特許7401428IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

金属部品を打ち抜くための加工方法、特に複層打抜き加工方法に関する。打抜き加工方法は、それ自体一般に知られており、金属部品の製造において、特にストリップ状、シート状またはプレート状の基本材料から金属部品を切り取るために広く適用されている。既知の打抜き加工方法では、打抜き装置の打抜きダイと打抜き材押さえとの間に挟持された基本材料に、金属部品に対応する形状の打抜きパンチを押し付けて貫通させることによって、金属部品の少なくとも2次元輪郭を形作る。打抜きダイおよび該打抜きダイに対する打抜き材押さえは、打抜きパンチを収容するように形作られたキャビティをそれぞれ画定する。打抜きダイのキャビティの輪郭を画定している打抜きダイの縁部は、基本材料に切り込みを入れ、最終的には完全に切り抜き、そのようにして基本材料は、打抜きダイに対する打抜きパンチの移動により、キャビティ内に徐々に押し込まれる。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 電動機の回転子用の薄板スタック用の、すなわち積層体用の、電磁鋼から製作された単一の薄板である典型的な打抜き部品の斜視図である。
【図2A】 打抜き部品を形成するための複層打抜き装置および加工方法を示す概略図である。
【図2B】 打抜き部品を形成するための複層打抜き装置および加工方法を示す概略図である。
【図2C】 打抜き部品を形成するための複層打抜き装置および加工方法を示す概略図である。
【図2D】 打抜き部品を形成するための複層打抜き装置および加工方法を示す概略図である。
【図2E】 打抜き部品を形成するための複層打抜き装置および加工方法を示す概略図である。
【図2F】 打抜き部品を形成するための複層打抜き装置および加工方法を示す概略図である。
【図3】 図2Dおよび図2Eの詳細を描いた概略図、ならびに複層打抜き装置および加工方法を用いて得られた打抜き部品の切断縁部の写真である。
【図4】 本開示による複層打抜き加工方法の新規の一連の加工フローの第1の実施形態を表す図である。
【図5】 本開示による複層打抜き加工方法の新規の一連の加工フローの第2の実施形態を表す図である。
図1は、打抜き加工方法、特に本明細書で論じられる複層打抜き加工方法を用いて適切に製造することができる金属部品10の例を提供する。この例では、金属部品10は、中央孔12と、打抜きディスク11の円周に沿って配置された一連の凹所13とを備えた打抜きディスク11の形をとる。打抜きディスク11の外側輪郭および内側輪郭の両方が形成される、すなわち、基本材料から、特に電磁鋼から、同時に1回の切断または別個の打抜き段階での何回かの順々の部分的切断のどちらかで切り取られる。この特定のタイプの打抜きディスク11は、多数のそのような打抜きディスク11からなる、電動機の回転子用の積層体で使用される。このような回転子では、打抜きディスク11の中央孔12は回転子のシャフトを収容し、打抜きディスク11の前記凹所13は銅線巻線などの導電性材料を収容する。回転子の積層体の個々の打抜きディスク11間には、通常、いわゆる渦電流損失を低減するために電気絶縁部層が設けられ、該電気絶縁部層は、通常、打抜きディスクの少なくとも片面、好ましくは両面を接着ワニスやいわゆるバックラック(Backlack)などの非導電層でコーティングすることによって設けられる。 図2A~図2Fは、打抜きディスク11または金属部品10を製造するための一般的な複層打抜き加工方法を示している。図2A~図2Fはそれぞれ、2枚以上(ここでは4枚)の互いに積み重ねられた基本材料50のストリップを備える層状の基本材料51からそのような金属部品10を切り取るために使用される打抜き装置90の簡略断面図を表す。打抜き装置90は、打抜きパンチ30、カウンタパンチ40、打抜き材押さえ70および打抜きダイ80を含む。打抜き材押さえ70および打抜きダイ80はそれぞれ、打抜きパンチ30およびカウンタパンチ40が収容されるそれぞれのキャビティ71,81を画定し、これらのキャビティ71,81は、金属部品10(の輪郭)に対応するように形作られている。カウンタパンチ40を使用するこの特定のタイプの打抜き加工方法/打抜き装置90は、それ自体知られており、すなわち精密打抜きとして知られている。 図2Aでは、打抜き装置90は、第1の開いた状態で示され、この状態では打抜きパンチ30は、打抜き材押さえ70内に完全に後退し、カウンタパンチ40は、打抜きダイ80内に完全に後退し、またこの状態では、打抜き材押さえ70と打抜きダイ80とは、破線の矢印によって概略的に示すように、層状の基本材料51を挿入するのにかつ/または層状の基本材料51を打抜き装置90に対して前進させるのに少なくとも十分に互いに離間している。 図2Bでは、打抜き材押さえ70と打抜きダイ80とが互いに向かって移動して、打抜き材押さえ70と打抜きダイ80との間に層状の基本材料51を挟持した後の打抜き装置90が示されている。 図2Cでは、打抜きパンチ30とカウンタパンチ40とが互いに向かって移動して、打抜きパンチ30とカウンタパンチ40との間にも層状の基本材料51を挟持した後の打抜き装置90が示されている。 図2Dおよび図2Eでは、打抜きパンチ30およびカウンタパンチ40の組合せを打抜きダイ80に対して強制的に移動させることによって、層状の基本材料51の各基本材料ストリップ50から金属部品10を切り取るステップが示されている。特に、図2Dでは、そのような切取りの間の打抜き装置90が示され、図2Eでは、金属部品10が完全に切り取られた後、すなわち層状の基本材料51から切り離された後であるが打抜きパンチ30とカウンタパンチ40との間にまだ保持されている、打抜き装置90が示されている。 図2Fでは、打抜き装置90は、第2の開いた状態で示され、この状態では、打抜きパンチ30は、打抜き材押さえ70内に完全に後退し、またこの状態ではカウンタパンチ40は、金属部品10を打抜きダイ80のキャビティ81から上方に押し出して打抜き装置90からの金属部品10の取出しを可能にした後に、打抜きダイ80から突出している。そのような取出しの後、打抜き装置90は、図2Aなどに示したその第1の開いた状態に戻る。 図3は、複層打抜き加工方法および該複層打抜き加工方法で用いられる打抜き装置90の拡大、ならびに複層打抜き加工方法および打抜き装置90を用いて得られた金属部品10の切断縁部の断面を提供する。特に、図3では、4層の基本材料51が適用されている。図3は、層状の基本材料51の中間層が打抜きダイ40のキャビティ内に引き込まれかつ/または曲げ込まれる現象、すなわち、実際の打抜き中の、つまり層状の基本材料51の切断中の打抜きパンチ30の移動による塑性変形を示している。その結果、金属部品10は、その切断縁部100またはその近くで顕著な塑性変形、すなわち縁部変形EDを示す。 本開示によれば、有利には、基本材料の化学組成または上述の打抜き装置90の構造それ自体を変更することなく、従前の複層打抜き加工方法を改善することができ、特に、金属部品10の縁部変形EDを低減することができる。むしろ、本開示によれば、新規の一連の加工フローが提供され、その第1の実施形態が図4に示されている。合金化、鋳造、精錬、圧延、切断、焼なましなどの適切で一般的に知られている加工ステップによって適切なストック材料が準備された後、基本材料は最終的に、新規の複層打抜き加工方法の第1のステップで冷間圧延によって目的の厚さに準備される。次に、第2の加工ステップで、基本材料のいくつかの層50が組み合わされ、すなわち積み重ねられて、層状の基本材料51になる。第3の加工ステップでは、層状の基本材料51が打抜き装置90に供給され、金属部品10が打ち抜かれる。層状の基本材料51は加工硬化された微細構造を有するので、層状の基本材料51は比較的脆く、したがって、剪断前に塑性変形しにくい傾向にある。その結果、金属部品10の切断縁部またはその近くで打抜きにおける前記縁部変形が低減される。その後、新規の複層打抜き加工方法の第4の加工ステップにおいて、金属部品10は、少なくとも脆性を低減するために、より一般的には、金属部品10の機械的、電気的および/または磁気的な特性、電磁特性を改善するために、焼なまし熱処理または焼ならし熱処理を受ける。金属部品10の制御された冷却による焼なましは、通常、この後者の点で最適な結果を達成するために、空冷による焼ならしよりも好ましいことに留意されたい。 もちろん、必要に応じて、バリ取り、コーティング、溶接などの金属部品10のさらなる加工を、新規の一連の加工フロー全体に含めることができる。これらのさらなる加工ステップは、図4に示すように、焼なましまたは焼ならしの前記加工ステップの前または後のいずれかに含めることができる。しかしながら、これらのさらなる加工ステップが金属部品の意図される用途に関して金属部品の微細構造に悪影響を与える場合、そのようなさらなる加工ステップは、焼なましまたは焼ならしの前記加工ステップの前に行うのが好ましい。 また、の新規の複層打抜きプロセスの前記第1の加工ステップと第2の加工ステップとの間に、冷間圧延された基本材料のプレートを適切な幅のストリップ50に切断するためのスリット加工などのさらなる加工を含めることができる。しかしながら、冷間圧延後かつ打抜き前に、基本材料は、基本材料の加工硬化された微細構造を保持するために、いかなる場合でもその再結晶温度まで加熱されない。 さらに、本開示によれば、複層打抜き加工方法から生じる金属部品10の縁部変形EDは、層状の基本材料51の層50間の摩擦を増加させることによってさらに低減することができる。それに加えて、図5に示されている新規の複層打抜き加工方法の第2の実施形態では、基本材料50の表面を酸化する追加の加工ステップが複層打抜き加工方法に含まれている。特に、そのような追加の酸化加工ステップは、冷間圧延を行う前記第1の加工ステップの後、かつ積み重ねを行う前記第2の加工ステップの前またはその一部として、新規の一連の加工フローに含まれる。酸化された後の基本材料の表面は、層状の基本材料51の個々の層50の間に非常に高い摩擦を発現させ、これは、前記縁部変形EDを低減するために望ましい。 前述の説明の全体および添付図面のすべての詳細に加えて、添付の一連の請求項のすべての特徴にも関係するとともに包含する。特許請求の範囲の括弧で囲まれた参照は、その範囲を限定するものではなく、ただ単にそれぞれの特徴の非拘束的な例として提供されている。特許請求されている特徴は、所定の製品または所定の加工方法では個別に適用できるが、場合によっては、そのような特徴の2つ以上のいかなる組合せも所定の製品または所定の加工方法において適用することもできる。 本開示によって表される一または複数の発明は、本明細書で明示的に言及される実施形態および/または例に限定されず、それらの修正、変更および実用的な応用、特に、関連分野の当業者の想到範囲内にあるものも包含する。

代表図 図1本件の代表的な図

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