(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】電装品配置構造
(51)【国際特許分類】
B62K 19/30 20060101AFI20231212BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20231212BHJP
B62J 40/00 20200101ALI20231212BHJP
【FI】
B62K19/30
B62J45/00
B62J40/00
(21)【出願番号】P 2021115768
(22)【出願日】2021-07-13
【審査請求日】2022-03-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】川村 昭人
(72)【発明者】
【氏名】亀井 誠太郎
(72)【発明者】
【氏名】小池 江美子
(72)【発明者】
【氏名】八百川 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】坂根 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】三輪 友香里
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-171995(JP,A)
【文献】特開2023-8272(JP,A)
【文献】特開2023-10228(JP,A)
【文献】特開2023-12584(JP,A)
【文献】特開2023-13601(JP,A)
【文献】特開2023-128486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 19/30,
B62J 40/00,45/00,
B62M 7/02,
F02B 61/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に駆動装置(11)を搭載した自動二輪車の骨格であるフレーム(20)と、
前記駆動装置(11)と、
前記フレーム(20)に連結され、かつ、前記駆動装置(11)に供給される外気を浄化するエアクリーナ(40)と、
前記エアクリーナ(40)の一側側の外面(80a)に設けられ、かつ、少なくとも1つの固定点(P1)で固定された制御ユニット(52)と、
前記制御ユニット(52)に接続されるハーネス(142)と、を備え、
前記ハーネス(142)は、側面視で前記少なくとも1つの固定点(P1)と重なり、
前記ハーネス(142)は、側面視で前記固定点(P1)と重なる部分(142a)を基準とした、前記制御ユニット(52)につながる一方向側と他方向側との両外側において固定され
、
前記制御ユニット(52)は、前記エアクリーナ(40)の車幅方向一側側の外面(80a)に設けられ、かつ、車両前面視で前記エアクリーナ(40)の少なくとも一部(281)と重なり、
前記制御ユニット(52)の一部は、ステー(100)を介して車両側面視で前記エアクリーナ(40)と重ならない位置で固定され、
前記少なくとも1つの固定点(P1)は、車両側面視で前記エアクリーナ(40)と重ならない位置に配置されていることを特徴とする
電装品配置構造。
【請求項2】
前記ハーネス(142)は、前記少なくとも1つの固定点(P1)よりも車幅方向外側に配置されていることを特徴とする
請求項
1に記載の電装品配置構造。
【請求項3】
前記ハーネス(142)につながる一方向側と他方向側との両外側において固定されている固定点(PA,PB)の内少なくとも1つ及び前記少なくとも1つの固定点(P1)は、前記ステー(100)に設けられていることを特徴とする
請求項
1又は2に記載の電装品配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装品配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗型車両において、メインフレームに連結されたエアクリーナと、エアクリーナの車幅方向一側側の外面に固定され、かつ、交流発電機(ACG)スターターを制御する電子制御ユニット(ECU)と、を備えた構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。ACGスターターは、ECUと同じ車両の左右方向一側面に配置されている。ACG及びECUは、メインフレームを挟んで前後に配置されている。ECUは、ハーネスでACGスターターに電気的に接続されている。ハーネスは、ECUから延びてクランクケース及びサイドカバーの合わせ面を介してACGスターターへと繋がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ECUとACGスターターとに接続されるハーネスが車両振動等の外的要因により振動すると、クランクケース及びサンドカバー等の周辺部品と当接する可能性がある。
【0005】
本発明は、制御ユニットにハーネスが接続された電装品配置構造において、部品点数を増やすことなくハーネスが周辺部品と当接することを避けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の態様に係る電装品配置構造は、車体側に駆動装置(11)を搭載した自動二輪車の骨格であるフレーム(20)と、前記駆動装置(11)と、前記フレーム(20)に連結され、かつ、前記駆動装置(11)に供給される外気を浄化するエアクリーナ(40)と、前記エアクリーナ(40)の一側側の外面(80a)に設けられ、かつ、少なくとも1つの固定点(P1)で固定された制御ユニット(52)と、前記制御ユニット(52)に接続されるハーネス(142)と、を備え、前記ハーネス(142)は、側面視で前記少なくとも1つの固定点(P1)と重なり、前記ハーネス(142)は、側面視で前記固定点(P1)と重なる部分(142a)を基準とした、前記制御ユニット(52)につながる一方向側と他方向側との両外側において固定され、前記制御ユニット(52)は、前記エアクリーナ(40)の車幅方向一側側の外面(80a)に設けられ、かつ、車両前面視で前記エアクリーナ(40)の少なくとも一部(281)と重なり、前記制御ユニット(52)の一部は、ステー(100)を介して車両側面視で前記エアクリーナ(40)と重ならない位置で固定され、前記少なくとも1つの固定点(P1)は、車両側面視で前記エアクリーナ(40)と重ならない位置に配置されている。
ここで、固定点(P1)は、側面視で制御ユニット(52)が固定された部分の中心位置を意味する。
【0009】
(2)上記(1)に記載の電装品配置構造では、前記ハーネス(142)は、前記少なくとも1つの固定点(P1)よりも車幅方向外側に配置されていてもよい。
【0011】
(3)上記(1)又は(2)に記載の電装品配置構造では、前記ハーネス(142)につながる一方向側と他方向側との両外側において固定されている固定点(PA,PB)の内少なくとも1つ及び前記少なくとも1つの固定点(P1)は、前記ステー(100)に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記(1)に記載の電装品配置構造によれば、フレームと、駆動装置と、フレームに連結され、かつ、駆動装置に供給される外気を浄化するエアクリーナと、エアクリーナの一側側の外面に設けられ、かつ、少なくとも1つの固定点で固定された制御ユニットと、制御ユニットに接続されるハーネスと、を備え、ハーネスは、側面視で少なくとも1つの固定点と重なることで、以下の効果を奏する。
例えば仮に、ハーネスが側面視で制御ユニットの固定点と重ならない場合、ハーネスが車両振動等の外的要因により振動すると、ハーネスが固定点よりも車幅方向内側にある周辺部品と当接する可能性が高い。この場合、ハーネスが周辺部品と当接することを避けるためには、ハーネスを固定するための固定部材を新たに設ける必要がある。これに対し本構成によれば、ハーネスが側面視で制御ユニットの少なくとも1つの固定点と重なることで、ハーネスが車両振動等の外的要因により振動しても、ハーネスは固定点により車幅方向内側への移動が制限されるため、ハーネスが固定点よりも車幅方向内側にある周辺部品と当接することを避けることができる。加えて、ハーネスを固定するための固定部材を新たに設ける必要もない。したがって、部品点数を増やすことなくハーネスが周辺部品と当接することを避けることができる。加えて、ハーネスが側面視で制御ユニットの固定点と重ならない場合と比較して、ハーネスをコンパクトに配置することができる。
【0013】
本発明の上記(1)に記載の電装品配置構造によれば、ハーネスは、側面視で固定点と重なる部分を基準とした、制御ユニットにつながる一方向側と他方向側との両外側において固定されていることで、以下の効果を奏する。
ハーネスが外的要因により振動することを抑制することができる。これにより、ハーネスが固定点を含む周囲の周辺部品と当接することを避けることができる。したがって、ハーネスの振動を抑制しつつハーネスが周辺部品と当接することを避けることができる。
加えて、ハーネスが側面視で固定点と重なる部分を基準とした制御ユニットにつながる一方向側のみで固定されている場合と比較して、ハーネスが振動することをより効果的に抑制することができる。加えて、側面視で固定点と重なる部分を基準とした両外側におけるハーネスの固定部分を制御ユニット近傍に配置した場合には、制御ユニット近傍の空間を有効に利用してハーネスをコンパクトに配置することができる。
【0014】
本発明の上記(1)に記載の電装品配置構造によれば、制御ユニットは、エアクリーナの車幅方向一側側の外面に設けられ、かつ、車両前面視でエアクリーナの少なくとも一部と重なることで、以下の効果を奏する。
例えば仮に、制御ユニットがエアクリーナの車幅方向一側側の外面に設けられ、かつ、車両前面視でエアクリーナと重ならない位置に配置されている場合、制御ユニットの存在によりエアクリーナの容量が制限される可能性がある。これに対し本構成によれば、制御ユニットが車両前面視でエアクリーナの少なくとも一部と重なることで、車両前面視で制御ユニットと重なる部分においてエアクリーナの容量を確保することができる。したがって、エアクリーナの車幅方向一側側の外面に制御ユニットを配置しながら、エアクリーナの容量を確保することができる。
【0015】
本発明の上記(2)に記載の電装品配置構造によれば、ハーネスは、少なくとも1つの固定点よりも車幅方向外側に配置されていることで、以下の効果を奏する。
車両に対して制御ユニットを固定した後にハーネスを配策することができるため、簡単な構成で組付け性を向上させることができる。加えて、サイドカバー等のカバー部材を備える場合、ハーネスが固定点よりも車幅方向外側に配置されていると、ハーネスがカバー部材により覆われやすくなる。したがって、カバー部材を大きくすることなくコンパクト性及び外観性を向上させることができる。
【0016】
本発明の上記(1)に記載の電装品配置構造によれば、制御ユニットの一部は、ステーを介して車両側面視でエアクリーナと重ならない位置で固定され、少なくとも1つの固定点は、車両側面視でエアクリーナと重ならない位置に配置されていることで、以下の効果を奏する。
制御ユニットの一部及び少なくとも1つの固定点が車両側面視でエアクリーナと重ならない位置に配置されていることで、制御ユニット及び固定点全部が車両側面視でエアクリーナと重なる位置に配置されている場合と比較して、ステーを通じて制御ユニットの熱を逃がしやすくすることができる。加えて、少なくとも1つの固定点を車両側面視でエアクリーナ近傍に配置した場合には、エアクリーナ近傍の空間を有効に利用してハーネスを配策することができる。
【0017】
本発明の上記(3)に記載の電装品配置構造によれば、ハーネスにつながる一方向側と他方向側との両外側において固定されている固定点PA,PBの内少なくとも1つ及び少なくとも1つの固定点P1は、ステーに設けられていることで、以下の効果を奏する。
固定点PA,PBの内少なくとも1つ及び少なくとも1つの固定点P1が同じステーに設けられていることで、ハーネスの側方をガイドする部材を設けることなく、車体に組み付ける際に固定点PA,PBの内少なくとも1つ及び少なくとも1つの固定点P1の位置関係を保ちながら組み付けることができる。したがって、部品点数を増やすことなく、組付け性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
【
図2】第1実施形態に係る自動二輪車の上面図である。
【
図3】第1実施形態に係る電装品配置構造の左側面図である。
【
図4】第1実施形態に係る電装品配置構造の上面図である。
【
図7】第1実施形態に係るステーの取付状態を示す左側面図である。
【
図8】
図7においてステーを外した状態を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係る電装品配置構造のブロック図である。
【
図10】第2実施形態に係る電装品配置構造の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、および車両左右中心位置を示す車体左右中心線CLが示されている。
【0020】
<第1実施形態>
<車両全体>
図1は、鞍乗型車両の一例としての自動二輪車1を示す。
図1を参照し、自動二輪車1は、バータイプのハンドル2によって操向される前輪3(操向輪)と、エンジン11(駆動装置)を含むパワーユニット10によって駆動される後輪4(駆動輪)と、を備える。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
【0021】
ハンドル2及び前輪3を含むステアリング系部品は、車体フレーム20前端側のヘッドパイプ21に操向可能に支持されている。ヘッドパイプ21には、ハンドル2に接続された不図示のハンドル操向軸が挿通されている。
【0022】
車体フレーム20(フレーム)は、車両の骨格である。例えば、車体フレーム20は、複数種の鋼材を溶接等により一体に結合して形成されている。車体フレーム20は、ヘッドパイプ21、メインフレーム22、ダウンフレーム23、ピボットプレート24、シートレール25及びサブフレーム26を備える。
【0023】
ヘッドパイプ21は、不図示のハンドル操向軸が挿通可能な筒状に形成されている。ヘッドパイプ21は、車両側面視で、ヘッドパイプ21の上端が後方に位置し、かつ、ヘッドパイプ21の下端が前方に位置するように傾斜している。
【0024】
メインフレーム22は、ヘッドパイプ21とピボットプレート24とを連結する。メインフレーム22は、車両側面視で一本のパイプをL字状に湾曲させた形状を有する。メインフレーム22は、車両側面視で、ヘッドパイプ21から斜め後下方に延びる第1パイプ部22aと、第1パイプ部22aの後端から下方に湾曲して延びる第2パイプ部22bと、を備える。
【0025】
ダウンフレーム23は、車両側面視で、ヘッドパイプ21上のメインフレーム22との連結部の下方位置からメインフレーム22よりも急傾斜で斜め後下方に延びている。ダウンフレーム23は、車両側面視で、ヘッドパイプ21から下方に向かうに従ってメインフレーム22の第1パイプ部22aに対して徐々に遠ざかっている。
【0026】
ピボットプレート24は、メインフレーム22の後下部から下方に延びるように左右一対設けられている。左右ピボットプレート24は、車両側面視で、メインフレーム22の第2パイプ部22bの下端から下方に湾曲して延びている。左右ピボットプレート24の下端部同士は、車幅方向に延びるクロスパイプ(不図示)によって連結されている。
【0027】
シートレール25は、メインフレーム22の後上部から後方に延びるように左右一対設けられている。左右シートレール25は、車両側面視で、メインフレーム22の第1パイプ部22aの後部から後方に延びている。シートレール25は、車両側面視で、メインフレーム22の第1パイプ部22aの後部から後方に延びる第1レール部25a(前後延在部)と、第1レール部25aの後端から後上方に延びる第2レール部25bと、を備える。
図2に示すように、第1レール部25aは、上面視で前端が車幅方向内方に位置し且つ後端が車幅方向外方に位置するように傾斜している。第2レール部25bは、上面視で第1レール部25aの後端から後方に延びている。
【0028】
図1に示すように、サブフレーム26は、ピボットプレート24の上下中央近傍から後上方に延びるように左右一対設けられている。サブフレーム26は、ピボットプレート24とシートレール25の後部とを連結する。サブフレーム26は、車両側面視で、サブフレーム26の前端が下方に位置し、かつ、サブフレーム26の後端が上方に位置するように傾斜している。
【0029】
図2において、符号28は左右シートレール25の第1レール25a同士を連結するように車幅方向に延びる第1クロスメンバ、符号29は左右シートレール25の第2レール25b同士を連結するように車幅方向に延びる第2クロスメンバ、符号31は乗員が足を載せるための第1ステップ、符号32は乗員(パッセンジャー)が足を載せるための第2ステップ、符号33は第2ステップ32を車体フレーム20に連結するための連結フレームをそれぞれ示す。
【0030】
図1に示すように、エンジン11は、メインフレーム22の下方かつダウンフレーム23の後方に配置されている。エンジン11は、車両の動力源である。エンジン11は、車幅方向に延在するクランクシャフト15を備える。例えば、エンジン11は、単気筒エンジンである。エンジン11は、クランクシャフト15を収容するクランクケース16と、クランクケース16の上部から斜め前上方に起立するシリンダ17と、を備える。シリンダ17は、クランクケース16の上部に一体に結合されている。
【0031】
変速機12は、クランクケース16の後部に設けられている。クランクケース16の後部は、クラッチ及びトランスミッションを収容する変速機ケースを兼ねている。変速機12は、エンジン11の動力を外部に取り出すための図示しない出力軸を備える。
【0032】
発電機13は、エンジン11の回転(駆動)を利用して発電する。発電機13は、クランクシャフト15の車幅方向外端部(具体的には左端部)に連結されている。クランクケース16の左側部には、発電機13を車幅方向外方から覆うケースカバー18が結合されている。例えば、発電機13は、ACG(AC Generator:交流発電機)を使ってエンジン11を始動する回転電機、いわゆるACGスタータモータである。図示はしないが、発電機13は、ケースカバー18に固定されたステータと、クランクシャフト15に設けられたアウターロータと、を備える。
【0033】
パワーユニット10は、車体フレーム20の前後中央部に配置されている。パワーユニット10の前部は、エンジンハンガ35を介してダウンフレーム23に支持されている。パワーユニット10の後部は、左右ピボットプレート24に支持されている。左右ピボットプレート24には、スイングアーム36の前端部が揺動可能に支持されている。スイングアーム36の後部には、後輪4の車軸が支持されている。変速機12の出力軸と後輪4の車軸とは、不図示のドライブチェーン等を含む動力伝達機構(例えば、チェーン式伝動機構)を介して連結されている。スイングアーム36の後部と、車体フレーム20の後部との間には、リアサスペンション37が介装されている。
【0034】
シリンダ17の上方には、燃料タンク7が配置されている。燃料タンク7は、メインフレーム22を上方から覆うように設けられている。燃料タンク7の後方のシートレール25上には、乗員が着座するためのシート8が配置されている。シート8は、前後方向に延びている。シート8の前部は、燃料タンク7の後部上面に支持されている。
【0035】
メインフレーム22の後方には、エンジン11に供給される空気(外気)を浄化するエアクリーナ40が配置されている。
図2に示すように、エアクリーナ40は、上面視で車体左右中心線CLを跨ぐように設けられている。
図1に示すように、エアクリーナ40は、車両側面視で、シートレール25、メインフレーム22の第2パイプ部22b、サブフレーム26によって囲まれる領域に配置されている。
【0036】
シリンダ17の上部(後部)には、エンジン11にエアクリーナ40を通して空気を供給するための吸気配管41が接続されている。吸気配管41は、シリンダ17からエアクリーナ40に向けて後方に延びている。吸気配管41の中途部には、スロットルバルブを内装するスロットルボディ42が介装されている。
シリンダ17の上部(前部)には、エンジン11の排気を排出するための排気管43が接続されている。排気管43の下流端(後端)には、マフラ44(
図2参照)が接続されている。
【0037】
図1において、符号5は前輪3を支持する左右一対のフロントフォーク、符号6は左右フロントフォーク5の間において前輪3上部を後上方から覆うフロントフェンダ、符号9は燃料タンク7の前部側面を覆う左右一対のシュラウド、符号38は燃料ポンプ、符号39はサイドカバー(カバー部材)をそれぞれ示す。
【0038】
<電装品配置構造>
自動二輪車1は、エンジン11を制御するFI(Fuel injection;燃料噴射)-ECU51(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)と、発電機13を制御するACG-ECU52(制御ユニット)と、を更に備える。
FI-ECU51は、乗員の操作に応じてイグニッションスイッチから出力される始動要求および停止要求の信号によって、エンジン11の始動および停止を制御する。
ACG-ECU52は、発電機13の発電動作を制御し、発電機13の発電量を任意に変更する。
【0039】
ACG-ECU52は、FI-ECU51と別個に設けられている。ACG-ECU52は、発電機13と同じ車両左側(車幅方向の一側側)に配置されている。FI-ECU51は、ACG-ECU52と同じ車両左側(車幅方向の一側側)に配置されている。
図2に示すように、重量物であるバッテリ53は、車両右側に配置されている。バッテリ53は、ACG-ECU52に対して車幅方向反対側に配置されている。
【0040】
実施形態において、FI-ECU51、ACG-ECU52及び発電機13は、車両左側に配置されている。バッテリ53は、車両右側に配置されている。FI-ECU51、ACG-ECU52及び発電機13は、車体左右中心線CLを挟んでバッテリ53とは反対側に配置されている。
【0041】
図1に示すように、ACG-ECU52は、発電機13の後方に配置されている。ACG-ECU52は、FI-ECU51の前方に配置されている。ACG-ECU52は、FI-ECU51よりも発電機13に近い。FI-ECU51及びACG-ECU52は、車両側面視で、それぞれ矩形状の外形を有する。FI-ECU51及びACG-ECU52は、車両側面視で、それぞれ前傾して配置されている。FI-ECU51は、車両側面視で、ACG-ECU52よりも水平に近い傾斜で前傾している。
【0042】
FI-ECU51及びACG-ECU52は、車両側面視で、車両前後方向においてピボットプレート24とサブフレーム26との間に配置されている。FI-ECU51及びACG-ECU52は、車両側面視で、エアクリーナ40と重なっている。FI-ECU51及びACG-ECU52は、車両側面視で、メインフレーム22の第2パイプ部22bと、シートレール25と、サブフレーム26とによって囲まれる領域に配置されている。FI-ECU51及びACG-ECU52は、カバー部材39よりも車幅方向内側に配置されている。
【0043】
図2に示すように、FI-ECU51及びACG-ECU52は、車幅方向において左シートレール25の第1レール部25aと連結フレーム33との間に配置されている。ACG-ECU52の後部は、上面視でFI-ECU51の前部と重なっている。
図2において符号54は、キャニスタを示す。
【0044】
図3に示すように、FI-ECU51及びACG-ECU52は、エアクリーナ40の左側面80a(車幅方向一側側の外面)に設けられている。FI-ECU51及びACG-ECU52は、エアクリーナ40等を介して車体フレーム20に固定されている。
【0045】
FI-ECU51は、エアクリーナ40の左側面80aに複数箇所(例えば本実施形態では2箇所)で固定されている。エアクリーナ40は、エアクリーナ本体80と、エアクリーナ本体80に設けられた複数の取付部81~87と、を備える。エアクリーナ本体80及び複数の取付部81~87は、同一の部材で一体に形成されている。
【0046】
エアクリーナ本体80は、車両側面視で、車両左側のシートレール25とサブフレーム26とによって挟まれる領域に臨む左側面80aを有する。
図5に示すように、エアクリーナ本体80の左側面80aは、車両前面視で、車両下方に向かうに従って車両左側に位置するように傾斜している。
【0047】
図3に示すように、複数の取付部81~87は、車両側面視で、エアクリーナ本体80の上側後部から上方に延びる後上延在部81と、エアクリーナ本体80の左側面80aから左側方に延びる上下一対の側方延在部82,83と、エアクリーナ本体80の前側上下中央近傍から前方に延びる前中央延在部84と、エアクリーナ本体80の前側下部から前方に延びる前下延在部85と、エアクリーナ本体80の左側面80aの前側上部に設けられた前上取付部86と、エアクリーナ本体80の左側面80aの下側前後中央近傍に設けられた下中央取付部87と、である。図中符号89は、エアクリーナ本体80の左側下端近傍から前下方へ延びるドレンチューブを示す。
【0048】
後上延在部81は、エアクリーナ本体80の上側後部から左側方に延びた後に車両左側のシートレール25の第1レール部25aの左側に向けて上方に延びる板状に形成されている。
図4に示すように、車両左側のシートレール25の第1レール部25aには、ナット91を有するブラケット90が設けられている。例えば、後上延在部81の貫通孔を通じて左側方からボルト92をナット91に螺合することにより、後上延在部81をブラケット90に固定することができる。エアクリーナ40の後上延在部81は、ブラケット90を介して車両左側のシートレール25の第1レール部25aに固定されている。なお、
図4においては、FI-ECU51の図示を省略している。
【0049】
側方延在部82,83は、エアクリーナ本体80の左側面80a後部(後上延在部81近傍)から左側方に延びる板状に形成されている。
図3に示すように、側方延在部82,83は、車両側面視で、FI-ECU51の傾斜に沿うように前傾している。上下一対の側方延在部82,83は、車両側面視で互いに平行に配置されている。
【0050】
FI-ECU51は、上下一対の側方延在部82,83を介してエアクリーナ40の左側面80aに固定されている。FI-ECU51は、車両側面視で、水平に近い傾斜で前傾して配置された矩形状のFI-ECU本体110と、FI-ECU本体110の上部に設けられ且つ側方延在部82を挿通可能に開口する上接続部111と、FI-ECU本体110の下部に設けられ且つ側方延在部83を挿通可能に開口する下接続部112と、FI-ECU本体110の前部に設けられ且つ前上方に開口するカプラ部113と、を備える。
【0051】
例えば、上接続部111及び下接続部112は、FI-ECU51を弾性的に保持可能にゴム等の弾性部材により形成されていてもよい。例えば、上接続部111及び下接続部112の各開口孔に各側方延在部82,83を挿通することで、FI-ECU51がエアクリーナ40の左側面80aにラバーマウントされてもよい。
【0052】
ACG-ECU52は、ステー100を介してエアクリーナ40の左側面80aに固定されている。例えば、ステー100は、金属板により形成されている。
図7に示すように、ステー100は、ステー本体101と、ステー本体101に設けられた複数の連結部102~108と、を備える。ステー本体101及び複数の連結部102~108は、同一の部材で一体に形成されている。
【0053】
図6に示すように、ステー本体101は、エアクリーナ40の左側面80aとACG-ECU52との間に配置されている。ステー本体101は、エアクリーナ40の左側面80aと平行に延びる板状に形成されている。
図3に示すように、ステー本体101の外形は、車両側面視で、ACG-ECU52の外形に沿う形状を有する。
【0054】
図7に示すように、複数の連結部102~108は、車両側面視で、ステー本体101の上側後部から前上方に延びる後上延出部102と、ステー本体101の下側後部から後下方に延びる後下延出部103と、ステー本体101の前側上部から前方に突出する前突出部104と、ステー本体101の前側上下中央近傍に設けられ且つ前突出部104の下側に繋がる前連結部105と、ステー本体101の後側上下中央近傍から後上方に突出する後連結部106と、ステー本体101の上側前部から前方に延びる前上延出部107と、ステー本体101の下側前部から左側方に延びる前下延出部108と、である。
【0055】
図6に示すように、後上延出部102は、ステー本体101の上側後部から左側方に延びた後にエアクリーナ40の前上取付部86の左側に向けて上方に延びる板状に形成されている。
図8に示すように、エアクリーナの前上取付部86は、給気配管41の後端近傍に配置されている。エアクリーナの前上取付部86には、ナット93が設けられている。
図6に示すように、例えば、ステー100の後上延出部102の貫通孔を通じて左側方からボルト94をナット93に螺合することにより、ステー100の後上延出部102をエアクリーナ40の前上取付部86に固定することができる。
【0056】
図7に示すように、後下延出部103は、ステー本体101の下側後部からステー本体101と平行に後下方に延びる板状に形成されている。エアクリーナ40の下中央取付部87には、ナット95が設けられている。例えば、ステー100の後下延出部103の貫通孔を通じて左側方からボルト96をナット95に螺合することにより、ステー100の後下延出部103をエアクリーナ40の下中央取付部87に固定することができる。
【0057】
前突出部104は、ステー本体101の前側上部からステー本体101と平行に前方に突出する板状に形成されている。前突出部104の外形は、車両側面視で、ボルト98の頭部前側に沿う湾曲形状を有する。エアクリーナ40の前中央延在部84の前端側には、ナット97が設けられている。例えば、ステー100の前突出部104の貫通孔を通じて左側方からボルト98をナット97に螺合することにより、ステー100の前突出部104をエアクリーナ40の前中央延在部84に固定することができる。
ステー100は、後上延出部102、後下延出部103及び前突出部104の3箇所でボルト等によりエアクリーナ40に固定されている。
【0058】
図3に示すように、ACG-ECU52は、ステー100の前連結部105及び後連結部106(
図7参照)を介してエアクリーナ40の左側面80aに固定されている。ACG-ECU52は、車両側面視で、車両上下方向に近い傾斜で前傾して配置された矩形状のACG-ECU本体120と、ACG-ECU本体120の前部に設けられ且つボルトの雄ねじ部を挿通可能に開口する前接続部121と、ACG-ECU本体120の後部に設けられ且つボルトの雄ねじ部を挿通可能に開口する後接続部122と、ACG-ECU本体120の上部に設けられ且つ前上方に開口する上カプラ部123と、ACG-ECU本体120の下部に設けられ且つ後下方に開口する下カプラ部124と、を備える。
【0059】
図7に示すように、ステー100の前連結部105及び後連結部106には、それぞれ左側方に指向する雄ねじ部を有するボルト131,133が設けられている。
図3に示すように、例えば、ACG-ECU52の前接続部121及び後接続部122の各開口孔に車幅方向内方から各ボルト131,133を通し、左側方から各ボルト131,133にナット132,134を螺合する。これにより、ACG-ECU52の前接続部121及び後接続部122をステー100の前連結部105及び後連結部106にそれぞれ固定することができる。
【0060】
図7に示すように、ステー100の前連結部105の一部は、車両側面視でエアクリーナ40の前中央延在部84と前下延在部85との間に配置されている。
図8に示すように、車両側面視でエアクリーナ40の前中央延在部84と前下延在部85との間には、空間88が設けられている。
【0061】
図7に示すように、ステー100の前連結部105の一部は、車両側面視でエアクリーナ40と重ならない位置(言い換えると、
図8に示す空間88と重なる位置)に配置されている。
図3に示すように、ACG-ECU52の前接続部121の一部(制御ユニットの一部)は、ステー100を介して車両側面視でエアクリーナ40と重ならない位置(言い換えると、
図8に示す空間88と重なる位置)に配置されている。
【0062】
図3に示すように、ACG-ECU52は、前接続部121及び後接続部122の2箇所でボルト等によりステー100に固定されている。ACG-ECU52は、ステー100に対して2つの固定点P1,P2で固定されている。ここで、固定点は、車両側面視でACG-ECU52が固定された部分の中心位置を意味する。本実施形態では、固定点は、車両側面視でボルトの軸心位置(具体的にはボルトの軸線の左端)に相当する。
【0063】
ACG-ECU52の前接続部121の固定点P1(以下「前側固定点P1」ともいう。)は、車両側面視でエアクリーナ40の前中央延在部84の前端側(ボルト98)と前下延在部85の前端側との間に配置されている。ACG-ECU52の前側固定点P1は、車両側面視でエアクリーナ40と重ならない位置に配置されている。
【0064】
一方、ACG-ECU52の後接続部122の固定点P2(以下「後側固定点P2」ともいう。)は、車両側面視でエアクリーナ40と重なる位置に配置されている。ACG-ECU52の後側固定点P2は、車両側面視で下側の側方延在部83の前方近傍に配置されている。
【0065】
本実施形態では、前側固定点P1及び後側固定点P2は、ステー100に設けられている。
図7に示すように、車両側面視のステー100に着目した場合、前側固定点P1はステー100の前連結部105に設けられたボルト131の軸心位置に相当し、後側固定点P2はステー100の後連結部106に設けられたボルト133の軸心位置に相当する。
【0066】
図9に示すように、FI-ECU51、ACG-ECU52、発電機13、バッテリ53等の各要素は、第1電線61、第2電線62、第3電線63、第4電線64を含む回路構造により、下記の通り電気的に接続される。
【0067】
第1電線61により、FI-ECU51とACG-ECU52とが電気的に接続されている。第2電線62により、発電機13とACG-ECU52とが電気的に接続されている。第3電線63により、バッテリ53の高電位側端子とACG-ECU52とが電気的に接続されている。第4電線64により、バッテリ53の高電位側端子とACG-ECU52とが電気的に接続されている。第4電線64の中途部には、ヒューズ70およびスイッチング素子71が設けられている。
【0068】
図9において、符号65はFI-ECU51等に接続される電線を含むメインハーネス、符号66は第1電線61の中途部と発電機13とを接続する電線、符号67はACG-ECU52に接続された接地用の電線、符号68はバッテリ53の低電位側端子に接続された接地用の電線をそれぞれ示す。
【0069】
図3に示すように、メインハーネス65は、FI-ECU51に接続される第1ハーネス140と、ACG-ECU52に接続される第2ハーネス142と、に分岐される。第1ハーネス140及び第2ハーネス142は、車体フレーム20の上縁部20aよりも下方においてメインハーネス65から分岐している。第1ハーネス140及び第2ハーネス142は、シートレール25の第1レール部25aの上端縁25a1よりも下方においてメインハーネス65から分岐している。
【0070】
第1ハーネス140及び第2ハーネス142は、第1レール部25aの中心軸C1よりも下方においてメインハーネス65から分岐している。ここで、第1レール部25aの中心軸C1は、前後方向に延びる第1レール部25a(前後延在部)の中心軸線を意味する。第1レール部25aの中心軸C1は、車両側面視で前後方向に直線状に延びている。
【0071】
第1レール部25aには、メインハーネス65をガイドするハーネスガイド部150が設けられている。例えば、ハーネスガイド部150は、金属部材により形成されている。ハーネスガイド部150は、メインハーネス65の外周に沿うように左側方に向けて湾曲し且つメインハーネス65を第1レール部25aの外周に沿ってガイドする湾曲部150aと、湾曲部150aの後端(車幅方向内端)から後方に延び且つ第1レール部25aに結合される結合部150bと、を備える。例えば、ハーネスガイド部150の結合部150bは、溶接により第1レール部25aに結合されている。第1ハーネス140及び第2ハーネス142は、メインハーネス65がハーネスガイド部150を通過した後の部分から分岐している。
【0072】
第1ハーネス140及び第2ハーネス142は、第1レール部25aよりも車幅方向外側においてメインハーネス65から分岐している。第1ハーネス140及び第2ハーネス142は、メインハーネス65から分岐した後は第1レール部25aよりも車幅方向外側において各ECU51,52のカプラ部113,143に向けて延びている。
【0073】
FI-ECU51のカプラ部113には、メインハーネス65から分岐する第1ハーネス140のカプラ141が接続されている。第1ハーネス140は、車両側面視で、メインハーネス65から分岐してFI-ECU51のカプラ部113に向けて後下方に湾曲しつつ延びている。
【0074】
FI-ECU51のカプラ部113は、FI-ECU51と第1ハーネス140との接続口113aを有する。カプラ部113の接続口113aは、車両前後方向に開口している。例えば、カプラ部113の接続口113aに対して前方から第1ハーネス140のカプラ141を挿し込むことで、FI-ECU51と第1ハーネス140とを接続することができる。
【0075】
第1ハーネス140は、第1レール部25aの上端縁とACG-ECU52との間に配置されている。第1ハーネス140は、車両側面視で、第1レール部25aの中心軸C1とACG-ECU本体120の上端との間に配置されている。
【0076】
図6に示すように、エアクリーナ40の前上取付部86は、ステー100の後上延出部102(ステー100に固定される部分)に向けて車幅方向外側に延びる延出部86aを備える。延出部86aは、エアクリーナ本体80の左側面80aの前側上部からステー100の後上延出部102上端よりも左側方に延びている。延出部86aは、第1ハーネス140を下方から支持している。第1ハーネス140の下部外周の一部は、延出部86aの上面に接している。
【0077】
図3に示すように、ACG-ECU52の下カプラ部124には、メインハーネス65から分岐する第2ハーネス142のカプラ143が接続されている。例えば、第2ハーネス142は、上述した電線61~64の少なくとも1つを含む。第2ハーネス142は、車両側面視で、メインハーネス65から分岐してACG-ECU本体120の前方近傍を通って下方に湾曲しつつ延びた後、ACG-ECU52の下カプラ部124に向けて後上方に湾曲しつつ延びている。
【0078】
図3において、符号148は上述した電線62を少なくとも含むハーネス(ACG-ECU52と発電機13とを接続するハーネスに相当)、符号149はACG-ECU52の下カプラ部124に接続されるハーネス148のカプラ(第2ハーネス142のカプラ143に隣り合うカプラに相当)をそれぞれ示す。ハーネス148は、車両側面視で、発電機13(
図1参照)からACG-ECU本体120の下方近傍かつ第2ハーネス142の車幅方向内側を通って後方に湾曲しつつ延びた後、ACG-ECU52の下カプラ部124(具体的には、下カプラ部124において第2ハーネス142のカプラ143が接続される部分よりも後側の部分)に向けて上方に湾曲しつつ延びている。例えば、ハーネス148の中途部は、不図示の固定部材により車体等に固定されていてもよい。例えば、ハーネス148の中途部は、不図示の固定部材により第2ハーネス142の中途部(例えば、第2ハーネス142において側面視でハーネス148と重なる部分)に固定されていてもよい。
【0079】
ACG-ECU52の上カプラ部123には、第2ハーネス142の中途部から延びるハーネス144のカプラ145が接続されている。ハーネス144は、車両側面視で、第2ハーネス142の中途部からACG-ECU52の上カプラ部123に向けて後下方に湾曲しつつ延びている。
【0080】
ACG-ECU52の下カプラ部124に接続される第2ハーネス142は、車両側面視で、前側固定点P1と重なっている。第2ハーネス142は、車両側面視で前側固定点P1と重なる部分142a(以下「重なり部142a」ともいう。)を基準とした、ACG-ECU52につながる一方向側と他方向側との両外側において固定されている。本実施形態では、第2ハーネス142は、重なり部142aよりも上側及び下側において固定されている。
【0081】
図5に示すように、第2ハーネス142は、重なり部142aよりも上側に設けられた上側固定部材151と、重なり部142aよりも下側に設けられた下側固定部材152と、によりステー100に固定されている。
図5において、符号146は他のハーネス、符号153は他のハーネス146をステー100に固定するための他の固定部材をそれぞれ示す。
【0082】
上側固定部材151は、第2ハーネス142において重なり部142aよりも上側の部分の外周に沿う環状をなし且つ第2ハーネス142を拘束する拘束部151aと、拘束部151aの外周に設けられ且つステー100の前上延出部107に係合する係合部151bと、を備える。
図3に示すように、上側固定部材151の拘束部151aは、車両側面視でACG-ECU本体120前端の前上方近傍に配置されている。
図5に示すように、上側固定部材151の係合部151bは、ステー100の前上延出部107の前端側よりも車幅方向内側に配置されている。
【0083】
図3に示すように、下側固定部材152は、第2ハーネス142において重なり部142aよりも下側の部分の外周に沿う環状をなし且つ第2ハーネス142を拘束する拘束部152aと、拘束部152aの外周に設けられ且つステー100の前下延出部108に係合する係合部152bと、を備える。下側固定部材152の拘束部152aは、車両側面視でACG-ECU本体120下端の前方近傍に配置されている。下側固定部材152の係合部152bは、ステー100の前下延出部108よりもACG-ECU本体120下端側に配置されている。
【0084】
図5に示すように、ステー100の前上延出部107は、ステー本体101の上側前部から左側方に延びた後に第2ハーネス142の車幅方向内方に向けて前方に延びる板状に形成されている。ステー100の前上延出部107の前端側には、上側固定部材151の係合部が係合可能な係合孔が設けられている。例えば、第2ハーネス142において重なり部142aよりも上側の部分を上側固定部材151の拘束部151aにより拘束した状態で、上側固定部材151の係合部151bを左側方から前上延出部107の係合孔に係合する。これにより、第2ハーネス142において重なり部142aよりも上側の部分を、上側固定部材151を介してステー100の前上延出部107に固定することができる。
【0085】
図3に示すように、ステー100の前下延出部108は、ステー本体101の下側前部から左側方に延びた後にドレンチューブ89の左側方に向けて後下方に延びる板状に形成されている。ステー100の前下延出部108の前部には、下側固定部材152の係合部152bが係合可能な係合孔が設けられている。例えば、第2ハーネス142において重なり部142aよりも下側の部分を下側固定部材152の拘束部152aにより拘束した状態で、下側固定部材152の係合部152bを前下方から前下延出部108前部の係合孔に係合する。これにより、第2ハーネス142において重なり部142aよりも下側の部分を、下側固定部材152を介してステー100の前下延出部108に固定することができる。
【0086】
図5に示すように、第2ハーネス142は、前側固定点P1よりも左側方に配置されている。第2ハーネス142の重なり部142aは、ナット132よりも左側方に離間している。第2ハーネス142において上側固定部材151の拘束部151aと下側固定部材152の拘束部152aとの間の部分は、車両前面視で、左側方に向けて湾曲している。第2ハーネス142は、車両前面視で、上側固定部材151の拘束部151aから上方に向かうに従って車幅方向内側に位置するように傾斜して延びている。
【0087】
例えば、第2ハーネス142は、車両振動等の外的要因により振動した場合でも、ナット132を含む周囲の周辺部品に対して離間した状態を維持するように、上側固定部材151及び下側固定部材152により固定されている。
図3に示すように、例えば、第2ハーネス142は、車両振動等の外的要因により振動した場合でも、ACG-ECU本体120に対して離間した状態を維持するように、上側固定部材151及び下側固定部材152により固定されている。
【0088】
本実施形態では、第2ハーネス142につながる一方向側と他方向側との両外側において固定されているハーネス固定点(固定点)は、ステー100に設けられている。ここで、ハーネス固定点は、ステー100に対して固定部材151,152が固定された部分の中心位置を意味する。本実施形態では、ハーネス固定点は、ステー100に対して固定部材151,152の係合部151b,152bが係合された部分の中心位置に相当する。
【0089】
図5に示すように、上側固定部材151の係合部151bにおけるハーネス固定点PA(以下「上側ハーネス固定点PA」ともいう。)は、車両前面視で第2ハーネス142が拘束部151aで拘束される部分よりも車幅方向内側に配置されている。
図3に示すように、第2ハーネス142は、車両側面視で上側ハーネス固定点PAと重なっている。
【0090】
一方、下側固定部材152の係合部152bにおけるハーネス固定点PB(以下「下側ハーネス固定点PB」ともいう。)は、車両側面視で第2ハーネス142とは重ならない位置に配置されている。
図5に示すように、第2ハーネス142は、車両前面視で下側ハーネス固定点PBと重なっている。
【0091】
なお、
図7に示すように、車両側面視のステー100に着目した場合、上側ハーネス固定点PAは、ステー100の前上延出部107の係合孔の中心位置に相当する。
図5に示すように、車両前面視のステー100に着目した場合、下側ハーネス固定点PBは、ステー100の前下延出部108前部の係合孔の中心位置に相当する。
【0092】
<作用効果>
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車1は、車体フレーム20と、エンジン11と、車体フレーム20に連結され、かつ、エンジン11に供給される外気を浄化するエアクリーナ40と、エアクリーナ40の左側面80aに設けられ、かつ、前側固定点P1及び後側固定点P2で固定されたACG-ECU52と、ACG-ECU52に接続される第2ハーネス142(以下単に「ハーネス142」ともいう。)と、を備え、ハーネス142は、車両側面視で前側固定点P1と重なる。
例えば仮に、ハーネス142が車両側面視で前側固定点P1と重ならない場合、ハーネス142が車両振動等の外的要因により振動すると、ハーネス142が前側固定点P1よりも車幅方向内側にある周辺部品と当接する可能性が高い。この場合、ハーネス142が周辺部品と当接することを避けるためには、ハーネス142を固定するための固定部材を新たに設ける必要がある。これに対し本構成によれば、ハーネス142が車両側面視で前側固定点P1と重なることで、ハーネス142が車両振動等の外的要因により振動しても、ハーネス142は前側固定点P1により車幅方向内側への移動が制限されるため、ハーネス142が前側固定点P1よりも車幅方向内側にある周辺部品と当接することを避けることができる。加えて、ハーネス142を固定するための固定部材を新たに設ける必要もない。したがって、部品点数を増やすことなくハーネス142が周辺部品と当接することを避けることができる。加えて、ハーネス142が車両側面視で前側固定点P1と重ならない場合と比較して、ハーネス142をコンパクトに配置することができる。
【0093】
上記実施形態では、ハーネス142は、車両側面視で前側固定点P1と重なる部分142aを基準とした、ACG-ECU52につながる一方向側と他方向側との両外側において固定されている。
この構成によれば、ハーネス142が外的要因により振動することを抑制することができる。これにより、ハーネス142が前側固定点P1を含む周囲の周辺部品と当接することを避けることができる。したがって、ハーネス142の振動を抑制しつつハーネス142が周辺部品と当接することを避けることができる。
加えて、ハーネス142が車両側面視で前側固定点P1と重なる部分142aを基準としたACG-ECU52につながる一方向側のみで固定されている場合と比較して、ハーネス142が振動することをより効果的に抑制することができる。加えて、車両側面視で前側固定点P1と重なる部分142aを基準とした両外側におけるハーネス142の固定部分をACG-ECU52近傍に配置した場合には、ACG-ECU52近傍の空間を有効に利用してハーネス142をコンパクトに配置することができる。
【0094】
上記実施形態では、ハーネス142は、前側固定点P1よりも車幅方向外側に配置されていることで、以下の効果を奏する。
車両に対してACG-ECU52を固定した後にハーネス142を配策することができるため、簡単な構成で組付け性を向上させることができる。加えて、サイドカバー等のカバー部材39を備える場合、ハーネス142が前側固定点P1よりも車幅方向外側に配置されていると、ハーネス142がカバー部材39により覆われやすくなる。したがって、カバー部材39を大きくすることなくコンパクト性及び外観性を向上させることができる。
【0095】
上記実施形態では、ACG-ECU52の一部は、ステー100を介して車両側面視でエアクリーナ40と重ならない位置で固定され、前側固定点P1は、車両側面視でエアクリーナ40と重ならない位置に配置されていることで、以下の効果を奏する。
ACG-ECU52の一部及び前側固定点P1が車両側面視でエアクリーナ40と重ならない位置に配置されていることで、ACG-ECU52及び前側固定点P1全部が車両側面視でエアクリーナ40と重なる位置に配置されている場合と比較して、ステー100を通じてACG-ECU52の熱を逃がしやすくすることができる。加えて、前側固定点P1を車両側面視でエアクリーナ40近傍に配置した場合には、エアクリーナ40近傍の空間を有効に利用してハーネス142を配策することができる。
【0096】
上記実施形態では、ハーネス142につながる一方向側と他方向側との両外側において固定されているハーネス固定点PA,PB、前側固定点P1及び後側固定点P2は、ステー100に設けられている。
この構成によれば、ハーネス固定点PA,PB、前側固定点P1及び後側固定点P2が同じステー100に設けられていることで、ハーネス142の側方をガイドする部材を設けることなく、車体に組み付ける際にハーネス固定点PA,PB、前側固定点P1及び後側固定点P2の位置関係を保ちながら組み付けることができる。したがって、部品点数を増やすことなく、組付け性を向上させることができる。
【0097】
上記実施形態では、エンジン11の駆動により発電する発電機13を備え、発電機13は、ACG-ECU52と同じ車両左側に配置されていることで、以下の効果を奏する。
発電機13がACG-ECU52に対して車幅方向反対側に配置されている場合と比較して、ハーネス142によりACG-ECU52と発電機とを接続する場合にハーネス142の長さを短くすることができる。したがって、ハーネス142の振動を抑制しつつハーネス142が周辺部品と当接することを避け、かつ、ハーネス142をコンパクトに配置することができる。
【0098】
<第2実施形態>
第1実施形態では、エアクリーナ40の左側面80aにFI-ECU51が固定されている例(
図3参照)を挙げて説明したが、これに限らない。
図10に示すように、第2実施形態は、エアクリーナの左側面80aにFI-ECUが固定されていない点で上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明においては、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
エアクリーナ40は、ACG-ECU52よりも左側方に膨出するエアクリーナ本体280を備える。エアクリーナ本体280は、エアクリーナ40の左側面80aから左側方に膨出する膨出部281を備える。膨出部281は、車両側面視で、ACG-ECU52の後上方(第1実施形態のFI-ECU51に対応する部分)に配置されている。
【0100】
図11に示すように、膨出部281の左端は、車両前面視でACG-ECU52よりも左側方に配置されている。膨出部281の上端は、車両前面視でエアクリーナ40の前上取付部86よりも上方に配置されている。膨出部281の下端は、車両前面視でACG-ECU52の上カプラ部123よりも下方に配置されている。ACG-ECU52は、車両前面視でエアクリーナ40の膨出部281の一部と重なっている。
【0101】
以上説明したように、本実施形態の自動二輪車によれば、ACG-ECU52は、エアクリーナ40の左側面80aに設けられ、かつ、車両前面視でエアクリーナ40の一部と重なることで、以下の効果を奏する。
例えば仮に、ACG-ECU52がエアクリーナ40の左側面80aに設けられ、かつ、車両前面視でエアクリーナ40と重ならない位置に配置されている場合、ACG-ECU52の存在によりエアクリーナ40の容量が制限される可能性がある。これに対し本構成によれば、ACG-ECU52が車両前面視でエアクリーナ40の一部(膨出部281の一部)と重なることで、車両前面視でACG-ECU52と重なる部分においてエアクリーナ40の容量を確保することができる。したがって、エアクリーナ40の左側面80aにACG-ECU52を配置しながら、エアクリーナ40の容量を確保することができる。
【0102】
<変形例>
なお、上記実施形態では、FI-ECU51は、エアクリーナ40の左側面80aに設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、FI-ECU51は、エアクリーナ40の右側面に設けられていてもよい。例えば、FI-ECU51は、エアクリーナ40の一側側の側面に設けられていればよい。例えば、FI-ECU51の設置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0103】
上記実施形態では、ハーネス142は、車両側面視で前側固定点P1と重なり、かつ、車両側面視で前側固定点P1と重なる部分142aの上側及び下側において固定されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ハーネス142は、車両側面視で前側固定点P1以外の他の固定点(複数の固定点)と重なっていてもよい。例えば、ハーネス142は、車両側面視で複数の固定点と重なる部分のそれぞれの両外側において固定されていてもよい。例えば、ハーネスが車両前後方向に延びている場合には、車両側面視で前側固定点P1と重なる部分の前側及び下側において固定されていてもよい。例えば、ハーネスの固定態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0104】
上記実施形態では、ハーネス142は、前側固定点P1よりも車幅方向外側に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ハーネス142は、前側固定点P1よりも車幅方向内側に配置されていてもよい。例えば、ハーネス142の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0105】
上記実施形態では、ACG-ECU52の一部は、ステー100を介して車両側面視でエアクリーナ40と重ならない位置で固定され、かつ、前側固定点P1は、車両側面視でエアクリーナ40と重ならない位置に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ACG-ECU52及び前側固定点P1全部が車両側面視でエアクリーナ40と重なる位置に配置されていてもよい。例えば、エアクリーナ40に対するACG-ECU52及び前側固定点P1の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0106】
上記実施形態では、エンジン11の駆動により発電する発電機13を備え、発電機13は、ACG-ECU52と同じ車両左側に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、発電機13がACG-ECU52に対して車幅方向反対側に配置されていてもよい。例えば、発電機13及びACG-ECU52の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0107】
上記実施形態では、ハーネス142につながる一方向側と他方向側との両外側において固定されているハーネス固定点PA,PB、前側固定点P1及び後側固定点P2は、ステー100に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ハーネス固定点PA,PBの内少なくとも一つ及び前側固定点P1がステー100に設けられ、後側固定点P2はステー100に設けられていなくてもよい。例えば、ハーネス固定点PA,PB、前側固定点P1及び後側固定点P2の内少なくとも一つは、ステー100とは別の部材に設けられていてもよい。例えば、各固定点の設置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0108】
上記実施形態では、エンジン11を制御するFI-ECU51と、発電機13を制御するACG-ECU52とが別個に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、制御ユニットとしてエンジン11および発電機13を制御する単一の制御ユニットのみが設けられていてもよい。例えば、制御ユニットの態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0109】
上記実施形態では、ACG-ECU52に接続されるハーネス142が車両側面視で前側固定点P1と重なる部分142aの両外側において固定されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、FI-ECU51に接続されるハーネス140が車両側面視で固定点と重なる場合には、ハーネス140が車両側面視で固定点と重なる部分の両外側において固定されていてもよい。例えば、制御ユニットに接続されるハーネスの固定態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0110】
上記実施形態では、ACG-ECU52が車両側面視でエアクリーナ40の一部と重なる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、制御ユニットを駆動装置側にエアクリーナの一部と重ならないようにオーバーハングさせ、固定点を制御ユニットの駆動装置側に設けてもよい。例えば仮に、制御ユニットをオーバーハングさせる場合、ハーネスが駆動装置や固定点の車幅方向内側に存在する部材に当接することを避けるために保護部材を設ける必要がある。これに対し実施形態によれば、ハーネスが車両側面視で制御ユニットの固定点と重なる(言い換えると、固定点の上を通過するように配策する)ことで、部品点数を増やすことなく当接を避けることができる。
【0111】
上記実施形態では、エンジンが単気筒エンジンである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、エンジンは多気筒エンジンであってもよい。例えば、エンジンの態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0112】
上記実施形態では、駆動装置の一例としてエンジンを挙げて説明したが、これに限らない。例えば、駆動装置は、電動機等、エンジン(内燃機関)以外の装置であってもよい。例えば、駆動装置は、電動機、熱機関、流体機械等の原動機、又は前記原動機のうちの少なくとも2つを組み合わせた装置であってもよい。例えば、駆動装置の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0113】
上記実施形態では、鞍乗型車両の一例として車体側にエンジンを搭載した自動二輪車を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、鞍乗型車両は、ユニットスイング式の自動二輪車であってもよい。例えば、鞍乗型車両の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0114】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、自動二輪車以外の鞍乗型車両に適用してもよい。例えば、前記鞍乗型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪且つ後二輪の他に、前二輪且つ後一輪の車両も含む)の車両も含まれる。また、本発明は、自動二輪車のみならず、自動車等の四輪(四輪バギー等)の車両にも適用可能である。
【0115】
また、本発明は、鞍乗型車両以外の車両(乗用車、バス、トラック等)に適用してもよい。また、本発明は、車両のみならず、航空機、船舶、建設機械、産業機械等、車両以外の乗物や移動体にも適用可能である。例えば、本発明は、乗物のみならず、手押しの芝刈り機や清掃機等にも適用可能である。更に、本発明は、移動体のみならず、定位置に固定される固定型の装置にも適用可能である。例えば、電装品配置構造は、フレームと、駆動装置と、前記フレームに連結され、かつ、前記駆動装置に供給される外気を浄化するエアクリーナと、前記エアクリーナの一側側の外面に設けられ、かつ、少なくとも1つの固定点で固定された制御ユニットと、前記制御ユニットに接続されるハーネスと、を備え、前記ハーネスは、側面視で前記少なくとも1つの固定点と重なっていればよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 自動二輪車(車両)
11 エンジン(駆動装置)
13 発電機
20 車体フレーム(フレーム)
40 エアクリーナ
52 ACG-ECU(制御ユニット)
80a エアクリーナの左側面(エアクリーナの一側側の外面)
100 ステー
142 第2ハーネス(ハーネス)
142a 重なり部(ハーネスが側面視で固定点と重なる部分)
281 エアクリーナの膨出部(エアクリーナの少なくとも一部)
P1 前側固定点(固定点)
PA 上側ハーネス固定点(固定点)
PB 下側ハーネス固定点(固定点)