(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
G01P 15/18 20130101AFI20231212BHJP
G01H 11/08 20060101ALI20231212BHJP
G01H 1/00 20060101ALI20231212BHJP
G01V 1/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G01P15/18
G01H11/08 Z
G01H1/00 E
G01V1/00 D
(21)【出願番号】P 2020031133
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】門脇 昌作
(72)【発明者】
【氏名】西田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】村上 伸太郎
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-9079(JP,A)
【文献】特開2009-150729(JP,A)
【文献】特開2014-77645(JP,A)
【文献】特開2016-17792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P15/00-21/02
G01H 1/00-17/00
G01V 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の内部環境を測定可能な複数のセンサと、
電力を用いて前記複数のセンサに関する処理を実行可能な制御部と、
を具備するセンサ装置であって、
前記複数のセンサは、
加速度を測定可能な加速度センサを少なくとも含み、
前記制御部は、
前記加速度センサにより測定された加速度に基づいて、当該センサ装置の設置態様を判定し、
前記設置態様の判定結果に対応しないセンサに関する消費電力を削減する処理を実行可能である、
センサ装置。
【請求項2】
前記制御部は、
電力を用いて前記複数のセンサの測定結果を取得可能であり、
前記複数のセンサのうち、前記設置態様の判定結果に対応したセンサから前記測定結果を取得すると共に、当該判定結果に対応しないセンサからの前記測定結果の取得を停止する、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記加速度センサは、
予め設定された複数の設置態様に対応する複数の方向に掛かる加速度を測定可能であり、
前記制御部は、
前記複数の方向のうち、前記加速度センサによる加速度の測定結果の絶対値が、所定の閾値以上である方向に基づいて、当該センサ装置の設置態様を判定する、
請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記複数の方向の全てについて、前記加速度センサにより測定された加速度の測定結果の絶対値が、前記所定の閾値未満である場合、設置異常であると判定する、
請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記制御部は、
当該センサ装置の起動開始から所定の時間が経過するまでは、前記設置態様の判定に用いる前記加速度センサからの測定値を、第1の時間間隔で取得し、
前記所定の時間が経過した後は、前記設置態様の判定に用いる前記加速度センサからの測定値を、前記第1の時間間隔よりも長い第2の時間間隔で取得する、
請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記設置態様は、
当該センサ装置が取り付けられる面が水平方向を向く設置対象に、当該センサ装置が設置される第1の設置態様を含み、
前記制御部は、
前記加速度センサの測定結果を用いた地震に関する処理を実行可能であり、
前記設置態様の判定結果が前記第1の設置態様であれば、前記地震に関する処理に用いる前記加速度センサからの前記測定結果を取得し、
前記設置態様の判定結果が前記第1の設置態様とは異なる第2の設置態様であれば、前記地震に関する処理に用いる前記加速度センサからの前記測定結果の取得を停止する、
請求項2から請求項5までのいずれか一項に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の内部環境を測定するセンサ装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の内部環境を測定するセンサ装置の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、家屋に設置され、人感センサー、熱感センサー、ガス・煙センサー及び加速度センサーを具備するセンサー機構が記載されている。上記センサー機構は、家屋内の複数の箇所に設置される。上記センサー機構は、制御手段が上記各センサーの測定結果を取得する際に電力を消費すると考えられる。
【0004】
ここで、センサー機構は、向きが異なる種々の設置態様で設置されることが想定される。しかしながら、上記複数のセンサーのなかには、設置態様によっては有効な値を測定し難いセンサーが含まれる場合がある。
【0005】
このため、制御手段が、有効な値を測定し難いセンサーの測定結果を取得し続ければ、電力を無駄に消費することとなる。このことから、無駄な消費電力の発生を抑制することができるセンサ装置が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、無駄な消費電力の発生を抑制することができるセンサ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、建物の内部環境を測定可能な複数のセンサと、電力を用いて前記複数のセンサに関する処理を実行可能な制御部と、を具備するセンサ装置であって、前記複数のセンサは、加速度を測定可能な加速度センサを少なくとも含み、前記制御部は、前記加速度センサにより測定された加速度に基づいて、当該センサ装置の設置態様を判定し、前記設置態様の判定結果に対応しないセンサに関する消費電力を削減する処理を実行可能であるものである。
【0010】
請求項2においては、前記制御部は、電力を用いて前記複数のセンサの測定結果を取得可能であり、前記複数のセンサのうち、前記設置態様の判定結果に対応したセンサから前記測定結果を取得すると共に、当該判定結果に対応しないセンサからの前記測定結果の取得を停止するものである。
【0011】
請求項3においては、前記加速度センサは、予め設定された複数の設置態様に対応する複数の方向に掛かる加速度を測定可能であり、前記制御部は、前記複数の方向のうち、前記加速度センサによる加速度の測定結果の絶対値が、所定の閾値以上である方向に基づいて、当該センサ装置の設置態様を判定するものである。
【0012】
請求項4においては、前記制御部は、前記複数の方向の全てについて、前記加速度センサにより測定された加速度の測定結果の絶対値が、前記所定の閾値未満である場合、設置異常であると判定するものである。
【0013】
請求項5においては、前記制御部は、当該センサ装置の起動開始から所定の時間が経過するまでは、前記設置態様の判定に用いる前記加速度センサからの測定値を、第1の時間間隔で取得し、前記所定の時間が経過した後は、前記設置態様の判定に用いる前記加速度センサからの測定値を、前記第1の時間間隔よりも長い第2の時間間隔で取得するものである。
【0014】
請求項6においては、前記設置態様は、当該センサ装置が取り付けられる面が水平方向を向く設置対象に、当該センサ装置が設置される第1の設置態様を含み、前記制御部は、前記加速度センサの測定結果を用いた地震に関する処理を実行可能であり、前記設置態様の判定結果が前記第1の設置態様であれば、前記地震に関する処理に用いる前記加速度センサからの前記測定結果を取得し、前記設置態様の判定結果が前記第1の設置態様とは異なる第2の設置態様であれば、前記地震に関する処理に用いる前記加速度センサからの前記測定結果の取得を停止するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、無駄な消費電力の発生を抑制することができる。
【0017】
請求項2においては、センサの測定結果の取得に消費される無駄な消費電力の発生を抑制することができる。
【0018】
請求項3においては、加速度センサを用いて、センサ装置が予め設定された複数の設置態様のうちいずれの設置態様であるかの判定が可能となる。
【0019】
請求項4においては、加速度センサを用いた設置異常の判定が可能となる。
【0020】
請求項5においては、センサ装置の起動後においては、センサ装置の設置状態の判定を行い易くすることができ、センサ装置の起動後、所定時間が経過した後は、消費電力を少なくすることができる。
【0021】
請求項6においては、加速度センサの測定結果の取得に消費される無駄な消費電力の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るセンサ装置を示したブロック図。
【
図3】壁設置状態におけるセンサ装置を示した斜視図。
【
図4】各センサに対応するモードを示したブロック図。
【
図5】X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向と、センサ装置と、の関係を示した斜視図。
【
図6】(a)壁設置状態のセンサ装置を模式的に示した側面図。(b)天井設置状態のセンサ装置を模式的に示した側面図。(c)卓上設置状態のセンサ装置を模式的に示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、
図1から
図7までを用いて、本発明の一実施形態に係るセンサ装置1について説明する。
【0024】
図1から
図3まで、
図5、
図6に示すセンサ装置1は、住宅の内部環境を測定可能なものである。センサ装置1は、住宅の内部に種々の設置態様で設けられる。ここで、センサ装置1の設置態様とは、住宅の内部において、設置対象に設置されたセンサ装置1の向きや位置の態様である。
図2では、住宅の内部の壁2や天井3、テーブル4の上を、センサ装置1の設置対象とした例を示している。以下では、センサ装置1の設置態様として、センサ装置1を壁2に設置した状態(
図3も参照)を「壁設置状態」、センサ装置1を天井3に設置した状態を「天井設置状態」、センサ装置1をテーブル4の上に設置した状態を「卓上設置状態」と称して説明する。なお、壁設置状態、天井設置状態及び卓上設置状態の詳細な説明は後述する。
【0025】
センサ装置1は、所定の電力供給源から供給される電力で動作する。電力供給源としては、例えば、
図1に示す系統電源Kを採用可能である。この際には、系統電源Kから供給される電力を、交流から直流に変換するAC/DC電源や、直流の電力の電圧を適宜変更するDC/DC電源等を備える適宜の電源ユニット(不図示)を介して、センサ装置1に電力を供給する態様を採用可能である。また、電力供給源としては、上述した例に限られず、例えば、センサ装置1が内蔵する内部電源(不図示)を採用可能である。
【0026】
センサ装置1は、筐体10、センサ部20、通信部30、記憶部40、制御部50及び報知部60を具備する。なお、以下では、主として
図3に示す壁設置状態におけるセンサ装置1を基準として形状等の説明をする。
【0027】
図3及び
図5に示す筐体10は、センサ装置1の外郭を成す部分である。筐体10は、後述するセンサ部20、通信部30、記憶部40、制御部50及び報知部60を内蔵する。筐体10は、正面視において略矩形状に形成されている。筐体10は、厚さ方向を前後方向(壁2の厚さ方向)に向けた板形状に形成されている。筐体10は、設置面11、測定面12及び通気口13を具備する。
【0028】
設置面11は、設置対象(壁2)に取り付けられる部分である。設置面11には、センサ装置1を設置対象(壁2)に取り付けるための適宜の取付部を設けることができる。
【0029】
測定面12は、センサ装置1を設置対象に取り付けた状態で、後述するセンサ部20の一部のセンサ(例えば後述する照度センサ23や人感センサ26)が測定する方向を向く面である。
【0030】
通気口13は、筐体10の外部と内部とを連通する開口である。通気口13は、筐体10の下面及び左右の両側面に設けられる。
【0031】
図1に示すセンサ部20は、住宅の内部環境を測定可能な複数のセンサからなる複合センサを構成するものである。本実施形態において、センサ部20は、住宅の内部環境を常時測定する。センサ部20は、電力を用いて動作する。センサ部20は、加速度センサ21、温湿度センサ22、照度センサ23、音圧センサ24、気圧センサ25及び人感センサ26を具備する。
【0032】
加速度センサ21は、加速度を測定可能なセンサである。加速度センサ21によれば、重力加速度を測定することができる。また、加速度センサ21によれば、地震が発生した際の揺れによる加速度を測定することができる。
【0033】
温湿度センサ22は、湿度及び湿度を測定可能なセンサである。
【0034】
照度センサ23は、照度を測定可能なセンサである。照度センサ23は、筐体10の測定面12から入射した光の照度を測定する。
【0035】
音圧センサ24は、音の大きさ等を測定可能なセンサである。
【0036】
気圧センサ25は、気圧を測定可能なセンサである。
【0037】
人感センサ26は、人の在又は不在を測定可能なセンサである。人感センサ26は、筐体10の測定面12から入射した赤外線の変化に基づいて人の在又は不在を測定する。
【0038】
通信部30は、センサ装置1の外部の機器との通信が可能なものである。通信部30は、電力を用いて動作する。通信部30は、センサ部20の測定結果の送信等が可能である。また、通信部30は、外部の機器から情報の受信が可能である。
【0039】
記憶部40は、種々の情報を記憶するものである。記憶部40は、電力を用いて動作する。記憶部40は、センサ部20の測定結果を記憶することができる。
【0040】
制御部50は、センサ装置1に関する処理を実行可能なものである。制御部50は、電力を用いて動作する。制御部50は、所定の演算処理装置を有する。制御部50は、プログラムや種々の情報を演算処理装置で読み込んで処理することで、センサ装置1に関する処理を実行することができる。
【0041】
制御部50は、センサ部20、通信部30及び記憶部40と情報を通信可能に接続されている。制御部50は、センサ部20、通信部30及び記憶部40の間での情報のやり取りを行う制御を実行可能である。より詳細には、制御部50は、センサ部20から取得した測定結果を、通信部30を介して送信したり、記憶部40に記憶させる制御を実行可能である。本実施形態では、制御部50は、センサ部20から取得した測定結果を、記憶部40に記憶させると共に、通信部30を介して送信する。
【0042】
また、制御部50は、センサ部20の各センサの測定結果を用いた処理として、
図4に示すように、上記各センサに対応する以下の各モードを実行可能である。
【0043】
制御部50は、加速度センサ21の測定結果を用いた処理として、地震測定モード及び取付検知モードを実行可能である。
【0044】
地震測定モードは、地震によって加速度センサ21に掛かる力の測定結果を用いて、震度やセンサ装置1が設置された住宅の揺れの算出等、地震に関する処理が可能なモードである。地震測定モードにおいては、制御部50は、地震を検知後、所定間隔(例えば10mS(ミリ秒)間隔)で加速度センサ21の測定結果を取得する。本実施形態では、地震測定モードにおける加速度センサ21の測定結果の取得間隔を、後述する他のセンサの測定結果の取得間隔よりも短くしている。
【0045】
また、地震測定モードにおいては、制御部50は、加速度センサ21の測定結果に基づいて、適宜の算出モデルを用いて地震の震度や住宅の揺れを算出する。また、地震測定モードを実行する際には、震度等を正確に算出するために、後述する壁設置状態のように、加速度センサ21(センサ装置1)が、地震に対する建物の構造の安定性(耐震等級等)の基準となる部材(壁2等)に固定されることが望ましい。
【0046】
取付検知モードは、センサ装置1の取付方向(設置状態)を判定可能なモードである。取付検知モードにおいては、
図5に示すように、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向において、加速度センサ21により測定される加速度(重力加速度)に基づいてセンサ装置1の取付方向を判定する。
【0047】
本実施形態では、X軸方向を、センサ装置1の側面が向く方向(壁設置状態における左右方向)に設定している。なお、以下では、左方向(X軸正方向)に掛かる加速度を正の値で示し、右方向(X軸負方向)に掛かる加速度を負の値で示す。また、本実施形態では、Y軸方向を、センサ装置1の上面及び下面が向く方向(壁設置状態における上下方向)に設定している。なお、以下では、下方向(Y軸正方向)に掛かる加速度を正の値で示し、上方向(Y軸負方向)に掛かる加速度を負の値で示す。また、本実施形態では、Z軸方向を、センサ装置1の厚さ方向(壁設置状態における前後方向)に設定している。なお、以下では、前方向(Z軸正方向)に掛かる加速度を正の値で示し、後方向(Z軸負方向)に掛かる加速度を負の値で示す。
【0048】
取付検知モードにおいては、制御部50は、所定間隔(例えば10分間隔)で加速度センサ21の測定結果を取得する。なお、取付検知モードにおいては、設置対象に取り付けたセンサ装置1の起動直後においては、比較的短い間隔(例えば10ミリ秒~1秒間隔)で加速度センサ21の測定結果を取得し、センサ装置1の起動後、所定時間(例えば1分~10分)が経過した後は、比較的長い間隔(例えば10分間隔)で加速度センサ21の測定結果を取得するようにしてもよい。これによれば、センサ装置1の起動直後において、比較的短い間隔で加速度センサ21の測定結果を取得することで、センサ装置1の起動後、センサ装置1の設置状態の判定を行い易くすることができる。また、センサ装置1の起動後、所定時間が経過した後は、制御部50による測定値の取得の回数を比較的少なくすることができ、消費電力を少なくすることができる。
【0049】
また、取付検知モードにおいては、制御部50は、加速度センサ21の測定結果に基づいて、後述するモード設定処理(ステップS12、ステップS14、ステップS16)を実行することで、センサ装置1の取付方向を判定する。
【0050】
また、
図4に示すように、制御部50は、温湿度センサ22の測定結果を用いた処理として、温湿度測定モードを実行可能である。温湿度測定モードは、温湿度センサ22により、センサ装置1が設置された住宅の内部空間の湿度及び湿度を測定するモードである。温湿度測定モードにおいては、制御部50は、所定間隔(例えば10分間隔)で温湿度センサ22の測定結果を取得する。
【0051】
また、制御部50は、照度センサ23の測定結果を用いた処理として、明るさ測定モードを実行可能である。明るさ測定モードは、照度センサ23により、センサ装置1が設置された住宅の内部空間の明るさを測定するモードである。明るさ測定モードにおいては、制御部50は、所定間隔(例えば10分間隔)で照度センサ23の測定結果を取得する。明るさ測定モードにおいては、照度センサ23(センサ装置1)が天井3の照明に近過ぎる位置(高過ぎる位置)に設置されれば、内部空間の人が実際に感じる明るさとしての有効な測定結果を取得し難い。従って、明るさ測定モードを実行する際には、照度センサ23(センサ装置1)は、一般的な人の身長以下の高さ位置に設置されることが望ましい。
【0052】
また、制御部50は、音圧センサ24の測定結果を用いた処理として、騒音測定モードを実行可能である。騒音測定モードは、音圧センサ24により、センサ装置1が設置された住宅の内部空間の音の大きさを測定するモードである。騒音測定モードにおいては、制御部50は、所定間隔(例えば10分間隔)で音圧センサ24の測定結果を取得する。騒音測定モードにおいて、音圧センサ24(センサ装置1)が移動可能に設置されれば、音圧センサ24(センサ装置1)が設置された位置によって測定結果にばらつきが生じる。従って、騒音測定モードを実行する際には、音圧センサ24(センサ装置1)が設置対象に固定されることが望ましい。
【0053】
また、制御部50は、気圧センサ25の測定結果を用いた処理として、気圧測定モードを実行可能である。気圧測定モードは、気圧センサ25により、センサ装置1が設置された住宅の内部空間の気圧(大気圧)を測定するモードである。気圧測定モードにおいては、制御部50は、所定間隔(例えば10分間隔)で気圧センサ25の測定結果を取得する。気圧測定モードにおいて、気圧センサ25(センサ装置1)が高過ぎる位置に設置されれば、内部空間の人が実際に感じる気圧としての有効な測定結果を取得し難い。従って、気圧測定モードを実行する際には、気圧センサ25(センサ装置1)は、一般的な人の身長以下の高さ位置に設置されることが望ましい。
【0054】
また、制御部50は、人感センサ26の測定結果を用いた処理として、人検知モードを実行可能である。人検知モードは、人感センサ26により、センサ装置1が設置された住宅の内部空間内の人の在又は不在を測定するモードである。制御部50は、所定間隔(例えば10分間隔)で人感センサ26の測定結果を取得する。人検知モードにおいては、人感センサ26(センサ装置1)が、住宅の内部空間の人が活動する領域(住宅の内部空間のうち、特に人が実際に存在する領域)に向けて設置されなければ、センサ装置1の測定面12を、住宅の内部空間の人に向け難くなり、有効な測定結果を取得し難い。従って、人検知モードを実行する際には、人感センサ26(センサ装置1の測定面12)が、住宅の内部空間の人が活動する領域に向けて設置されることが望ましい。
【0055】
制御部50は、上記各センサの各モード(地震測定モード、取付検知モード、温湿度測定モード、明るさ測定モード、騒音測定モード、気圧測定モード、人検知モード)を実行する状態(オン状態)と、実行しない状態(オフ状態)と、を切り替え可能である。
【0056】
また、制御部50は、センサ装置1の設置態様(壁設置状態、天井設置状態及び卓上設置状態)に応じて、上記各センサの各モードのオン状態とオフ状態とを切り替える処理である、壁設置モード、天井設置モード及び卓上設置モードを実行可能である。なお、壁設置モード、天井設置モード及び卓上設置モードの詳細な説明は後述する。
【0057】
図1に示す報知部60は、センサ装置1の設置異常を報知可能なものである。なお、センサ装置1の設置異常についての詳細な説明は後述する。報知部60は、例えばLED等の所定の発光手段を発光させることで報知を行う構成を採用可能である。なお、報知部60による報知としては、上述したものに限られず、所定の表示や音による報知を採用してもよく、種々の態様を採用可能である。
【0058】
以下では、上述の如きセンサ装置1の設置態様である壁設置状態、天井設置状態及び卓上設置状態の詳細について説明する。
【0059】
図2、
図3及び
図6(a)に示す壁設置状態は、センサ装置1を、略垂直に設けられた設置対象に設置した状態である。当該設置対象の取付面(センサ装置1が取り付けられる面)は、横方向(略水平方向)を向くことになる。本実施形態では、横方向を向く取付面を有する設置対象を壁2としている。壁設置状態においては、センサ装置1(筐体10)の設置面11は、後方(壁2側)を向く。また、センサ装置1(筐体10)の測定面12は、前方(反壁2側)を向く。壁設置状態においては、センサ装置1は、壁2側から住宅の内部環境を測定可能となる。
図6(a)に示すように、壁設置状態においては、加速度センサ21により測定される加速度(重力加速度)は、Y軸方向における正の値となる。
【0060】
壁設置状態においては、センサ装置1は、住宅の内部空間の人が活動する領域(住宅の内部空間のうち、特に人が実際に存在する領域)に設置される。具体的には、センサ装置1は、一般的な人の身長以下の高さ位置に設置される。壁設置状態におけるセンサ装置1の高さ位置としては、例えば、床面から10cm~50cm程度の高さ位置を採用可能である。
【0061】
図3に示すように、壁設置状態においては、センサ装置1は、設置対象としての壁2に固定される。壁設置状態においては、センサ装置1は、例えば、壁2に埋め込まれるように当該壁2の下地に固定された電源ボックス(不図示)や電源ユニット(不図示)等を介して固定される。また、壁設置状態においては、センサ装置1は、上記電源ユニットを介して、系統電源Kと接続可能である。このように、壁設置状態においては、壁2の下地等にセンサ装置1が固定されるため、比較的強固にセンサ装置1を固定することができる。
【0062】
上述の如き壁設置状態では、センサ装置1が、地震に対する建物の構造の安定性の基準となる部材である壁2に固定されるため、加速度センサ21の地震測定モードを実行した場合に、有効な測定結果の取得が可能となる。また、センサ装置1が、壁2に固定されて移動不能に設置されるため、音圧センサ24の騒音測定モードを実行した場合に、有効な測定結果の取得が可能となる。また、センサ装置1が、一般的な人の身長以下の高さ位置に位置するため、照度センサ23の明るさ測定モードや、気圧センサ25の気圧測定モードを実行した場合に、有効な測定結果の取得が可能となる。また、センサ装置1の測定面12を、住宅の内部空間の人に向けて設置し易いため、人感センサ26の人検知モードを実行した場合に、有効な測定結果の取得が可能となる。
【0063】
図2及び
図6(b)に示す天井設置状態は、下方向を向く取付面(センサ装置1が取り付けられる面)を有する設置対象に、センサ装置1を設置した状態である。本実施形態では、下方向を向く取付面を有する設置対象を天井3としている。天井設置状態においては、センサ装置1(筐体10)の設置面11は、上方(天井3側)を向く。また、センサ装置1(筐体10)の測定面12は、下方(反天井3側)を向く。天井設置状態においては、センサ装置1は、天井3側から住宅の内部環境を測定可能となる。
図6(b)に示すように、天井設置状態においては、加速度センサ21により測定される加速度(重力加速度)は、Z軸方向における正の値となる。
【0064】
天井設置状態においては、センサ装置1は、設置対象としての天井3に固定される。天井設置状態においては、センサ装置1は、天井3の内部を通る配電線等を介して、系統電源Kと接続可能である。
【0065】
上述の如き天井設置状態では、センサ装置1が設置対象である天井3に固定されて移動不能に設置されるため、音圧センサ24の騒音測定モードを実行した場合に、有効な測定結果の取得が可能となる。また、センサ装置1の測定面12を、住宅の内部空間の人に向けて設置し易いため、人感センサ26の人検知モードを実行した場合に、有効な測定結果の取得が可能となる。
【0066】
一方、天井設置状態では、地震に対する建物の構造の安定性の基準とはならない部材である天井3にセンサ装置1が固定されるため、加速度センサ21の地震測定モードを実行した場合に、有効な測定結果を取得し難い。また、センサ装置1が一般的な人の身長以下の高さ位置に位置するため、照度センサ23の明るさ測定モードや、気圧センサ25の気圧測定モードを実行した場合に、有効な測定結果を取得し難い。
【0067】
図2及び
図6(c)に示す卓上設置状態は、上方向を向く取付面(センサ装置1が取り付けられる面)を有する設置対象に、センサ装置1を設置した状態である。本実施形態では、上方向を向く取付面を有する設置対象をテーブル4としている。卓上設置状態においては、センサ装置1(筐体10)の設置面11は、下方(テーブル4側)を向く。また、センサ装置1(筐体10)の測定面12は、上方(反テーブル4側)を向く。
図6(c)に示すように、卓上設置状態においては、センサ装置1は、テーブル4側から住宅の内部環境を測定可能となる。
図6(c)に示すように、卓上設置状態においては、加速度センサ21により測定される加速度(重力加速度)は、Z軸方向における負の値となる。
【0068】
卓上設置状態においては、センサ装置1は、テーブル4に載置される。すなわち、卓上設置状態においては、センサ装置1は、設置対象としてのテーブル4に固定されない。また、卓上設置状態においては、センサ装置1は、住宅の内部空間の人が活動する領域(住宅の内部空間のうち、特に人が実際に存在する領域)に設置される。具体的には、センサ装置1は、一般的な人の身長以下の高さ位置に設置される。卓上設置状態においては、センサ装置1は、内部電源を電力供給源とする構成を採用可能である。また、適宜の電源コードを介して接続された系統電源Kを電力供給源とする構成を採用可能である。
【0069】
上述の如き卓上設置状態では、センサ装置1が一般的な人の身長以下の高さ位置に位置するため、照度センサ23の明るさ測定モードや、気圧センサ25の気圧測定モードを実行した場合に、有効な測定結果の取得が可能となる。
【0070】
一方、卓上設置状態では、センサ装置1が設置対象に固定されず、移動可能に設置されるため、加速度センサ21の地震測定モードや、音圧センサ24の騒音測定モードを実行した場合に、有効な測定結果を取得し難い。また、センサ装置1の測定面12を、住宅の内部空間の人に向けて設置し難いため、人感センサ26の人検知モードを実行した場合に、有効な測定結果を取得し難い。
【0071】
制御部50は、上述したセンサ装置1の各設置態様(壁設置状態、天井設置状態及び卓上設置状態)に応じて、センサ部20の各センサの動作態様を切り替えるモード設定処理を実行可能である。
【0072】
以下では、
図7のフローチャートを用いて、モード設定処理について説明する。
【0073】
ステップS10において、制御部50は、加速度センサ21の取付検知モードをオン状態にする。ステップS10の処理は、例えば、センサ装置1を起動した際に実行される。制御部50は、ステップS10の処理を実行した後、ステップS11の処理へ移行する。
【0074】
ステップS11において、制御部50は、加速度センサ21による加速度(重力加速度)の測定結果(値)を取得する。ステップS11において、制御部50は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれについて加速度の測定結果を取得する。制御部50は、ステップS11の処理を実行した後、ステップS12の処理へ移行する。
【0075】
ステップS12において、制御部50は、Y軸方向(Y軸正方向)における加速度の値が、500gal(5.0m/s2)以上であるか否かを判定する。制御部50は、Y軸方向に500gal以上の加速度が測定される場合、センサ装置1が壁設置状態であると判定(推定)する。本実施形態では、センサ装置1が多少傾いて設置された場合でも、センサ装置1の設置状態を判定可能なように、判定の基準となる加速度の値を500galとしている。なお、判定の基準となる加速度の値は、500galに限られず、980gal(9.8m/s2)以下の種々の値を採用可能である。
【0076】
制御部50は、Y軸方向における加速度の値が、500gal以上であると判定した場合、ステップS13の処理へ移行する。一方、制御部50は、Y軸方向における加速度の値が、500gal未満であると判定した場合、ステップS14の処理へ移行する。
【0077】
ステップS13において、制御部50は、壁設置状態に対応したモードである壁設置モードを実行する。壁設置モードにおいて、制御部50は、地震測定モード、温湿度測定モード、明るさ測定モード、騒音測定モード、気圧測定モード及び人検知モード(壁設置状態の判定結果に対応するセンサのモード)をオン状態にする。すなわち、壁設置モードにおいては、センサ部20の全てのセンサのモードがオン状態となる。
【0078】
上述の如き壁設置モードを実行することで、センサ装置1により、地震、温湿度、明るさ、音の大きさ、気圧、人の在又は不在を測定することができる。制御部50は、ステップS13の処理を実行した後、モード設定処理を終了する。
【0079】
ステップS14において、制御部50は、Z軸方向(Z軸正方向)における加速度の値が、500gal以上であるか否かを判定する。制御部50は、Z軸方向に500gal以上の加速度が測定される場合、センサ装置1が天井設置状態であると判定(推定)する。
【0080】
制御部50は、Z軸方向における加速度の値が、500gal以上であると判定した場合、ステップS15の処理へ移行する。一方、制御部50は、Z軸方向における加速度の値が、500gal未満であると判定した場合、ステップS16の処理へ移行する。
【0081】
ステップS15において、制御部50は、天井設置状態に対応したモードである天井設置モードを実行する。天井設置モードにおいて、制御部50は、温湿度測定モード、騒音測定モード及び人検知モード(天井設置状態の判定結果に対応するセンサのモード)をオン状態にする。また、制御部50は、地震測定モード、明るさ測定モード及び気圧測定モード(天井設置状態の判定結果に対応しないセンサのモード)をオフ状態にする。
【0082】
上述の如き天井設置モードを実行することで、センサ装置1により、主として温湿度、音の大きさ、人の在又は不在を測定することができる。また、天井設置状態のセンサ装置1では有効な測定結果を取得し難い地震測定モード、明るさ測定モード及び気圧測定モードについては、制御部50による測定値の取得を停止することができる。これにより、上記有効な測定結果を取得し難いモードを実行した場合に、制御部50による測定値の取得や記憶部40への記憶、通信部30を介した送信により発生する無駄な消費電力を削減することができる。制御部50は、ステップS15の処理を実行した後、モード設定処理を終了する。
【0083】
ステップS16において、制御部50は、Z軸方向(Z軸負方向)における加速度の値が、-500gal以下であるか否かを判定する。制御部50は、Z軸方向に-500gal以下の加速度が測定される場合、センサ装置1が卓上設置状態であると判定(推定)する。
【0084】
制御部50は、Z軸方向における加速度の値が、-500gal以下であると判定した場合、ステップS17の処理へ移行する。一方、制御部50は、Z軸方向における加速度の値が、-500galより大きいと判定した場合、ステップS18の処理へ移行する。
【0085】
ステップS17において、制御部50は、センサ装置1が卓上設置状態で設置されていると推定すると共に、卓上設置状態に対応したモードである卓上設置モードを実行する。卓上設置モードにおいて、制御部50は、温湿度測定モード、明るさ測定モード及び気圧測定モード(卓上設置状態の判定結果に対応するセンサのモード)をオン状態にする。また、制御部50は、地震測定モード、騒音測定モード及び人検知モード(卓上設置状態の判定結果に対応しないセンサのモード)をオフ状態にする。
【0086】
上述の如き卓上設置モードを実行することで、センサ装置1により、主として温湿度、明るさ、気圧を測定することができる。また、卓上設置状態のセンサ装置1では有効な測定結果を取得し難い地震測定モード、騒音測定モード及び人検知モードについては、制御部50による測定値の取得を停止することができる。これにより、上記有効な測定結果を取得し難いモードを実行した場合に、制御部50による測定値の取得や記憶部40への記憶、通信部30を介して送信により発生する無駄な消費電力を削減することができる。制御部50は、ステップS17の処理を実行した後、モード設定処理を終了する。
【0087】
ステップS18において、制御部50は、センサ装置1が設置異常であると判定する。ここで、設置異常とは、センサ装置1が壁設置状態、天井設置状態及び卓上設置状態のいずれでもない状態で設置されていることを指す。また、制御部50は、報知部60により、センサ装置1が設置異常であることを報知する。これにより、センサ装置1が設置異常であることを設置者に報知し、センサ装置1の適切な設置を促すことができる。制御部50は、ステップS18の処理を実行した後、モード設定処理を終了する。
【0088】
なお、上述したモード設定処理の構成は一例であり、モード設定処理としては上記構成に限られない。例えば、上述したモード設定処理では、X軸方向における加速度の値を設置態様の判定に用いていないが、X軸方向における加速度の値を設置態様の判定に用いるようにしてもよい。
【0089】
以上の如く、本実施形態に係るセンサ装置1は、
建物の内部環境を測定可能な複数のセンサ(加速度センサ21、温湿度センサ22、照度センサ23、音圧センサ24、気圧センサ25及び人感センサ26)と、
電力を用いて前記複数のセンサ(加速度センサ21、温湿度センサ22、照度センサ23、音圧センサ24、気圧センサ25及び人感センサ26)に関する処理を実行可能な制御部50と、
を具備するセンサ装置1であって、
前記複数のセンサ(加速度センサ21、温湿度センサ22、照度センサ23、音圧センサ24、気圧センサ25及び人感センサ26)は、
加速度を測定可能な加速度センサ21を少なくとも含み、
前記制御部50は、
前記加速度センサにより測定された加速度に基づいて、当該センサ装置1の設置態様を判定し(ステップS12、ステップS14、ステップS16)、
前記設置態様の判定結果に対応しないセンサに関する消費電力を削減する処理を実行可能であるものである(ステップS13、ステップS15、ステップS17)。
【0090】
このように構成することにより、無駄な消費電力の発生を抑制することができる。すなわち、判定された設置態様に適さないセンサに関する電力を削減することで、無駄な消費電力の発生を抑制することができる。
【0091】
また、前記制御部50は、
電力を用いて前記複数のセンサ(加速度センサ21、温湿度センサ22、照度センサ23、音圧センサ24、気圧センサ25及び人感センサ26)の測定結果を取得可能であり、
前記複数のセンサ(加速度センサ21、温湿度センサ22、照度センサ23、音圧センサ24、気圧センサ25及び人感センサ26)のうち、前記設置態様の判定結果に対応したセンサから前記測定結果を取得すると共に、当該判定結果に対応しないセンサからの前記測定結果の取得を停止するものである(ステップS13、ステップS15、ステップS17)。
【0092】
このように構成することにより、センサの測定結果の取得に消費される無駄な消費電力の発生を抑制することができる。すなわち、制御部50を、センサ装置1の設置態様の判定結果に対応したセンサから測定結果を取得し、当該判定結果に対応しないセンサからの測定結果の取得を停止する構成としている。これにより、例えば、ある設置態様に適するセンサの測定結果のみを取得し、当該設置態様に適さないセンサの測定結果の取得は停止することで、当該設置態様に適さないセンサの測定結果の取得に消費される無駄な消費電力の発生を抑制することができる。
【0093】
また、前記加速度センサ21は、
予め設定された複数の設置態様(壁設置状態、天井設置状態及び卓上設置状態)に対応する複数の方向に掛かる加速度を測定可能であり、
前記制御部50は、
前記複数の方向のうち、前記加速度センサ21による加速度の測定結果の絶対値が、所定の閾値以上である方向に基づいて、当該センサ装置1の設置態様を判定するものである(ステップS12、ステップS14、ステップS16)。
【0094】
このように構成することにより、加速度センサ21を用いて、センサ装置1が予め設定された複数の設置態様のうちいずれの設置態様であるかの判定が可能となる。
【0095】
また、前記制御部50は、
前記複数の方向の全てについて、前記加速度センサ21により測定された加速度の測定結果の絶対値が、前記所定の閾値未満である場合、設置異常であると判定するものである(ステップS18)。
【0096】
このように構成することにより、加速度センサ21を用いた設置異常の判定が可能となる。
【0097】
また、前記制御部50は、
当該センサ装置1の起動開始から所定の時間が経過するまでは、前記設置態様の判定に用いる前記加速度センサ21からの測定値を、第1の時間間隔で取得し、
前記所定の時間が経過した後は、前記設置態様の判定に用いる前記加速度センサ21からの測定値を、前記第1の時間間隔よりも長い第2の時間間隔で取得するものである。
【0098】
このように構成することにより、センサ装置1の起動後においては、センサ装置1の設置状態の判定を行い易くすることができ、センサ装置1の起動後、所定時間が経過した後は、消費電力を少なくすることができる。すなわち、センサ装置1の起動直後において、比較的短い間隔で加速度センサ21の測定結果を取得することで、センサ装置1の起動後、センサ装置1の設置状態の判定を行い易くすることができる。また、センサ装置1の起動後、所定時間が経過した後は、制御部50による測定値の取得の回数を比較的少なくすることができ、消費電力を少なくすることができる。
【0099】
また、前記設置態様は、
当該センサ装置1が取り付けられる面(取付面)が水平方向を向く設置対象(壁2)に、当該センサ装置1が設置される第1の設置態様(壁設置状態)を含み、
前記制御部は、
前記加速度センサ21の測定結果を用いた地震に関する処理(地震測定モード)を実行可能であり、
前記設置態様の判定結果が前記第1の設置態様(壁設置状態)であれば、前記地震に関する処理(地震測定モード)に用いる前記加速度センサ21からの前記測定結果を取得し(ステップS13)、
前記設置態様の判定結果が前記第1の設置態様とは異なる第2の設置態様(天井設置状態、卓上設置状態)であれば、前記地震に関する処理(地震測定モード)に用いる前記加速度センサ21からの前記測定結果の取得を停止するものである(ステップS15、ステップS17)。
【0100】
このように構成することにより、加速度センサ21の測定結果の取得に消費される無駄な消費電力の発生を抑制することができる。すなわち、設置態様の判定結果が、第1の設置態様(壁設置状態)であれば、センサ装置1が、地震に関する処理(地震測定モード)に適した設置対象(壁2)に設置されていると推定し、地震に関する処理(地震測定モード)に用いる加速度センサ21からの測定結果を取得することができる。一方、設置態様の判定結果が、第1の設置態様(壁設置状態)とは異なる第2の設置態様(天井設置状態、卓上設置状態)であれば、センサ装置1が、地震に関する処理(地震測定モード)に適さない設置対象(天井3、テーブル4等)に設置されていると推定し、地震に関する処理(地震測定モード)に用いる加速度センサ21からの測定結果の取得を停止することで、加速度センサ21の測定結果の取得に消費される無駄な消費電力の発生を抑制することができる。
【0101】
なお、本実施形態に係る壁設置状態、天井設置状態及び卓上設置状態は、本発明に係る設置態様の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る壁設置状態は、本発明に係る第1の設置態様の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る天井設置状態及び卓上設置状態は、本発明に係る第2の設置態様の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る壁2は、本発明に係るセンサ装置が取り付けられる面が水平方向を向く設置対象の実施の一形態である。
【0102】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0103】
例えば、本実施形態では、センサ装置1の設置態様を、壁設置状態、天井設置状態としたが、このような態様に限られない。センサ装置1の設置態様としては、上述したものに限られず、住宅の内部の種々の位置に設置可能である。
【0104】
また、本実施形態では、制御部50がセンサ部20から取得した測定結果を、記憶部40に記憶させると共に通信部30を介して送信する構成としたが、このような態様に限られない。例えば、制御部50がセンサ部20から取得した測定結果を、記憶部40に記憶させる一方、通信部30を介した送信は行わないようにしてもよく、また、上記測定結果を、通信部30を介して送信する一方、記憶部40には記憶させないようにしてもよい。
【0105】
また、本実施形態では、センサ部20の各センサを、住宅の内部環境を常時測定する構成とし、モード設定処理において、設置態様の判定結果に対応しないセンサの各モードをオフ状態とすることで、センサの測定結果の取得に消費される無駄な消費電力の発生を抑制するものとしたが、このような態様に限られない。無駄な消費電力の発生を抑制する態様としては、種々の態様を採用可能である。
【0106】
例えば、モード設定処理において、設置態様の判定結果に対応しないセンサの各モードについてもオン状態とした状態で、当該センサの測定結果を、記憶部40に記憶させる一方、通信部30を介した送信は行わないことで、消費電力の発生を抑制する態様としてもよい。また、設置態様の判定結果に対応しないセンサの測定結果を、通信部30を介して送信する一方、記憶部40には記憶させないことで、消費電力の発生を抑制する態様としてもよい。また、設置態様の判定結果に対応しないセンサの測定結果について、通信部30を介した送信及び記憶部40への記憶の両方を実行しないことで、消費電力の発生を抑制する態様としてもよい。
【0107】
また、例えば、モード設定処理において、設置態様の判定結果に対応しないセンサの測定自体を停止することで、無駄な消費電力の発生を抑制する態様としてもよい。
【0108】
また、本実施形態では、センサ装置1のセンサ部20において、加速度センサ21の他のセンサを、温湿度センサ22、照度センサ23、音圧センサ24、気圧センサ25及び人感センサ26としたが、このような態様に限られない。センサ部20としては、住宅の内部環境を測定可能な種々のセンサを採用可能である。
【0109】
また、本実施形態では、センサ装置1を住宅に設置する構成としたが、このような態様に限られない。センサ装置1を設置する建物としては、商業施設や工場などの事業所、役所などの公共施設でもよい。
【0110】
また、本実施形態では、X軸方向を、センサ装置1の側面が向く方向(壁設置状態における左右方向)に設定していたが、このような態様に限られない。すなわち、例えばセンサ装置1に収容された図示せぬ基板の向きを基準として、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向が設定されてもよい。この場合、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、予め設定された一の方向を指すものとして設定されるのではなく、基板の向きに応じた種々の方向を指すこととなる。
【符号の説明】
【0111】
1 センサ装置
2 壁
20 センサ部
21 加速度センサ
50 制御部