(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】多機能発音装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
B06B1/04 S
(21)【出願番号】P 2022210830
(22)【出願日】2022-12-27
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】202220844013.7
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(73)【特許権者】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】肖 波
(72)【発明者】
【氏名】孔 晨亮
(72)【発明者】
【氏名】章 ▲統▼
(72)【発明者】
【氏名】令狐 ▲榮▼林
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0247960(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0128195(US,A1)
【文献】特開2008-245483(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0094161(US,A1)
【文献】特開2017-006901(JP,A)
【文献】特開2017-094317(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0177244(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0016874(US,A1)
【文献】特開2018-014871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能発音装置であって、
収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容された発音単体とを含み、前記発音単体は、前記ハウジング内に収容された振動システムと、前記振動システムの振動発音を駆動する磁気回路システムとを含み、
前記多機能発音装置は、振動子アセンブリと、前記振動子アセンブリを前記収容空間に懸架支持して前記振動子アセンブリに弾性復元力を提供する弾性支持アセンブリとをさらに含み、
前記弾性支持アセンブリは、前記振動子アセンブリと前記ハウジングとの間に設置された少なくとも1つの弾性支持部材を含み、前記弾性支持部材は、前記振動子アセンブリに固定された第1支持アームと、前記第1支持アームの対向する両端から折り曲げられて延在する折曲部と、前記折曲部の前記第1支持アームから離れる一端から前記第1支持アームから離れる方向に延在しかつそれぞれ前記ハウジングに固定された第2支持アームとを含み、
前記折曲部に肉盛り部材が設置され、前記折曲部と前記肉盛り部材との厚さの和は、前記第1支持アーム及び前記第2支持アームの厚さよりも大き
く、
前記振動子アセンブリは、質量ブロック及び振動子コイルを含み、前記弾性支持部材は、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記質量ブロックの対向する両側に設置され、前記質量ブロックは、前記質量ブロックの振動方向に沿って凸設された凸型ブロックを含み、前記弾性支持部材は、前記凸型ブロックによって前記質量ブロックに固定される、ことを特徴とする多機能発音装置。
【請求項2】
前記肉盛り部材は、前記折曲部の前記振動子アセンブリに近接する側の面に貼り合わせるように設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能発音装置。
【請求項3】
前記肉盛り部材は、前記折曲部と一体成形される、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能発音装置。
【請求項4】
前記弾性支持部材は、一体成形される、ことを特徴とする請求項3に記載の多機能発音装置。
【請求項5】
前記質量ブロックは、底壁及び前記底壁から前記振動システムに向かって折り曲げられて延在する側壁を含み、前記振動子アセンブリは振動子コイルを含み、前記底壁には収容キャビティが設置され、前記振動子コイルは、前記収容キャビティに嵌設され、かつ前記磁気回路システムと対応して間隔を隔てて設置される、ことを特徴とする請求項
1に記載の多機能発音装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記振動子アセンブリの振動システムから離れる側に設置された底板と、前記底板と共に前記収容空間を取り囲む上ハウジングとを含み、前記質量ブロックにはスルーホールが貫通して設置され、前記底板には、前記質量ブロックの方向に向かってアーチが設けられており、前記アーチは、前記スルーホールを通って前記磁気回路システムと当接する、ことを特徴とする請求項
1に記載の多機能発音装置。
【請求項7】
前記ハウジングの前記弾性支持部材との接続箇所には、溶接シートが設置されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の多機能発音装置。
【請求項8】
前記弾性支持部材は、金属部材又はプラスチック部材である、ことを特徴とする請求項1に記載の多機能発音装置。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の多機能発音装置を含む、ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ技術分野に関し、特に多機能発音装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子消費製品の迅速な更新及び電子技術の発展に伴い、電子機器で振動を生成するために一般的に使用される多機能発音装置は、移動通信端末、医療保健装置などの分野においてますます応用されている。多機能発音装置は機体の振動によりユーザーに注意を喚起することができ、機体の振動を利用して利用者の使用感を改善することもできる。
【0003】
従来技術における多機能発音装置は、一般的に固定子システム、振動子アセンブリ、弾性支持アセンブリ及びハウジングを含み、弾性支持アセンブリは、振動子アセンブリを支持してそれをハウジング内に懸架させるために用いられるが、従来の弾性支持アセンブリは、一般的に、屈曲した脆弱部を有し、当該部分に応力が比較的に集中し、長期の振動運転で破断しやすく、多機能発音装置の耐用寿命及び使用安定性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、従来技術における多機能発音装置の耐用年数が短く、使用安定性が低いという問題を解決するために、多機能発音装置及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
多機能発音装置であって、前記多機能発音装置は、収容空間を有するハウジングと、前記収容空間内に収容された発音単体とを含み、前記発音単体は、前記ハウジング内に収容された振動システム、及び前記振動システムの発音を駆動する磁気回路システムを含み、
前記多機能発音装置は、振動子アセンブリと、前記振動子アセンブリを前記収容空間に懸架支持しかつ前記振動子アセンブリに弾性復元力を提供する弾性支持アセンブリとをさらに含み、
前記弾性支持アセンブリは、前記振動子アセンブリと前記ハウジングとの間に設置された少なくとも1つの弾性支持部材を含み、前記弾性支持部材は、前記振動子アセンブリに固定された第1支持アームと、前記第1支持アームの対向する両端から折り曲げられて延在する折曲部と、前記折曲部の第1支持アームから離れる一端から前記第1支持アームから離れる方向に延在しかつそれぞれハウジングに固定された第2支持アームとを含み、
前記折曲部には肉盛り部材が設置され、前記折曲部と前記肉盛り部材との厚さの和は、前記第1支持アーム及び前記第2支持アームの厚さより大きい。
【0006】
可能な設計において、前記肉盛り部材は、前記折曲部の前記振動子アセンブリに近接する側の表面に貼り合わせるように設けられる。
【0007】
可能な設計において、前記肉盛り部材は、前記折曲部と一体成形される。
【0008】
可能な設計において、前記弾性支持部材は、一体成形される。
【0009】
可能な設計において、前記振動子アセンブリは、質量ブロック及び振動子コイルを含み、前記弾性支持部材は、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記質量ブロックの対向する両側に設置され、前記質量ブロックは、前記質量ブロックの振動方向に沿って凸設された凸型ブロックを含み、前記弾性支持部材は、前記凸型ブロックにより前記質量ブロックに固定される。
【0010】
可能な設計において、前記質量ブロックは、底壁と、前記底壁から前記振動システムに向かって折り曲げられて延在する側壁とを含み、前記振動子アセンブリは、振動子コイルを含み、前記底壁には収容キャビティが設置され、前記振動子コイルは、前記収容キャビティに嵌設されかつ前記磁気回路システムと対応して間隔を隔てて設置される。
【0011】
可能な設計において、前記ハウジングは、前記振動子アセンブリの前記振動システムから離れる側に設置された底板と、前記底板と共に前記収容空間を取り囲む上ハウジングとを含み、前記質量ブロックにはスルーホールが貫通して設置され、前記底板は、前記質量ブロックの方向に向かってアーチが設けられており、前記アーチは、前記スルーホールを通って前記磁気回路システムと当接する。
【0012】
可能な設計において、前記ハウジングは、前記弾性支持部材との接続箇所に溶接シートが設置される。
【0013】
可能な設計において、前記弾性支持部材は、金属部材又はプラスチック部材である。
【発明の効果】
【0014】
本発明が提供する多機能発音装置は、肉盛り部材を設置することにより、弾性支持部材の構造強度を向上させ、弾性支持アセンブリの支持剛性を効果的に増加させ、多機能発音装置の低次モードを向上させ、さらに、従来技術における多機能発音装置の耐用年数が短く、使用安定性が低いという問題を解決することができる。
【0015】
本発明は電子機器をさらに提供し、前記電子機器は、上記いずれか一項に記載の多機能発音装置を含む。理解されるように、電子機器は、上記いずれか一項に記載の多機能発音装置を含むため、上記多機能発音装置の利点を有することは明らかである。
【0016】
本発明の実施例の他の特徴及び利点は、以下の明細書に記載され、その説明から部分的に明らかになり、又は本発明の実施例を実施することにより理解される。本発明の実施例の目的及び他の利点は、明細書及び図面で特に指摘された構造により実現されかつ取得される。
【0017】
本発明な実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は本発明な実施例だけであり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0018】
ここでの図面は、明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示し、かつ明細書と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例が提供する多機能発音装置の斜視図である。
【
図2】本発明の実施例が提供する多機能発音装置の下ハウジングを取り外した構成を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施例が提供する多機能発音装置の分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施例が提供する多機能発音装置のA-A線に沿う断面模式図である。
【
図5】本発明の実施例が提供する弾性支持部材の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の技術案をよりよく理解するために、以下は、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0021】
説明した実施例は、本発明の実施例の一部にすぎず、すべての実施形態ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0022】
本発明の実施例で使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的とし、本発明を限定する意図はない。本発明の実施例および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1種」、および「当該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数の形を含むことも意図される。
【0023】
本明細書で使用される用語“及び/又は”は、関連オブジェクトの関連関係を説明するだけであり、3種類の関係が存在してもよく、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、AとBが同時に存在し、Bが単独で存在するという3種類の状況が存在すると理解されるべきである。なお、ここで符号「/」とは、一般に、前後関連オブジェクトが「または」の関係であることを意味する。
【0024】
なお、本発明の実施例に記載の「上」、「下」、「左」、「右」等の向きを示す用語は、図面の示す角度から記載したものであり、本発明実施例を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、この文脈では、ある要素が別の要素に「上」または「下」に接続されていると記載される場合、他の要素に「上」または「下」に直接接続することができるだけでなく、中間要素を介して、別の要素の「上」または「下」に間接的に接続されてもよいと理解されるべきである。
【0025】
以下は本発明の実施例が提供する多機能発音装置の構造に基づき、その具体的な実施例を説明する。
【0026】
多機能発音装置100における弾性支持部材41は、振動子アセンブリ2を収容空間に懸架支持し、かつ振動子アセンブリ2に弾性復元力を提供し、ハウジング1の収容空間11の大きさ及振動子アセンブリ2の具体的な構造に制限され、弾性支持部材41は、振動子アセンブリ2とハウジング1との間に折り曲げられて設置することを必要とする場合が多く、このようにして、振動子アセンブリ2の長期間の振動過程において、弾性支持部材41の折曲部413は長期の往復応力を受け、当該応力の大きさは振動子アセンブリ2と磁気回路システムとの引力及び反発力に関連する。長期間の振動では、弾性支持部材41の折曲部413に疲労破壊が発生しやすく、さらに多機能発音装置100全体の故障を引き起こし、また、多機能発音装置100が徐々に小型化されるので、弾性支持部材41が破断後の修理も極めて困難である。したがって、構造強度が高く、破損しにくい弾性支持部材41を設計することは、多機能発音装置100の設計者が早急に解決する必要がある問題である。
【0027】
これに鑑みて、本発明は多機能発音装置100を提供し、
図1~
図5に示すように、多機能発音装置100は、収容空間11を有するハウジング1と、収容空間11内に収容された発音単体5とを含み、発音単体5は、ハウジング1内に収容された振動システム51、及び振動システム51の発音を駆動する磁気回路システムを含み、多機能発音装置100は、振動子アセンブリ2と、振動子アセンブリ2を収容空間に懸架支持しかつ振動子アセンブリ2に弾性復元力を提供する弾性支持アセンブリ4とをさらに含み、弾性支持アセンブリ4は、振動子アセンブリ2とハウジング1との間に設置された少なくとも1つの弾性支持部材41を含み、弾性支持部材41は、振動子アセンブリ2に固定された第1支持アーム411と、第1支持アーム411の対向する両端から折り曲げられて延在する折曲部413と、折曲部413の第1支持アーム411から離れる一端から第1支持アーム411から離れる方向に延在しかつそれぞれハウジング1に固定された第2支持アーム412とを含み、折曲部413には肉盛り部材414が設置され、折曲部413と肉盛り部材414との厚さの和は、第1支持アーム411及び第2支持アーム412の厚さより大きい。
【0028】
ハウジング1は方形体のハウジング1であってもよく、その内部に方形の収容空間11が開設されてもよく、磁気回路システムは収容空間11内に固定設置され、振動システム51は弾性支持アセンブリ4を介して収容空間11内に懸架され、振動システム51は磁気回路システムから一定の距離をあけることにより、振動システム51が動くと、磁気回路システムと干渉することを回避することができる。
【0029】
磁気回路システムに一般的な磁性部品(例えば磁石)が設置されてもよく、磁気回路システムの主な目的は、振動システム51内のコイルが通電すると磁気回路システムと相互作用する力が生成されるように、定常磁界を提供することであり、磁気回路システムが固定的に設置され、振動システム51が懸架設置されるため、振動システム51は通電コイルの駆動で動く。
図5に示すように、弾性支持部材41は、一つ又は複数設置されてもよく、複数の弾性支持部材41は、弾性支持アセンブリ4を構成する。弾性支持部材41は、第1支持アーム411の対向する両端から折り曲げられて延在する折曲部413と、折曲部413の第1支持アーム411から離間する一端から第1支持アーム411から離れる方向に延在しかつそれぞれハウジング1に固定された第2支持アーム412とを含む。第1支持アーム411と第2支持アーム412は、互いに一定の夾角をなして設置され、すなわち第1支持アーム411と第2支持アーム412との接続部に折曲部413が折り曲げられて形成され、当該夾角を設置することにより、弾性支持部材41の靭性を増大させるだけでなく、振動システム51とハウジング1との間の隙間をよりよく適応することができる。
【0030】
第2支持アーム412の第1支持アーム411から離間する一端にハウジング1と接続された第2固定部412aが設置され、第1支持アーム411に振動システム51と接続された第1固定部411aが設置され、第1固定部411aと第2固定部412aは、リベット接合、係着、溶接などの一般的な接続構造であってもよく、安定な接続を保証すればよい。
【0031】
肉盛り部材414は、直方体構造であってもよく、それは折曲部413上に設置されてもよく、具体的には、肉盛り部材414は、折曲部413の内面又は折曲部413の外面に設置されてもよい。肉盛り部材414を設置することによって、折曲部413の構造強度を向上させ、弾性支持アセンブリ4の支持剛性を効果的に増加させ、従来技術における多機能発音装置100の耐用年数が短く、使用安定性が低いという問題を解決することができる。
【0032】
そのうちの1つの実施例において、肉盛り部材414は、折曲部413の振動子アセンブリ2に近接する側の面に貼り合わせるように設けられる。
【0033】
肉盛り部材414と折曲部413は、それぞれ独立して製造して、両者の製造が完了した後に接着などの接続手段で接続固定することができ、両者が互いに貼り合わせたあと、折曲部413の構造強度を向上させ、弾性支持アセンブリ4の支持剛性を効果的に増加させることができる。本実施例において、肉盛り部材414と折曲部413は、二つの独立した部分であるため、肉盛り部材414の形状構造を柔軟にトリミングして調整することができ、それにより折曲部413をよく貼り合わせて支持することができ、肉盛り部材414の適応性及び安定性を向上させる。
【0034】
そのうちの1つの実施例において、肉盛り部材414は、折曲部413と一体成形される。
【0035】
肉盛り部材414は、折曲部413とプレス、射出、ダイカストなどの方式で一体成形することができ、具体的には、弾性支持部材41の製造工程中に、製造金型を調整することで、肉盛り部材414と折曲部413とが一体成形することができ、このようにして、肉盛り部材414と折曲部413の全体性を向上させ、ここでの構造強度をさらに向上させ、かつ一体成形技術により、組み立てプロセスが削減され、コストが節約することができる。
【0036】
そのうちの1つの実施例において、弾性支持部材41は、一体成形される。
【0037】
弾性支持部材41の全体構造は、プレス、射出、ダイカストなどの方式で一体成形されてもよく、具体的には、弾性支持部材41の製造工程中に、その製造金型を一体成形するように調整することができ、このようにして、弾性支持部材41の全体性を向上させ、弾性支持部材41の構造強度をさらに向上させ、かつ一体成形技術により、組み立てプロセスが削減され、コストが節約することができる。
【0038】
以上では、弾性支持部材41は、振動システム51をハウジング1の収容空間11内により安定して懸架することができ、かつ弾性支持部材41の構造強度をさらに向上させる。
【0039】
そのうちの1つの実施例において、
図3及び
図4に示すように、振動子アセンブリ2は、質量ブロック22及び振動子コイル21を含み、弾性支持部材41は、質量ブロック22の振動方向に沿って質量ブロック22の対向する両側に設置され、質量ブロック22には、質量ブロック22の振動方向に沿って凸型ブロック23が凸設され、弾性支持部材41は、凸型ブロック23を介して質量ブロック22に固定される。
【0040】
ハウジング1は、2つの第1側壁12、第1側壁12に接続されかつ対向して設置された2つの第2側壁13によって共に囲まれてもよく、さらに、ハウジング1は、第1側壁12及び第2側壁13の上方に設置された天板14と、第1側壁12及び第2側壁13の下方に設置された底板15とをさらに含み、天板14と底板15は、収容空間11を封止するために用いられ、振動子アセンブリ2はハウジング1内に懸架され、振動子アセンブリ2は質量ブロック22及び振動子コイル21を含み、質量ブロック22は方形ブロック構造であってもよく、2つの弾性支持部材41は、それぞれ質量ブロック22の振動方向に沿って質量ブロック22の対向する両側に設置される。質量ブロック22の両端にそれぞれ2つの凸型ブロック23が設置され、2つの凸型ブロック23は、質量ブロック22の振動方向に沿って設置されかつそれぞれ2つの弾性支持部材41と固定され、固定方式は、溶接、リベット接合、接着などであってもよい。
【0041】
本実施例において、対向して設置された2つの弾性支持部材41がさらに設置され、2つの弾性支持部材41を介してそれぞれ2つの凸型ブロック23と接続されるため、振動子アセンブリ2をハウジングの収容空間11内にスムーズに懸架することができ、それにより振動子アセンブリ2の振動安定性を向上させる。弾性支持部材41は、同時に2つの第2側壁13及び振動子アセンブリ2に接続され、振動子アセンブリ2が受ける支持力をよりバランスさせ、接続安定性をさらに向上させる。
【0042】
そのうちの1つの実施例において、質量ブロック22は、底壁と、前記底壁から前記振動システム51に向かって折り曲げられて延在する側壁とを含み、振動子アセンブリ2は、振動子コイル21を含み、底壁に収容キャビティ221が設置され、振動子コイル21は、収容キャビティ221内に嵌設されかつ磁気回路システムと対応して間隔を隔てて設置される。
【0043】
図3及び
図4に示すように、振動子コイル21の軸線方向は、質量ブロック22の振動方向に垂直であり、振動子コイル21の数は、1つ又は複数設置されてもよく、質量ブロック22内には振動子コイル21を収容するための収容キャビティ221が設置され、磁気回路システムは、振動システム51と間隔を隔てて設置される磁性鋼アセンブリ31を含み、磁気回路システムにおける磁性鋼アセンブリ31と振動システム51とは、一定の距離を隔てる。
【0044】
磁性鋼アセンブリ31は、複数のサイズが異なり、極性の配置が同じ又は異なる磁石を含むことができ、例えば磁性鋼アセンブリ31は、中心位置に位置する主磁性鋼311、及び主磁性鋼311の周囲に位置する副磁性鋼312を含むことができ、その具体的な配置形式と磁界強度は、実際の状況に応じて選択される。このようにして、通電過程において振動子コイル21は、力を受けて、質量ブロック22が移動するように駆動する。
【0045】
そのうちの1つの実施例において、ハウジング1は、振動子アセンブリ2の振動システム51から離間する側に設置された底板15と、底板15と共に取り囲んで収容空間を形成する上ハウジングとを含み、質量ブロック22にスルーホール222が設置され、底板15には、質量ブロック22の方向に向かってアーチ151が設置され、アーチ151は、スルーホール222を通って磁気回路システムと当接する。
【0046】
図4に示すように、上ハウジングは、対向して設置された2つの第1側壁12と、第1側壁12に接続されかつ対向して設置された2つの第2側壁13とを含むことができ、振動時の安定性を向上させるために、質量ブロック22は、その中部にスルーホール222が設置され、底板15には質量ブロック22に向かってアーチ151が設置され、アーチ151は、底板15の中部が上向きに突起したボス構造であってもよく、アーチ151は、スルーホール222を通って磁気回路システムと当接する。
【0047】
そのうちの1つの実施例において、ハウジング1は、弾性支持部材41との接続箇所に溶接シート16が設置される。
【0048】
図1及び
図2に示すように、ハウジング1に溶接シート16が設置されるにより、弾性支持部材41とハウジング1との接続を容易にすることができ、接続の安定性及び接続時の利便性を向上させる。
【0049】
そのうちの1つの実施例において、弾性支持部材41は、金属部材又はプラスチック部材である。弾性支持部材41はプラスチック材質を採用すると、コストを節約することができ、かつプラスチックは高い靭性を有し、弾性支持部材41の耐用年数を保証することができる。弾性支持部材41は、例えば、鉄、アルミニウムなどの金属材料を採用してもよく、金属材質の弾性支持部材41の構造強度が高く、弾性支持部材41の耐用年数を保証することもできる。
【0050】
そのうちの1つの実施例において、ハウジング1内に収容された振動システム51は、振動コイル511と、振動コイル511に接続された発音振動膜512とを含み、振動システム51は、さらに発音振動膜512に対して支持作用を果たす支持板513を含んでもよく、磁性鋼アセンブリ31は、複数の磁石を含み、磁石の間に磁気ギャップを有し、振動コイル511は磁石の磁束範囲内に設置され、振動コイル511は配線板を介して接続されてもよく、それにより振動コイル511は交流電力に通電することができ、振動コイル511が通電すると、振動コイル511に磁性鋼アセンブリ31と吸引又は反発する力が発生し、振動コイル511は、力を受けて発音振動膜512が振動するように駆動し、さらに音を発する。
【0051】
本発明は電子機器をさらに提供し、電子機器は上記いずれか一項に記載の多機能発音装置100を含む。理解できるように、電子機器は上記いずれか一項に記載の多機能発音装置100を含むため、上記多機能発音装置100の利点を有することは明らかである。具体的には、多機能発音装置100は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、車載機、POS端末、携帯音楽プレーヤ、スマートブレスレット、スマートウォッチ、拡張現実デバイス又は仮想現実デバイス等の製品に適用することができる。
【0052】
上記したのは、本発明の好ましい実施例だけであるが、本発明を制限せず、本発明の精神及び原則内に応じて行われるいかなる変更、同等変化、又は改善などは、いずれも本発明の保護範囲内にあるべきである。
【符号の説明】
【0053】
100、多機能発音装置、1、ハウジング、11、収容空間、12、第1側壁、13、第2側壁、14、天板、15、底板、151、アーチ、16、溶接シート、2、振動子アセンブリ、21、振動子コイル、22、質量ブロック、221、収容キャビティ、222、スルーホール、23、凸型ブロック、3、固定子システム、31、磁性鋼アセンブリ、311、主磁性鋼、312、副磁性鋼、4、弾性支持アセンブリ、41、弾性支持部材、411、第1支持アーム、411a、第1固定部、412、第2支持アーム、412a、第2固定部、413、折曲部、414、肉盛り部材、5、発音単体、51、振動システム、511、振動コイル、512、発音振動膜、513、支持板。