(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】電子機器および電子機器の制御方法
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20231212BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20231212BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20231212BHJP
【FI】
G02B7/02 E
G02B7/08 Z
G03B17/02
(21)【出願番号】P 2022115725
(22)【出願日】2022-07-20
(62)【分割の表示】P 2018078067の分割
【原出願日】2018-04-16
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】奥野 良治
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-097438(JP,A)
【文献】国際公開第2015/045059(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02ー7/16
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、
前記操作部の操作位置を検出可能な位置検出手段と、
振動を発生させる振動手段と、
前記位置検出手段から出力された検出信号を用いて計測された前記操作部の操作に関する情報に基づいて、前記振動手段の駆動を制御する制御手段と、を有する電子機器であって、
前記制御手段は、前記操作部の操作速度が所定値より速い場合、前記振動手段を現在の振動の振幅または周波数が減少しないように駆動させ、前記操作部の操作速度が前記所定値より遅い場合、前記振動手段を現在の振動の振幅または周波数が減少するように駆動させ、
前記制御手段は、前記位置検出手段による前記操作部の所定の操作位置の検出回数に基づいて、設定値を変更することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記設定値は、絞り値または焦点距離の一方である請求項
1に記載の電子機器。
【請求項3】
操作部の操作位置を検出する位置検出工程と、
振動を発生させる振動工程と、
前記位置検出工程で出力された検出信号を用いて計測された前記操作部の操作に関する情報に基づいて、前記振動工程における振動を制御する制御工程と、を有する電子機器の制御方法であって、
前記制御工程では、前記操作部の操作速度が所定値より速い場合、現在の振動の振幅または周波数が減少しないように駆動を制御し、前記操作部の操作速度が前記所定値より遅い場合、現在の振動の振幅または周波数が減少するように駆動を制御するように振動を制御し、
前記制御工程では、前記位置検出工程による前記操作部の所定の操作位置の検出回数に基づいて、設定値を変更することを特徴とする電子機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部の操作位置情報に連動して振動発生手段を用いて振動を発生させることでユーザに振動感触を伝える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、操作部の操作に応じて振動発生手段により振動を発生させることで振動感触を変化させる電子機器が提案されている。特許文献1には、操作リングを手動回転させた際、操作リングに振動子を接触させ、操作リングに係る接触摩擦力がクリック感となるように振動子を制御する駆動制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の駆動制御装置では、操作リングに接触させた振動子で摩擦力を発生させているが、振動子が発生させる人感振動を用いるだけでも、人感振動の強弱でクリック感触に変わる疑似的な感触を得ることができる。振動を発生させる振動発生手段として、様々な手段が考案されているが、手段ごとに振動の振幅が人感不能な振幅から人感可能な振幅に到達するまでに必要な応答時間は異なる。特許文献1の駆動制御装置において応答時間が長い振動発生手段を用いる場合、操作リングの操作速度が速いと、振動子による振動の振幅が人感可能な振幅に到達せず、ユーザが振動子による操作リングに係る摩擦力や振動を感じることができない。また、人感可能な振動を発生させるためには、振幅のみならず、周波数も重要である。振動の周波数が人感可能な周波数に到達していない場合も、振動発生手段で振動を発生させてもユーザが振動を感じることができない場合がある。
【0005】
本発明は、操作部の操作速度が速い場合でも振動発生手段に依存することなく、適切な振動感触を伝えることが可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の他の側面としての電子機器は、操作部と、前記操作部の操作位置を検出可能な位置検出手段と、振動を発生させる振動手段と、前記位置検出手段から出力された検出信号を用いて計測された前記操作部の操作に関する情報に基づいて、前記振動手段の駆動を制御する制御手段と、を有する電子機器であって、前記制御手段は、前記操作部の操作速度が所定値より速い場合、前記振動手段を現在の振動の振幅または周波数が減少しないように駆動させ、前記操作部の操作速度が前記所定値より遅い場合、前記振動手段を現在の振動の振幅または周波数が減少するように駆動させ、前記制御手段は、前記位置検出手段による前記操作部の所定の操作位置の検出回数に基づいて、設定値を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作部の操作速度が速い場合でも振動発生手段に依存することなく、適切な振動感触を伝えることが可能な電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る電子機器の一例であるデジタルカメラの外観斜視図である。
【
図2】正面側カバーユニットの構成を説明する図である。
【
図3】正面側カバーユニットの構成を説明する図である。
【
図4】2つのフォトリフレクタの操作ダイアルの操作位置ごとの検出信号を示す図である。
【
図7】第1の実施形態と第2の実施形態のシーケンスである。
【
図8】PR1の検出信号、振動の振幅および設定値切り替わりのタイミングチャートである。
【
図9】第1の実施形態の制御を使用した場合の焦点モード時のタイミングチャートである。
【
図11】第2の実施形態の制御を使用した場合の焦点モード時のタイミングチャートである。
【
図17】第4の実施形態の制御を使用した場合の焦点モード時のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1を用いて、本発明の実施形態に係る電子機器の一例であるデジタルカメラ100の主な構成部品を説明する。
図1は、デジタルカメラ100の外観斜視図である。
図1(a)は、デジタルカメラ100を正面側(被写体側)から見た図である。
図1(b)は、デジタルカメラ100を背面側(ユーザ側)から見た図である。本実施形態では、デジタルカメラ100に具備された後述する撮影レンズユニット105が向く方向を正面側(被写体側)、逆向きを背面側(ユーザ側)としている。なお、本実施形態では、電子機器の一例として、デジタルカメラ100について説明するが、本発明はこれに限定されず、ユーザに振動感触を伝える機能を有する電子機器に適用可能である。
【0012】
デジタルカメラ100の外装は、正面側カバー101、背面側カバー102、上面側カバー103および底面側カバー104により形成されている。デジタルカメラ100の正面側には、正面側カバー101から正面側に突出するように撮影レンズユニット105が設けられている。
【0013】
撮影レンズユニット105は、複数のレンズからなる撮影レンズ群、レンズ駆動手段、シャッター駆動手段および撮像手段を有する。レンズ駆動手段は、撮影レンズ群の一部を撮影レンズ群の光軸Lに沿って移動させて焦点距離調整を行う焦点駆動手段、および撮影レンズ群の一部を光軸Lに沿って移動させて撮影倍率変更駆動を行う変倍駆動手段が含まれる。撮像手段は、CCDなどの光学センサーを含み、撮影レンズ群を通過し光学センサーに集光された光を画像情報に変換する。シャッター駆動手段は、撮影レンズ群の光路の一部に設置されており、光路をシャッターで開閉することで撮像手段に集光する光量が適正になるように調節する。
【0014】
正面側カバー101は、デジタルカメラ100の正面を構成している正面側カバーユニット120の部品取付け母体の役割を担っている。正面側カバーユニット120は、操作部である操作ダイアル110を具備している。操作ダイアル110は、撮影レンズユニット105の周囲に配置され、撮影レンズユニット105の光軸L回りに回動可能である。ユーザは、操作ダイアル110を操作して、操作位置を変更することで、ダイアル機能設定手段109で設定されたデジタルカメラ100の撮影機能に対応する設定値を変更可能である。なお、本実施形態では、操作ダイアル110は、両方向へ無限回転操作可能であるが、有限往復回転操作可能であってもよい。また、操作部として、操作ダイアル110の代わりに、往復直進操作可能な操作部を用いてもよい。
【0015】
上面側カバー103には、主電源スイッチ106、レリーズスイッチ107、ズームスイッチ108およびダイアル機能設定手段109が設けられている。主電源スイッチ106が押されると、デジタルカメラ100の電源ON/OFFが切り替わる。レリーズスイッチ107が押されると、撮影レンズユニット105を介して撮像手段によって光学情報が画像情報に変換され、画像情報は不図示の記憶媒体に記録される。ズームスイッチ108は、レリーズスイッチ107を中心に所定の角度内を回動可能であり、
図1(a)に示される中立位置で保持されるように付勢されている。ズームスイッチ108を第1回転端側に回転させて広角側に撮影レンズ群の一部を移動させ、第2回転端側に回転させて望遠側に撮影レンズ群の一部を移動させる。デジタルカメラ100の撮影機能は、ユーザが選択したダイアル機能設定手段109の位置に応じて設定される。設定可能な機能は、例えば、ユーザが絞り値を選択可能な「絞りモード」や、ユーザが焦点距離を選択可能な「焦点モード」などである。
【0016】
背面側カバー102には、例えば、液晶ユニットなどで構成される表示手段111がユーザ側を向いて設けられている。表示手段111は、撮影レンズユニット105により取得された画像情報を表示したり、デジタルカメラ100の各種設定状況を表示したり、デジタルカメラ100に着脱可能な不図示の記憶手段に記録された画像情報を読み出して表示したりする。背面グリップ119は、背面側カバー102に固定されており、ユーザが右手でデジタルカメラ100を保持した場合に、右手親指を置くための保持部である。
【0017】
図2を用いて、正面側カバーユニット120の構成を説明する。
図2は、正面側カバーユニット120の構成を説明する図である。
図2(a)は、正面側カバーユニット120を背面側から見た斜視図である。
図2(b)は、正面側カバーユニット120の分解斜視図である。
【0018】
正面側カバー101の背面側には、樹脂で成形されたフレーム113およびパルス環114が設けられている。フレーム113は、正面側に突出した円筒部113aの外径部を正面側カバー101の開口部101aの内径部に嵌合させた状態で、両面テープ112により正面側カバー101に貼り付けられている。円筒部113aの内径側は開口しており、この開口に、正面側から操作ダイアル110がフレーム113に対して回動可能に挿入されている。フレーム113は、正面側から操作ダイアル110で、背面側からパルス環114で挟まれるように配置されている。パルス環114には、正面側に突出した係止穴114aが複数設けられている。また、パルス環114には、等角度間隔で同形状の空隙114bが設けられている。操作ダイアル110には、複数の係止穴114aに対応する位置に後述する係止部110aが設けられている。係止部110aが係止穴114aに係止されることで、操作ダイアル110とパルス環114は一体となり、操作ダイアル110が回転するとパルス環114もフレーム113に対して回転する。
【0019】
位置検出手段116は、操作ダイアル110の操作位置を検出する。位置検出手段116は、2つのフォトリフレクタを有する基板部116aと、2つのフォトリフレクタにより取得された検出情報を不図示の制御手段に転送するフレキシブル基板部116bとを備える。基板部116aは、保持部材115とともに、ビス118でフレーム113に固定されている。本実施形態では、基板部116aの2つのフォトリフレクタを用いて、パルス環114の空隙114bの有無を検出することで、操作ダイアル110の操作位置を検出する。操作ダイアル110の操作位置の検出方法は、フォトインタラプタを用いる等、他にも様々な方法があるが、操作ダイアル110の操作位置を検出可能であれば方法は問わない。
【0020】
振動手段117は、フレーム113に密着しており、不図示の制御手段に電気的に接続されている。振動手段117は、デジタルカメラ100の外観の少なくとも一部に、人感可能な振動を発生させることが可能である。振動手段117として、例えば、ピエゾアクチュエータ、リニアアクチュエータ、超音波モータ、または錘を回転中心から偏心させて取り付けてある偏心モータなどが用いられる。
【0021】
図3を用いて、振動手段117の振動伝搬経路を説明する。
図3は、正面側カバーユニット120の構成を説明する図である。
図3(a)は、正面側カバーユニット120の背面図である。
図3(b)は、
図3(a)のA-A部の断面図である。
【0022】
パルス環114は、円筒部114cとフランジ部114dが一体で形成されている。円筒部114cの端部には、複数の係止穴114aが設けられている。フランジ部114dには、等角度間隔で同形状の空隙114bが設けられている。操作ダイアル110とフランジ部114dでフレーム113の前後を挟み、係止穴114aと係止部110aが係止されることで、一体である操作ダイアル110とパルス環114の前後方向の動きが規制される。操作ダイアル110は、背面側に延びた円筒部110bを備える。円筒部110bの外径部を円筒部113aの内径部に嵌合させることで、操作ダイアル110の回転中心を光軸Lとした径方向の動きが規制される。
【0023】
振動手段117が振動すると、振動がフレーム113に直接伝搬する。円筒部113aと円筒部110bは嵌合しているので、フレーム113から操作ダイアル110に振動が伝わる。また、フレーム113と正面側カバー101は両面テープ112で接着されているので、フレーム113に伝わった振動の一部は正面側カバー101にも伝わる。したがって、ユーザは、操作ダイアル110だけに限らず、デジタルカメラ100を保持している他の外装部において、振動感触を得ることができる。振動手段117をフレーム113に設けるのではなく、背面グリップ119に接触するデジタルカメラ100の内面側に設けても構わない。振動手段117は、ユーザがデジタルカメラ100を直接保持する可能性が高い場所に、振動が減衰しないように介在部品を少なくした状態で配置されることが望ましい。
【0024】
図4を用いて、位置検出手段116で操作ダイアル110の操作位置を検出する方法を説明する。
図4は、2つのフォトリフレクタの操作ダイアル110の操作位置ごとの検出信号を示している。以下の説明では、2つのフォトリフレクタをPR1、PR2とする。空隙114bは、光軸Lを中心とした360度を等分割した回転角A度ごとにフランジ部114dに設けられている。回転角A度を1周期とする。フランジ部114dには、角度A/2度の空隙114bと、空隙114bに挟まれた角度A/2度の中実部が連続して設けられている。すなわち、1/2周期ごとに空隙114bと中実部が交互に配置されている。PR1とPR2は、回転中心である光軸Lに対して角度3A/4度(3/4周期)離れて、同一回転円周上の位置を検出可能に配置されている。PR1、PR2は、空隙114bを検出する場合、光が空隙114bから抜けて反射光を検出できないため、暗信号(LO)を出力する。PR1、PR2は、中実部を検出する場合、反射光を検出できるため、明信号(HI)を出力する。
【0025】
本実施形態では、「初期」において、PR1がHI、PR2がLOを出力する位置から操作ダイアル110の操作位置検出が開始されるものとして説明する。「1/8周期回転」において、操作ダイアル110が矢印方向へ1/8周期操作されてパルス環114も一体で回転する。PR1はHIからLOへの切り替わり(H→L)を示す検出信号を出力し、PR2はLOを出力する。以下、「2/8周期回転」から「9/8周期回転」において、1/8周期ごとに矢印方向へ操作ダイアル110が操作されると、PR1とPR2が出力する検出信号は
図4のように変化していく。「初期」から1周期回転する直前の「7/8周期回転」まで、PR1とPR2の検出信号のパターンは全て異なっている。そのため、PR1とPR2による現在の検出情報と、操作ダイアル110を操作させることで出力される次の検出情報とを比較することで回転方向(操作方向)を検出可能である。仮に、PR1またはPR2がHIからLOまたはLOからHIに切り替わる境目を検出し、検出信号がHIかLOかの判断が困難である場合、判定不可としておき、次のPR1とPR2による検出信号により回転方向を検出可能である。
【0026】
また、「1/8周期回転」のPR1で検出される空隙114bの端部であるHIからLOへの切り替わり時の時間を、操作ダイアル110の操作の経過時間Tの計測開始時間と決定する。本実施形態では、計測開始時間から操作ダイアル110の同一方向回転で「9/8周期回転」で再び出現したPR1のHIからLOへの切り替わり時の時間までの時間間隔(切り替わり時間間隔)Taを計測する。切り替わり時間間隔Taは、操作ダイアル110を所定距離だけ移動させた際の操作時間と言い換えることができる。HIからLOへの切り替わりは回転角A度ごとに検出されるため、切り替わり時間間隔Taを計測することで、間接的に操作ダイアル110の回転角速度(操作速度)を検出可能である。なお、本実施形態では、切り替わり時間間隔Taの測定にPR1を用いたが、PR2を用いても構わない。また、切り替わり時間間隔Taを計測する際に、所定方向回転時にHIからLOへの切り替わりを基準としたが、LOからHIへの切り替わりを基準にしても構わない。また、本実施形態では、パルス環114と2つのフォトリフレクタを用いて操作ダイアル110の操作方向と操作速度を検出する方法について説明したが、他の方法を用いて操作ダイアル110の操作方向と操作速度を検出してもよい。
【0027】
図5を用いて、デジタルカメラ100の電気回路を説明する。
図5は、デジタルカメラ100の電気回路図である。電池などの電源501は、制御手段509に接続されている。制御手段509には、時間を測定するための計時手段が内蔵されている。計時手段は、操作ダイアル110の操作の経過時間や操作ダイアル110の操作時間を計測する際に用いられる。制御手段509は、変倍駆動を行う場合、変倍駆動手段503を介して撮影レンズ群502A、502Bを駆動し、焦点距離調整駆動を行う場合、焦点駆動手段505を介して撮影レンズ群502Bのみを駆動する。また、制御手段509は、シャッター駆動手段510を介してシャッター510aを駆動させ、開口径と開口時間を制御することで、撮像手段504が露光する光量を調節する。撮像手段504は、センサーであり、制御手段509に光学情報から変換した画像情報を送る。制御手段509は、位置検出手段116の検出情報と制御手段509に内蔵されている計時手段の結果に基づいて、振動手段117の駆動を制御する。記憶手段506には、あらかじめ操作ダイアル110の位置情報や、様々な撮影に必要な情報が記憶されており、制御手段509によって適宜必要な情報の読み出し、必要な情報の記憶が行われる。記憶手段508は、可搬記録メディアであり、デジタルカメラ100にあらかじめ具備されているI/Oポート507に着脱可能に接続されている。制御手段509は、デジタルカメラ100で撮影された画像情報を記憶手段508に記録したり、記憶手段508に記録されている画像情報を読み出して表示手段111に表示したりする。ダイアル機能設定手段109および位置検出手段116は、制御手段509に接続されている。制御手段509は、位置検出手段116から受信する検出信号に変化が生じた場合、ダイアル機能設定手段109で選択された撮影機能に応じて設定値を変更する。主電源スイッチ106、レリーズスイッチ107およびズームスイッチ108は、制御手段509に接続されている。
[第1の実施形態]
図6および
図7を用いて、制御手段509により実行される、本実施形態のシーケンスを説明する。
図6および
図7は、本実施形態のシーケンスである。本実施形態では、操作ダイアル110による焦点距離の切り替えでは、操作ダイアル110の回転角A度の操作ごとに設定値が切り替えられる。一方、操作ダイアル110による絞り値の切り替えでは、操作ダイアル110の回転角2A度の操作ごとに設定値が切り替えられる。
【0028】
ステップS601では、制御手段509は、主電源スイッチ106のONが検出されたかどうかを判定する。ONが検出された場合、ステップS602に進み、ONが検出されていない場合、ステップS601の処理を繰り返す。
【0029】
ステップS602では、制御手段509は、記憶手段506に記憶されている撮影機能を確認する。
【0030】
ステップS603では、制御手段509は、撮影機能がステップS602で確認された撮影機能からダイアル機能設定手段109によって変更されたかどうかを判定する。撮影機能が変更された場合、ステップS604に進み、撮影機能が変更されていない場合、ステップS607に進む。本実施形態では、ユーザは、焦点距離を選択可能な「焦点モード」とシャッターの絞り値を選択可能な「絞りモード」を設定可能である。
【0031】
ステップS604では、制御手段509は、撮影機能が「焦点モード」に設定されているかどうかを判定する。撮影機能が「焦点モード」に設定されている場合、ステップS605に進み、撮影機能が「焦点モード」に設定されていない場合、ステップS606に進む。
【0032】
ステップS605では、制御手段509は、撮影機能を「焦点モード」として記憶手段506に記憶させる。
【0033】
ステップS606では、制御手段509は、撮影機能を「絞りモード」として記憶手段506に記憶させる。
【0034】
ステップS607では、制御手段509は、所定時間内において、位置検出手段116から出力されるPR1の検出信号の変化が検出されたかどうかを判定する。検出信号の変化が検出された場合、すなわちユーザにより操作ダイアル110の操作が開始された場合、ステップS619に進み、検出信号の変化が検出されていない場合、ステップS608に進む。
【0035】
ステップS619では、制御手段509は、PR1からHI/LOの切り替わりを示す検出信号(切り替わり信号)を受信したかどうかを判定する。切り替わり信号を受信した場合、ステップS620に進み、HI/LOの切り替わり位置を検出していない場合、ステップS608に進む。切り替わり信号は、操作ダイアル110の順方向回転ではHIからLOへの切り替わりの検出時、逆方向回転ではLOからHIへの切り替わりの検出時に出力される検出信号である。
【0036】
ステップS620では、制御手段509は、切り替わり信号を受信した時間を計測開始時間として、操作ダイアル110の操作の経過時間Tの計測を開始する。
【0037】
ステップS621では、制御手段509は、記憶手段506に記憶されている撮影機能が「絞りモード」であるかどうかを判定する。撮影機能が「絞りモード」である場合、ステップS701に進み、撮影機能が「絞りモード」でない場合、すなわち撮影機能が「焦点モード」である場合、ステップS622に進む。
【0038】
ステップS622では、制御手段509は、HI/LOの切り替わりの切り替わり回数Cを積算する。
【0039】
ステップS623では、制御手段509は、切り替わり回数Cが1であるかどうかを判定する。切り替わり回数Cが1である場合、ステップS624に進み、切り替わり回数Cが1でない場合、すなわち、既にHI/LOの切り替わりが検出された後で次の切り替わりが検出された場合、ステップS629に進む。
【0040】
ステップS624では、制御手段509は、記憶手段506に記憶されている操作ダイアル110の操作位置におけるPR1とPR2のHI/LOの組合せを表す回転位相情報と、PR1とPR2の検出信号の変化とを比較する。これにより、操作ダイアル110の操作方向を検出可能である。
【0041】
ステップS625では、制御手段509は、ステップS624で検出された操作方向を記憶手段506に記憶させる。
【0042】
ステップS626では、制御手段509は、操作ダイアル110の操作方向に合致した焦点距離調整方向へ焦点駆動手段505を駆動させて1段階分の焦点距離設定値の切り替えを行う。切り替えられた設定値は、記憶手段506に記憶される。
【0043】
ステップS627では、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。
【0044】
ステップS628では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0045】
ステップS629では、制御手段509は、操作ダイアル110の現在の操作方向が記憶手段506に記憶されている操作方向と一致しているかどうかを判定する。操作方向が一致している場合、ステップS630に進み、操作方向が一致していない場合、ステップS633に進む。
【0046】
ステップS630では、制御手段509は、操作ダイアル110の回転方向に合致した焦点距離調整方向へ焦点駆動手段505を駆動させて1段階分の焦点距離設定値の切り替えを行う。切り替えられた設定値は、記憶手段506に記憶される。
【0047】
ステップS631では、制御手段509は、切り替わり時間間隔Taを確定する。
【0048】
ステップS632では、制御手段509は、切り替わり回数Cを1に変更する。
【0049】
ステップS633では、制御手段509は、切り替わり回数Cを0に変更する。
【0050】
ステップS634では、制御手段509は、経過時間Tを消去する。
【0051】
ステップS608では、制御手段509は、経過時間Tが所定時間T1より小さいかどうかを判定する。経過時間Tが所定時間T1より小さい場合、ステップS609に進み、経過時間Tが所定時間T1より大きい場合、ステップS612に進む。経過時間Tが所定時間T1と等しい場合、どちらのステップに進むかは任意に設定可能である。なお、経過時間Tの計測が開始されていない場合、経過時間Tは0である。
【0052】
ステップS609では、制御手段509は、振動手段117による現在の振動の振幅Aが、操作者が操作ダイアル110や正面側カバー101等に手や指で触れている際に、振動を感じることが可能(人感可能)な所定の振幅A1と等しいかどうかを判定する。振幅Aが振幅A1と等しい場合、ステップS610に進み、振幅Aが振幅A1と等しくない場合、ステップS602に進む。
【0053】
ステップS610では、制御手段509は、振動手段117を現在の振動の振幅A1が維持されるように振幅維持駆動させる。
【0054】
ステップS611では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0055】
ステップS612では、制御手段509は、経過時間Tが所定時間T1より大きい所定時間T2より小さいかどうかを判定する。経過時間Tが所定時間T2より小さい場合、ステップS613に進み、経過時間Tが所定時間T2より大きい場合、ステップS635に進む。経過時間Tが所定時間T2と等しい場合、どちらのステップに進むかは任意に設定可能である。
【0056】
ステップS613では、制御手段509は、振動手段117による現在の振動の振幅Aが振幅A1と等しいかどうかを判定する。振幅Aが振幅A1と等しい場合、ステップS614に進み、振幅Aが振幅A1と等しくない場合、ステップS602に進む。
【0057】
ステップS614では、制御手段509は、操作ダイアル110の操作速度が極めて遅い、または停止しているに等しいと判定し、振動手段117を振動の振幅が振幅下限値まで減少するように振幅減少駆動させる。振幅下限値は、通常、0に設定されている。
【0058】
ステップS615では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0059】
ステップS635では、制御手段509は、操作ダイアル110は停止しているに等しいと判定し、振動を停止させるために振動手段117を振動の振幅が振幅0まで減少するように振幅減少駆動させる。
【0060】
ステップS636では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0061】
ステップS616では、制御手段509は、経過時間Tを消去する。
【0062】
ステップS617では、制御手段509は、主電源スイッチ106のOFFが検出されたかどうかを判定する。OFFが検出された場合、本シーケンスを終了し、OFFが検出されていない場合、ステップS602に進む。
【0063】
ステップS701では、制御手段509は、切り替わり回数Cを積算する。
【0064】
ステップS702では、制御手段509は、切り替わり回数Cが1であるかどうかを判定する。切り替わり回数Cが1である場合、ステップS703に進み、切り替わり回数Cが1でない場合、ステップS708に進む。
【0065】
ステップS703では、制御手段509は、記憶手段506に記憶されている操作ダイアル110の操作位置におけるPR1とPR2のHI/LOの組合せを表す回転位相情報と、PR1とPR2の検出信号の変化とを比較する。これにより、操作ダイアル110の操作方向を検出可能である。
【0066】
ステップS704では、制御手段509は、ステップS703で検出された操作方向を記憶手段506に記憶させる。
【0067】
ステップS705では、制御手段509は、操作ダイアル110の操作方向と絞り値加減方向を合致させて1段階分の絞り値設定値の切り替えを行う。切り替えられた設定値は、記憶手段506に記憶される。
【0068】
ステップS706では、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように増加駆動させる。
【0069】
ステップS707では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0070】
ステップS708では、制御手段509は、操作ダイアル110の現在の操作方向が記憶手段506に記憶されている操作方向と一致しているかどうかを判定する。操作方向が一致している場合、ステップS710に進み、操作方向が一致していない場合、ステップS709に進む。
【0071】
ステップS709では、制御手段509は、切り替わり回数Cを0に変更する。
【0072】
ステップS710では、制御手段509は、切り替わり時間間隔Taを確定する。
【0073】
ステップS711では、制御手段509は、切り替わり回数Cが2であるかどうかを判定する。切り替わり回数Cが2である場合、ステップS723に進み、切り替わり回数Cが2でない場合、ステップS712に進む。
【0074】
ステップS712では、制御手段509は、操作ダイアル110の操作方向と絞り値加減方向を合致させて1段階分の絞り値設定値の切り替えを行う。切り替えられた設定値は、記憶手段506に記憶される。
【0075】
ステップS713では、制御手段509は、切り替わり回数Cを0に変更する。
【0076】
ステップS714では、制御手段509は、切り替わり時間間隔Taが確定されているかどうかを判定する。切り替わり時間間隔Taが確定されている場合、ステップS715に進み、切り替わり時間間隔Taが確定されていない場合、ステップS608に進む。
【0077】
ステップS715では、制御手段509は、切り替わり時間間隔Taが所定時間T1より小さいかどうかを判定する。切り替わり時間間隔Taが所定時間T1より小さい場合、すなわち操作ダイアル110の操作速度が「速い」場合、ステップS716に進む。一方、切り替わり時間間隔Taが所定時間T1より大きい場合、すなわち操作ダイアル110の操作速度が「遅い」場合、ステップS719に進む。切り替わり時間間隔Taが所定時間T1と等しい場合、どちらのステップに進むかは任意に設定可能である。
【0078】
ステップS716では、制御手段509は、振動手段117による現在の振動の振幅Aが振幅A1と等しいかどうかを判定する。振幅Aが振幅A1と等しい場合、ステップS718に進み、振幅Aが振幅A1と等しくない場合、ステップS717に進む。
【0079】
ステップS717では、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。
【0080】
ステップS718では、制御手段509は、振動手段117を現在の振動の振幅A1が維持されるように振幅維持駆動させる。
【0081】
ステップS719では、制御手段509は、振動手段117による現在の振動の振幅Aが振幅A1と等しいかどうかを判定する。振幅Aが振幅A1と等しい場合、ステップS721に進み、振幅Aが振幅A1と等しくない場合、ステップS720に進む。
【0082】
ステップS720では、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。
【0083】
ステップS721では、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅下限値まで減少するように振幅減少駆動させる。
【0084】
ステップS722では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0085】
ステップS723では、制御手段509は、切り替わり時間間隔Taを消去する。
【0086】
図8を用いて、本実施形態の制御を使用する場合と使用しない場合との違いを説明する。
図8は、PR1の検出信号、振動の振幅および設定値切り替わりのタイミングチャートである。
図8(a)は、本実施形態の制御を使用しない場合の焦点モード時のタイミングチャートである。
図8(b)は、本実施形態の制御を使用した場合の焦点モード時のタイミングチャートである。
図8(c)は、本実施形態を使用した場合の絞りモード時のタイミングチャートである。振動手段117による振動が発生時から振幅A1になるまでの時間(最小応答時間)をTb(>T1)とする。なお、
図8に示される操作ダイアル110の操作は一例である。
【0087】
図8(a)において、時刻T10でHI/LOの切り替わりが検出されると、制御手段509は振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させると同時に、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替える。時刻T10で検出されたHI/LOの切り替わりから時間Tb後に振動手段117による振動の振幅が振幅A1に到達し、ユーザに振動の感触を与える。
【0088】
時刻T11でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tm(=T11-T10)が所定時間T1以上であって所定時間T2未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「遅い」と判定される。制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように増加駆動させると同時に、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替える。
【0089】
時刻T12でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T12-T11)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。時刻T11で開始された振動手段117の振幅増加駆動では、振幅A1まで増加するために必要な時間が不足しているため、振動の振幅は人が感じることのできない振幅A3までしか増加していない。HI/LOの切り替わりが検出されると、制御手段509は1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117を振動の振幅が振幅0から振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。
【0090】
時刻T13でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T13-T12)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。時刻T12で開始された振動手段117の振幅増加駆動では、振幅A1まで増加するために必要な時間が不足しているため、振動の振幅は振幅A3までしか増加していない。HI/LOの切り替わりが検出されると、制御手段509は1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117を振動の振幅が振幅0から振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。
【0091】
上述したように、本実施形態の制御を使用しない場合において、操作ダイアル110の操作速度が「速い」状態が連続すると、設定値は切り替えられるが、振動手段117による振動の振幅が振幅A1に到達できないため、ユーザは振動を感じることができない。
【0092】
図8(b)において、時刻T11までの制御は、
図8(a)の制御と同じである。時刻T12で、HI/LO切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T12-T11)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。時刻T11で開始された振動手段117による振幅増加駆動では、振幅A1まで増加するために必要な時間が不足しているため、振動の振幅は振幅A1に到達していない。本実施形態の制御では、HI/LOの切り替わりが検出されると、制御手段509は1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117が振幅増加駆動中である場合、振幅が振幅A1に到達するまで振動手段117に振幅増加駆動を続行させる。
【0093】
時刻T13で、HI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T13-T12)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替える。また、制御手段509は、振動手段117による振動の振幅が振幅A1である場合、振動手段117を現在の振幅A1が維持されるように振幅維持駆動させる。一方、制御手段509は、振動手段117による振動の振幅が振幅A1でない場合、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。したがって、操作ダイアル110の操作速度が「速い」状態が連続する場合であっても、振動手段117による振動の振幅は振幅A1を維持しやすい。
【0094】
本実施形態の制御では、HI/LOの切り替わり時に操作ダイアル110の操作速度が「速い」場合、かつ振動手段117が振幅増加駆動中や振幅維持駆動中である場合、振動手段117に振幅0からの振動を開始させるのではなく、現在の振動を継続させる。これにより、操作ダイアル110の操作速度が「速い」場合であっても、人感可能な振動を生成可能である。
【0095】
図8(c)において、時刻T10でHI/LOの切り替わりが検出されると、制御手段509は1段階分だけ絞り値設定値を切り替えると同時に、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように増加駆動させる。時刻T10で検出されたHI/LOの切り替わりから時間Tb後に振動手段117による振動の振幅が振幅A1になり、ユーザに振動の感触を与える。
【0096】
時刻T11でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tm(=T11-T10)が所定時間T1以上所定であって時間T2未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「遅い」と判定される。制御手段509は、HI/LOの切り替わりを起因とする駆動設定の変更や、絞り値設定値の切り替えを行わない。これは、本実施形態では、操作ダイアル110の回転角2A度の操作ごとに絞り値設定値が切り替えられるためである。
【0097】
時刻T12でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T12-T11)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ絞り値設定を切り替えると同時に、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。
【0098】
時刻T13でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T13-T12)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。制御手段509は、HI/LOの切り替わりを起因とする駆動設定の変更や、絞り設定値の切り替えを行わない。
【0099】
時刻T14でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T14-T13)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ絞り設定値を切り替える。また、制御手段509は、振動手段117による振動の振幅が振幅A1である場合、振動手段117を現在の振幅A1が維持されるように振幅維持駆動させる。一方、制御手段509は、振動手段117による振動の振幅が振幅A1でない場合、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。
【0100】
本実施形態の制御により、操作ダイアル110が速く操作された場合であっても、ユーザはデジタルカメラ100の振動による小気味良い操作感を感じることができる。
【0101】
図9は、本実施形態の制御を使用した場合の焦点モード時の
図8(b)の時刻T13以後のタイミングチャートである。なお、
図9に示される操作ダイアル110の操作は一例である。
【0102】
時刻T14でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T14-T13)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117による振動の振幅が振幅A1であるため、振動手段117を現在の振幅A1が維持されるように振幅維持駆動させる。
【0103】
時刻T14からHI/LOの切り替わりが検出されることなく、所定時間T1が経過すると、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅下限値まで減少するように振幅減少駆動させる。
【0104】
時刻T15でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tm(=T15-T14)が所定時間T1以上であって所定時間T2未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「遅い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動を行う。時刻T15で検出されたHI/LOの切り替わりから時間Tb後に振動手段117による振動の振幅が振幅A1になり、ユーザに振動の感触を与える。
【0105】
時刻T15からHI/LOの切り替わりが検出されることなく、所定時間T2が経過すると、操作ダイアル110は停止しているに等しいと判定され、制御手段509は経過時間の計測を中止する。
[第2の実施形態]
本実施形態では、振幅下限値を振幅0より大きく、振幅A1より小さい振幅A2に設定する。これにより、振幅増加駆動時に振幅A1まで増加させるまでの時間を短くすることが可能である。振幅A2は、人感不能な振幅であってもよいし、人感可能な振幅であってもよい。振幅A2が人感可能な振幅である場合、操作ダイアル110が操作されていると判定されている間、振幅A2の振動が継続されるので、ユーザは自らの操作がデジタルカメラ100に認識されている安心感がある。また、振幅A1との振幅差を小さくできるため、振幅増加駆動時に振幅A1まで増加させるまでの時間をより短くすることが可能である。
【0106】
図10および
図7を用いて、制御手段509により実行される、本実施形態のシーケンスを説明する。
図10および
図7は、本実施形態のシーケンスである。
図10において、
図6と同一のステップ番号では同一の処理が実行される。本実施形態では、
図6のシーケンスからの変更箇所について説明する。
【0107】
ステップS612で経過時間Tが所定時間T2より大きいと判定された後、ステップS1001では、制御手段509は、操作ダイアル110は停止しているに等しいと判定し、振幅下限値を0に設定する。
【0108】
ステップS1002では、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅下限値まで減少するように振幅減少駆動させる。
【0109】
ステップS1003では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0110】
ステップS607で検出信号の変化が検出されたと判定された後、ステップS1004では、制御手段509は、振幅下限値を振幅A2に設定する。
【0111】
図11を用いて、本実施形態の制御と第1の実施形態の制御との違いを説明する。
図11は、本実施形態の制御を使用した場合の焦点モード時のタイミングチャートである。
【0112】
時刻T10でHI/LOの切り替わりが検出されると、制御手段509は1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。時刻T10で検出されたHI/LOの切り替わりから時間Tb後に振動手段117による振動の振幅が振幅A1になり、ユーザに振動の感触を与える。制御手段509は、振動手段117による振動の振幅が振幅A1に到達したことを認識すると、振動手段117を振動の振幅が振幅下限値である振幅A2まで減少するように振幅減少駆動させる。振動手段117による振動の振幅が振幅A2に到達すると、制御手段509は、振動手段117を現在の振幅A2が維持されるように振幅維持駆動させる。
【0113】
時刻T11でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tm(=T11-T10)が所定時間T1以上であって所定時間T2未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「遅い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117を振幅の振動が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。振幅A2から振幅A1になるように振幅増加駆動が行われるので、振幅A1に到達するために必要な時間を第1の実施形態の制御に比べて短くできる。そのため、焦点距離設定値の切り替えから振幅A1の振動が発生するまでの時間差を小さくすることができる。
【0114】
時刻T12でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T12-T11)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。時刻T11で開始された振動手段117による振幅増加駆動では、振動の振幅が振幅A1に到達するまでに必要な時間が不足しているため、振動の振幅は振幅A1に到達していない。本実施形態の制御では、HI/LOの切り替わりが検出されると、制御手段509は1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117が振幅増加駆動中である場合、振幅が振幅A1に到達するまで振動手段117に振幅増加駆動を続行させる。
【0115】
時刻T13でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T13-T12)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替える。また、制御手段509は、振動手段117による振動の振幅が振幅A1である場合、振動手段117を現在の振幅A1が維持されるように振幅維持駆動させる。一方、制御手段509は、振動手段117による振動の振幅が振幅A1でない場合、振動手段117を振動の振幅が振幅A1まで増加するように振幅増加駆動させる。したがって、操作ダイアル110の操作速度が「速い」状態が連続する場合であっても、振動手段117による振動の振幅は振幅A1を維持しやすい。
【0116】
時刻T14でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T14-T13)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117による振動の振幅が振幅A1であるため、振動手段117を現在の振幅A1が維持されるように振幅維持駆動させる。
【0117】
時刻T14からHI/LOの切り替わりが検出されることなく、所定時間T1が経過すると、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅下限値である振幅A2まで減少するように振幅減少駆動させる。振幅が振幅A2に到達すると、制御手段509は振動手段117を現在の振幅A2が維持されるように振幅維持駆動させる。
【0118】
時刻T15でHI/LOの切り替わりが検出されることなく、所定時間T2が経過すると、操作ダイアル110は停止しているに等しいと判定される。制御手段509は、経過時間の計測を中止し、振幅下限値を振幅A2から振幅0に設定し、振動手段117を振動の振幅が振動下限値まで減少するように振幅減少駆動させる。
【0119】
操作ダイアル110が停止しているに等しいとデジタルカメラ100に認識されると、振動手段117による振動の振幅が0になるので、ユーザは自らの停止操作がデジタルカメラ100に認識されている安心感がある。
[第3の実施形態]
本実施形態では、振幅下限値を、第2の実施形態のように固定値に設定するのではなく、操作ダイアル110の操作に関連する情報を用いて決定される可変値に設定する。操作ダイアル110の操作に関連する情報とは、例えば、操作ダイアル110の操作の有無を知るためのPR1の検出情報と、切り替わり時間間隔の情報である。操作ダイアル110の操作速度が速い場合、振幅下限値を振幅A1に近づけることで、振幅下限値と振幅A1との振幅差を小さくすることができる。そのため、HI/LOの切り替わりの検出から開始される振動手段117の駆動、つまり振動の振幅が振幅下限値から振幅A1に到達し、振幅下限値に戻る一連の動作を短時間で実行可能となる。
【0120】
また、本実施形態では、操作ダイアル110の操作速度が速い場合、振幅が振幅A1に到達すると、振動手段117を振動の振幅を振幅下限値まで減少するように振幅減少駆動させることも可能である。
【0121】
図12および
図13を用いて、制御手段509により実行される、本実施形態のシーケンスを説明する。
図12および
図13は、本実施形態のシーケンスである。
図12において、
図6および
図10と同一のステップ番号では同一の処理が実行される。本実施形態では、
図6および
図10のシーケンスからの変更箇所について説明する。また、
図13において、
図7と同一のステップ番号では同一の処理が実行される。本実施形態では、
図7のシーケンスからの変更箇所について説明する。
【0122】
ステップS607で検出信号の変化が検出されたと判定された後、ステップS1201では、制御手段509は、振幅下限値の設定を行う。
図14は、振幅下限値の設定表の一例である。設定表は、あらかじめ記憶手段506に記憶されている。制御手段509は、操作ダイアル110の動作情報と切り替わり時間間隔とに基づいて、設定表から振幅下限値(0<A4<A5<A6≦A1)を選択する。
【0123】
ステップS609で振幅Aが振幅A1と等しいと判定された後、ステップS1202では、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅下限値まで減少するように振幅減少駆動させる。
【0124】
ステップS716で振幅Aが振幅A1と等しいと判定された後、ステップS1301では、制御手段509は、振動手段117を振動の振幅が振幅下限値まで減少するように振幅減少駆動させる。
【0125】
本実施形態では、操作ダイアル110の最大操作速度におけるHI/LOの切り替わり時間間隔を時間Tminとする。振幅A6は、振動手段117の駆動において、振動の振幅が振幅A6から振幅A1に到達した後、振幅A6に復帰するまでの時間がTmin以下となるように、設定してもよい。この場合、ユーザは、切り替わり時間間隔が時間Tminとなるように操作ダイアル110を操作した場合であっても、振幅A1の連続振動ではなく、振動の振幅A1と振幅A6との差で脈動を感じることができる。
[第4の実施形態]
人感可能な振動の一要素として周波数がある。指先は、特定の領域の周波数を感じることが可能である。また、物体には、固有の共振周波数が存在する。したがって、効果的に人感振動を発生させるためには、振動手段を用いて共振周波数に近い周波数を目標周波数にして振動を発生させればよい。
【0126】
第1から第3の実施形態では、操作ダイアル110の操作に関連する情報を用いて、振動手段117による振動の振幅を変更する方法を説明した。本実施形態では、操作ダイアル110の操作に関連する情報を用いて、振動手段117による振動の周波数を変更する方法を説明する。
【0127】
図15および
図16を用いて、制御手段509により実行される、本実施形態のシーケンスを説明する。
図15および
図16は、本実施形態のシーケンスである。
図15において、
図6、
図10および
図12と同一のステップ番号では同一の処理が実行される。本実施形態では、
図6、
図10および
図12のシーケンスからの変更箇所について説明する。また、
図16において、
図7および
図13と同一のステップ番号では同一の処理が実行される。本実施形態では、
図7および
図13のシーケンスからの変更箇所について説明する。
【0128】
ステップS607で検出信号の変化が検出されたと判定された後、ステップS1501では、制御手段509は、周波数下限値を周波数F2に設定する。周波数F2は、周波数0より大きく、操作者が操作ダイアル110や正面側カバー101等に手や指を触れている際に、振動を感じることが可能(人感可能)な周波数である周波数F1より小さい。
【0129】
ステップS608で経過時間Tが所定時間T1より小さいと判定された後、ステップS1502では、制御手段509は、振動手段117による現在の振動の周波数Fが周波数F1と等しいかどうかを判定する。周波数Fが周波数F1と等しい場合、ステップS1503に進み、周波数Fが周波数F1と等しくない場合、ステップS602に進む。
【0130】
ステップS1503では、制御手段509は、振動手段117を現在の周波数F1が維持されるように周波数維持駆動させる。
【0131】
ステップS1504では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0132】
ステップS612で経過時間Tが所定時間T1より大きい所定時間T2より小さいと判定された後、ステップS1508では、制御手段509は、振動手段117による現在の振動の周波数Fが周波数F1と等しいかどうかを判定する。周波数Fが周波数F1と等しい場合、ステップS1509に進み、周波数Fが周波数F1と等しくない場合、ステップS602に進む。
【0133】
ステップS1509では、制御手段509は、振動手段117を振動の周波数が周波数下限値まで減少するように周波数減少駆動させる。本実施形態では、周波数下限値は0に設定されている。
【0134】
ステップS1510では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0135】
ステップS1505では、制御手段509は、操作ダイアル110は停止しているに等しいと判定し、周波数下限値を0に設定する。
【0136】
ステップS1506では、制御手段509は、振動手段117を振動の周波数が周波数下限値まで減少するように周波数減少駆動させる。
【0137】
ステップS1507では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0138】
ステップS705で設定値が記憶手段506に記憶された後、ステップS1601では、制御手段509は、振動手段117を振動の周波数が周波数F1まで増加するように周波数増加駆動させる。
【0139】
ステップS1602では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0140】
ステップS715で切り替わり時間間隔Taが所定時間T1より小さいと判定された後、ステップS1603では、制御手段509は、振動手段117の現在の振動の周波数Fが周波数F1と等しいかどうかを判定する。周波数Fが周波数F1と等しい場合、ステップS1605に進み、周波数Fが周波数F1と等しくない場合、ステップS1604に進む。
【0141】
ステップS1604では、制御手段509は、振動手段117を振動の周波数が周波数F1まで増加するように周波数増加駆動させる。
【0142】
ステップS1605では、制御手段509は、振動手段117を現在の周波数F1が維持されるように周波数維持駆動させる。
【0143】
ステップS719では、制御手段509は、振動手段117による現在の振動の周波数Fが周波数F1と等しいかどうかを判定する。周波数Fが周波数F1と等しい場合、ステップS1608に進み、周波数Fが周波数F1と等しくない場合、ステップS1607に進む。
【0144】
ステップS1607では、制御手段509は、振動手段117を振動の周波数が周波数F1まで増加するように周波数増加駆動させる。
【0145】
ステップS1608では、制御手段509は、振動手段117を振動の周波数が振幅下限値まで減少するように周波数減少駆動させる。
【0146】
ステップS1609では、制御手段509は、振動手段117の駆動設定を記憶手段506に記憶させる。
【0147】
図17は、本実施形態の制御を使用した場合の焦点モード時のタイミングチャートである。
【0148】
時刻T10でHI/LOの切り替わりが検出されると、制御手段509は1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117を振動の周波数が周波数F1まで増加するように周波数増加駆動させる。時刻T10で検出されたHI/LOの切り替わりから時間Tb後に振動手段117による振動の周波数が周波数F1になり、ユーザに振動の感触を与える。制御手段509は、振動手段117による振動の周波数が周波数F1に到達したことを認識すると、振動手段117を振動の周波数が周波数下限値である周波数F2まで減少するように周波数減少駆動させる。振動手段117による振動の周波数が周波数F2に到達すると、制御手段509は、振動手段117を現在の周波数F2が維持されるように周波数維持駆動させる。
【0149】
時刻T11でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tm(=T11-T10)が所定時間T1以上であって所定時間T2未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「遅い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117を振幅の周波数が周波数F1まで増加するように周波数増加駆動させる。周波数F2から周波数F1になるように周波数増加駆動が行われるので、周波数F1に到達するために必要な時間を周波数0から周波数F1に到達するまでの時間に比べて短くできる。そのため、焦点距離設定値の切り替えから周波数F1の振動が発生するまでの時間差を小さくすることができる。
【0150】
時刻T12でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T12-T11)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。時刻T11で開始された振動手段117による周波数増加駆動では、振動の周波数が周波数F1に到達するために必要な時間が不足しているため、振動の周波数は周波数F1に到達していない。本実施形態の制御では、HI/LOの切り替わりが検出されると、制御手段509は1段階分だけ焦点距離設定値を切り替える。また、制御手段509は、振動手段117が周波数増加駆動中である場合、周波数が周波数F1に到達するまで振動手段117に周波数増加駆動を続行させる。
【0151】
時刻T13でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T13-T12)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替える。また、制御手段509は、振動手段117の振動の周波数が周波数F1である場合、振動手段117を現在の周波数F1が維持されるように周波数維持駆動させる。一方、制御手段509は、振動手段117の振動の周波数が周波数F1でない場合、振動手段117を振動の周波数が周波数F1まで増加するように周波数増加駆動させる。したがって、操作ダイアル110の操作速度が「速い」状態が連続する場合であっても、振動手段117による振動の周波数は周波数F1を維持しやすい。
【0152】
時刻T14でHI/LOの切り替わりが検出され、切り替わり時間間隔Tn(=T14-T13)が所定時間T1未満である場合、操作ダイアル110の操作速度は「速い」と判定される。制御手段509は、1段階分だけ焦点距離設定値を切り替えると同時に、振動手段117の振動の周波数が周波数F1であるため、振動手段117を現在の周波数F1が維持されるように周波数維持駆動させる。
【0153】
時刻T14からHI/LOの切り替わりが検出されることなく、所定時間T1が経過すると、制御手段509は、振動手段117を振動の周波数が周波数下限値である周波数F2まで減少するように周波数減少駆動させる。周波数が周波数F2に到達すると、制御手段509は振動手段117を現在の周波数F2が維持される周波数維持駆動させる。
【0154】
時刻T15でHI/LOの切り替わりが検出されることなく、所定時間T2が経過すると、操作ダイアル110は停止しているに等しいと判定される。制御手段509は、経過時間の計測を中止し、周波数下限値を周波数F2から周波数0に設定し、振動手段117を振動の周波数が周波数下限値まで減少するように周波数減少駆動させる。
【0155】
操作ダイアル110が停止しているに等しいとデジタルカメラ100に認識されると、振動手段117による振動の周波数が0になるので、ユーザは自らの停止操作がデジタルカメラ100に認識されている安心感がある。
【0156】
なお、本実施形態では、周波数下限値を固定値としているが、切り替わり時間間隔によって変更させてもよい。
図18は、周波数下限値の設定表の一例である。設定表は、あらかじめ記憶手段506に記憶されている。制御手段509は、操作ダイアル110の動作情報と切り替わり時間間隔とに基づいて、設定表から周波数下限値(0<F4<F5<F6≦F1)を選択する。
【0157】
第1の実施形態で説明したように、操作ダイアル110に割り当てられた機能に応じて、HI/LOの切り替わりの検出回数に応じて、振動の発生の有無を決めたり、設定値切り替えの有無を決めたりしてもよい。
【0158】
また、第1から第4の実施形態では、ダイアル機能設定手段109で選択可能な機能として、「絞りモード」と「焦点モード」を説明したが、本発明はこれに限定されない。撮影時のシャッター速度の選択、撮影レンズユニット105の変倍位置の選択、および撮像手段504のISO感度調整値選択など、デジタルカメラ100の機能の変更に用いるものをダイアル機能設定手段109で選択可能としてもよい。
【0159】
また、本実施形態では、位置検出手段116と制御手段509に内蔵された計時手段を用いて、操作ダイアル110の所定距離の操作に掛かる時間から操作ダイアル110の操作速度を算出しているが、本発明はこれに限定されない。直接的または間接的に操作ダイアル110の操作速度や操作の有無の経過時間を知りえることが可能であれば、他の方法を用いても構わない。
【0160】
また、第1から第3の実施形態では、振幅を検出したり振幅を変更させる例を示し、第4の実施形態では、周波数を検出したり周波数を変更させる例をそれぞれ個別で示したが、振幅と周波数の検出や制御を合わせて行っても構わない。
【0161】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0162】
100 デジタルカメラ
110 操作ダイアル
116 位置検出手段
117 振動手段
509 制御手段