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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】空気調和機の室外機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/32 20110101AFI20231212BHJP
【FI】
F24F1/32
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022547367
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(86)【国際出願番号】 JP2020034730
(87)【国際公開番号】W WO2022054284
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平沢 祐太
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-022343(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に平行に設置されるベースフレームと、
前記ベースフレームに設けられるバルブ固定架台と、
前記バルブ固定架台に固定される複数の閉鎖弁と、を備え、
前記バルブ固定架台は、
前記ベースフレームから実質的に垂直に立ち上がる一対の支柱と、
前記一対の支柱に架設されて前記複数の閉鎖弁を支える梁と、を備え、
前記梁は、上方へ開放されて前記複数の閉鎖弁に含まれる第一閉鎖弁が配置される第一切欠部と、下方へ開放されて前記複数の閉鎖弁に含まれる第二閉鎖弁が配置される第二切欠部と、を有する第一直線部を備えて、前記設置面を基準とする前記第一閉鎖弁および前記第二閉鎖弁の設置高さを上下方向に異ならせる空気調和機の室外機。
【請求項2】
前記第二切欠部の開放端の縁に設けられて前記第二閉鎖弁を下方から支える突起を備える請求項1に記載の空気調和機の室外機。
【請求項3】
前記突起は、前記室外機を水平な前記設置面に設置した場合には、水平方向、または斜め上方へ向かって突出する請求項1または2に記載の空気調和機の室外機。
【請求項4】
前記梁は、平面視において鈍角を成す前記前記第一直線部と第二直線部とを有し、
前記第二直線部は、前記複数の閉鎖弁に含まれる第三閉鎖弁を支える請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機の室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は、室内機と、室外機と、室内機と室外機との間で冷媒を往来させる複数の渡り管と、を備えている。室内機は、室内ユニットとも呼ばれる。室外機は、室外ユニットとも呼ばれる。
【0003】
室外機は、複数の渡り管を室外機内の冷媒管に接続する複数の閉鎖弁と、複数の閉鎖弁を支持する板状の閉鎖弁サポート部材と、を備えている。
【0004】
従来の閉鎖弁サポート部材は、2つの閉鎖弁を同じ高さ位置に並べて支持している。つまり、従来の室外機では、2つの閉鎖弁が水平方向視において重なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-120900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の室外機のように、2つの閉鎖弁が同じ高さ位置に並べられている場合には、閉鎖弁の操作性が低下する。閉鎖弁の操作は、例えば、弁体の開閉操作を行う際に開放される操作ポートの開閉操作や、冷媒の封入や冷媒管の真空引きを行う際に開放されるサービスポートの開閉操作を含んでいる。作業者は、工具でフレアナットを緩めてポートを開き、工具でフレアナットを締めてポートを閉じる。工具は、例えばレンチである。2つの閉鎖弁が同じ高さ位置に並べられている場合には、操作している閉鎖弁の隣の閉鎖弁に工具が干渉する虞が高い。隣の閉鎖弁に工具が干渉すると、ポートの操作性は、勢い低下する。
【0007】
一方、隣り合う閉鎖弁の間隔を十分に広くすれば、操作弁の操作性を容易に向上できる。しかしながら、単に隣り合う閉鎖弁の間隔を広くすると、室外機の内側に複数の閉鎖弁を配置するためのより大きな容積が必要になり、室外機の小型化が妨げられる。
【0008】
そこで、本発明は、閉鎖弁の操作性の向上と小型化とを両立可能な空気調和機の室外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る空気調和機の室外機は、設置面に平行に設置されるベースフレームと、前記ベースフレームに設けられるバルブ固定架台と、前記バルブ固定架台に固定される複数の閉鎖弁と、を備え、前記バルブ固定架台は、前記ベースフレームから実質的に垂直に立ち上がる一対の支柱と、前記一対の支柱に架設されて前記複数の閉鎖弁を支える梁と、を備え、前記梁は、上方へ開放されて前記複数の閉鎖弁に含まれる第一閉鎖弁が配置される第一切欠部と、下方へ開放されて前記複数の閉鎖弁に含まれる第二閉鎖弁が配置される第二切欠部と、を有する第一直線部を備えて、前記設置面を基準とする前記第一閉鎖弁および前記第二閉鎖弁の設置高さを上下方向に異ならせる。
【0010】
本発明の実施形態に係る空気調和機の室外機は、前記第二切欠部の開放端の縁に設けられて前記第二閉鎖弁を下方から支える突起を備えていることが好ましい。
【0011】
本発明の実施形態に係る空気調和機の室外機の前記突起は、前記室外機を水平な前記設置面に設置した場合には、水平方向、または斜め上方へ向かって突出していることが好ましい。
【0012】
本発明の実施形態に係る空気調和機の室外機の前記梁は、平面視において鈍角を成す前記第一直線部と第二直線部とを有し、前記第二直線部は、前記複数の閉鎖弁に含まれる第三閉鎖弁を支えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、閉鎖弁の操作性の向上と小型化とを両立可能な空気調和機の室外機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る空気調和機の室外機の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る空気調和機の室外機のベースフレーム、およびバルブ固定架台の斜視図。
図3】本発明の実施形態に係る室外機のバルブ固定架台および複数の閉鎖弁の斜視図。
図4】本発明の実施形態に係る室外機のバルブ固定架台および複数の閉鎖弁の平面図。
図5】本発明の実施形態に係る室外機のバルブ固定架台の正面図。
図6】本発明の実施形態に係る室外機のバルブ固定架台および複数の閉鎖弁の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る空気調和機の室外機の実施形態について図1から図6を参照して説明する。なお、複数の図面中、同じまたは相当する構成には同一の符号が付されている。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る空気調和機の室外機の斜視図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る空気調和機は、室外機1と、室内機(図示省略)と、を備えている。室内機の設置場所は建築物の室内である。室外機1の設置場所は建築物の室外である。室外機1は、実質的に水平な基礎の上、つまり設置面に設置される。室内機は、室内の天井に埋め込まれたり、天井や梁から吊り下げられたりして設置される。
【0018】
また、空気調和機は、冷凍サイクル(図示省略)を備えている。冷凍サイクルは、熱源側の熱交換器3と、圧縮機4と、利用側の熱交換器(図示省略)と、膨張弁(図示省略)と、これらの機器に冷媒を循環させる冷媒管(図示省略)と、を備えている。冷凍サイクルは、空気調和機の冷却運転(冷房運転)と加熱運転(暖房運転)とを切り替える四方弁(図示省略)を備えていても良い。
【0019】
さらに、空気調和機は、冷暖同時運転型であっても良い。冷暖同時運転型の空気調和機は、複数の室内機と、少なくとも1つの室外機と、複数の室内機と少なくとも1つの室外機との間で冷媒を往来させる複数の渡り管と、を備えている。複数の渡り管は、圧縮機4から吐出された高圧のガス冷媒を流通させる高圧ガス管と、熱源側の熱交換器3で凝縮された液冷媒を流通させる液管と、利用側の熱交換器で熱交換された低圧のガス冷媒を圧縮機4へ流通させる低圧ガス管と、を含んでいる。
【0020】
室外機1は、冷凍サイクルの熱源側の熱交換器3、圧縮機4、および四方弁を収容している。室内機は、冷凍サイクルの利用側の熱交換器を収容している。膨張弁は、室内機に収容されていても良いし、室外機に収容されていても良い。また、膨張弁は、室内機および室外機の両方に設けられていても良い。
【0021】
室外機と室内機とは、渡り管(図示省略)を介して接続されている。渡り管は、冷媒管の一部である。空気調和機は、室外機1側の熱交換器3と室内機側の熱交換器との間で冷媒を循環させて室内の空気を調和する。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係る空気調和機の室外機のベースフレーム、およびバルブ固定架台の斜視図である。
【0023】
図1に加えて、図2に示すように、本実施形態に係る空気調和機の室外機1は、高さ寸法よりも幅寸法が小さく、かつ幅寸法よりも奥行き寸法が小さい直方体形状の筐体2を備えている。
【0024】
筐体2の内部には、熱交換器3、圧縮機4、送風機5等が収容されている。
【0025】
筐体2は、フレーム15と、フレーム15の正面を覆う外板16と、を備えている。
【0026】
フレーム15は、鋼板の板金加工品である複数の部材の組立品である。各部材はネジ止めや溶接によって接合されている。フレーム15は、筐体2の底面に配置されるベースフレーム21と、ベースフレーム21の四隅それぞれから上方へ延びる4つのピラー22と、隣り合うピラー22の間のそれぞれに架け渡される4つのビーム(図示省略)と、を備えている。
【0027】
ベースフレーム21は、鋼板の板金加工品である。ベースフレーム21の天面には、熱交換器3や圧縮機4が搭載される。ベースフレーム21の下面には、設置面に平行に延びて井桁状に組み合わされた複数の桁材25が設けられている。複数の桁材25は、筐体2の正面に沿う前桁材25F、筐体2の背面に沿う後桁材25R、前桁材25Fと後桁材25Rとの間に架設される複数の縦桁材(図示省略)と、を含んでいる。前桁材25Fと後桁材25Rとは、平行に延びている。前桁材25Fの左端は、筐体2の底部の左前の角部に相当し、前桁材25Fの右端は、筐体2の底部の右前の角部に相当する。後桁材25Rの左端は、筐体2の底部の左後ろの角部に相当し、後桁材25Rの右端は、筐体2の底部の右後ろの角部に相当する。
【0028】
4つのピラー22は、互いに平行に延びている。4つのピラー22は、実質的に同じ長さ寸法を有している。ピラー22の長さは、筐体2の高さに相当する。
【0029】
外板16は、筐体2の正面、すなわち前の側面を覆い、かつ同一面内で適宜に分割されている。外板16は、鋼板の板金加工品である複数の部材を含んでいる。それぞれの部材は、フレーム15にネジ止めされている。筐体2の背面、左側面、および右側面は、開口を有している。この開口には、熱交換器3が露出している。
【0030】
筐体2の上面には、左右に並ぶ一対の吹出口11(11L、11R)が設けられている。筐体2の上部には、一対の吹出口11それぞれに対向する一対の送風機5(5L、5R)が設けられている。一対の送風機5は、筐体2の内部に設けられ、かつ熱交換器3の上方に配置されている。
【0031】
室外機1に収容される熱交換器3は、ピラー22で囲まれる筐体2の背面、左側面、および右側面のそれぞれに沿っている。熱交換器3は、筐体2内部の左側および右側のそれぞれに配置される2つの熱交換器を含んでいる。それぞれの熱交換器は、筐体2の平面視でコの字形状(図示省略)に形成された板状の熱交換器である。それぞれの熱交換器は、コの字の開口部を筐体2の正面である外板16へ向けている。そのため、外気は、送風機5の運転により筐体2の背面、左側面、および右側面の開口に露出する熱交換器を介して筐体2内に取り込まれ、吹出口11から筐体2の外部に排出される。
【0032】
図3は、本発明の実施形態に係る室外機のバルブ固定架台および複数の閉鎖弁の斜視図である。
【0033】
図4は、本発明の実施形態に係る室外機のバルブ固定架台および複数の閉鎖弁の平面図である。
【0034】
図5は、本発明の実施形態に係る室外機のバルブ固定架台の正面図である。
【0035】
図6は、本発明の実施形態に係る室外機のバルブ固定架台および複数の閉鎖弁の側面図である。
【0036】
図3から図6に示すように、本実施形態に係る室外機1は、ベースフレーム21に設けられるバルブ固定架41と、バルブ固定架41に固定される複数の閉鎖弁42を備えている。
【0037】
バルブ固定架41は、筐体2の正面、すなわち外板16の近傍に配置されている。また、バルブ固定架41は、筐体2の右前方の隅部に配置されている。バルブ固定架41は、複数の閉鎖弁42を筐体2の正面側に向けて支持している。
【0038】
複数の閉鎖弁42は、パックドバルブとも呼ばれる。筐体2の外板16を部分的に取り外すことで、複数の閉鎖弁42が操作可能なように露わになる。すなわち、筐体2の外板16は、室外機1に収容された複数の閉鎖弁42を操作する際に、部分的に取り外される。
【0039】
バルブ固定架41は、筐体2のベースフレーム21から実質的に垂直に立ち上がる一対の支柱45と、一対の支柱45に架設されて複数の閉鎖弁を支える梁46と、を備えている。
【0040】
一対の支柱45は、鋼板の板金加工品である。それぞれの支柱45の横断面形状は、実質的にL文字形状である。L文字形状のそれぞれの端部には、支柱45の全長に渡って延びる補強リブ51が設けられている。支柱45の下端部には、支柱45をベースフレーム21に固定する複数のフランジ部52が設けられている。それぞれのフランジ部52は、折り曲げ加工によって形成されて支柱45の外側へ向けて突出している。それぞれのフランジ部52は、支柱45をベースフレーム21に固定するネジ47(図2中)を挿し通す孔53を有している。
【0041】
梁46は、鋼板の板金加工品である。梁46の主面は、水平方向へ向けられている。梁46は、一対の支柱45の間に延びる長方形状を有している。梁46は、一対の支柱45の間に長辺を有し、それぞれの支柱45の長手方向へ短辺を有している。梁46の上側の長辺部には、一対の支柱45の間に延びる補強リブ55が設けられている。梁46のそれぞれの短辺部には、スリット加工(切り込み加工)によって形成される舌片56と、ネジを挿し通す孔57と、が設けられている。
【0042】
舌片56は、それぞれの支柱45に差し込まれている。梁46と支柱45とは、梁46に差し込まれた舌片56と、孔57を通じて支柱45に締め付けられるネジ(図示省略)と、によって一体化されている。
【0043】
また、梁46は、梁46の長手方向へ延びる第一直線部61と、梁46の長手方向へ延びる第二直線部62と、を備えている。第一直線部61と第二直線部62とは、平面視において鈍角をなしている。第一直線部61は、一方の支柱45に連結され、第二直線部62は、他方の支柱45に連結されている。
【0044】
第一直線部61は、上方へ開放されて複数の閉鎖弁42に含まれる第一閉鎖弁71が配置される第一切欠部65と、下方へ開放されて複数の閉鎖弁42に含まれる第二閉鎖弁72が配置される第二切欠部66と、を有している。第一直線部61は、筐体2の設置面を基準とする第一閉鎖弁71および第二閉鎖弁72の設置高さを上下方向(図3中の実線矢印UD)に異ならせている。
【0045】
第一切欠部65は、第二直線部62に近く、梁46の幅方向における中央部に配置されている。第一切欠部65の両側方には、第一閉鎖弁71を固定する複数のネジ穴67が設けられている。複数のネジ穴67は、第一閉鎖弁71の仕様の差異に適合可能なよう、間隔の異なる対を複数有している。
【0046】
第二切欠部66は、第一切欠部65と一方の支柱45との間に配置されている。第二切欠部66の両側方には、第二閉鎖弁72を固定する複数のネジ穴68が設けられている。複数のネジ穴68は、第二閉鎖弁72の仕様の差異に適合可能なよう、間隔の異なる対を複数有している。
【0047】
第二直線部62は、複数の閉鎖弁42に含まれる第三閉鎖弁73を支えている。したがって、第一直線部61の閉鎖弁42(第一閉鎖弁71、第二閉鎖弁72)と第三閉鎖弁73とは、第一直線部61の主面の法線方向へオフセットしている
【0048】
さらに、梁46は、一方の舌片56の近傍から他方の舌片56の近傍へ向かって梁46の長手方向に延びる凸部69を備えている。凸部69は、梁46の主面に設けられている。凸部69は、筐体2を水平な接地面に設置した場合の水平方向(図3中の実線矢印Ho)に延びている。凸部69は、張り出し加工によって形成され、第一直線部61から第二直線部62に渡って設けられている。第一切欠部65は、凸部69より上方に設けられ、第二切欠部66、凸部69より下方に設けられている。
【0049】
第一閉鎖弁71は、熱源側の熱交換器3で凝縮された液冷媒を流通させる液管を室外機1内の冷媒管に接続する。
【0050】
第一閉鎖弁71は、冷媒管への冷媒の封入や冷媒管内の真空引きを行うためのサービスポート71aと、渡り管に接続される室内機側接続ポート71bと、室外機1内の冷媒管に接続される室外機側接続ポート71cと、室内機側接続ポート71bと室外機側接続ポート71cとの間を開閉する弁体(図示省略)と、弁体の開閉操作を行う際に開放される操作ポート71dと、を備えている。これらポート71a、71b、71c、71dは、+文字状に配置されている。
【0051】
室外機側接続ポート71cは、梁46を正面側から背面側へ貫いて延びている。室外機側接続ポート71cと室外機1内の冷媒管とは、例えばろう付けで接合されている。
【0052】
操作ポート71dは、室外機側接続ポート71cの延長線上であって第一閉鎖弁71の最前部に配置されている。操作ポート71dには、キャップ75が締め付けられている。
【0053】
サービスポート71aは、弁体を収容する弁箱71eに相当する部位の上端部に接続されて上方へ突出している。サービスポート71aには、キャップ76が締め付けられている。キャップ76は、サービスポート71aを密封する。
【0054】
室内機側接続ポート71bは、弁箱71eに相当する部位の下端部に接続されて下方へ垂れ下がっている。室内機側接続ポート71bと渡り管とは、設置現場で例えばろう付けで接合される。
【0055】
弁箱71eに相当する部位の根元部分であって、室外機側接続ポート71cに隣接する部分には、梁46の長手方向へ突出して梁46に固定される鍔部71fが設けられている。
【0056】
第二閉鎖弁72は、圧縮機から吐出された高圧のガス冷媒を流通させる高圧ガス管を室外機1内の冷媒管に接続する。第二閉鎖弁72は、第一閉鎖弁71と実質的に同様な構造を有している。そのため、詳細な説明を省略する。
【0057】
そして、第一切欠部65に配置される第一閉鎖弁71のサービスポート71aと第二切欠部66に配置される第二閉鎖弁72のサービスポート72aとは、筐体2の上下方向へオフセットして側面視(バルブ固定架41の側面視、梁46の長手方向であって主面に沿う方向視、水平方向視)において重ならない。また、第一閉鎖弁71の操作ポート71dと第二閉鎖弁72の操作ポート72dとは、筐体2の上下方向へオフセットして側面視(バルブ固定架41の側面視、梁46の長手方向であって主面に沿う方向視、水平方向視)において重ならない。
【0058】
なお、梁46の長手方向における第一切欠部65と第二切欠部66との配置は、入れ替わっていても良い。また、第一閉鎖弁71および第二閉鎖弁72のいずれが第一切欠部65に配置されていても良いし、第一閉鎖弁71および第二閉鎖弁72のいずれが第二切欠部66に配置されていても良い。
【0059】
第三閉鎖弁73は、利用側の熱交換器で熱交換された低圧のガス冷媒を圧縮機へ流通させる低圧ガス管を室外機1内の冷媒管に接続する。
【0060】
第三閉鎖弁73は、冷媒管への冷媒の封入や冷媒管内の真空引きを行うためのサービスポート73aと、渡り管に接続される室内機側接続ポート73bと、室外機1内の冷媒管に接続される室外機側接続ポート73cと、室内機側接続ポート73bと室外機側接続ポート73cとの間を開閉する弁体(図示省略)と、弁体の開閉操作を行う際に操作される操作ポート73dと、を備えている。
【0061】
室外機側接続ポート73cは、弁体を収容する弁箱73eに相当する部位の上端部に接続されて上方に延び、室内機側接続ポート73bは、弁箱73eに相当する部位の下端部に接続されて下方へ垂れ下がっている。室外機側接続ポート73cと室外機1内の冷媒管とは、例えばろう付けで接合されている。室内機側接続ポート73bと渡り管とは、設置現場で例えばろう付けで接合される。
【0062】
操作ポート73dは、弁箱73eに相当する部位から正面に突出している。操作ポート73dには、キャップ81が締め付けられている。
【0063】
サービスポート73aは、操作ポート73dより下方に配置されて弁箱73eに相当する部位から正面に突出している。サービスポート73aには、キャップ82が締め付けられている。キャップ82は、サービスポート73aを密封する。
【0064】
弁箱73eに相当する部位の根元部分であって、室外機側接続ポート73cに隣接する部分には、梁46の長手方向へ突出して梁46に固定される鍔部73fが設けられている。
【0065】
そして、梁46は、第二切欠部66の開放端の縁に設けられて第二閉鎖弁72を下方から支える突起85を備えている。突起85は、第二切欠部66の開放端の両側に設けられる一対の折り曲げ部である。突起85は、梁46の下側の辺部を折り曲げ加工によって折り曲げて形成されている。突起85は、室外機1を水平な設置面に設置した場合には、水平方向、または斜め上方へ向かって突出する。換言すると、突起85の上面と梁46の主面とがなす角度は、90度以下である。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る室外機1のバルブ固定架41は、ベースフレーム21から実質的に垂直に立ち上がる一対の支柱45と、一対の支柱45に架設されて複数の閉鎖弁42を支える梁46と、を備えている。梁46は、上方へ開放されて第一閉鎖弁71が配置される第一切欠部65と、下方へ開放されて第二閉鎖弁72が配置される第二切欠部66と、を有し、かつ設置面を基準とする第一閉鎖弁71および第二閉鎖弁72の設置高さを上下方向に異ならせている。そのため、室外機1は、第一閉鎖弁71のサービスポート71aと第二閉鎖弁72のサービスポート72aとを上下方向へオフセットさせ、第一閉鎖弁71の操作ポート71dと第二閉鎖弁72の操作ポート72dとを上下方向へオフセットさせる。そうすると、工具は、操作対象である閉鎖弁42に隣り合う閉鎖弁42に干渉せず、それぞれの閉鎖弁42の操作性が向上する。また、室外機1は、第一閉鎖弁71と第二閉鎖弁72とを上下方向へオフセットさせることで、閉鎖弁42の操作性の向上と、第一閉鎖弁71と第二閉鎖弁72との水平方向の距離を短縮と、を両立できる。室外機1は、第一閉鎖弁71と第二閉鎖弁72との水平方向の距離を短縮することで筐体2の幅方向寸法または奥行き寸法を短縮して、筐体2の設置面積を低減する。
【0067】
また、本実施形態に係る室外機1のバルブ固定架41は、下方へ解放される第二切欠部66の開放端の縁に設けられて第二閉鎖弁72を下方から支える突起85を備えている。したがって、上方に解放される第一切欠部65では、第一閉鎖弁71は、第一切欠部65に引っ掛けられて仮設置され、その後にバルブ固定架41に確実に固定され、下方に解放される第二切欠部66では、第二閉鎖弁72は、突起85に引っ掛けられて仮設置され、その後にバルブ固定架41に確実に固定される。そのため、室外機1は、下方へ解放される第二切欠部66に第二閉鎖弁72を設置する作業の困難性を排除し、作業性の低下を防ぐことができる。
【0068】
さらに、本実施形態に係る室外機1のバルブ固定架41は、水平な設置面に設置した場合には、水平方向、または斜め上方へ向かって突出する突起85を備えている。水平方向、または斜め上方へ向かって突出する突起85は、突起85に引っ掛かる第二閉鎖弁72の脱落を妨げ、第二閉鎖弁72を梁46に押さえつけるように保持する。そのため、室外機1は、下方へ解放される第二切欠部66に第二閉鎖弁72を設置する作業の困難性をより確実に排除し、作業性の低下を十分に防ぐことができる。
【0069】
また、本実施形態に係る室外機1のバルブ固定架41は、平面視において鈍角をなす第一直線部61と第二直線部62とを有している。第二直線部62は、第三閉鎖弁73を支えている。そのため、室外機1は、冷暖同時運転型の空気調和機のように、3つの渡り管に対応する3つの閉鎖弁42を備える場合であっても、第一閉鎖弁71、第二閉鎖弁72、および第三閉鎖弁73の水平方向の距離を短縮し、筐体2の設置面積を低減できる。また、室外機1は、第二直線部62に設置される第三閉鎖弁73を、第一直線部61の法線方向へオフセットさせる。そうすると、工具は、操作対象である閉鎖弁42に隣り合う閉鎖弁42に干渉せず、それぞれの閉鎖弁42の操作性が向上する。
【0070】
したがって、本実施形態にかかる空気調和機の室外機1によれば、閉鎖弁42の操作性の向上と小型化とを両立できる。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1…室外機、2…筐体、3…熱交換器、5…送風機、5L…左送風機、5R…右送風機、11…吹出口、11L…左吹出口、11R…右吹出口、15…フレーム、16…外板、21…ベースフレーム、22…ピラー、25…桁材、25F…前桁材、25R…後桁材、41…バルブ固定架、42…閉鎖弁、45…支柱、46…梁、51…補強リブ、52…フランジ部、53…孔、55…補強リブ、56…舌片、57…孔、61…第一直線部、62…第二直線部、65…第一切欠部、66…第二切欠部、67、68…ネジ穴、69…凸部、71…第一閉鎖弁、71a…サービスポート、71b…室内機側接続ポート、71c…室外機側接続ポート、71d…操作ポート、71e…弁箱、71f…鍔部、72…第二閉鎖弁、72a…サービスポート、72b…室内機側接続ポート、72c…室外機側接続ポート、72d…操作ポート、72e…弁箱、72f…鍔部、73…第三閉鎖弁、73a…サービスポート、73b…室内機側接続ポート、73c…室外機側接続ポート、73d…操作ポート、73e…弁箱、73f…鍔部、75、76、81、82…キャップ、85…突起。
図1
図2
図3
図4
図5
図6