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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】分散された無線電力伝送システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/20 20160101AFI20231212BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20231212BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20231212BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H02J50/20
H02J50/40
H02J50/80
H04B5/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021531222
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 US2019063156
(87)【国際公開番号】W WO2020112711
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】16/205,332
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513045518
【氏名又は名称】オッシア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハテム アイ.ゼイン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ エル.スワン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-501754(JP,A)
【文献】特表2009-524398(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0079008(US,A1)
【文献】特表2018-525964(JP,A)
【文献】特開2017-022818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00 -50/90
H04B 5/00 - 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力伝送システム(WPTS)によって実行される方法であって、
無線電力受信機クライアント(WPRC)に無線電力を伝送するように協働するよう、1つまたは複数のWPTSとグループ化する命令を受信するステップであって、前記命令は、前記WPRCの位置、前記WPRCの電力量に対する電力要求、ならびに前記WPRCの前記電力量に対する前記電力要求を満たすよう貢献する前記WPTSの能力および前記1つまたは複数のWPTSの各々のそれぞれの能力に基づいており、前記1つまたは複数のWPTSの各々の前記それぞれの能力は、少なくとも1つの他のWPRCに対するそれぞれの前記WPTSによって供給される電力負荷レベルを超えて利用可能な電力の残量に少なくとも部分的に基づくステップと、
クロックのインジケーションを受信するステップと、
前記クロックの前記インジケーションに基づいて、局部発振器の位相オフセットを調節するステップと、
前記1つまたは複数のWPTSと協働して、前記WPRCに無線電力を提供するステップであって、前記無線電力は、前記調節された位相オフセットに基づいて伝送される、ステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数のWPTSと仮想WPTSを形成するステップを更に備えた、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記WPTSが、前記1つまたは複数のWPTSからの伝送と整合する前記調節された位相オフセットを判定するよう、それぞれのインクリメントされた位相シフトにより連続した伝送の各々を伝送するステップを更に備えた、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記WPRCが前記1つまたは複数のWPTSのうちの少なくとも1つのWPTSから離れて移動したことを条件に、前記仮想WPTSを解消する命令を受信するステップを更に備えた、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
クロックの前記インジケーションは、複数のクロックソースから共通クロックとして使用するクロックを示す、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
クロックの前記インジケーションは、中央コントローラボードクロックソースを示す、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記WPTSは、スレーブWPTSであり、前記命令は、選択されたマスタWPTSから受信される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記WPTSおよび前記1つまたは複数のWPTSは、それぞれのクロックに基づいて伝送を整合するよう、相互に較正される、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記WPRCによって提供される前記無線電力は、前記1つまたは複数のWPTSによって提供される無線電力と前記WPRCにおいて建設的に干渉する、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記クロックの前記受信されたインジケーションは、較正ユニットにおいて受信された電力に基づいている、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
無線電力伝送システム(WPTS)であって、
無線電力受信機クライアント(WPRC)に無線電力を伝送するよう協働するよう、1つまたは複数のWPTSとグループ化する命令を受信し、前記WPRCの位置、前記WPRCの電力量に対する電力要求、ならびに前記WPRCの前記電力量に対する前記電力要求を満たすよう貢献する前記WPTSの能力および前記1つまたは複数のWPTSの各々のそれぞれの能力に基づいており、前記1つまたは複数のWPTSの各々の前記それぞれの能力は、少なくとも1つの他のWPRCに対するそれぞれの前記WPTSによって供給される電力負荷レベルを超えて利用可能な電力の残量に少なくとも部分的に基づく前記命令を受信し、
クロックのインジケーションを受信する、ように構成された受信機と、
前記クロックの前記インジケーションに基づいて、その位相オフセットを調節するように構成された局部発振器と、
前記1つまたは複数のWPTSと協働して、前記WPRCに無線電力を提供するように構成された送信機であって、前記無線電力は、前記調節された位相オフセットに基づいて伝送される、送信機と、
を備えたことを特徴とするWPTS。
【請求項12】
前記WPTSは、前記1つまたは複数のWPTSと仮想WPTSを形成する、ことを特徴とする請求項11に記載のWPTS。
【請求項13】
前記送信機は、前記1つまたは複数のWPTSからの伝送と整合する前記調節された位相オフセットを判定するよう、それぞれのインクリメントされた位相シフトにより連続した伝送の各々を伝送するように更に較正されている、ことを特徴とする請求項11に記載のWPTS。
【請求項14】
前記受信機は、前記WPRCが前記1つまたは複数のWPTSのうちの少なくとも1つのWPTSから離れて移動したことを条件に、前記仮想WPTSを解消する命令を受信するように更に構成されている、ことを特徴とする請求項12に記載のWPTS。
【請求項15】
クロックの前記インジケーションは、複数のクロックソースから共通クロックとして使用するクロックを示す、ことを特徴とする請求項11に記載のWPTS。
【請求項16】
クロックの前記インジケーションは、中央コントローラボードクロックソースを示す、ことを特徴とする請求項15に記載のWPTS。
【請求項17】
前記WPTSは、スレーブWPTSであり、前記命令は、選択されたマスタWPTSから受信される、ことを特徴とする請求項11に記載のWPTS。
【請求項18】
前記WPTSおよび前記1つまたは複数のWPTSは、それぞれのクロックに基づいて伝送を整合するよう、相互に較正される、ことを特徴とする請求項17に記載のWPTS。
【請求項19】
前記WPRCによって提供される前記無線電力は、前記1つまたは複数のWPTSによって提供される無線電力と前記WPRCにおいて建設的に干渉する、ことを特徴とする請求項18に記載のWPTS。
【請求項20】
前記クロックの前記受信されたインジケーションは、較正ユニットにおいて受信された電力に基づいている、ことを特徴とする請求項19に記載のWPTS。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2018年11月30日に出願された米国仮特許出願第16/205,332号の利益を主張する。
【0002】
本明細書で説明される実施形態は、仮想無線電力伝送システム(WPTS)を生成するよう伝送を調整する(coordinate)複数のWPTSを含む、分散された無線電力伝送システムを含む。
【背景技術】
【0003】
複数の無線電力伝送システム(WPTS)を含む無線電力配信システムに対し、単一のWPTSは、無線電力受信機クライアント(WPRC)がその近接した範囲内で移動するにつれて、WPRCに電力を配信することがある。WPRCが第1のWPTSの近傍を離れると、それは次いで、新たなWPTSから電力を受信する必要がある。WPRCが或るWPTSから次のWPTSに移動するにつれて、無線電力配信における中断が発生することがある。
【0004】
WPRCは、複数のWPTSの近傍内にあるように位置することもある。この状況では、単一のWPTSのみがWPRCに無線電力を配信することが可能であることがある。代わりに、複数のWPTSがWPRCに電力を配信することが可能であるが、それらが複数のWPTSにわたって同期されない場合、各々からの無線電力信号は、相互に破壊的に干渉することがあり、単一のWPTSのみが無線で電力を伝送していた場合よりも低い電力配信を結果としてもたらす。しかしながら、それらが伝送した無線電力がWPRCにおいて建設的に干渉する(constructively interfere)ように、複数のWPTSがそれらの伝送を同期させることが可能であった場合、それらは、仮想WPTSを形成し、WPRCに著しく多くの電力を配信することが可能である。よって、WPRCに同期して電力を伝送する複数の個々のWPTSを含む仮想WPTSを確立する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示されるのは、複数の無線電力伝送システム(WPTS)からの調整された無線電力伝送を実装する方法および装置である。例示的な実施形態は、無線電力受信機クライアント(WPRC)に無線電力を伝送するように協働するよう、1つまたは複数のWPTSをグループ化する命令を受信するステップを含む。実施形態は、クロックのインジケーションを受信するステップと、クロックのインジケーションに基づいて、局部発振器の位相オフセットを調節するステップと、を更に含む。実施形態は、1つまたは複数のWPTSと協働して、WPRCに無線電力を提供するステップを更に含み、無線電力は、調節された位相オフセットに基づいて伝送される。
【0006】
別の実施形態は、1つまたは複数のWPTSと仮想WPTSを形成するステップを更に含む。形成するステップは、WPRCの位置に基づいている。実施形態は、WPRCが1つまたは複数のWPTSのうちの少なくとも1つのWPTSから離れて移動したことを条件に、仮想WPTSを解消する命令を受信するステップを更に含む。
【0007】
更なる別の実施形態では、クロックのインジケーションは、複数のクロックソースから共通クロックとして使用するクロックを示してもよい。1つの実施例では、クロックのインジケーションは、中央コントローラボードクロックソースを示してもよい。
【0008】
更なる別の実施形態では、WPTSは、スレーブWPTSであってもよく、命令は、選択されたマスタWPTSから受信されてもよい。1つの実施例では、WPTSおよび1つまたは複数のWPTSは、それぞれのクロックに基づいて伝送を整合するよう、相互に較正されてもよい。別の実施例では、WPRCによって提供される無線電力は、1つまたは複数のWPTSによって提供される無線電力とWPRCにおいて建設的に干渉することができる。更なる別の実施例では、クロックの受信されたインジケーションは、較正ユニットにおいて受信された電力に基づいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な無線電力伝送環境を含むシステム図を表す。
図2】無線電力伝送システム(WPTS)の例示的な実施形態の例示的な構成要素を示すブロック図である。
図3】WPRCの例示的な実施形態を示すブロック図である。
図4】無線信号配信環境の例示的な実施形態を示す図である。
図5A】複数の無線電力伝送システム(WPTS)および無線電力受信機クライアント(WPRC)の例示的なシステムの図である。
図5B】複数の無線電力伝送システム(WPTS)および無線電力受信機クライアント(WPRC)の例示的なシステムの図である。
図6A】複数のWPTSシステムにおいて共有クロックソースを共有することができる例示的なトポロジの図である。
図6B】複数のWPTSシステムにおいて共有クロックソースを共有することができる例示的なトポロジの図である。
図6C】複数のWPTSシステムにおいて共有クロックソースを共有することができる例示的なトポロジの図である。
図7】仮想WPTSの機構を実装する複数のWPTSのシステムの例示的な方法を表す図である。
図8】システムにおける他のアンテナと同期された伝送に対してアンテナを較正する例示的なシステムを表す図である。
図9】WPRCに無線電力を提供する仮想WPTSとしての役割を果たすよう較正された2つのWPTSを含む例示的なシステムを表す信号フローチャートである。
図10】WPRCに無線電力を提供する仮想WPTSとしての役割を果たすよう較正された2つのWPTSを含む別の例示的なシステムを表す信号フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、無線電力伝送システム(WPTS)101など、1つまたは複数のWPTSからの無線電力配信を示す例示的な無線電力伝送環境100を含むシステム図を表す。特に、図1は、1つまたは複数の無線電力受信機クライアント(WPRC)110a~110cへの電力伝送を示す。WPTS101は、WPRC110a~110cから符号化されたビーコン111a~111cを受信し、WPRC110a~110cに無線電力112a~112cおよび無線データ113a~113cを伝送するように構成されてもよい。WPRC110a~110cは、WPTS101などの1つまたは複数のWPTSから無線電力112a~112cを受信し、1つまたは複数のWPTSからの無線電力112a~112cを処理するように構成されてもよい。例示的なWPTS101の構成要素は、図2と共に、以下で更に詳細に示され、かつ議論される。例示的なWPRC110a~110cの構成要素は、図3を参照して、以下で更に詳細に示され、かつ議論される。
【0011】
WPTS101は、複数のアンテナ103a~103n、例えば、複数のアンテナを含むアンテナアレイを含んでもよく、アンテナアレイは、WPRC110a~110cに無線電力112a~112cを配信する能力を有することができる。いくつかの実施形態では、アンテナは、適合的フェーズド無線周波数(adaptively-phased radio frequency(RF))アンテナである。WPTS101は、WPRC110a~110cにコヒーレントな電力伝送信号を配信するための適切な位相を判定する能力を有することができる。アンテナ103a~103nを含むアンテナアレイの各々のアンテナは、各々の他のアンテナに対して特定の位相において、信号、例えば、連続波またはパルス状電力伝送信号を放射するように構成されてもよく、その結果、アンテナの集合から伝送される信号のコヒーレント和がそれぞれのWPRC110a~110cの位置に集められる。図1が、その各々がWPTS101のアンテナ103a~103nの単一のアンテナによって伝送または受信される、符号化されたビーコン信号111a~111c、無線電力伝送112a~112c、および無線データ113a~113cを含む無線信号を表すが、これは、何ら限定するものと解釈されるべきではない。信号の受信および伝送においていずれかの数のアンテナが採用されてもよい。無線信号の伝送および/または受信において、アンテナ103a~103nの全てを含むことができるアンテナ103a~103nの部分を含む複数のアンテナが採用されてもよい。用語「アレイ」の使用は、アンテナアレイをいずれかの特定のアレイ構造に必ずしも限定しないことが認識されよう。すなわち、アンテナアレイは、特定の「アレイ」形式またはジオメトリから構造化される必要はない。更に、本明細書で使用されるように、無線機、デジタル回路、およびモデムなど、信号の生成、受信、および伝送のための関連する回路および周辺回路を含む用語「アレイ」または「アレイシステム」が使用されてもよい。
【0012】
図1の例に示されるように、アンテナ103a~103nは、WPTS101に含まれてもよく、電力およびデータの両方を伝送し、データを受信するように構成されてもよい。アンテナ103a~103nは、データ伝送を提供し、符号化されたビーコン信号111a~111cを含む、WPRC110a~110cによって伝送された無線データを受信するよう、無線電力伝送環境100において無線周波数電力(wireless radio frequency power)の配信を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、データ伝送は、無線周波数電力伝送よりも低い電力シグナリングを通ってもよい。いくつかの実施形態では、アンテナ103a~103nのうちの1つまたは複数は代わりに、無線電力配信の代わりにデータ通信に対して構成されてもよい。いくつかの実施形態では、電力配信アンテナ103a~103nのうちの1つまたは複数は代わりにまたは加えて、無線電力配信の代わりにまたは加えて、データ通信に対して構成されてもよい。1つまたは複数のデータ通信アンテナは、WPRC110a~110cにデータ通信を送信し、WPRC110a~110cからデータ通信を受信するように構成される。
【0013】
WPRC110a~110cの各々は、WPTS101に信号を伝送し、WPTS101から信号を受信するための1つまたは複数のアンテナ(図示せず)を含んでもよい。同様に、WPTS101は、1つもしくは複数のアンテナおよび/またはアンテナの組を有するアンテナアレイを含んでもよく、各々のアンテナまたはアンテナの組は、各々の他のアンテナまたはアンテナの組に対する特定の位相において、連続波または離散(パルス)信号を放射する能力を有する。上記議論されたように、WPTS101は、アンテナ103a~103nにコヒーレント信号を配信するための適切な位相を判定する能力を有する。例えば、いくつかの実施形態では、ビーコン信号を伝送した特定のWPRCに電力またはデータを配信することにおいて採用された他のアンテナからの信号に対して各々のアンテナからの信号が適切に位相制御(phased)されるように、特定のWPRCにコヒーレント信号を配信することは、アレイの各々のアンテナまたはアレイの一部の各々のアンテナにおいて受信され符号化されたビーコンの複素共役を計算することによって判定されてもよい。WPTS101は、相互に対して特定の位相において複数の導波路を使用して、信号(例えば、連続波またはパルス状伝送信号)を放射するように構成されてもよい。例えば、本明細書で参照することによって明確に組み込まれる、2017年12月22日に出願された「Anytime Beaconing In A WPTS」と題する米国特許出願第15/852,216号、および2017年12月22日に出願された「Transmission Path Identification based on Propagation Channel Diversity」と題する米国特許出願第15/852,348号において議論された技術など、コヒーレント無線電力信号を配信するための他の技術も適用可能である。
【0014】
示されないが、無線電力伝送環境100の各々の構成要素、例えば、WPRC110a~110cおよびWPTS101は、制御機構および同期機構、例えば、データ通信同期モジュールを含んでもよい。WPTS101は、例えば、建物内の標準的または主要な交流電流(AC)電力供給装置にWPTSを接続する電源出力または電源などの電源に接続されてもよい。代わりにまたは加えて、WPTS101は、バッテリによって、または他の機構、例えば、太陽電池を介して電力供給されてもよい。
【0015】
図1の例に示されるように、WPRC110a~110cは、携帯電話デバイスおよび無線タブレットを含む。しかしながら、WPRC110a~110cは、電力を必要とし、1つまたは複数の統合されたWPRCを介して無線電力を受信する能力を有するいずれかのデバイスまたはシステムであってもよい。3つのWPRC110a~110cが表されるが、いずれかの数のWPRCがサポートされてもよい。本明細書で議論されるように、WPRCは、1つまたは複数のWPTSから電力を受信し、1つまたは複数のWPTSからの電力を処理し、それらの動作のためにWPRC110a~110cに、またはWPRC110a~110cの内蔵バッテリに電力を提供するように構成された1つまたは複数の統合された電力受信機を含んでもよい。
【0016】
本明細書で説明されるように、WPRC110a~110cの各々は、別のデバイスとの接続を確立することができるいずれかのシステムおよび/もしくはデバイス、デバイス/システムのいずれかの組み合わせ、ならびに/または例示的な無線電力伝送環境100内のサーバおよび/もしくは他のシステムであってもよい。いくつかの実施形態では、WPRC110a~110cは各々、ユーザにデータを提示もしくは伝送するディスプレイもしくは他の出力機能、ならびに/またはユーザからデータを受信する入力機能を含んでもよい。例として、WPRC110aは、それらに限定されないが、ビデオゲームコントローラ、サーバデスクトップ、デスクトップコンピュータ、コンピュータクラスタ、ノートブックなどのモバイルコンピューティングデバイス、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、PDA、Blackberryデバイス、Treo、および/またはiPhoneなどであってもよい。例としておよび限定ではなく、WPRC110aはまた、顧客に組み込まれ、または顧客内の時計、ネックレス、リング、または更なるデバイスなどのいずれかのウェアラブルデバイスであってもよい。WPRC110aの他の例は、それらに限定されないが、セーフティセンサ、例えば、火災センサまたは一酸化炭素センサ、電気歯ブラシ、電動ドアロック/ハンドル、電気照明スイッチコントローラ、電気シェーバ、電子棚札(ESL)などを含む。
【0017】
図1の例には示されないが、WPTS101およびWPRC110a~110cは各々、データチャネルを介した通信のためのデータ通信モジュールを含んでもよい。代わりにまたは加えて、WPRC110a~110cは、既存のデータ通信モジュールを介してWPTS101と通信するようアンテナを方向付けてもよい。いくつかの実施形態では、WPTS101は、1つまたは複数のアンテナまたは送受信機を介したデータ通信のための組み込みWi-Fiハブを有してもよい。いくつかの実施形態では、アンテナ103a~103nは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)などを介して通信してもよい。WPRC110a~110cも、WPTS101と通信するための組み込みBluetooth送受信機、Wi-Fi送受信機、ZigBee送受信機などを含んでもよい。他のデータ通信プロトコルも可能である。いくつかの実施形態では、本明細書で主に連続波形と称されるビーコン信号は代わりにまたは加えて、変調された信号および/または離散/パルス状信号の形式を取ってもよい。
【0018】
WPTS101はまた、制御回路102を含んでもよい。制御回路102は、WPTS101の構成要素に制御およびインテリジェンスをもたらすように構成されてもよい。制御回路102は、1つまたは複数のプロセッサおよびメモリユニットなどを含んでもよく、様々なデータ通信および電力通信を方向付けおよび制御してもよい。制御回路102は、無線電力が配信される周波数と同一または異なってもよい、データ搬送波周波数上でデータ通信を方向付けてもよい。同様に、制御回路102は、本明細書で議論されるように、WPRC110a~110cと通信するよう無線伝送システム100を方向付けてもよい。データ通信は、例としておよび限定ではなく、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBeeなどであってもよい。他の通信プロトコルも可能である。
【0019】
用語「WPTS」の使用は、WPTSをいずれかの特定の構造に必ずしも限定しないことが認識されよう。すなわち、WPTSは、特定の形式またはジオメトリにおいて構造化される必要はない。更に、本明細書で使用されるように、無線機、デジタル回路、およびモデムなど、信号の生成、受信、および伝送のための関連する回路および周辺回路を含む用語「伝送システム」または「WPTS」が使用されてもよい。
【0020】
図2は、本明細書で説明される実施形態に従ったWPTS200の例示的な構成要素を示すブロック図である。図2の例に示されるように、WPTS200は、制御回路201、外部電力インタフェース202、および電力システム203を含んでもよい。制御回路201は、プロセッサ204、例えば、ベースバンドプロセッサ、およびメモリ205を含んでもよい。加えて、1つのアンテナアレイボード208および1つの送信機206のみが図2に表されるが、WPTS200は、1つまたは複数のアンテナアレイボード208に結合された1つまたは複数の送信機206を含んでもよく、1つまたは複数のアンテナアレイボード208に信号を伝送してもよい。1つの受信機のみが図2に表されるが、1つまたは複数の受信機207は、1つまたは複数のアンテナアレイボード208に結合されてもよく、1つまたは複数のアンテナアレイボード208の1つまたは複数のアンテナ250a~250nから信号を受信してもよい。各々のアンテナアレイボード208は、スイッチ220a~220n、位相シフタ230a~230n、電力増幅器240a~240n、およびアンテナアレイ250a~250nを含む。各々のスイッチ、位相シフタ、電力増幅器、およびアンテナが1対1の関係において表されるが、これは、限定するものとして解釈されるべきではない。加えてまたは代わりに、いずれかの数のスイッチ、位相シフタ、電力増幅器、およびアンテナが結合されてもよい。いくつかの実施形態では、WPTS200の構成要素のうちのいくつかまたは全てが省略されてもよく、組み合わされてもよく、または再分割されてもよい。更に、スイッチ220a~220nおよび位相シフタ230a~230nの設定は、限定するものとして解釈されるべきではない。スイッチ220a~220n、位相シフタ230a~230n、および/もしくは電力増幅器240a~240nのいずれか、またはそれらのいずれかの組み合わせは、個々に制御されてもよく、またはグループにおいて制御されてもよい。1つまたは複数のアンテナアレイボード208によって伝送および受信される信号は、無線電力信号、無線データ信号、またはその両方であってもよい。
【0021】
制御回路201は、スイッチ220a~220n、位相シフタ230a~230n、電力増幅器240a~240n、およびアンテナアレイ250a~250nを含むアレイの構成要素に制御およびインテリジェンスをもたらすように構成される。制御回路201は、様々なデータおよび電力通信を方向付けおよび制御してもよい。送信機206は、搬送波周波数上での電力通信またはデータ通信を含む信号を生成してもよい。信号は、それらの組み合わせまたは変形を含む、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBeeなどの標準化されたフォーマットに準拠してもよい。加えてまたは代わりに、信号は、Bluetooth、Wi-Fi、およびZigBeeなどを使用せず、無線データを伝送するために、無線電力を伝送するために使用されるのと同一のスイッチ220a~220n、位相シフタ230a~230n、電力増幅器240a~240n、およびアンテナアレイ250a~250nを利用する専有フォーマットであってもよい。そのような構成は、前述した標準化されたフォーマットへの準拠によって課される制約とは独立して動作することによって、ハードウェアの複雑度を抑えることができ、および電力を節約することができる。いくつかの実施形態では、制御回路201はまた、WPRC210から受信された符号化されたビーコン信号に基づいて、スイッチ220a~220n、位相シフタ230a~230n、および増幅器240a~240nの制御を通じた指向性伝送を含む伝送構成を判定してもよい。
【0022】
外部電力インタフェース202は、外部電力を受信し、様々な構成要素に電力を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、外部電力インタフェース202は、例えば、標準的な外部24ボルト電力供給を受信するように構成されてもよい。他の実施形態では、外部電力インタフェース202は、例えば、様々な構成要素に電力を提供するよう、例えば、12/24/48ボルトDCを供給する(source)ことができる、例えば、組み込みDC電力供給装置への120/240ボルトACメインであってもよい。代わりに、外部電力インタフェースは、例えば、12/24/48ボルトDCを供給することができる、DC供給であってもよい。他の電圧を含む代替的な構成も可能である。
【0023】
スイッチ220a~220nは、スイッチ220a~220nの状態に基づいて、電力および/またはデータを伝送し、符号化されたビーコン信号を受信するよう活性化されてもよい。1つの実施例では、スイッチ220a~220nは、電力の伝送、データの伝送、および/または符号化されたビーコンの受信のために、活性化され、例えば、閉鎖されてもよく、または非活性化され、例えば、開放されてもよい。追加の構成要素も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、WPRC210に電力またはデータを伝送するときに信号の位相を変化させるよう、位相シフタ230a~230nが含まれてもよい。位相シフタ230a~230nは、WPRC210から符号化されたビーコン信号の複素共役の位相に基づいて、WPRC210に電力信号またはデータ信号を伝送してもよい。WPRC210から受信された符号化されたビーコン信号を処理し、WPRC210を識別することによって、位相シフトも判定されてもよい。WPTS200は次いで、電力信号を伝送する、WPRC210と関連付けられた位相シフトを判定してもよい。例示的な実施形態では、WPTS200から伝送されるデータは、WPRC210とクロックを同期させるために使用することができる通信ビーコンの形式にあってもよい。この同期は、ビーコン位相検出の信頼性を改善することができる。
【0024】
動作中、WPTS200を制御することができる制御回路201は、外部電力インタフェース202を通じて電源から電力を受信してもよく、活性化されてもよい。制御回路201は、アンテナ250a~250nの少なくとも一部を介してWPRC210によって始動された符号化されたビーコン信号を受信することによって、WPTS200の範囲内で利用可能なWPRC210を識別してもよい。WPRC210が符号化されたビーコン信号に基づいて識別されるとき、WPTS上のアンテナ要素の組は、無線電力伝送および/またはデータ伝送をパワーオンしてもよく、エミュレートしてもよく、および較正してもよい。このポイントにおいて、制御回路201も、アンテナ250a~250nの少なくとも一部を介して他のWPRCから追加の符号化されたビーコン信号を同時に受信することが可能である。
【0025】
伝送構成が生成され、命令が制御回路201から受信されると、送信機206は、1つまたは複数の電力信号波および/またはデータ信号波を生成してもよく、1つまたは複数のアンテナボード208に1つまたは複数の電力信号波および/またはデータ信号波を転送してもよい。命令および生成された信号に基づいて、電力スイッチ220a~220nの少なくとも一部は、開放または閉鎖されてもよく、位相シフタ230a~230nの少なくとも一部は、伝送構成と関連付けられた適切な位相に設定されてもよい。電力信号および/またはデータ信号は次いで、電力増幅器240a~240nの少なくとも一部によって増幅されてもよく、WPRC210の位置に向かって方向付けられた角度において伝送されてもよい。本明細書で議論されるように、アンテナ250a~250nの少なくとも一部は、追加のWPRC210から符号化されたビーコン信号を同時に受信していてもよい。
【0026】
上記説明されたように、WPTS200は、1つまたは複数のアンテナアレイボード208を含んでもよい。1つの実施形態では、複数のアンテナアレイボード208の異なるアンテナアレイボード208が複数のWPRC210の異なるWPRC210と通信するように、各々のアンテナアレイボード208は、単一のWPRC210と通信するように構成されてもよい。そのような実装態様は、WPRC210と同期する、低レートパーソナルエリアネットワーク(LR-WPAN)接続、IEEE802.15.4接続、またはBluetooth低エネルギー(BLE)接続などの通信方法への依存を取り除くことができる。WPTS200は、アンテナ250a~250nの異なるアンテナを介して、WPRC210から同一のメッセージを受信してもよい。WPTS200は、より信頼できる通信リンクを確立するために、異なるアンテナにわたる同一のメッセージの複製を使用してもよい。そのようなシナリオでは、複製され、受信された信号のおかげで改善された信頼性によってより低い電力を補償することができるので、ビーコン電力を低下させることができる。いくつかの実施形態では、特定のアンテナまたはアンテナのグループをデータ通信の専用としてもよく、他のアンテナまたはアンテナのグループを電力配信の専用とすることも可能であってもよい。例えば、例示的なWPTS200は、アンテナ250a~250nのうちの8個または16個のアンテナを、データ通信よりも相対的に高い電力レベルでの電力配信に専用とすることができる残りのいくつかの数のアンテナよりも低い電力レベルでのデータ通信に専用としてもよい。
【0027】
図3は、本明細書で説明される実施形態に従った例示的なWPRC300を示すブロック図である。図3の例に示されるように、WPRC300は、制御回路301、バッテリ302、制御モジュール303、例えば、モノのインターネット(IoT)制御モジュール、通信ブロック306および関連する1つまたは複数のアンテナ320、電力メータ309、整流器310、コンバイナ311、ビーコン信号ジェネレータ307、ビーコンコーディングユニット308および関連する1つまたは複数のアンテナ321、ならびに1つまたは複数の関連するアンテナ322a~322nにコンバイナ311またはビーコン信号ジェネレータ307を接続するスイッチ312を含んでもよい。バッテリ302は代わりに、キャパシタと置き換えられてもよい。示されないが、WPRC300は、バッテリを使用する代わりにまたはそれに加えて、短期間のエネルギー蓄積のためにWPRC300がキャパシタにより動作することを可能にすることができる回路を利用するエネルギーを含んでもよい。図3における専用構成要素のうちのいくつかまたは全ては、いくつかの実施形態では、省略されてもよく、組み合わされてもよく、または再分割されてもよい。図3に表される構成要素のうちのいくつかまたは全ては、単一の統合チップ(IC)に組み込まれてもよい。WPTS200は、全二重通信を使用してもよいが、WPRC300は加えてまたは代わりに、半二重通信を使用してもよいことに留意されるべきである。受信および/または伝送されるデータレートは、例えば、20Mbpsであってもよい。しかしながら、他の設計目標を達成するために、より高いデータレートまたはより低いデータレートが実装されてもよい。WPRC300は、図2に表されたWPTS200などのWPTSに、確認応答(ACK)メッセージを再度伝送してもよい。示されないが、ローカルCPUがWPRC300に組み込まれてもよい。例えば、ローカルCPUは、制御回路301に含まれてもよい。
【0028】
コンバイナ311は、1つまたは複数のアンテナ322a~322nを介して受信された電力伝送信号および/またはデータ伝送信号を受信してもよく、受信されたそれらを組み合わせてもよい。コンバイナは、出力ポートの間での分離を達成すると共に、整合状態を維持するように構成されたいずれかのコンバイナ回路またはディバイダ回路であってもよい。例えば、コンバイナ311は、Wilkinsonパワーディバイダ回路であってもよい。コンバイナ311は、2つ以上のRF信号を組み合わせると共に、特性インピーダンス、例えば、50ohmを維持するために使用されてもよい。コンバイナ311は、レジスタを使用する抵抗タイプコンバイナ、または変圧器を使用するハイブリッドタイプコンバイナであってもよい。整流器310は、存在する場合、コンバイナ311から、組み合わされた電力伝送信号を受信してもよく、組み合わされた電力伝送信号は、充電のために電力メータ309を通じてバッテリ302に供給されてもよい。他の実施形態では、各々のアンテナの電力経路は、その自身の整流器310を有してもよく、整流器からのDC電力は、電力メータ309に供給される前に組み合わされる。電力メータ309は、受信された電力信号強度を測定してもよく、この測定を制御回路301に提供してもよい。
【0029】
バッテリ302は、保護回路および/または監視機能を含んでもよい。加えて、バッテリ302は、それらに限定されないが、電流制限、温度保護、過電圧/不足電圧アラートおよび過電圧/不足電圧保護、ならびにバッテリ容量監視、例えば、クーロン監視を含む、1つまたは複数の機構を含んでもよい。制御回路301は、バッテリ302自体からバッテリ電力レベルを受信してもよい。上記示されたように、図示しないが、キャパシタは、バッテリ302と置き換えられてもよく、またはバッテリ302に加えて実装されてもよい。制御回路301はまた、通信ブロック306を介して、クロック同期のためのベース信号クロックなどのデータ信号をデータ搬送波周波数上で伝送/受信してもよい。ビーコン信号ジェネレータ307は、ビーコン信号または較正信号を生成してもよく、1つまたは複数のアンテナ321を使用してビーコン信号または較正信号を伝送してもよい。
【0030】
バッテリ302が充電され、WPRC300に電力を提供するものとして示されるが、受信機も、整流器310から直接その電力を受信してもよいことに留意することができる。これは、整流器310に加えて、バッテリ302に充電電流を提供することができ、または充電をもたらすことができる。また、複数のアンテナ320、321、および322a~322nの使用は、実装態様の1つの実施例であるが、構造を1つの共有されたアンテナに減少させることができることに留意されよう。
【0031】
いくつかの実施形態では、制御回路301および/または制御モジュール303は、WPRC300とデバイス情報を通信してもよく、および/またはWPRC300からデバイス情報を導出してもよい。デバイス情報は、それらに限定されないが、WPRC300の能力に関する情報、WPRC300の使用情報、WPRC300のバッテリ302の電力レベル、および/またはWPRC300によって取得もしくは推測された情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、クライアント識別子(ID)モジュール305は、WPRC300を一意に識別することができるクライアントIDを無線電力配信環境に記憶する。例えば、IDは、符号化されたビーコン信号において1つまたは複数のWPTSに伝送されてもよい。いくつかの実施形態では、WPRCも、クライアントIDに基づいて、無線電力配信環境における他のWPRCを受信および識別することが可能であってもよい。
【0032】
動きセンサは、動きを検出してもよく、それに従って動作するよう制御回路301にシグナリングしてもよい。例えば、電力を受信するデバイスは、動きを検出するために、加速度計または同等の機構などの動き検出機構を統合してもよい。デバイスが、それが動いていることを検出すると、それがユーザによって操作されていると推定されてもよく、電力および/もしくはデータを伝送することを停止し、またはWPTSからの無線電力伝送および/もしくはデータ伝送を始動することのいずれかを行うよう、WPTSのアンテナアレイへのシグナリングをトリガしてもよい。WPRCは、WPTSと通信するために、符号化されたビーコンまたは他のシグナリングを使用してもよい。いくつかの実施形態では、WPRC300が、自動車、電車、または飛行機などの移動している環境において使用されるとき、WPRC300が電力に対して決定的に低くなるまで、電力は、断続的にのみ、または低減したレベルにおいてのみ伝送されてもよい。
【0033】
図4は、本明細書で説明される実施形態に従った例示的な無線信号配信環境400を示す図である。無線信号配信環境400は、WPTS401、WPRC402aおよび402bを操作するユーザ、ならびに無線ネットワーク409を含む。2つのWPRCが図4に表されるが、いずれかの数のWPRCがサポートされてもよい。図4に表されるWPTS401は代わりに、図1に表されたWPTS101に従って実装されてもよい。代替的な構成も可能である。同様に、図4に表されるWPRC402aおよび402bは、図1のWPRC110a~110cに従って実装されてもよく、または図3に表されたWPRC300に従って実装されてもよいが、代替的な構成も可能である。
【0034】
WPTS401は、電力供給装置403、メモリ404、プロセッサ405、インタフェース406、1つまたは複数のアンテナ407、およびネットワーキングインタフェースデバイス408を含んでもよい。WPTS401の構成要素のうちのいくつかまたは全ては、いくつかの実施形態では、省略されてもよく、組み合わされてもよく、または再分割されてもよい。ネットワーキングインタフェースデバイスは、WPRC402aおよび402bに、またはWPRC402aおよび402bから最終的に通信することができる情報を交換するよう、ネットワーク409と有線または無線で通信してもよい。1つまたは複数のアンテナ407も、1つまたは複数の受信機、送信機、および/または送受信機を含んでもよい。1つまたは複数のアンテナ407は、必要に応じて、WPRC402a、WPRC402b、またはその両方に近接した空間において方向付けられた放射パターンおよび受信パターンを有してもよい。WPTS401は、アンテナ407の少なくとも一部を通じて、WPRC402aおよび402bに無線電力信号、無線データ信号、またはその両方を伝送してもよい。本明細書で議論されるように、WPRC402aおよび402bによってそれぞれ受信された無線信号の強度が、アンテナ407の少なくとも一部からの対応する方向付けられた伝送ビームの指向性の精度に依存するように、WPTS401は、WPRC402aおよび402bの方向における角度において無線電力信号、無線データ信号、またはその両方を伝送してもよい。
【0035】
アンテナの基本的な性質は、受信するために使用されるときのアンテナの受信パターンが、伝送するために使用されるときのアンテナの遠距離場放射パターンに直接関連することである。これは、電磁気における相反定理の結果である。放射パターンは、アンテナ407のアンテナ設計において使用されるアンテナの波形特性およびアンテナのタイプによって生成されたビームの指向性に応じたいずれかの数の形状および強度であってもよい。アンテナ407のタイプは、例えば、ホーンアンテナ、単純な垂直アンテナなどを含んでもよい。アンテナ放射パターンは、無線信号配信環境400における様々な指向性パターンを含む、いずれかの数の異なるアンテナ放射パターンを含んでもよい。例としておよび限定ではなく、無線電力伝送特性は、アンテナごとおよび/もしくは送受信機ごとの位相設定、アンテナごとおよび/もしくは送受信機ごとの伝送電力設定、またはアンテナおよび送受信機のグループのいずれかの組み合わせごとの位相設定および/もしくは伝送電力設定を含んでもよい。
【0036】
本明細書で説明されるように、アンテナおよび/または送受信機が構成されると、複数のアンテナおよび/または送受信機が、WPRCに近接した空間においてWPRC放射パターンに整合する無線電力信号および/または無線データ信号を伝送するよう動作可能であるように、WPTS401は、無線通信伝送特性を判定してもよい。有利なことに、本明細書で議論されるように、電力信号、データ信号、またはその両方を含む無線信号は、図4に表されるWPRC402aおよび402bなどのそれぞれのWPRCの位置に向かって無線信号のビームをより精度よく方向付けるよう調節することができる。
【0037】
図4の例に示される放射パターンの指向性は、簡易化のために示される。他の因子の中で、無線通信配信環境における反射物体および吸収物体に応じて、WPRC402aおよび402bに無線信号を伝送するためのいずれかの数の経路が利用されてもよいことが認識されよう。図4は、直接信号経路を表すが、直接ではない多経路信号を含む他の信号経路も可能である。
【0038】
無線通信配信環境におけるWPRC402aおよび402bの位置付けおよび再位置付けは、RF信号強度を使用することによって判定することができる距離と対にされたいずれかの極性におけるRF信号の入射の三次元角度、またはいずれかの他の方法を使用して、WPTS401によって追跡されてもよい。本明細書で議論されるように、位相を測定する能力を有するアンテナ407のアレイは、入射の波面角度を検出するために使用されてもよい。WPRC402aおよび402bに向かう方向のそれぞれの角度は、WPRC402aおよび402bへのそれぞれの距離に基づいて判定されてもよく、それぞれの電力計算に基づいて判定されてもよい。代わりにまたは加えて、WPRC402aおよび402bへの方向のそれぞれの角度は、複数のアンテナアレイセグメント407から判定されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、WPRC402aおよび402bに向かう方向のそれぞれの角度を判定する際の精度の程度は、アンテナ407のサイズおよび数、位相ステップの数、位相検出の方法、距離測定方法の精度、環境におけるRFノイズレベルなどに依存してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、環境内のそれらの位置および移動を追跡するために、アドミニストレータによって定義されたプライバシポリシについて同意するよう求められてもよい。更に、いくつかの実施形態では、システムは、デバイスの間の情報のフローを修正し、環境を最適化するために、位置情報を使用してもよい。加えて、システムは、履歴無線デバイス位置情報、展開移動パターン情報、プロファイル情報、および優先度情報を追跡してもよい。
【0040】
本明細書で開示されるのは、1つまたは複数のWPRCに無線電力を提供するよう、単一の仮想WPTSとして動作する複数のWPTSを調整するシステムおよび方法の実施形態である。そのような仮想WPTSは、いずれかの単一のWPTSよりも大きい仮想開口を示すことができる。複数のWPTSからの伝送を調整することによって、調整された方式においてWPRCに電力を無線で伝送するWPTSの最適な選択から仮想WPTSを動的に形成することができ、その結果、それらのそれぞれの伝送は、いずれかの単一のWPTSよりも著しく大きな電力、および伝送を調整していないWPTSの同一の集合よりも著しく大きな電力を配信するよう、WPRCの位置において建設的に干渉する。
【0041】
図5Aは、4個のWPTS1~4および単一のWPRC550Aの例示的なシステム500Aを表す図である。図5Aに示されるように、WPRC550Aは、WPTS1およびWPTS2に近接して位置してもよい。WPRC550Aの判定された位置に基づいて、WPTS1およびWPTS2は、WPRC550Aに無線電力を伝送するために、仮想WPTS560Aとしてグループ化されるよう選択されてもよい。例えば、WPRC550Aは、WPTS1およびWPTS2によって受信されるビーコン、ならびにWPTS3およびWPTS4によって受信されなくてもよく、またはWPTS3およびWPTS4によって弱く受信されるビーコンを伝送してもよい。代わりに、WPTS3およびにWPTS4は、位置に基づかない理由に基づいて選択されなくてもよい。例えば、WPTS3およびWPTS4は、他の無線電力要求により、およびそれらを仮想WPTS560Aから排除することができるそれらの負荷に少なくとも基づいて、激しく負荷がかけられてもよい。WPTSグループに共にどのように影響を与えるかのWPRCの位置は、例示にすぎないことが意図される。WPTSのグループに参加し、他のWPTSを排除する理由のいずれかの例は、限定することを意図していない。いずれかの数の理由によって、複数のWPTSは、仮想WPTSを共にグループ化することができる。
【0042】
WPTS1およびWPTS2は、それらの無線電力伝送の位相がWPRC550Aの位置において整合(align)し、よって、それらの伝送がWPRC550Aにおいて建設的に干渉するように、それらの伝送のそれぞれの位相を調節するよう共通クロックを共有してもよい。図5Aに表されるように、WPTS1およびWPTS2の各々は、クロックソース510Aおよび520Aをそれぞれ含んでもよい。いずれかのクロックソースは、共有クロックソースとして使用されてもよく、他のWPTSと共有されてもよい。代わりに、図示されないが、WPTS1およびWPTS2は、中央コントローラボード(CCB)によって制御されてもよく、CCBは、それらの伝送を調整するようWPTS1およびWPTS2と共有されるクロックソースを含んでもよい。WPTS1および/またはWPTS2の位相が相互に適切に調節されると、WPTS1からの無線電力501AおよびWPTS2からの無線電力502Aは、WPRC550Aに配信されてもよい。
【0043】
図5Bは、4個のWPTS1~4および単一のWPRC550Bの例示的なシステム500Bを表す図である。図5Bに表されるように、その後にWPTS2、WPTS3、およびWPTS4に近接して位置するように、WPRC550Bは、図5Aに表されたその位置から移動していてもよい。WPRC550Bが図5Aに表されたWPTS560Aから離れて移動するにつれて、仮想WPTS560Aは、WPRC550Bに無線電力を提供するために最適ではないようことがあるように解消(disband)されてもよい。再度、例として、WPTS550Bの判定された位置は、解消することの決定を行うために使用されてもよい。同様に、WPTS550Bの判定された位置を使用して、WPTS2、WPTS3、およびWPTS4は、WPRC550Bに無線電力を伝送する仮想WPTS560Bとしてグループ化されるよう選択されてもよい。例として、WPRC550Bは、WPTS2、WPTS3、およびWPTS4によって受信されるビーコン、ならびにWPTS1によって受信されなくてもよく、またはWPTS1によって弱く受信されるビーコンを伝送してもよい。代わりに、WPTS1は、位置に基づかない理由に基づいて選択されなくてもよい。例えば、WPTS1は、他の無線電力要求により、およびそれらを仮想WPTS560Bから排除することができるそれらの負荷に少なくとも基づいて、激しく負荷がかけられてもよい。
【0044】
WPTS2、WPTS3、およびWPTS4は、それらの無線電力伝送の位相がWPRC550Bの位置において整合し、その結果、それらの伝送がWPRC550Bにおいて建設的に干渉するように、それらの伝送のそれぞれの位相を調節するよう共通クロックを共有してもよい。図5Bに表されるようにWPTS2、WPTS3、およびWPTS4の各々は、クロックソース520B、530B、および540Bをそれぞれ含んでもよい。当該クロックソースのいずれかは、共有クロックソースとして使用されてもよく、他のWPTSと共有されてもよい。代わりに、図示されないが、WPTS2、WPTS3、およびWPTS4は、CCBによって制御されてもよく、CCBは、それらの伝送を調整するようWPTS2、WPTS3、およびWPTS4と共有されるクロックソースを含んでもよい。WPTS2、WPTS3、および/またはWPTS4の位相が相互に適切に調節されると、WPTS2からの無線電力502B、WPTS3からの無線電力503B、およびWPTS4からの無線電力504Bは、WPRC550Bに配信されてもよい。
【0045】
図5Aおよび5Bは、2次元において例示的なシステムを示すが、WPTSのシステムは、3次元において配列されてもよく、WPRCは、3次元において移動してもよいことが理解されるべきである。図5Aおよび5Bにおける表示と同様に、3次元において移動するにつれて、三次元空間において仮想WPTSを形成および解消して、WPRCに無線電力を提供するよう、適切なWPTSが動的に選択および選択解除されてもよい。更に、WPTSの数は、純粋に例示である。より多くのまたは少ないWPTSが実装されてもよい。同様に、WPRC550A/550Bが図5Aおよび図5Bのそれぞれにおける2つのWPTS、次いで3つのWPTSから無線電力を受信するものとして示されるが、いずれかの数のWPTSがWPRC550A/550Bに無線電力を配信してもよい。加えて、1つのみのWPRC550A/550Bが表されるが、WPTSの集合が、適切なスケジューリングを使用していずれかの数のWPRCに同時にサービスしてもよく、それぞれのWPRCごとに仮想WPTSを形成してもよい。
【0046】
図6A、6B、および6Cは、複数のWPTSシステムにおいて共有クロックソースを共有することができる例示的なトポロジを表す図である。2つのみのWPTSが図6A、6B、および6Cに表されるが、これは限定ではない。いずれかの数のWPTSが共通クロックを共有してもよい。
【0047】
図6Aは、接続610Aを介してWPTS1に接続することができるCCB690Aを示す。CCB690Aは、接続620Aを介してWPTS2に接続されてもよい。クロックソース609Aは、CCB690Aに含まれてもよく、接続610Aおよび620Aのそれぞれを介してWPTS1およびWPTS2と共有されてもよい。接続610Aおよび620Aは、例えば、有線接続または光ファイバ接続であってもよい。WPTS1およびWPTS2は、それらの無線電力伝送を時間整合することができるように、WPTS1およびWPTS2に対する共通クロックおよびそれぞれの位相オフセットを確立するよう、CCB690Aと信号を交換してもよい。
【0048】
図6Bは、無線接続610Bを介してWPTS1に接続することができるCCB690Bを表す。CCB690Bは、無線接続620Bを介してWPTS2に接続されてもよい。クロックソース609Bは、CCB690Bに含まれてもよく、無線接続610Bおよび620Bのそれぞれを介してWPTS1およびWPTS2と共有されてもよい。無線接続610Bおよび620Bは、無線電力伝送と同一の周波数上にあってもよく、または異なる周波数上にあってもよい。加えて、WPTS1およびWPTS2は、同一のアンテナまたは同一のアンテナ一部を介してCCB690Bと通信してもよく、同一のアンテナまたは同一のアンテナ一部を介して、WPTS1およびWPTS2は、WPRCに無線電力を伝送する。加えてまたは代わりに、WPTS1およびWPTS2は、CCB690Bとの通信に対して構成することができる1つまたは複数の異なるアンテナを使用してもよい。WPTS1およびWPTS2は、それらの無線電力伝送を時間整合することができるように、WPTS1およびWPTS2に対する共通クロックおよびそれぞれの位相オフセットを確立するよう、CCB690Bと信号を交換してもよい。
【0049】
図6Cは、無線接続612Cを介してクロック信号を共有することができるWPTS1およびWPTS2を表す。代わりに、図示しないが、WPTS1とWPTS2との間の有線接続は、クロック信号を共有するために使用されてもよい。クロックソース601Cは、WPTS1に含まれてもよく、無線接続612Cを介してWPTS2と共有されてもよく、および/またはクロックソース602Cは、WPTS2に含まれてもよく、無線接続612Cを介してWPTS1と共有されてもよい。無線接続612Cは、無線電力伝送と同一の周波数上にあってもよく、または異なる周波数上にあってもよい。加えて、WPTS1およびWPTS2は、同一のアンテナまたは同一のアンテナの一部を介して、相互に通信してもよく、同一のアンテナまたは同一のアンテナの一部を介して、WPTS1およびWPTS2は、WPRCに無線電力を伝送する。加えてまたは代わりに、WPTS1およびWPTS2は、相互の通信に対して構成することができる1つまたは複数の異なるアンテナを使用してもよい。WPTS1およびWPTS2は、それらの無線電力伝送を時間整合することができるように、WPTS1およびWPTS2に対する共通クロックおよびそれぞれの位相オフセットを確立するよう、相互に信号を交換してもよい。
【0050】
図7は、本明細書での教示に従った仮想WPTSの機構を実装する複数のWPTSのシステムの例示的な方法700を表す図である。710において、どのWPTSが仮想WPTSを形成するよう協働するべきであるかが判定されてもよい。そのような判定は、CCBおよび/またはWPTSのうちの1つもしくは複数によって行われてもよい。例えば、各々のWPTSは、WPRCに電力供給することに良好に適合されると独立して判定してもよく、WPRCに無線電力を提供するようWPRCと対にされるべきである近くのWPTSに信号を伝送してもよい。予測される電力は、WPTSがWPRCに電力を提供するよう仮想WPTSの一部であるように良好に適合することができるかどうかを判定するために使用されてもよい。加えてまたは代わりに、WPTSは、WPTSによって伝送される電力のどの程度をWPRCによって受信することができるかを判定し、次いで、WPRCと対になるためにWPTSがどのように良好に適合されるかを判定するよう、WPRCとの試験を実行してもよい。例えば、いくつかの選択された電力配信閾値を上回る全てのWPTSは、仮想WPTSを形成するよう共に参加してもよい。候補WPTSも、仮想WPTSを形成する判定されたWPTSのグループを識別および確認応答するシグナリングを交換してもよい。
【0051】
720において、どのクロックソースが仮想WPTSにおける全てのWPTSと共有されるかが判定されてもよい。1つまたは複数のCCBは、仮想WPTSを形成するWPTSのグループに接続されてもよい。CCBの1つからのクロックソースは、WPTSのグループと使用および共有されてもよい。代わりに、WPTSのグループの各々のWPTSは、クロックソースを含んでもよい。WPTSは、WPTSのグループにおける他のWPTSと共有クロックソースとして使用するよう、そのクロックソースを共有してもよい。クロックソースは、それらのそれぞれの伝送がWPRCの位置において建設的に干渉するように、各々のWPTSのクロック位相を適切に調節するために使用されてもよい。730において、選択されたクロックソースは、仮想WPTSにおける全てのWPTSと共有されてもよい。選択されたクロックソースは、有線接続または無線接続を介して共有されてもよい。
【0052】
740において、仮想WPTSを形成するWPTSのグループのWPTSは、WPTSの較正のために使用するマスタWPTSとして選出されてもよい。図7における740においてマスタWPTSが選出されるが、この特定の順序は限定するものではない。マスタWPTSは、いずれかのときに選出されてもよい。例えば、WPTSは、720において選出されてもよく、マスタWPTSは、他のWPTSと共有されることになるクロックソースとして使用されてもよく、またはマスタWPTSは、そのクロックソースを共有する別のWPTSを選択してもよい。マスタWPTSが選出されると、仮想WPTSを形成するWPTSのグループにおける他のWPTSは、スレーブとして機能してもよい。750において、通信チャネルは、選出されたマスタおよび仮想WPTSを形成する全てのスレーブの間で確立されてもよい。代わりに、通信チャネルは、図7に表されるポイントよりも方法における前のポイントにおいて確立されてもよい。例えば、通信チャネルは、どのクロックソースが720において共有されるかを判定することよりも前または同時に確立されてもよい。
【0053】
760において、マスタWPTSは、確立された通信チャネルを使用して、仮想WPTSを形成するWPTSの較正を制御してもよい。較正の間、各々のWPTSと関連付けられた位相オフセットは、仮想WPTSを形成するWPTSにわたって伝送を同期すると判定されてもよい。このようにして、空間的に分散することができる複数のWPTSは、単一の仮想WPTSとして動作するよう、調整された方式において電力を無線で伝送してもよく、全てのWPTSからの伝送は、WPRCの位置において実質的に建設的に干渉する。
【0054】
770において、マスタWPTSは、どのWPRCが無線電力を取得し、WPRCがいつ電力を取得するかを決定してもよい。ここで、仮想WPTSの利用可能な無線電力伝送容量の配分(apportioning)が行われてもよい。利用可能な無線電力伝送容量は、とりわけ、それぞれのWPRCの要求および仮想WPTSを形成するWPTSが要求を満たす能力に基づいて、仮想WPTSと対となったWPRCに電力を最適に供給するようスケジュールされてもよい。780において、仮想WPTSを形成する全てのWPTSは、770において行われた決定に従って、対になったWPRCに無線電力を提供する。
【0055】
WPRCが場所を移動し、または、場合によっては、WPRCに無線電力を提供するWPTSの能力を損なうもしくは増強させる環境に物体が移動するなど、無線環境条件が変化するにつれて、仮想WPTSは、新たな環境に対してより最適な仮想WPTSを形成するよう解消される必要があることがある。よって、790において、仮想WPTSがいつ解消されるべきか、および仮想WPTSを解消することができるかの判定が行われてもよい。マスタWPTSは、例えば、そのような判定を行い、解消するようスレーブWPTSにシグナリングすることに関与してもよい。判定は、対になったWPRCからのビーコンの1つまたは複数の受信特性における変化に基づいて行われてもよい。例として、人間は、この直接経路を遮断するWPTSおよび対になったWPRCのうちの1つの見通し線に移動していることがある。遮断されたWPTSは、マスタWPTSに更新された条件をシグナリングしてもよく、マスタWPTSは、遮断されたWPTSが仮想WPTSから除去されるように、仮想WPTSを解消すると判定してもよい。加えてまたは代わりに、仮想WPTSは、完全に解消されなくてもよいが、むしろ、遮断されたWPTSのみを除去するように更新されてもよく、または仮想WPTSは、完全に解消されてもよく、方法700は、どのWPTSが新たな仮想WPTSを形成するよう協働するべきであると判定するよう、710において再度開始してもよい。
【0056】
図7に表された例示的な方法およびステップの特定の順序は、限定することを意図していない。図7に表されたステップは、並び替えられてもよく、組み合わされてもよく、省略されてもよく、再分割されてもよく、または修正されてもよく、なおも本明細書で説明される実施形態の範囲内にあることができる。
【0057】
以下の説明は、ローカルクロックの位相における差を補償するようシステムにおける他のアンテナと同期された無線電力伝送のためにアンテナを較正する詳細を提供する。アンテナごとに位相オフセットを較正することによって、システムは、対になったWPRCの位置において信号が建設的に干渉することを保証することができる。WPTS内でアンテナにわたって上記較正を実行する実施形態についての更なる詳細について、本明細書で参照することによってその内容が以下に組み込まれる、2017年5月16日に出願され、「TECHNIQUES FOR CALIBRATING WIRELESS POWER TRANSMISSION SYSTEMS FOR OPERATION IN MULTIPATH WIRELESS POWER DELIVERY ENVIRONMENTS」と題する米国特許出願第15/596,661号を参照されたい。
【0058】
図8は、システムにおける他のアンテナと同期された伝送のためにアンテナを較正する例示的なシステム800を表す図である。図8は、それぞれのアンテナに結合された局部発振器、LO,calを含む、較正ユニット(calibration unit)、Cal.unitを示す。図8は更に、局部発振器、LO,ref、それぞれの位相反転回路(phase invertor)、およびそれぞれのアンテナを含む、基準ユニット820、Ref.ant.を表す。図8は更に、局部発振器、LO,n、それぞれの位相反転回路、およびそれぞれのアンテナを含む、テスト対象デバイス(device under test)830、#n ant.を表す。局部発振器は、それぞれのデバイスに対するクロックソースとしての役割を果たしてもよい。表されるデバイスからのそれぞれの伝送は、それぞれの局部発振器の位相、または表されるデバイスのクロックソースの位相に基づいている。図8は更に、それぞれの局部発振器によって導入された位相に従った、較正ユニット80、基準ユニット820、およびテスト対象デバイス830に/から伝送された様々な信号を示す。その局部発振器によって導入された位相シフトが基準ユニット820の位相シフトと一致するように、テスト対象デバイス830からの伝送を較正することによって、システムは、基準ユニット820およびテスト対象デバイス830にわたって同期された伝送を達成することができる。
【0059】
較正ユニット810は、基準ユニット820およびテスト対象デバイス830のそれぞれによって受信された伝送を送信してもよい。伝送は、基準ユニット820において受信されるとき、φB,refの位相シフトを含んでもよい。伝送は、テスト対象デバイス830において受信されるとき、φB,nの位相シフトを含んでもよい。その局部発振器に対して基準ユニット820において受信される位相は、φB,ref~φLO,refとして表現されてもよい。その局部発振器に対してテスト対象デバイス830において受信される位相は、φB,n~φLO,nとして表現されてもよい。それらの信号は次いで、それらのそれぞれの局部発振器のそれぞれの位相に再度基づいて、反転されてもよく、較正ユニット810に再度伝送されてもよい。よって、基準ユニット820は、-φB,ref+2φLO,refの位相シフトを有する信号を伝送してもよく、テスト対象デバイス830は、-φB,n+2φLO,nの位相シフトを有する信号を伝送してもよい。基準ユニット820からの伝送は、較正ユニット810において受信されるとき、2φLO,refの位相シフトを有する受信される伝送を結果としてもたらす、-φB,ref+2φLO,refに加算されるφB,refの別の位相シフトを含んでもよい。テスト対象デバイス830からの伝送は、較正ユニット810において受信されるとき、2φLO,nの位相シフトを有する受信される信号を結果としてもたらす、-φB,n+2φLO,nに加算されるφB,nの別の位相シフトを含んでもよい。較正ユニット810と基準ユニット820との間のこのラウンドトリップ伝送と共に、較正ユニット810とテスト対象デバイス830との間のラウンドトリップ伝送を通じて、その後それぞれの局部発振器によって導入された位相シフトに対して既知の関係を有する伝送を受信するので、較正ユニットは、基準ユニット820およびテスト対象デバイス830のそれぞれの発振器またはクロックソースによって導入された位相シフトを判定するために十分な情報を収集することが可能である。較正ユニット810は次いで、テスト対象デバイスがその発振器またはクロック、位相を+2(φLO,ref~φLO,n)だけ調節することができ、その結果、テスト対象デバイス830によって伝送される信号が基準ユニット820から伝送される信号と整合されるように、テスト対象デバイス830にクロック信号情報を提供してもよい。
【0060】
図8に関して上記説明された較正は、複数のWPTSシステム内のいずれかのアンテナに適用されてもよい。単一のWPTS内で、アンテナごとに位相シフトを適切に補償するために、全てのアンテナおよびそれらのそれぞれの局部発振器にわたって較正が必要とされることがある。この例示的なシナリオでは、WPTSのアンテナは、基準アンテナとして設計されてもよく、残りのアンテナは、基準アンテナに関して各々が較正されるテスト対象デバイスとして設計されてもよい。この例では、較正ユニットは、較正を目的として特に設計された別のWPTS、WPRC、または較正ユニットであってもよい。
【0061】
本明細書で説明されるように、仮想WPTSを形成するために、仮想WPTSを形成する全てのWPTSにわたって伝送を較正する必要性が存在することがある。例えば、第1のWPTSに対して第2のWPTSのアンテナからの伝送を較正する必要性が存在することがある。この例示的なシナリオでは、図8に表され、および上記説明された較正が適用されてもよい。2つのWPTSに対し、第1のWPTS内での全てのアンテナのクロック位相の較正は、その基準アンテナのクロックに対して行われてもよい。同様に、第2のWPTSでの各々のアンテナに結合された各々のクロックの別個の較正も、その基準アンテナのクロックに対して行われてもよい。加えて、第2のWPTSの基準アンテナは、図8に従って第1のWPTSの基準アンテナに対して較正されてもよい。例えば、図8に示されるように、第2のWPTSの基準アンテナは、テスト対象デバイス830であってもよく、第1のWPTSの基準アンテナは、基準ユニット820であってもよい。結果として、第2のWPTSからの伝送を第1のWPTSからの伝送と整合することができるように、第2のWPTSのクロックがオフセットされてもよい。よって、システムは、第1のWPTSに対して第2のWPTSからの全てのアンテナを明示的に較正する必要はないが、第1のWPTSに対して第2のWPTSの基準アンテナを較正することによって、両方のWPTSの全てのアンテナにわたっての較正を効果的に達成することができる。よって、図5~7に表され、およびそれらの関連する説明において説明されたように、仮想WPTSを形成する全てのWPTSの局部発振器またはクロックソースが較正されてもよく、クロック信号情報がWPTSの中で共有されてもよい。
【0062】
図9は、WPRCに無線電力を提供する仮想WPTSとしての役割を果たすよう較正することができる、2つのWPTS、WPTS1およびWPTS2を含む例示的なシステムを表す信号フローチャート900である。この例示的なシステムでは、WPTS1は、マスタWPTSとしての役割を果たしてもよく、更に、図8に表されたものなど、較正ユニット810と共に基準ユニット820としての役割を果たしてもよい。例えば、WPTS1の1つまたは複数のアンテナからの伝送は、較正ユニットアンテナとしての役割を果たしてもよく、WPTS1に含まれる基準アンテナとしての役割を果たすことができる別のアンテナによって受信されてもよい。WPTS1に含まれる基準アンテナは、WPTS1に含まれる1つまたは複数の較正ユニットアンテナに信号を再度伝送してもよい。WPTS2に含まれる基準アンテナは、図8に表されたテスト対象デバイス830などのテスト対象デバイスとしての役割を果たしてもよい。WPTS2からの基準アンテナも、WPTS1に含まれる1つまたは複数の較正ユニットアンテナから伝送を受信してもよく、WPTS1に含まれる1つまたは複数の較正ユニットアンテナに信号を再度伝送してもよい。図8に関して上記説明されたように、WPTS1は、伝送をWPTS1の伝送と整合するようその基準アンテナの位相オフセットを調節することができるように、WPTS2にクロック情報を供給することが可能であってもよい。
【0063】
図9に表されるように、905において、マスタWPTSが選択される。図9に表される例では、WPTS1は、マスタとして選択されてもよい。910において、較正ユニットアンテナとしての役割を果たす1つまたは複数のアンテナは、ビーコンを伝送してもよく、ビーコンは、WPTS2の基準アンテナとして選択されたアンテナおよびWPTS1の基準アンテナとして選択されたアンテナによって受信されてもよい。各々の基準アンテナは、911および912のそれぞれにおいて、受信された位相を検出してもよい。920において、WPTS2は、その基準アンテナにおいて検出された位相のインジケーションをWPTS1に再度伝送してもよい。925において、WPTS1は、検出された位相のインジケーションを保存してもよい。925において、その基準アンテナおよび1つまたは複数の較正ユニットアンテナの両方を含むことができるWPTS1も、1つまたは複数の較正ユニットアンテナからの伝送から、その基準アンテナによって検出された位相を保存してもよい。
【0064】
930において、WPTS1は、連続した位相においてその基準アンテナを介して伝送を送信するようWPTS2を指示してもよい。935において、WPTS2は、連続してインクリメントまたはデクリメントされた位相シフトにより信号を伝送してもよい。例えば、WPTS2の基準アンテナと関連付けられた局部発振器の位相シフトは、連続してインクリメントまたはデクリメントされてもよく、異なる位相シフトを使用する対応する伝送は、WPTS2の基準アンテナによって伝送されてもよい。それらの連続した伝送は、WPTS1の1つまたは複数の較正ユニットアンテナによって受信されてもよい。同時に、WPTS1の基準アンテナは、WPTS1の1つまたは複数の較正ユニットアンテナによって受信される信号を伝送してもよい。WPTS2の基準アンテナからの連続した伝送およびそれと同時のWPTS1の基準アンテナからの伝送がWPTS1の1つまたは複数の較正ユニットアンテナによって受信されるので、940において、基準アンテナの両方からの受信された電力の合計が判定される。940において、WPTS2の基準アンテナからの連続した伝送の全体を通じて位相シフトがインクリメントまたはデクリメントされるので、連続した伝送ごとに受信された電力レベルが判定される。1つまたは複数の較正ユニットアンテナにおける受信された電力のピークは、連続した伝送から選択された特定の伝送に対応してもよく、WPTS2の基準アンテナからの選択された伝送の位相シフトは、WPTS1の基準アンテナからの伝送の位相により実質的に較正される。945において、ピーク電力に対応する位相シフトが判定される。
【0065】
950において、WPTS1は、ピーク電力に対応する較正位相シフトのインジケーションをWPTS2と共有する。960において、WPTS1およびWPTS2は、仮想WPTSとしての役割を果たしてもよく、較正された伝送をWPRCに同時に送信してもよい。961において、WPTS1は、較正位相シフトのインジケーションを使用して、WPRCに電力を指向的に伝送してもよいと共に、962において、WPTS2は、較正位相シフトのインジケーションを使用して、電力を同時かつ指向的に伝送してもよく、その結果、WPTS2からの伝送は、WPRCの位置においてWPTS1からの伝送と建設的に干渉する。
【0066】
図10は、WPRCに無線電力を提供する仮想WPTSとしての役割を果たすよう較正される、2つのWPTS、WPTS1およびWPTS2を含む別の例示的なシステムを表す信号フローチャート1000である。この例示的なシステムでは、WPTS1は、マスタWPTSおよび図8に表されたものなどの基準ユニット820としての役割を果たしてもよい。WPRCは、図8に表された較正ユニット810などの較正ユニットとしての役割を果たしてもよい。WPTS2は、図8に表されたテスト対象デバイス830などのテスト対象デバイスとしての役割を果たしてもよい。例えば、WPRCに含まれる1つまたは複数の較正ユニットアンテナからの伝送は、WPTS1に含まれる基準アンテナによって受信されてもよい。WPTS1に含まれる基準アンテナとしての役割を果たすアンテナは、WPRCに含まれる1つまたは複数の較正ユニットアンテナに信号を再度伝送してもよい。WPTS2に含まれる基準アンテナも、WPRCに含まれる1つまたは複数の較正ユニットアンテナから伝送を受信してもよく、WPRCに含まれる1つまたは複数の較正ユニットアンテナに信号を再度伝送してもよい。図8に関して上記説明されたように、WPTS1は次いで、伝送をWPTS1の伝送と整合するようその基準アンテナの位相オフセットを調節することができるように、WPTS2にクロック情報を供給することが可能であってもよい。図10がWPRCを表すが、示された較正処理を実行するために、WPRCの代わりに、専用較正ユニットまたは別のWPTSが使用されてもよい。
【0067】
図10に表されるように、1001において、マスタWPTSが選択される。図10に表される例では、WPTS1は、マスタとして選択されてもよい。1005において、WPRCは、ビーコンを伝送してもよく、ビーコンは、WPTS2の基準アンテナおよびWPTS1の基準アンテナによって受信されてもよい。各々の基準アンテナは、1011および1012のそれぞれにおいて、受信された位相を検出してもよい。1015において、WPTS2は、その基準アンテナにおいて検出された位相のインジケーションをWPTS1に再度伝送してもよい。1020において、WPTS1は、1011および1012からの検出された位相のインジケーションを保存してもよい。
【0068】
1025において、WPTS1は、連続した位相においてその基準アンテナを介して伝送を送信するようWPTS2を指示してもよい。1035において、WPTS2は、連続してインクリメントまたはデクリメントされた位相シフトにより信号を伝送してもよい。例えば、WPTS2の基準アンテナと関連付けられた局部発振器の位相シフトは、連続してインクリメントまたはデクリメントされてもよく、異なる位相シフトを使用する対応する伝送は、WPTS2の基準アンテナによって伝送されてもよい。それらの連続した伝送は、WPRCによって受信されてもよい。同時に、1030において、WPTS1の基準アンテナは、WPRCからの受信されたビーコンに基づいた位相により信号を伝送してもよい。WPTS2の基準アンテナからの連続した伝送1035およびそれと同時のWPTS1の基準アンテナからの伝送1030がWPRCによって受信されるので、1040において、基準アンテナの両方からの伝送からの受信された電力の合計が判定される。1040において、WPTS2の基準アンテナからの連続した伝送の全体を通じて位相シフトがインクリメントまたはデクリメントされるので、連続した伝送ごとに受信された電力レベルが判定される。WPRCにおける受信された電力のピークは、連続した伝送1035から選択された特定の伝送に対応してもよく、WPTS2の基準アンテナからの選択された伝送の位相シフトは、WPTS1の基準アンテナからの伝送の位相により実質的に較正される。1045において、受信された電力データのインジケーションは、WPRCからWPTS1に伝送される。1050において、ピーク電力に対応する位相シフトが判定される。
【0069】
1055において、WPTS1は、ピーク電力に対応する較正位相シフトのインジケーションをWPTS2と共有する。1060において、WPTS1およびWPTS2は、仮想WPTSとしての役割を果たしてもよく、較正された伝送をWPRCに同時に送信してもよい。1061において、WPTS1は、較正位相シフトのインジケーションを使用して、WPRCに電力を指向的に伝送してもよいと共に、1062において、WPTS2は、較正位相シフトのインジケーションを使用して、電力を同時かつ指向的に伝送してもよく、その結果、WPTS2からの伝送は、WPRCの位置においてWPTS1からの伝送と建設的に干渉する。
【0070】
再度、上記言及されたように、図10に表されるWPRCは代わりに、較正を目的とした専用較正ユニットまたは別のWPTSであってもよい。較正が達成されることに成功すると、WPTS1およびWPTS2は、任意選択の方式においてWPRCに電力を無線伝送することができる仮想WPTSを形成することができる。
【0071】
2つのWPTSおよびWPRCが図9および図10に表されたが、いずれかの数のWPTSが使用されてもよい。その上、上記言及されたように、WPTS1およびWPTS2を較正するために別個の較正ユニットが使用されてもよい。別個の較正ユニットは、WPTS1、WPTS2、またはWPRCと共位置にある必要はない。
【0072】
特徴および要素が特定の組み合わせで上記説明されたが、当業者は、各々の特徴または要素が単独で使用されてもよく、または他の特徴および要素とのいずれかの組み合わせで使用されてもよいことを認識するであろう。加えて、本明細書で説明される方法は、コンピュータまたはプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにおいて実装されてもよい。コンピュータ可読媒体の例は、電気信号(有線接続または無線接続を通じて伝送される)&&コンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、それらに限定されないが、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体、ならびにCD-ROMディスク、およびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体を含む。WPTSまたはWPRCを実装するために、ソフトウェアと関連するプロセッサが使用されてもよい。
図1
図2
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図5A
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図6A
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図7
図8
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図10