(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】着用物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20231212BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
A61F13/15 311B
A61F13/15 340
A61F13/15 393
A61F13/49 311A
A61F13/49 315A
A61F13/49 413
A61F13/49 312A
A61F13/15 351A
A61F13/15 371
(21)【出願番号】P 2022554161
(86)(22)【出願日】2021-10-01
(86)【国際出願番号】 JP2021036528
(87)【国際公開番号】W WO2022071604
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2020167749
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】島田 崇博
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-186563(JP,A)
【文献】国際公開第2019/054314(WO,A1)
【文献】特開平05-076566(JP,A)
【文献】特開平04-028363(JP,A)
【文献】特開2009-284984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A61L15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の腹部に配置される前腹部と、着用者の臀部に配置される後背部と、前記前腹部に接続された前部と前記後背部に接続された後部と前記前部から前記後部まで延びるとともに着用者の股下部に配置される中間部とを有する吸収体と、を備えた着用物品の製造方法であって、
前記前腹部及び前記後背部を形成するための少なくとも1枚の弾性シートを準備するシート準備工程と、
前記少なくとも1枚の弾性シートにおいて前記吸収体の前部が接続される前部接続領域であって前記吸収体の吸収性コアが配置される領域として予め設定された前部弱化領域、及び、前記吸収体の後部が接続される後部接続領域であって前記吸収性コアが配置される領域として予め設定された後部弱化領域における前記弾性シートの弾性を弱化するシート弱化工程と、
前記吸収体の前部を前記少なくとも1枚の弾性シートの前部接続領域に接続するとともに、前記吸収体の後部を前記少なくとも1枚の弾性シートの後部接続領域に接続する吸収体接続工程と、を含み、
前記シート弱化工程は、前記前部弱化領域及び前記後部弱化領域について同時に実行され
、
前記シート準備工程では、弾性を有する熱可塑性樹脂により形成されたシート状の弾性部材本体と、前記弾性部材本体を挟んだ状態で前記弾性部材本体と超音波溶着された一対の不織布シートと、を有する1枚の弾性シートであって、前記前腹部を形成するための前側弾性部分と、前記後背部を形成するための後側弾性部分と、を有する1枚の弾性シートを準備し、
前記シート弱化工程は、前記前部弱化領域と前記後部弱化領域とを含む弱化領域の面積と同等の面積を有する外周面を有するとともに加熱されたプレス突起と支持ローラとの間で前記1枚の弾性シートを挟圧させることにより、前記1枚の弾性シートに対して実行され、
前記吸収体接続工程では、前記吸収性コアが前記弱化領域内に収まるように前記吸収性コアが前記弾性シートに位置決めされた状態で前記吸収体を前記弾性シートに接続する、着用物品の製造方法。
【請求項2】
請求項
1に記載の着用物品の製造方法は、前記シート弱化工程の後に前記1枚の弾性シートを前記前側弾性部分と前記後側弾性部分とに切り分ける切り分け工程と、
切り分けられた前記前側弾性部分と前記後側弾性部分とを前記吸収体の延びる方向に互いに離間させる離間工程と、をさらに含む、着用物品の製造方法。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の着用物品の製造方法は、前記吸収体の延びる延び方向と直交する直交方向において前記吸収性コアが配置される領域の両側に予め設定された弾性部材接続位置にそれぞれレッグ用弾性部材が配置され、かつ、前記レッグ用弾性部材が前記延び方向に伸長した状態で前記レッグ用弾性部材を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続する弾性部材接続工程をさらに備えている、着用物品の製造方法。
【請求項4】
請求項
3に記載の着用物品の製造方法は、前記レッグ用弾性部材を覆うように前記少なくとも1枚の弾性シートに被覆シートを配置するとともに前記被覆シートを前記少なくとも1枚の弾性シートに接続するシート接続工程をさらに備えている、着用物品の製造方法。
【請求項5】
請求項
4に記載の着用物品の製造方法であって、前記シート接続工程では、着用者の脚を通すためのレッグホールを形成するための領域として予め設定されたホール形成領域の全体を覆うように前記被覆シートを前記少なくとも1枚の弾性シートに接続し、
前記着用物品の製造方法は、前記シート接続工程の後に、前記ホール形成領域に沿った切り欠きを形成する切り欠き形成工程をさらに含む、着用物品の製造方法。
【請求項6】
着用者の腹部に配置される前腹部と、着用者の臀部に配置される後背部と、前記前腹部に接続された前部と前記後背部に接続された後部と前記前部から前記後部まで延びるとともに着用者の股下部に配置される中間部とを有する吸収体と、を備えた着用物品の製造方法であって、
前記前腹部及び前記後背部を形成するための少なくとも1枚の弾性シートを準備するシート準備工程と、
前記少なくとも1枚の弾性シートにおいて前記吸収体の前部が接続される前部接続領域であって前記吸収体の吸収性コアが配置される領域として予め設定された前部弱化領域、及び、前記吸収体の後部が接続される後部接続領域であって前記吸収性コアが配置される領域として予め設定された後部弱化領域における前記弾性シートの弾性を弱化するシート弱化工程と、
前記吸収体の前部を前記少なくとも1枚の弾性シートの前部接続領域に接続するとともに、前記吸収体の後部を前記少なくとも1枚の弾性シートの後部接続領域に接続する吸収体接続工程と、
前記吸収体の延びる延び方向と直交する直交方向において前記吸収性コアが配置される領域の両側に予め設定された弾性部材接続位置にそれぞれレッグ用弾性部材が配置され、かつ、前記レッグ用弾性部材が前記延び方向に伸長した状態で前記レッグ用弾性部材を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続する弾性部材接続工程と、
前記レッグ用弾性部材を覆うように前記少なくとも1枚の弾性シートに被覆シートを配置するとともに前記被覆シートを前記少なくとも1枚の弾性シートに接続するシート接続工程と、を含み
前記シート弱化工程は、前記前部弱化領域及び前記後部弱化領域について同時に実行され、
前記シート接続工程では、前記少なくとも1枚の弾性シートの前記延び方向における着用者のウエスト側の縁部を超えて前記弾性シートから離れる方向に延びる延出部が形成されるように前記少なくとも1枚の弾性シートの着用者の肌面と反対側の外面に前記被覆シートを接続し、
前記着用物品の製造方法は、前記少なくとも1枚の弾性シートの縁部及び前記吸収体の端部を挟み込むように前記延出部を折り返すとともに前記延出部を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続する延出部接続工程をさらに含む、着用物品の製造方法。
【請求項7】
請求項
3~
6の何れか1項に記載の着用物品の製造方法であって、前記弾性部材接続工程では、前記吸収性コアが配置される領域の一方側に設定された前記弾性部材接続位置に対して前記延び方向に伸長した状態で接続された第1部分と、前記吸収性コアが配置される領域の他方側に設定された前記弾性部材接続位置に対して前記延び方向に伸長した状態で接続された第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを連結する連結部分と、が形成されるように前記レッグ用弾性部材を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続し、
前記着用物品の製造方法は、前記弾性部材接続工程の後に、前記連結部分における前記吸収性コアが配置される領域として予め設定された領域の弾性を弱化する弾性部材弱化工程をさらに有している、着用物品の製造方法。
【請求項8】
請求項
3に記載の着用物品の製造方法は、保持シートと、前記直交方向に伸長した状態で、かつ、前記延び方向に互いに離間した状態で前記保持シートに接続された一対の前記レッグ用弾性部材と、を有する弾性部品を準備する弾性部品準備工程と、
前記レッグ用弾性部材が延び方向に延びる姿勢となるように前記弾性部品の姿勢を変更する姿勢変更工程と、をさらに含み、
前記弾性部材接続工程では、各レッグ用弾性部材が
前記弾性部材接続位置に配置され、かつ、前記レッグ用弾性部材が延び方向に伸長した状態で前記弾性部品を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続する、着用物品の製造方法。
【請求項9】
請求項
3に記載の着用物品の製造方法は、保持シートと、前記延び方向に伸長した状態で前記保持シートに接続された第1部分と前記延び方向に伸長した状態でかつ前記第1部分から前記直交方向に離間した状態で前記保持シートに接続された第2部分と前記第1部分と前記第2部分とを連結する連結部分とを有する前記レッグ用弾性部材と、を備えた弾性部品を準備する弾性部品準備工程と、
前記連結部分における前記吸収性コアが配置される領域として予め設定された領域の弾性を弱化する弾性部材弱化工程と、をさらに有し、
前記弾性部材接続工程では、前記弾性部材弱化工程の前又は後において、前記吸収性コアが配置される領域の一方側に設定された前記弾性部材接続位置に前記第1部分が配置され、かつ、前記吸収性コアが配置される領域の他方側に設定された前記弾性部材接続位置に前記第2部分が配置された状態で前記弾性部品を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続する、着用物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、着用者の腹部に配置される前腹部と、着用者の臀部に配置される後背部と、前腹部に接続された前部と後背部に接続された後部と前部から後部まで延びるとともに着用者の股下部に配置される中間部とを有する吸収体と、を備えた着用物品が知られている。
【0003】
前記前腹部及び前記後背部は、着用時のフィット感を向上するために幅方向(着用者から見た左右方向)の伸縮性を有する。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の吸収性物品は、フロントパネルと、バックパネルと、吸収性アセンブリと、を備えている。フロントパネル及びバックパネルは、伸縮性を有する弾性シートを有している。
【0005】
前記弾性シートは、伸縮可能な第1領域と、伸縮不能な第2領域とを有している。吸収性アセンブリの前部は、フロントパネルの弾性シートにおける第2領域に接合され、吸収性アセンブリの後部は、バックパネルの弾性シートにおける第2領域に接合されている。これにより、フロントパネル及びバックパネルの伸縮にかかわらず吸収性アセンブリの幅方向の伸縮が規制される。
【0006】
なお、特許文献1には、弾性シートに第2領域を形成するために弾性シートに熱を加えることにより当該第2領域における弾性を無効化(弱化)することが記載されている。
【0007】
しかし、特許文献1においては、着用物品の生産性を向上するための弾性シートの弱化方法が考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、弾性シートの弱化を効率的に行うことにより着用物品の生産性を向上することができる着用物品の製造方法及びこれにより製造された着用物品を提供することにある。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、着用者の腹部に配置される前腹部と、着用者の臀部に配置される後背部と、前記前腹部に接続された前部と前記後背部に接続された後部と前記前部から前記後部まで延びるとともに着用者の股下部に配置される中間部とを有する吸収体と、を備えた着用物品の製造方法であって、前記前腹部及び前記後背部を形成するための少なくとも1枚の弾性シートを準備するシート準備工程と、前記少なくとも1枚の弾性シートにおいて前記吸収体の前部が接続される前部接続領域であって前記吸収体の吸収性コアが配置される領域として予め設定された前部弱化領域、及び、前記吸収体の後部が接続される後部接続領域であって前記吸収性コアが配置される領域として予め設定された後部弱化領域における前記弾性シートの弾性を弱化するシート弱化工程と、前記吸収体の前部を前記少なくとも1枚の弾性シートの前部接続領域に接続するとともに、前記吸収体の後部を前記少なくとも1枚の弾性シートの後部接続領域に接続する吸収体接続工程と、を含み、前記シート弱化工程は、前記前部弱化領域及び前記後部弱化領域について同時に実行される、着用物品の製造方法を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、前記着用物品の製造方法により製造された着用物品を提供する。
【0012】
本発明によれば、弾性シートの弱化を効率的に行うことにより着用物品の生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る着用物品の製造方法を示す工程図である。
【
図2】
図1におけるシート弱化工程を実行するための弱化処理装置の概略構成を示す正面図である。
【
図3】
図1に示す着用物品の製造方法の一部を変更することにより製造可能な別の着用物品の平面図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る着用物品の製造方法を示す工程図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態に係る着用物品の製造方法を示す工程図である。
【
図6】本発明の第4の実施形態に係る着用物品の製造方法を示す工程図である。
【
図7】本発明の第5の実施形態に係る着用物品の製造方法を示す工程図である。
【
図8】本発明の第6の実施形態に係る着用物品の製造方法を示す工程図である。
【
図9】本発明の第7の実施形態に係る着用物品の製造方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0015】
<第1の実施形態(
図1~
図3)>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る着用物品(例えば、おむつや生理用ショーツ)の製造方法の工程図を示す。
【0016】
まず、
図1における工程(1-4)及び工程(1-6)を参照して、製造対象となる着用物品1の構成を説明する。
【0017】
まず、着用物品1の展開状態を示す工程(1-4)を参照して、着用物品1は、幅方向W(工程(1-1)参照)に弾性を有する弾性シート6と、弾性シート6上に設けられた吸収体4と、を有する。
【0018】
弾性シート6は、着用者の腹部に配置される前腹部を形成するための前側弾性部分2と、着用者の臀部に配置される後背部を形成するための後側弾性部分3と、前側弾性部分2と後側弾性部分3との間に設けられたクロッチ部5と、を有する。クロッチ部5における吸収体4の両側にはレッグホールを形成するためのレッグ用切り欠き5aが形成されている。
【0019】
また、弾性シート6は、弾性を有する熱可塑性樹脂により形成されたシート状の弾性部材本体(図示省略)と、弾性部材本体を挟んだ状態で弾性部材本体と超音波溶着された一対の不織布シート(図示省略)と、を有する。弾性を有する熱可塑性樹脂は、室温で弾性を有するものが好ましく、例えば、JIS K 6418:2007(ISO 18064:2003)において分類されている熱可塑性エラストマーから適宜選択可能である。例えば、ハードセグメントのガラス転移温度が100℃~200℃程度、ソフトセグメントのガラス転移温度が-70℃~-10℃の熱可塑性エラストマーを用いることができる。また、弾性シート6は、例えば、国際公開第2019/155765号に記載の装置及び方法を用いて製造することができる。
【0020】
吸収体4は、前側弾性部分2に接続された前部4aと、後側弾性部分3に接続された後部4bと、前部4aから後部4bまで延びるとともに着用者の股下部に配置される中間部4cと、を備えている。以下、吸収体の延びる方向を延び方向といい、前記幅方向Wは、延び方向と直交する方向(直交方向に相当)である。
【0021】
具体的に、吸収体4の前部4aは、弾性シート6の前側弾性部分2における幅方向Wの中間に設定された前部接続領域FC(
図1のハッチング領域)に対して接続されている。吸収体の後部4bは、弾性シート6の後側弾性部分3における幅方向Wの中間に設定された後部接続領域RC(
図1のハッチング領域)に対して接続されている。吸収体の中間部4cは、弾性シート6のクロッチ部5における幅方向Wの中間に設定された中間接続領域CC(接続領域FCとRCとの間の領域)に対して接続されている。これらの接続は、接着剤による接着、熱や超音波による溶着により実現することができる。
【0022】
また、吸収体4は、着用者の尿等を吸収するための吸収性コア4dと、吸収性コア4dを表裏に挟み込んだ状態で当該吸収性コア4dに接続された一対のカバーシート4eと、を有する。一対のカバーシート4eは、吸収性コア4dの表側(着用者の肌面側)に配置されているとともに液体を通過可能な材質により形成された表面シート(符号省略)と、吸収性コア4dの裏側(肌面と反対側)に配置されているとともに液体を透過不能な材質により形成された裏面シート(符号省略)と、を有する。
【0023】
吸収体4は、吸収性コア4dに対して弾性シート6による弾性力が与えられるのを抑制した状態で、弾性シート6に接続されている。具体的に、弾性シート6において吸収体が接続される領域であって吸収性コア4dが配置される領域には、弾性シート6の弾性を弱化するための弱化処理が施されている。本実施形態では、平面視において弾性シート6における吸収性コア4dの接続領域の全体を含む弱化領域WRについて弱化処理が施されている。つまり、弱化領域WRは、前部接続領域FCであって吸収性コア4dが配置される領域として予め設定された前部弱化領域FW(クロスハッチングの領域)、後部接続領域RCであって吸収性コア4dが配置される領域として予め設定された後部弱化領域RW(クロスハッチングの領域)、及び中間接続領域CCであって吸収性コア4dが配置される領域として予め設定された中間弱化領域(符号省略:吸収性コア4dにおける両領域FW、RW間の領域)の全体を含む領域である。本実施形態において、弱化領域WRは、平面視で吸収性コア4dよりも延び方向及び幅方向Wに大きい領域として設定されている。これにより、吸収性コア4dに対して弾性シート6による弾性が与えられるのを抑制することができるため、着用時における吸収性コア4dの変形を抑制することにより確実に尿等を吸収することができる。
【0024】
工程(1-4)に加えて着用物品1の完成状態を示す工程(1-6)を参照して、前側弾性部分2と後側弾性部分3とが互いに重なり合うように弾性シート6が二つ折にされた状態で前側弾性部分2及び後側弾性部分3の幅方向の両縁部がサイドシール部Sにより互いに接続されている。サイドシール部Sは、接着剤による接着、熱や超音波による溶着により形成することができる。このように前側弾性部分2と後側弾性部分3とがサイドシール部により互いに接続された着用物品1は、パンツのように両足をレッグホールに通して着用可能なものである。
【0025】
以下、
図1を参照して、着用物品1の製造方法について説明する。
【0026】
着用物品1の製造方法は、シート準備工程(1-1)と、シート弱化工程(1-2)と、吸収体接続工程(1-3)と、切り欠き形成工程(1-4)と、二つ折り工程(1-5)と、サイドシール工程(1-6)と、を含む。
【0027】
シート準備工程(1-1)では、前側弾性部分2及び後側弾性部分3を形成するための弾性シート6を準備する。本実施形態のシート準備工程(1-1)では、前側弾性部分2を形成するための前側弾性部分2Aと、後側弾性部分3を形成するための後側弾性部分3Aと、クロッチ部5を形成するための股下弾性部分5Aと、を有する1枚の弾性シート6を準備する。
【0028】
また、シート準備工程(1-1)以降の工程は、弾性シート6が幅方向Wに張力を与えられた状態で幅方向Wの一方側に搬送された状態で実行される。
【0029】
シート弱化工程(1-2)では、工程(1-4)に示されるように、弾性シート6の前部弱化領域FW、後部弱化領域RW、及び中間弱化領域を含む弱化領域WRにおける弾性を弱化する。シート弱化工程(1-2)は、1枚の弾性シート6に対して実行され、さらに前部弱化領域FW、後部弱化領域RW、及び中間弱化領域に対して同時に実行される。
【0030】
図2は、弱化工程を実行するための弱化処理装置10の概略構成を示す正面図である。
【0031】
図2を参照して、弱化処理装置10は、弾性シート6を支持する支持ローラ11と、支持ローラ11に支持された弾性シート6に対して熱を加えるヒートローラ12と、を備えている。支持ローラ11は、方向D1に回転するローラである。ヒートローラ12は、方向D1とは反対の方向D2に回転するローラ本体12aと、ローラ本体12aの外周面における周方向に異なる複数位置から径方向の外側に突出するプレス突起12bと、を有する。プレス突起12bは、図外のヒータにより加熱されているとともに、弱化領域WRの面積と同等の面積を有する外周面を有している。両ローラ11、12が回転するとともにプレス突起12bと支持ローラ11との間に弾性シート6が供給されることにより、弾性シート6における支持ローラ11とプレス突起12bとの間で挟圧され、かつ、加熱された部分が変性する。これにより、弾性シート6の弱化領域WRにおける弾性は、弾性シート6の弱化領域WR以外の領域よりも低くなるか、又は、無効化される。
【0032】
吸収体接続工程(1-3)では、吸収性コア4dが弱化領域WR内に収まるように吸収性コア4dが弾性シート6に位置決めされた状態で吸収体4を弾性シート6に接続する。具体的に、吸収体4の前部4aを前部接続領域FCに接続し、吸収体4の後部4bを後部接続領域RCに接続し、さらに、吸収体4の中間部4cを中間接続領域CCに接続する。
【0033】
なお、本実施形態では、吸収体4の中間部4cを弾性シート6に接続しているが、この接続を省略することもできる。
【0034】
切り欠き形成工程(1-4)では、着用者の脚を通すためのレッグホールを形成するための領域として予め設定されたホール形成領域に沿ったレッグ用切り欠き5aを形成する。これにより、弾性シート6は、前側弾性部分2と、後側弾性部分3と、クロッチ部5と、に区分される。
【0035】
二つ折り工程(1-5)では、前側弾性部分2と後側弾性部分3とが互いに重なるように弾性シート6を二つ折りにする。
【0036】
サイドシール工程(1-6)では、二つ折りにされた弾性シート6における前側弾性部分2及び後側弾性部分3の幅方向Wの端部同士を接続する。これにより、レッグ用切り欠き5aにより形成されたレッグホールを有するパンツ型の着用物品1が完成する。
【0037】
なお、前記実施形態では、サイドシール工程(1-6)を行うことにより、パンツ型の着用物品1を製造しているが、サイドシール工程(1-6)に代えて面テープTを弾性シート6に取り付ける工程を採用することにより
図3に示すようなテープ型の着用物品1を製造することができる。
【0038】
テープ型の着用物品1は、前側弾性部分2の肌面と反対の面に脱着可能に係止可能な面テープTを有している。面テープTは、例えば、フック部を有する雄ファスナと、ループ部を有する雌ファスナと、を有する面ファスナの一方により形成することができる。この場合、前側弾性部分2には、面テープTに係止可能な雄ファスナ又は雌ファスナが取り付けられている。前記ループ部として不織布を代用することもできる。
【0039】
テープ型の着用物品1を製造する場合、
図1に示す工程(1-1)~工程(1-5)までの間に面テープT及びこれに係止する部材(例えば、面ファスナの一方)を弾性シート6に取り付ける工程を行う。
【0040】
また、前記実施形態では、着用物品1の幅方向Wの大きさに切断された弾性シート6を用いて着用物品1を製造する方法について説明したが、複数の弾性シート6が幅方向Wに連続する連続体を用いて着用物品1を製造することが好ましい。
図1に示すパンツ型の着用物品を製造する場合、サイドシール工程(1-6)の後に連続体を個別の弾性シート6に切断することができる。また、
図3に示すテープ型の着用物品1を製造する場合には、面テープTを取り付ける工程の前に連続体を個別の弾性シート6に切断することができる。
【0041】
以上説明したように、前側弾性部分2及び後側弾性部分3を形成するための弾性シート6における前部接続領域FC及び後部接続領域RCについて同時に弾性を弱化することができる。これにより、前部接続領域FC及び後部接続領域RCについて個別に弾性を弱化する場合と比較して、弱化工程(1-2)の効率を向上することができる。したがって、着用物品1の生産性を向上することができる。
【0042】
また、第1の実施形態によれば、1枚の弾性シート6に対して弱化工程を行うことにより前部接続領域FC及び後部接続領域RCにおける弾性を同時に弱化することができる。そのため、2枚の弾性シート6の相対位置を調整しながら弱化工程を実行する場合と比較して着用物品の生産性を向上することができる。
【0043】
<第2の実施形態(
図4)>
前記第1の実施形態では、弾性シート6がクロッチ部5を有しているが、
図4に示す第2の実施形態に示されるようにクロッチ部5を省略することもできる。また、第2の実施形態に係る着用物品1は、第1の実施形態とは異なり、レッグ用弾性部材7及びこれを覆う被覆シート8を備えている。
【0044】
以下、第2の実施形態に係る着用物品1の構成及び製造方法について説明する。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同様の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図4の工程(2-6)を参照して、着用物品1は、幅方向Wに弾性を有する前側弾性部分2及び後側弾性部分3と、これら弾性部分2、3に跨るように配置された状態で弾性部分2、3に接続された吸収体4と、を有する。
【0046】
前側弾性部分2は、着用者の腹部に配置される前腹部を形成するための部分である。前側弾性部分2の幅方向Wの両端部には、レッグホールを形成するためのレッグ用切り欠き5aがそれぞれ形成されている。
【0047】
後側弾性部分3は、着用者の臀部に配置される後背部を形成するための部分である。後側弾性部分3の幅方向Wの両端部には、レッグホールを形成するためのレッグ用切り欠き5aが形成されている。
【0048】
吸収体4は、前側弾性部分2の前部接続領域FC(ハッチング領域)に接続された前部4aと、後側弾性部分3の後部接続領域RC(ハッチング領域)に接続された後部4bと、前側弾性部分2と後側弾性部分3との間に配置された中間部4cと、を備えている。
【0049】
吸収体4は、両弾性部分2、3に接続された状態において吸収性コア4dが両弾性部分2、3から弾性力を受けるのを抑制した状態で、両弾性部分2、3に接続されている。具体的に、前側弾性部分2には、前側弾性部分2の弾性が弱化された弱化領域WR1が形成されているとともに、後側弾性部分3には、後側弾性部分3の弾性が弱化された弱化領域WR2が形成されている。弱化領域WR1は、前部接続領域FCであって吸収性コア4dが配置される領域として予め設定された前部弱化領域FWを含む領域である。弱化領域WR2は、後部接続領域RCであって吸収性コア4dが配置される領域として予め設定された後部弱化領域RWを含む領域である。
【0050】
レッグ用弾性部材7は、幅方向Wにおいて吸収性コア4dが配置される領域の両側に予め設定された弾性部材接続位置に設けられている。具体的に、レッグ用弾性部材7は、糸又は紐状の弾性部材であり、両弾性部分2、3の着用者の肌に面する表面に対して延び方向に沿って(レッグ用切り欠き5aに沿って)伸長状態で接続されている。本実施形態では、前側弾性部分2の吸収性コア4dの両側にそれぞれ2本のレッグ用弾性部材7が設けられ、後側弾性部分3の吸収性コア4dの両側にそれぞれ2本のレッグ用弾性部材7が設けられている。各レッグ用切り欠き5aの近傍位置には、複数本のレッグ用弾性部材7(
図4の例では2本)が設けられている。
【0051】
被覆シート8は、レッグ用弾性部材7を覆うように前側弾性部分2及び後側弾性部分3のそれぞれの着用者の肌に面する表面に設けられている。つまり、レッグ用弾性部材7が前側弾性部分2と被覆シート8との間で挟まれた状態で、前側弾性部分2と被覆シート8とが接続され、かつ、前側弾性部分2及び被覆シート8の少なくとも一方とレッグ用弾性部材7とが接続されている。同様に、レッグ用弾性部材7が後側弾性部分3と被覆シート8との間で挟まれた状態で、後側弾性部分3と被覆シート8とが接続され、かつ、後側弾性部分3及び被覆シート8の少なくとも一方とレッグ用弾性部材7とが接続されている。これらの接続は、接着剤による接着、熱や超音波による溶着により実現することができる。また、被覆シート8は、不織布により形成されたシートである。
【0052】
以下、
図4を参照して、着用物品1の製造方法について説明する。なお、第1の実施形態の着用物品1の製造方法と同様の工程については説明を省略する。
【0053】
着用物品1の製造方法は、シート準備工程(図示省略)と、シート弱化工程(2-1)と、切り分け及び離間工程(2-2)と、弾性部材供給工程(2-3)と、シート接続工程(2-4)と、吸収体接続工程(2-5)と、切り欠き形成工程(2-6)と、を含む。また、着用物品1の製造方法は、上記工程に加えて、第1の実施形態における二つ折り工程(1-5)を含んでいてもよく、サイドシール工程(1-6)又は
図3に示す面テープTを取り付ける工程を含んでいてもよい。上記の工程によって、パンツ型の着用物品1(
図1参照)又はテープ型の着用物品1(
図3参照)を製造することができる。
【0054】
シート準備工程では、シート弱化工程(2-1)に示すように、前側弾性部分2と後側弾性部分3とを有する1枚の弾性シート6を準備する。
【0055】
また、シート準備工程以降の工程は、弾性シート6が幅方向Wに張力を与えられた状態で幅方向Wの一方側に搬送された状態で実行される。
【0056】
シート弱化工程(2-1)では、弾性シート6の弱化領域WR1と弱化領域WR2とを含む弱化領域WRにおける弾性を弱化する。シート弱化工程(2-1)は、1枚の弾性シート6に対して実行され、さらに弱化領域WR1、WR2に対して同時に実行される。
【0057】
切り分け及び離間工程(2-2)では、シート弱化工程(2-1)の後に1枚の弾性シート6を予め設定された切断線Cに沿って前側弾性部分2と後側弾性部分3とに切り分ける。これにより、弱化領域WRが弱化領域WR1と弱化領域WR2とに分断される。さらに、切り分け及び離間工程(2-2)では、切り分けられた前側弾性部分2と後側弾性部分3とを延び方向に互いに離間させる。
【0058】
弾性部材供給工程(2-3)では、幅方向Wにおいて吸収性コア4dが配置される領域の両側に予め設定された弾性部材接続位置(工程(2-4)において破線で示す位置)にそれぞれレッグ用弾性部材7が配置され、かつ、レッグ用弾性部材7が延び方向に伸長した状態でレッグ用弾性部材7を前側弾性部分2及び後側弾性部分3に供給する。
【0059】
具体的に、弾性部材供給工程(2-3)では、弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)の搬送方向(幅方向Wの一方側)に対して蛇行する経路(図示の例では正弦波に沿った経路)に沿ってレッグ用弾性部材7を供給する。つまり、弾性部材供給工程(2-3)では、第1部分7aと、第2部分7bと、連結部分7cと、が形成されるようにレッグ用弾性部材7を前側弾性部分2及び後側弾性部分3にそれぞれ接続する。第1部分7aは、吸収性コア4dが配置される領域の左側に設定された弾性部材接続位置に対して延び方向に伸長状態で接続されている。第2部分7bは、吸収性コア4dが配置される領域の右側に設定された弾性部材接続位置に対して延び方向に伸長状態で接続されている。連結部分7cは、第1部分7aと第2部分7bとを連結するとともに、前側弾性部分2及び後側弾性部分3の外側に配置されている。
【0060】
次いで、シート接続工程(2-4)では、レッグ用弾性部材7の第1部分7a及び第2部分7bを覆うように前側弾性部分2及び後側弾性部分3のそれぞれに対して被覆シート8を配置するとともに被覆シート8を前側弾性部分2及び後側弾性部分3に接続する。また、シート接続工程(2-4)ではなお、本実施形態では、被覆シート8は、弱化領域WR1、WR2をそれぞれ覆うように前側弾性部分2及び後側弾性部分3に対して配置される。
【0061】
具体的に、シート接続工程(2-4)では、被覆シート8に対して接着剤を供給するとともに、接着剤の塗布された被覆シート8と前側弾性部分2及び後側弾性部分3のそれぞれと重ねた状態で、被覆シート8と前側弾性部分2及び被覆シート8と後側弾性部分3を図外のニップロールで挟圧する。これにより、被覆シート8と前側弾性部分2及び後側弾性部分3のそれぞれとを接着する。
【0062】
また、本実施形態では、シート接続工程(2-4)における図外のニップロールを用いた挟圧により、レッグ用弾性部材7の第1部分7a及び第2部分7bが延び方向に伸長した状態でレッグ用弾性部材7が前側弾性部分2及び後側弾性部分3のそれぞれに対して接着剤により接着される。つまり、弾性部材供給工程(2-3)及びシート接続工程(2-4)が本実施形態における弾性部材接続工程に相当する。なお、接着剤の供給は、弾性部材供給工程(2-3)のレッグ用弾性部材7の供給前又は供給後に行ってもよく、被覆シート8に対してではなく弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)に対して行ってもよい。
【0063】
また、接着剤を用いたレッグ用弾性部材7の接続を例に挙げて説明したが、接着剤に加えて又は代えて、熱や超音波による溶着により、前側弾性部分2及び後側弾性部分3と被覆シート8との接続、及び、前側弾性部分2及び後側弾性部分3とレッグ用弾性部材7との接続を行うこともできる。この場合、弾性部材供給工程(2-3)においてレッグ用弾性部材7を前側弾性部分2及び後側弾性部分3に対して超音波溶着することもできる。
【0064】
なお、上記のようにレッグ用弾性部材7が前側弾性部分2及び後側弾性部分3に接続された後、レッグ用弾性部材7における前側弾性部分2及び後側弾性部分3の外側に配置された部分、つまり連結部分7cを第1部分7a及び第2部分7bから切り離す(弾性部材弱化工程)。これにより、連結部分7cにおける吸収性コア4dが配置される領域として予め設定された領域の弾性が弱化(本実施形態では無効化)される。
【0065】
吸収体接続工程(2-5)では、吸収体4の前部4aを前部接続領域FC(工程(2-6)のハッチング部分)に接続するとともに、吸収体4の後部4bを後部接続領域RC(工程(2-6)のハッチング部分)に接続する。
【0066】
切り欠き形成工程(2-6)では、前側弾性部分2及び後側弾性部分3に予め設定されたホール形成領域に沿ったレッグ用切り欠き5aを形成する。
【0067】
第2実施形態によれば、互いに離間する2枚の弾性シート(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)に跨るように2枚の弾性シートに対して吸収体4を接続することにより、両弾性部分2、3の間の領域であって吸収体4により区分された領域をレッグホールとして利用することができる。そのため、着用者の股下部を覆う部分における弾性シートを省略することができ、弾性シート6の使用量を低減することができる。
【0068】
さらに、レッグ用弾性部材7を延び方向に伸長した状態で弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)に接続することにより、弾性シート6に延び方向の弾性を与えることができる。そのため、弾性シート6自体の弾性を延び方向に与えるために弾性シート6を複数方向(幅方向W及び延び方向)に伸長させることが不要となり、弾性シート6の取り扱いが容易になる。
【0069】
また、レッグ用弾性部材7を被覆シート8と弾性シート6との間で挟持することにより弾性シート6に対してレッグ用弾性部材7を保持させるための保持力を十分に確保することができる。したがって、レッグ用弾性部材7を弾性シート6に対して確実に接続することができる。
【0070】
さらに、上述のように、レッグ用弾性部材7が前側弾性部分2及び後側弾性部分3に接続された後、レッグ用弾性部材7の連結部分7cにおける吸収性コア4dが配置される領域の弾性が弱化(無効化)される。これにより、連結部分7cによる弾性が吸収性コアに与えられるのを防止することができる。
【0071】
なお、第1の実施形態のように、弾性シート6が着用者の股下部の領域を覆う部分を有する場合にも第2の実施形態の弾性部材供給工程(2-3)を適用することができる。この場合、連結部分7cにおける吸収性コア4dが配置される領域の弾性を弱化することにより、上記と同様の効果を得ることができる。さらに、第1の実施形態に対してシート接続工程(2-4)を適用することもできる。
【0072】
また、第2の実施形態では、個別の弾性シート6を用いて工程(2-1)~(2-6)を行う点について説明したが、複数の弾性シート6が幅方向Wに連続する連続体を幅方向Wに搬送した状態で、工程(2-1)~(2-6)を行うことが好ましい。
【0073】
さらに、吸収体接続工程(2-5)が切り欠き形成工程(2-6)の前に実行される例について説明したが、これらの順序は、逆であってもよい。
【0074】
<第3の実施形態(
図5)>
第2の実施形態では、レッグ用弾性部材7を弾性シート6に直接接続する例について説明した。一方、
図5に示す第3の実施形態のように、レッグ用弾性部材7と、レッグ用弾性部材7を挟み込む一対の挟み込みシート(保持シートの一例)9と、を有する弾性部品14を弾性シート6に接続してもよい。また、第3の実施形態では、弾性部品14を前側弾性部分2と後側弾性部分3とに跨るように配置することにより、着用者の股下部に配置される領域についてもレッグ用弾性部材7を設けることができる。
【0075】
以下、第3の実施形態に係る着用物品1の構成及び製造方法について説明する。なお、第3の実施形態において第2の実施形態と同様の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0076】
図5の工程(3-7)を参照して、着用物品1は、幅方向Wに弾性を有する前側弾性部分2及び後側弾性部分3と、これら弾性部分2、3に跨るように配置された状態で弾性部分2、3に接続された弾性部品14と、弾性部品14に重なり、かつ、弾性部分2、3に跨るように配置された状態で弾性部品14及び弾性部分2、3に接続された吸収体4と、を有する。
【0077】
弾性部品14は、接着剤による接着、熱又は超音波による溶着により前側弾性部分2及び後側弾性部分3に接続されている。また、弾性部品14は、幅方向Wにおいて吸収性コア4dが配置される領域の両側に予め設定された弾性部材接続位置に設けられたレッグ用弾性部材7と、レッグ用弾性部材7を挟む一対の挟み込みシート9と、を備えている。
【0078】
挟み込みシート9は、前側弾性部分2に重なるように配置された前部と、後側弾性部分3に重なるように配置された後部と、前部と後部との間の中間部と、を有し、不織布により形成されている。挟み込みシート9の中間部には、レッグホールを形成するためのレッグ用切り欠き9aが形成されている。
【0079】
レッグ用弾性部材7は、挟み込みシート9において吸収性コア4dが配置される領域の幅方向Wの両側に予め設定された弾性部材接続位置に設けられている。具体的に、レッグ用弾性部材7は、挟み込みシート9の前部から後部までの領域に亘りレッグ用切り欠き9aを避けるように延び方向に伸長状態で接続されている。
【0080】
以下、
図5を参照して、着用物品1の製造方法について説明する。なお、第2の実施形態の着用物品1の製造方法と同様の工程については説明を省略する。
【0081】
着用物品1の製造方法は、弾性部品準備工程(3-1)と、姿勢変更工程(3-2)と、シート準備工程(3-3)と、シート弱化工程(図示省略)と、切り分け及び離間工程(3-4)と、弾性部材接続工程(3-5)と、吸収体接続工程(3-6)と、切り欠き形成工程(3-7)と、を含む。また、着用物品1の製造方法は、上記工程に加えて、第1の実施形態における二つ折り工程(1-5)を含んでいてもよく、サイドシール工程(1-6)又は
図3に示す面テープTを取り付ける工程を含んでいてもよい。上記の工程によって、パンツ型の着用物品1(
図1参照)又はテープ型の着用物品1(
図3参照)を製造することができる。
【0082】
弾性部品準備工程(3-1)では、一方の挟み込みシート(以下、第1挟み込みシート9という)9を幅方向Wに搬送するとともに、第1挟み込みシート9に対して幅方向Wに伸長した状態でかつ延び方向に互いに離間した状態で一対のレッグ用弾性部材7d、7e(本実施形態では2本のレッグ用弾性部材7d及び2本のレッグ用弾性部材7e)を供給する。具体的に、第1挟み込みシート9の搬送方向(幅方向W)に対して蛇行する経路(図示の例では正弦波に沿った経路)に沿ってレッグ用弾性部材7d、7eを供給する。ここで、レッグ用弾性部材7d、7eを供給する経路は、第1挟み込みシート9の幅方向Wの中央位置に設定されたレッグ用切り欠き9aの形成位置を避けるように設定されている。
【0083】
さらに、弾性部品準備工程(3-1)では、他方の挟み込みシート9(以下、第2挟み込みシート9という)に対して接着剤を塗布し、接着材を挟み込むように第2挟み込みシート9を第1挟み込みシート9に対して供給し、両挟み込みシート9を重ねた状態で両挟み込みシート9を図外のニップロールによって挟圧する。これにより、レッグ用弾性部材7d、7eを挟み込みシート9に対して接続するとともに両挟み込みシート9同士を互いに接合する。なお、前記接続は、接着剤による接続に限定されず、熱又は超音波を用いた溶着による接続でもよい。また、2枚の挟み込みシート9のうちの一方を省略して、1枚の挟み込みシート9に対してレッグ用弾性部材7d、7eが接続(保持)されていてもよい。
【0084】
また、弾性部品準備工程(3-1)では、前記レッグ用弾性部材7d、7eの接続の後にレッグ用弾性部材7d、7eにおける挟み込みシート9の外側の部分を切り離す。これにより、弾性部品14を準備することができる。
【0085】
なお、個別の挟み込みシート9を用いて弾性部品14を製造する弾性部品準備工程(3-1)を説明したが、弾性部品準備工程(3-1)はこれに限定されない。例えば、複数の第1挟み込みシート9が幅方向Wに連続する連続体と、複数の第2挟み込みシート9が幅方向Wに連続する連続体と、の間にレッグ用弾性部材7d、7eを挟み込んだ状態で両連続体とレッグ用弾性部材7とを接続し、個別の弾性部品14に切断することが好ましい。この場合、レッグ用弾性部材7d、7eの全体を挟み込みシート9の連続体に挟み込むことができるので、上記のように挟み込みシート9の外側に配置されたレッグ用弾性部材7d、7eを切り離す工程を省略することができる(連続体を個別の弾性部品14に切断する際にレッグ用弾性部材7d、7eも個別の長さに切断することができる。)。
【0086】
次いで、姿勢変更工程(3-2)では、後述する弾性部材接続工程(3-5)における前側弾性部分2及び後側弾性部分3に対してレッグ用弾性部材7d、7eが所定の姿勢となるように、つまり、レッグ用弾性部材7d、7eが延び方向に延びる姿勢となるように弾性部品14の姿勢を変更する。具体的に、本実施形態では、弾性部品14を90°回転する。
【0087】
シート準備工程(3-3)では、前側弾性部分2と後側弾性部分3とを有する1枚の弾性シート6を準備する。
【0088】
図示は省略するが、シート弱化工程において、シート準備工程(3-3)で準備された弾性シート6の弱化領域WR1と弱化領域WR2とを含む弱化領域WRにおける弾性を弱化する。
【0089】
切り分け及び離間工程(3-4)では、シート弱化工程後に予め設定された切断線Cに沿って弾性シート6を前側弾性部分2と後側弾性部分3とに切り分ける。さらに、切り分け及び離間工程(3-4)では、切り分けられた前側弾性部分2と後側弾性部分3とを延び方向に互いに離間させる。
【0090】
弾性部材接続工程(3-5)では、姿勢変更工程(3-2)により配置された弾性部品14を切り分け及び離間工程(3-4)で離間された前側弾性部分2及び後側弾性部分3に対して接続する。具体的に、弾性部材接続工程(3-5)では、幅方向Wにおいて吸収性コア4dが配置される領域の両側に予め設定された弾性部材接続位置にそれぞれレッグ用弾性部材7d、7eが配置され、かつ、レッグ用弾性部材7が延び方向に伸長した状態で弾性部品14を前側弾性部分2及び後側弾性部分3に接続する。
【0091】
吸収体接続工程(3-6)では、吸収体4の前部4aを前部接続領域FC(工程(3-7)におけるハッチング領域)に接続するとともに、吸収体4の後部4bを後部接続領域RC(工程(3-7)におけるハッチング領域)に接続する。具体的に、吸収体4の前部4a及び後部4bは、弾性部品14、前側弾性部分2、及び後側弾性部分3に接続される。
【0092】
切り欠き形成工程(3-7)では、弾性部品14に予め設定されたホール形成領域に沿ったレッグ用切り欠き9aを形成する。
【0093】
第3実施形態によれば、互いに離間する2枚の弾性シート(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)に跨るように2枚の弾性シートに対して吸収体4を接続することにより、着用者の股下部を覆う部分における弾性シートを省略することができる。したがって、弾性シート6の使用量を低減することができる。
【0094】
さらに、レッグ用弾性部材7を延び方向に伸長した状態で弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)に接続することにより、弾性シート6に延び方向の弾性を与えることができる。そのため、弾性シート6を複数方向に伸長させることが不要となり、弾性シート6の取り扱いが容易になる。
【0095】
なお、第3の実施形態では、個別の弾性シート6を用いて工程(3-3)~(3-7)を行う点について説明したが、複数の弾性シート6が幅方向Wに連続する連続体を幅方向Wに搬送した状態で、工程(3-3)~(3-7)を行うことが好ましい。
【0096】
また、工程(3-1)及び工程(3-2)は、工程(3-5)の実行時までに行われていればよく、工程(3-3)及び工程(3-4)に対する工程(3-1)及び工程(3-2)の実行時期は限定されない。
【0097】
さらに、第1の実施形態のように、弾性シート6が着用者の股下部の領域を覆う部分を有する場合にも第3の実施形態の弾性部材接続工程(3-5)を適用することができる。
【0098】
<第4の実施形態(
図6)>
第3の実施形態では、弾性部品14を準備した後、姿勢変更工程(3-2)において弾性部品14の姿勢を変更して弾性部材接続工程(3-5)を行っているが、姿勢変更工程(3-2)に代えてレッグ用弾性部材7の一部の弾性を弱化する弱化工程(4-2)を適用することもできる。
【0099】
以下、第4の実施形態に係る着用物品1の製造方法について説明する。なお、第4の実施形態において第3の実施形態と同様の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0100】
具体的に、着用物品1の製造方法は、弾性部品準備工程(4-1)と、弾性部材弱化工程(4-2)と、シート準備工程(4-3)と、シート弱化工程(図示省略)と、切り分け及び離間工程(4-4)と、弾性部材接続工程(4-5)と、吸収体接続工程(4-6)と、切り欠き形成工程(4-7)と、を含む。着用物品1の製造方法は、上記工程に加えて、第1の実施形態における二つ折工程(1-5)を含んでいてもよく、サイドシール工程(1-6)又は
図3に示す面テープTを取り付ける工程を含んでいてもよい。上記の工程によってパンツ型の着用物品1(
図1参照)又はテープ型の着用物品1(
図3参照)を製造することができる。
【0101】
弾性部品準備工程(4-1)は、まず、第1挟み込みシート(保持シート)9を幅方向Wに搬送するとともに、第1挟み込みシート9上にレッグ用弾性部材7が供給される。具体的に、レッグ用弾性部材7は、延び方向に伸長した状態で第1挟み込みシート9上に配置された第1部分7fと、延び方向に伸長した状態でかつ第1部分7fから幅方向Wに離間した状態で第1挟み込みシート9上に配置された第2部分7gと、第1部分7fと第2部分7gとを連結する連結部分7hと、が形成されるように第1挟み込みシート9上に供給される。具体的には、第1挟み込みシート9の搬送方向(幅方向W)に対して蛇行する経路に沿ってレッグ用弾性部材を供給する。第1挟み込みシート9の延び方向の中央位置を境にして一方側に2本のレッグ用弾性部材7が互いに平行な経路に沿って供給され、他方側に2本のレッグ用弾性部材7が互いに平行な経路に沿って供給される。一方側の2本のレッグ用弾性部材7と他方側の2本のレッグ用弾性部材7は、第1挟み込みシート9の幅方向Wの中央位置で互いに最も近づき、幅方向Wにおいて前記中央位置から離れるに従い互いに遠ざかるように配置されている。
【0102】
さらに、弾性部品準備工程(4-1)では、第2挟み込みシート9に対して接着剤を塗布し、接着剤を挟み込むように第2挟み込みシート9を第1挟み込みシート9に対して供給し、両挟み込みシート9を重ねた状態で両挟み込みシート9を図外のニップロールによって挟圧する。これにより、レッグ用弾性部材7を挟み込みシート9に対して接続するとともに両挟み込みシート9同士を互いに接合する。なお、前記接続は、接着剤による接続に限定されず、熱又は超音波を用いた溶着による接続でもよい。第3の実施形態と同様に、2枚の挟み込みシート9のうちの一方を省略することができる。
【0103】
また、弾性部品準備工程(4-1)では、前記レッグ用弾性部材7の接続の後にレッグ用弾性部材7における挟み込みシート9の外側の部分を切り離す。これにより、弾性部品14を準備することができる。
【0104】
なお、個別の挟み込みシート9を用いて弾性部品14を製造する弾性部品準備工程(4-1)を説明したが、弾性部品準備工程(4-1)はこれに限定されない。例えば、複数の第1挟み込みシート9が幅方向Wに連続する連続体と、複数の第2挟み込みシート9が幅方向Wに連続する連続体と、の間にレッグ用弾性部材7を挟み込んだ状態で両連続体とレッグ用弾性部材7とを接続し、個別の弾性部品14に切断することが好ましい。この場合、レッグ用弾性部材7の全体を挟み込みシート9の連続体に挟み込むことができるので、上記のように挟み込みシート9の外側に配置されたレッグ用弾性部材7を切り離す工程を省略することができる。
【0105】
弾性部材弱化工程(4-2)では、レッグ用弾性部材7の連結部分7hにおける吸収性コア4dが配置される領域として予め設定された領域の弾性を弱化する。具体的に、幅方向Wに微小のピッチで配列された複数の刃を有するカッタを用いて連結部分7hの該当箇所を細切れにすることにより弾性を弱化することができる。また、連結部分7hを挟み込みシート9に対して間欠的に接着し、接着箇所同士の間において連結部分7hを切断することによっても弾性を弱化することができる。前記連結部分7hの切断は、カッタによる切断に限定されず、例えば、熱や超音波による切断でもよい。
【0106】
シート準備工程(4-3)、シート弱化工程、並びに、切り分け及び離間工程(4-4)は、第3の実施形態におけるシート準備工程(3-3)、シート弱化工程、並びに、切り分け及び離間工程(3-4)と同様であるため、その説明を省略する。
【0107】
弾性部材接続工程(4-5)では、吸収性コア4dが配置される領域の右側に設定された弾性部材接続位置に第2部分7gが配置され、かつ、吸収性コア4dが配置される領域の左側に設定された弾性部材接続位置に第1部分7fが配置された状態で弾性部品14を前側弾性部分2及び後側弾性部分3に接続する。
【0108】
吸収体接続工程(4-6)、及び、切り欠き形成工程(4-7)は、第3実施形態における吸収体接続工程(3-6)、及び、切り欠き形成工程(3-7)と同様であるため、その説明を省略する。
【0109】
第4実施形態によれば、弾性部材弱化工程(4-2)において、連結部分7hにおける吸収性コア4dが配置される領域として予め設定された領域の弾性を弱化することにより、吸収体4が弾性シート6に接続された後にレッグ用弾性部材7の連結部分7hによる弾性が吸収性コア4dに与えられるのを抑制することができる。これにより、着用物品1の着用時に吸収体4が着用者の股下部において直交方向に縮むのを抑制することができるため、排泄物の吸収性能の低下を防止することができる。
【0110】
また、弾性シート6に様々な加工を施す工程(4-3)及び(4-4)と並行して、レッグ用弾性部材7が所定の位置関係に配置された弾性部品14を準備することができる。そのため、弾性シート6上に直接レッグ用弾性部材7を接続する場合と異なり、着用物品1の生産性を向上することができる。
【0111】
なお、第4の実施形態では、個別の弾性シート6を用いて工程(4-3)~(4-7)を行う点について説明したが、複数の弾性シート6が幅方向Wに連続する連続体を幅方向Wに搬送した状態で、工程(4-3)~(4-7)を行うことが好ましい。
【0112】
また、弾性部品準備工程(4-1)は、工程(3-5)の実行時までに行われていればよく、工程(4-3)及び工程(4-4)に対する弾性部品準備工程(4-1)の実行時期は限定されない。
【0113】
さらに、弾性部材弱化工程(4-2)を弾性部材接続工程(4-5)の前に実行する例について説明したが、弾性部材弱化工程(4-2)を弾性部材接続工程(4-5)の後に実行することもできる。
【0114】
また、第1の実施形態のように、弾性シート6が着用者の股下部の領域を覆う部分を有する場合にも第4の実施形態の弾性部材接続工程(4-5)を適用することができる。
【0115】
<第5の実施形態(
図7)>
第4の実施形態では、第1挟み込みシート9の延び方向の中央位置を境にして延び方向の一方側に配置されるレッグ用弾性部材7の経路と他方側に配置されるレッグ用弾性部材7の経路とが延び方向に離れた例について説明した。しかし、
図7に示す第5の実施形態のように、これらの経路が互いに交差していてもよい。
【0116】
具体的に、着用物品1の製造方法は、弾性部品準備工程(5-1)と、弾性部材弱化工程(5-2)と、シート準備工程(5-3)と、シート弱化工程(図示省略)と、切り分け及び離間工程(5-4)と、弾性部材接続工程(5-5)と、吸収体接続工程(5-6)と、切り欠き形成工程(5-7)とを含む。着用物品1の製造方法は、上記工程に加えて、第1の実施形態における二つ折工程(1-5)を含んでいてもよく、サイドシール工程(1-6)又は
図3に示す面テープTを取り付ける工程を含んでいてもよい。上記の工程によってパンツ型の着用物品1(
図1参照)又はテープ型の着用物品1(
図3参照)を製造することができる。
【0117】
なお、第5実施形態の着用物品1の製造方法は、弾性部品準備工程(5-1)のみ第4の実施形態の着用物品1の製造方法と異なる。そのため、弾性部品準備工程(5-1)における弾性部品準備工程(4-1)と異なる部分を説明し、その他の工程の説明を省略する。
【0118】
弾性部品準備工程(5-1)では、弾性部品準備工程(4-1)と異なり、第1挟み込みシート9の幅方向Wの中央位置において互いに交差するとともに幅方向Wに対して蛇行する経路に沿ってレッグ用弾性部材7を第1挟み込みシート9に供給する。これにより、レッグ用弾性部材7は、延び方向に伸長した状態でかつ第1挟み込みシート9上に配置された第1部分7fと、延び方向に伸長した状態でかつ第1部分7fから幅方向Wに離間した状態で第1挟み込みシート9上に配置された第2部分7gと、第1部分7aと第2部分7gとを連結する連結部分7hと、が形成されるように第1挟み込みシート9上に供給される。
【0119】
第5の実施形態によれば、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0120】
<第6の実施形態(
図8)>
前記第2の実施形態のシート接続工程(2-4)では、レッグホールを形成するためのホール形成領域の一部、具体的には、前側弾性部分2及び後側弾性部分3のみに重なるように被覆シート8を弾性シート6に接続する。しかし、
図8に示す第6の実施形態のシート接続工程(6-4)では、ホール形成領域HFの全体を覆うように被覆シート8を弾性シート6に接続する。
【0121】
以下、第6の実施形態に係る着用物品1の製造方法について説明する。
【0122】
着用物品1の製造方法は、シート準備工程(図示省略)と、シート弱化工程(6-1)と、切り分け及び離間工程(6-2)と、弾性部材供給工程(6-3)と、シート接続工程(6-4)と、切り欠き形成工程(6-5)と、吸収体接続工程(6-6)と、を含む。また、着用物品1の製造方法は、上記工程に加えて、第1の実施形態における二つ折り工程(1-5)を含んでいてもよく、サイドシール工程(1-6)又は
図3に示す面テープTを取り付ける工程を含んでいてもよい。上記の工程によって、パンツ型の着用物品1(
図1参照)又はテープ型の着用物品1(
図3参照)を製造することができる。
【0123】
シート準備工程、シート弱化工程(6-1)、切り分け及び離間工程(6-2)、弾性部材供給工程(6-3)は、第2の実施形態におけるシート準備工程、シート弱化工程(2-1)、切り分け及び離間工程(2-2)、弾性部材供給工程(2-3)とそれぞれ同様であるため、これらの説明を省略する。
【0124】
シート接続工程(6-4)では、第2の実施形態のシート接続工程(2-4)と異なり、着用者の脚を通すためのレッグホールを形成するための領域として予め設定されたホ-ル形成領域HFの全体を覆い、かつ、レッグ用弾性部材7を弾性シート6との間で挟むように被覆シート8を弾性シート6に接続する。具体的に、シート接続工程(6-4)では、前側弾性部分2と後側弾性部分3とに跨るように被覆シート8を配置し、被覆シート8の前部を前側弾性部分2に接続するとともに被覆シート8の後部を後側弾性部分3に接続する。
【0125】
切り欠き形成工程(6-5)では、シート接続工程(6-4)の後に、ホール形成領域HFに沿ったレッグホール用の切り欠き8aを形成する。なお、第6の実施形態では、ホール形成領域HFが前側弾性部分2と後側弾性部分3との間のみに設定されているが、ホール形成領域HFは、前側弾性部分2及び後側弾性部分3の少なくとも一方に重なるように設定されていてもよい。この場合、被覆シート8、前側弾性部分2、及び後側弾性部分3に亘りレッグホール用の切り欠きが形成される。
【0126】
吸収体接続工程(6-6)では、吸収体4の前部4aを前部接続領域FC(ハッチング部分)に接続するとともに、吸収体4の後部4bを後部接続領域RC(ハッチング部分)に接続する。
【0127】
第6の実施形態によれば、着用物品1のレッグホールの縁部の全周に亘り被覆シート8を配置することができるので、着用者に対してレッグホールの全周に亘り均一の肌触りを提供することができる。これにより、着用感を向上することができる。
【0128】
さらに、レッグ用弾性部材7を覆う被覆シート8を用いて上記のような着用感の向上を図ることができるため、別途のシートを弾性シート6に接続する場合と比較して着用物品1の生産性を向上することができる。
【0129】
なお、切り欠き形成工程(6-5)を吸収体接続工程(6-6)の前に実行する例について説明したが、これらの工程を入れ替えることもできる。
【0130】
また、第2の実施形態と同様に、幅方向Wに複数の弾性シート6が連続する連続体を用いて工程(6-1)~(6-6)を実行することが好ましい。この場合、シート接続工程(6-4)では、幅方向Wに複数の被覆シート8の連続体を弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3の連続体)に接続することができる。
【0131】
<第7の実施形態(
図9及び
図10)>
第2の実施形態及び第6の実施形態では、弾性シート6における着用者の肌面に向く内面にレッグ用弾性部材7及び被覆シート8を接続している。しかし、
図9及び
図10に示す第7の実施形態のように、弾性シート6における着用者の肌面と反対の外面にレッグ用弾性部材7及び被覆シート8を接続することもできる。
【0132】
さらに、第2の実施形態及び第6の実施形態のシート接続工程(2-4)及び(6-4)では、弾性シート6の延び方向における着用者のウエスト側の縁部同士の間の領域内に被覆シート8が接続されている。しかし、第7の実施形態のシート接続工程(7-4)のように、弾性シート6の延び方向における着用者のウエスト側の縁部を超えて吸収体4から離れる方向に延びる延出部8bが形成されるように被覆シート8を弾性シート6に接続することもできる。
【0133】
以下、第7の実施形態に係る着用物品1の製造方法について説明する。
【0134】
着用物品1の製造方法は、シート準備工程(図示省略)と、シート弱化工程(7-1)と、切り分け及び離間工程(7-2)と、弾性部材供給工程(7-3)と、シート接続工程(7-4)と、切り欠き形成工程(7-5)と、吸収体接続工程(7-6)と、延出部接続工程(7-7)と、を含む。また、着用物品1の製造方法は、上記工程に加えて、第1の実施形態における二つ折り工程(1-5)を含んでいてもよく、サイドシール工程(1-6)又は
図3に示す面テープTを取り付ける工程を含んでいてもよい。上記の工程によって、パンツ型の着用物品1(
図1参照)又はテープ型の着用物品1(
図3参照)を製造することができる。
【0135】
シート準備工程、シート弱化工程(7-1)、及び切り分け及び離間工程(7-2)は、第2実施形態におけるシート準備工程、シート弱化工程(2-1)、切り分け及び離間工程(2-2)、弾性部材供給工程(2-3)とそれぞれ同様であるため、これらの説明を省略する。
【0136】
弾性部材供給工程(7-3)では、
図9及び
図10に示すように、第2の実施形態の弾性部材供給工程(2-3)と異なり、弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)の肌面と反対側の面にレッグ用弾性部材7を供給する。
【0137】
シート接続工程(7-4)では、弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)の延び方向における着用者のウエスト側の縁部(
図9において前側弾性部分2の下側の縁部、及び、後側弾性部分3の上側の縁部)を超えて吸収体4から離れる方向に延びる延出部8bが形成されるように弾性シート6に被覆シート8を接続する。このとき、被覆シート8は、レッグ用弾性部材7を覆うように弾性シート6の着用者の肌面と反対側の外面に接続される。
【0138】
次いで、切り欠き形成工程(7-5)においてレッグホールを形成するための切り欠き8aが形成され、吸収体接続工程(7-6)において吸収体4が弾性シート6及び被覆シート8に接続される。
【0139】
そして、延出部接続工程(7-7)では、弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)のウエスト側の縁部及び吸収体4の端部を挟み込むように延出部8bを折り返すとともに、延出部8bを弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3)に接続する。なお、延出部接続工程(7-7)においては、延出部8bを弾性シート6に加えて吸収体4に接続してもよい。
【0140】
第7の実施形態によれば、弾性シート6の縁部及び吸収体4の端部(端面)と着用者の肌面との間に被覆シート8を介在させることができるため、着用者に対する肌触りを良好にすることができる。これにより、着用感を向上することができる。
【0141】
なお、切り欠き形成工程(7-5)、吸収体接続工程(7-6)、及び延出部接続工程(7-7)の順序は、吸収体接続工程の後に延出部接続工程が実行されることを条件として、これに限定されない。
【0142】
また、第6の実施形態と同様に、幅方向Wに複数の弾性シート6が連続する連続体を用いて工程(7-1)~(7-7)を実行することが好ましい。この場合、シート接続工程(7-4)では、幅方向Wに複数の被覆シート8の連続体を弾性シート6(前側弾性部分2及び後側弾性部分3の連続体)に接続することができる。
【0143】
なお、第1~第7の実施形態における工程は、適宜他の実施形態と入れ替える又は組み合わせることができる。
【0144】
また、第1~第7の実施形成におけるシート準備工程では、1枚の弾性シート6を準備し、この弾性シート6に対してシート弱化工程を実行しているが、シート準備工程は、これに限定されず、2枚の弾性シート6を準備してもよい。具体的に、シート準備工程では、前側弾性部分2を有する1枚の弾性シート6と後側弾性部分3を有する1枚の弾性シートとを個別に準備することができる。この場合、シート弱化工程は、2枚の弾性シート6に対して同時に実行される。
【0145】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0146】
上記課題を解決するために、本発明は、着用者の腹部に配置される前腹部と、着用者の臀部に配置される後背部と、前記前腹部に接続された前部と前記後背部に接続された後部と前記前部から前記後部まで延びるとともに着用者の股下部に配置される中間部とを有する吸収体と、を備えた着用物品の製造方法であって、前記前腹部及び前記後背部を形成するための少なくとも1枚の弾性シートを準備するシート準備工程と、前記少なくとも1枚の弾性シートにおいて前記吸収体の前部が接続される前部接続領域であって前記吸収体の吸収性コアが配置される領域として予め設定された前部弱化領域、及び、前記吸収体の後部が接続される後部接続領域であって前記吸収性コアが配置される領域として予め設定された後部弱化領域における前記弾性シートの弾性を弱化するシート弱化工程と、前記吸収体の前部を前記少なくとも1枚の弾性シートの前部接続領域に接続するとともに、前記吸収体の後部を前記少なくとも1枚の弾性シートの後部接続領域に接続する吸収体接続工程と、を含み、前記シート弱化工程は、前記前部弱化領域及び前記後部弱化領域について同時に実行される、着用物品の製造方法を提供する。
【0147】
本発明によれば、前腹部及び後背部を形成するための少なくとも1枚の弾性シートにおける前部接続領域及び後部接続領域について同時に弾性を弱化することができる。これにより、前部接続領域及び後部接続領域について個別に弾性を弱化する場合と比較して、弱化工程の効率を向上することができる。したがって、着用物品の生産性を向上することができる。
【0148】
前記シート準備工程において、前腹部を形成するための1枚の弾性シート、及び、後背部を形成するための1枚の弾性シートの合計2枚の弾性シートを準備し、シート弱化工程において2枚の弾性シートにおける弾性の弱化を同時に行うことができる。しかし、この場合には、シート弱化工程を2枚の弾性シートに同時に実行するために2枚の弾性シートの相対的な位置を調整する必要がある。
【0149】
そこで、前記着用物品の製造方法であって、前記シート準備工程では、前記前腹部を形成するための前側弾性部分と、前記後背部を形成するための後側弾性部分と、を有する1枚の弾性シートを準備し、前記シート弱化工程は、前記1枚の弾性シートに対して実行されることが好ましい。
【0150】
このようにすれば、1枚の弾性シートに対して弱化工程を行うことにより前部接続領域及び後部接続領域における弾性を同時に弱化することができる。そのため、2枚の弾性シートの相対位置を調整しながら弱化工程を実行する場合と比較して着用物品の生産性を向上することができる。
【0151】
前記着用物品の製造方法において、1枚の弾性シートに対して着用者の脚を通すためのレッグホールを形成するための切り欠きを形成することにより、着用者の腹部、臀部、及び股下部を1枚の弾性シートによって覆うことができる。しかし、着用者の股下部には吸収体が存在しているため、着用者の股下部を覆う領域において弾性シートを省略することもできる。
【0152】
具体的に、前記着用物品の製造方法は、前記シート弱化工程の後に前記1枚の弾性シートを前記前側弾性部分と前記後側弾性部分とに切り分ける切り分け工程と、切り分けられた前記前側弾性部分と前記後側弾性部分とを前記吸収体の延びる方向に互いに離間させる離間工程と、をさらに含むことが好ましい。
【0153】
このようにすれば、互いに離間する2枚の弾性シートに跨るように2枚の弾性シート(前側弾性部分及び後側弾性部分)に対して吸収体を接続することにより、両弾性シートの間の領域であって吸収体により区分された領域をレッグホールとして利用することができる。そのため、着用者の股下部を覆う部分における弾性シートを省略することができ、弾性シートの使用量を低減することができる。
【0154】
弾性シートの弾性を用いて吸収体の延びる方向の弾性を着用物品に与えることもできる。しかし、この場合、吸収体の延びる方向と、元々弾性シートに弾性の要求される方向(吸収体の延びる方向と直交する方向)との2つの方向に弾性シートを伸長した状態で着用物品を製造しなければならず、弾性シートの取り扱いが困難となる。
【0155】
そこで、前記着用物品の製造方法は、前記吸収体の延びる延び方向と直交する直交方向において前記吸収性コアが配置される領域の両側に予め設定された弾性部材接続位置にそれぞれレッグ用弾性部材が配置され、かつ、前記レッグ用弾性部材が前記延び方向に伸長した状態で前記レッグ用弾性部材を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続する弾性部材接続工程をさらに備えていることが好ましい。
【0156】
このようにすれば、レッグ用弾性部材を吸収体の延びる延び方向に伸長した状態で弾性シートに接続することにより、弾性シートに延び方向の弾性を与えることができる。そのため、弾性シート自体の弾性を延び方向に与えるために弾性シートを複数方向に伸長させることが不要となり、弾性シートの取り扱いが容易になる。
【0157】
前記レッグ用弾性部材は、露出された状態で弾性シートに接続されていてもよいが、この場合、弾性シートに対してレッグ用弾性部材を保持させるための保持力を十分に確保することが難しい。
【0158】
そこで、前記着用物品の製造方法は、前記レッグ用弾性部材を覆うように前記少なくとも1枚の弾性シートに被覆シートを配置するとともに前記被覆シートを前記少なくとも1枚の弾性シートに接続するシート接続工程をさらに備えていることが好ましい。
【0159】
このようにすれば、レッグ用弾性部材を被覆シートと弾性シートとの間で挟持することにより弾性シートに対してレッグ用弾性部材を保持させるための保持力を十分に確保することができる。したがって、レッグ用弾性部材を弾性シートに対して確実に接続することができる。
【0160】
前記着用物品の製造方法であって、前記シート接続工程では、着用者の脚を通すためのレッグホールを形成するための領域として予め設定されたホール形成領域の全体を覆うように前記被覆シートを前記少なくとも1枚の弾性シートに接続し、前記着用物品の製造方法は、前記シート接続工程の後に、前記ホール形成領域に沿った切り欠きを形成する切り欠き形成工程をさらに含むことが好ましい。
【0161】
このようにすれば、着用物品のレッグホールの縁部の全周に亘り被覆シートを配置することができるので、着用者に対してレッグホールの全周に亘り均一の肌触りを提供することができる。これにより、着用感を向上することができる。
【0162】
さらに、レッグ用弾性部材を覆う被覆シートを用いて上記のような着用感の向上を図ることができるため、別途のシートを弾性シートに接続する場合と比較して着用物品の生産性を向上することができる。
【0163】
前記着用物品の製造方法であって、前記シート接続工程では、前記少なくとも1枚の弾性シートの前記延び方向における着用者のウエスト側の縁部を超えて前記弾性シートから離れる方向に延びる延出部が形成されるように前記少なくとも1枚の弾性シートの着用者の肌面と反対側の外面に前記被覆シートを接続し、前記着用物品の製造方法は、前記少なくとも1枚の弾性シートの縁部及び前記吸収体の端部を挟み込むように前記延出部を折り返すとともに前記延出部を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続する延出部接続工程をさらに含むことが好ましい。
【0164】
このようにすれば、弾性シートの縁部及び吸収体の端部(端面)と着用者の肌面との間に被覆シートを介在させることができるため、着用者に対する肌触りを良好にすることができ、これにより、着用感を向上することができる。
【0165】
さらに、レッグ用弾性部材を覆う被覆シートを用いて上記のような着用感の向上を図ることができるため、別途のシートを弾性シートに接続する場合と比較して着用物品の生産性を向上することができる。
【0166】
前記着用物品の製造方法であって、前記弾性部材接続工程では、前記吸収性コアが配置される領域の一方側に設定された前記弾性部材接続位置に対して前記延び方向に伸長した状態で接続された第1部分と、前記吸収性コアが配置される領域の他方側に設定された前記弾性部材接続位置に対して前記延び方向に伸長した状態で接続された第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを連結する連結部分と、が形成されるように前記レッグ用弾性部材を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続し、前記着用物品の製造方法は、前記弾性部材接続工程の後に、前記連結部分における前記吸収性コアが配置される領域として予め設定された領域の弾性を弱化する弾性部材弱化工程をさらに有していることが好ましい。
【0167】
例えば、弾性シートに対し直交方向に対して蛇行する経路に沿ってレッグ用弾性部材を供給するとともに、このレッグ用弾性部材を弾性シートに伸長状態で接続することにより、レッグ用弾性部材の一部を弾性部材接続位置に配置した状態で弾性シートに接続することができる。つまり、上記のように弾性シートとレッグ用弾性部材とを接合することにより、第1部分が吸収性コアの一方側に配置されているとともに第2部分が吸収性コアの他方側に配置された状態で、レッグ用弾性部材を弾性シートに接続することができる。
【0168】
しかし、この場合には第1部分と第2部分とが連結部分より連結され、この連結部分による弾性が吸収性コアに与えられてしまう。そこで、上記のように、連結部分における吸収性コアの配置される領域の弾性を弱化することにより、連結部分による弾性が吸収性コアに与えられるのを防止することができる。これにより、着用物品の着用時に吸収体が着用者の股下部において直交方向に縮むのを抑制することができるため、排泄物の吸収性能の低下を防止することができる。
【0169】
前記着用物品の製造方法は、保持シートと、前記直交方向に伸長した状態で、かつ、前記延び方向に互いに離間した状態で前記保持シートに接続された一対の前記レッグ用弾性部材と、を有する弾性部品を準備する弾性部品準備工程と、前記レッグ用弾性部材が延び方向に延びる姿勢となるように前記弾性部品の姿勢を変更する姿勢変更工程と、をさらに含み、前記弾性部材接続工程では、各レッグ用弾性部材が弾性部材接続位置に配置され、かつ、前記レッグ用弾性部材が延び方向に伸長した状態で前記弾性部品を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続することが好ましい。
【0170】
例えば、保持シートに対し、直交方向に対して蛇行するとともに延び方向に互いに離間する経路に沿ってレッグ用弾性部材を供給するとともにレッグ用弾性部材を保持シートに伸長状態で接続することにより、弾性部品を準備することができる。
【0171】
この弾性部品においては一対のレッグ用弾性部材が隙間を空けて配置されている。そのため、この隙間が吸収性コアの配置される領域と重なるように姿勢変更工程において弾性部品の姿勢を変更することにより、その後の弾性部材接続工程において各レッグ用弾性部材を弾性部材接続位置にそれぞれ配置することができる。
【0172】
また、弾性シートに様々な加工を施す工程と並行して、一対のレッグ用弾性部材が所定の位置関係に配置された弾性部品を準備することができる。そのため、弾性シート上に直接レッグ用弾性部材を接続する場合と異なり、着用物品の生産性を向上することができる。
【0173】
前記着用物品の製造方法は、保持シートと、前記延び方向に伸長した状態で前記保持シートに接続された第1部分と前記延び方向に伸長した状態でかつ前記第1部分から前記直交方向に離間した状態で前記保持シートに接続された第2部分と前記第1部分と前記第2部分とを連結する連結部分とを有する前記レッグ用弾性部材と、を備えた弾性部品を準備する弾性部品準備工程と、前記連結部分における前記吸収性コアが配置される領域として予め設定された領域の弾性を弱化する弾性部材弱化工程と、をさらに有し、前記弾性部材接続工程では、前記弾性部材弱化工程の前又は後において、前記吸収性コアが配置される領域の一方側に設定された前記弾性部材接続位置に前記第1部分が配置され、かつ、前記吸収性コアが配置される領域の他方側に設定された前記弾性部材接続位置に前記第2部分が配置された状態で前記弾性部品を前記少なくとも1枚の弾性シートに接続することが好ましい。
【0174】
例えば、保持シートに対し、直交方向に対して蛇行する経路に沿ってレッグ用弾性部材を供給するとともにレッグ用弾性部材を保持シートに伸長状態で接続することにより、レッグ用弾性部材が所定位置に配置された弾性部品を準備することができる。具体的に、この弾性部品において、レッグ用弾性部材の第1部分は、延び方向に伸長状態で保持シートに接続されている。レッグ用弾性部材の第2部分は、延び方向に伸長状態でかつ第1部分から直交方向に離間した状態で保持シートに接続されている。そして、これら第1部分と第2部分とは、レッグ用弾性部材の連結部材によって互いに連結されている。
【0175】
しかし、第1部分を吸収性コアが配置される領域の一方側に設定された弾性部材接続位置に配置し、第2部分を吸収性コアが配置される領域の他方側に設定された弾性部材接続位置に配置した場合、連結部分が吸収性コアと重なり、当該連結部分の弾性が吸収性コアに与えられてしまう。
【0176】
そこで、弾性部材弱化工程において、連結部分における吸収性コアが配置される領域として予め設定された領域の弾性を弱化することにより、吸収体が弾性シートに接続された後にレッグ用弾性部材の連結部分による弾性が吸収性コアに与えられるのを抑制することができる。これにより、着用物品の着用時に吸収体が着用者の股下部において直交方向に縮むのを抑制することができるため、排泄物の吸収性能の低下を防止することができる。
【0177】
また、弾性シートに様々な加工を施す工程と並行して、レッグ用弾性部材が所定の位置関係に配置された弾性部品を準備することができる。そのため、弾性シート上に直接レッグ用弾性部材を接続する場合と異なり、着用物品の生産性を向上することができる。
【0178】
さらに、本発明は、前記着用物品の製造方法により製造された着用物品を提供する。