(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】通信制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 36/00 20090101AFI20231212BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20231212BHJP
H04W 76/20 20180101ALI20231212BHJP
【FI】
H04W36/00
H04W16/26
H04W76/20
(21)【出願番号】P 2022521779
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(86)【国際出願番号】 JP2021015617
(87)【国際公開番号】W WO2021229997
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2020083477
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
【審査官】久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】Huawei,Inter IAB donor-CU topology adaptation,3GPP TSG RAN WG3 #106 R3-196995,2019年11月08日
【文献】Qualcomm Incorporated (Mediator),Rel-17 IAB email discussion - report,3GPP TSG RAN #86 RP-193094,2019年12月08日
【文献】Intel Corporation,IAB lossless delivery of UL data with hop-by-hop ARQ,3GPP TSG RAN WG3 #106 R3-197464,2019年11月09日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース基地局からターゲット基地局に対して中継ノードのハンドオーバ又は接続再確立を行う通信制御方法であって、
前記中継ノードの分散ユニットと前記ソース基地局との間に確立されたフロントホール接続に関するフロントホール設定情報を前記ソース基地局が前記ターゲット基地局に送信することを有する
通信制御方法。
【請求項2】
前記フロントホール設定情報を送信することは、前記フロントホール設定情報を含む要求メッセージを前記ソース基地局が前記ターゲット基地局に送信することを含み、
前記要求メッセージは、前記フロントホール接続を前記ソース基地局から前記ターゲット基地局に再配置することを要求するためのメッセージである
請求項1に記載の通信制御方法。
【請求項3】
前記要求メッセージを前記ターゲット基地局が受信することと、
前記要求メッセージに対する応答メッセージを前記ターゲット基地局が前記ソース基地局に送信することと、をさらに有し、
前記応答メッセージは、前記フロントホール設定情報に対する修正内容を示すフロントホール修正情報及び前記ターゲット基地局のIPアドレスのうち少なくとも一方を含む
請求項2に記載の通信制御方法。
【請求項4】
前記応答メッセージを前記ソース基地局が受信することと、
前記応答メッセージに含まれる情報を含むフロントホール再配置メッセージを前記ソース基地局が前記中継ノードに送信することと、をさらに有する
請求項3に記載の通信制御方法。
【請求項5】
前記フロントホール接続を前記ソース基地局から前記ターゲット基地局に再配置することを要求するための再配置要求を前記中継ノードが前記ターゲット基地局に送信することをさらに有する
請求項1に記載の通信制御方法。
【請求項6】
前記再配置要求の受信に応じて、前記フロントホール設定情報を取得するための要求メッセージを前記ターゲット基地局が前記ソース基地局に送信することと、
前記要求メッセージの受信に応じて、前記フロントホール設定情報を含む通知メッセージを前記ソース基地局が前記ターゲット基地局に送信することと、をさらに有する
請求項5に記載の通信制御方法。
【請求項7】
前記中継ノードのユーザ装置機能部と前記ソース基地局との間に確立されたRRC接続を前記ターゲット基地局に移すためのRRC(Radio Resource Control)再設定メッセージを、前記ソース基地局が前記中継ノードに送信することと、
前記RRC再設定メッセージに対応する完了通知メッセージを前記中継ノードが前記ターゲット基地局に送信することと、をさらに有し、
前記再配置要求を送信することは、前記再配置要求を含む前記完了通知メッセージを送信することを含む
請求項5又は6に記載の通信制御方法。
【請求項8】
前記中継ノードが、前記ソース基地局と前記中継ノードとの間の無線バックホールリンクの障害を検知することと、
前記障害が検知された後、RRC(Radio Resource Control)再確立に関するRRC再確立関連メッセージを前記中継ノードが前記ターゲット基地局に送信することと、をさらに有し、
前記再配置要求を送信することは、前記再配置要求を含む前記RRC再確立関連メッセージを送信することを含む
請求項5又は6に記載の通信制御方法。
【請求項9】
ソース基地局からターゲット基地局に対して、子中継ノードを有する親中継ノードのハンドオーバを行う通信制御方法であって、
前記子中継ノードのコンテクスト情報を前記ソース基地局が前記ターゲット基地局に転送することと、
前記コンテクスト情報に基づいてRRC(Radio Resource Control)再設定メッセージを前記ターゲット基地局が前記親中継ノードを介して前記子中継ノードに送信することと、を有する
通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、セルラ通信システムで用いる通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、IAB(Integrated Access and Backhaul)ノードと呼ばれる新たな中継ノードの導入が検討されている。1又は複数の中継ノードが基地局とユーザ装置との間の通信に介在し、この通信に対する中継を行う。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様に係る通信制御方法は、ソース基地局からターゲット基地局に対して中継ノードのハンドオーバ又は接続再確立を行う通信制御方法であって、前記中継ノードの分散ユニットと前記ソース基地局との間に確立されたフロントホール接続に関するフロントホール設定情報を前記ソース基地局が前記ターゲット基地局に送信することを有する。
【0004】
第2の態様に係る通信制御方法は、ソース基地局からターゲット基地局に対して、子中継ノードを有する親中継ノードのハンドオーバを行う通信制御方法であって、前記子中継ノードのコンテクスト情報を前記ソース基地局から前記ターゲット基地局に転送することと、前記コンテクスト情報に基づいてRRC(Radio Resource Control)再設定メッセージを前記ターゲット基地局が前記親中継ノードを介して前記子中継ノードに送信することとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】一実施形態に係るセルラ通信システムの構成を示す図である。
【
図2】IABノードと親ノード(Parent nodes)と子ノード(Child nodes)との関係を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る基地局の構成を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る中継ノードの構成を示す図である。
【
図5】一実施形態に係るユーザ装置の構成を示す図である。
【
図6】一実施形態に係るプロトコルスタックの構成を示す図である。
【
図7】F1-Uプロトコルに関するプロトコルスタックを示す図である。
【
図8】F1-Cプロトコルに関するプロトコルスタックを示す図である。
【
図9】一実施形態に係るセルラ通信システムの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、中継ノードがソース基地局からターゲット基地局に対するハンドオーバ又は接続再確立を円滑に行うことを可能とすることを目的とする。
【0007】
図面を参照しながら、一実施形態に係るセルラ通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0008】
(セルラ通信システムの構成)
まず、一実施形態に係るセルラ通信システムの構成について説明する。
図1は、一実施形態に係るセルラ通信システム1の構成を示す図である。
【0009】
セルラ通信システム1は、3GPP規格に基づく第5世代(5G)セルラ通信システムである。具体的には、セルラ通信システム1における無線アクセス方式は、5Gの無線アクセス方式であるNR(New Radio)である。但し、セルラ通信システム1には、LTE(Long Term Evolution)が少なくとも部分的に適用されてもよい。
【0010】
図1に示すように、セルラ通信システム1は、5Gコアネットワーク(5GC)10と、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、基地局(gNBと呼ばれる)200と、IABノード300とを有する。IABノード300は、中継ノードの一例である。
【0011】
以下において、基地局がNR基地局である一例について主として説明するが、基地局がLTE基地局(すなわち、eNB)であってもよい。
【0012】
5GC10は、AMF(Access and Mobility Management Function)11及びUPF(User Plane Function)12を有する。AMF11は、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う装置である。AMF11は、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100が在圏するエリアの情報を管理する。UPF12は、ユーザデータの転送制御等を行う装置である。
【0013】
各gNB200は、固定の無線通信ノードであって、1又は複数のセルを管理する。セルは、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。セルは、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語として用いられることがある。1つのセルは1つのキャリア周波数に属する。
【0014】
各gNB200は、NGインターフェイスと呼ばれるインターフェイスを介して5GC10と相互に接続される。
図1において、5GC10に接続された2つのgNB200-1及びgNB200-2を例示している。
【0015】
各gNB200は、Xnインターフェイスと呼ばれる基地局間インターフェイスを介して、隣接関係にある他のgNB200と相互に接続される。
図1において、gNB200-1がgNB200-2と接続される一例を示している。
【0016】
各gNB200は、集約ユニット(CU:Central Unit)と分散ユニット(DU:Distributed Unit)とに分割されていてもよい。CU及びDUは、F1インターフェイスと呼ばれるインターフェイスを介して相互に接続される。F1プロトコルは、CUとDUとの間の通信プロトコルであって、制御プレーンのプロトコルであるF1-CプロトコルとユーザプレーンのプロトコルであるF1-Uプロトコルとがある。
【0017】
セルラ通信システム1は、バックホールにNRを用いて、NRアクセスの無線中継を可能とするIABをサポートする。ドナーgNB200-1は、ネットワーク側のNRバックホールの終端ノードであり、IABをサポートする追加機能を備えたgNB200である。バックホールは、複数のホップ(すなわち、複数のIABノード300)を介するマルチホップが可能である。
【0018】
図1において、IABノード300-1がドナーgNB200-1と無線で接続し、IABノード300-2がIABノード300-1と無線で接続し、F1プロトコルが2つのバックホールホップで伝送される一例を示している。
【0019】
UE100は、セルとの無線通信を行う移動可能な無線通信装置である。UE100は、gNB200又はIABノード300との無線通信を行う装置であればどのような装置であっても構わない。例えば、UE100は、携帯電話端末、タブレット端末、ノートPC、センサ若しくはセンサに設けられる装置、及び/又は車両若しくは車両に設けられる装置である。UE100は、アクセスリンクを介してIABノード300又はgNB200に無線で接続する。
図1において、UE100がIABノード300-2と無線で接続される一例を示している。UE100は、IABノード300-2及びIABノード300-1を介してドナーgNB200-1と間接的に通信する。
【0020】
図2は、IABノード300と親ノード(Parent nodes)と子ノード(Child nodes)との関係を示す図である。
【0021】
図2に示すように、各IABノード300は、基地局機能部に相当するIAB-DUとユーザ装置機能部に相当するIAB-MT(Mobile Termination)とを有する。
【0022】
IAB-MTのNR Uu無線インターフェイス上の隣接ノード(すなわち、上位ノード)は、親ノードと呼ばれる。親ノードは、親IABノード又はドナーgNB200のDUである。IAB-MTと親ノードとの間の無線リンクは、バックホールリンクと呼ばれる。
図2において、IABノード300の親ノードがIABノード300P1及び300P2である一例を示している。なお、親ノードへ向かう方向は、アップストリーム(upstream)と呼ばれる。
【0023】
IAB-DUのNRアクセスインターフェイス上の隣接ノード(すなわち、下位ノード)は、子ノードと呼ばれる。IAB-DUは、gNB200と同様に、セルを管理する。IAB-DUは、UE100及び下位のIABノードへのNR Uu無線インターフェイスを終端する。IAB-DUは、ドナーgNB200-1のCUへのF1プロトコルをサポートする。
図2において、IABノード300の子ノードがIABノード300C1乃至300C3である一例を示している。なお、子ノードへ向かう方向は、ダウンストリーム(downstream)と呼ばれる。
【0024】
(基地局の構成)
次に、一実施形態に係る基地局であるgNB200の構成について説明する。
図3は、gNB200の構成を示す図である。
図3に示すように、gNB200は、無線通信部210と、ネットワーク通信部220と、制御部230とを有する。
【0025】
無線通信部210は、UE100との無線通信及びIABノード300との無線通信を行う。無線通信部210は、受信部211及び送信部212を有する。受信部211は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部211はアンテナを含み、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。送信部212は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部212はアンテナを含み、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0026】
ネットワーク通信部220は、5GC10との有線通信(又は無線通信)及び隣接する他のgNB200との有線通信(又は無線通信)を行う。ネットワーク通信部220は、受信部221及び送信部222を有する。受信部221は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部221は、外部から信号を受信して受信信号を制御部230に出力する。送信部222は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部222は、制御部230が出力する送信信号を外部に送信する。
【0027】
制御部230は、gNB200における各種の制御を行う。制御部230は、少なくとも1つのメモリと、メモリと電気的に接続された少なくとも1つのプロセッサとを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPU(Central Processing Unit)とを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、後述する各レイヤの処理を行う。
【0028】
(中継ノードの構成)
次に、一実施形態に係る中継ノードであるIABノード300の構成について説明する。
図4は、IABノード300の構成を示す図である。
図4に示すように、IABノード300は、無線通信部310と、制御部320とを有する。IABノード300は、無線通信部310を複数有していてもよい。
【0029】
無線通信部310は、gNB200との無線通信(BHリンク)及びUE100との無線通信(アクセスリンク)を行う。BHリンク通信用の無線通信部310とアクセスリンク通信用の無線通信部310とが別々に設けられていてもよい。
【0030】
無線通信部310は、受信部311及び送信部312を有する。受信部311は、制御部320の制御下で各種の受信を行う。受信部311はアンテナを含み、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部320に出力する。送信部312は、制御部320の制御下で各種の送信を行う。送信部312はアンテナを含み、制御部320が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0031】
制御部320は、IABノード300における各種の制御を行う。制御部320は、少なくとも1つのメモリと、メモリと電気的に接続された少なくとも1つのプロセッサとを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサ及びCPUを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、後述する各レイヤの処理を行う。
【0032】
(ユーザ装置の構成)
次に、一実施形態に係るユーザ装置であるUE100の構成について説明する。
図5は、UE100の構成を示す図である。
図5に示すように、UE100は、無線通信部110と、制御部120とを有する。
【0033】
無線通信部110は、アクセスリンクにおける無線通信、すなわち、gNB200との無線通信及びIABノード300との無線通信を行う。また、無線通信部110は、サイドリンクにおける無線通信、すなわち、他のUE100との無線通信を行ってもよい。無線通信部110は、受信部111及び送信部112を有する。受信部111は、制御部120の制御下で各種の受信を行う。受信部111はアンテナを含み、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部120に出力する。送信部112は、制御部120の制御下で各種の送信を行う。送信部112はアンテナを含み、制御部120が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0034】
制御部120は、UE100における各種の制御を行う。制御部120は、少なくとも1つのメモリと、メモリと電気的に接続された少なくとも1つのプロセッサとを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサ及びCPUを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、後述する各レイヤの処理を行う。
【0035】
(プロトコルスタックの構成)
次に、一実施形態に係るプロトコルスタックの構成について説明する。
図6は、IAB-MTのRRC接続及びNAS接続に関するプロトコルスタックを示す図である。
【0036】
図6に示すように、IABノード300-2のIAB-MTは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、RRC(Radio Resource Control)レイヤと、NAS(Non-Access Stratum)レイヤとを有する。
【0037】
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。IABノード300-2のIAB-MTのPHYレイヤとIABノード300-1のIAB-DUのPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0038】
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。IABノード300-2のIAB-MTのMACレイヤとIABノード300-1のIAB-DUのMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。IAB-DUのMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及び割当リソースブロックを決定する。
【0039】
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。IABノード300-2のIAB-MTのRLCレイヤとIABノード300-1のIAB-DUのRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0040】
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。IABノード300-2のIAB-MTのPDCPレイヤとドナーgNB200-1のPDCPレイヤとの間では、無線ベアラを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0041】
RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。IABノード300-2のIAB-MTのRRCレイヤとドナーgNB200-1のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。ドナーgNB200-1とのRRC接続がある場合、IAB-MTはRRCコネクティッドモードである。ドナーgNB200-1とのRRC接続がない場合、IAB-MTはRRCアイドルモードである。
【0042】
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。IABノード300-2のIAB-MTのNASレイヤとAMF11との間では、NASシグナリングが伝送される。
【0043】
図7は、F1-Uプロトコルに関するプロトコルスタックを示す図である。
図8は、F1-Cプロトコルに関するプロトコルスタックを示す図である。ここでは、ドナーgNB200-1がCU及びDUに分割されている一例を示す。
【0044】
図7に示すように、IABノード300-2のIAB-MT、IABノード300-1のIAB-DU、IABノード300-1のIAB-MT、及びドナーgNB200-1のDUのそれぞれは、RLCレイヤの上位レイヤとしてBAP(Backhaul Adaptation Protocol)レイヤを有する。BAPレイヤは、ルーティング処理及びベアラマッピング・デマッピング処理を行うレイヤである。バックホールでは、IPレイヤがBAPレイヤを介して伝送されることにより、複数のホップでのルーティングが可能になる。
【0045】
各バックホールリンクにおいて、BAPレイヤのPDU(Protocol Data Unit)は、バックホールRLCチャネル(BH NR RLCチャネル)によって伝送される。各BHリンクで複数のバックホールRLCチャネルを構成することにより、トラフィックの優先順位付け及びQoS制御が可能である。BAP PDUとバックホールRLCチャネルとの対応付けは、各IABノード300のBAPレイヤ及びドナーgNB200-1のBAPレイヤによって実行される。
【0046】
図8に示すように、F1-Cプロトコルのプロトコルスタックは、
図7に示すGTP-Uレイヤ及びUDPレイヤに代えて、F1APレイヤ及びSCTPレイヤを有する。
【0047】
(セルラ通信システムの動作)
次に、一実施形態に係るセルラ通信システム1の動作について説明する。本動作は、ソースgNB200-1(ソース基地局)からターゲットgNB200-2(ターゲット基地局)に対して、IABノード300のハンドオーバを行うための動作である。
【0048】
以下において、子ノードであるIABノード300-2(以下、「子IABノード300-2」と呼ぶ)が親ノードであるIABノード300-1(以下、「親IABノード300-1」と呼ぶ)に接続され、親IABノード300-1のハンドオーバと共に子IABノード300-2のハンドオーバを行う一例について説明する。しかしながら、本動作は、ソースgNB200-1(ソース基地局)からターゲットgNB200-2(ターゲット基地局)に対して1つのIABノード300のみハンドオーバを行う動作としてもよい。
【0049】
図9は、一実施形態に係るセルラ通信システム1の動作を示す図である。
図9において、必須ではないステップを破線で図示している。
【0050】
図9に示すように、ステップS101において、子IABノード300-2とソースgNB200-1との間にF1インターフェイスの接続(以下、「F1接続」と呼ぶ)及びRRC接続が確立されている。また、ステップS102において、親IABノード300-1とソースgNB200-1との間にF1接続及びRRC接続が確立されている。F1接続は、フロントホール接続の一例である。
【0051】
ステップS103において、親IABノード300-1のIAB-MTは、無線状態の測定結果を含む測定報告(Meas Report)をソースgNB200-1に送信する。測定報告は、RRCレイヤのメッセージに含まれる。
【0052】
ステップS104において、ソースgNB200-1のRRCレイヤは、親IABノード300-1からの測定報告に基づいて、ターゲットgNB200-2への親IABノード300-1のハンドオーバを決定する。
【0053】
ステップS105において、ソースgNB200-1は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して、親IABノード300-1のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求(HO Request)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0054】
ステップS106において、ターゲットgNB200-2は、ソースgNB200-1からのハンドオーバ要求に基づいて、親IABノード300-1のハンドオーバの可否の判断(Admission control)を行う。ここでは、ハンドオーバが可能と判断したと仮定して説明を進める。ターゲットgNB200-2は、ハンドオーバ要求に含まれるRRCコンテクスト情報を必要に応じて修正する。
【0055】
ステップS107において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、ハンドオーバ応答(HO Response)をソースgNB200-1に送信する。
【0056】
ステップS108において、ソースgNB200-1は、子IABノード300-2とソースgNB200-1との間のF1インターフェイスを介して、F1接続の削除を要求するF1削除要求(F1 Removal Request)を子IABノード300-2に送信する。
【0057】
ここで、ソースgNB200-1は、IABトポロジにおける距離がソースgNB200-1と近い親IABノード300-1に対してではなく、IABトポロジにおける距離がソースgNB200-1から遠い子IABノード300-2に対してF1削除要求を送信する。親IABノード300-1のF1接続を先に削除した場合、親IABノード300-1のIAB-DUが機能しなくなり、子IABノード300-2へのサービス継続が不可になる可能性があるためである。
【0058】
ステップS109において、子IABノード300-2は、F1削除要求の受信に応じて、子IABノード300-2とソースgNB200-1との間のF1インターフェイスを介して、F1削除応答(F1 Removal Response)をソースgNB200-1に送信する。
【0059】
ステップS110において、ソースgNB200-1は、RRCの不活性化又はサスペンドを要求するRRCメッセージ(RRC de-activation)を子IABノード300-2に送信する。
【0060】
ステップS111において、子IABノード300-2のIAB-DUは、サービスを停止する(Service stop)。
【0061】
ステップS112において、ソースgNB200-1は、親IABノード300-1とソースgNB200-1との間のF1インターフェイスを介して、F1接続の削除を要求するF1削除要求(F1 Removal Request)を親IABノード300-1に送信する。
【0062】
ステップS113において、親IABノード300-1は、F1削除要求の受信に応じて、親IABノード300-1とソースgNB200-1との間のF1インターフェイスを介して、F1削除応答(F1 Removal Response)をソースgNB200-1に送信する。
【0063】
ステップS114において、親IABノード300-1のIAB-DUは、サービスを停止する(Service stop)。
【0064】
このように、一実施形態に係るハンドオーバ動作では、RRCレイヤでのハンドオーバプロシージャ(RRCハンドオーバ)を実行する前にF1接続の削除を行う。
【0065】
但し、後のRRCハンドオーバ実行の際に、古いF1接続が自動的に削除される場合、F1接続を削除する処理(すなわち、ステップS108乃至S114)は不要である。このような想定下において、各IABノード300のRRCレイヤは、RRCハンドオーバの完了(RRC Reconfiguration Complete)時に、ハンドオーバが完了した旨又はF1接続の削除要求を自IABノード300のF1APレイヤに通知してもよい。
【0066】
ステップS115において、ソースgNB200-1は、ターゲットgNB200-2へのハンドオーバを指示するハンドオーバ指令(Handover Command)に相当するRRCメッセージ(RRC Reconfiguration)を親IABノード300-1に送信する。親IABノード300-1のIAB-MTは、RRC Reconfigurationメッセージの受信に応じて、バックホールRLCチャネル再確立(BH RLC CH Reestablishment)及びルーティングの更新(Routing Update)を行う。ソースgNB200-1は、当該ハンドオーバ指令に相当するRRCメッセージに、F1接続を削除する旨の指示子を含めてもよい。当該指示子を受信したRRCエンティティ(IAB-MT)は、F1エンティティに対して、F1接続削除の指示子を受信したことを通知してもよい。
【0067】
ステップS116において、親IABノード300-1のIAB-MTは、RRC再設定の完了を示すRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、親IABノード300-1のRRCレイヤでのハンドオーバプロシージャが完了する。加えて、当該RRCメッセージは、F1接続削除の完了を示してもよい。F1エンティティは、RRCエンティティに対してF1接続削除が完了した旨を通知し、RRCエンティティは、当該通知に基づいて当該RRCメッセージを送信してもよい。
また、RRCエンティティは、RRC再設定が完了した場合(もしくは当該RRCメッセージを送信完了した場合)、F1エンティティに対してハンドオーバが完了した旨を通知してもよい。当該通知は、後述するF1セットアップ要求(S118)をトリガする。すなわち、当該通知を受信したF1エンティティはF1セットアップ要求を送信する。
【0068】
ステップS117において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、親IABノード300-1のコンテクスト情報をソースgNB200-1に解放させるメッセージ(UE Context Release)をソースgNB200-1に送信する。なお、当該メッセージは、本ステップで送信せず、本プロシージャが完了した後、すなわち、ステップS129の後に送信してもよい。
【0069】
ステップS118において、親IABノード300-1は、ターゲットgNB200-2と親IABノード300-1との間のF1接続のセットアップを要求するF1メッセージ(F1 Setup Request)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0070】
ステップS119において、ターゲットgNB200-2は、ターゲットgNB200-2と親IABノード300-1との間のF1接続のセットアップを示すF1メッセージ(F1 Setup Response)を親IABノード300-1に送信する。ステップS118及びS119により、ターゲットgNB200-2と親IABノード300-1との間のF1接続のセットアップと、親IABノード300-1のIAB-DUのセットアップが行われる。
【0071】
ステップS120において、親IABノード300-1のIAB-DUは、サービスの提供を再開する。
【0072】
ステップS115乃至S119の処理により、ターゲットgNB200-2と親IABノード300-1との間のF1接続及びRRC接続が確立された状態になる(ステップS121)。
【0073】
ステップS122において、ソースgNB200-1は、Xnインターフェイスを介して、子IABノード300-2のコンテクスト情報をターゲットgNB200-2に転送する(Child Context Transfer)。ターゲットgNB200-2は、子IABノード300-2のコンテクスト情報を必要に応じて修正する。
【0074】
ステップS123において、ターゲットgNB200-2は、子IABノード300-2のコンテクスト情報に基づいて、RRCの活性化又は復旧を要求するRRC再設定メッセージ(RRC Re-activation)を子IABノード300-2に送信する。
【0075】
ステップS124において、子IABノード300-2のIAB-MTは、RRC再設定の完了を示すRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。ステップS122乃至S124の処理により、子IABノード300-2のRRCレイヤにおいてソースgNB200-1からターゲットgNB200-2へのハンドオーバが行われる。加えて、当該RRCメッセージは、F1接続削除の完了を示してもよい。F1エンティティは、RRCエンティティに対してF1接続削除が完了した旨を通知し、RRCエンティティは、当該通知に基づいて当該RRCメッセージを送信してもよい。
また、RRCエンティティは、RRC再設定が完了した場合(もしくは当該RRCメッセージを送信完了した場合)、F1エンティティに対してハンドオーバが完了した旨を通知してもよい。当該通知は、後述するF1セットアップ要求(S126)をトリガする。すなわち、当該通知を受信したF1エンティティはF1セットアップ要求を送信する。
【0076】
ステップS125において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、子IABノード300-2のコンテクスト情報をソースgNB200-1に解放させるメッセージ(UE Context Release)をソースgNB200-1に送信する。
【0077】
ステップS126において、子IABノード300-2は、ターゲットgNB200-2と子IABノード300-2との間のF1接続のセットアップを要求するF1メッセージ(F1 Setup Request)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0078】
ステップS127において、ターゲットgNB200-2は、ターゲットgNB200-2と子IABノード300-2との間のF1接続のセットアップを示すF1メッセージ(F1 Setup Response)を子IABノード300-2に送信する。ステップS126及びS127により、ターゲットgNB200-2と子IABノード300-2との間のF1接続のセットアップと、子IABノード300-2のIAB-DUのセットアップが行われる。
【0079】
ステップS128において、子IABノード300-2のIAB-DUは、サービスの提供を再開する。
【0080】
ステップS122乃至S127の処理により、ターゲットgNB200-2と子IABノード300-2との間のF1接続及びRRC接続が確立された状態になる(ステップS129)。
【0081】
(セルラ通信システムの動作の変更例)
上述した実施形態に係る動作(
図9参照)は、IABノード300のハンドオーバを円滑に行うことが可能であるものの、親IABノード300-1のハンドオーバ中にサービスが停止してしまうとともに比較的多くのシグナリングが必要となる。以下において、より効率的なハンドオーバ(又はRRC再確立)を行うための方法について説明する。
【0082】
変更例に係る通信制御方法は、ソースgNB200-1からターゲットgNB200-2に対して中継ノードのハンドオーバ又は接続再確立を行うための方法である。通信制御方法は、IABノード300のIAB-DUとソースgNB200-1との間に確立されたF1接続(フロントホール接続)に関するフロントホール設定情報をソースgNB200-1からターゲットgNB200-2に送信するステップを有する。以下において、このようなフロントホール設定情報をF1コンテクスト情報と呼ぶ。
【0083】
このように、F1コンテクスト情報をソースgNB200-1からターゲットgNB200-2に送信することにより、IABノード300のIAB-DUのF1接続をソースgNB200-1からターゲットgNB200-2に再配置することが円滑化される。
【0084】
(1)変更例1
図10は、変更例1の動作を示す図である。
図10において、必須ではないステップを破線で図示している。
【0085】
図10に示すように、ステップS201において、子IABノード300-2とソースgNB200-1との間にF1接続及びRRC接続が確立されている。また、ステップS202において、親IABノード300-1とソースgNB200-1との間にF1接続及びRRC接続が確立されている。
【0086】
ステップS203において、親IABノード300-1のIAB-MTは、無線状態の測定結果を含む測定報告(Meas Report)をソースgNB200-1に送信する。測定報告は、RRCレイヤのメッセージに含まれる。
【0087】
ステップS204において、ソースgNB200-1のRRCレイヤは、親IABノード300-1からの測定報告に基づいて、ターゲットgNB200-2への親IABノード300-1のハンドオーバ及びF1再配置を決定する(RRC HO & F1 Relocation decision)。
【0088】
ステップS205において、ソースgNB200-1は、Xnインターフェイスを介して、要求メッセージ(F1 Relocation Request)をターゲットgNB200-2に送信する。この要求メッセージは、F1接続をソースgNB200-1からターゲットgNB200-2に再配置することを要求するためのメッセージであって、F1コンテクスト情報(フロントホール設定情報)を含む。
【0089】
要求メッセージ(F1 Relocation Request)は、次のA乃至Cのうち少なくとも1つの情報を含む。
【0090】
A)親IABノード300-1のF1コンテクスト情報
親IABノード300-1のF1コンテクスト情報は、次のA1乃至A7のうち少なくとも1つの情報を含む。
【0091】
A1)トランザクションID
A2)gNB-CUの名前(human-readable name)
A3)アクティベートするIAB-DUのセルの情報リスト
リスト中の各エントリは、セルID(NR CGI、NR PCI)、システム情報(CUが保有するSIB)、及びPLMNリストのうち、少なくとも1つを含む
A4)gNBのRRCバージョン
A5)親IABノード300-1(DU及びMT)の識別子
親IABノード300-1の識別子は、トランザクションID及び/又はC-RNTIを用いてもよい。親IABノード300-1の識別子は、ターゲットgNB200-2に接続してくるIABノード300が本再配置処理の対象であるかを判定するために用いられる
A6)親IABノード300-1(DU)のIPアドレス
ハンドオーバをしても親IABノード300-1のIPアドレスが変わらない想定下において、このIPアドレスをターゲットgNB200-2に伝えておくことで、これをターゲットgNB200-2が活用できる
A7)UE100と関連付けられたF1設定情報
このF1設定情報は、F1AP ID、RRC関連設定、DRX設定、ベアラ設定(QoS、S-NSSAI、TNL設定など)、サービングPLMN・AMBR設定のうち、少なくとも1つを含む。
【0092】
B)子IABノード300-2のF1コンテクスト情報
子IABノード300-2のF1コンテクスト情報は、上記のA1乃至A7と同様な情報を含む。但し、上記のA1乃至A7における親IABノード300-1を子IABノード300-2と読み替える。子IABノード300-2のF1コンテクスト情報もソースgNB200-1からターゲットgNB200-2に転送する場合、親IABノード300-1のF1再配置及び子IABノード300-2のF1再配置をまとめて行うことが可能になる。
【0093】
C)親IABノード300-1のRRCコンテクスト情報及び子IABノード300-2のRRCコンテクスト情報
F1コンテクスト情報がIAB-DUに関するコンテクスト情報であるのに対して、RRCコンテクスト情報は、IAB-MTに関するコンテクスト情報である。また、F1コンテクスト情報がF1接続の再配置に用いられるのに対して、RRCコンテクスト情報は、RRC接続の切り替え(すなわち、ハンドオーバ)に用いられる。RRCコンテクスト情報は、UEコンテクスト情報と呼ばれてもよい。
【0094】
なお、本動作シーケンスは、1つの要求メッセージ(F1 Relocation Request)にF1コンテクスト情報及びRRCコンテクスト情報の両方を含める一例を示している。しかしながら、本動作シーケンスは、RRCコンテクスト情報を含むハンドオーバ要求メッセージ(HO Request)と、F1コンテクスト情報を含む要求メッセージ(F1 Relocation Request)とを別々に送受信する動作としてもよい。
【0095】
ステップS206において、ターゲットgNB200-2は、ソースgNB200-1からの要求メッセージに基づいて、親IABノード300-1及び子IABノード300-2のハンドオーバの可否の判断(Admission control)を行う。ここでは、ハンドオーバが可能と判断したと仮定して説明を進める。ターゲットgNB200-2は、要求メッセージに含まれるF1コンテクスト情報及びRRCコンテクスト情報を必要に応じて修正する。
【0096】
ステップS207において、ターゲットgNB200-2は、要求メッセージの受信に応じて、Xnインターフェイスを介して、この要求メッセージに対する応答メッセージ(F1 Relocation Response)をソースgNB200-1に送信する。応答メッセージは、F1設定情報に対する修正内容を示すF1情報(フロントホール修正情報)、RRC設定情報に対する修正内容を示すRRC情報、及びターゲットgNB200-2のIPアドレスのうち少なくとも一方を含む。RRC情報は、ハンドオーバ指令(Handover Command)に含まれていてもよい。
【0097】
応答メッセージ(F1 Relocation Response)は、親IABノード300-1のF1コンテクスト情報及び子IABノード300-2のF1コンテクスト情報のうち少なくとも一方を含む。ターゲットgNB200-2は、ソースgNB200-1からのF1コンテクスト情報に対して変更がある場合のみ、変更部分に該当するF1コンテクスト情報を応答メッセージに含めるとしてもよい。例えば、F1再配置の前後で、IAB-DUのCell ID等は変わらないことが望ましい。但し、IABノード300が移動可能である場合等において、移動先でセルIDを変更する場合はあり得る。
【0098】
応答メッセージ(F1 Relocation Response)は、親IABノード300-1のハンドオーバ指令(RRC情報)及び子IABノード300-2のハンドオーバ指令(RRC情報)のうち少なくとも一方を含む。
【0099】
応答メッセージ(F1 Relocation Response)は、親IABノード300-1のIAB-DUのIPアドレスを含んでもよい。このIPアドレスは、ターゲットgNB200-2が決定又は選択したIPアドレスであってもよい。
【0100】
応答メッセージ(F1 Relocation Response)は、ターゲットgNB200-2のIPアドレスを含んでもよい。このIPアドレスは、ハンドオーバ指令に含まれていてもよい。
【0101】
ステップS208において、ソースgNB200-1は、応答メッセージ(F1 Relocation Response)の受信に応じて、子IABノード300-2のIAB-DUとソースgNB200-1との間のF1接続を介して、応答メッセージ中の子IABノード300-2用の情報を含むF1再配置メッセージ(F1 Relocation)を子IABノード300-2に送信する。
【0102】
F1再配置メッセージ(F1 Relocation)は、F1コンテクスト情報、ターゲットgNB200-2のIPアドレス、及び子IABノード300-2の新たなIPアドレスのうち、少なくとも1つを含む。但し、ターゲットgNB200-2のIPアドレス及び子IABノード300-2の新たなIPアドレスのうち少なくとも一方は、後述するステップS210のRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)に含まれていてもよい。
【0103】
ソースgNB200-1は、IABトポロジにおける距離がソースgNB200-1と近い親IABノード300-1に対してではなく、IABトポロジにおける距離がソースgNB200-1から遠い子IABノード300-2に対してF1再配置メッセージ(F1 Relocation)を送信する。
【0104】
また、ソースgNB200-1は、子IABノード300-2に対してRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)を送信(ステップS210)するよりも先に、子IABノード300-2に対してF1再配置メッセージ(F1 Relocation)を送信する。
【0105】
なお、子IABノード300-2は、F1再配置の処理中(すなわち、ターゲットgNB200-2へF1再配置の完了を通知していない状態)において、子ノード又はUE100から上りリンクデータを受信した場合、当該データをバッファし、ターゲットgNB200-2へのF1再配置が完了した後に当該データをターゲットgNB200-2に転送するとしてもよい。
【0106】
ステップS209において、子IABノード300-2は、子IABノード300-2のIAB-DUとソースgNB200-1との間のF1接続を介して、F1再配置メッセージを受信したこと(もしくはF1再配置処理を開始すること)を示す応答メッセージ(F1 Relocation Acknowledge)をソースgNB200-1に送信する。
【0107】
ステップS210において、ソースgNB200-1は、ターゲットgNB200-2へのハンドオーバを指示するRRCメッセージであるRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)を子IABノード300-2に送信する。
【0108】
ステップS211において、ソースgNB200-1は、親IABノード300-1のIAB-DUとソースgNB200-1との間のF1接続を介して、応答メッセージ(F1 Relocation Acknowledge)中の親IABノード300-1用の情報を含むF1再配置メッセージ(F1 Relocation)を親IABノード300-1に送信する。
【0109】
F1再配置メッセージ(F1 Relocation)は、F1コンテクスト情報、ターゲットgNB200-2のIPアドレス、及び親IABノード300-1の新たなIPアドレスのうち、少なくとも1つを含む。但し、ターゲットgNB200-2のIPアドレス及び親IABノード300-1の新たなIPアドレスのうち少なくとも一方は、後述するステップS213のRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)に含まれていてもよい。
【0110】
ここで、ソースgNB200-1は、親IABノード300-1に対してRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)を送信(ステップS213)するよりも先に、親IABノード300-1に対してF1再配置メッセージ(F1 Relocation)を送信する。
【0111】
なお、親IABノード300-1は、F1再配置の処理中(すなわち、ターゲットgNB200-2へF1再配置の完了を通知していない状態)において、子ノード又はUE100から上りリンクデータを受信した場合、当該データをバッファし、ターゲットgNB200-2へのF1再配置が完了した後に当該データをターゲットgNB200-2に転送してもよい。
【0112】
ステップS212において、親IABノード300-1は、親IABノード300-1のIAB-DUとソースgNB200-1との間のF1接続を介して、F1再配置メッセージを受信したこと(もしくはF1再配置処理を開始すること)を示す応答メッセージ(F1 Relocation Acknowledge)をソースgNB200-1に送信する。なお、ステップS212は必須のステップではない。
【0113】
ステップS213において、ソースgNB200-1は、ターゲットgNB200-2へのハンドオーバを指示するRRCメッセージであるRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)を親IABノード300-1に送信する。
【0114】
ステップS214において、親IABノード300-1のIAB-MTは、RRC再設定の完了を示すRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、親IABノード300-1のRRCレイヤでのハンドオーバプロシージャが完了する。このとき、RRCエンティティは、F1エンティティに対して、RRC再設定が完了したことを通知してもよい。換言すると、当該通知により、F1再配置完了メッセージ(S215)がトリガされてもよい。
【0115】
ステップS215において、親IABノード300-1のIAB-DUは、F1再配置の完了を示すF1メッセージ(F1 Relocation Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、親IABノード300-1のF1再配置が完了する。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、ターゲットgNB200-2のIPアドレス宛に送信される。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、親IABノード300-1(DU及びMT)の識別子を含んでいてもよい。
【0116】
ステップS216において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、親IABノード300-1のRRCコンテクスト情報をソースgNB200-1に解放させるメッセージ(UE Context Release)をソースgNB200-1に送信する。
【0117】
ステップS217において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、親IABノード300-1のF1コンテクスト情報をソースgNB200-1に解放させるメッセージ(F1 Context Release)をソースgNB200-1に送信する。
【0118】
このように、ステップS211乃至S217の処理により、親IABノード300-1のF1接続の再配置と、親IABノード300-1のRRCレイヤでのハンドオーバとが行われた状態になる(ステップS218)。
【0119】
ステップS219において、子IABノード300-2のIAB-MTは、RRC再設定の完了を示すRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、子IABノード300-2のRRCレイヤでのハンドオーバプロシージャが完了する。このとき、RRCエンティティは、F1エンティティに対して、RRC再設定が完了したことを通知してもよい。換言すると、当該通知により、F1再配置完了メッセージ(S220)がトリガされてもよい。
【0120】
ステップS220において、子IABノード300-2のIAB-DUは、F1再配置の完了を示すF1メッセージ(F1 Relocation Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、子IABノード300-2のF1再配置が完了する。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、ターゲットgNB200-2のIPアドレス宛に送信される。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、子IABノード300-2(DU及びMT)の識別子を含んでいてもよい。
【0121】
ステップS221において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、子IABノード300-2のRRCコンテクスト情報をソースgNB200-1に解放させるメッセージ(UE Context Release)をソースgNB200-1に送信する。
【0122】
ステップS222において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、子IABノード300-2のF1コンテクスト情報をソースgNB200-1に解放させるメッセージ(F1 Context Release)をソースgNB200-1に送信する。
【0123】
このように、ステップS208乃至S210、及びステップS219乃至S222の処理により、子IABノード300-2のF1接続の再配置と、子IABノード300-2のRRCレイヤでのハンドオーバとが行われた状態になる(ステップS223)。
【0124】
変更例1によれば、F1接続の再配置処理を導入することにより、IABノード300がサービスを継続しながらソースgNB200-1からターゲットgNB200-2へのハンドオーバを行うことができる。
【0125】
(2)変更例2
図11は、変更例2の動作を示す図である。
図11において、必須ではないステップを破線で図示している。
【0126】
図11に示すように、ステップS301乃至S307の処理は、上述した実施形態のステップS101乃至S107の処理と同様である。
【0127】
ステップS308において、ソースgNB200-1は、ターゲットgNB200-2へのハンドオーバを指示するRRCメッセージであるRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)を子IABノード300-2に送信する。ソースgNB200-1は、異なるgNB200(異なるCU)間でのハンドオーバであることを示す情報(Inter-CU HO Indication)をRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)に含めてもよい。
【0128】
ステップS309において、ソースgNB200-1は、ターゲットgNB200-2へのハンドオーバを指示するRRCメッセージであるRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)を親IABノード300-1に送信する。ソースgNB200-1は、異なるgNB200(異なるCU)間でのハンドオーバであることを示す情報(Inter-CU HO Indication)をRRC Reconfiguration(ハンドオーバ指令)に含めてもよい。
【0129】
ステップS310において、親IABノード300-1のIAB-MTは、RRC再設定の完了を示すRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、親IABノード300-1のRRCレイヤでのハンドオーバプロシージャが完了する。
【0130】
ここで、親IABノード300-1のIAB-MTは、F1接続をソースgNB200-1からターゲットgNB200-2に再配置することを要求するための再配置要求(F1 Relocation Request)をRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)に含めて送信してもよい。
【0131】
また、親IABノード300-1のIAB-MTは、ソースgNB200-1の識別子(Source-donor ID)又はソースセルの識別子(Source Cell ID)をRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)に含めて送信してもよい。
【0132】
さらに、親IABノード300-1のIAB-MTは、自ノードのIPアドレスをRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)に含めて送信してもよい。
【0133】
なお、親IABノード300-1のIAB-MTは、再配置要求(F1 Relocation Request)、ソースgNB200-1の識別子(Source-donor ID)、ソースセルの識別子(Source Cell ID)、及び自ノードのIPアドレスのうち少なくとも1つを、RRC Reconfiguration Completeとは異なるメッセージに含めて送信してもよい。
【0134】
ステップS311において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、親IABノード300-1のF1コンテクスト情報(フロントホール設定情報)を取得するための要求メッセージ(F1 Context Fetch)をソースgNB200-1に送信する。
【0135】
ステップS312において、ソースgNB200-1は、要求メッセージの受信に応じて、親IABノード300-1のF1コンテクスト情報を含む通知メッセージ(F1 Context Fetch)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0136】
ステップS313において、ターゲットgNB200-2は、親IABノード300-1のF1コンテクスト情報に基づいて、F1接続を介して、F1再配置メッセージ(F1 Relocation)を親IABノード300-1に送信する。F1再配置メッセージ(F1 Relocation)は、F1コンテクスト情報、ターゲットgNB200-2のIPアドレス、及び親IABノード300-1の新たなIPアドレスのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0137】
ステップS314において、親IABノード300-1のIAB-DUは、F1再配置の完了を示すF1メッセージ(F1 Relocation Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、親IABノード300-1のF1再配置が完了する。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、ターゲットgNB200-2のIPアドレス宛に送信される。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、親IABノード300-1(DU及びMT)の識別子を含んでいてもよい。
【0138】
このように、ステップS309乃至S314の処理により、親IABノード300-1のF1接続の再配置と、親IABノード300-1のRRCレイヤでのハンドオーバとが行われた状態になる(ステップS315)。
【0139】
ステップS316において、子IABノード300-2のIAB-MTは、RRC再設定の完了を示すRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、子IABノード300-2のRRCレイヤでのハンドオーバプロシージャが完了する。
【0140】
ここで、子IABノード300-2のIAB-MTは、F1接続をソースgNB200-1からターゲットgNB200-2に再配置することを要求するための再配置要求(F1 Relocation Request)をRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)に含めて送信してもよい。
【0141】
また、子IABノード300-2のIAB-MTは、ソースgNB200-1の識別子(Source-donor ID)又はソースセルの識別子(Source Cell ID)をRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)に含めて送信してもよい。
【0142】
さらに、子IABノード300-2のIAB-MTは、自ノードのIPアドレスをRRCメッセージ(RRC Reconfiguration Complete)に含めて送信してもよい。
なお、子IABノード300-2のIAB-MTは、再配置要求(F1 Relocation Request)、ソースgNB200-1の識別子(Source-donor ID)、ソースセルの識別子(Source Cell ID)、及び自ノードのIPアドレスのうち少なくとも1つを、RRC Reconfiguration Completeとは異なるメッセージに含めて送信してもよい。
【0143】
ステップS317において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、子IABノード300-2のF1コンテクスト情報(フロントホール設定情報)を取得するための要求メッセージ(F1 Context Fetch)をソースgNB200-1に送信する。
【0144】
ステップS318において、ソースgNB200-1は、要求メッセージの受信に応じて、子IABノード300-2のF1コンテクスト情報を含む通知メッセージ(F1 Context Fetch)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0145】
ステップS319において、ターゲットgNB200-2は、子IABノード300-2のF1コンテクスト情報に基づいて、F1接続を介して、F1再配置メッセージ(F1 Relocation)を子IABノード300-2に送信する。F1再配置メッセージ(F1 Relocation)は、F1コンテクスト情報、ターゲットgNB200-2のIPアドレス、及び子IABノード300-2の新たなIPアドレスのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0146】
ステップS320において、子IABノード300-2のIAB-DUは、F1再配置の完了を示すF1メッセージ(F1 Relocation Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、子IABノード300-2のF1再配置が完了する。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、ターゲットgNB200-2のIPアドレス宛に送信される。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、子IABノード300-2(DU及びMT)の識別子を含んでいてもよい。
【0147】
このように、ステップS308、ステップS316乃至S320の処理により、子IABノード300-2のF1接続の再配置と、子IABノード300-2のRRCレイヤでのハンドオーバとが行われた状態になる(ステップS321)。
【0148】
(3)変更例3
図12は、変更例3の動作を示す図である。変更例3は、ハンドオーバに代えて、接続再確立(RRC再確立)を想定した動作である。
【0149】
図12に示すように、ステップS401において、子IABノード300-2とソースgNB200-1との間にF1接続及びRRC接続が確立されている。また、ステップS402において、親IABノード300-1とソースgNB200-1との間にF1接続及びRRC接続が確立されている。
【0150】
ステップS403において、親IABノード300-1のIAB-MTは、ソースgNB200-1と親IABノード300-1との間の無線バックホールリンクの障害(BH RLF)を検知する。
【0151】
ステップS404において、親IABノード300-1のIAB-MTは、BH RLFの検知に応じて、RRC再確立を要求するRRCメッセージ(RRC Reestablishment Request)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0152】
ステップS405において、ターゲットgNB200-2は、RRC Reestablishment Requestの受信に応じて、RRC再確立を示すRRCメッセージ(RRC Reestablishment)を親IABノード300-1に送信する。
【0153】
ステップS406において、親IABノード300-1のIAB-MTは、RRC Reestablishmentの受信に応じて、RRC再確立の完了を示すRRCメッセージ(RRC Reestablishment Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0154】
ここで、親IABノード300-1のIAB-MTは、F1再配置要求(F1 Relocation Request)をRRC Reestablishment Completeに含めて送信する。このF1再配置要求は、親IABノード300-1がIABノードとして接続する旨を通知する旨の情報であってもよい。
【0155】
また、親IABノード300-1のIAB-MTは、ソースgNB200-1の識別子(Source-donor ID)又はソースセルの識別子(Source Cell ID)をRRCメッセージ(RRC Reestablishment Complete)に含めて送信してもよい。
【0156】
さらに、親IABノード300-1のIAB-MTは、自ノードのIPアドレスをRRCメッセージ(RRC Reestablishment Complete)に含めて送信してもよい。
【0157】
ステップS407において、ターゲットgNB200-2は、RRC Reestablishment Completeに含まれる情報に基づいて、ソースgNB200-1からターゲットgNB200-2への親IABノード300-1のF1接続の再配置を決定する(F1 Relocation decision)。
【0158】
ステップS408において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、親IABノード300-1のF1コンテクスト情報(フロントホール設定情報)を取得するための要求メッセージ(F1 Context Fetch)をソースgNB200-1に送信する。
【0159】
ステップS409において、ソースgNB200-1は、要求メッセージの受信に応じて、親IABノード300-1のF1コンテクスト情報を含む通知メッセージ(F1 Context Fetch)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0160】
ステップS410において、ターゲットgNB200-2は、親IABノード300-1のF1コンテクスト情報に基づいて、F1接続を介して、F1再配置メッセージ(F1 Relocation)を親IABノード300-1に送信する。F1再配置メッセージ(F1 Relocation)は、F1コンテクスト情報、ターゲットgNB200-2のIPアドレス、及び親IABノード300-1の新たなIPアドレスのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0161】
ステップS411において、親IABノード300-1のIAB-DUは、F1再配置の完了を示すF1メッセージ(F1 Relocation Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、親IABノード300-1のF1再配置が完了する。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、ターゲットgNB200-2のIPアドレス宛に送信される。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、親IABノード300-1(DU及びMT)の識別子を含んでいてもよい。
【0162】
このように、ステップS404乃至S411の処理により、親IABノード300-1のF1接続の再配置と、親IABノード300-1のRRCレイヤでの再確立とが行われた状態になる(ステップS412)。
【0163】
ステップS413において、親IABノード300-1は、F1再配置が完了した旨を子IABノード300-2に通知する。この通知は、RRC再確立が完了した旨の通知であってもよい。ここで、親IABノード300-1のBAPレイヤは、F1再配置が完了した旨又はRRC再確立が完了した旨を、BAP制御PDU(Protocol Data Unit)を用いて通知してもよい。このような通知は、BH RLF Indicationの一種(別タイプ)、例えば、「RLF Recovered with different donor(異なるドナーとのRLF復旧)」を示す通知であってもよい。
【0164】
ステップS414において、子IABノード300-2のIAB-MTは、親IABノード300-1からの通知に応じて、RRC再確立を要求するRRCメッセージ(RRC Reestablishment Request)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0165】
ステップS415において、ターゲットgNB200-2は、RRC Reestablishment Requestの受信に応じて、RRC再確立を示すRRCメッセージ(RRC Reestablishment)を子IABノード300-2に送信する。
【0166】
ステップS416において、子IABノード300-2のIAB-MTは、RRC Reestablishmentの受信に応じて、RRC再確立の完了を示すRRCメッセージ(RRC Reestablishment Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0167】
ここで、子IABノード300-2のIAB-MTは、F1再配置要求(F1 Relocation Request)をRRC Reestablishment Completeに含めて送信する。このF1再配置要求は、子IABノード300-2がIABノードとして接続する旨を通知する旨の情報であってもよい。
【0168】
また、子IABノード300-2のIAB-MTは、ソースgNB200-1の識別子(Source-donor ID)又はソースセルの識別子(Source Cell ID)をRRCメッセージ(RRC Reestablishment Complete)に含めて送信してもよい。
【0169】
さらに、子IABノード300-2のIAB-MTは、自ノードのIPアドレスをRRCメッセージ(RRC Reestablishment Complete)に含めて送信してもよい。
【0170】
ステップS417において、ターゲットgNB200-2は、Xnインターフェイスを介して、子IABノード300-2のF1コンテクスト情報(フロントホール設定情報)を取得するための要求メッセージ(F1 Context Fetch)をソースgNB200-1に送信する。
【0171】
ステップS418において、ソースgNB200-1は、要求メッセージの受信に応じて、子IABノード300-2のF1コンテクスト情報を含む通知メッセージ(F1 Context Fetch)をターゲットgNB200-2に送信する。
【0172】
ステップS419において、ターゲットgNB200-2は、子IABノード300-2のF1コンテクスト情報に基づいて、F1接続を介して、F1再配置メッセージ(F1 Relocation)を子IABノード300-2に送信する。F1再配置メッセージ(F1 Relocation)は、F1コンテクスト情報、ターゲットgNB200-2のIPアドレス、及び子IABノード300-2の新たなIPアドレスのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0173】
ステップS420において、子IABノード300-2のIAB-DUは、F1再配置の完了を示すF1メッセージ(F1 Relocation Complete)をターゲットgNB200-2に送信する。これにより、子IABノード300-2のF1再配置が完了する。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、ターゲットgNB200-2のIPアドレス宛に送信される。このF1メッセージ(F1 Relocation Complete)は、子IABノード300-2(DU及びMT)の識別子を含んでいてもよい。
【0174】
このように、ステップS414乃至S420の処理により、子IABノード300-2のF1接続の再配置と、子IABノード300-2のRRCレイヤでの再確立とが行われた状態になる(ステップS421)。
【0175】
(その他の実施形態)
上述した実施形態及び変更例において、セルラ通信システム1が5Gセルラ通信システムである一例について主として説明した。しかしながら、セルラ通信システム1における基地局はLTE基地局であるeNBであってもよい。また、セルラ通信システム1におけるコアネットワークはEPC(Evolved Packet Core)であってもよい。さらに、gNBがEPCに接続することもでき、eNBが5GCに接続することもでき、gNBとeNBとが基地局間インターフェイス(Xnインターフェイス、X2インターフェイス)を介して接続されてもよい。
【0176】
上述した実施形態及び変更例に係る各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。UE100、gNB200、又はIABノード300が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップセットが提供されてもよい。
【0177】
本願は、日本国特許出願第2020-083477号(2020年5月11日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。