(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】二次元材料を移すための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
C01B 32/194 20170101AFI20231212BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
C01B32/194
H01L21/306 Z
(21)【出願番号】P 2020560392
(86)(22)【出願日】2019-05-21
(86)【国際出願番号】 US2019033410
(87)【国際公開番号】W WO2019226711
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-19
(32)【優先日】2018-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520412796
【氏名又は名称】イーティーエックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】トリー,イーサン アール.
【審査官】磯部 香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0298504(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0143726(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02937313(EP,A1)
【文献】国際公開第2013/146793(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/00-32/991
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルを担体から基板に移すための方法であって、
サンプルを支えている担体をステージのプラットフォーム部分上
で前記ステージの前記プラットフォーム部分上にあるサンプルガイドの開口内
に受け取ることであって、前記ステージがメインチャンバ内に配置されている、受け取ることと、
前記担体から前記サンプルを取り外すための担体取り外しプロセスを実行することと、
リンスプロセスを実行することと、
サンプル堆積プロセスを実行することと、を含み、
前
記担体取り外しプロセス
は、
エッチング流体がエッチングレベルに達するまで、前記ステージの下から前記メインチャンバに
前記エッチング流体を導入することであって、前記エッチング流体が、前記サンプルガイドの前記開口内の前記担体の下側に接触する
ように、導入することと、
前記メインチャンバからエッチング流体ドレンレベルまで前記エッチング流体を排出することと、を含み、
前記担体取り外しプロセス
では、前記サンプルが前記サンプルガイドの前記開口内に留まるように、前記サンプルから前記担体を実質的に取り外
し、
前記リンスプロセス
は、
リンス流体を、前記リンス流体がリンスレベルに達するまで、前記ステージの下から前記メインチャンバに導入することであって、前記リンス流体が、前記サンプルガイドの前記開口内の前記担体の下側に接触する、導入することと、
前記メインチャンバからリンス流体ドレンレベルまで前記リンス流体を排出することと、を含
み、
前記サンプル堆積プロセス
は、
前記リンス流体を、前記
リンス流体が堆積レベルに達するまで、前記ステージの下から前記メインチャンバに導入することであって、前記堆積レベルまで上昇する前記
リンス流体が、基板を保持する基板ステージよりも高いレベルまで前記サンプルガイドを上昇させる
ように、導入することと、
前記基板が前記
リンス流体の前記堆積レベルより下にあり、前記サンプルガイドの前記開口の下に位置付けられるように、前記基板を保持する前記基板ステージを前記サンプルガイドと整列させることと、
前記
リンス流体が排出されるときに、前記サンプルガイドが基板ホルダに対して下降し、前記サンプルガイドの前記開口内の前記サンプルが前記基板ステージによって保持された前記基板に下降するように、前記メインチャンバから前記
リンス流体を排出することと、を含
む、方法。
【請求項2】
前記サンプル堆積プロセス中に、前記
リンス流体が前記メインチャンバから排出されるときに、前記基板ホルダ及び前記基板が、前記サンプルガイドの前記開口を通って移動し、前記サンプルが、前記基板に接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプルが二次元材料を含み、前記担体が銅を含み、前記リンス流体が脱イオン水である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板ステージを前記サンプルガイドと整列させることが、前記基板ステージの移動を介して前記基板ステージを前記サンプルガイドの下に位置付けることを含み、
前記担体取り外しプロセスが、前記エッチング流体を前記メインチャンバに導入することと、前記エッチング流体を前記メインチャンバから複数回排出することと、を含み
、
前記リンスプロセスが、前記リンス流体を前記メインチャンバに導入することと、前記リンス流体を前記メインチャンバから複数回排出することと、を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記エッチング流体を前記メインチャンバに導入することが、重力によって前記エッチング流体が前記ステージの下から前記メインチャンバに入るようにバルブを開くことを含み、
前記リンス流体を前記メインチャンバに導入することが、重力によって前記リンス流体が前記ステージの下から前記メインチャンバに入るようにバルブを開くことを含む
、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記基板ステージを前記サンプルガイドの下に位置付けることが、モータを作動させて前記基板ステージを第1の位置から第2の位置に移動させることを含み、前記第1の位置において、前記基板ステージが、前記サンプルガイドの垂直方向の移動を妨げず、前記第2の位置において、前記基板ステージが、前記サンプルガイドの前記開口と垂直に整列する
、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
材料を担体から基板に移すためのシステムであって、
側壁によって画定されたキャビティを中に有するメインチャンバを含むプロセス容器と、
プラットフォーム部分を有するサンプルステージであって、前記プラットフォーム部分が、前記プロセス容器の前記メインチャンバ内の前記キャビティに曝されている、サンプルステージと、
前記メインチャンバの前記キャビティと流体連通しているフローチャネルと、
前記フローチャネルと流体連通している流体接合部であって、それにより
(i)1つ以上の流体源からの流体が、前記流体接合部及び前記フローチャネルを介して前記メインチャンバに導入され得、かつ
(ii)流体が、前記流体接合部及び前記フローチャネルを介して前記メインチャンバから排出され得る、流体接合部と、
前記メインチャンバの前記キャビティ内に位置付けられ、開口を含むサンプルガイドと、
基板ステージを有する基板ホルダであって、前記基板ホルダが、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、
前記基板ホルダが前記第1の位置にあるときに、前記基板ホルダが前記キャビティ内の前記サンプルガイドの垂直方向の動きを妨害せず、
前記基板ホルダが前記第2の位置にあるときに、前記基板ホルダの前記基板ステージが前記サンプルガイドの前記開口と整列する、基板ホルダと、を備え
、
前記
プロセス容器は、前記キャビティから離れて延びるネック部分を含み、
前記サンプルステージは、前記プラットフォーム部分から離れて延びるステム部分を含み、前記ステム部分は、概して前記プロセス容器の前記ネック部分内に位置付けられており、
前記フローチャネルは、前記サンプルステージの前記ステム部分と前記プロセス容器の前記ネック部分の間に形成され、
前記サンプルガイドは、前記サンプルガイドを前記サンプルステージ上に配置することで、箔担体材料上のサンプルを、前記サンプルガイドの前記開口内に配置し、
前記流体接合部が、マニホールドと、前記マニホールドと前記フローチャネルとの間の流体連通を提供する入口/出口ポートとを含み、前記マニホールドが、
第1のリザーババルブと、
第2のリザーババルブと、
前記入口/出口ポートと流体連通している充填バルブと、
ドレンバルブと、を備え、
前記第1のリザーババルブ及び前記充填バルブが開いているときに、前記第1のリザーババルブと、前記マニホールドと、前記充填バルブと、前記入口/出口ポートと、前記フローチャネルと、前記メインチャンバとの間に流路が存在し、
前記第2のリザーババルブ及び前記充填バルブが開いているときに、前記第2のリザーババルブと、前記マニホールドと、前記充填バルブと、前記入口/出口ポートと、前記フローチャネルと、前記メインチャンバとの間に流路が存在し、
前記ドレンバルブ及び前記充填バルブが開いているときに、前記メインチャンバと、前記フローチャネルと、前記入口/出口ポートと、前記充填バルブと、前記マニホールドと、前記ドレンバルブとの間に流路が存在し、
前記第1のリザーババルブ、前記第2のリザーババルブ、前記充填バルブ、及び前記ドレンバルブのそれぞれと連通するコントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記第1のリザーババルブ、前記第2のリザーババルブ、前記充填バルブ、及び前記ドレンバルブのそれぞれを選択的に開閉するように構成され、
前記1つ以上の流体源は、エッチング流体を含む第1のリザーバであって、前記第1のリザーババルブを介して前記マニホールドと選択的に流体連通している、第1のリザーバと、リンス流体を含み第2のリザーバであって、前記第2のリザーババルブに対して前記マニホールドと選択的に流体連通している、第2のリザーバと、を備え、
前記コントローラは、前記1つ以上の流体源から前記メインチャンバの前記キャビティに流体を選択的に導入するために、前記第1のリザーババルブ、前記第2のリザーババルブ、前記充填バルブ、及び前記ドレンバルブのそれぞれの動作を制御して、エッチング流体を前記キャビティに導入し、リンス流体を前記キャビティに導入することができる、システム。
【請求項8】
前記プロセス容器の側壁が、その中に形成された1つ以上のガイドチャネルを含み、
前記サンプルガイドが、前記サンプルガイドの周辺から延びる1つ以上のタブを含み、前記1つ以上のタブのそれぞれが、前記プロセス容器の前記側壁にある前記1つ以上のガイドチャネルの対応する1つと接合して、前記キャビティ内の前記サンプルガイドの垂直方向の動きを可能にしながら前記キャビティ内の前記サンプルガイドの横方向の動きを制限し、
前記サンプルステージは、該サンプルステージの表面の下に延び、該サンプルステージの表面を少なくとも部分的に横切って延びる1つ以上の輸送チャネルをさらに備え、該輸送チャネルは、前記サンプルステージの中心に向かって、前記サンプルガイドの下に流体を輸送するように構成される、請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラが、前記第1のリザーババルブ、前記第2のリザーババルブ、前記充填バルブ、及び前記ドレンバルブを制御して、前記システムを、
エッチング構成であって、
前記第1のリザーババルブが開いており、
前記第2のリザーババルブが閉じており、
前記ドレンバルブが閉じており、
前記充填バルブが開いており、
前記エッチング流体を含む第1のリザーバが、前記第1のリザーババルブ、前記マニホールド、前記充填バルブ、前記入口/出口ポート、及び前記フローチャネルを介して前記メインチャンバの前記キャビティと流体連通して前記エッチング流体が前記メインチャンバの前記キャビティに提供されるようにしている、エッチング構成と、
リンス構成であって、
前記第1のリザーババルブが閉じており、
前記第2のリザーババルブが開いており、
前記ドレンバルブが閉じており、
前記充填バルブが開いており、
前記リンス流体を含む第2のリザーバが、前記第2のリザーババルブ、前記マニホールド、前記充填バルブ、前記入口/出口ポート、及び前記フローチャネルを介して前記メインチャンバの前記キャビティと流体連通して前記リンス流体が前記メインチャンバの前記キャビティに提供されるようにしている、リンス構成と、
ドレン構成であって、
前記第1のリザーババルブが閉じており、
前記第2のリザーババルブが閉じており、
前記ドレンバルブが開いており、
前記充填バルブが開いており、
前記メインチャンバの前記キャビティが、前記フローチャネル、前記入口/出口ポート、前記充填バルブ、前記マニホールド、及び前記ドレンバルブを介してドレンと流体連通して前記メインチャンバの前記キャビティ内の流体が前記キャビティから前記ドレンに流れるようにしている、ドレン構成と、のうちのいずれかに配置するように構成され、
前記コントローラが、
エッチングプロセスであって、
所定量のエッチング流体が前記第1のリザーバから前記メインチャンバの前記キャビティに提供されるように前記システムを前記エッチング構成に配置することであって、前記所定量のエッチング流体が、前記キャビティ内の前記エッチング流体が前記サンプルステージの前記プラットフォーム部分より上に上昇するような少なくとも十分なエッチング流体である、配置することと、
前記エッチング流体が前記メインチャンバの前記キャビティから排出されるように、前記システムを前記ドレン構成に配置することと、を含む、エッチングプロセスを実行し、
リンスプロセスであって、
所定量のリンス流体が前記第2のリザーバから前記メインチャンバの前記キャビティに提供されるように前記システムを前記リンス構成に配置することであって、前記所定量のリンス流体が、前記キャビティ内の前記リンス流体が前記サンプルステージの前記プラットフォーム部分より上に上昇するような少なくとも十分なリンス流体である、配置することと、
前記リンス流体が前記メインチャンバの前記キャビティから排出されるように、前記システムを前記ドレン構成に配置することと、を含むリンスプロセスを実行するように構成されている、請求項
7に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラと通信する液面センサをさらに含み、前記所定量のエッチング流体を提供することが、検出されたエッチング流体のレベルが所定量のエッチング流体に対応する所定の閾値に達するまで前記システムが前記エッチング構成内にありながら、前記液面センサを介して前記キャビティ内の前記エッチング流体のレベルを測定すること、を含み、
前記所定量のリンス流体を提供することが、検出されたリンス流体のレベルが所定量のリンス流体に対応する所定の閾値に達するまで前記システムが前記リンス構成内にありながら、前記液面センサを介して前記キャビティ内の前記リンス流体のレベルを測定すること、を含み、
前記所定量のリンス流体が、前記所定量のエッチング流体よりも多く、
前記液面センサが、光学センサを含み、
前記システムは、前記コントローラと通信し、前記コントローラによって制御可能なモータをさらに含み、前記モータが、前記第1の位置と前記第2の位置との間で基板ホルダを移動させるように構成され、
前記コントローラが堆積プロセスを実行するように構成されており、前記堆積プロセスが、
第2の所定量のリンス流体が前記第2のリザーバから前記メインチャンバの前記キャビティに提供されるように前記システムを前記リンス構成に配置することであって、前記第2の所定量のリンス流体が、前記サンプルステージがサンプルホルダ上の前記サンプルステージより上の高さに上昇するような少なくとも十分なリンス流体である、配置することと、
前記モータを介して、前記基板ホルダを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることと、前記リンス流体が前記メインチャンバの前記キャビティから排出されるように、前記システムを前記ドレン構成に配置することと、を含み、
前記コントローラが、
前記エッチングプロセスを複数回繰り返すように構成されており、
前記エッチングプロセスを複数回繰り返した後に、前記リンスプロセスを複数回繰り返し、
前記リンスプロセスを複数回繰り返した後に、前記堆積プロセスを実行する、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
複数のリザーバをさらに備え、該複数のリザーバの各リザーバは、特定のプロセスで使用するための特定の流体を保持するように構成され、前記複数のリザーバは、第1のリザーバおよび第2のリザーバを含み、
前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバが、
前記システムが前記エッチング構成にあるときに、エッチング流体が、重力のために、ポンプを必要とせずに、前記第1のリザーバから前記メインチャンバのキャビティに流れ込み、
前記システムが前記リンス構成にあるときに、リンス流体が、重力のために、ポンプを必要とせずに、前記第2のリザーバから前記メインチャンバのキャビティに流れ込むように、前記メインチャンバの前記キャビティよりも高い位置に位置付けされる、請求項
9に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1から
6のいずれか1項の方法を実行するように構成された、請求項
7から
11のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連事項
[0001] 本出願は、2018年5月22日に提出された米国仮特許出願第62/674,715号の優先権を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] グラフェンなどの2次元材料は、多くの場合、最初の担体に固定された注目材料を含むサンプルとして、最も便利に、効果的に、及び/又は効率的に作成される。しかしながら、担体は、注目材料を作成するのに最も適するかもしれないが、注目材料を利用するデバイスを製造するときなど、注目材料のその後の使用には一般に望ましくない。したがって、そのような場合、担体からの注目材料の取り外しが必要となることがある。例えば、グラフェンは、銅箔上で生成されることが多く、その結果、担体である銅箔上の注目材料であるグラフェンとなる。ただし、グラフェンを効果的に利用するには、グラフェンを使用する基板に配置する前に、銅からグラフェンを取り外す必要がある。
【0003】
[0003] 担体からの注目材料の機械的分離は、注目材料に重大な損傷を与えることなく達成することが困難又は不可能であることが多い。したがって、注目材料を担体から分離する方法として化学プロセスが使用されることが多い。典型的なエッチングプロセスでは、人が手動でサンプル(材料が取り付けられた担体)をつかみ、注目材料から担体をエッチングするように配合されたエッチング流体にサンプルを置く。
【0004】
[0004] 使用する化学的性質とサンプルに存在する担体の量に応じて、エッチング流体中の反応物が枯渇した場合、サンプルをエッチング流体から手動で取り出し、必要に応じてエッチング流体の新しいバッチに入れることができる。このプロセスは、担体が効果的に取り外されるまで繰り返される。次に、残りの注目材料を、例えば、脱イオン水を使用してリンスして、エッチング流体を取り外す。
【0005】
[0005] この方法には多くの潜在的な問題がある。(例えば、1つ以上のエッチングステップ中の)サンプル及び/又は(例えば、1つ以上のリンスステップ中の)注目材料自体の繰り返しの物理的取り扱いは、注目材料を損傷し、その品質及び/又はサンプルから得られた有用な材料の量を低下させる可能性がある。さらに、エッチング流体は、担体ほど積極的に注目材料を攻撃しないように配合し得るが、サンプル及び/又は材料自体の物理的操作中に及び/又はエッチング中に材料表面に飛散させることになるエッチング流体の乱流によるなど、エッチング流体への材料の過剰な曝露は、材料を損傷させたり、品質を低下させたり、使用できなくさせたりすることがある。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本開示のいくつかの態様によるシステムは、側壁によって画定されたキャビティをその中に有するメインチャンバを含むプロセス容器を含む。システムは、メインチャンバ内のキャビティに露出されたプラットフォーム部分を有するサンプルステージを含むことができる。システムは、メインチャンバのキャビティと流体連通するフローチャネルと、フローチャネルと流体連通する流体接合部とを含む。1つ以上の流体源からの流体は、流体接合部及びフローチャネルを介してメインチャンバに導入することができ、流体は、流体接合部及びフローチャネルを介してメインチャンバから排出することができる。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、プロセス容器は、キャビティから離れて延びるネック部分を含み、サンプルステージは、プラットフォーム部分から離れて延びるステム部分を含み、サンプルステージのステム部分は、概してプロセス容器のネック部分内に位置付けられる。フローチャネルは、サンプルステージのステム部分とプロセス容器のネック部分の間に形成することができる。
【0008】
[0008] システムは、メインチャンバのキャビティに位置付けられたサンプルガイドを含むことができる。サンプルガイドは、その中に開口を含むことができる。いくつかの例では、サンプルガイドをサンプルステージ上に配置することができ、箔担体材料上の二次元材料などのサンプルを、サンプルガイドの開口内に配置することができる。
【0009】
[0009] いくつかの例では、システムは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な基板ステージを有する基板ホルダをさらに含むことができる。いくつかのそのような例では、第1の位置において、基板ホルダは、キャビティ内のサンプルガイドの垂直方向の動きをブロックせず、第2の位置において、基板ホルダの基板ステージは、サンプルガイドの開口と整列する。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、システムの流体接合部は、入口/出口ポートと、第1のリザーババルブ、第2のリザーババルブ、入口/出口ポートと流体連通する充填バルブ、及びドレンバルブを有するマニホールドとを含む。いくつかのそのような例では、第1のリザーババルブ及び充填バルブが開いているときに、第1のリザーババルブと、マニホールドと、充填バルブと、入口/出口ポートと、フローチャネルと、メインチャンバとの間に流路が存在する。同様に、いくつかの例では、第2のリザーババルブ及び充填バルブが開いているときに、第2のリザーババルブと、マニホールドと、充填バルブと、入口/出口ポートと、フローチャネルと、メインチャンバとの間に流路が存在する。いくつかの例では、ドレンバルブ及び充填バルブが開いているときに、メインチャンバと、フローチャネルと、入口/出口ポートと、充填バルブと、マニホールドと、及びドレンバルブとの間に流路が存在する。システムは、そのようなバルブの動作を制御するように構成されたコントローラを含むことができる。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、コントローラは、1つ以上の供給源からメインチャンバのキャビティに流体を選択的に導入するために、バルブの動作を制御することができる。いくつかの例では、コントローラは、バルブを制御して、エッチング流体をキャビティに導入し、リンス流体をキャビティに導入することができ、例えば、担体材料をサンプルからエッチングして取り除き、エッチングが完了した後にシステムからエッチング流体をリンスすることができる。リンス流体を使用して、サンプルガイド及びサンプルを基板ホルダよりも高いレベルに上昇させてもよい。
【0012】
[0012] 基板ホルダを第1の位置から第2の位置に移動させて、基板ステージ上の基板をサンプルガイドの開口の下に位置付けることができ、担体材料をエッチング取り外した後、サンプルを開口内に位置付ける。リンス流体を排出すると、サンプルガイドとサンプルが下がり、サンプルが基板上に堆積するようになる。
【0013】
[0013] 本開示のいくつかの態様による方法は、サンプルをサンプルステージのプラットフォーム部分上及びサンプルガイドの開口内に運ぶ担体を受け取ることを含む。方法は、例えば、エッチング流体を、前記エッチング流体がエッチングレベルに達するまで、前記ステージの下から前記メインチャンバに導入することであって、前記エッチング流体が、前記サンプルガイドの前記開口内の前記担体の下側に接触する、導入することによって担体取り外しプロセスを実行することを含むことができる。担体取り外しプロセスは、メインチャンバからエッチング流体を排出することをさらに含むことができる。このようなプロセスは、担体がサンプルから取り外されるまで実行及び/又は繰り返すことができる。
【0014】
[0014] 方法は、リンス流体を、リンス流体がリンスレベルに達するまで、ステージの下からメインチャンバに導入することであって、リンス流体が、サンプルガイドの開口内の担体の下側に接触する、導入することと、メインチャンバからリンス流体を排出することと、によってリンスプロセスを実行することを含むことができる。いくつかの例では、リンスプロセスは、エッチング流体がキャビティから取り外されるまで実行及び/又は繰り返すことができる。
【0015】
[0015] 方法は、サンプル堆積プロセスをさらに含むことができる。サンプル堆積プロセスは、リンス流体を、リンス流体が堆積レベルに達するまで、ステージの下からメインチャンバに導入することであって、堆積レベルまで上昇するリンス流体が、ステージからサンプルガイドを上昇させる、導入することを含むことができる。サンプル堆積プロセスは、基板がリンス流体の堆積レベルより下にありサンプルガイドの開口の下に位置付けられるように、基板を保持する基板ステージを前記サンプルガイドと整列させることとをさらに含むことができる。サンプル堆積プロセスは、リンス流体が排出されるときに、サンプルガイドが基板ホルダに対して下降し、サンプルがサンプルステージ上に位置付けられた基板上に堆積されるように、メインチャンバからリンス流体を排出することをさらに含むことができる。いくつかのそのような例では、基板及び基板ステージは、サンプルガイドの開口を通って移動し、サンプルは基板に接触する。
【0016】
[0016] 流体は、重力によって流体が流体源からキャビティに流れるように、キャビティよりも高い位置にある流体源からキャビティに導入することができる。重力制御されたフローは、流体の乱流を減らすことができ、例えば、エッチング流体をサンプルに飛散させたり、サンプルを折りたたんだりすることによって、サンプルを損傷する可能性を減らすことができる。フローチャネルの寸法などのシステムの寸法は、キャビティに導入される流体の層流を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】移しシステムにおける例示的なプロセス容器の断面側面図を示す。
【
図1B】メインチャンバのキャビティ内に流体を含む
図1Aのプロセス容器を示す。
【
図2】プロセス容器の入口/出口ポートと連通している複数の流体源の概略図を示す。
【
図3A】例示的な実施形態による、メインチャンバの正面断面図を示す。
【
図4A】例示的なサンプルステージの側面図を示す。
【
図6A】本明細書に記載されているようなプロセス容器に取り付けることができる基板タブの上面図を示す。
【
図7】基板タブ及びプロセス容器を含む移しシステムの断面図を示す。
【
図8A】プロセス容器で使用するための例示的な基板ホルダを示す。
【
図9A】注目材料を担体から基板に移すための例示的なプロセスを示すプロセスフロー図である。
【
図9B】注目材料を担体から基板に移すための別の例示的なプロセスを示すプロセスフロー図である。
【
図10A】サンプルガイドの下からサンプルを受け取るための、メインチャンバのキャビティ内に延びる基板ホルダを示す。
【
図10B】基板ホルダに対するサンプルガイドの動きの拡大図を示す。
【
図11A】基板上にサンプルを配置する方法の例示的なプロセスを示す。
【
図11B】基板上にサンプルを配置する方法の例示的なプロセスを示す。
【
図11C】基板上にサンプルを配置する方法の例示的なプロセスを示す。
【
図11D】基板上にサンプルを配置する方法の例示的なプロセスを示す。
【
図11E】基板上にサンプルを配置する方法の例示的なプロセスを示す。
【
図11F】基板上にサンプルを配置する方法の例示的なプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0038] 以下の詳細な記述は本質的に例示的であり、決して本発明の範囲、適用性、又は構成を限定することを意図しない。むしろ、以下の記述は、本発明の例示的な実施例を実装するためのいくつかの実用的な図示を提供する。構成、材料、寸法、及び製造プロセスの例は、選択された要素に対して提供され、他のすべての要素は、本発明の分野の当業者に知られている要素を用いる。特に明記されていない限り、図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。記載された例の多くが様々な好適な選択肢を有することを当業者は認識するであろう。
【0019】
[0039]
図1Aは、移しシステムにおける例示的なプロセス容器の断面側面図を示す。プロセス容器100は、キャビティ114を画定する側壁112を有するメインチャンバ110を含む。いくつかの実施形態では、側壁112は、概して円筒形であり、その中に概して円筒形のキャビティ114を画定するが、他の形状も可能である。メインチャンバ110は、キャビティ114を、キャビティ114に流体を導入又はキャビティ114から排出することができる入口/出口ポート118に接続するネック部分116を含む。キャビティ114からの流体の受け入れ及び排出の両方のための単一のポート118を含むように示されているが、いくつかの例では、プロセス容器は、別個の入口ポート及び出口ポートを含むことができる。いくつかの例では、プロセス容器は、高密度ポリエチレン(HDPE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの化学的に弾力性のある材料を含む。いくつかの実施形態では、プロセス容器100は、例えば、そのような材料のうちの1つの固体片を機械加工してプロセス容器100を形成することによって構築することができる。
【0020】
[0040] プロセス容器100は、プラットフォーム部分132及び端部136で終端するステム部分134を含むサンプルステージ130を含む。示されるように、メインチャンバのネック部分116は、サンプルステージ130の末端部136を受け入れるように構成された受容ポート120を含む。いくつかの例では、サンプルステージ130の末端部136は、サンプルステージ130をメインチャンバ110内の所定の位置にロックするように、メインチャンバ110の受容ポート120と係合する。様々な実施形態では、末端部136は、ねじ込みカップリング、摩擦嵌合、磁気カップリングなどのうちの1つ以上を介するなど、様々な取り付け技術のいずれかによって受容ポート120に取り付けることができる。他の実施形態では、サンプルステージ130の末端部136は、メインチャンバ110の受容ポート120と一体的に形成されている。
【0021】
[0041] いくつかの実施形態では、サンプルステージ130の末端部136がメインチャンバの受容ポート120で所定の位置にロックされると、メインチャンバのネック部分116及びサンプルステージのステム部分134は、入口/出口ポート118とキャビティ114との間に流路を作成するフローチャネル138を形成する。いくつかの実施形態では、フローチャネル138は、サンプルステージ130のステム部分134を概して取り囲む環状チャネルを含む。いくつかのそのような実施形態では、入口/出口ポート118及びフローチャネル138を介してキャビティ114に入る流体は、概してサンプルステージ130の周りのすべての側面からキャビティ114に入る。
【0022】
[0042] いくつかの実施形態では、システムは、フローチャネル138からメインチャンバ110のキャビティ114への流体の流れを防ぐために、フローチャネル138内に位置付けられた環状バルブなどのバルブを含む。いくつかのそのような例では、バルブは、サンプルステージ130のステム部分134を取り囲むことができるか、又はサンプルステージ130の周辺近くに配置することができる。様々な場所が可能である。いくつかの実施形態では、フローチャネル138は、メインチャンバ110のネック部分116及びサンプルステージのステム部分134によって画定され、概してメインチャンバ110の底面126とプラットフォーム132の底面との間に延びることができる。いくつかの例では、そのようなフローチャネル138は、入口/出口ポート118とキャビティ114との間の流体の層流を促進することができる。別個の入口ポート及び出口ポートを含むいくつかの実施形態では、フローチャネル138は、入口ポート及び出口ポートの両方と流体連通することができる。いくつかの例では、別個のフローチャネル(例えば、入口フローチャネル及び出口フローチャネル)を使用して、キャビティと別個の入口及び出口ポートとの間の流体連通を提供することができる。例えば、例示的な実施形態では、入口フローチャネルは、キャビティと入口ポートとの間の流体連通を提供することができ、一方、出口フローチャネルは、キャビティと出口ポートとの間の流体連通を提供することができる。
【0023】
[0043] 図示の実施形態では、メインチャンバ110は、メインチャンバ110の底面126から突出するポスト128a、128bを含む。いくつかの例では、ポスト128a、128bは、例えば、末端部136をメインチャンバ110の受容ポート120に固定しながら、サンプルステージ130のメインチャンバ110のネック部分116への挿入を制限することができる。ポスト128a、128bは、フローチャネル138がサンプルステージ130によってブロックされないように、サンプルステージ130をメインチャンバ110の底面126から十分に遠くに保持することができる。追加的又は代替的に、ポスト(例えば、128a、128b)は、サンプルステージ130が水平であることを確実にするように配置することができる。様々な実施形態では、任意の数のそのようなポストを、メインチャンバ110の底面126に含めることができる。いくつかの例では、ポストは、メインチャンバ110の底面126の周りにさえ分布させることができる。例えば、例示的な実施形態では、プロセス容器の円筒形本体は、円筒形本体の中心軸からほぼ等距離に配置され、約120°の角度で互いに分離された3つのポストをその底面に含む。
【0024】
[0044] プロセス容器100はさらに、メインチャンバ110内で概して垂直に移動可能なサンプルガイド140を含む。図示の実施形態では、サンプルガイド140は、サンプルステージ130上に載っているように示されている。いくつかの実施形態では、サンプルガイド140は、脱イオン水などの流体がメインチャンバ110のキャビティ114内に存在するときに浮く材料から作られている。例えば、いくつかの実施形態では、サンプルガイド140は、HDPE又は他の化学的に弾力性のある材料を含む。したがって、例示的な動作中に、流体は、入口/出口ポート118及びフローチャネル138を介してメインチャンバ110内のキャビティ114に入り得る。流体は、サンプルステージ130のプラットフォーム部分132の上面のレベルより上に上昇し、サンプルガイド140を流体の表面上に浮かせ、流体レベルが上昇するにつれてサンプルステージ130より上に上昇し得る。
【0025】
[0045] 図示の例では、サンプルガイド140は、サンプルガイド140の周辺に沿って少なくとも1つの位置から延びるタブ142aを含む。タブ142aは、メインチャンバ110の側壁112内のガイドチャネル124a内に延びる。1つ以上のそのようなタブは、1つ以上の対応する垂直チャネルと係合して、サンプルガイド140がキャビティ内に存在する流体レベルで上昇及び下降するときに、サンプルガイド140をキャビティ114内の固定水平位置に概して維持することができる。いくつかの例では、1つ以上のポスト(例えば、124a、124b)は、サンプルステージ130が水平であることを確実にし、したがって、サンプルステージ130上に位置付けられたサンプルガイド140も水平であることを確実にする。水平サンプルステージ130は、フローチャネル138からの流体がサンプルガイド140の周辺に均一に導入されることを確実にすることができ、水平サンプルガイド140は、サンプルガイド140が、例えば、タブ142aが垂直方向の動きを制限するために側壁112のどの部分にも結合せずに、チャネル124aを案内する。
【0026】
[0046] サンプルガイド140は、それを通って延びる開口144を含む。
図1Aに示されるように、開口144は、サンプルステージ130のほぼ中心の上方に位置付けられている。操作中、ユーザは、サンプルを所定の領域内に維持するために、サンプルガイドの開口144内にサンプルを配置し得る。サンプルには、例えば銅箔上のグラフェンなど、担体上の注目材料を含めることができる。開口144は、任意の数のサイズ及び/又は形状とすることができる。いくつかの例では、サンプルガイド140の開口144は、使用されるサンプルとほぼ同じ形状とし、サイズがわずかに大きくすることができる。例示的な開口は、長方形、円形、又は他の形状とすることができる。
【0027】
[0047]
図1Aの図示の実施形態に示されるように、メインチャンバ110は、破線で示される切り欠きセクション150を含む。切り欠きセクション150は、キャビティ114内の流体が切り欠きセクション150内の側壁112上にこぼれ、側壁112の他の部分上にこぼれることなく追加の位置に向けられるように位置付けられることができる。
【0028】
[0048]
図1Bは、メインチャンバのキャビティ内に流体を含む
図1Aのプロセス容器を示している。
図1Bの例では、流体は、流体レベル160までキャビティ114内に存在する。示されるように、サンプルガイド140は、ほぼ流体レベル160で浮いている。いくつかの例では、サンプルガイド140は、上面が流体レベル160より上に留まっている間に、サンプルガイド140の大部分が水没するように浮いている。サンプルガイド140の開口144内のキャビティ内に配置されたサンプルは、開口144内の流体レベル160で浮くことができる。
【0029】
[0049] いくつかの例では、プロセス容器100は、流体レベルがキャビティ114内で上昇するにつれて、流体が流体レベル測定チャンバ182内で同様に上昇するように、フローチャネル138と流体連通する流体レベル測定チャンバ182を含む。したがって、流体レベル160は、キャビティ114及び流体レベル測定チャンバ182の両方に存在する。図示の例では、流体レベル測定チャンバ182は、流体測定チャネル181を介してフローチャネル138と流体連通している。流体レベル測定チャンバ182内の流体レベルの測定は、手動で、例えば、チャンバの透明な側壁を介して、又は自動的に、例えば、1つ以上の静電容量センサ、光学センサ、超音波センサ、機械的センサなどを介して実行することができる。
図1Aの図示の例では、流体レベル測定チャンバ182は、側壁112の外側に位置付けられている。他の実施形態では、同様の流体レベル測定チャンバ182が、側壁112内に位置付けられ、同様の方法で動作することができる。いくつかの例では、流体レベル測定チャンバ182は省略することができ、流体レベルセンサは、キャビティ114自体内の流体のレベルを測定するように構成することができる。
【0030】
[0050] いくつかの例では、開口144は、サンプルの場所が既知であり、制御されたままであるように、サンプルが流体の表面を横切ってかなり横方向に動くのを防止する。さらに、いくつかのそのような例では、例えば、
図1A又は1Bに示されていない他の同様の特徴に加えて、ガイドチャネル124aに位置付けられたタブ142aは、サンプルガイド140、したがって開口144内のサンプルが流体表面を横切ってかなり横方向に動くのを防止する。
【0031】
[0051] 他の構成及び/又は構成要素を使用して、サンプルガイド及び/又はサンプルガイドの開口内でのサンプルの望ましくない横方向の動きを一般に防止できることが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の垂直に延びるタブを側壁の内面に沿って形成することができ、サンプルガイドに形成された対応するノッチと係合するように構成することができる。他の例では、タブ及びチャネルを除外することができ、サンプルガイドは、キャビティ内の横方向の動きを概して防止するようなサイズにすることができ、例えば、サンプルガイドの大部分を中心にして側壁の内面に接触する、又はほぼ接触する外周を有し、サンプルガイドの横方向の動きを防止又は制限する。1つ以上の磁石など、様々な追加又は代替の構成要素を使用することができる。いくつかの実施形態では、サンプルステージの横方向の動きを防止又は制限するための異なる構成を、使用される所望の注目材料及び/又は担体に従って実施することができる。
【0032】
[0052] 一般に、本明細書に記載のプロセス容器の構成要素は、同じ又は異なる材料から作製することができる。そのような材料は、概して本明細書に記載されるような化学的に弾性のある材料である。様々な例では、このような構成要素は、バルク材料からの機械加工、射出成形、3D印刷、又は1つ以上の他の方法で組み立てることができる。
【0033】
[0053]
図1Bに示されるキャビティ114内の流体は、複数の流体のいずれかとすることができる。
図2は、プロセス容器の入口/出口ポートと連通している複数の流体源の概略図を示している。
図2の例では、複数のリザーバ、リザーバ1、リザーバ2、…、リザーバNは、マニホールド270と流体連通している。各リザーバとマニホールド270との間の流体の流れは、それぞれのバルブ、RV1、RV2、RVNによって制御される。各リザーバは、プロセス容器で使用するための流体を含むことができる。
【0034】
[0054] 例示的な実施形態では、第1のリザーバRV1は、エッチング流体を保持し、第2のリザーバRV2は、脱イオン水を保持する。追加のリザーバは、1つ以上の洗浄剤、電解質材料などの他の流体を含むことができる。追加的又は代替的に、追加のリザーバは、例えば、脱イオン水又はエッチング流体のバックアップリザーバを含むことができる。いくつかの例では、複数のリザーバのそれぞれは、異なるプロセスのために異なる材料をエッチングするために一般的に使用される複数の異なるエッチング流体のうちの対応する1つを貯蔵する。同様に、いくつかの例では、単一のリザーバを別のリザーバと交換して、実行されるプロセスに望ましい特性を有する流体を提供することができる。様々な例では、リザーバは、保持タンク、ボトル、又は他の流体貯蔵容器とすることができる。
【0035】
[0055] マニホールドは、充填バルブ219を介して、
図1A及び1Bの入口/出口ポート118などのプロセス容器の入口/出口ポート218と連通している。いくつかの実施形態では、充填バルブ219は、それを通る流体の調整可能な流量を提供することができる比例バルブを含む。例えば、いくつかのそのような実施形態では、比例充填バルブは、可変サイズに開口を開いて、流体が開口サイズに対応する速度でそこを通って流れることを可能にすることができる。いくつかの代替の実施形態では、充填バルブは、例えば、遮断バルブを含む他のタイプのバルブを含むことができる。
【0036】
[0056] いくつかの例では、第1のリザーバRV1から入口/出口ポート218を介してプロセス容器のキャビティに流体を供給するために、第1のリザーババルブRV1及び充填バルブ219を開いて、マニホールドを介して第1のリザーバRV1と入口/出口ポート218との間の流体連通を提供することができる。いくつかの実施形態では、充填バルブ219は、流体を入口/出口ポート218に穏やかに、最小の乱流で導入するように、非常にゆっくりと開くように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、充填バルブ219は、受信された信号又は作動に応答してゆっくりと開かれる比例バルブを含む。ゆっくりと開く比例バルブは、バルブ219を介して入口/出口ポート218に導入される流体の乱流を低減することができる。
【0037】
[0057] いくつかの例では、リザーバRV1、RV2、…、RVNは、重力が十分な力を提供して、十分な流体を任意のリザーバからキャビティに流す(例えば、キャビティを十分な動作レベルまで満たす)ように、プロセス容器よりも高く位置付けられている。いくつかのそのような実施形態では、入口/出口ポート218は、ソースリザーバがプロセス容器内の最も高い所望の流体レベルよりも高く位置付けられている限り、マニホールド270の下、上、又は同じレベルに配置することができる。重力を利用して流体を移すことにより、1つ以上のポンプの始動及び/又は動作によって引き起こされる乱流を低減でき、概してシステム内に一定又はほぼ一定の流量と流体力を提供する。他の例では、1つ以上のポンプを利用して、流体をリザーバから入口/出口ポート218に移すことができる。追加的又は代替的に、1つ以上のポンプを利用して、他の流体源からリザーバRV1…RVNを補充することができる。
【0038】
[0058]
図2の図は、ドレンバルブ277を介してマニホールド270に結合されたドレン276をさらに含んでいる。いくつかの実施形態では、プロセス容器が排出されるときに、すべてのリザーババルブRV1、RV2、…、RVNが閉じられ、流体がプロセス容器から入口/出口ポート218、充填バルブ219、マニホールド270、及びドレンバルブ277を通ってドレン276に流れるようにドレンバルブ277及び充填バルブ219が開かれる。いくつかの実施形態では、ドレン276は、プロセス容器の入口/出口ポート218よりも低く位置付けられ、その結果、プロセス容器内の流体は、重力によって排出される。他の例では、1つ以上のポンプを使用して、排出を容易にすることができる。
【0039】
[0059]
図2の図は、コントローラ280をさらに含む。コントローラは、リザーババルブRV1、RV2、…、RVN、ならびにドレンバルブ277及び充填バルブ219の動作を制御するように構成することができる。様々な実施形態では、バルブの制御は、様々な方法のいずれかで実行することができる。例えば、コントローラ280は、その動作を制御するために(例えば、ソレノイド制御を介して)1つ以上のそのようなバルブに電力を印加するように構成することができる。追加的又は代替的に、1つ以上のバルブを空気圧で作動させることができる。いくつかの例では、コントローラ280は、有線又は無線通信を介して1つ以上のバルブに制御信号を提供して、バルブの作動をトリガーすることができる。概して、様々なタイプのバルブのいずれかを使用できる。いくつかの例では、充填バルブ219は、高精度バルブ及び/又は非常に遅いターンオン流量を有するバルブとして構成される。
【0040】
[0060] いくつかの実施形態では、コントローラは、流量計及び/又は液面センサ(例えば、静電容量センサ、光学センサ、近接センサ、例えば、赤外線近接センサ、機械的センサ、超音波センサなど)282などの他の構成要素と通信して、コントローラが、プロセス容器内に存在する流体の量を(例えば、流量及び時間を介して)測定及び/又は計算することができるようにすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ280は、複数のバルブ及び/又はポンプを制御することによって、一連の充填及び排出プロセスを実行するようにプログラムすることができる。コントローラ280は、センサ282との通信を介して所与の時間にプロセス容器内の流体の量を決定し、決定された量をフィードバック信号として使用して、様々な排出又は充填プロセスをいつ開始及び停止するかを決定することができる。
図1Aに関して説明したように、様々な例において、流体レベルセンサは、プロセス容器のキャビティ内の流体を直接測定するように構成することができ、又はキャビティとは別であるがキャビティと流体連通している流体レベル測定チャンバ内の流体を測定するように構成することができる。
【0041】
[0061]
図3Aは、例示的な実施形態によるメインチャンバの正面断面図を示している。
図3Aの例では、メインチャンバ310は、キャビティ314を画定する側壁312を含む。いくつかの例では、キャビティ314は、形状がほぼ円筒形である。メインチャンバ310は、それに取り付けられたポスト328a、328bを含む底面326を含む。いくつかの例では、ポスト328a、328bは、底面326に形成されたボアホールに挿入される。
図3Aの例では、側壁312は、キャビティ314内に垂直に延びるガイドチャネル324aを含む。
【0042】
[0062] メインチャンバ310は、底面326から下向きに延びて受容ポート320で終端するネック部分316を含む。受容ポートは、ねじ(例えば、めねじ)、磁気カップリングなどのような追加の構成要素(例えば、
図1Aのサンプルステージ130)を受け入れて固定するための1つ以上の取り付け機構を含むことができる。ネック部分316は、メインチャンバ310内のキャビティ314と入口/出口ポート318との間の流体連通を提供する。図示の例では、メインチャンバ310の底面326は、ネック部分316に向かって湾曲しているが、他の形状も可能である。
【0043】
[0063]
図3Aのメインチャンバ310は、流体測定チャネル381を介してキャビティ314と流体連通している流体レベル測定チャンバ382を含む。
図3Aの実施形態では、側壁312の外側に位置付けられるように示されているが、いくつかの例では、流体レベル測定チャンバ382は、側壁312内に位置付けされているか、又は完全に省略され得る。
【0044】
[0064]
図3Bは、
図3Aに示されるメインチャンバの上面図を示している。示されるように、メインチャンバ310は、キャビティ314を画定する側壁312を含む。
図3Bの上面図は、側壁312に形成された3つのガイドチャネル324a、324b、324cを示している。図示の例では、ガイドチャネルは半円形の形状であるが、様々な形状が可能である。いくつかの実施形態では、ガイドチャネル324a、324b、324cは、サンプルガイドの対応する部分(例えば、
図1Aの140)を受け入れるように形作られている。同様に、3つのガイドチャネル324a、324b、324cが図示の例に示されているが、任意の数のガイドチャネルを使用することができる。複数のガイドチャネルを含む実施形態では、ガイドチャネルは、ハウジング側壁312内で垂直に延びることができ、任意の構成で側壁312の周りに半径方向に離間することができる。図示の実施形態では、ガイドチャネル324a、324b、324cは、側壁312内で約90°の角度で半径方向に分離されている。
【0045】
[0065] メインチャンバ310は、ネック部分316と出会う底面326を含む。図示の例では、ネック部分316は、底面326のほぼ中央に配置されている。
図3Aに関して説明したように、ネック部分316は、受容ポート320で終端し、入口/出口ポート318とメインチャンバ310内のキャビティ314との間の流体連通を提供する。
【0046】
[0066]
図3Cに示されるメインチャンバ310は、底面326に配置されたポスト328a、328b、328cを含む。図示の例では、メインチャンバ310は、互いに半径方向に約120°離れた3つのポスト328a、328b、328cを含む。しかしながら、そのようなポストの任意の数及び間隔を使用することができることが理解されよう。
【0047】
[0067] メインチャンバ310の側壁312は、
図1の切り欠きセクション150と同様の切り欠きセクション350を含む。
【0048】
[0068]
図3Cは、
図3A及び3Bのメインチャンバの断面側面図を示している。この断面では、側壁312のガイドチャネル324b及び324cの両方を見ることができる。必ずしも断面の平面内にあるとは限らないが、ポスト328a、328b、328cの相対的な水平位置付けは、キャビティ314の底面326に沿って示されている。ネック部分316は、受容ポート320で終端し、キャビティ314と入口/出口ポート318との間の流体連通を提供する。
【0049】
[0069]
図4Aは、例示的なサンプルステージの側面図を示している。
図4Aの実施形態では、サンプルステージ430は、プラットフォーム部分432と、プラットフォーム部分432から下向きに延びるステム部分434とを含む。ステム部分434は、メインチャンバ内の受容ポート(例えば、320)に固定されるように構成することができる末端部436で終端する。例えば、様々な実施形態では、末端部436は、受容ポートに関連付けられた取り付け機構に対応する取り付け機構を含む。いくつかの例では、末端部436は、受容ポート内の対応するスレッドと嵌合するようにスレッド化されている。追加的又は代替的に、末端部436及び受容ポートは、互いに磁気的に引き付けられることによるなど、他の方法で取り付けることができ、一方又は両方の構成要素は、圧入関係を形成し、互いに一体的に形成される磁性材料(例えば、HDPE材料の単一の一体片)などを含む。
【0050】
[0070] 図示の例では、サンプルステージ430は、ステム部分434とプラットフォーム部分432との間に延びる湾曲した底面433を含む。いくつかの例では、湾曲した底面433は、メインチャンバの対応する湾曲した底面(例えば、326)とほぼ同じ輪郭に沿う。いくつかの実施形態では、湾曲した底面433は、末端部436がメインチャンバの対応する受容ポート(例えば、320)と嵌合したときにメインチャンバの底面(例えば、326)内に位置付けられている1つ以上のポスト(例えば、328a、328b、328c)と接触する。
【0051】
[0071] いくつかの実施形態では、サンプルステージ430の周辺は、
図4Aに示されるように、湾曲した底面433とプラットフォーム部分432との間で遷移する丸いプロファイルを有する。いくつかの例では、曲面は、流体が流体チャネル(例えば、138)からサンプルステージのプラットフォーム部分432に流れるときに、流体の表面張力を低減させる。これにより、流体がサンプルステージ430の縁を越えてサンプルに向かって流れるときの流体の流れの乱流を低減することができる。
【0052】
[0072]
図4Bは、
図4Aに示されるサンプルステージの上面図である。
図4Bは、サンプルステージ430のプラットフォーム部分432を示している。示されるように、プラットフォーム部分432の上面は、表面を部分的に横切って延びるチャネル438を含む。いくつかの例では、チャネル438は、プラットフォーム部分432の表面の下に延びる正方形又は丸みを帯びた断面を含む。
図4Aの破線は、サンプルステージの約半分を横切ってプラットフォーム部分432の表面の下に延びるチャネル438を示している。そのような例では、流体がサンプルステージ430の底部からプラットフォーム部分432に向かって上昇するとき、流体はチャネル438を満たし、サンプルガイド(例えば、140)に接触してプラットフォーム部分432から持ち上げる前に、流体をステージ430の中心に向かって輸送する。
【0053】
[0073] ステージの周辺からステージの中心まで延びる単一のチャネル438を含むように示されているが、いくつかの例では、ステージ430は、様々な構成で配置された1つ以上のそのようなチャネルを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、チャネル438は、ステージ430の直径全体にわたって延びる。追加的又は代替的に、第2のチャネルは、例えば、ステージ430の中心において、チャネル438と交差することができる。様々な実施形態では、1つ以上のチャネルは、ステージ430の周辺からステージの中心に向かって延びることができる。いくつかの例では、1つ以上のチャネルは、ステージ430の直径を横切って延びることができ、複数のチャネルを含む実施形態は、ステージ430の中心で交差するそのようなチャネルを含むことができる。例示的な実施形態では、ステージが、そのステージのプラットフォーム部分に形成された2つの交差するチャネルを含み、交差するチャネルは、ステージの直径全体にわたって延在し、ステージの中心で交差する。いくつかのそのような例では、そのようなチャネルは、互いに実質的に垂直に配向することができる。
【0054】
[0074] チャネル438に加えて又はその代わりに、ステージ430は、サンプルステージのプラットフォーム部分432の中心又は中心近くから、サンプルステージ430の湾曲した底面433及び/又はステム部分434まで延びるチャネル439を含むことができる。そのようなチャネルは、流体レベルが上昇するにつれて、フローチャネル(例えば、
図1の138)からの流体で満たされ、フローチャネルからステージ430の上のサンプルの底部に流体を導入することができる。
【0055】
[0075]
図5Aは、例示的なサンプルガイドの上面図を示している。
図5Aのサンプルガイド540は、サンプルガイド540の周辺に沿って配置された複数のタブ542a、542b、542cを含む。いくつかの例では、タブ542a、542b、542cは、サンプルガイド540がメインチャンバのキャビティ内に位置付けられるときに、対応する複数のガイドチャネル(例えば、
図3Bの324a、324b、324c)と係合するようにサイズ設定及び位置付けられる。本明細書の他の場所で説明されているように、サンプルガイドは、キャビティに導入された流体に浮かぶ材料から作製することができる。キャビティ側壁のガイドチャネルは、タブ542a、542b、542cと接合することができるので、キャビティ内に浮かんでいるとき、サンプルガイド540は、概してキャビティ内のほぼ垂直方向の動きに制限される。
【0056】
[0076] サンプルガイド540は、それを通って延びる開口544を含む。本明細書の他の場所で説明するように、様々な実施形態では、開口544は、様々な形状及びサイズのいずれかとすることができる。いくつかの例では、開口544は、プロセス容器を介して処理するためのサンプルのサイズ及び形状にほぼ一致するようなサイズ及び形状である。操作中、例えば、プロセス容器を流体で満たすとき、サンプルガイド540の開口544は、サンプル及びサンプルガイド540が流体レベルとともに上昇するときに、サンプルをほぼ固定された水平位置に保持することができる。
【0057】
[0077]
図5Bは、
図5Aのサンプルガイドの正面図を示している。示されるように、サンプルガイド540は、それを通って延びる開口544と、サンプルガイド540の縁部で外側に延びるタブ542とを含む。
【0058】
[0078]
図4B及び5Aに関して、いくつかの例では、サンプルガイド540がサンプルステージ430上に位置付けられると、チャネル438は、サンプルガイド540の開口544によって画定される領域内に延びる。したがって、流体がプロセス容器のキャビティ(例えば、114)を満たすとき、チャネル438に入る流体は、開口内のサンプルを持ち上げ、サンプルの上部への流れを防止する下(例えば、担体表面上で)から開口544内のサンプルに接触する。
【0059】
[0079]
図6Aは、本明細書に記載されているようなプロセス容器に取り付けることができる基板タブの上面図を示している。示されるように、基板タブ670は、プロセス容器のキャビティの上に配置することができる切り欠き部分675を含む。破線610は、基板タブ670の切り欠き部分675の下に位置付けられたメインチャンバのおおよその輪郭を示している。基板タブ670は、側壁673によって画定され、床671を有するくぼ地672をさらに含む。いくつかの実施形態では、くぼ地672は、切り欠きセクション(例えば、150)に近接するプロセス容器(例えば、110)に当接し、その結果、切り欠きセクションの側壁を越えて流れる流体は、くぼ地672を満たす。基板タブ670は、流体がくぼ地672からシステムから溢れ出るのを防ぐために、くぼ地672の床671の上にオーバーフロードレン674をさらに含む。
【0060】
[0080]
図6Bは、
図6Aの基板タブの正面図を示している。示されるように、基板タブ670は、側壁673、床671、及びオーバーフロードレン674を有するくぼ地672を含む。基板タブ670は、基板タブ670の前面の角に近接する第1の切り欠きセクション676を含む。
【0061】
[0081]
図6Cは、
図6A及び6Bの基板タブの右側面図を示している。
図6Cは、前面の第1の切り欠きセクション676に近接する基板タブ670の右側面の第2の切り欠きセクション678を示している。いくつかの例では、切り欠きセクション676、678は、基板タブ670がそれに取り付けられたときに、メインチャンバの側壁へのアクセスを提供する。
【0062】
[0082]
図7は、基板タブとプロセス容器を含む移しシステムの断面図を示している。示されるように、プロセス容器700は、キャビティ714を画定する側壁712を有するメインチャンバ710を含む。本明細書の他の場所で説明されるように(例えば、
図1A及び1Bの実施形態に関して)、入口/出口ポート718は、サンプルステージ730とメインチャンバ710のネック部分716との間のフローチャネル738を介してキャビティ714への流体連通を提供する。流体がキャビティ714を満たすと、流体はプロセス容器の切り欠きセクションに到達し、基板タブ770のくぼ地772に入る。流体は、オーバーフロードレン774に到達するまで、くぼ地772を満たし続けることができる。
【0063】
[0083] 開口744を含むサンプルガイド740は、側壁712によって画定されるキャビティ714内のサンプルステージ730上に位置付けられて示されている。本明細書の他の場所で説明するように、1つ以上のガイドチャネル(例えば、742a)は、流体が入口/出口ポート718及びフローチャネル738を介してキャビティ714に導入されるときに、プロセス容器700内のサンプルガイド740の横方向位置を維持することができる。
【0064】
[0084] 基板タブの切り欠きは、キャビティ714及び/又はくぼ地772内の流体のレベルを測定するために、メインチャンバ710の側壁712に沿って液面センサを配置するための領域を提供することができる。
【0065】
[0085] 多くの場合、注目材料が担体材料から実質的に取り外されるとき、その材料が利用される基板上にその材料を置くことが望ましい。例えば、例示的なプロセスでは、分析及び/又はデバイス製造のためにシリコン基板上に配置するために、グラフェンが銅箔担体から取り外される。
【0066】
[0086] いくつかの実施形態では、移しシステムは、担体がそこから十分に取り外された後、目的の材料を受け取るために基板を保持し及び位置付けるように構成された基板ホルダを含む。いくつかの例では、基板ホルダを基板タブの洗面器からサンプルステージ上の位置に移動して、基板上の担体から分離された材料を受け取ることができる。
【0067】
[0087]
図7のメインチャンバ710は、流体測定チャネル781を介してキャビティ714と流体連通している流体レベル測定チャンバ782を含む。本明細書の他の場所で説明するように、流体レベル測定チャンバ782は、流体レベル測定チャンバ782内の流体レベルがキャビティ714内の流体レベルに対応するように流体を受け取ることができる。流体レベル測定チャンバ782内の流体レベルの測定は、キャビティ714内の流体のレベルを決定するために使用することができる。
図7Aの実施形態では、側壁712の外側に位置付けられるように示されているが、いくつかの例では、流体レベル測定チャンバ782は、側壁712内に位置付けられるか、又は完全に省略され得る。
【0068】
[0088]
図8Aは、プロセス容器とともに使用するための例示的な基板ホルダを示している。基板ホルダ880は、ベース884を支持するアーム882を含む。
図8Bは、
図8Aの基板ホルダの側面図を示している。基板ステージ886は、ベース884によって支持されている。いくつかの例では、基板ホルダ880は、ステージ886上の所定の位置に基板を保持するための1つ以上の機構を含む。そのような機構は、1つ以上のクリップ、磁石、接着剤などを含むことができる。図示の例では、真空ライン888は、ベース884及びステージ886を通って延びる。真空ライン888を使用して、真空圧を介して基板をステージ886にしっかりと保持することができる。追加の構成要素又は表面処理(例えば、1つ以上のガスケット又はコンプライアント表面を含む)をステージ886に組み込んで、基板ホルダ880及びステージ886の真空係合を容易にすることができる。
【0069】
[0089] いくつかの例では、基板ステージ886は、基板ホルダ880のベース884から(例えば、垂直に)延在しない。いくつかのそのような例では、基板ステージは、ベース884と同一平面上にあるか、又は基板ホルダ880のベース884から凹んでいる領域を含むことができる。真空ライン(例えば、888)などの、基板ホルダの基板ステージ886で基板を所定の位置に保持するための1つ以上のメカニズム。
【0070】
[0090] いくつかの実施形態では、水平面に対する基板ステージ上の基板の角度は、注目材料が基板上に置かれる角度を制御するための柔軟性を提供するようにカスタマイズ及び/又は調整可能であり得る。示されているようないくつかの例では、基板ホルダ880の部品は、ねじなどの1つ以上の留め具を介して一緒に保持することができる。追加的又は代替的に、基板ホルダの1つ以上の構成要素は、例えば、単一のバルク材料から一体的に形成することができ、そのような締結具を省略してもよい。
【0071】
[0091]
図7及び
図8Aを参照すると、いくつかの実施形態では、基板ホルダ880は、くぼ地772に位置付けられ、
図8Aに示される矢印885の方向に移動可能である。右に移動すると(
図7及び8Aの向きで)、基板ステージ886を備えたベース884は、注目材料を受け入れるために、サンプルステージ730の上のメインチャンバ710のキャビティ714内に位置付けることができる。いくつかの例では、基板ホルダ880は、ガントリーアーム881の動きによって所定の位置に移動される。いくつかの例では、基板ホルダ880を支えているアーム881は、例えば、サンプルガイド及び開口に対する基板ホルダ及び基板ステージの位置を較正するために調整可能であり得る。いくつかの実施形態では、アームは、望ましくない動きを低減し、プロセス容器に対してアームの一定の向き(例えば、垂直)を維持するために、補強ブラケットを含むことができる。
【0072】
[0092] いくつかの実施形態では、サーボモータ又はステッピングモータなどのモータを使用して、基板ホルダの位置を調整することができる。いくつかの例では、モータの動作を使用中に監視して、モータのストールを、例えば、逆起電力、電流引き込みの変化を検出することによって、又はロータリーエンコーダ、加速度計などの1つ以上の検知構成要素を介して、検出することができる。
【0073】
[0093]
図9Aは、関心のある材料を担体から基板に移すための例示的なプロセスを示すプロセスフロー図である。
【0074】
[0094]
図9Aのステップ900は、サンプルステージ(例えば、130)を、プロセス容器(例えば、100)のメインチャンバ(例えば、110)の受容ポート(例えば、120)に固定することを含む。
【0075】
[0095] ステップ902は、メインチャンバ(例えば、110)のキャビティ(例えば、114)にサンプルガイド(例えば、140)を配置することを含む。いくつかの例では、これは、サンプルガイドのタブ(例えば、542a、542b、542c)をメインチャンバのそれぞれのガイドチャネル(例えば、324a、324b、324c)に挿入することを含む。
【0076】
[0096] ステップ904は、サンプルガイドの開口(例えば、544)内のサンプルステージ上にサンプル(例えば、担体に取り付けられた注目材料)を配置することを含む。
【0077】
[0097] ステップ906は、サンプルを受け入れるための所望の基板を基板ホルダ上に配置することを含む。いくつかの例では、所望の基板を基板ホルダ(906)に取り付けることは、真空ライン、磁石などのような基板を基板ホルダに固定するための、いくつかのそのような例では必要に応じてメカニズムを作動させるための(例えば、真空ラインに真空を提供するためにバルブを開くための)機構上に所望の基板を配置することを含みことができる。
【0078】
[0098] ステップ908は、エッチング流体をサンプルステージの下からエッチングレベルまでキャビティに流すことを含む。エッチング流体のレベルは、例えば、本明細書の他の場所で説明されているように、流量計、液面センサなどを介して決定することができる。説明したように、エッチング流体をキャビティに流すことは、1つ以上のバルブ(例えば、担体をエッチングすることができるエッチング流体を含むリザーバに関連するリザーババルブ、及びマニホールドと入口との間の流体連通を提供する充填バルブ/メインチャンバの出口ポート)を開くことを含むことができる。
図1を参照すると、エッチング流体は、例えば、重力による、及び入口/出口ポート118につながる充填バルブ(例えば、
図2の219)の正確な/ゆっくりとした開放による、流体の追加により、入口/出口ポート118を介して非常にゆっくりとプロセス容器100に導入することができる。エッチング流体は、入口/出口ポート118に入り、サンプルステージ130のステム134の周りのフローチャネル138を通って、メインチャンバ110のキャビティ114に流れることができる。いくつかの例では、フローチャネル138は、キャビティ114へのエッチング流体の層流を促進する。
図1A及び4Bを参照すると、エッチング流体がサンプルステージ430の上面に近づくと、エッチング流体は、サンプルステージ430のチャネル438を満たし、サンプルの下からサンプルと強制的に接触させることができる。これにより、キャビティ114へのエッチング流体の層流と組み合わせて、注目材料を含むサンプル表面にエッチング流体が飛散する可能性を低減することができる。
【0079】
[0099] エッチング流体レベルがキャビティ114内で上昇するにつれて、サンプルガイド140は、開口144内のサンプルとともに、
図1Bに示されるように、流体レベルとともに上昇する。エッチング流体は、エッチング流体が所定のレベルに達するまで加えることができる。
【0080】
[0100] エッチング流体をキャビティ(908)に供給した後、ステップ910は、エッチング流体をエッチング流体ドレンレベルまで排出することを含む。これは、例えば、1つ以上のバルブ(例えば、充填バルブ219及びドレンバルブ277)を介して実行され、エッチング流体をドレンに向けることができる。いくつかの例では、エッチング流体(910)の排出は、エッチング流体がシステム内に一定時間存在した後に実行される。様々な例では、時間の長さは、特定の操作プログラムに従って決定することができるか(例えば、エンドユーザによってプログラムされた命令又は工場出荷時のデフォルト命令を介して、事前にプログラムされた命令に従って、コントローラがバルブを開閉することによって実施される)、又はユーザによって手動で実行することができる。いくつかの例では、エッチングドレインレベルがサンプルステージの表面より上にあるため、担体が注目材料から完全にエッチングされた後に、注目材料は、サンプルステージ上に配置されず、エッチング流体ドレンレベルでのエッチング流体上に浮かんだままとなる。
【0081】
[0101] ステップ912において、十分なエッチングが行われたかどうかを決定することができる。これは、例えば、エッチングが実行された回数をカウントし、そのカウントを所定のエッチングステップ数と比較することによって実行することができる。いくつかの実施形態では、単一のエッチングステップが使用される。追加的又は代替的に、1つ以上の測定は、十分な量の担体が取り外されたかどうかを示し得、十分なエッチングが達成されなかった場合、エッチング流体が再びキャビティ(908)に適用され、エッチング量が十分と見なされるまで排出される(910)。
【0082】
[0102] 場合によっては、エッチング流体が排出された後、その担体から取り外された注目材料は、エッチング流体ドレンレベルでサンプルガイド(例えば、140)の開口(例えば、144)内に浮いたままであり、サンプルステージ(例:130)上に配置されない。
【0083】
[0103] エッチングが完了した後、ステップ914は、脱イオン水などのリンス流体を、サンプルステージの下からリンスレベルまでキャビティに流すことを含む。いくつかの例では、リンスレベルは、エッチングレベルとほぼ同じであるか、又はエッチングレベルよりも高い。これは、ステップ908でエッチング流体がキャビティに提供されるのとほぼ同じ方法で実行することができ、流体は、リンス流体を含むリザーバから得られる。リンス流体の流れは、例えば乱流による材料の損傷を防ぐために、実質的に層流とすることができる。
【0084】
[0104]
図9Aに示されるプロセスは、例えば、マニホールド及びドレンバルブを介して、リンス流体(916)をリンスドレンレベルまで排出することと、サンプルが十分にすすがれることを決定すること(918)と、を含む。エッチングに関して上で説明したのと同様に、十分なリンスは、実行されたリンスサイクルの数を所定のリンスサイクルの数と比較すること、又は測定を行うことを含むことができる(例えば、残りのエッチング流体の測定は、リンスサイクル後にリンス流体中に存在する)。リンスステップ914及び916は、十分なリンスが行われるまで繰り返すことができる。リンスレベルは、サンプルステージの表面より上にすることができるので、リンス流体(916)の排出中に、残りの注目材料はサンプルステージ上に配置されない。
【0085】
[0105] ステップ920において、十分なリンスが実行された場合、基板タブのキャビティ及びくぼ地は、堆積レベルまでリンス流体で満たすことができる。上記と同様に、リンス流体のレベルは、流量センサ、液面センサなどを用いて測定し、所定の堆積レベルと比較することができる。いくつかの実施形態では、堆積レベルは、基板ホルダが堆積位置にあるとき、基板ホルダ上の基板ステージの上部よりも高いレベルにある。
【0086】
[0106] このプロセスは、基板がサンプルガイド開口(922)より下になるように基板ホルダを配置することと、リンス流体を基板レベル(924)より下に排出することと、を含む。
【0087】
[0107] リンス流体が排出されると、液面に浮かんでいるサンプルガイド及びサンプルガイド開口内の残りの注目材料(担体がサンプルからエッチングされた後)は、メインチャンバのキャビティ内でその液面に下げられる。流体レベルが基板(924)のレベルより下に下げられ、基板がサンプルガイド(922)の開口の下に位置付けられるので、サンプルガイド開口の流体表面に浮かぶ注目材料は、基板上に下げられることになる。
【0088】
[0108]
図9Bは、注目材料を担体から基板に移すための別の例示的なプロセスを示すプロセスフロー図である。
【0089】
[0109]
図9Bの多くのステップは、
図9Aに関して説明されたものと同様であり、そのようなステップの説明は繰り返されない。しかしながら、
図9Bのプロセスでは、エッチング流体をキャビティ(908)に流した後、サンプルはエッチング流体(928)に浸され、担体が十分にエッチングされるまで(930)浸し続ける。いくつかのそのような例では、サンプルが十分にエッチングされたかどうかを決定することは、例えば、特定の既知の量に対応する、担体をエッチング取り外すのに十分であるはずの所定の時間、例えば、サンプルに最初に存在する担体の既知の量に対応する時間、サンプルをエッチング流体(928)に浸すことを含む。追加的又は代替的に、十分なエッチングがいつ発生したかを示すために、1つ以上の測定を行うことができる(930)。
【0090】
[0110]
図9Aのプロセスと同様に、十分なエッチングが行われると、エッチング流体はエッチング流体ドレンレベル(910)まで排出され、リンス流体はキャビティに提供され、リンスレベル(914)まで満たされる。サンプルが十分にリンスされていない場合(918)、リンス流体はリンスドレンレベル(916)まで排出され、新しいリンス流体が提供されて、キャビティをリンスレベル(914)まで満たす。十分なリンスが行われると(918)、次に、キャビティは、堆積レベル(920)までリンス流体で満たされる。示されるように、いくつかの例では、十分なリンスが達成されたら、キャビティを堆積レベルまで充填する前に排出ステップを実行する必要はない。
【0091】
[0111] 様々な実施形態では、
図9A及び9Bに示されるプロセスは、ステップを含む、ステップを置換する、又はステップを省略するように修正され得ることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、サンプルステージをメインチャンバ(900)に固定し、サンプルガイドをサンプルステージ(902)上のキャビティに配置するステップは実行されない。例えば、いくつかの例では、そのようなステップは、ユーザによる最初の使用の前に工場で最初に実行され、その後の使用の前に決して実行されない。追加的又は代替的に、使用前に基板及び/又はサンプルを洗浄するための洗浄ステップなどの様々な前処理又は後処理ステップを実行することができる。例えば、いくつかの例では、1つ以上のリザーバ(例えば、RV1…RVN)は、RCA洗浄プロセスで使用されるものなどの1つ以上のリンス流体を含むことができる。そのようなリンス流体をシステムに提供して、堆積前にサンプル及び/又は基板を洗浄し、及び/又は堆積が実行された後に基板上に対象の堆積材料を洗浄することができる。
【0092】
[0112] さらに、
図9A及び9Bのプロセスには様々な違いが存在するが、いくつかの実施形態では、そのようなプロセスをブレンドすることができる。例えば、ステップ914、916、918、920、922、及び924に概して示されるリンス/排出/堆積ステップは、
図9A及び9Bのエッチングプロセスが実行されるかどうかに関係なく、
図9A及び9Bのいずれかに示される順序で実行することができる。したがって、様々な例では、
図9Aのプロセス、
図9Bのプロセス、
図9Bのリンスプロセスを伴う
図9Aのエッチングプロセス、又は
図9Aのリンスプロセスを伴う
図9Bのエッチングプロセスを実行することができる。
【0093】
[0113] 例えば、一般に、いくつかの実施形態では、十分なリンスが実行されたかどうかの決定(例えば、ステップ918)は、リンス流体を排出する前に(例えば、ステップ916)実行することができる。いくつかのそのような例では、十分なリンスが実行されていない場合、リンス流体が排出され、再充填される(例えば、ステップ914)。十分なリンスが行われた場合、いくつかの例では、キャビティ及びくぼ地を堆積レベルまでリンス流体で満たす前に(例えば、ステップ916)、リンス流体が排出され(例えば、ステップ920)、又は他の例では、十分なリンスが実行された後に、排出ステップ(例えば、ステップ916)を省略し、追加のリンス流体を加えて、キャビティ及びくぼ地を堆積レベルまで満たすことができる(例えば、ステップ920)。
【0094】
[0114] 説明したように、いくつかの例では、1つ以上の測定を実行して、例えば、プロセス容器内の流体のレベルを決定し、及び/又はプロセス(例えば、リンス又はエッチング)が完了したかどうかを決定することができる。いくつかの例では、1つ以上の測定を使用して、両方の特性を決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、容量性測定を使用して、プロセス容器内の流体レベルを決定することができ、サンプルの電気的特性の変化を示すこともできる(例えば、金属担体がサンプル上に存在するかどうか、又はエッチングされたかどうか)。追加的又は代替的に、例えば、光検知要素のアレイを含む光学センサを使用して、プロセス容器内の流体レベルを検知することができる。
【0095】
[0115]
図9A及び9Bのプロセスは、概して、担体材料がサンプルからエッチングされて離れる方法を説明しているが、注目材料を担体から取り外すための他の分離技術が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、電気化学的プロセスを使用して、注目材料を担体から分離することができる。いくつかのそのような実施形態では、サンプルステージ及び/又は他の構成要素は、例えばコントローラを介して電位を印加することができる1つ以上の電極を備えることができ、1つ以上のリザーバは、プロセス容器に導入することができる電解質材料を含む。担体からの注目材料の層間剥離中に、電解質は、本明細書の他の場所で説明されるのと同様の方法でプロセス容器に導入することができ、電位を1つ以上の電極に印加して、担体から注目材料を剥離することができる。
【0096】
[0116]
図10Aは、サンプルガイドの下からサンプルを受け取るためのメインチャンバ内のキャビティ内に延びる基板ホルダを示している。示されるように、基板ホルダ1080は、基板1089を保持する基板ステージ1086を含む。リンス流体は、堆積レベル1060まで上げられて、サンプルガイド1040を基板1089より上に上げる。サンプルガイド1040の開口1044は、例えば、基板ステージ1086及び基板1089を、例えばモータを介して、基板タブ1070からサンプルガイド1040と整列する位置に移動することによって、基板ステージ1086及び基板1089上に位置付けられる。あるいは、いくつかの例では、サンプルガイド(例えば、開口1044内に堆積されるサンプルを含む)は、開口1044が基板ステージ1086と整列するように、静止基板ホルダ1080に対して(例えば、モータを介して)再度位置付けることができる。さらに別の実施形態では、基板ホルダ1080とサンプルガイド1040の両方は、サンプルガイド1040の開口1044が基板ステージ1086と垂直に整列するように、それぞれの位置に移動することができる。
【0097】
[0117] サンプルガイド1040の開口1044が基板ステージ1086と整列し、サンプルガイド1040が矢印1085の方向に下げられると(例えば、システムからリンス流体を排出することによって)、基板1089及び基板ステージ1086は、開口1044内に含まれるサンプルが基板上に配置されるように、開口1044を通って延びている。
図10Bは、基板ホルダに対するサンプルガイドの動きの拡大図を示している。
【0098】
[0118] いくつかの実施形態では、基板ステージ1086の横方向寸法は、サンプルガイド1040の開口1044の寸法と厳密に一致する。例えば、いくつかの実施形態では、基板ステージ1086の横方向寸法は、基板ステージ1086が開口1044に入ると、流体のメニスカスが開口1044内に形成され、サンプル及び基板1089に近接するように、開口1044よりも小さい。メニスカスは、流体が基板1089上に下がるときに流体に浮かぶサンプルのエッジを持ち上げるように作用することができ、これにより、表面張力と組み合わされて、サンプルが基板1089上に堆積するときにサンプルに折り目又はしわが形成されるのを抑制又は防止することができる。
【0099】
[0119] いくつかの実施形態では、基板ステージ1086の幅と開口1044の幅との間の差は、少なくとも1つの横方向寸法で10ミリメートル(mm)以下、又は両方の横方向寸法で10mm以下とすることができる。いくつかのそのような例では、基板ステージ1086の幅と開口1044の幅との間の差は、少なくとも1つの横方向寸法で5mm以下、又は両方の横方向寸法で5mm以下とすることができる。いくつかのそのような例では、基板ステージ1086の幅と開口1044の幅との間の差は、少なくとも1つの横方向寸法で1mm以下、又は両方の横方向寸法で1mm以下とすることができる。例えば、一例では、基板ステージ1086は、直径が約10mm~10.5mmであり、サンプルガイド1040の開口1044は、直径が約11mm~11.5mmである。
【0100】
[0120] 本明細書の他の場所で説明するように、いくつかの例では、基板ステージは、基板ホルダのベースから垂直に延在せず、代わりに、それと同一平面上にあるか、又はそこから凹んでいることができる。いくつかのそのような例では、
図10Bに関して説明したのと同様に、基板ホルダ1080は、基板ステージがサンプルガイド1040の開口1044と概ね整列するように位置付けることができる。サンプルガイド1040が下げられると、開口1044内のサンプルは、開口1044と整列する基板ステージ上に保持された基板上に配置される。
【0101】
[0121] 本明細書に記載のプロセス容器の他の構成要素と同様に、基板ホルダの構成要素は、プロセス容器の一部からの同じ又は異なる材料から作製することができる。そのような材料は、一般に、本明細書に記載の材料などの化学的に弾力性のある材料である。様々な例では、そのような基板ホルダ構成要素は、バルク材料から機械加工され、射出成形され、3D印刷され、又は1つ以上の他の方法によって組み立てることができる。
【0102】
[0122] いくつかの例では、
図9A又は
図9Bに関して説明したような手順は、1つ以上の構成要素と通信するコントローラ(例えば、280)を介して制御することができる。例えば、コントローラを使用して、プロセス容器のメインチャンバへの適切な量の所定の流体の充填及び排出を容易にし、及び/又は必要に応じて基板ステージを位置付けることができる。例えば、
図2に関して、コントローラ280は、複数のリザーババルブRV1…RVNのそれぞれ、ならびに充填バルブ219及びドレンバルブ277を制御するように構成することができ、メインチャンバ内の流体の量を示すフローセンサ及び/又は液面センサ282から信号を受信することができる。
【0103】
[0123] コントローラは、メインチャンバを所定の回数エッチングレベルまでエッチング流体で満たし、次にメインチャンバをリンス液体でリンスレベルに所定の回数満たすなど、様々な充填及び排出イベントを規定する1つ以上の処理ルーチンでプログラム又は構成することができる。このようなルーチンは、コントローラと統合又は分離できるメモリに格納することができる。追加的又は代替的に、コントローラは、例えば、堆積プロセス中に、本明細書の他の場所に記載されるようなサンプルガイドに対する基板ステージの位置決めに対応する1つ以上の処理ルーチンでプログラム又は他の方法で構成することができる。そのような制御は、例えば、基板ステージを第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成されたモータを制御することを含むことができる。
【0104】
[0124] いくつかの実施形態では、システムは、コントローラと通信するユーザインターフェースを含むことができる。ユーザインターフェースは、ユーザがコントローラに信号を入力することができる1つ以上のボタン、ノブ、スイッチ、タッチスクリーン、又は他のコンポーネントを含むことができる。いくつかのそのような例では、ユーザは、1つ以上の処理ルーチンを調整及び/又は作成し、及び/又は利用可能なルーチンのリストから1つ以上のルーチンを実行又は実行するようにスケジュールすることを選択し得る。例えば、ユーザは、銅箔担体上のグラフェン材料のサンプルに対応するグラフェン堆積を開始するか、さもなければスケジュールすることを選択してもよい。次に、コントローラは、エッチング流体がリザーバから所定の回数供給されてグラフェンから銅箔を取り外し、次にリンス流体(例えば、脱イオン水)がリザーバから所定の回数供給されてグラフェンサンプルから残りのエッチング流体を完全に洗い流すルーチンを実行することができる。次に、リンス流体を使用して、グラフェンを基板ホルダのレベルより上に持ち上げ、グラフェンの下の位置に移動することができる。例えば、
図10A及び10Bに示されるように、リンス流体を排出して、グラフェンを基板上に堆積させることができる。
【0105】
[0125] 様々な実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェースを介して、エッチングステップ、リンスステップ、堆積ステップ、ドレインステップなどの1つ以上の個別のステップを開始することができる。
【0106】
[0126] コントローラは、様々な方法で具体化できる。例えば、例示的なコントローラとしては、1つ以上のスタンドアロンコンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、それらの組み合わせなどを挙げることができる。いくつかの例では、コントローラは、コントローラに1つ以上の機能を実行させるための命令を格納するように構成されたメモリを含むか、そうでなければ通信することができる。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、コントローラは、バルブ(例えば、RV1…RVN、219など)を制御するための、及び/又はセンサ(例えば、282)からデータを受信するための適切なインターフェースなど、複数の構成要素とインターフェースするための適切なインターフェース構造を含む。
【0107】
[0127]
図11A~11Fは、基板上にサンプルを配置する例示的なプロセスを示している。
【0108】
[0128]
図11Aは、サンプルステージ1130上に配置されたサンプルガイド1140を示している。担体上のサンプルは、サンプルガイド1140の開口1144内にある。基板ホルダ1180は第1の位置にある。基板ホルダ1180は、基板を支持する基板ステージ1186を含む。
【0109】
[0129]
図11Bは、エッチング流体がキャビティ1114内のエッチングレベル1102にあるエッチングプロセスを示している。サンプルガイド1140は、エッチング流体が開口1144内のサンプルの下側の担体に接触する間、エッチング流体上に浮かぶ。エッチング流体は、入口/出口ポート1118を介してキャビティ1114に導入することができる。エッチング流体は、サンプルガイド1140がサンプルステージ1130に向かって下降するように、入口/出口ポート1118を介してキャビティ1114からエッチング流体ドレンレベルまで排出することができる。本明細書に記載されるように、エッチングプロセスは、担体がサンプルから取り外されるまで、複数回実行することができる(例えば、
図11Aと11Bとの間の遷移)。追加的又は代替的に、エッチング流体は、担体が取り外されるまでキャビティ1114内に留まることができる。
【0110】
[0130]
図11Cは、リンスプロセスを示しており、リンス流体は、キャビティ1114内のリンスレベル1104にある。図示の例では、リンスレベル1104は、エッチングレベル1102よりも高い。サンプルガイド1140は、リンス流体が開口1144内でサンプルに接触している間、リンス流体上に浮かぶ。リンス流体は、入口/出口ポート1118を介してキャビティ1114に導入することができる。リンス流体は、サンプルガイド1140がサンプルステージ1130に向かって下降するように、入口/出口ポート1118を介してキャビティ1114からリンス流体ドレンレベルまで排出することができる。本明細書に記載されるように、リンスプロセスは、残りのエッチング流体がサンプルから十分にリンスされるまで、複数回実行することができる(例えば、
図11Aと11Cとの間の遷移)。
【0111】
[0131] いくつかの例では、エッチング流体ドレンレベル及びリンス流体ドレンレベルは、キャビティ内で十分に高く、その結果、サンプルガイド1140がサンプルステージに向かって下降するとき、開口1144内のサンプルは、サンプルステージに接触せず、サンプルを損傷したり、サンプルをサンプルステージに誤って堆積させたりするリスクを低減させる。
【0112】
[0132]
図11D~11Fは、堆積プロセスを示している。
図11Dは、キャビティ1114内の堆積レベル1106でのリンス流体を示している。図示の例では、堆積レベル1106は、リンスレベル1104及びエッチングレベル1102よりも高い。本明細書の他の場所で説明されているのと同様に、リンス流体は、入口/出口ポート1118を介してキャビティ1114に導入することができる。サンプルガイド1140は、リンス流体上に浮き、基板ホルダ1180上の基板ステージ1186よりも高いレベルまで上昇し、サンプルは、開口1144内のリンス流体上に浮かぶ。
【0113】
[0133]
図11Eは、サンプルガイドが堆積レベル1106でリンス流体上に浮いている間、サンプルガイドの下の第2の位置にある基板ホルダ1180を示している。基板ホルダが第2の位置にあるとき、基板ステージ1186は、サンプルガイド1140の開口1144と整列する。
【0114】
[0134]
図11Fは、リンス流体がキャビティ1114から排出されている間の第2の位置にある基板ホルダ1180を示している。リンス流体は、サンプルガイド1140がキャビティ内で下降するように、入口/出口ポート1118を介してキャビティ1114から排出することができる。示されるように、サンプルガイド1140が流体レベル1108に下がると、基板を含む基板ステージ1186は、開口内のサンプルが基板を介して受け取られるように、サンプルガイドの開口1144を通って延びる。
【0115】
[0135] 本明細書に記載の本発明の実施形態を考慮して、いくつかの利点及び改善が実現される。例えば、サンプルから担体を取り外し、注目材料を所望の基板上に堆積するためのコントローラによって導かれるプロセスは、ユーザがエッチング、リンス、及び堆積のステップを実行するためにサンプルを物理的に操作しなければならない回数を減らす。これにより、注目材料に対するリスクや損傷の量が減少する。さらに、メインチャンバの穏やかで段階的な充填及び排出、及び/又はサンプルステージのチャネルを介してサンプルの下側に流体を導入することにより、エッチング流体がエッチングで取り外される担体に排他的に又は実質的に排他的に接触することによりもむしろ注目材料に不要に接触する可能性が減少する。さらに、乱流を最小限に抑えることで、サンプル/材料に接触する激しい流体の流れによって注目材料が損傷するリスクが減少する。
【0116】
[0136] そのような穏やかで漸進的な流体充填は、メインチャンバに流体をゆっくりと導入するための遅いターンオン流量を有する充填バルブ(例えば、219)、入口/出口ポート(例えば、118)からメインチャンバのキャビティ(例えば、114)への連通を提供する狭いフローチャネル(例えば、138)、リザーバからメインチャンバに流体を輸送するためのメカニズムとして重力を利用すること、のうちの1つ以上によって促進される。1つ以上のそのような特徴、及びいくつかの実施形態では、これらの特徴のそれぞれを組み合わせて、メインチャンバのキャビティへの流体の層流又は実質的に層流を誘発することができる。
【0117】
[0137] 二次元材料(例えば、グラフェン)に関して説明されることが多いが、同様のシステム及び方法が、担体材料から分離される材料を含む様々なサンプルタイプのいずれにも使用できることが理解されよう。例えば、取り外されるべき担体上に含まれる他の低次元材料(例えば、ナノワイヤ、ナノ粒子など)、薄膜、又は他の注目材料は、担体から注目材料を分離するために本明細書に記載されるものと同様のシステム及び方法を介して処理することができる。
【0118】
[0138] 様々な実施形態について説明した。そのような例は非限定的であり、いかなる方法でも本発明の範囲を定義又は制限するものではない。