(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】液体洗剤検知装置およびそれを用いた洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20231212BHJP
D06F 33/37 20200101ALI20231212BHJP
D06F 105/42 20200101ALN20231212BHJP
G01F 1/00 20220101ALN20231212BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
D06F33/37
D06F105:42
G01F1/00 T
(21)【出願番号】P 2021507229
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2020010171
(87)【国際公開番号】W WO2020189396
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2019048363
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】中林 邦博
(72)【発明者】
【氏名】安藤 勝
(72)【発明者】
【氏名】前川 隆紀
(72)【発明者】
【氏名】池上 教久
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-292082(JP,A)
【文献】特開2008-164414(JP,A)
【文献】特開2001-331777(JP,A)
【文献】実開昭56-044682(JP,U)
【文献】特開2007-086036(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0205843(US,A1)
【文献】国際公開第2015/169275(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00-39/14
D06F 33/37
D06F105/42
G01F 1/00
G01F 23/292
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明チューブを取り付けて使用するものであり、前記透明チューブ内の液体洗剤の有無を検知する液体洗剤検知装置であって、
前記透明チューブを挟んで対向配置される発光素子および受光素子と、
前記透明チューブを前記液体洗剤検知装置に対して適切な位置に保持するチューブ保持部と
前記受光素子の受光量に基づいて前記透明チューブ内の液体洗剤の有無を検知する制御部とを備えており、
前記発光素子は前記透明チューブに拡散光を照射するものであり、
前記発光素子および前記受光素子は、
(1)前記透明チューブ内に液体洗剤がある場合、前記透明チューブに照射された前記拡散光が前記透明チューブ内の液体洗剤によって屈折を受けて集光され、前記受光素子は集光された光を受光し、
(2)前記透明チューブ内に液体洗剤がない場合、前記透明チューブに照射された前記拡散光が前記透明チューブ内の透過後も拡散を続け、前記受光素子は前記透明チューブを透過した光の一部を受光する構成とされており、
前記制御部は、前記受光素子の出力が第1閾値よりも高い場合に前記透明チューブ内に液体洗剤があることを検知し、前記受光素子の出力が第1閾値よりも低い場合に前記透明チューブ内に液体洗剤がないことを検知し、
前記透明チューブ内を流れる液体洗剤に気泡が混じる場合に、前記第1閾値よりも値が小さい第2閾値を用いて気泡の端部を検知可能であり、
前記制御部は、
前記受光素子の出力が第2閾値よりも低い場合に気泡の端部を検知し、
前記透明チューブを流れる液体洗剤に気泡が混じる場合に、気泡が存在しない領域と、気泡が存在する領域と、気泡端部が存在する領域とを区別して検知し、これらの各領域の割合から気泡の混入率を算出可能であり、
前記透明チューブ内に液体洗剤があることを検知した状態から前記透明チューブ内に液体洗剤がないことを検知した状態に遷移する途中、および、前記透明チューブ内に液体洗剤がないことを検知した状態から前記透明チューブ内に液体洗剤があることを検知した状態に遷移する途中の少なくとも一方に、前記透明チューブ内を流れる液体洗剤の気泡の端部が検知されたときに、気泡の混入を検知して、気泡の混入率を算出することを特徴とする液体洗剤検知装置。
【請求項2】
外部の液体洗剤容器から前記透明チューブを介して液体洗剤の供給を受ける洗濯機であって、
前記透明チューブに取り付けられた請求項
1に記載の液体洗剤検知装置を含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項
2に記載の洗濯機であって、
前記透明チューブは、上下方向に延びる第1立設部および第2立設部と、前記第1立設部および前記第2立設部を上部で繋ぐ屈曲部とで形成された略逆U字状の配設部分を有しており、
前記液体洗剤検知装置は、前記屈曲部よりも液体洗剤の流れ方向下流側に取り付けられていることを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項
2または
3に記載の洗濯機であって、
前記液体洗剤検知装置によって前記透明チューブ内の液体洗剤切れが検知された後、ユーザによる洗剤切れエラー解除操作に応じてエラー解除後動作を行うものであり、
前記エラー解除後動作は、前記透明チューブ内に液体洗剤を充填する初期充填動作を含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
請求項
4に記載の洗濯機であって、
前記初期充填動作の開始後、所定のタイムアウト期間内に前記液体洗剤検知装置によって前記透明チューブ内の液体洗剤ありが検知されない場合、前記初期充填動作を終了し、前記透明チューブ内の液体洗剤切れを再度検知することを特徴とする洗濯機。
【請求項6】
請求項
4または
5に記載の洗濯機であって、
前記初期充填動作は、前記液体洗剤検知装置によって前記透明チューブ内の液体洗剤ありが検知された後、前記透明チューブに接続されたポンプを所定時間作動させてから終了するものであり、
前記エラー解除後動作は、前記初期充填動作の後に行う洗濯槽洗浄動作を含むことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗剤容器からチューブを用いた送液によって液体洗剤の供給を受ける構成の洗濯機において、チューブを流れる液体洗剤の有無を検知する液体洗剤検知装置、およびそれを用いた洗濯機に関する。本願は、2019年3月15日に、日本に出願された特願2019-48363に優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
近年の洗濯機は洗剤の自動投入機能を備えているものが多くある。例えば、業務用の洗濯機などでは、大型の液体洗剤容器と洗濯機とをチューブで繋ぎ、液体洗剤容器からチューブを用いて送液し、液体洗剤の供給が行われている。
【0003】
このようなチューブを用いた送液では、液体洗剤容器における液体洗剤の有無を検知したり、正確な送液量の制御を行ったりするためにチューブ内の液体洗剤検知が不可欠である。特許文献1には、フォトインタラプタを用いた液体洗剤やシャンプーなどの流体検知装置が開示されている。特許文献1に開示された流体検知装置における検知方法は、フォトインタラプタの発光素子から照射される光を透明チューブに透過させ、その透過光量を受光素子で検知することで透明チューブ内の流体(液体洗剤やシャンプー)の有無を検知するというものである。具体的には、透明チューブ内に流体が存在するときには該流体によって光が遮られて透過光量が減少するため、受光素子の出力を閾値と比較することで透明チューブ内の流体の有無を検知できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の流体検知装置では、透明チューブを流れる流体の透明度が低いことが高精度な検知を行うための条件となる。しかしながら、この流体検知装置を洗濯機に適用する場合、液体洗剤には透明度の高いものが多くあり、高精度の検知が難しいといった問題がある。これは、透明度の高い液体洗剤では、透明チューブ内における洗剤の有無による透過光量の差が小さくなるためである。また、フォトインタラプタなどの光センサデバイスは、温度変化や経年劣化によって出力レベルが変化しやすく、洗剤の有無による透過光量の差が小さければ、使用条件によっては誤検知を招く虞がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記課題に鑑みてなされたものであり、透明チューブを流れる透明度の高い液体洗剤の有無を高精度に検知することのできる液体洗剤検知装置およびそれを用いた洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様である液体洗剤検知装置は、透明チューブを取り付けて使用するものであり、前記透明チューブ内の液体洗剤の有無を検知する液体洗剤検知装置であって、前記透明チューブを挟んで対向配置される発光素子および受光素子と、前記透明チューブを前記液体洗剤検知装置に対して適切な位置に保持するチューブ保持部と前記受光素子の受光量に基づいて透明チューブ内の液体洗剤の有無を検知する制御部とを備えており、前記発光素子は前記透明チューブに拡散光を照射するものであり、前記発光素子および前記受光素子は、(1)前記透明チューブ内に液体洗剤がある場合、前記透明チューブに照射された前記拡散光が前記透明チューブ内の液体洗剤によって屈折を受けて集光され、前記受光素子は集光された光を受光し、(2)前記透明チューブ内に液体洗剤がない場合、前記透明チューブに照射された前記拡散光が前記透明チューブ内の透過後も拡散を続け、前記受光素子は前記透明チューブを透過した光の一部を受光する構成とされており、前記制御部は、前記受光素子の出力が第1閾値よりも高い場合に前記透明チューブ内に液体洗剤があることを検知し、前記受光素子の出力が第1閾値よりも低い場合に前記透明チューブ内に液体洗剤がないことを検知することを特徴としている。
【0008】
上記の構成によれば、液体洗剤検知装置は、透明チューブ内に液体洗剤がある場合とない場合との集光作用の有無を利用して、受光素子の出力に変化を生じさせることができる。そのため、透明チューブを流れる液体洗剤が透明度の高いものである場合に受光素子の出力差を大きく取ることができ、液体洗剤検知装置の使用条件に関わらず、透明度の高い液体洗剤の有無を高精度に検知することができる。
【0009】
また、上記液体洗剤検知装置は、前記透明チューブ内を流れる液体洗剤に気泡が混じる場合に、前記第1閾値よりも値が小さい第2閾値を用いて気泡の端部を検知可能であり、前記制御部は、前記受光素子の出力が第2閾値よりも低い場合に気泡の端部を検知する構成とすることができる。
【0010】
上記の構成によれば、透明チューブ内に気泡が存在する場合に、気泡の端部検知に基づいて気泡を高精度に検知することができる。透明チューブに繋がれる液体洗剤容器の残量が少なくなると透明チューブ内に気泡が発生するため、これにより液体洗剤容器の残量が少ないことを検知することができる。
【0011】
また、上記液体洗剤検知装置では、前記制御部は、前記透明チューブを流れる液体洗剤に気泡が混じる場合に、気泡が存在しない領域と、気泡が存在する領域と、気泡端部が存在する領域とを区別して検知し、これらの各領域の割合から気泡の混入率を算出可能である構成とすることができる。
【0012】
上記の構成によれば、透明チューブで送液される液体洗剤において、気泡の混入率を算出し、算出した気泡の混入率を洗濯機への液体洗剤の供給量制御に利用することができる。
【0013】
また、上記の課題を解決するために、本発明の第2の態様である洗濯機は、外部の液体洗剤容器から透明チューブを介して液体洗剤の供給を受ける洗濯機であって、前記透明チューブに取り付けられた前記記載の液体洗剤検知装置を含むことを特徴としている。
【0014】
また、上記洗濯機では、前記透明チューブは、上下方向に延びる第1立設部および第2立設部と、前記第1立設部および前記第2立設部を上部で繋ぐ屈曲部とで形成された略逆U字状の配設部分を有しており、前記液体洗剤検知装置は、前記屈曲部よりも液体洗剤の流れ方向下流側に取り付けられている構成とすることができる。
【0015】
上記の構成によれば、液体洗剤が第1立設部を下から上へ流れる過程や屈曲部を流れる過程で、気泡の混じった液体洗剤を液体洗剤と空気とに分離する泡切れ効果が発生する。その結果、屈曲部よりも下流側に液体洗剤検知装置を取り付けることで、小さな気泡が混じった液体洗剤が液体洗剤検知装置の設置位置に流れることが抑制され、液体洗剤検知装置が液体洗剤切れを適正に検知することができる。あるいは、透明チューブ内の気泡の混入率の検出精度を向上させることができる。
【0016】
また、上記洗濯機は、前記液体洗剤検知装置によって前記透明チューブ内の液体洗剤切れが検知された後、ユーザによる洗剤切れエラー解除操作に応じてエラー解除後動作を行うものであり、前記エラー解除後動作は、前記透明チューブ内に液体洗剤を充填する初期充填動作を含む構成とすることができる。
【0017】
上記の構成によれば、透明チューブ内の液体洗剤切れが検知された後、液体洗剤容器に液体洗剤の補充を行ってから初期充填動作を行わせることで、透明チューブに液体洗剤を充填することができる。これにより、洗濯機の次回使用時に、液体洗剤検知装置まで液体洗剤が届く前に、液体洗剤検知装置が再び液体洗剤切れを検知してしまうことを防止できる。
【0018】
また、上記洗濯機は、前記初期充填動作の開始後、所定のタイムアウト期間内に前記液体洗剤検知装置によって前記透明チューブ内の液体洗剤ありが検知されない場合、前記初期充填動作を終了し、前記透明チューブ内の液体洗剤切れを再度検知する構成とすることができる。
【0019】
上記の構成によれば、洗濯機の管理者などが液体洗剤容器に対して液体洗剤の補充を行わずに洗剤切れエラー解除操作を行った場合、透明チューブに対して洗剤充填がなされないまま、ポンプのみが作動し続けるといったことを回避できる。
【0020】
また、上記洗濯機では、前記初期充填動作は、前記液体洗剤検知装置によって前記透明チューブ内の液体洗剤ありが検知された後、前記透明チューブに接続されたポンプを所定時間作動させてから終了するものであり、前記エラー解除後動作は、前記初期充填動作の後に行う洗濯槽洗浄動作を含む構成とすることができる。
【0021】
上記の構成によれば、液体洗剤検知装置によって透明チューブ内の液体洗剤ありが検知された後もポンプを所定時間作動させることで、透明チューブの先端にまで液体洗剤を完全に充填させることができる。また、この場合、初期充填動作の終了時点において、洗濯機の洗濯槽にいくらかの液体洗剤が入っていることが考えられるため、初期充填動作の後に洗濯槽洗浄動作を行う。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様である液体洗剤検知装置および洗濯機は、透明チューブ内に液体洗剤がある場合とない場合との集光作用の有無を利用して、受光素子の出力に変化を生じさせる。これにより、透明チューブを流れる液体洗剤が透明度の高いものである場合に受光素子の出力差を大きく取ることができ、液体洗剤検知装置の使用条件に関わらず、透明度の高い液体洗剤の有無を高精度に検知することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一適用例である洗濯システムの外観を示す正面図である。
【
図2】洗濯機の上面に取り付けられた付設装置の内部を背面側から見た斜視図である。
【
図3】(a)は透明チューブ内に液体洗剤がある場合の検知原理を示す説明図であり、(b)は透明チューブ内に液体洗剤がない場合の検知原理を示す説明図である。
【
図4】上部は透明チューブ内における気泡の状態を示す図であり、下部は気泡位置と受光素子の出力(受光量)との関係を示すグラフである。
【
図5】透明チューブ内での液体洗剤と空気との分離作用を示す説明図である。
【
図6】透明チューブ内に所定量の液体洗剤を確保する構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態1では、透明チューブを流れる透明度の高い液体洗剤の有無を高精度に検知することのできる液体洗剤検知装置について説明する。
【0025】
図1は、本発明の一適用例である洗濯機100を含む洗濯システムの構成を示す正面図である。この洗濯システムは、洗濯機100、液体洗剤容器200および透明チューブ20により構成されている。洗濯機100は、洗濯機本体110の上面に付設装置120を搭載することにより業務用洗濯機として使用可能とされている。また、洗濯機100は、液体洗剤容器200から透明チューブ20を介して液体洗剤の供給を受けるようになっている。尚、
図1では、1つの液体洗剤容器200に対して1台の洗濯機100が繋がれた構成を例示しているが、1つの液体洗剤容器200に対して複数の洗濯機100が繋がれていてもよい。
【0026】
図2は、付設装置120の内部を背面側から見た斜視図である。尚、
図2では、付設装置120の内部を図示するために、外部筐体の図示を一部省略している。付設装置120の内部には、透明チューブ20と共に取り付けられた液体洗剤検知装置10が配置されている。また、付設装置120には、液体洗剤容器200から洗濯機100へ透明チューブ20を介して液体洗剤を送り込むためのポンプ30や、洗濯機100を使用するユーザが料金を支払うための課金装置40も備えられている。
【0027】
図2に示すように、液体洗剤検知装置10は、透明チューブ20を取り付けるためのチューブ取付溝11と、フォトインタラプタ12とを有している。フォトインタラプタ12は、特許請求の範囲に記載の発光素子および受光素子の一例である。また、液体洗剤検知装置10は、フォトインタラプタ12の出力に基づいて透明チューブ20内の液体洗剤の有無を判定する制御部(図示せず)を有している。
【0028】
透明チューブ20は、チューブ取付溝11に嵌入されることによって、液体洗剤検知装置10に対して取り付けられる。本実施の形態では、液体洗剤検知装置10に対して透明チューブ20が上下方向に延びるように取り付けられている。フォトインタラプタ12は、チューブ取付溝11の途中の透明チューブ20に対して検知を行えるように配置されている。フォトインタラプタ12は、その内部に、透明チューブ20を挟むようにして対向配置される発光素子12a(
図3参照)および受光素子12b(
図3参照)を有している。さらに、フォトインタラプタ12は、透明チューブ20の延設方向(
図1では上下方向)の両端に、チューブ保持部12cを有している。尚、発光素子12aおよび受光素子12bについては、フォトインタラプタ12内に有する構成に限らない。例えば、液体洗剤検知装置10が発光素子12aおよび受光素子12bをそれぞれ保持する形態としてもよい。
【0029】
続いて、液体洗剤検知装置10において、透明チューブ20内に液体洗剤がある場合とない場合との検知原理を
図3(a),(b)を参照して説明する。
【0030】
図3(a)は、透明チューブ20内に液体洗剤がある場合の検知原理を示すものである。まず、発光素子12aは、透明チューブ20に対して拡散光を照射する。液体洗剤がある場合、透明チューブ20を透過する光は、透明チューブ20内の液体洗剤によって屈折を受け、受光素子12bに向けて集光される。その結果、受光素子12bは、透明チューブ20を透過した光の多くを受光することができる。尚、発光素子12aから透明チューブ20に向けて照射される拡散光は、その全て(もしくはほぼ全て)が透明チューブ20に照射されることが好ましい。また、透明チューブ20は、集光作用を得るために、その断面が円や楕円などの凸曲面を有する形状とされている。
【0031】
図3(b)は、透明チューブ20内に液体洗剤がない場合の検知原理を示すものである。液体洗剤がない場合、透明チューブ20を透過する光は集光されずに拡散を続け、受光素子12bは、透明チューブ20を透過した光の一部しか受光することができない。
【0032】
このように、本実施の形態1に係る液体洗剤検知装置10は、透明チューブ20内に液体洗剤がある場合とない場合との集光作用の有無によって、受光素子12bにおける受光量を異ならせている。その結果、液体洗剤検知装置10が備える制御部は、受光素子12bの出力を所定の第1閾値と比較し、受光素子12bの出力が第1閾値よりも大きい場合は透明チューブ20内に液体洗剤があると判定し、受光素子12bの出力が第1閾値よりも小さい場合は透明チューブ20内に液体洗剤がないと判定することができる。
【0033】
尚、液体洗剤検知装置10の上記検知原理においては、透明チューブ20内に液体洗剤がある場合に、透明チューブ20を透過する光を受光素子12bの受光面において十分に集光させる必要がある。このため、フォトインタラプタ12において、透明チューブ20は発光素子12aおよび受光素子12bに対して適切な位置に配置されている必要がある。液体洗剤検知装置10では、フォトインタラプタ12にチューブ保持部12cを設け、チューブ保持部12cによって透明チューブ20を保持・固定することにより、そのような適切な配置が得られるようになっている。
【0034】
また、液体洗剤検知装置10では、発光素子12aおよび受光素子12bの配置位置だけでなく、受光素子12bの受光部面積も重要な要素となる。すなわち、透明チューブ20内に液体洗剤がない場合の受光素子12bの受光量は、受光素子12bの受光部面積により異なる。具体的には、受光素子12bの受光部面積を小さくするほど、液体洗剤がない場合の受光素子12bの受光量も小さくなり、透明チューブ20内に液体洗剤がある場合とない場合との受光素子12bの出力差を大きく取ることができる。このため、受光素子12bの受光部面積は、透明チューブ20内に液体洗剤がない場合の受光素子12bの受光量をどの程度のレベルとするかに応じて設定すればよい。
【0035】
また、受光素子12bの受光部形状は、透明チューブ20が延びる方向(
図2では上下方向)が長手方向となるスリット形状とすることが好ましい。透明チューブ20は円筒形状であるため、透明チューブ20が延びる方向では集光作用がほとんど得られないが、透明チューブ20の断面に沿う方向では、
図3に示す集光作用が得られる。したがって、受光素子12bの受光部形状を、
図3における上下方向で狭いスリット形状とすることで、透明チューブ20内に液体洗剤がある場合とない場合との受光素子12bの出力差を大きく取ることができ、また、スリットの長手方向を透明チューブ20が延びる方向(
図3における紙面前後方向)とすることで、発光素子12aからの照射光をより多く受光できるので、受光素子12bの信号強度を向上できる。
【0036】
また、本実施の形態1において、透明チューブ20は液体洗剤容器200から洗濯機100への送液を行うことを前提としているが、液体洗剤容器200における液体洗剤の残量が少なくなると、透明チューブ20内の液体洗剤には気泡が混じるようになる。このような気泡は、透明チューブ20の軸方向において、空気と液体洗剤とを分断するように曲面状の界面を形成する。
【0037】
本実施の形態1に係る液体洗剤検知装置10は、受光素子12bの出力(受光量)を第2閾値(<第1閾値)と比較することで、透明チューブ20内における気泡の界面(気泡端部領域)をも検知可能である。その検知原理を、
図4を参照して説明する。
図4の上部は透明チューブ20内における気泡の状態を示す図であり、
図4の下部は気泡位置と受光素子12bの出力(受光量)との関係を示すグラフである。
図4では、透明チューブ20内に液体洗剤がある(気泡が存在しない)領域を領域Aとし、透明チューブ20内に液体洗剤がない(気泡が存在し、空気と液体洗剤との界面は存在しない)領域を領域Bとし、透明チューブ20内に気泡端部が存在する(空気と液体洗剤との界面が存在する)領域を領域Cとしている。
【0038】
まず、領域Aでは、
図3(a)に示したように、透明チューブ20を透過する光が集光されることによって受光量は“大”となる。また、領域Bでは、
図3(b)に示したように、透明チューブ20を透過する光が拡散することによって受光量は“中”となる。このため、領域Aの受光量と領域Bの受光量との間に上述した第1閾値とを設定することで、受光素子12bの出力が第1閾値よりも大きい場合に透明チューブ20内に液体洗剤があると判定することができる。
【0039】
一方、領域Cでは、発光素子12aからの照射光は、気泡の端部、すなわち空気と液体洗剤との界面に当たって反射され、散乱してしまうため、透明チューブ20を直進して透過する光(
図4の領域Cにおける上から下への矢印方向の光)の光量が減少する。その結果、領域Cでは、受光量は“小”となる。このため、領域Bの受光量と領域Cの受光量との間に第2閾値とを設定することで、受光素子12bの出力が第2閾値よりも小さい場合に透明チューブ20内における気泡端部を検知することができる。そして、受光素子12bの出力が、第1閾値よりも小さく第2閾値よりも大きい場合には、透明チューブ20内に液体洗剤がないと判定することができる。
【0040】
このように、本実施の形態1に係る液体洗剤検知装置10は、透明チューブ20内に液体洗剤がある場合とない場合との集光作用の有無を利用して、受光素子12bの出力に変化を生じさせるものである。そのため、透明チューブを流れる液体洗剤が透明度の高いものである場合に受光素子12bの出力差を大きく取ることができ、液体洗剤検知装置10の使用条件に関わらず、透明度の高い液体洗剤の有無を高精度に検知することができる。
【0041】
また、透明チューブ20内に気泡が存在する場合には、気泡端部での光の散乱を利用して、気泡を検知することもできる。これにより、透明チューブ20で送液される液体洗剤に気泡が混入した場合に、液体洗剤容器200の残量が少ないと検知することもできる。また、透明チューブ20で送液される液体洗剤において、気泡の混入率を検出し、これに基づいて、洗濯機100への液体洗剤の供給量をより正確に制御することも可能となる。
【0042】
〔実施の形態2〕
本実施の形態2では、洗濯機100における液体洗剤検知装置10の好適な使用形態について説明する。
【0043】
図2に示すように、付設装置120内において、透明チューブ20は略逆U字状の配設部分を有している。透明チューブ20の略逆U字状の配設部分は、上下方向に延びる第1立設部21および第2立設部22と、第1立設部21および第2立設部22を上部で繋ぐ屈曲部23とで形成されている。第1立設部21および第2立設部22は、第2立設部22が液体洗剤の流れ方向の下流側とされている。したがって、ポンプ30を作動させて液体洗剤容器200から洗濯機100への送液を行う場合、透明チューブ20の略逆U字状の配設部分では、液体洗剤は第1立設部21を下から上に向かって流れた後、屈曲部23で流れの向きを変えられ、第2立設部22を上から下に向かって流れる。そして、液体洗剤検知装置10は、屈曲部23よりも液体洗剤の流れ方向の下流側となる位置に取り付けられる。本実施の形態では、液体洗剤検知装置10は、第2立設部22に取り付けられる。
【0044】
洗濯機100の使用時、液体洗剤容器200から洗濯機100へは、適量の液体洗剤が供給される必要があり、液体洗剤の供給量はポンプ30の駆動時間によって制御される。但し、液体洗剤容器200における液体洗剤の残量が少なくなり、透明チューブ20を流れる液体洗剤に気泡が混じるようになると、当然ながら、単位時間当たりの液体洗剤の供給量は低下する。この場合、透明チューブ20を流れる液体洗剤に気泡が混入しない場合と比べてポンプ30の駆動時間を長くすることで、適量の液体洗剤が供給されるように制御する。
【0045】
また、このようなポンプ30の駆動時間による液体洗剤の供給量制御には、透明チューブ20内の気泡の混入率を検出する必要がある。例えば、透明チューブ20で送液される液体洗剤において、気泡の混入率が50%であると検出された場合には、ポンプ30の駆動時間を2倍とすることで、液体洗剤の供給量を気泡の混入がない場合と同じにすることができる。
【0046】
上記実施の形態1でも説明したように、液体洗剤検知装置10は、透明チューブ20を流れる液体洗剤に気泡が混じる場合に、気泡が存在しない領域Aと、気泡の中心部が存在する領域Bと、気泡端部が存在する領域Cとを区別して検知することが可能である。これに基づき、透明チューブ20内の気泡の混入率も検出可能である。
【0047】
しかしながら、透明チューブ20内の気泡の混入率が高くなりすぎた場合には、当然ながら所定量の液体洗剤を供給するのに掛かる時間は増加する。このような場合は、速やかに液体洗剤容器200における液体洗剤切れを検知できるようにすることが好ましい。
【0048】
本実施の形態2に係る洗濯機100では、透明チューブ20は略逆U字状の配設部分(第1立設部21、屈曲部23および第2立設部22)を有しており、液体洗剤検知装置10は液体洗剤が上から下へ流れる第2立設部22に取り付けられる。
【0049】
液体洗剤が第1立設部21を下から上へ流れる過程では、液体洗剤は透明チューブ20のチューブ内壁に沿って拡がる。そして、透明チューブ20内の気泡の混入率が高く、隣り合う気泡間の液体洗剤の量が少ない場合、
図5に示すように、気泡間の液体洗剤はチューブ内壁に沿って拡がるため、液体洗剤の上下方向の幅が減少する。そして、液体洗剤の幅が気泡との界面を維持できなくなると、気泡との界面を形成している液体洗剤が、チューブ内壁を伝って下に落ちる。すなわち、第1立設部21においては、気泡間の小規模な界面を消滅させる、いわゆる泡切れ効果が発生する。
【0050】
さらに、本実施の形態2に係る洗濯機100では、第1立設部21の上部、すなわち液体洗剤の流れ方向の下流側に、屈曲部23を有している。第1立設部21の上部においては、上記のように、液体洗剤の上下方向の幅が減少する。この液体洗剤が屈曲部23に流れると、液体洗剤の幅方向は上下方向から左右方向に変化する。このとき、屈曲部23内の液体洗剤は重力によって左右方向の幅が不均一となる。具体的には、屈曲部23の透明チューブ20内では下方に液体洗剤が集中し、上方の液体洗剤が不足する。この結果、屈曲部23の透明チューブ20内の上方で、液体洗剤が気泡との界面を維持できなくなり、気泡との界面が消滅する。したがって、屈曲部23内によって、気泡間の小規模な界面を消滅させる、いわゆる泡切れ効果を強化できる。
【0051】
これらの結果、気泡の混じった液体洗剤は、第1立設部21や屈曲部23によって液体洗剤と空気とに分離され、液体洗剤検知装置10には大きな気泡のみが送られることになる。これにより、液体洗剤検知装置10では、小さな気泡の多く混じった液体洗剤が長期間流れ続けることが防止され、液体洗剤容器200における液体洗剤切れを適正に検知することができる。
【0052】
上述したように、透明チューブ20を流れる液体洗剤に気泡が混じった状態で、洗濯機100に所定量の液体洗剤を供給するためには、透明チューブ20内の気泡の混入率を検出する必要がある。透明チューブ20内の気泡の混入率を検出するには、液体洗剤検知装置10において、上述した領域A~Cをそれぞれ検知し、これらの各領域の割合から液体洗剤および空気の累積量を計算し、気泡の混入率を算出する。
【0053】
しかしながら、液体洗剤および空気の累積量を計算するに当たっては、実際の気泡の混入率が同じであったとしても、小さい気泡が多く含まれるほど検出誤差が大きくなる。これは、小さい気泡が多く含まれる状態では、領域A~Cの累積計算が多くなり、誤差の累積も多くなるためである。また、小さい気泡が多く含まれる状態では、液体洗剤と空気との両方が存在する領域Cの割合が多くなり、このことも誤差の増大に繋がる。
【0054】
これに対し、透明チューブ20に略逆U字状の配設部分(特に第1立設部21および屈曲部23)を設けた場合、第1立設部21を下から上へ流れる過程や屈曲部23によって流れる方向が垂直方向から水平方向に変わる過程で、気泡間の液体洗剤が気泡との界面を維持できなくなり、小さい気泡同士が合わさって大きい気泡となる現象が生じる。すなわち、第1立設部21においては小さい気泡が多く含まれる状態であっても、液体洗剤検知装置10の設けられる第2立設部22では、小さい気泡が少なく大きい気泡が増えた状態となる。その結果、透明チューブ20内の気泡の混入率の検出精度を向上させることができる。
【0055】
また、上記の通り、第1立設部21や屈曲部23によって、その下流側では気泡との界面が大幅に除去されている。したがって、ポンプ30の停止時、液体洗剤検知装置10の検知箇所において、透明チューブ20内に気泡との界面が存在する確率を大幅に減少させることができる。気泡との界面となる液体洗剤が残っていると透明チューブ20内に固着して汚れとなりやすいが、上記の構成では、液体洗剤検知装置10の検知箇所において透明チューブ20内が汚れることを防止でき、液体洗剤検知装置10の検知精度を維持することができる。
【0056】
〔実施の形態3〕
本実施の形態3では、洗濯機100の好適な使用形態について説明する。
【0057】
上述したように、洗濯機100では、液体洗剤検知装置10による透明チューブ20内の液体洗剤の検知により、液体洗剤容器200の洗剤切れを検知することができる。そして、液体洗剤検知装置10が洗剤切れを検知したときには、洗濯機100の管理者などによって液体洗剤容器200に対して液体洗剤が補充される。
【0058】
しかしながら、単に液体洗剤容器200に液体洗剤を補充しただけでは、その時点で、透明チューブ20の液体洗剤容器200側の端部から液体洗剤検知装置10までの間に液体洗剤が充填されていない状態となっている。このため、このような状態から洗濯機100を使用すると、液体洗剤の供給のためにポンプ30を作動させても、しばらくは液体洗剤検知装置10まで液体洗剤が届かず、液体洗剤検知装置10が再び洗剤切れを検知してしまうことがあり得る。
【0059】
本実施の形態3に係る洗濯機100では、液体洗剤検知装置10が洗剤切れを検知し、洗濯機100の管理者が液体洗剤容器200に対して液体洗剤の補充を行った後は、洗剤切れエラー解除操作(所定のボタン操作など)を行うことでエラー解除後動作が行われる。そして、エラー解除後動作には少なくとも透明チューブ20への初期充填動作が含まれる。
【0060】
このような初期充填動作は、透明チューブ20に液体洗剤が充填されるまでポンプ30を作動させることで行われる。具体的には、ポンプ30を作動させて透明チューブ20への液体洗剤の充填を開始し、液体洗剤検知装置10が液体洗剤有を検知した後、さらに所定時間ポンプ30を作動させる。これにより、透明チューブ20の先端(洗濯機本体110側の端部)にまで、液体洗剤を充填することができる。
【0061】
また、初期充填動作において、液体洗剤検知装置10は、ポンプ30が作動を開始して所定時間の間は検知動作を行わず、所定時間の経過後に検知動作を開始してもよい。これは、透明チューブ20に液体洗剤がない状態でポンプ30を作動させても、しばらくの間は液体洗剤検知装置10まで液体洗剤が届かず、検知動作を行う必要がないと考えられるためである。したがって、液体洗剤検知装置10まで液体洗剤が届かないと見込まれる期間は、液体洗剤検知装置10の検知動作を停止することで、液体洗剤検知装置10の無駄な動作を抑制することができる。
【0062】
尚、初期充填動作では、ポンプ30の作動開始から液体洗剤検知装置10における液体洗剤検知までの所定のタイムアウト期間を設け、タイムアウト期間内に液体洗剤が検知されなかった場合は、初期充填動作を終了し、再度、洗剤切れを検知することが好ましい。これにより、例えば、洗濯機100の管理者が液体洗剤容器200に対して液体洗剤の補充を行わずに洗剤切れエラー解除操作を行い、透明チューブ20に対して洗剤充填がなされないまま、ポンプ30のみが作動し続けるといったことを回避できる。
【0063】
さらに、初期充填動作では、透明チューブ20の先端(洗濯機本体110側の端部)にまで液体洗剤が完全に充填されるように、液体洗剤検知装置10が液体洗剤ありを検知した後も、さらにポンプ30を所定時間作動させる。この場合、初期充填動作の終了時点において、洗濯機本体110の洗濯槽にいくらかの液体洗剤が入っていることが考えられる。したがって、エラー解除後動作は洗濯機本体110の洗濯槽洗浄動作を含み、初期充填動作の後に洗濯槽洗浄動作を行うようにすることが好ましい。
【0064】
また、洗濯機100では、例えば
図6に示すように、透明チューブ20において液体洗剤検知装置10よりも下流側の部分に長さを持たし、液体洗剤検知装置10が液体洗剤切れを検知した時点で、液体洗剤検知装置10よりも下流の透明チューブ20内に所定量(好適には洗濯1回分程度)の液体洗剤が確保されるようにすることが好ましい。この構成では、ユーザによる洗濯機100の使用時に液体洗剤切れを検知されたとしても、その1回の洗濯に必要な量の液体洗剤は透明チューブ20内に確保されており、ユーザが料金を入れたのに液体洗剤が足りないといった事態を回避できる。尚、透明チューブ20内に所定量の液体洗剤を確保する方法は特に限定されるものではなく、透明チューブ20に長さを持たせる方法以外に、例えば、透明チューブ20の途中にリザーブタンクを設ける方法なども考えられる。
【0065】
また、上記実施の形態1~3で説明した洗濯機100において、液体洗剤の送液に使用するポンプ30の種類は特に限定されるものではないが、使用するポンプ30の種類によって異なる効果も発生する。例えば、ポンプ30が脈動を発生させないタイプのものである場合、透明チューブ20を流れる液体洗剤において速度変化が小さくなる。この場合、透明チューブ20を流れる液体洗剤に気泡が混じる状態において、透明チューブ20内の気泡の混入率の検出精度が高くなる。一方、ポンプ30が脈動を発生させるタイプのものである場合、透明チューブ20を流れる液体洗剤において速度変化が大きくなる。この場合、透明チューブ20内での液体洗剤の流れに加速/減速が断続的に生じる過程で気泡がつぶれやすくなり、透明チューブ20の第1立設部21での泡切れ効果が高くなる。
【0066】
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。