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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】ブーム起伏位置検出装置の取付構造
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/82 20060101AFI20231212BHJP
   B66C 23/90 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B66C23/82 B
B66C23/90 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020044205
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021143068
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)販売日 :令和1年6月3日 販売場所:ユニック静岡販売株式会社 公開者 :古河ユニック株式会社 (2)販売日 :令和1年7月18日 販売場所:アイチサ-ビス株式会社 公開者 :古河ユニック株式会社 (3)販売日 :令和1年8月8日 販売場所:ジーエム建機リース株式会社 公開者 :古河ユニック株式会社 (4)販売日 :令和1年9月27日 販売場所:株式会社多摩オートサービス 公開者 :古河ユニック株式会社 (5)販売日 :令和1年10月9日 販売場所:古河ロックドリル株式会社 吉井工場 公開者 :古河ユニック株式会社 (6)販売日 :令和1年11月5日 販売場所:株式会社ミツワ 公開者 :古河ユニック株式会社 (7)販売日 :令和2年3月10日 販売場所:古河ユニック株式会社 架装センター 公開者 :古河ユニック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506002823
【氏名又は名称】古河ユニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】清水 祐聡
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-343032(JP,A)
【文献】特開2003-40598(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/308854(US,A1)
【文献】実開平9-47(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/82
B66C 23/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブーム起伏用シリンダの伸縮動作に応じて起伏動作が可能なブームが所定の起伏位置にあることを検出するブーム起伏位置検出装置の取付構造であって、
前記ブームは、水平方向に延びる軸線を回転中心とした起伏動作が可能にコラムポストで支持され、
前記ブーム起伏用シリンダの両端部は、それぞれ、前記ブームと前記コラムポストへ取り付けられ、
前記ブーム起伏用シリンダの一端部は、水平な第一軸を回転軸として前記ブームに対する回転が可能であり、
前記ブーム起伏用シリンダの他端部は、前記第一軸と平行な第二軸を回転軸として前記コラムポストに対する回転が可能であり、
前記ブーム起伏位置検出装置は、前記コラムポストに取り付けられ、且つ検出対象との相対位置を検出する非接触式位置検出用センサと、前記他端部に取り付けられ、且つ前記非接触式位置検出用センサの検出対象である被検出体と、を備え、
前記非接触式位置検出用センサの前記検出対象を検出する検出方向のベクトルは、前記第二軸の軸線に対して直角に交わるベクトルを形成し、
前記非接触式位置検出用センサの取付台座は、台座面が平面であり、
前記平面は、前記ベクトルと直角に交わる面を形成するブーム起伏位置検出装置の取付構造。
【請求項2】
前記被検出体の位置は、前記他端部の回転に応じて前記非接触式位置検出用センサの動作範囲内又は動作範囲外へ移動することが可能な位置に調節可能である請求項1に記載したブーム起伏位置検出装置の取付構造。
【請求項3】
ブーム起伏用シリンダの伸縮動作に応じて起伏動作が可能なブームが所定の起伏位置にあることを検出するブーム起伏位置検出装置の取付構造であって、
前記ブームは、水平方向に延びる軸線を回転中心とした起伏動作が可能にコラムポストで支持され、
前記ブーム起伏用シリンダの両端部は、それぞれ、前記ブームと前記コラムポストへ取り付けられ、
前記ブーム起伏用シリンダの一端部は、水平な第一軸を回転軸として前記ブームに対する回転が可能であり、
前記ブーム起伏用シリンダの他端部は、前記第一軸と平行な第二軸を回転軸として前記コラムポストに対する回転が可能であり、
前記ブーム起伏位置検出装置は、前記ブームに取り付けられ、且つ検出対象との相対位置を検出する非接触式位置検出用センサと、前記一端部に取り付けられ、且つ前記非接触式位置検出用センサの検出対象である被検出体と、を備え、
前記非接触式位置検出用センサの前記検出対象を検出する検出方向のベクトルは、前記第一軸の軸線に対して直角に交わるベクトルを形成し、
前記非接触式位置検出用センサの取付台座は、台座面が平面であり、
前記平面は、前記ベクトルと直角に交わる面を形成するブーム起伏位置検出装置の取付構造。
【請求項4】
前記被検出体の位置は、前記一端部の回転に応じて前記非接触式位置検出用センサの動作範囲内又は動作範囲外へ移動することが可能な位置に調節可能である請求項3に記載したブーム起伏位置検出装置の取付構造。
【請求項5】
前記所定の起伏位置として、前記ブームの最伏位置が設定され、
前記非接触式位置検出用センサと前記被検出体とは、前記最伏位置で前記非接触式位置検出用センサにより前記被検出体が検出される位置関係となるように取り付けられている請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載したブーム起伏位置検出装置の取付構造。
【請求項6】
前記一端部又は前記他端部の形状は、水平方向から見て円筒状であり、
前記被検出体の少なくとも一部は、前記一端部又は前記他端部の外周面に沿った形状に近似させて形成されている請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載したブーム起伏位置検出装置の取付構造。
【請求項7】
前記非接触式位置検出用センサは、近接センサである請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載したブーム起伏位置検出装置の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン等の作業機が備えるブームの起伏位置を検出するブーム起伏位置検出装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機が備えるブームの起伏位置を検出する技術として、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術がある。特許文献1に開示されている技術は、左右一対のブラケットの間で回転可能に支承されるブームと、ブームの基端部に設けられた補強板と、補強板に取り付けられた起伏角度検出器を備える。
また、特許文献2に開示されている技術では、左右一対の支持ブラケットの間に、伸縮ブームの基端部を起伏自在に取り付けており、本体と回転軸とを有するポテンショメータを有する。
【0003】
特許文献1では、ブームの起伏位置としての起伏角度を検出するために、対地角度(重力方向に対する傾斜角度)を検出可能な検出器として、起伏角度検出器が用いられている。
しかしながら、地面を基準とした検出角度は、作業機の機体を基準とした検出角度ではない。このため、例えば、坂道等、傾斜地に置かれた作業機において、ブームが格納位置にあるか否か等、ブームが特定の位置にあるか否かを検出することが目的である場合には、使用することが出来ない。
また、特許文献2では、ブームの起伏角度を検出するために、ポテンショメータが用いられている。
しかしながら、ブームが格納位置にあるか否か等、ブームが特定の位置にあるか否かを検出することが目的である場合は、リミットスイッチや近接センサ等、安価なセンサを用いることが可能である。
【0004】
ブームの起伏角度を検出するために安価なセンサを用いた技術として、例えば、特許文献3に開示されている技術がある。特許文献3に開示されている技術では、ブーム干渉角度検出手段を備える。ブーム干渉角度検出手段は、検出側部材と、近接センサを有しており、伸縮ブームが車両の運転室や荷台に干渉する危険がある起伏角度以下になったことを検出する。検出側部材は、伸縮ブームの基端部に設けられている。近接センサは、旋回ポストの上部において背面となる位置に取付けられており、検出側部材を検出することで、伸縮ブームが、略水平状態から最倒伏状態までの倒伏規制角度内に倒伏したことを検出する。また、特許文献3には、近接センサに代えて、リミットスイッチを用いる構成も記載されている。
このように、ブームの厳密な起伏角度ではなく、近接センサやリミットスイッチを用いて、ブームが特定の位置(範囲)にあるか否かを検出する構成は他にもある。例えば、ブームが格納位置にあることを検出するために、ブームの基端部とコラムポストとの間の隙間を利用して、コラムポスト側板の内面に近接センサやリミットスイッチを設け、ブーム側板の下降を検出する構成もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-8818号公報
【文献】実開平6-53582号公報
【文献】特開2001-233587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ブームの基端部とコラムポストとの間の隙間を利用して検出装置を取り付ける構造では、例えば、コラムポストの側面に近接センサを用いる場合に、特に小型のクレーンでは、コンパクトさを追求すると、コラムポストと、その作業機に対するコラムポストの左右方向に格納状態で納めたアウトリガ装置をはじめとする、その他の装備との間の隙間が小さく、センサの配置が困難となるという問題点がある。
また、長尺であるブームは、ブーム左右方向のしなりや、コラムポストに対する嵌合ガタを規制するものがない。そのため、ブームの基端部とコラムポストとの間において、左右方向に対する隙間の距離が安定しないという構造上の問題が存在し、近接センサを使用する上でのセンサが反応する動作範囲を安定させて確保することが困難である。
本発明は、上記問題点を鑑み、省スペースに配置した構成でブームの起伏位置を検出することが可能な、ブーム起伏位置検出用センサの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るブーム起伏位置検出装置の取付構造は、ブーム起伏用シリンダの伸縮動作に応じて起伏動作が可能なブームが所定の起伏位置にあることを検出するブーム起伏位置検出装置の取付構造である。ブームは、水平方向に延びる軸線を回転中心とした起伏動作が可能にコラムポストで支持されている。ブーム起伏用シリンダの両端部は、それぞれ、ブームとコラムポストへ取り付けられている。ブーム起伏用シリンダの一端部は、水平な第一軸を回転軸としてブームに対する回転が可能である。ブーム起伏用シリンダの他端部は、第一軸と平行な第二軸を回転軸としてコラムポストに対する回転が可能である。ブーム起伏位置検出装置は、コラムポストに取り付けられ、且つ検出対象との相対位置を検出する非接触式位置検出用センサと、ブーム起伏用シリンダの他端部に取り付けられ、且つ非接触式位置検出用センサの検出対象である被検出体とを備える。非接触式位置検出用センサの検出対象を検出する検出方向のベクトルは、第二軸の軸線に対して直角に交わるベクトルになっている。非接触式位置検出用センサの取付台座は、台座面が平面である。台座面の平面は、第二軸の軸線に対して直角に交わるベクトルと直角に交わる面を形成している。
【0008】
また、本発明に係るブーム起伏位置検出装置の取付構造は、ブーム起伏用シリンダの伸縮動作に応じて起伏動作が可能なブームが所定の起伏位置にあることを検出するブーム起伏位置検出装置の取付構造である。ブームは、水平方向に延びる軸線を回転中心とした起伏動作が可能にコラムポストで支持されている。ブーム起伏用シリンダの両端部は、それぞれ、ブームとコラムポストへ取り付けられている。ブーム起伏用シリンダの一端部は、水平な第一軸を回転軸としてブームに対する回転が可能である。ブーム起伏用シリンダの他端部は、第一軸と平行な第二軸を回転軸としてコラムポストに対する回転が可能である。ブーム起伏位置検出装置は、ブームに取り付けられ、且つ検出対象との相対位置を検出する非接触式位置検出用センサと、ブーム起伏用シリンダの一端部に取り付けられ、且つ非接触式位置検出用センサの検出対象である被検出体とを備える。非接触式位置検出用センサの検出対象を検出する検出方向のベクトルは、第一軸の軸線に対して直角に交わるベクトルになっている。非接触式位置検出用センサの取付台座は、台座面が平面である。台座面の平面は、第一軸の軸線に対して直角に交わるベクトルと直角に交わる面を形成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、省スペースに配置した構成でブームの起伏位置を検出することが可能な、ブーム起伏位置検出用センサの取付構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るブーム起伏位置検出用センサの取付構造を備えるクレーン装置の側面図であり、ブームが格納位置である状態を示す図である。
図2】実施形態に係るブーム起伏位置検出用センサの取付構造を備えるクレーン装置の側面図であり、ブームが起立位置である状態を示す図である。
図3】クレーン装置のコラムポストを含む部分の斜視図である。
図4図3のIV線矢視図である。
図5図2のV線矢視図である。
図6】ブーム起伏用シリンダへの被検出体の取付構成を示す部分斜視図である。
図7】検出装置取付構造の構成を示す側面図である。
図8】センサ取付ブラケットの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、下記の実施形態に例示した装置や方法に特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
【0012】
(実施形態)
(構成)
実施形態に係るブーム起伏位置検出装置の取付構造(以降の説明では、「検出装置取付構造1」と記載する)は、例えば、クレーン装置が備える。
クレーン装置は、例えば、クローラクレーン(機体)が備える。また、図1及び図2に示すように、クレーン装置100は、コラム20と、ブーム21と、ワイヤロープ22と、フック23と、ウインチ24と、シリンダ支持ブラケット40と、ブーム起伏用シリンダ50を備える。
なお、実施形態では、クローラクレーンの構成を、クローラ装置と、4基のアウトリガと、原動部(図示略)と、コントロールボックス(図示略)を備える構成とする。クローラ装置は、シャーシフレーム101の下部に配置されている。アウトリガは、格納式であり、シャーシフレーム101の上に配置されている。
【0013】
コラム20は、シャーシフレーム101の上部へ取り付けられている。また、コラム20は、シャーシフレーム101に対し、上下方向に延びる軸回りへの旋回が可能である。
また、コラム20は、図3及び図4に示すように、ベースプレート201と、左側板202と、右側板203と、前板204と、後板205と、左補強板206と、右補強板207と、左側ボス208と、右側ボス209と、ブーム支持ピン210を備える。なお、図3及び図4では、ブーム21や配線等の一部を省略している。
【0014】
コラム20の基本構造は、ベースプレート201上に、車幅方向に配置した左側板202及び右側板203と、車両前後方向に配置した前板204及び後板205とが、互いに溶着して箱型を形成している構造である。
また、コラム20は、全体的に、車両後方へ傾倒するように立設しているが、左側板202と右側板203は、ベースプレート201に対して垂直に立設している。
【0015】
さらに、左側板202及び右側板203には、ブーム起伏用シリンダ50の基端側を軸支する基端側支持ピン30を取り付けるためのピン穴が、車幅方向に沿って水平に、左側板202及び右側板203を同軸になるよう貫通して開けられている。
なお、ピン穴を補強するために、左側板202には左補強板206が、右側板203には右補強板207が、それぞれ、コラム20の内側に溶着されている。これに加え、ブーム起伏用シリンダ50の取付用に溶着した左側ボス208及び右側ボス209と合わせて、左補強板206と右補強板207にも、基端側支持ピン30を取り付けるためのピン穴が貫通して開けられている。
前板204の高さは、コラム20を形成する他の3枚(左側板202、右側板203、後板205)の側面に対し、半分程度の高さである。これは、ブーム起伏用シリンダ50基端部より上方の空間に、ウインチ24が収納されるためである。
【0016】
ブーム21は、複数の角筒を入子式に組み合わせて構成された伸縮式のブームである。また、ブーム21は、ブーム支持ピン210を介してコラム20に取り付けられている。
ブーム支持ピン210は、ブーム21を上下に起伏させる中心軸であり、ブーム支持ピン210の軸線方向は、基端側支持ピン30の中心線と並行に設けられている。なお、図1には、ブーム21の先端がクローラクレーンの車両前後方向前方を向いている状態を示す。
また、ブーム21には、格納位置が設定されている。ブーム21の具体的な格納位置としては、例えば、旋回方向の格納位置(以下、「旋回格納位置」と略称する場合がある)と、起伏方向の格納位置(以下、「起伏格納位置」と略称する場合がある)を設定する。旋回格納位置は、ブーム21の先端がクローラクレーンの車両前後方向前方を向く旋回位置である。起伏格納位置は、ブーム21の最伏位置である。すなわち、ブーム21の所定の格納位置として、ブーム21の最伏位置が設定されている。
【0017】
そして、ブーム21の位置が格納位置では無い状態では、クローラクレーンは、例えば、アウトリガの格納やクローラ装置による走行が不可能である。なお、クローラクレーンの車両前後方向前方とは、クローラクレーンの前進方向である。
ワイヤロープ22は、ウインチ24に巻かれている。ウインチ24から繰り出されたワイヤロープ22は、ブーム21の先端へと導かれ、シーブ(図示略)を介してフック23に取り付けられている。シーブ(図示略)は、ブーム21の先端において、ブーム21の内側に配置されている。これにより、フック23は、ブーム21の先端から吊り下げられている。
【0018】
シリンダ支持ブラケット40は、互いの板面側に沿って対向する一対の板材で形成されている。また、シリンダ支持ブラケット40は、水平方向から見てブーム21と重なっている部分と、水平方向から見てブーム21よりも下側に突出している部分を有する。
シリンダ支持ブラケット40のうち、水平方向から見てブーム21と重なっている部分は、ブーム21の最も外側を構成する角筒の下部を水平方向から挟み込んだ状態で、溶接等によってブーム21に固定されている。シリンダ支持ブラケット40のうち、水平方向から見てブーム21よりも下側に突出している部分には、ピン穴(図示せず)が形成されている。シリンダ支持ブラケット40のピン穴には、先端側支持ピン31が差し込まれている。
【0019】
ブーム起伏用シリンダ50は、一般的な複動型油圧シリンダであり、図外の圧油供給装置から供給される圧油によって伸縮する。また、ブーム起伏用シリンダ50は、図3及び図4に示すように、チューブ51と、クレビス52と、ピストンロッド53と、先端側ボス54を備えている。
クレビス52は、円筒状に形成されている。具体的に、クレビス52の形状は、水平方向から見て円筒状である。また、クレビス52は、外周面の一部が、チューブ51の基端側に固着されている。さらに、クレビス52は、左補強板206と右補強板207との間に配置された状態で、貫通孔に基端側支持ピン30が挿入されている。これにより、ブーム起伏用シリンダ50は、コラム20に対して、基端側支持ピン30の中心軸を回転軸として回転が可能に取り付けられている。
【0020】
先端側ボス54は、円筒状に形成されている。また、先端側ボス54は、ピストンロッド53の先端に固着されている。さらに、先端側ボス54は、図1に示すブーム21の中央部に配置されたシリンダ支持ブラケット40に、先端側支持ピン31で軸支されている。
ここで、先端側ボス54は、ブーム起伏用シリンダ50のうち、伸長する部分である一端部を指している。また、クレビス52は、ブーム起伏用シリンダ50のうち、伸長しない部分である他端部を指している。
【0021】
これにより、ブーム21は、ブーム起伏用シリンダ50が伸縮することで起伏する。すなわち、ブーム21は、ブーム起伏用シリンダ50の伸縮動作に応じて、起伏動作が可能である。
また、先端側ボス54は、ブーム起伏用シリンダ50の伸縮動作に応じて、先端側支持ピン31の中心軸を回転軸として、シリンダ支持ブラケット40に対し、相対的に回転している。
なお、先端側支持ピン31の中心軸は、水平方向に延びる軸であり、基端側支持ピン30の中心軸と平行な軸である。
【0022】
以下、ブーム21とブーム起伏用シリンダ50の位置関係を説明する。
ブーム21の起伏格納位置(ブーム21の位置が略水平)では、ピストンロッド53が最縮小した状態であり、その状態のブーム起伏用シリンダ50は、図1に示すように、シリンダ支持ブラケット40に軸支したピストンロッド53側が若干跳ね上がっているものの、ブーム21の下面に沿うように横臥した状態で納まっている。
【0023】
一方、ブーム21が起立位置(ブーム21の位置が略垂直)になると、ピストンロッド53は最伸長した状態となるが、その状態のブーム起伏用シリンダ50は、図2に示すように、ブーム21に沿うように垂直に起立した状態になる。
すなわち、上述したブーム21とブーム起伏用シリンダ50との取り合い位置は、ブーム21の全起伏工程において、基端側支持ピン30を中心軸とするクレビス52の回転角度を、大きく得ることが可能な取り合い位置である。
【0024】
ところで、実施形態とは異なる構造として、例えば、ブームが格納した倒伏状態でも、ブーム起伏用シリンダは、略垂直の起立した状態に配置される構造をした、車両搭載型クレーンに代表されるようなクレーンが存在する。そのようなクレーンでは、倒伏したブームを、鉛直方向真上にピストンロッドが伸長するため、あたかも、ブーム起伏用シリンダがブームを突き上げるように起立させる配置構造となっている。
この配置構造では、ブーム起伏用シリンダは、ほぼ垂直配置のままでブームを起伏させるため、コラムポスト(コラム20)側のクレビスの回転角度は大きく変わることがない。
【0025】
(ブーム起伏位置検出装置の取付構造)
実施形態に係る検出装置取付構造1は、図3から図7に示すように、近接センサ10と、被検出体11と、センサ取付ブラケット13と、被検出体取付ブラケット14を備える。
近接センサ10は、センサ取付ブラケット13を介して、コラム20に取り付けられている。また、近接センサ10は、検出対象との相対位置を検出する検出センサを構成しており、高周波誘導式のセンサを用いて形成されている。また、近接センサ10としては、一例として、一般的な、筐体が円筒型のセンサを使用する。近接センサ10の先端部は、検出部10Dとなっている。また、近接センサ10は、ロックナット10Nを用いて、センサ取付ブラケット13に取り付けられている。
被検出体11は、例えば、金属等の導電性材料を用いて形成されている。また、被検出体取付ブラケット14を取付台座として、クレビス52に取り付けられている。
さらに、被検出体11は、図5及び図6に示すように、支持側板部11aと、検出側板部11bを有している。
【0026】
支持側板部11aは、長方形の板面を形成している。
支持側板部11aの板面には、2つのボルト挿通穴が形成されている。2つのボルト挿通穴は、支持側板部11aを貫通して、支持側板部11aの短手方向に開けられた長円状に形成されている。また、2つのボルト挿通穴にボルトを挿通し、支持側板部11aの位置を調整することで、支持側板部11aの長円方向に沿って、被検出体11を可動させることが可能であり、近接センサ10による被検出体11の検出範囲を調整する際に用いられる。
【0027】
検出側板部11bは、長方形の板面を形成している。また、検出側板部11bは、傾斜部11Sを有している。
傾斜部11Sは、被検出体11をクレビス52に取り付けた状態で、円筒状であるクレビス52の外周面に沿う形状に形成されている。すなわち、被検出体11の一部は、クレビス52の外周面に沿った形状に近似させて形成されている。なお、以降の説明では、傾斜部11Sを、検出側板部11bの一部として記載する。
【0028】
そして、被検出体11は、支持側板部11a及び検出側板部11bの板面側から見て、クランク状に接続した構成を有している。具体的に、被検出体11は、支持側板部11a及び検出側板部11bの板面側から見て、ブーム起伏用シリンダ50の中心寄りに合わせて支持側板部11aが配置され、ブーム起伏用シリンダ50のチューブ51の左側方寄りに検出側板部11bが配置された形状に形成されている。これは、近接センサ10が、被検出体11の検出側板部11b以外の物体まで検出しないために、空間部を使用することが可能に配慮した構造のためである。
【0029】
センサ取付ブラケット13は、図5図7及び図8に示すように、固定板部13aと、支持板部13bを有している。
固定板部13aは、ブーム起伏用シリンダ50の基端側支持ピン30の軸芯を中心とする円弧に沿った2つの長孔130を有している。2つの長孔130は、コラム20にセンサ取付ブラケット13を取り付けるためのボルトを通す穴である。そして、2つの長孔130にボルトを通し、固定板部13aの位置を調整することで、近接センサ10が反応する動作範囲を最適化するための、近接センサ10の検出方向のベクトルの角度を調整することが可能になる。
【0030】
支持板部13bは、その板面が、基端側支持ピン30の中心軸に直交するベクトルに対して直角に交わる面となっている。
また、支持板部13bには、近接センサ10を差し込むための貫通穴131が形成されている。支持板部13bに形成されている貫通穴には、近接センサ10が差し込まれている。したがって、近接センサ10の検出方向のベクトルは、基端側支持ピン30の中心軸(中心)に向けて取り付けられている。すなわち、近接センサ10の検出対象(被検出体11)を検出する検出方向のベクトルは、基端側支持ピン30の中心軸の軸線に直交するベクトルである。
【0031】
以上により、センサ取付ブラケット13は、近接センサ10の取付台座を形成している。また、支持板部13bは、近接センサ10の取付台座のうち、台座面を形成している。そして、支持板部13bの台座面は、平面であり、さらに、基端側支持ピン30の中心軸に直交するベクトルと直角に交わる面を形成している。
一般的な近接センサ10の筐体に設けられた、ロックナット10N用の雄ねじ部分は、検出部10Dの検出方向のベクトルに沿って、近接センサ10の検出範囲の調整に用いることが可能である。
【0032】
被検出体取付ブラケット14は、図5に示すように、矩形の板材を曲げ加工等によってU字状に折り曲げて形成されている。
そして、被検出体取付ブラケット14は、クレビス52の外周面に、溶接等によって固定されている。また、被検出体取付ブラケット14のクレビス52の外周面と平行な面である平坦面には、2つのボルト穴(図示せず)が形成されている。2つのボルト穴は、支持側板部11aの被検出体取付ブラケット14への取り付けに用いるボルトを配置する穴である。したがって、被検出体11は、被検出体取付ブラケット14を介して、クレビス52に取り付けられている。
なお、被検出体取付ブラケット14の高さは、ブーム起伏用シリンダ50取付用の右側ボス209を近接センサ10が検出しないように、近接センサ10が反応する動作範囲に合わせて、適切な高さが保持される値に設定する。
【0033】
実施形態では、一例として、検出部10Dと被検出体11とのセンサ反応動作範囲を、ブーム21が起伏格納位置である状態で、4[mm]に調整する。また、実施形態では、一例として、ブーム21の起伏角度が0[°]から5[°]の間で、ブーム起伏用シリンダ50の回転に応じて、近接センサ10による被検出体11の検出が可能又は不可能な位置となるように、被検出体11の取り付け位置を調整する。
【0034】
次に、各部品の具体的な取付位置の位置関係について説明する。
以下、ブーム21が起伏格納位置である場合の取付位置を説明する。
ブーム21が起伏格納位置である場合、ブーム21の下方向の回転範囲は、起伏格納位置よりも下方に回転しない終端位置である。すなわち、ブーム21が、起伏格納位置を超えてオーバーランすることはない。よって、検出装置取付構造1は、クレビス52よりも下方の、ブーム21及びブーム起伏用シリンダ50の非干渉位置に取り付けられており、構造上、ブーム21の起伏作動では干渉しない。特に、ブーム起伏用シリンダ50の左右側方の空間部を生かすため、検出装置取付構造1は左側にオフセットして設けられており、検出側板部11bの端部も、クレビス52よりも左側板202側に突出している。
ただし、検出装置取付構造1は、コラム20の左側板202よりも外側に突出せず、内側に納まるように収納される。これは、コラム20の左側に近接する、格納状態のアウトリガとの干渉を避けるためである。
【0035】
また、実施形態に係る検出装置取付構造1の構造は、ブーム21の下方向回転がオーバーランをしない条件であるものの、ブーム起伏用シリンダ50よりも左側にオフセットしており、ブーム起伏用シリンダ50と左補強板206との空間に存在する。これにより、ブーム起伏用シリンダ50が起伏格納位置で停止せず、オーバーランする恐れが存在する構造であったとしても、ブーム起伏用シリンダ50や検出側板部11b等が、近接センサ10に干渉し、破損を招くことはない。
さらに、検出部10Dは、ブーム21が起伏格納位置の状態で、被検出体11の検出を最適な位置で行うことが可能となるように、各部品の形状や取付位置等が設計及び調整されている。すなわち、近接センサ10及び被検出体11は、ブーム21に設定された格納位置で、近接センサ10により被検出体11のみが検出される位置関係となるように取り付けられている。
【0036】
したがって、近接センサ10と被検出体11とは、ブーム21の最伏位置で近接センサ10により被検出体11が検出される位置関係となるように取り付けられている。
具体的には、検出部10Dの動作範囲に掛かる部位は検出側板部11bのみであって、支持側板部11aが検出部10Dの動作範囲に掛からないように、支持板部13bの長さや角度を適切に設計することが可能である。これに加え、センサ取付ブラケット13の取付位置等も同様に、適切に調整することが可能である。なお、検出側板部11bは、上述した位置関係において、近接センサ10が検出可能な表面積、板厚、材質となるように構成されている。
【0037】
以上説明したように、近接センサ10によって、ブーム21が起伏格納位置では、被検出体11の検出側板部11bを検出することで、ブーム21の格納状態を認識することが可能となる。
そして、ブーム21の起立作動に伴って、ブーム起伏用シリンダ50が基端側支持ピン30を回転中心として回転する。
ブーム起伏用シリンダ50が伸長して、ブーム21の起立が進むと、検出部10Dのセンサ反応動作範囲から、被検出体11が外れる。これにより、近接センサ10において被検出体11が検出されず、ブーム21が起伏格納位置ではないことを認識することが可能となる。
【0038】
一方、ブーム起伏用シリンダ50が縮小して、ブーム21が伏方向に回転すると、ブーム21の回転に伴って、ブーム起伏用シリンダ50が回転する。そして、ブーム起伏用シリンダ50の回転に伴い、クレビス52に取り付けられた被検出体11が、検出部10Dのセンサ反応動作範囲内まで進入すると、近接センサ10において被検出体11が検出され、ブーム21が起伏格納位置であることを認識することが可能となる。
したがって、近接センサ10と被検出体11によって、ブーム21が所定の起伏位置にあることを検出する装置であるブーム起伏位置検出装置が構成されている。すなわち、ブーム起伏位置検出装置は、近接センサ10と被検出体11を備えている。
【0039】
また、被検出体11は、クレビス52に取り付けられており、ブーム起伏用シリンダ50の回転とともに、近接センサ10の動作範囲内又は動作範囲外へ移動するように、取り付けられている。したがって、被検出体11の位置は、クレビス52の回転に応じて近接センサ10の動作範囲内又は動作範囲外へ移動することが可能な位置に調節可能である。
さらに、被検出体11は、クレビス52に対し、被検出体11を可動させることが可能であり、近接センサ10との検出範囲の調整が可能である。
ここで、近接センサ10が非接触式位置検出用センサに対応し、コラム20がコラムポストに対応し、先端側支持ピン31の中心軸が第一軸に対応し、基端側支持ピン30の中心軸が第二軸に対応する。
【0040】
(実施形態の作用及び効果)
(1)近接センサ10が、コラム20に対し、検出対象11を検出する検出方向のベクトルが、基端側支持ピン30の中心軸の軸線に対して直角に交わるベクトルを形成するように取り付けられている。これに加え、支持板部13bが、近接センサ10の取付台座のうち台座面を形成しており、支持板部13bの台座面は、平面であり、さらに、基端側支持ピン30の中心軸に直交するベクトルと直角に交わる面を形成している。
このため、クレビス52を取り付けるコラム20に取り付けた近接センサ10により、ブーム21の起伏動作に応じて回転するクレビス52に取り付けた被検出体11を検出することが可能となる。
【0041】
その結果、例えば、小型のクレーン等に対し、省スペースに近接センサ10及び被検出体11を配置して、ブーム21の起伏位置を検出することが可能な、ブーム起伏位置検出用センサの取付構造を提供することが可能となる。
また、ブーム起伏用シリンダ50の回転角度より、ブーム21の起伏角度が一意に定まるため、近接センサ10による被検出体11を検出可能な範囲の設定を、容易に行うことが可能となる。
【0042】
この効果は、以下の理由によって発揮される。
ブーム起伏用シリンダ50の両端部には、常に荷重がかかっているため、クレビス52と基端側支持ピン30は、互いの半径方向(以下、径方向)に沿ったガタツキが非常に小さい。したがって、実施形態の構成は、従来の構成と比較して、近接センサ10と被検出体11との間のクリアランスを容易に設定することが可能となる。その結果、クレビス52と基端側支持ピン30との間のガタツキによる、検出精度の低下を抑制することが可能となる。
【0043】
また、クレビス52と基端側支持ピン30との径方向に沿ったガタツキは、ブーム21の左右方向のしなりや、ブーム21とコラム20との水平方向の嵌合ガタと比較して、極めて小さい。その結果、実施形態の構成は、従来の構成と比較して、検出部10Dと検出側板部11bとの検出可能な範囲(クリアランス)の設定が、容易である。
また、近接センサ10が、センサ取付ブラケット13を介してコラム20に取り付けられている。
その結果、メンテナンス等で、近接センサ10を取り外す必要が生じた場合は、センサ取付ブラケット13をコラム20に取り付けたまま、近接センサ10のみを取り外し、使用の際には、近接センサ10をセンサ取付ブラケット13に取り付けることで、近接センサ10の検出方向のベクトル角度の再調整を省略することが可能となる。
【0044】
(2)被検出体11の位置が、クレビス52の回転、すなわち、ブーム21の起伏角度に応じて近接センサ10の動作範囲内又は動作範囲外へ移動することが可能な位置に、調節可能である。
その結果、ブーム21の起伏角度に対する検出精度を向上させることが可能となる。
(3)ブーム21の所定の格納位置として、ブーム21の最伏位置が設定されている。これに加え、近接センサ10と被検出体11とが、ブーム21の最伏位置で近接センサ10により被検出体11が検出される位置関係となるように取り付けられている。
その結果、ブーム21の格納位置に対する検出精度を向上させることが可能となる。
【0045】
(4)被検出体11の一部を、水平方向から見て円筒状であるクレビス52の外周面に沿った形状に形成した。クレビス52の形状が、水平方向から見て円筒状である。これに加え、被検出体11の少なくとも一部を、クレビス52の外周面に沿った形状に近似させて形成した。
このため、メンテナンス等におけるブーム21の解体時等において、クレビス52が通常時の回転範囲を超えて回転した(オーバーラン)場合であっても、近接センサ10と被検出体11との接触を防止することが可能となる。
その結果、オーバーランが発生した場合であっても、近接センサ10の破損を防止することが可能である。
【0046】
(5)近接センサにより、検出対象との相対位置を検出する近接センサ10を形成した。
その結果、起伏角度検出器やポテンショメータを用いずに、安価なセンサである近接センサを用いて、ブーム21の起伏位置を検出する構成となり、コストの増加を抑制することが可能となる。
(6)検出装置取付構造1が、コラム20の左側板202の左方向外側に突出することなく、コラム20の幅内に納まるように配置されている。
その結果、検出装置取付構造1を、コラム20の左右方向に存在する、格納状態で納めたアウトリガ等との隙間に納める必要が無くなる。また、近接センサ10が左側板202及び右側板203から横方向へ突出する構成と比較して、近接センサ10の保護が容易な構造、又は、近接センサ10の保護が不要な構造とすることが可能となる。
【0047】
(実施形態の変形例)
(1)近接センサ10をブーム21に取り付けるとともに、検出対象11を検出する検出方向のベクトルが、先端側支持ピン31の中心軸の軸線に対して直角に交わるベクトルを形成するように取り付けてもよい。さらに、被検出体11を、先端側ボス54に取り付けてもよい。これに加え、平面である支持板部13bの台座面により、先端側支持ピン31の中心軸に直交するベクトルと直角に交わる面を形成してもよい。
この場合、ブーム21に取り付けた近接センサ10により、ブーム21の起伏動作に応じて伸長する先端側ボス54に取り付けた被検出体11を検出することが可能となる。
その結果、例えば、小型のクレーン等に対し、省スペースに近接センサ10及び被検出体11を配置して、ブーム21の起伏位置を検出することが可能な、ブーム起伏位置検出用センサの取付構造を提供することが可能となる。
【0048】
(2)被検出体11の位置を、クレビス52の回転に応じて近接センサ10の動作範囲内又は動作範囲外へ移動することが可能な位置に、調節可能である構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、被検出体11の位置を、先端側ボス54の回転に応じて近接センサ10の動作範囲内又は動作範囲外へ移動することが可能な位置に、調節可能である構成としてもよい。
この場合であっても、ブーム21の起伏角度に対する検出精度を向上させることが可能となる。
【0049】
(3)検出対象との相対位置を検出する検出センサを、近接センサ10としたが、検出センサの構成は、これに限定するものではなく、例えば、検出センサを、撮像した画像を用いて検出対象との相対位置を検出する構成としてもよい。
【0050】
(4)ブーム起伏用シリンダは、1本に限定する必要はなく、例えば、第1ブーム起伏用シリンダ及び第2ブーム起伏用シリンダの伸縮動作に応じて起伏動作する構成としてもよい。
また、各々のブーム起伏用シリンダの、コラム20に対する取付位置は、コラム20の側板よりも内側に設ける場合であっても、コラム20側板よりも外側に突出して取り付けられる場合であっても、その取付位置に関しては限定するものではない。
ここで、検出装置取付構造は、コラム20側板より外側に突出したブーム起伏用シリンダよりも内側に設けられていれば、コラム20側板の外側に存在しても良い。
【0051】
(5)クレーン装置を備える機体として、クローラクレーンを例に説明したが、クレーン装置を備える機体は、これに限定するものではない。すなわち、本発明は、例えば、ブーム等の起伏動作をすると共に作業時に起立状態となる構成部材を備えた機体であれば、タワークレーン等の機体に適用することが可能である。
【0052】
(6)被検出体11の形状、特に、検出側板部11bの形状は、長方形の板面であって、傾斜部11Sと合わせて、円筒状のクレビス52の外周面に沿う形状に形成されている構成としたが、これに限定するものではない。例えば、検出側板部11bの形状は、板面ではなく、丸パイプ等をクレビス52に取りつけた形状としてもよい。すなわち、検出側板部11bの形状は、近接センサ10のセンサ反応動作範囲内で、丸パイプ等の被検出体のみを検出することが可能な形状であればよい。
【符号の説明】
【0053】
1 検出装置取付構造
10 近接センサ
10D 検出部
10N ロックナット
11 被検出体
11a 支持側板部
11b 検出側板部
11S 傾斜部
13 センサ取付ブラケット
13a 固定板部
130 長孔
131 貫通穴
13b 支持板部
14 被検出体取付ブラケット
15 ケーブル
20 コラム
201 ベースプレート
202 左側板
203 右側板
204 前板
205 後板
206 左補強板
207 右補強板
208 左側ボス
209 右側ボス
210 ブーム支持ピン
21 ブーム
22 ワイヤロープ
23 フック
24 ウインチ
30 基端側支持ピン
31 先端側支持ピン
40 シリンダ支持ブラケット
50 ブーム起伏用シリンダ
51 チューブ
52 クレビス
53 ピストンロッド
54 先端側ボス
100 クレーン装置
101 シャーシフレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8