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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】機能情報通知システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20231212BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20231212BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q50/16
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020053237
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021152801
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮地 良一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 元
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-060531(JP,A)
【文献】特開2007-221643(JP,A)
【文献】特開2010-075357(JP,A)
【文献】特開2018-182452(JP,A)
【文献】特開2018-085061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器が有する機能の情報を通知する機能情報通知システムであって、
前記設備機器が設置された入居空間への入居を検知する入居検知部と、
前記設備機器が有する機能の使用を検知する機能使用検知部と、
前記入居検知部により入居が検知された後、前記機能使用検知部による前記機能の使用が所定期間検知されないとき、前記機能の情報を通知させる通知制御部と、を備え
前記入居検知部による入居の検知は、前記設備機器が運転を行うための設定条件を初期状態に戻すリセットを検知することにより行う
機能情報通知システム。
【請求項2】
設備機器が有する機能の情報を通知する機能情報通知システムであって、
前記設備機器が設置された入居空間への入居を検知する入居検知部と、
前記設備機器が有する機能の使用を検知する機能使用検知部と、
前記設備機器が設置された前記入居空間での生活を検知する生活検知部と、
前記入居検知部により入居が検知された後、前記機能使用検知部による前記機能の使用が所定期間検知されず、かつ、前記生活検知部により生活が検知されたとき、前記機能の情報を通知させる通知制御部と、を備える
機能情報通知システム。
【請求項3】
設備機器が有する機能の情報を通知する機能情報通知システムであって、
前記設備機器が設置された入居空間への入居を検知する入居検知部と、
前記設備機器が有する機能の使用を検知する機能使用検知部と、
前記入居検知部により入居が検知された後、前記機能使用検知部による前記機能の使用が所定期間検知されず、かつ、前記機能の所定の使用期間内であるとき、前記機能の情報を通知させる通知制御部と、を備え
前記入居検知部による入居の検知は、前記設備機器が運転を行うための設定条件を初期状態に戻すリセットを検知することにより行う
機能情報通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能情報通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サービス管理ネットワークシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたサービス管理ネットワークシステムでは、販売した機器の各種保有機能に関するユーザの利用状況を入手し、利用状況に応じて、保有機能の利用を促進するための積極的な提案をユーザに対して行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-358377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたサービス管理ネットワークシステムでは、ユーザが、機器の保有機能を認識した上でこの保有機能を利用していないような場合、ユーザに対する提案は、保有機能の利用の促進にならないばかりか、かえってユーザにとっては煩わしいものであった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされた発明であり、同様の通知を繰り返し行って入居者を煩わせてしまうことを低減する機能情報通知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る機能情報通知システムは、設備機器が有する機能の情報を通知する。前記機能情報通知システムは、入居検知部と、機能使用検知部と、通知制御部と、を備える。前記入居検知部は、前記設備機器が設置された入居空間への入居を検知する。前記機能使用検知部は、前記設備機器が有する機能の使用を検知する。前記通知制御部は、前記入居検知部により入居が検知された後、前記機能使用検知部による前記機能の使用が所定期間検知されないとき、前記機能の情報を通知させる。前記入居検知部による入居の検知は、前記設備機器が運転を行うための設定条件を初期状態に戻すリセットを検知することにより行う。
【0008】
請求項2の発明に係る機能情報通知システムは、設備機器が有する機能の情報を通知する。前記機能情報通知システムは、入居検知部と、機能使用検知部と、生活検知部と、通知制御部と、を備える。前記入居検知部は、前記設備機器が設置された入居空間への入居を検知する。前記機能使用検知部は、前記設備機器が有する機能の使用を検知する。前記生活検知部は、前記設備機器が設置された前記入居空間での生活を検知する。前記通知制御部は、前記入居検知部により入居が検知された後、前記機能使用検知部による前記機能の使用が所定期間検知されず、かつ、前記生活検知部により生活が検知されたとき、前記機能の情報を通知させる。
【0009】
請求項3の発明に係る機能情報通知システムは、設備機器が有する機能の情報を通知する。前記機能情報通知システムは、入居検知部と、機能使用検知部と、通知制御部と、を備える。前記入居検知部は、前記設備機器が設置された入居空間への入居を検知する。前記機能使用検知部は、前記設備機器が有する機能の使用を検知する。前記通知制御部は、前記入居検知部により入居が検知された後、前記機能使用検知部による前記機能の使用が所定期間検知されず、かつ、前記機能の所定の使用期間内であるとき、前記機能の情報を通知させる。前記入居検知部による入居の検知は、前記設備機器が運転を行うための設定条件を初期状態に戻すリセットを検知することにより行う。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明に係る機能情報通知システムにあっては、設備機器が有する機能の使用を検知するのみならず、設備機器が設置された入居空間への入居を検知し、入居が検知された後、機能の使用が所定期間検知されない場合にのみ、機能の情報を通知させる。このため、入居が検知されてから機能の使用が検知されないまま所定期間経過して、機能の情報が通知されると、新たに入居が検知されない限り、同じ機能の情報は通知されないため、同じ入居者に同じ機能の情報が繰り返し通知されて、入居者が煩わされるのが抑制される。
【0011】
請求項2の発明に係る機能情報通知システムは、設備機器が有する機能の使用を検知するのみならず、設備機器が設置された入居空間への入居を検知し、入居が検知された後、機能の使用が所定期間検知されずかつ入居空間での生活が検知された場合にのみ、機能の情報を通知させる。このため、入居が検知されてから機能の使用が検知されないまま所定期間経過してかつ生活が検知されて、機能の情報が通知されると、新たに入居が検知されない限り、同じ機能の情報は通知されないため、同じ入居者に同じ機能の情報が繰り返し通知されて、入居者が煩わされるのが抑制される。
【0012】
請求項3の発明に係る機能情報通知システムは、設備機器が有する機能の使用を検知するのみならず、設備機器が設置された入居空間への入居を検知し、入居が検知された後、機能の使用が所定期間検知されずかつ機能の所定の使用期間内である場合にのみ、機能の情報を通知させる。このため、入居が検知されてから機能の使用が検知されないまま所定期間経過してかつ機能の所定の使用期間内で、機能の情報が通知されると、新たに入居が検知されない限り、機能の情報は通知されないため、同じ入居者に同様の機能の情報が繰り返し通知されて、入居者が煩わされるのが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る機能情報通知システムの概略構成図である。
図2図2は、同上の実施形態に係る給湯システムの概略構成図である。
図3図3は、同上の実施形態における動作例1のフロー図である。
図4図4は、同上の実施形態における動作例2のフロー図である。
図5図5は、同上の実施形態における動作例3のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、一実施形態に係る機能情報通知システムについて、図面を参照して説明する。
【0015】
(1)概要
本実施形態に係る機能情報通知システム1は、図1に示すように、入居空間に設置されている浴室暖房乾燥機21等の設備機器2が有する特定の機能について入居者が認識していないと思われるときに、当該機能の情報を入居者に通知するシステムである。
【0016】
(1.1)入居空間
設備機器2が設置される入居空間としては、主に、マンションのような複数の住戸を有する集合住宅における各住戸が想定されているが、特に集合住宅に限定されず、戸建て住宅であってもよい。また、入居空間としては、主に居住空間が想定されているが、店舗や事務所等の空間であってもよく、入居空間の用途は限定されない。
【0017】
なお、設備機器2が設置される「入居空間」とは、必ずしも入居者の滞在を想定した空間に限定されない。例えば、設備機器2としての浴室暖房乾燥機21は、浴室の天井裏空間に設置されるが、天井裏空間は入居空間に含まれるものとする。また、設備機器2としての湯張り機能を有する浴槽装置23は、浴室内に設置される浴槽及び室外に設置される給湯タンク38等により構成されるが、給湯タンク38が設置される室外も入居空間に含まれるものとする。
【0018】
(1.2)設備機器
本実施形態では、設備機器2として、浴室暖房乾燥機21、床暖房装置22、浴槽装置23及び空調装置24が設置されている。このうち、浴室暖房乾燥機21、床暖房装置22及び浴槽装置23は、給湯システム3を構成している。給湯システム3の概略について図2に基づいて説明する。
【0019】
(1.2.1)給湯システム
給湯システム3は、発電装置31と、発電装置31で発生した熱を回収する主熱媒が循環する主熱媒回路32と、暖房用端末33と、を備えている。主熱媒回路32の途中には排熱回収用熱交換器34が接続され、発電装置31と排熱回収用熱交換器34との間には、回収用熱媒が循環する回収用回路35が接続されている。発電装置31で発生した熱は、回収用熱媒を介して、主熱媒に回収される。
【0020】
発電装置31は、本実施形態では原動機駆動式の発電装置31であるが、燃料電池からなる発電装置31であってもよく、特に限定されない。単なる発熱装置ではなく発電装置31が用いられることにより、コージェネレーションシステムとなる。
【0021】
発電装置31は、発電制御部36により制御される。発電制御部36は、マイクロコンピュータを有し、制御プログラムにより制御を行うもので、発電装置31の作動/停止及び発熱量、回収用回路35を流れる回収用熱媒の流量を制御して、熱利用運転を実行する。発電制御部36は、発電操作部37での熱利用運転の開始操作により熱利用運転を開始し、熱利用運転の停止操作により熱利用運転を停止する。
【0022】
主熱媒回路32には、給湯タンク38が設けられる。給湯タンク38には出湯管39が接続されており、この出湯管39の途中から給湯利用の給湯管391と風呂の湯張り用の湯張り管392とが分岐している。これにより、給湯タンク38からの湯は適宜水と混合されて、温度が調節された温水が給湯管391や湯張り管392を介して吐出可能となっている。
【0023】
また主熱媒回路32には、給湯タンク38と並列に、熱交換器40及び熱交換器41を直列に接続した並列流路42が設けられる。熱交換器40の一次流路は並列流路42に接続されると共に二次流路は追い焚き用循環回路43に接続される。浴槽から追い焚き用循環回路43に吸入された浴水は、熱交換器40にて加熱された後、再び浴槽に吐出可能となっている。
【0024】
熱交換器41は、並列流路42を流れる主熱媒と、暖房用熱媒回路44を流れる暖房用熱媒との間で熱交換させる。暖房用熱媒回路44には、暖房用端末33が接続される。暖房用端末33は、暖房用熱媒から熱を得て暖房を行うものである。暖房用端末33として、暖房用熱媒を流して暖房を行う床暖房装置22と、暖房用熱媒により加熱した温風を吹き出す浴室暖房乾燥機21と、が設けられる。暖房用端末33は、内部に放熱流路を備えており、暖房用熱媒が放熱流路を流れる際に放熱して暖房が行われる。各暖房用端末33には、放熱流路の内部を流れる暖房用熱媒の単位時間当たりの流量を調節する制御弁331がそれぞれ設けられる。浴室暖房乾燥機21は、高温(例えば80℃程度)の暖房用熱媒を要する高温端末であり、床暖房装置22は、低温(例えば60℃程度)の暖房用熱媒を要する低温端末である。
【0025】
暖房用熱媒回路44には、暖房用熱媒の搬送手段となるポンプ45が接続される。暖房用熱媒回路44は、ポンプ45よりも下流側の部分で、浴室暖房乾燥機21に至る高温路46と床暖房装置22に至る低温路47とに分岐している。
【0026】
暖房用端末33に設けられた制御弁331は、暖房制御部48により制御される。暖房制御部48は、マイクロコンピュータを有し、制御プログラムにより制御を行うもので、暖房操作部49で設定入力された各暖房用端末33の設定情報を基に、各暖房用端末33に設けられた制御弁331の制御及び暖房用熱媒回路44を流れる暖房用熱媒の流量を制御する。暖房操作部49は、各暖房用端末33における暖房の実行/停止及び暖房量の設定入力を行うもので、設定情報を暖房制御部48へ無線又は有線で送信する。
【0027】
発電制御部36と暖房制御部48とは、無線又は有線により互いに通信可能に構成されている。なお、発電制御部36と暖房制御部48とが別に設けられるのではなく、発電制御部36と暖房制御部48とを統合した制御部であってもよい。発電制御部36及び暖房制御部48、あるいは、これらが統合された制御部を「給湯システム制御部30」と称する(図1参照)。
【0028】
また、発電操作部37及び暖房操作部49は、浴室を含む入居空間に配置されてもよいし、持ち運び可能な操作リモコン(リモートコントローラ)であってもよいし、いわゆるパーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレットをはじめとする通信可能な端末装置5(図1参照)により構成されてもよい。また、発電操作部37と暖房操作部49とが別に設けられるのではなく、発電操作部37と暖房操作部49とを統合した操作部が設けられてもよい。発電操作部37及び暖房操作部49、あるいは、これらが統合された操作部を「給湯システム操作部300」と称する(図1参照)。
【0029】
本実施形態では、スマートフォンからなる端末装置5を給湯システム操作部300として使用する。この場合、サーバ6から端末装置5を給湯システム操作部300として機能させるためのアプリケーションソフトウェア(以下「アプリ」という)をダウンロードして、端末装置5にインストールする。
【0030】
(1.2.2)浴室暖房乾燥機
浴室暖房乾燥機21は、換気機能、送風機能、暖房機能及び浴室乾燥機能を有する。換気機能は、浴室内の空気を浴室外に排出する機能である。送風機能は、浴室内の空気を吸い込んで再び浴室内に吹き出す機能である。暖房機能は、浴室内の空気を吸い込んで暖房用熱媒により加熱し、温風を生成して浴室内に吹き出す機能である。浴室乾燥機能は、暖房機能や換気機能等を組み合わせて、浴室に衣類等を干して乾燥させる機能である。浴室乾燥機能は、暖房制御部48により制御され、暖房操作部49での操作により運転が行われる。
【0031】
浴室暖房乾燥機21の本体は、浴室の天井裏空間に設置される。浴室内からは、天井に設けられている空気の吸い込み口は見えるものの、浴室暖房乾燥機21の本体は見えないため、単なる換気性の吸い込み口か浴室暖房乾燥機21の吸い込み口かは識別しにくく、浴室暖房乾燥機21の存在に気付きにくい。
【0032】
(1.2.3)床暖房装置
床暖房装置22は、床暖房機能を有する。床暖房装置22は、内部に温水流路を有する温水パネルが床(浴室の床でもよい)に埋設されて構成される。床暖房機能は、温水流路を流れる暖房用熱媒が放熱することにより、床及び室内を暖める機能である。床暖房装置22は、暖房制御部48により制御され、暖房操作部49での操作により運転が行われる。
【0033】
床暖房装置22の温水パネルは、床に埋設されていて室内からは見えないため、その存在に気付きにくい。
【0034】
(1.2.4)浴槽装置
浴槽装置23は、湯張り機能、追い焚き機能及び風呂自動機能を有する。浴槽装置23は、浴槽、湯張り管392及び追い焚き用循環回路43により構成される。湯張り機能は、湯張り管392より湯を浴槽内に吐出し、浴槽内に所定の水位(所定の量)の湯を張る機能である。浴槽内の水位は、浴槽、湯張り管392及び追い焚き用循環回路43のうちのいずれかに配置された水位センサにより検知可能である。追い焚き機能は、追い焚き用循環回路43を介して、浴槽内の湯を吸い込んで主熱媒により加熱し、より高温の湯を生成して浴槽内に吐出する機能である。風呂自動機能は、浴槽内の水位が所定の水位よりも下がると、所定の水位となるまで浴槽内に湯を吐出する機能と、追い炊き機能により浴槽内の湯の温度を所定の温度に維持する機能とを合わせた機能である。浴槽装置23は、暖房制御部48により制御され、暖房操作部49での操作により運転が行われる。
【0035】
浴室内からは、浴槽、湯張り管392及び追い焚き用循環回路43は見えないため、湯張り機能、追い焚き機能及び風呂自動機能の存在に気付きにくい。
【0036】
(1.2.5)空調装置
空調装置24は、空調機能を有する。空調機能は、浴室を除く入居空間の空気調和を行う機能であるが、浴室の空気調和を行うものであってもよい。空調装置24は、ヒートポンプ式、上記浴室暖房乾燥機21と同様の温水加熱式等、公知の空調装置24が適宜利用可能であり、方式は限定されない。空調装置24は、空調制御部241により制御され、空調操作部242での操作により運転が行われる(図1参照)。
【0037】
(2)機能情報通知システムの全体要素
図1に示すように、機能情報通知システム1は、入居検知部11と、機能使用検知部12と、生活検知部13と、通知制御部14と、を備える。本実施形態では、機能情報通知システム1は制御装置10を備えており、入居検知部11、機能使用検知部12、生活検知部13及び通知制御部14は、制御装置10の一部として設けられている。
【0038】
(2.1)制御装置
制御装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及びメモリを含むコンピュータを有し、適宜のプログラムを実行することにより、各種制御を行う。
【0039】
制御装置10は、給湯システム制御部300と互いに通信可能に構成されている。制御装置10は、通信部15を備えており、例えばインターネット等のネットワーク7を介してサーバ6と通信可能に構成されている。また、制御装置10は、ネットワーク7を介して、端末装置5と通信可能に構成されている。
【0040】
本実施形態では、制御装置10を構成する制御基板は、給湯システム制御部30を構成する制御基板と同じマザーボードに接続される。
【0041】
(2.2)入居検知部
入居検知部11は、設備機器2が設置された入居空間への入居を検知する。入居とは、入居空間における主な滞在者ではなかった者が、主な滞在者となることを想定している。例えば、入居空間が賃貸住宅の居住空間である場合、入居とは、新たな者(入居者)が賃貸契約を結んで入居空間に居を構えることをいう。なお、入居空間が賃貸住宅ではなく賃貸店舗等であってもよいし、また、賃貸契約ではなく購入契約等であってもよく、必ずしも賃貸契約や購入契約を結ばなくてもよい。
【0042】
本実施形態では、入居検知部11は、入居者が給湯システム3をリセットしたことを検知したとき、入居が行われたとしてこれを検知する。給湯システム3のリセットは、所定のリセット操作により、給湯システム3が運転を行うための設定条件を初期状態に戻すことにより行われる。設定条件は、サーバ6に記憶されており、リセット操作が行われると、サーバ6において設定条件が初期状態に戻される。サーバ6は、リセット操作されたことを給湯システム制御部30に送信する。
【0043】
所定のリセット操作とは、例えばスマートフォンからなる端末装置5を給湯システム操作部300として使用する場合、端末装置5のアプリ上のリセットボタンを押すか、あるいは、端末装置5にアプリがダウンロードされることに相当する。この場合、アプリの破損等により端末装置5にアプリを再ダウンロードしたり、端末装置5の故障や買い替え等により、新規の端末装置5にアプリを再ダウンロードしたりする場合には、リセット操作とみなされないように、区別可能に構成しても勿論よい。
【0044】
また、例えば、端末装置5にアプリをダウンロードして給湯システム操作部300を構成するのではなく、専用の給湯システム操作部300が用いられる場合、所定のリセット操作は、専用の給湯システム操作部300において行う所定の操作であってもよい。
【0045】
また、入居検知部11は、給湯システム3のリセットの検知ではなく、この給湯システム制御部30が所定の不接続期間を経過した後に初めてサーバ6へ接続したときも、入居が行われたとしてこれを検知する。サーバ6は、所定の不接続期間を経過した後に給湯システム制御部30から初めて接続されると、初めての接続であることを制御装置10に送信する。
【0046】
入居検知部11は、入居を検知すると、入居を検知した日時を制御装置10が有する時計機能より取得して、制御装置10が有する記憶部又はサーバ6に、入居の検知と検知した日時を記憶させる。記憶される入居の検知と検知した日時は、履歴として蓄積されていく。
【0047】
(2.3)機能使用検知部
機能使用検知部12は、設備機器2が有する機能の使用を検知する。上述したように、設備機器2として、浴室暖房乾燥機21、床暖房装置22、浴槽装置23及び空調装置24が設置されている。設備機器2が有する機能としては、浴室暖房乾燥機21の換気機能、送風機能、暖房機能及び浴室乾燥機能、床暖房装置22の床暖房機能、浴槽装置23の湯張り機能、追い焚き機能及び風呂自動機能、空調装置24の空調機能が挙げられる。
【0048】
これらの機能の使用の情報は、ネットワーク7を介して給湯システム制御部30より制御装置10に送信されて、機能使用検知部12が取得する。
【0049】
機能使用検知部12は、機能の使用を検知すると、機能の使用を検知した日時を制御装置10が有する時計機能より取得して、制御装置10が有する記憶部又はサーバ6に、機能の使用の検知と検知した日時を記憶させる。記憶される機能の使用の検知と検知した日時は、履歴として蓄積されていく。
【0050】
(2.4)生活検知部
生活検知部13は、設備機器2が設置された入居空間での生活を検知する。生活とは、入居者が入居空間の賃貸契約を結んだりしているだけでなく、入居者が実際に入居空間において生活していることをいう。
【0051】
本実施形態では、給湯システム3の使用により、入居空間での生活を検知する。具体的には、発電装置31により所定量以上の発電が行われている場合、生活検知部13は、生活しているとして生活を検知する。また、発電装置31による発電が入居者の生活と無関係に行われる場合、発電装置31により生成された電力の消費量が所定量以上であることをもって、生活検知部13は、生活しているとして生活を検知してもよい。また、給湯タンク38から給湯管391を介して所定量以上の湯が出湯された場合、生活検知部13は、生活しているとして生活を検知してもよい。
【0052】
これらの生活の情報は、ネットワーク7を介して給湯システム制御部30より制御装置10に送信されて、生活検知部13が取得する。
【0053】
生活検知部13は、生活を検知すると、制御装置10が有する記憶部又はサーバ6に、生活の検知を記憶させる。記憶される生活の検知は、履歴として蓄積されていく。
【0054】
(2.5)通知制御部
通知制御部14は、入居検知部11により入居が検知された後、機能使用検知部12による機能の使用が所定期間検知されないとき、機能の情報を通知装置16に通知させる。
【0055】
具体的には、通知制御部14は、記憶部又はサーバ6より、入居の検知と検知した日時の履歴と、全ての機能の使用の検知と検知した日時の履歴と、を取得する。最新の入居がされた日時から、所定の機能の使用が所定期間、検知されないとき、通知制御部14は、所定の機能についての情報を通知装置16(本実施形態では端末装置5)に送信して、通知装置16により入居者に通知させる。所定期間は、機能ごとに異なってもよい。機能の情報の通知は、機能ごとに行われる。
【0056】
(2.6)通知装置
通知装置16は、入居者に通知すべき機能の情報を通知制御部14より受信すると、入居者に機能の情報を通知する。通知装置16は、例えば液晶パネルのような表示部、スピーカのような音声出力部をはじめとする各種の通知部を有している。
【0057】
本実施形態では、通知装置16は、給湯システム操作部300として使用する端末装置5により構成される。端末装置5は、給湯システム操作部300と、機能情報通知システム1における通知装置16と、を兼用する。端末装置5を給湯システム操作部300として機能させるためのアプリには、機能情報通知システム1における通知装置16として機能させるためのプログラムも組み込まれている。
【0058】
(3)機能情報通知システムの動作
(3.1)動作例1
機能情報通知システム1の動作例1について、図3に基づいて説明する。入居空間には、給湯システム3が設置される。また、設備機器2として、浴室暖房乾燥機21、床暖房装置22、浴槽装置23及び空調装置24が設置されている。
【0059】
入居空間の管理者が、設置された給湯システム3を初めて起動すると、給湯システム制御部30は制御プログラムの実行を開始すると共に、機能情報通知システム1の制御装置10も制御プログラムの実行を開始する(S1)。給湯システム制御部30がサーバ6へ初めて接続すると、サーバ6は、この給湯システム3についてのアカウントを作成し、給湯システム3の構成や初期の設定条件等を取得して記憶する。
【0060】
動作例1では、浴室暖房乾燥機21の暖房機能についての情報を通知する制御プログラムについて説明する。情報を通知する制御プログラムは、設備機器2の一機能又は複数の機能ごとに実行される。
【0061】
初めての入居者が入居する際、管理者又は管理者より説明を受けた入居者が給湯システム3の運転を開始する。入居者は、サーバ6からアプリをダウンロードして端末装置5にインストールする。これにより、端末装置5は、給湯システム操作部300として使用可能となると共に、機能情報通知システム1における通知装置16として使用可能となる。
【0062】
サーバ6からアプリがダウンロードされると、ステップS2において、入居検知部11は入居を検知して、ステップS3に移行する。ステップS3において、機能情報通知フラグをONとし、ステップS5に移行する。ステップS1の制御プログラム開始時には、機能情報通知フラグはOFFとなっている。
【0063】
また、ステップS2において入居検知部11が入居を検知しない場合、ステップS4において、機能情報通知フラグがONか否かが判定され、機能情報通知フラグがONであれば、ステップS5に移行し、機能情報通知フラグがONでなければ、ステップS2に戻る。
【0064】
ステップS5において、機能使用検知部12が暖房機能の使用を検知すると、次のステップS6において、機能情報通知フラグをOFFとし、ステップS2に戻る。また、ステップS5において、機能使用検知部12が暖房機能の使用を検知しない場合、ステップS7に移行する。
【0065】
ステップS7において、ステップS2で入居が検知されてから、所定期間が経過したか否かが判定され、所定期間が経過していなければ、ステップS2に戻る。
【0066】
ステップS7において所定期間が経過していれば、次のステップS8において、通知制御部14は、暖房機能の情報の通知を行う。暖房機能の情報の通知は、例えば、入居者の端末装置5に「この給湯システムでは、浴室暖房乾燥機による暖房機能を使うことができます」といったメッセージを表示させたり、音声ガイダンスにより通知させたりすることができる。次に、ステップS6に移行して、機能情報通知フラグをOFFとし、ステップS2に戻る。
【0067】
動作例1では、入居が検知されてから所定期間が経過する前に、暖房機能の使用が検知されると、機能情報通知フラグがOFFとなり、新たな入居がない限り、暖房機能の情報の通知を行わない。
【0068】
また、入居が検知されてから所定期間が経過したときに、暖房機能の使用が検知されないと、暖房機能の情報の通知が行われる。その後は、機能情報通知フラグがOFFとなり、新たな入居が検知されない限り、暖房機能の情報の通知を行わない。
【0069】
動作例1では、生活検知部13は使用されていない。
【0070】
(3.2)動作例2
機能情報通知システム1の動作例2について、図4に基づいて説明する。入居空間には、動作例1と同様の給湯システム3が設置される。動作例2では、床暖房装置22の床暖房機能の制御プログラムについて説明する。
【0071】
給湯システム3の起動により制御装置10も制御プログラムの実行の開始(S11)後、入居の検知の判定(S12)、機能情報通知フラグのON(S13)、機能情報通知フラグのONか否かの判定(S14)までのフローについては、動作例1のステップS1からステップS4までのフローと同様である。ステップS13の後、及びステップS14で機能情報通知フラグがONと判定された後、ステップS15に移行する。
【0072】
ステップS15において、機能使用検知部12が床暖房機能の使用を検知すると、次のステップS16において、機能情報通知フラグをOFFとし、ステップS12に戻る。また、ステップS15において、機能使用検知部12が床暖房機能の使用を検知しない場合、ステップS17に移行する。
【0073】
ステップS17において、ステップS12で入居が検知されてから所定期間が経過したか否かが判定され、所定期間が経過していなければ、ステップS12に戻る。ステップS17において所定期間が経過していれば、次のステップS18において、生活が検知されているか否かが判定される。
【0074】
ステップS18において、生活が検知されなければ、ステップS12に戻り、生活が検知されていれば、ステップS19に移行する。
【0075】
ステップS19において、現在は、床暖房機能の所定の使用期間内であるか否かが判定される。床暖房機能の所定な使用期間は、床暖房機能の好適な使用期間であって、例えば11月、12月、1月、2月及び3月等、適宜決められる。ステップS19において、現在は床暖房機能の好適な使用期間内ではないと判定されれば、ステップS12に戻る。ステップS19において、現在は床暖房機能の好適な使用期間内であると判定されれば、次のステップS20において、通知制御部14は、床暖房機能の情報の通知を行う。床暖房機能の情報の通知は、例えば、入居者の端末装置5に「この給湯システムでは、床暖房機能を使うことができます」といったメッセージを表示させたり、音声ガイダンスにより通知させたりすることができる。次に、ステップS16に移行して、機能情報通知フラグをOFFとし、ステップS2に戻る。
【0076】
動作例2では、入居が検知されてから所定期間が経過するまでに、床暖房機能の使用が検知されなくても、生活が検知されていなければ、床暖房機能の情報を通知しても床暖房機能が使用されるようにはならず、床暖房機能の情報の通知が無駄となる可能性が高いため、床暖房機能の情報の通知を行わない。
【0077】
更に、入居が検知されてから所定期間が経過するまでに、床暖房機能の使用が検知されなくても、床暖房機能の好適な使用期間内でなければ、床暖房機能の情報を通知しても床暖房機能が使用されるようにはならず、床暖房機能の情報の通知が無駄となる可能性が高いため、床暖房機能の情報の通知を行わない。
【0078】
(3.3)動作例3
機能情報通知システム1の動作例3について、図5に基づいて説明する。入居空間には、動作例2と同様の給湯システム3が設置される。動作例3では、動作例2と同様に、床暖房装置22の床暖房機能の制御プログラムについて説明する。
【0079】
動作例3は、基本的なフローは動作例2のフローと同じであり、動作例2のステップS11、ステップS12、・・・、ステップS20をそれぞれ動作例3のステップS110、ステップS120、・・・、ステップS200とする。更に、動作例3では、ステップS130とステップS150の間に新たなステップS131及びS132を有すると共に、ステップS190とステップS200の間に新たなステップS191を有する。なお、ステップS110、ステップS120、・・・、ステップS200については、動作例2のステップS11、ステップS12、・・・、ステップS20と同じであるため、説明を省略する。
【0080】
ステップS130で機能情報通知フラグをONとした後、又はステップS140で機能情報通知フラグがONと判定された後、ステップS131に移行する。
【0081】
ステップS131においては、床暖房機能と密接な関係にある空調機能の使用が検知されたか否かが判定される。ステップS131において空調機能の使用が検知されると、ステップS132に移行して、空調機能使用フラグをONとし、ステップS150に移行する。ステップS131において空調機能の使用が検知されなければ、ステップS132をスキップしてステップS150に移行する。
【0082】
ステップS190において、現在は床暖房機能の好適な使用期間内であると判定された後、ステップS191に移行する。
【0083】
ステップS191においては、空調機能使用フラグがONか否かが判定され、空調機能使用フラグがONでなければ、ステップS12に戻る。ステップS191において、空調機能使用フラグがONであれば、次のステップS200において、通知制御部14は、床暖房機能の情報の通知を行う。
【0084】
動作例3では、入居が検知されてから所定期間が経過するまでに、床暖房機能の使用が検知されなくても、空調機能が使用されていなければ、床暖房機能の情報を通知しても床暖房機能が使用されるようにはならず、床暖房機能の情報の通知が無駄となる可能性が高いため、床暖房機能の情報の通知を行わない。更に説明すると、空調装置24は、広く利用されている一般的な冷暖房機器であるため、入居者がその存在に気付きやすい。これに対して、床暖房装置22は、空調装置24と比較すると、入居者がその存在に気付きにくい。空調装置24が使用されていない場合、入居者は、空調装置24の存在に気付きながら空調装置24を使用していない可能性が高く、この入居者にとって暖房の必要性は低いと考えられる。このような場合に、床暖房機能の情報の通知を行っても、不要な情報が通知されることとなり、床暖房機能の情報の通知が無駄となるだけでなく、入居者にとってはかえって床暖房機能の情報の通知が煩わしくなるおそれがあるため、床暖房機能の情報の通知を行わない。
【0085】
(4)変形例
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0086】
設備機器2は、浴室暖房乾燥機21、床暖房装置22、浴槽装置23又は空調装置24に限定されない。設備機器2は、入居空間の主に目に付きにくい場所に設置されていて存在自体が認知されにくいか、存在は認知されていても設備機器2が有する機能が認知されにくいものであることが好ましい。このような場合には、本発明による効果が顕著に得られる。
【0087】
機能情報通知システム1の制御装置10としての機能を、給湯システム制御部30が一機能として備えてもよい。すなわち、給湯システム制御部30が、機能情報通知システム1の制御装置10を兼用してもよい。
【0088】
給湯システム3は、発電装置31を備えるものではなく、発電装置31の代わりにガスバーナ等からなる発熱装置を備えるものであってもよい。この場合、発熱装置は、発電制御部36ではなく発熱制御部により制御され、発熱制御部は、発電操作部37ではなく発熱操作部での熱利用運転の開始操作により熱利用運転を開始し、熱利用運転の停止操作により熱利用運転を停止する。また、この場合、生活検知部13は、給湯タンク38からの出湯ではなく、発熱装置により加熱して給湯管391より出湯する湯が所定量以上か否かを判定することにより、生活の検知を行ってもよい。
【0089】
入居検知部11による入居の検知は、給湯システム3のリセットの検知や、給湯システム制御部30のサーバ6への接続の検知に限定されない。
【0090】
機能使用検知部12による機能の使用を検知は、機能の使用の情報を、ネットワーク7を介して給湯システム制御部30より取得することに限定されない。
【0091】
なお、生活検知部13による生活の検知は、発電装置31による発電、発電装置31により発電された電力の消費、給湯タンク38からの出湯に限定されない。
【0092】
また、生活検知部13は、任意の構成であり、機能情報通知システム1に備えられなくてもよい。
【0093】
なお、機能情報通知システム1における通知装置16は、スマートフォン等の端末装置5により構成されるのではなく、専用の給湯システム操作部300に、通知装置16としての機能が設けられてもよいし、専用の通知装置16が設けられてもよく、通知装置16の形態は限定されない。
【0094】
以上説明した実施形態及び変形例は、本発明の様々な実施形態及び変形例の一部に過ぎない。また、実施形態及び変形例は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 機能情報通知システム
11 入居検知部
12 機能使用検知部
13 生活検知部
14 通知制御部
2 設備機器
図1
図2
図3
図4
図5