取装置と、クラウドサーバ装置等の画像処理装置とを有する画像処理システムが知られている。このような画像処理システムでは、画像読取装置が有するイメージセンサによって読み取られた画像(以下では「読取画像」と呼ぶことがある)が画像読取装置から画像処理装置へ送信され、画像処理装置によって、画像読取装置から受信された読取画像に対して画像処理が行われることがある。例えば、画像読取装置の読取の対象となる媒体(以下では「読取対象媒体」と呼ぶことがある)の画像が読取画像に含まれる場合、画像処理装置では、画像処理として、読取対象媒体の画像(以下では「媒体画像」と呼ぶことがある)が読取画像から抽出される処理が行われる。読取対象媒体の一例として、名刺やレシートが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像処理装置において、画像読取装置から受信された読取画像が適正な画像であるか否かを画像解析を用いて判定すると、画像処理装置の処理負荷が大きくなってしまう。
【0005】
そこで、本開示では、画像処理装置の処理負荷を軽減できる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像処理システムは、画像読取装置と、画像処理装置とを有する。画像読取装置は、イメージセンサによって読み取られた画像である読取画像にエラーが発生したか否かを判定し、エラーの発生の有無を示す情報であるエラー情報と読取画像とを含むデータを生成して送信する。画像処理装置は、データを受信し、エラー情報に基づいてエラーの発生の有無に応じた画像処理を読取画像に対して行う。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、画像処理装置の処理負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施例1の画像処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施例1の画像読取装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施例1の画像読取装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例1の画像読取装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例1の画像読取装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施例1の画像処理装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施例1の画像読取装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本開示の実施例1の読取データの構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施例1の画像処理装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本開示の実施例1の画像処理システムの動作例の説明に供する図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施例1の画像処理システムの動作例の説明に供する図である。
【
図12】
図12は、本開示の実施例1の画像処理システムの動作例の説明に供する図である。
【
図13】
図13は、本開示の実施例1の画像処理システムの動作例の説明に供する図である。
【
図14】
図14は、本開示の実施例1の画像処理システムの動作例の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施例は本開示の技術を限定するものではない。また、以下の実施例において同一の構成には同一の符号を付す。
【0010】
[実施例1]
<画像処理システムの構成>
図1は、本開示の実施例1の画像処理システムの構成例を示す図である。
図1において、画像処理システム10は、画像読取装置1と、画像処理装置2とを有する。画像処理装置2は、画像処理システム10の外部に配置される画像保存装置3に接続されている。画像読取装置1の一例として、スキャナ装置が挙げられる。画像処理装置2及び画像保存装置3の一例として、クラウドサーバ装置が挙げられる。
【0011】
<画像読取装置の構成>
図2、
図3及び
図4は、本開示の実施例1の画像読取装置の構成例を示す図である。
図5は、本開示の実施例1の画像読取装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【0012】
図2及び
図3において、上部カバー13は開閉自在なカバーであり、
図2には、上部カバー13が閉鎖されている状態を示し、
図3には、上部カバー13が開放されている状態を示す。上部カバー13は、例えば、搬送路Pに存在する読取対象媒体のジャムが発生した際に、読取対象媒体を搬送路Pから除去するために開放される。
【0013】
図2及び
図3において、画像読取装置1は、原稿台11と、下部筐体12と、上部筐体としての上部カバー13と、媒体挿入口14と、媒体排出口15と、回転軸16と、イメージセンサ17と、搬送路Pと、搬送ローラ26-1,26-2と、排出ローラ27-1,27-2とを有する。以下では、搬送ローラ26-1,26-2を「搬送ローラ26」と総称し、排出ローラ27-1,27-2を「排出ローラ27」と総称することがある。
【0014】
また、画像読取装置1は、プロセッサ21と、メモリ22と、通信モジュール25と、操作ボタン29と、インジケータ24と、媒体センサ23と、開閉センサ28とを有する。
【0015】
下部筐体12には、媒体センサ23と、搬送ローラ26-2と、プロセッサ21と、メモリ22と、通信モジュール25と、排出ローラ27-2とが格納される。
【0016】
上部カバー13には、開閉センサ28と、搬送ローラ26-1と、イメージセンサ17と、排出ローラ27-1とが格納される。
【0017】
上部カバー13は、
図2及び
図3に示すように、回転軸16を中心にして開閉自在である。また、
図2に示すように、上部カバー13と下部筐体12との間に、読取対象媒体が+X方向へ搬送される搬送路Pが形成され、上部カバー13が閉鎖されている状態(
図2)において、上部カバー13は搬送路Pを覆っている。搬送路Pにおける読取対象媒体の搬送方向(以下では「媒体搬送方向」と呼ぶことがある)が+X方向であるため、イメージセンサ17の副走査方向は媒体搬送方向と反対方向の-X方向となる。
【0018】
開閉センサ28は上下に移動可能である。上部カバー13が閉鎖されているときは(
図2)、開閉センサ28の先端が下部筐体12に触れて開閉センサ28が上方に押し上げられるため、開閉センサ28がオンになる。一方で、上部カバー13が開放されているときは(
図3)、開閉センサ28が下方に移動するため、開閉センサ28がオフになる。
【0019】
媒体センサ23は、接触子23Cを有する。媒体センサ23は、接触子23Cに読取対象媒体が触れているときにオンになる一方で、接触子23Cに読取対象媒体が触れていないときにオフになる。
図4に示すように、接触子23Cは、全幅が媒体挿入口14の全幅とほぼ同一のフラップ形状を有し、接触子23Cに読取対象媒体が触れていないときは、媒体挿入口14を塞ぐように立ち上がっている。そして、媒体挿入口14に読取対象媒体が挿入されて接触子23Cに読取対象媒体が触れると、接触子23Cが倒れ込むことにより、媒体センサ23がオンになる。
【0020】
図5において、画像読取装置1は、モータ31をさらに有する。操作ボタン29、インジケータ24、媒体センサ23、開閉センサ28、イメージセンサ17、モータ31、メモリ22、及び、通信モジュール25は、プロセッサ21に電気的に接続されている。
【0021】
図2において、操作ボタン29が押下され、かつ、原稿台11の上面に沿って媒体挿入口14から搬送路Pへと挿入された読取対象媒体が接触子23Cに触れて媒体センサ23がオンになると、プロセッサ21は、搬送ローラ26及び排出ローラ27を駆動するモータ31の作動を開始する。モータ31の作動の開始に伴って搬送ローラ26及び排出ローラ27が回転を開始するので、搬送路P上での読取対象媒体の搬送が開始される。搬送ローラ26-2、排出ローラ27-2は左回り(反時計回り)に回転する一方で、搬送ローラ26-1、排出ローラ27-1は右回り(時計回り)に回転する。
【0022】
搬送ローラ26-1と搬送ローラ26-2との間を通過する読取対象媒体は、搬送に伴って、イメージセンサ17によって読み取られる。
【0023】
読取が為された読取対象媒体は、その後、排出ローラ27-1と排出ローラ27-2との間を通過して媒体排出口15から排出される。
【0024】
なお、画像読取装置1は、上記の開閉センサ28に代えて、上部カバー13の下面から下方に突き出た突起(以下では「下方突起」と呼ぶことがある)と、下方突起に対向して下部筐体12に設けられた開閉センサSEとを有しても良い。上部カバー13が閉鎖されているときは、下方突起によって開閉センサSEが押下されることにより開閉センサSEがオンになる一方で、上部カバー13が開放されているときは、開閉センサSEから下方突起が離れることにより開閉センサSEがオフになる。
【0025】
<画像処理装置の構成>
図6は、本開示の実施例1の画像処理装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図6において、画像処理装置2は、プロセッサ2Aと、記憶媒体2Bと、通信モジュール2Cとを有する。
【0026】
<画像読取装置の処理>
図7は、本開示の実施例1の画像読取装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートは、例えば、操作ボタン29が押下されたときに開始される。
【0027】
図7において、ステップS100では、プロセッサ21は、媒体センサ23がオンになっているか否かを判定し、媒体センサ23がオンになるまで待機する(ステップS100:No)。
【0028】
媒体挿入口14に読取対象媒体が挿入されて媒体センサ23がオンになると(ステップS100:Yes)、プロセッサ21は、ステップ105において再読取フラグRFを“0”に設定して初期化し、ステップS110においてモータ31の作動を開始することにより取対象媒体の搬送を開始し、ステップS115においてイメージセンサ17をオンにし、ステップS116において画像読取長RLの測定を開始する。ステップS110,S115の処理により、イメージセンサ17による媒体画像の読取が開始される。また、再読取フラグRFが“0”であることは、読取対象媒体の再読取が行われなかったことを示し、再読取フラグRFが“1”であることは、読取対象媒体の再読取が行われたことを示す。
【0029】
ここで、モータ31はプロセッサ21からモータパルスを連続して与えられることにより回転する。また、モータ31の回転に伴って搬送ローラ26及び排出ローラ27が回転することにより、読取対象媒体が搬送路Pを搬送される。1モータパルス当たりの読取対象媒体の搬送距離jは、例えば、0.0844ミリメートルである。よって、搬送中にある読取対象媒体の現在の画像読取長RL[mm]は、モータパルスのカウント数(以下では「パルスカウント数」と呼ぶことがある)を用いて、「RL=j×パルスカウント数」によって表される。そこで、プロセッサ21は、ステップS116でモータパルスのカウントを開始することにより画像読取長RLの測定を開始する。
【0030】
ステップS120では、イメージセンサ17は、読取対象媒体の搬送に伴って媒体画像を読み取る。
【0031】
ステップS125では、プロセッサ21は、開閉センサ28がオンになっているか否かを判定する。開閉センサ28がオンになっているとき、つまり、上部カバー13が閉鎖されているときは(ステップS125:Yes)、処理はステップS130へ進む。一方で、開閉センサ28がオフになっているとき、つまり、上部カバー13が開放されているときは(ステップS125:No)、処理はステップS165へ進む。
【0032】
ステップS130では、プロセッサ21は、媒体センサ23がオフになっているか否かを判定する。媒体センサ23がオフになっているとき、つまり、媒体挿入口14に読取対象媒体が存在しないときは(ステップS130:Yes)、処理はステップS135へ進む。一方で、媒体センサ23がオンになっているとき、つまり、媒体挿入口14に読取対象媒体が存在するときは(ステップS130:No)、処理はステップS160へ進む。
【0033】
ステップS135では、プロセッサ21は、媒体画像を含む読取画像RIにエラーが発生していない(エラー発生:無し)と判定する。そして、ステップS140では、プロセッサ21は、エラーフラグEFを“0”に設定する。エラーフラグEFが“0”であることは、読取画像RIにエラーが発生していないことを示し、エラーフラグEFが“1”であることは、読取画像RIにエラーが発生していることを示す。
【0034】
ステップS145では、プロセッサ21は、読取画像RIと、“0”に設定されたエラーフラグEFと、“0”に設定された再読取フラグRFとを含む読取データRDを生成し、生成した読取データRDを通信モジュール25を用いて画像処理装置2へ送信する。ステップS145の処理後、処理はステップS150へ進む。
【0035】
一方で、ステップS160では、プロセッサ21は、現在の画像読取長RLが、画像読取装置1における画像読取長RLの最大値(以下では「読取最大長」と呼ぶことがある)MLを超過したか否かを判定する。ここで、読取最大長MLは、画像読取装置1の出荷前に予めメモリ22に設定されており、例えば、メモリ22における読取画像RI用の記憶領域サイズの上限値に基づいて決定される。一例として、読取最大長MLは830ミリメートルに設定される。現在の画像読取長RLが読取最大長MLを超過していないときは(ステップS160:No)、処理はステップS120に戻り、媒体画像の読取が継続される。一方で、現在の画像読取長RLが読取最大長MLを超過しているときは(ステップS160:Yes)、処理はステップS165へ進む。
【0036】
ステップS165では、プロセッサ21は、媒体画像を含む読取画像RIにエラーが発生している(エラー発生:有り)と判定する。そして、ステップS170では、プロセッサ21は、エラーフラグEFを“1”に設定する。
【0037】
ステップS175では、プロセッサ21は、読取画像RIと、“1”に設定されたエラーフラグEFと、“0”または“1”に設定された再読取フラグRFとを含む読取データRDを生成し、生成した読取データRDを通信モジュール25を用いて画像処理装置2へ送信する。ステップS175の処理後、処理はステップS180へ進む。
【0038】
ステップS180では、プロセッサ21は、インジケータ24を例えば赤く点灯させることにより、画像読取装置1のユーザに対して、読取画像RIにエラーが発生したことを通知する。
【0039】
次いで、ステップS185では、プロセッサ21は、ステップS180の通知時点から所定時間Δta以内に、オンになっている開閉センサ28が一旦オフになった後に再びオフからオンになり(つまり、上部カバー13が一旦開放された後に再び閉鎖され)、かつ、開閉センサ28がオフからオンになった後に操作ボタン29が押下されたか否かを判定する。ステップS180の通知時点から所定時間Δta以内に、オンになっている開閉センサ28が一旦オフになった後に再びオフからオンになり、かつ、開閉センサ28がオフからオンになった後に操作ボタン29が押下されたときは(ステップS185:Yes)、処理はステップS190へ進む。一方で、ステップS180の通知時点から所定時間Δta以内に、オンになっている開閉センサ28がオフにならなかったとき、一旦オンからオフになった開閉センサ28が再びオンにならなかったとき、または、操作ボタン29が押下されなかったときは(ステップS185:No)、処理はステップS200へ進む。
【0040】
ステップS190では、プロセッサ21は、媒体センサ23がオンになっているか否かを判定する。媒体センサ23がオンになっているとき、つまり、媒体挿入口14に読取対象媒体が存在するときは(ステップS190:Yes)、処理はステップS195へ進む。一方で、媒体センサ23がオフになっているとき、つまり、媒体挿入口14に読取対象媒体が存在しないときは(ステップS190:No)、処理はステップS200へ進む。
【0041】
ステップS195では、プロセッサ21は、読取画像RIのエラー発生の原因となった読取対象媒体の再読取が行われると判定し、再読取フラグRFを“1”に設定する。ステップS195の処理後、処理はステップS120に戻り、ステップS165でのエラー発生の原因となった読取対象媒体の再読取が行われる。
【0042】
ステップS200では、プロセッサ21は、読取画像RIのエラー発生の原因となった読取対象媒体の再読取が行われることなく画像の読取が終了すると判定し、終了通知を通信モジュール25を用いて画像処理装置2へ送信する。ステップS200の処理後、処理はステップS150へ進む。
【0043】
ステップS150,S155では、プロセッサ21は、ステップS130またはステップS190で媒体センサ23がオフになっていることを検出した時点(ステップS130:YesまたはステップS190:No)から所定時間Δtbが経過した時点で、モータ31の作動を停止するとともにイメージセンサ17をオフにする。ステップS155の処理をもって、
図7に示すフローチャートは終了する。所定時間Δtbは、媒体排出口15から排出される読取対象媒体の排出が完了するのに必要な十分な長さの時間に予め設定されている。
【0044】
<読取データの構成>
図8は、本開示の実施例1の読取データの構成例を示す図である。
図8において、読取データRDは、読取画像RIと、エラーフラグEFと、再読取フラグRFとを有する。読取画像RIには、単一または複数の媒体画像が含まれる。読取データRDにおいて、エラーフラグEF及び再読取フラグRFは、従来の読取データの空き領域を利用して画像読取装置1から画像処理装置2へ送信される。
【0045】
なお、読取画像RI、エラーフラグEF及び再読取フラグRFのうち、再読取フラグRFは、読取データRDに含まれずに、読取画像RI及びエラーフラグEFとは別に送信されても良い。
【0046】
<画像処理装置の処理>
図9は、本開示の実施例1の画像処理装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9に示すフローチャートは、画像読取装置1から送信された読取データRDが画像処理装置2によって受信されたときに開始される。
【0047】
図8において、ステップS300では、プロセッサ2Aは、画像読取装置1から送信された読取データRDを通信モジュール2Cを介して受信する。
【0048】
次いで、ステップS305では、プロセッサ2Aは、読取データRDから読取画像RIを取得し、取得した読取画像RIに含まれる媒体画像を読取画像RIから抽出する。以下では、読取画像RIから抽出された媒体画像を「抽出画像」と呼ぶことがある。
【0049】
次いで、ステップS310では、プロセッサ2Aは、読取データRDからエラーフラグEFを取得し、取得したエラーフラグEFが“0”であるか否かを判定する。エラーフラグEFが“0”であるときは(ステップS310:Yes)、処理はステップS315へ進み、エラーフラグEFが“1”であるときは(ステップS310:No)、処理はステップS330へ進む。
【0050】
ステップS315では、プロセッサ2Aは、読取データRDから再読取フラグRFを取得し、取得した再読取フラグRFが“0”であるか否かを判定する。再読取フラグRFが“0”であるときは(ステップS315:Yes)、処理はステップS320へ進み、再読取フラグRFが“1”であるときは(ステップS315:No)、処理はステップS345へ進む。
【0051】
ステップS320では、プロセッサ2Aは、抽出画像を含む単一の画像ファイルを生成する。ステップS320の処理後、処理はステップS325へ進む。
【0052】
一方で、ステップS330では、プロセッサ2Aは、抽出画像のうちの廃棄対象となる画像(以下では「廃棄対象画像」と呼ぶことがある)を廃棄する。
【0053】
次いで、ステップS335では、プロセッサ2Aは、画像読取装置1から終了通知を受信したか否かを判定する。プロセッサ2Aでの終了通知の受信は、通信モジュール2Cを介して行われる。プロセッサ2Aに終了通知が受信されているときは(ステップS335:Yes)、処理はステップS340へ進み、プロセッサ2Aに終了通知が受信されていないときは(ステップS335:No)、処理はステップS300に戻る。
【0054】
ステップS340では、プロセッサ2Aは、抽出画像のうちの廃棄対象画像以外の画像(以下では「非廃棄対象画像」と呼ぶことがある)を含む単一の画像ファイルを生成する。ステップS340の処理後、処理はステップS325へ進む。
【0055】
また、ステップS345では、プロセッサ2Aは、非廃棄対象画像と、ステップS335からステップS300に戻った後のステップS305で抽出された媒体画像とを含む単一の画像ファイルを生成する。ステップS345の処理後、処理はステップS325へ進む。
【0056】
ステップS325では、プロセッサ2Aは、ステップS320で生成した画像ファイル、ステップS340で生成した画像ファイル、または、ステップS345で生成した画像ファイルを通信モジュール2Cを用いて画像保存装置3へ送信する。画像保存装置3は、画像処理装置2から送信された画像ファイルを受信し、受信した画像ファイルを保存する。ステップS325の処理をもって、
図9に示すフローチャートは終了する。
【0057】
<画像処理システムの動作>
図10~
図14は、本開示の実施例1の画像処理システムの動作例の説明に供する図である。以下では、ケースC1~C5の5つのケースに分けて画像処理システム10の動作例を説明する。また、以下のケースC1~C5では、何れも、
図7におけるステップS125の処理で開閉センサ28がオンになっていると判定された場合を一例に挙げて説明する。また、ケースC1~C5における読取対象媒体の一例として、名刺やレシートが挙げられる。
【0058】
<ケースC1:
図10>
ケースC1は、画像読取装置1において、画像読取長RLが読取最大長MLを超過する前に媒体センサ23がオフになり、画像読取長RLの測定が開始されてから媒体センサ23がオフになるまでの間に、3個の読取対象媒体M1,M2,M3の全範囲の各画像がイメージセンサ17によって読み取られたケースである。よって、ケースC1では、
図10に示すように、所定の読取最大長MLを有する読取画像RI1に、読取対象媒体M1,M2,M3の全範囲の各画像である媒体画像M1I,M2I,M3Iの3個の媒体画像が含まれ、かつ、読取画像RI1にはエラーは発生していない。よって、ケースC1では、読取データRDにおいて、読取画像RI1には媒体画像M1I,M2I,M3Iが含まれ、エラーフラグEFは“0”に設定され、再読取フラグRFは“0”に設定される。
【0059】
そこで、ケースC1では、画像処理装置2は、ステップS305において、読取画像RI1から媒体画像M1I,M2I,M3Iを抽出し、ステップS320において、ステップS305で抽出した媒体画像M1I,M2I,M3Iの3個の媒体画像をすべて含む単一の画像ファイルを生成する。
【0060】
<ケースC2:
図11>
ケースC2は、画像読取装置1において、画像読取長RLの測定が開始されてから媒体センサ23がオフになるまでの間に3個の読取対象媒体M1,M2,M4の各画像がイメージセンサ17によって読み取られた一方で、媒体センサ23がオフになる前に画像読取長RLが読取最大長MLを超過したケースである。また、ケースC2では、画像読取長RLが読取最大長MLを超過した時点で、未だ、読取対象媒体M4の画像の読取途中にあった。よって、ケースC2では、
図11に示すように、所定の読取最大長MLを有する読取画像RI2に、読取対象媒体M1,M2の全範囲の各画像である媒体画像M1I,M2Iの2個の媒体画像と、読取途中にあった読取対象媒体M4の一部の範囲の画像である媒体画像M4IAの1個の媒体画像とが含まれ、かつ、読取画像RI2にエラーが発生している。また、ケースC2では、エラーの発生が画像読取装置1のユーザに通知された時点から所定時間Δta以内に操作ボタン29が押下されなかったものとする。よって、ケースC2では、読取データRDにおいて、読取画像RI2には媒体画像M1I,M2I,M4IAが含まれ、エラーフラグEFは“1”に設定され、再読取フラグRFは“0”に設定される。また、ケースC2では、読取データRDが画像読取装置1から画像処理装置2へ送信された後に、画像読取装置1から画像処理装置2へ終了通知が送信される。
【0061】
そこで、ケースC2では、画像処理装置2は、ステップS305において、読取画像RI2から媒体画像M1I,M2I,M4IAを抽出する。また、画像処理装置2は、ステップS330において、媒体画像M1I,M2I,M4IAのうち媒体画像M4IAを廃棄する。そして、画像処理装置2は、ステップS340において、非廃棄対象画像である媒体画像M1I,M2Iの2個の媒体画像を含む単一の画像ファイルを生成する。
【0062】
ここで、画像処理装置2において、廃棄対象画像の選択は以下のようにして行われる。すなわち、プロセッサ2Aは、読取画像RIに含まれる媒体画像のそれぞれについて、読取画像RIにおける副走査方向での終端を検出し、読取画像RIに含まれる媒体画像のうち、読取画像RIにおける副走査方向で最後に位置する終端を有する媒体画像を廃棄対象画像として選択する。例えば、読取画像RI2に媒体画像M1I,M2I,M4IAが含まれる場合、プロセッサ2Aは、媒体画像M1I,M2I,M4IAのそれぞれについて、読取画像RI2における副走査方向での終端を検出する。そして、プロセッサ2Aは、媒体画像M1I,M2I,M4IAのうち、読取画像RI2における副走査方向で最後に位置する終端を有する媒体画像である媒体画像M4IAを廃棄対象画像として選択する。
【0063】
<ケースC3:
図11及び
図12>
ケースC3では、画像読取装置1において、1回目の画像読取時に、エラーの発生が画像読取装置1のユーザに通知された時点から所定時間Δta以内に、オンになっている開閉センサ28が一旦オフになった後に再びオフからオンになり、かつ、開閉センサ28がオフからオンになった後に操作ボタン29が押下された点がケースC2と異なる。さらに、ケースC3では、画像読取装置1において、1回目の画像読取時に、エラーの発生が画像読取装置1のユーザに通知された時点から所定時間Δta以内に操作ボタン29が押下された時点で媒体センサ23がオンになっている点がケースC2と異なる。よって、ケースC3では、1回目の画像読取時に、画像読取装置1から画像処理装置2へは終了通知が送信されない。一方で、ケースC3では、1回目の読取データRDの送信時には、ケースC2と同様に、読取データRDにおいて、読取画像RI2には媒体画像M1I,M2I,M4IAが含まれ(
図11)、エラーフラグEFは“1”に設定され、再読取フラグRFは“0”に設定される。
【0064】
また、ケースC3では、1回目の読取データRDが送信された後に、再読取フラグRFが“1”に設定される。そして、ケースC3では、ステップS195で再読取フラグRFが“1”に設定された後の読取対象媒体M4の再読取時(つまり、2回目の画像読取時)には、画像読取長RLが読取最大長MLを超過する前に媒体センサ23がオフになり、画像読取長RLの測定が開始されてから媒体センサ23がオフになるまでの間に、読取対象媒体M4の全範囲の画像がイメージセンサ17によって読み取られた。よって、ケースC3では、1回目の画像読取に後続する2回目の画像読取時(つまり、読取対象媒体M4の再読取時)には、
図12に示すように、所定の読取最大長MLを有する読取画像RI3に、読取対象媒体M4の全範囲の画像である媒体画像M4IBの1個の媒体画像が含まれ、かつ、読取画像RI3にはエラーは発生していない。よって、ケースC3では、2回目の読取データRDの送信時には、読取データRDにおいて、読取画像RI3には媒体画像M4IBが含まれ、エラーフラグEFは“0”に設定され、再読取フラグRFは“1”に設定される。
【0065】
そこで、ケースC3では、画像処理装置2は、1回目の読取データRDの受信時には、ステップS305において、読取画像RI2から媒体画像M1I,M2I,M4IAを抽出し、ステップS330において、媒体画像M1I,M2I,M4IAのうち媒体画像M4IAを廃棄する。終了通知は受信されていないため、媒体画像M4IAの廃棄後に、処理はステップS335からステップS300に戻る。
【0066】
このため、ケースC3では、画像処理装置2は、2回目の読取データRDの受信時には、ステップS305において、読取画像RI3から媒体画像M4IBを抽出する。また、2回目の読取データRDでは、エラーフラグEFが“0”に設定され、再読取フラグRFが“1”に設定されているため、画像処理装置2は、ステップS345において、非廃棄対象画像である媒体画像M1I,M2Iの2個の媒体画像と、2回目の読取データRDから抽出した媒体画像M4IBの1個の媒体画像との合計3個の媒体画像を含む単一の画像ファイルを生成する。
【0067】
<ケースC4:
図13>
ケースC1(
図10)では読取画像RI1に媒体画像M1I,M2I,M3Iの3個の媒体画像が含まれていたのに対し、ケースC4では、読取画像RI4に媒体画像M1Iの単一の媒体画像が含まれている点がケースC1と異なる。
【0068】
そこで、ケースC4では、画像処理装置2は、ステップS305において、読取画像RI4に含まれる単一の媒体画像である媒体画像M1Iを読取画像RI4から抽出し、ステップS320において、ステップS305で抽出した単一の媒体画像M1Iを含む単一の画像ファイルを生成する。
【0069】
<ケースC5:
図14>
ケースC2(
図11)では3個の読取対象媒体M1,M2,M4のうち読取対象媒体M4の画像の読取途中に画像読取長RLが読取最大長MLを超過したのに対し、ケースC5では、単一の読取対象媒体M5の画像の読取途中に画像読取長RLが読取最大長MLを超過した点がケースC2と異なる。よって、ケースC5では、
図14に示すように、所定の読取最大長MLを有する読取画像RI5に、読取途中にあった単一の読取対象媒体M5の一部の範囲の画像である媒体画像M5Iの1個の媒体画像が含まれ、かつ、読取画像RI5にエラーが発生している。
【0070】
そこで、ケースC5では、画像処理装置2は、ステップS305において、読取画像RI5に含まれる単一の媒体画像である媒体画像M5Iを読取画像RI5から抽出し、ステップS330において、単一の媒体画像M5Iを廃棄する。よって、ケースC5では、画像保存装置3への送信対象となる媒体画像が存在しなくなるため、画像処理装置2は、ステップS340,S325の処理を行わない。
【0071】
以上、実施例1について説明した。
【0072】
[実施例2]
画像読取装置1での上記説明における各処理の全部または一部は、各処理に対応するプログラムをプロセッサ21に実行させることによって実現しても良い。例えば、上記説明における各処理に対応するプログラムがメモリ22に記憶され、プログラムがプロセッサ21によってメモリ22から読み出されて実行されても良い。また、プログラムは、任意のネットワークを介して画像読取装置1に接続されたプログラムサーバに記憶され、そのプログラムサーバから画像読取装置1にダウンロードされて実行されたり、画像読取装置1が読み取り可能な記録媒体に記憶され、その記録媒体から読み出されて実行されても良い。画像読取装置1が読み取り可能な記録媒体には、例えば、メモリカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD、及び、Blu-ray(登録商標)ディスク等の可搬の記憶媒体が含まれる。また、プログラムは、任意の言語や任意の記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。また、プログラムは必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールや複数のライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものも含む。
【0073】
以上、実施例2について説明した。
【0074】
以上のように、本開示の画像処理システム(実施例1の画像処理システム10)は、画像読取装置(実施例1の画像読取装置1)と、画像処理装置(実施例1の画像処理装置2)とを有する。画像読取装置は、イメージセンサ(実施例1のイメージセンサ17)によって読み取られた画像である読取画像(実施例1の読取画像RI)にエラーが発生したか否かを判定し、エラーの発生の有無を示す情報であるエラー情報(実施例1のエラーフラグEF)と読取画像とを含むデータ(実施例1の読取データRD)を生成して送信する。画像処理装置は、データを受信し、エラー情報に基づいてエラーの発生の有無に応じた画像処理を読取画像に対して行う。
【0075】
例えば、本開示の画像読取装置は、読取画像の読取長(実施例1の画像読取長RL)が予め定められた読取最大長(実施例1の読取最大長ML)を超過したときに、読取画像にエラーが発生したと判定する(実施例1のステップS160:Yes→ステップS165)。
【0076】
また例えば、本開示の画像読取装置は、読取画像の読取中(実施例1のステップS120)に画像読取装置のカバー(実施例1の上部カバー13)が開放されたときに、読取画像にエラーが発生したと判定する(実施例1のステップS125:No→ステップS165)。
【0077】
こうすることで、画像処理装置は、読取画像と同時に受信するエラー情報に基づいて読取画像に対する画像処理を行うことができるため、読取画像に対する画像処理を行うにあたり、読取画像が適正な画像であるか否かを画像解析を用いて判定することが不要となる。よって、画像処理装置の処理負荷を軽減できる。
【0078】
また、本開示の読取画像(実施例1のケースC4における読取画像RI4)は、単一の読取対象媒体の画像である単一の媒体画像(実施例1のケースC4における媒体画像M1I)を含み、本開示の画像処理装置は、エラー情報がエラーが発生していないことを示す場合に(実施例1のエラーフラグEFが“0”の場合に)、単一の媒体画像を画像保存装置(実施例1の画像保存装置3)へ送信する。
【0079】
また、本開示の読取画像(実施例1のケースC1における読取画像RI1)は、複数の読取対象媒体の各々の画像である複数の媒体画像(実施例1のケースC1における媒体画像M1I,M2I,M3I)を含み、本開示の画像処理装置は、エラー情報がエラーが発生していないことを示す場合に、複数の媒体画像のすべてを画像保存装置へ送信する。
【0080】
また、本開示の読取画像(実施例1のケースC5における読取画像RI5)は、単一の読取対象媒体の画像である単一の媒体画像(実施例1のケースC5における媒体画像M5I)を含み、本開示の画像処理装置は、エラー情報がエラーが発生していることを示す場合に(実施例1のエラーフラグEFが“1”の場合に)、単一の媒体画像を廃棄する。
【0081】
また、本開示の読取画像(実施例1のケースC2における読取画像RI2)は、複数の読取対象媒体の各々の画像である複数の媒体画像(実施例1のケースC2における媒体画像M1I,M2I,M4IA)を含み、本開示の画像処理装置は、エラー情報がエラーが発生していることを示す場合に、複数の媒体画像のうち読取画像における副走査方向で最後に位置する終端を有する媒体画像である廃棄対象画像(実施例1のケースC2における媒体画像M4IA)を廃棄する一方で、複数の媒体画像のうち廃棄対象画像以外の媒体画像である非廃棄対象画像(実施例1のケースC2における媒体画像M1I,M2I)を画像保存装置へ送信する。
【0082】
こうすることで、画像処理装置は、読取画像のエラー発生の原因となった異常な媒体画像を速やかに廃棄できるとともに、正常に読取が為された媒体画像を速やかに画像保存装置へ送信できる。
【0083】
また、本開示の画像処理装置は、画像読取装置での第一の読取(実施例1の1回目の画像読取)によって読み取られた読取画像である第一読取画像(実施例1のケースC3における読取画像RI2)に含まれる非廃棄対象画像である第一非廃棄対象画像(実施例1のケースC3における媒体画像M1I,M2I)と、画像読取装置での第二の読取であって、第一の読取に後続する第二の読取(実施例1の2回目の画像読取)によって読み取られた読取画像である第二読取画像であって、エラーが発生していない第二読取画像(実施例1のケースC3における読取画像RI3)に含まれる媒体画像(実施例1のケースC3における媒体画像M4IB)とを含む単一の画像ファイルを生成し、生成した単一の画像ファイルを画像保存装置へ送信する。
【0084】
こうすることで、連続する複数回の読取によってそれぞれ正常に読取が為された複数の媒体画像を単一の画像ファイルにまとめることができるため、画像読取装置のユーザによる画像ファイルの管理の手間を軽減することができる。
【符号の説明】
【0085】
10 画像処理システム
1 画像読取装置
2 画像処理装置
17 イメージセンサ
21 プロセッサ
25 通信モジュール