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特許7401692統合された多層構造体に組み込むための接続構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】統合された多層構造体に組み込むための接続構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/11 20060101AFI20231212BHJP
   H01R 12/75 20110101ALI20231212BHJP
   H01R 12/81 20110101ALI20231212BHJP
【FI】
H05K1/11 C
H05K1/11 E
H01R12/75
H01R12/81
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2022568973
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 FI2021050329
(87)【国際公開番号】W WO2021229142
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】16/872,428
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519361106
【氏名又は名称】タクトテック オーイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンニネン、イルポ
(72)【発明者】
【氏名】サースキ、ヤルモ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイッキネン、ミッコ
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-129302(JP,A)
【文献】特開2006-190726(JP,A)
【文献】国際公開第2019/180316(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/11
H01R 12/75
H01R 12/81
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合された多層の構造体(100、200、240、280、400、580、640、740、900、1300、1400)であって、
外縁部まで延在する外面を有する基材フィルムであって、電気的に絶縁性の材料を含む、基板フィルム(102)と、
前記基板フィルム上に提供された導電性要素(106)を備える回路設計(106、108、109)であって、前記導電性要素が複数の接触領域(107)を画定する、回路設計(106、108、109)と、
前記基板フィルムの前記外面に支持され、前記基板フィルムの外縁部(102E)まで延在するコネクタ(110)であって、前記基板フィルム上の前記回路設計の前記導電性要素の前記接触領域に接続される一方で、前記接触領域から前記基板フィルムの前記外面に沿って前記基板フィルムの外縁部を超えて自由端まで延在し、外部接続要素(112)を前記コネクタと嵌合させることに応答して前記外部接続要素(112)に選択的に結合する導電性で細長い複数の接触要素(118)を備えており、前記接触要素用の電気的に絶縁性のコネクタハウジングを含み、前記接触要素は、前記基板フィルムの外縁部及び前記基板フィルムの前記外面に少なくとも部分的に接触して配置される、コネクタ(110)と、
前記回路設計を少なくとも部分的に覆い、前記コネクタを部分的にのみ覆うように、前記基板フィルム上に成形された少なくとも1つのプラスチック層(104、104B、105)であって、前記覆われた部分が、前記接触領域との前記接触要素の接続点を含み、前記外部接続要素に結合するように構成された前記接触要素の延在部分を少なくとも部分的に除外する、少なくとも1つのプラスチック層(104、104B、105)と、
を備える、構造体。
【請求項2】
前記回路設計が、複数の電子コンポーネント(109)を備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記コネクタハウジングが、事前調製された別個の材料片(540)を含むか、又はそれからなり、前記コネクタハウジングが、前記少なくとも1つのプラスチック層の1つ以
上の層によって、少なくとも部分的にオーバーモールド(580)されている、請求項1に記載の構造体。
【請求項4】
前記コネクタハウジング(110B)が、前記基板フィルム上に成形された前記少なくとも1つのプラスチック層のプラスチック層によって、少なくとも部分的に画定され(740)、前記少なくとも1つのプラスチック層の少なくとも1つの他の層とは異なる材料を含み、前記コネクタハウジングを確立するプラスチック層が、前記少なくとも1つのプラスチック層の少なくとも1つの更なるプラスチック層によって少なくとも部分的にオーバーモールドされている、請求項1に記載の構造体。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプラスチック層が、相互に異なる材料の少なくとも2つの隣接する層(104、104B)を備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプラスチック層が、熱伝導性及び/又は光透過性若しくは不透明な材料を有する機能層を備え、前記機能層が、コネクタハウジング(110B)の少なくとも一部分を確立し、かつ/又は前記回路設計に含まれる1つ以上の電子コンポーネントを埋め込んでいる、請求項1に記載の構造体。
【請求項7】
前記基板フィルムの前記外縁部が、屈曲又は角度付けされており(280)、前記基板フィルムが、Lプロファイルを画定する、請求項1に記載の構造体。
【請求項8】
前記接続点を含む、前記コネクタを部分的に覆う前記少なくとも1つのプラスチック層が、前記基板フィルムの一方の側面(102A、102B)上に位置し、前記外部接続要素(112)に接触する前記接触要素の前記延在部分の遠隔端部が、前記基板フィルムの同じ(240)側又は反対(200)側に位置する、請求項1に記載の構造体。
【請求項9】
前記コネクタの前記接触要素が、前記基板フィルム(100、200、280、300、400)の前記外縁部を越えて横方向に延在し、それによってIプロファイルを画定し、かつ/又は前記基板フィルム(200、240)から横方向に離れて延在し、それによってLプロファイルを画定する、請求項1に記載の構造体。
【請求項10】
前記コネクタの前記接触要素のうちの1つ以上が、屈曲又は角度付けされている(200、240、900、1300、1400)、請求項1に記載の構造体。
【請求項11】
少なくとも1つの接触要素及び/又はコネクタハウジング若しくはその部分(944)を備える、前記コネクタの少なくとも1つの要素又は部分が、接着剤、導電性接着剤、機械的固定、化学的固定、熱固定、圧着、摩擦固定、及びばね力ベース固定などの圧縮力からなる群から選択される少なくとも1つの要素の使用を通じて、前記コネクタの任意の残りの部分、その上の前記少なくとも1つのプラスチック層、前記基板フィルム、及び/又は前記接触領域に固定されている、請求項1に記載の構造体。
【請求項12】
前記コネクタが、信号及び/又は電力伝達のためのガルバニック電気接続性と、光学及び/又は熱接続性を含む、更なる接続性と、を提供するように構成されており、それによって、前記コネクタをハイブリッドコネクタにする、請求項1に記載の構造体。
【請求項13】
前記コネクタが、ピンヘッダ、圧着コネクタ、圧着接触要素、圧着スパイク、ばね式接触要素、行コネクタ、ばね式接触要素、ばね式接触ピン又はスリップ、接触パッド、接触領域、接触ピン、圧着接触ピン、導電材料の壁及び/又は底部を有する穴、ソケット、メスソケット、オスプラグ又はソケット、ハイブリッドソケット、ピンソケット、並びにばねピンソケットからなる群から選択される、少なくとも1つの特徴を備える、請求項1に
記載の構造体。
【請求項14】
前記コネクタの前記接触要素が、前記構造体の外面の内側から離れて突出する、請求項1に記載の構造体。
【請求項15】
前記コネクタの少なくとも1つの接触要素の少なくとも一部分と前記基板フィルムとの間の圧縮性材料(1002、1102)をさらに含む、請求項1に記載の構造体。
【請求項16】
前記基板フィルム、前記少なくとも1つのプラスチック層、又は具体的には前記基板フィルム上に提供された前記コネクタの少なくとも一部分上に構成され、外部接続部材又は前記コネクタ(944)の更なる部分に面し、かつ接触して前記接続要素間の密閉封止を実施する、封止部材(940)をさらに備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項17】
前記コネクタ又は外部接続部材の一部分を前記構造体に取り外し可能に固定するためのロック部材(942)をさらに備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項18】
前記導電性で細長い接触要素(118)が、ピンを含む、請求項1に記載の構造体。
【請求項19】
前記外縁部は、前記基板フィルム(102)の上面と下面との間に延在する側縁である、請求項1に記載の構造体。
【請求項20】
前記導電性で細長い接触要素(118)が、前記導電性で細長い接触要素が延在する前記基板フィルム(102)の表面と前記外縁部とに接触している、請求項1に記載の構造体。
【請求項21】
統合された多層の構造体(100、200、240、280、400、580、640、740、900、1300、1400)であって、
電気的に絶縁性の材料を含む基板フィルム(102)と、
前記基板フィルム上に提供された導電性要素(106)を備える回路設計(106、108、109)であって、前記導電性要素が複数の接触領域(107)を画定する、回路設計(106、108、109)と、
前記基板フィルムの外縁部(102E)にあるコネクタ(110)であって、前記基板フィルム上の前記回路設計の前記導電性要素の前記接触領域に接続される一方で、前記接触領域から延在し、外部接続要素(112)を前記コネクタと嵌合させることに応答して前記外部接続要素(112)に結合する導電性で細長い複数の接触要素(118)を備えており、前記接触要素用の電気的に絶縁性のコネクタハウジングを含み、前記接触要素は、前記基板フィルムの外縁部に少なくとも部分的に接触して配置される、コネクタ(110)と、
前記回路設計を少なくとも部分的に覆い、前記コネクタを部分的にのみ覆うように、前記基板フィルム上に成形された少なくとも1つのプラスチック層(104、104B、105)であって、前記覆われた部分が、前記接触領域との前記接触要素の接続点を含み、前記外部接続要素に結合するように構成された前記接触要素の延在部分を少なくとも部分的に除外する、少なくとも1つのプラスチック層(104、104B、105)と、
導電性要素(106)をその上に有する更なる回路設計を有する更なる基板フィルム(103)と、
を備え、
前記少なくとも1つのプラスチック層(104)のプラスチック材料が、前記基板フィルム(102)と前記更なる基板フィルム(103)との間に位置し、前記基板フィルムの前記回路設計が、前記コネクタ及び/又は接続部材(106B)によって電気的に接続
されている、
構造体。
【請求項22】
前記コネクタ(640)の前記複数の接触要素が、第1の接触要素(118A)を備え、前記コネクタが、前記更なる基板フィルムの前記更なる回路設計に接続される第2の接触要素(118B)を更に備え、
前記基板フィルム(102)及び前記更なる基板フィルム(103)の各々から延在する前記第1及び第2の接触要素の遠隔端部が、互いに隣接して配置されている、請求項21に記載の構造体。
【請求項23】
前記第1及び第2の接触要素が、取り外し可能に取り付け可能な接続要素(642)を利用して、一緒に接続される、請求項22に記載の構造体。
【請求項24】
多層構造体を製造するための方法(800)であって、
外縁部まで延在する外面を有する基材フィルムであって、エレクトロニクスを収容するための、電気的に絶縁性の材料を含む基板フィルムを得ること(804)と、
少なくとも部分的に印刷エレクトロニクス技術によって、前記基板フィルム上に導電性材料のトレースを含む、導電性要素を備える回路設計を提供すること(806、808)であって、前記導電性要素が複数の接触領域を画定する、回路設計を提供すること(806、808)と、
前記基板フィルムの前記外面から前記基板フィルムの前記外縁部まで延在するように、前記基板フィルムの前記外面に少なくとも1つのコネクタを配置すること(810)であって、前記コネクタが、前記回路設計の前記導電性要素の前記接触領域に接続される一方で、前記接触領域から前記基板フィルムの前記外面に沿って前記基板フィルムの外縁部を超えて自由端まで延在し、外部接続要素を前記コネクタと嵌合させることに応答して前記外部接続要素に選択的に結合するように構成された、導電性で細長い剛性の複数の接触要素を備えており、前記少なくとも1つのコネクタは、前記接触要素用の電気的に絶縁性のコネクタハウジングを含む、少なくとも1つのコネクタを配置すること(810)と、
前記接触要素を、前記基板フィルムの外縁部及び前記基板フィルムの前記外面に少なくとも部分的に接触させて配置することと、
前記回路設計を少なくとも部分的に覆い、前記コネクタを部分的にのみ覆うように、前記基板フィルム上で射出成形を利用して熱可塑性又は熱硬化性材料を成形すること(814)であって、前記覆われた部分が、前記接触領域との前記接触要素の接続点を含み、前記外部接続要素に結合するように構成された前記接触要素の延在部分を少なくとも部分的に省略する、熱可塑性又は熱硬化性材料を成形すること(814)と、
を含む、方法。
【請求項25】
前記コネクタを、圧着などの接合、又は接着剤を使用することにより、前記基板フィルム上に更に固定することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記回路設計の少なくとも一部及び前記コネクタの少なくとも一部を既に備えている前記基板フィルムを熱成形又は冷間成形である形成を行って、少なくとも局所的に三次元の目標形状を呈するように成形することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記コネクタハウジングの少なくとも一部分は、前記基板フィルム上に既製要素として提供され、前記成形のためのインサートに含まれる、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記コネクタハウジングの少なくとも一部分が、前記成形用の材料から確立される、請
求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記成形が、マルチショット成形を含み、少なくとも1つのショットが、少なくとも1つの他の成形ショットに使用される前記材料とは異なる材料から、前記コネクタハウジングの少なくとも一部分を確立するために利用される、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
外部接続部材の内部、又は前記コネクタ(944)の一部分を、前記多層構造体の残りの部分と封止するための封止部材を提供することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
多層構造体を製造するための方法(800)であって、
エレクトロニクスを収容するための、電気的に絶縁性の材料を含む基板フィルムを得ること(804)と、
少なくとも部分的に印刷エレクトロニクス技術によって、前記基板フィルム上に導電性材料のトレースを含む、導電性要素を備える回路設計を提供すること(806、808)であって、前記導電性要素が複数の接触領域を画定する、回路設計を提供すること(806、808)と、
前記基板フィルムの外縁部に少なくとも1つのコネクタを配置すること(810)であって、前記コネクタが、前記回路設計の前記導電性要素の前記接触領域に接続される一方で、前記基板フィルムから延在し、外部接続要素を前記コネクタと嵌合させることに応答して前記外部接続要素に結合するように構成された、導電性で細長い剛性の複数の接触要素を備えており、前記少なくとも1つのコネクタは、前記接触要素用の電気的に絶縁性のコネクタハウジングを含む、少なくとも1つのコネクタを配置すること(810)と、
前記接触要素を、前記基板フィルムの外縁部に少なくとも部分的に接触させて配置することと、
前記回路設計を少なくとも部分的に覆い、前記コネクタを部分的にのみ覆うように、前記基板フィルム上で射出成形を利用して熱可塑性又は熱硬化性材料を成形すること(814)であって、前記覆われた部分が、前記接触領域との前記接触要素の接続点を含み、前記外部接続要素に結合するように構成された前記接触要素の延在部分を少なくとも部分的に省略する、熱可塑性又は熱硬化性材料を成形すること(814)と、
を含み、
エレクトロニクスを収容するための電気的に絶縁性の材料を含む更なる基板フィルムが得られ、導電性要素を含む更なる回路設計を備え、前記導電性要素が、前記更なる基板フィルム上の複数の接触領域を画定し、
前記コネクタの前記複数の接触要素が、第1の接触要素を備え、前記コネクタが、更に、前記更なる基板フィルム上の前記複数の接触領域の接触領域に接続される第2の接触要素を備え、前記第1の接触要素及び第2の接触要素の遠隔端部が、それぞれの基板フィルムから延在し、互いに隣接して方向付けられるように構成されている、
方法。
【請求項32】
前記第1及び第2の接触要素が、外部から配設可能なジャンパ又は他の外部から配設可能な接続要素などの取り外し可能な外部接続要素を利用して、ともに接続される、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概して、本発明は、エレクトロニクス、関連デバイス、構造体、及び製造方法に関する。具体的には、排他的ではないが、本発明は、少なくとも1つのフィルム層と隣接成形プラスチック層とをともに一体化した機能構造体の内部への外部電気接続を可能にするための接続配置の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス及び電子製品に関連して、様々な異なる積み重ねアセンブリ及び構造体が存在する。
【0003】
エレクトロニクス及び関連製品の統合の背後にある動機は、関連する使用コンテクストと同様に多様であり得る。コンポーネントのサイズ節約、重量節約、コスト節約、又はまさに効率的統合が、結果として得られる解決策が最終的に多層性を呈する場合のために、比較的頻繁に追求される。次いで、関連使用シナリオは、製品パッケージ又は食品ケーシング、デバイスハウジングの視覚的設計、ウェアラブルエレクトロニクス、パーソナル電子デバイス、ディスプレイ、検出器又はセンサ、車両内装、アンテナ、ラベル、及び車両エレクトロニクスなどに関し得る。
【0004】
電子コンポーネント、IC(集積回路)、及び導体などのエレクトロニクスは、一般に、複数の異なる技術によって基材要素上に提供され得る。例えば、様々な表面実装デバイス(SMD)などの既製エレクトロニクスは、最終的に多層構造体の内側又は外側の界面層を形成する基材表面上に取り付けられ得る。加えて、「印刷エレクトロニクス」という用語に該当する技術を適用して、関連する基材に直接かつ付加的にエレクトロニクスを実際に製造し得る。「印刷」という用語は、この文脈では、実質的に付加的な印刷プロセスを通して、スクリーン印刷、フレキソグラフィー、及びインクジェット印刷を含むがこれらに限定されない、印刷物からエレクトロニクス/電気的要素を製造することができる様々な印刷技術を指す。使用される基材は、可撓性であり得るが、ただし、必ずしもそうではないが、有機性の印刷物であり得る。
【0005】
射出成形構造エレクトロニクス(IMSE)の概念は実際には、機能デバイス及びその部品を多層構造の形態で構築することを伴い、これは、電子機能性を可能な限りシームレスに封じ込めるというものである。IMSEの特性はまた、エレクトロニクスが、対象となる製品、部品、又は概して設計全体の3Dモデルに従って、真の3D(非平面)形状に一般的に製造されることでもある。3D基材上及び関連最終製品内のエレクトロニクスの所望の3Dレイアウトを達成するために、エレクトロニクスは、依然として、エレクトロニクスアセンブリの二次元(2D)方法を使用して、フィルムなどの最初は平面状の基材上に提供され得、そうして、既にエレクトロニクスを収容する基材が、例えば、エレクトロニクスなどの下層要素を覆いかつ埋め込む好適なプラスチック材料によって、所望の三次元、すなわち3Dの形状に形成され、オーバーモールディングされ、したがって、要素を環境から保護し、かつ潜在的には隠し得る。
【0006】
IMSE構造体などの多層構造体に様々なエレクトロニクスが装填される場合、それは、必ずしも、完全に孤立して、すなわち自律的に、機能又は動作するとは限らない。代わりに、様々な電力、データ及び/又は制御接続が提供されなければならないか、若しくは少なくとも好ましくはそれに提供され、これは典型的には電気コネクタ及び関連配線、又は一般的に導電性要素の提供及び構成を必要とするが、無線接続も同様に時々適用可能であり得る。
【0007】
いくつかの使用シナリオでは、例えば、含まれる1つ以上の基板などの関連材料層を通って延在する1つ以上のビアを提供することによって、積層された多層タイプの構造体の中央部分及びその構成要素を介して、環境とその構造体の埋め込まれたエレクトロニクスとの間に有線又は概ね接触ベースの電気接続を提供することが有利ではない場合、実現可能であり得る。
【0008】
しかしながら、そのような接続配置から生じる視覚的なアーチファクト又は概ね視覚的な効果は、特に、構造体全体が非常に透明又は少なくとも半透明である場合、これに限定されるわけではないが、問題となることがある。構造体は、少なくとも部分的に環境に対して視覚的に露出され得、その場合、そのコネクタなどの1つ以上の接続機能は、単なる目で容易に知覚可能なままであり、これは、少なくとも設計に設定された美的目的の観点から、あまり好ましいことではない。
【0009】
加えて、接続配置が異なると、構造体のかなりの面積又は体積が大きくなることがあり、エレクトロニクスコンポーネント又は一般的な回路設計など、構造体に統合すべき他の要素に利用可能な空間を低減させる。したがって、残りの要素の位置決めは、とりわけ、例えば最適な場所が関連する放射線の放出又は受取特性、若しくはいわゆる光路に関してかなり制限され得る光学コンポーネント又は光電子コンポーネントを考慮すると、空間及び、時には望ましい機能性に関して困難になり得る。
【0010】
それでも、多層構造体で使用される現在の多くの接続方法は、例えば、構造体及びその接続配置が、曲げ又はねじり力などの外力によって引き起こされる応力にさらされる使用シナリオの状況下では、異なる耐久性及び信頼性の問題に苦しんでおり、一方で、例えば、電気活性層及び成形層などの追加層の数に関して積み重ねられた全体的な設計の構成を更に制限している。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、特に、埋め込みエレクトロニクス及び関連する接続性を包含する統合された多層構造体の状況においてのみではないが、既存の解決策に関連する上記の欠点のうちの少なくとも1つ以上を緩和することである。
【0012】
目的は、本発明による多層構造体及び関連製造方法の様々な実施形態によって達成される。
【0013】
本発明の1つの実施形態によれば、統合された多層構造体は、
電気的に実質的に絶縁性の材料、例えば、電気的に実質的に絶縁性の熱可塑性の材料を含む、例えば、平面及び/又は可撓性タイプの基板フィルムと、
任意選択的にトレースを含む、基板フィルム上に、印刷又は堆積されるなど、提供された導電性要素(106)を含む回路設計であって、前述の導電性要素がいくつかの接触領域を画定する、回路設計と、
基板フィルムの縁部におけるコネクタであって、コネクタが、基板フィルム上の回路設計の導電性要素の接触領域に接続される一方で、基板フィルムから更に延在して、外部接続要素をコネクタと嵌合させることに応答して、外部接続要素に結合する、ピンなどの、いくつかの導電性の細長い、任意選択的に実質的に剛性の接触要素を備える、コネクタと、
回路設計を少なくとも部分的に覆い、コネクタを部分的にのみ覆うように、基板フィルム上に成形された、好ましくは、熱可塑性又は熱硬化性の電気絶縁材料の、任意選択的に複数のプラスチック層であり、更に任意選択的にそのうちの少なくとも1つが基板フィルムの各側に存在する、少なくとも1つのプラスチック層であって、覆われた部分が、接触領域との接触要素の接続点を含み、外部接続要素に結合するように構成された接触要素の延在部分を少なくとも部分的に除外する、少なくとも1つのプラスチック層と、を備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ以上の接触要素などのコネクタの一部分は、例えば、基板フィルム内の少なくとも1つの穴を介すなど、基板フィルムを通して物理的に提供されている場合がある。例えば、穴は、コネクタの提供前に、又はコネクタ自体によって任意選択的に提供中に(例えば、圧着又は一般的な穿通活動などの関連する設置動作中に)配置されている場合がある。追加的又は代替的に、コネクタの少なくとも1つの特徴は、例えば、基板フィルムの一方の側からその縁部を越えて他方の側まで延在する、基板フィルムの対向する側の間及び/又は対向する側に延在する接続ブリッジ、円弧、又は同様の構造を画定し得る。しかし、コネクタは、具体的には、基板フィルムの縁部にわたって延在する少なくとも1つのブリッジ部分又は円弧部分を備え、任意選択的に、基板フィルムの各側のコネクタの、互いに、かつ/又はブリッジ部分若しくは円弧部分と、モノリシック又は非モノリシック構造になっている2つの対向する部分を接続し得る。したがって、いくつかの実施形態では、コネクタは、物理的でなくとも、少なくとも機能的に基板フィルムを通して構成されている場合がある。実際、コネクタを実装するための異なる実施形態は、以下でより詳細に考察される。
【0015】
上述のように、様々な実施形態では、基板フィルムは、コネクタ(例えば、接触要素及び/又はハウジング)の少なくとも一部分が前述の第1及び第2の側面に延在する、少なくとも1つの既製の、任意選択的にドリル、穿孔、穿通、プレス、成形、又は切断した、貫通孔を画定するように調整されている場合がある。追加的又は代替的に、コネクタ自体の少なくとも一部分は、任意選択的にその接触要素のうちの1つ以上によって、好ましくは、基板フィルム、特にその上に提供された回路設計の接触領域のうちの1つ以上への圧着接続を画定することによって、基板フィルムを穿通、穿孔、又は別様で貫通するように構成されている場合がある。圧着接続部は、例えば、ばね接続部を含み得る。
【0016】
様々な実施形態では、前述の(熱)プラスチック又は熱硬化性成形材料は、その上に成形材料を受容する基板フィルムの側でコネクタを実質的に完全に覆うように任意選択的に構成され得る。しかしながら、基板フィルムの反対側に位置し、かつ/又は基板フィルムに隣接するコネクタの部分は、好ましくは、外部接続要素との接続性を可能にするために、成形材料から少なくとも部分的に自由な状態を保たなければならない。
【0017】
しかし、前述の外部接続要素は、様々な実施形態では、特許請求される構造体のコネクタを介して、本明細書で提案する多層構造体と接続されるべき、外部構造体、外部デバイス、又は外部システムの実現可能なあらゆる接続特徴を実際に指し得る。そのような外部接続要素又は一般的な接続は、例えば、(剛性)コネクタ(例えば、ピンなどのいくつかの接触要素を収容する剛性ハウジングを有するもの)、フレックスケーブル、フレックス回路又はフレックス回路基板、接触ピン、接触パッド、はんだ接続、回路基板へのはんだ、エポキシ又は接着剤などの導電接着剤、圧着接続、溶接などを含むか又は伴い得る。
【0018】
様々な追加又は補足的な実施形態では、回路設計は、いくつかの電子コンポーネント(例えば、受動コンポーネント、能動コンポーネント、電気機械コンポーネント、光電子コンポーネント、及び/又は集積回路(IC))を更に備える。コンポーネントは、例えば、装着及び/又は印刷されたコンポーネントを含み得る。典型的には、これらのコンポーネントのうちの1つ以上は、回路設計のトレース又は特定の接触領域などの導電性要素のうちの1つ以上に少なくとも電気的に接続されている。しかし、コンポーネントのうちの1つ以上は、成形された少なくとも1つのプラスチック層内に少なくとも部分的に埋め込まれている場合がある。
【0019】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、回路設計は、ブリッジ、回路及び/又は他のデバイスを任意選択的に含み、ピンなどの複数の接触要素をともに接続して、それらを介して(高)電流の流れを可能にするように構成された接続コンポーネントを更に備える。
【0020】
様々な追加又は補足的な実施形態では、コネクタは、ピンなどの接触要素を収容するための、好ましくは電気絶縁性の、任意選択的にプラスチック、セラミック、それらの組み合わせ、又は同様のハウジングを備える。
【0021】
コネクタハウジングは、任意選択的に、外部接続要素の少なくとも部分を受容するための(円周方向の陥凹を有するものなどの)例えばレセプタクルを画定し得る。代替的に、それは、外部接続要素によって画定されたレセプタクルに入るための突出部を画定し得る。ハウジングは更に、少なくとも1つのプラスチック層のうちの1つ以上の層によって少なくとも部分的にオーバーモールドされている場合がある。しかし、いくつかの実施形態では、画定されたレセプタクル又は突出部は、コネクタ自体の別個の接続可能な部分と整合するために利用され得る。
【0022】
コネクタ、又は具体的にはそのハウジングは、基板フィルムのいずれか又は両方の側面に接触するように構成され得る(及び任意選択的にいずれかに位置決めされ得る)。ハウジングは、いくつかの実施形態では、フィルムを通って延在するように構成され得る。しかし、本明細書で前述したように、いくつかの実施形態では、コネクタの少なくとも1つの特徴は、基板フィルムの対向する側面の間に、一方の側から、例えば基板フィルムの縁部を越えて他方の側まで延在する、接続ブリッジ、円弧又は同様の構造体を画定し得、これはハウジングを指し得る。
【0023】
様々な実施形態では、ハウジングは、プラスチックなどの事前調製された別個の材料片を含むか、又は事前調製された別個の材料片からなり得る。
【0024】
様々な実施形態では、コネクタハウジングは、基板フィルム上に成形された少なくとも1つのプラスチック層のプラスチック層によって少なくとも部分的に画定され得、任意選択的に、少なくとも1つのプラスチック層の少なくとも1つの他の層とは異なる材料(例えば、成形層の主材料を、例えば、体積及び/又は重量に関して構成し得る周囲材料)を含む。それでも、ハウジングを確立するプラスチック層は、少なくとも1つのプラスチック層の少なくとも1つの更なるプラスチック層によって少なくとも部分的にオーバーモールドされている場合がある。いずれにしても、ハウジング、及び/又はコネクタと嵌合したときに外部コネクタに面し、任意選択的に接触するその部分などの、コネクタの他の部分は、前述の少なくとも1つの成形プラスチック層によって完全に又は少なくとも部分的に確立されている場合がある。
【0025】
様々な実施形態では、少なくとも1つのプラスチック層は、相互に異なる材料の少なくとも2つの、任意選択的に隣接した層を備える。
【0026】
様々な実施形態では、少なくとも1つのプラスチック層は、熱伝導性(したがって、構造体の熱管理、及び例えば埋め込まれた放熱コンポーネントにおいて役割を果たす)及び/又は光学的に透過性若しくは不透明な材料を有する機能層を備え得る。材料は、他の潜在的な用途の中でも、含まれる光電子コンポーネント、例えば、発光コンポーネント(例えば、(O)LED)若しくは受光コンポーネント(例えばフォトダイオード)、又は構造体内の他の層などの、選択された特徴に対して、光を透過及び/又は遮断(マスキング)するように構成されている場合がある。機能層は、任意選択的に、コネクタハウジングの少なくとも部分を確立し、かつ/又は回路設計に含まれる1つ以上の電子コンポーネントを少なくとも部分的に埋め込む。
【0027】
様々な実施形態では、コネクタは、構造体内で一般的に利用され得る基板フィルムなどの、例えば、典型的なフラッピー及び可撓性プラスチックフィルムとは対照的に、実質的に剛性である。
【0028】
様々な実施形態では、コネクタは、屈曲又は角度付けされたハウジング、及び/又はコネクタのいくつかの接触要素のうちの1つ以上の接触要素などの、いくつかの屈曲又は角度付けされた要素を備える。例えば、屈曲又は角度付けされた要素は、一般的に基板及び多層構造体に対するコネクタの機械的な固定に追加するように構成され得、一方で、関連する電気的結合を更に強化し、かつ/又は外部接続要素への接続を容易にし得る。屈曲した要素は、湾曲した形状及び/又は角度形状を画定し得る。
【0029】
様々な実施形態では、前述のいくつかの接触要素のうちの少なくとも1つの接触要素は、したがって、屈曲又は角度付けされ得る。接触要素の第1の部分が基板フィルムの表面に対して実質的に垂直に延在して外部接続要素と接続する一方で、接触要素の第2の部分が基板フィルムに実質的に沿って、かつ/又は平行に延在して、例えばその上の回路設計の接触領域に接触するように、任意選択的に実質的に湾曲した、角度のある、又は特に本質的にLプロファイルである、屈曲又は角度付けされた形状を画定し得る。
【0030】
様々な実施形態では、基板フィルムの縁部は屈曲している。それは、残りの基板フィルム及び/又は構造体の他の要素に対する屈曲若しくは角度、及び/又は、例えば、要素/全体的な構造体の表面接線若しくはその法線を包含又は画定し得、前述の基板フィルムは任意選択的に、例えば、Lプロファイルを実質的に画定する。
【0031】
様々な実施形態では、コネクタの接触要素のうちの1つ以上は、基板フィルムの縁部を越えて横方向に、かつ/又は基板フィルムから横方向に離れて延在し得、それにより、任意選択的に、Lプロファイルをそのまま、かつ/又はフィルムに対して実質的に画定する。したがって、コネクタの接触要素のうちの1つ以上は、それ自体が屈曲又は角度付けされている場合がある(したがって、互いに対して屈曲又は角度付けされている部分を含む)。
【0032】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、前述の少なくとも1つのプラスチック層のプラスチック層は、基板フィルムの一方の側に位置し、外部接続素子と接触する接触要素の延在部分は、基板フィルムの同じ及び/又は反対側に位置する。しかしながら、いくつかの実施形態では、基板フィルムの側には、代替的又は追加的に、外部接続要素と嵌合するように構成されたコネクタの特定の部分(例えば、接触要素又は少なくともその端部を含む)を含むプラスチック層が存在し得る。
【0033】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、成形された少なくとも1つのプラスチック層によって任意選択的に画定される、いくつかの好ましくは弾性の機械的ロック部材(例えば、有刺突出部及び/又はボス、若しくは例えばそれらと嵌合する形状/陥凹を画定又は含む)が、構造体内に提供され、嵌合時に外部接続要素と接触し、外部接続要素をコネクタに固定しやすいように構成されている。いくつかの実施形態では、特に、コネクタ、例えば、そのハウジングは、1つ以上のそのようなロック部材を包含し得る。外部接続部材は、当然、(例えば、突出陥凹方式で)その目的のための適合性のある(対応タイプの)ロック部材を含み得る。
【0034】
追加的又は代替的に、コネクタ自体又はその少なくとも一部分(初期のマルチパートコネクタの場合、下記参照)を残りの構造体に固定することを強化するために、1つ以上のロック部材がコネクタ、例えばそのハウジング内に提供されている場合がある。基板フィルム又は成形層などの残りの構造体は、コネクタを固定するためのいくつかの適合性のあるロック部材、すなわちそれらの対応物を備えるか、画定するか、又は備え得る。それでも、コネクタは、例えば、多層構造体の製造中に機械的に接合されるいくつかの部分からなり得る。例えば、コネクタハウジングは、マルチパートタイプであり得る。したがって、コネクタの多層構造体(例えば、基板及び/又は少なくとも1つの成形層)又は第1の部分、すなわち、第1の接合可能部分は、コネクタの更なる部分(第2の接合可能部分)を第1の部分及び/又は残りの多層構造体に固定するために、1つ以上のロック部材を画定又は収容し得る。更なる部分は、当然、それ自体の適合するロック部材(対応物)を再び包含し得る。
【0035】
様々な追加又は補足的な実施形態では、基板の両側に回路設計の導電性領域があり、前述のコネクタは、好ましくは、前述のいくつかの接触部材を介して領域に直接電気的に接続する。任意選択的に、単一の接触部材は、前述の両側の領域に直接機械的及び電気的に接続し得る。必要な機械的及び/又は電気的接続を少なくとも部分的に実装及び/又は固定するために、接着剤、任意選択的に導電性接着剤の使用は、1つの実現可能な選択肢である。
【0036】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、接触要素のうちの少なくとも1つは、回路設計の少なくとも1つの接触領域に圧縮力、任意選択的にばね力を及ぼすように構成されている。
【0037】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、前述のロック部材は、導電性材料の板ばねなどの、少なくとも1つのばね状部材を備え、直接、又は導電性接着剤若しくははんだなどの中間導電性要素を介して、コネクタの少なくとも1つの接触要素と基板フィルムの少なくとも1つの導電領域(例えば、回路設計の接触領域)の両方に接触して、両者の間の電気結合を強化する。
【0038】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、機械的封止部材、又は任意選択的にガスケットを含む複数のそのようなものが、例えば基板フィルムの領域上、少なくとも1つの成形層上、又は具体的にはコネクタの部分上に提供されており、外部接続部材及び/又はコネクタの更なる部分を受容し、好ましくは接続された要素間の密閉封止を実施するために構成されていた。
【0039】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、基板フィルムは、ハウジングの一部分及び/又はそのコンタクト要素などの、コネクタの一部分を収容する、例えば非貫通型の陥凹(例えば熱成形された陥凹)を画定する。
【0040】
様々な追加的又は補完的な実施形態では、基板フィルムは本質的に平面状である。代替的に、潜在的に概ね実質的に平面状であっても、少なくとも局所的に、本質的に三次元形状、任意選択的には湾曲した、角度付けされた、傾斜した、又は具体的に、例えばドーム形状を呈し得る。
【0041】
様々な追加的又は補完的な実施形態では、コネクタは、少なくとも1つの集積回路を任意選択的に含む、電子コンポーネント、光電子コンポーネント、光電子及び/又はマイクロメカニカルコンポーネントなどのいくつかの機能的コンポーネントを更に備える。
【0042】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、コネクタ、任意選択的には、そのハウジングは、少なくとも1つのプラスチック層の材料が少なくとも部分的に充填された空洞(例えば、貫通孔又は非貫通孔)を備える。これは、一般的に、コネクタの基板及び/又は多層構造体への固定を強化し得る。
【0043】
様々な実施形態では、構造体は、その上に導電性要素を有する更なる回路設計を有する更なる基板フィルムを備え得、少なくとも1つのプラスチック層の1つ以上のプラスチック層のプラスチック材料が基板フィルム間に提供されており、基板フィルムの回路設計は、コネクタ及び/又は接続部材若しくは例えば本明細書で以前に考察したタイプの接続コンポーネントによって任意選択的に電気的に接続されている。
【0044】
コネクタのいくつかの接触要素は、第1の接触要素を備え得、コネクタは、更なる基板フィルムの更なる回路設計に接続される第2の接触要素を更に備え得、それぞれの基板フィルムから延在する前述の第1及び第2の接触要素の遠隔(基板フィルムからの)端は、任意選択的に互いに隣接して位置する。任意選択的に、外部から配設可能なジャンパ又は他の外部から配設可能な接続要素など、好ましくは取り外し可能な外部接続要素を利用して、第1及び第2の接触要素は、例えばその隣接する端部から接続されている場合があるか、又は少なくともともに接続可能であり得る。代替的に、接触要素の隣接する端部は、例えば、ともにはんだ付けされている場合がある。
【0045】
様々な実施形態では、構造体は、(例えば、スリップ、ドット、シート、層又は他の堆積物として構成された)圧縮性材料の1つ以上の要素を含み得、これは、好ましくは、コネクタの少なくとも1つの接触要素と基板フィルムとの間に配置されている。圧縮性材料は、有利に、導電性である。圧縮性材料は、例えば、異なる状況(オーバーモールド又は他の条件に関与する高温又は高温勾配など)における材料の熱膨張に起因する接触劣化又は破損を防止し得る。
【0046】
様々な追加的又は補完的な実施形態では、含まれる基板フィルムは、例えば木材、皮革若しくは布地、又はこれらの材料のうちのいずれかの、互いの、又はプラスチック若しくはポリマー若しくは金属との組み合わせを参照して、プラスチック、例えば熱可塑性ポリマー、及び/又は有機若しくはバイオ材料などの材料を含むか、又はそれらからなり得る。基板フィルムは、概して熱可塑性材料を含むか、又は熱可塑性材料からなり得る。フィルムは、本質的に可撓性又は屈曲性であり得る。いくつかの実施形態では、フィルムは、代替的に、実質的に剛性であり得る。フィルムの厚さは、実施形態に応じて変化し得、数十又は数百ミリメートルに過ぎなくてもよく、又は、例えば、1ミリメートル又は数ミリメートルの大きさで、かなり厚くてもよい。多層構造体に含まれるいくつかの基板フィルムの場合、それらは、寸法(例えば、厚さ及び/又は長さ/幅)、その中に形成される局所形状、及び/又は使用される材料に関して、互いに類似又は異なるものである。
【0047】
基板フィルムは、例えば、ポリマー、熱可塑性材料、電気絶縁性材料、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート(PC)、コポリエステル、コポリエステル樹脂、ポリイミド、メタクリル酸メチルとスチレンとの共重合体(MS樹脂)、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、炭素繊維、有機材料、バイオ材料、皮革、木材、繊維、布地、金属、有機天然材料、無垢材、化粧張り、ベニヤ板、樹皮、樹木樹皮、白樺樹皮、コルク、天然皮革、天然繊維又は布地材料、自然栽培素材、綿、ウール、リネン、絹、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含み得る。
【0048】
更なる、補足的又は代替的な実施形態では、含まれる(基板)フィルムのうちの1つ以上は、所定の波長、例えば、不可視スペクトルを考慮して、少なくとも部分的に、光学的に実質的に不透明又は少なくとも半透明であり得る。フィルムには、その上又はその中に、グラフィックパターン及び/又は色などの視覚的に区別可能な、装飾的/美的及び/又は情報的な、特徴が提供されている場合がある。特徴は、関連するオーバーモールド手順を通してプラスチック材料によって少なくとも部分的に封止されていたように、エレクトロニクスとともにフィルムの同じ側に提供されている場合がある。したがって、IML(インモールド標識化)/IMD(インモールド装飾)技術が、適用可能である。フィルムは、少なくとも部分的、すなわち少なくとも所々で、例えば、エレクトロニクスによって発せられる可視光などの放射線に対して光学的に実質的に透明であり得る。透過率は、例えば、80%、85%、90%、95%以上であり得る。
【0049】
基板フィルム上に成形されたプラスチック層は、ポリマー、有機、バイオ材料、複合材料、並びにこれらの任意の組み合わせなどの材料を含み得る。成形材料は、熱可塑性及び/又は熱硬化性材料を含み得る。成形層は、実施形態に応じて変化し得る。それは、例えば、1ミリメートル、数ミリメートル又は数十ミリメートルの大きさであり得る。例えば、成形材料は電気絶縁性であり得る。
【0050】
更に詳細には、少なくとも1つの成形プラスチック層は、エラストマー樹脂、熱硬化性材料、熱可塑性材料、PC、PMMA、ABS、PET、コポリエステル、コポリエステル樹脂、ナイロン(PA、ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、ポリスチレン(GPPS)、TPSiV(熱可塑性シリコーン亜硫酸塩)、及びMS樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、成形層のいずれかを確立するために使用される(熱)プラスチック材料は、光学的に実質的に不透明、透明又は半透明の材料を含み、例えば、可視光が微小な損失を伴ってそれを通過することを可能にする。所望の波長における十分な透過率は、例えば、約80%、85%、90%、又は95%以上であり得る。構造体内で使用される、可能な更なる、任意選択的に成形された(熱)プラスチック材料は、実質的に不透明又は半透明であり得る。いくつかの実施形態では、更なる材料は透明であり得る。
【0052】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、回路設計の導電性接触領域、要素、及び/又は他の特徴、又は基板フィルム上又は一般的に構造体内に提供される他の特徴は、導電性インク、導電性ナノ粒子インク、銅、鋼、鉄、スズ、アルミニウム、銀、金、白金、導電性接着剤、炭素繊維、合金、銀合金、亜鉛、真鍮、チタン、はんだ、及びその任意のコンポーネントからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む。使用される導電性材料は、可視光などの所望の波長で光学的に不透明、半透明、及び/又は透明であり得、したがって、例えば、可視光などの放射線を、マスキングする、又はそこから反射、その中に吸収、若しくは通過させる。
【0053】
様々な実施形態では、コネクタの接触要素は、例えば、銅、導電性インク、銀、金、白金、導電性接着剤、炭素繊維、亜鉛、真鍮、合金、及び銀合金からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含み得る。再び、材料は、所望の導電性に加えて、例えば、透明性、半透明性、又は不透明性などの所望の光学特性を呈するように任意選択的に選択され得る。
【0054】
様々な実施形態では、少なくとも1つの接触要素及び/又はコネクタハウジングを任意選択的に含むコネクタの少なくとも1つの要素は、接着剤、導電性接着剤、化学的固定、熱固定、機械的固定、圧着、摩擦固定、及び/又はばね力ベースの固定などの圧縮力を使用して、基板フィルム及び/又はその上の(例えば回路設計の)接触領域に固定されている。
【0055】
様々な追加的又は補足的な実施形態では、コネクタ、又は特にその接触要素のうちの少なくとも1つは、ピンヘッダ、圧着コネクタ、ばね式接触部材、ばね式接触部材、ばね式接触ピン又はスリップ、接触パッド、接触領域、接触ピン、好ましくは導電材料の壁及び/又は底部を有する穴、ソケット、メスソケット、オスプラグ又はソケット、ハイブリッドソケット、ピンソケット、及びばね式ピンソケットからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を備える。
【0056】
しかし、多層構造体の実施形態、及び多層構造体のコネクタと嵌合するために適合性のある外部接続要素の実施形態を備えるシステムが提供され得る。システムは、多層構造体が外部接続要素を介して接続されている外部デバイス又は構造体(例えば、本明細書で説明される多層構造体の本質的にホストデバイス又はホスト構造体、例えば、電子ホストデバイス/構造体、又は車両若しくは車両部分など)の実施形態を更に備え得る。外部接続要素は、外部デバイス又は構造体の取り外し可能又は一体要素であり得る。
【0057】
本発明の1つの他の実施形態によれば、多層構造体を製造するための方法は、
エレクトロニクスを収容するための、電気的に実質的に絶縁性の材料を含む基板フィルムを得ることと、
任意選択的にトレースを含む、基板フィルム上に、導電性材料の導電性要素を含む回路設計を提供することであって、前述の導電性要素がいくつかの接触領域を画定する、提供することと、
基板フィルムの縁部分において、少なくとも1つのコネクタを配置することであって、コネクタが、回路設計の導電性要素の接触領域に接続された、いくつかの導電性の細長い接触要素を備える一方で、外部接続要素をコネクタと嵌合させることに応答して、基板フィルムから延在して、外部接続要素に結合するように更に構成されている、配置することと、
回路設計を少なくとも部分的に覆い、コネクタを部分的にのみ覆うように基板フィルム上で、任意選択的に射出成形を利用して、好ましくは熱可塑性又は熱硬化性材料を成形することであって、覆われた部分が、接触領域との接触要素の接続点を含み、外部接続要素に結合するように構成された接触要素の延在部分を少なくとも部分的に省略する、成形することと、を含む。
【0058】
回路設計は、1つ以上の技法及び技術を利用して提供され得る。例えば、印刷(スクリーン印刷又はインクジェットなどの印刷エレクトロニクス)などのアディティブな技術を適用して、基板フィルム上にトレース及び接触領域などの導電性要素を提供し得る。一方、例えばレーザーエッチング又は彫刻などの彫刻又はエッチングを適用する技術を参照して、セミアディティブ法又はサブトラクティブ法が利用され得る。したがって、本明細書の他で考察したような導電性材料が基板フィルム上に提供され、その後、選択的に除去され得る。取り付け可能なコンポーネントは、基板フィルム上に少なくとも部分的に既製品としても提供され得る。基板フィルムのいずれか又は両側には、回路設計が提供され得る。設計は、導電性材料及び要素(例えば、コネクタ又は別個の接続部材)を使用して、基板フィルムの孔又は縁部を介して接続され得る。
【0059】
方法は、追加の材料又は層(例えば、フィルム及び/又は成形層)及び/又は要素を、例えば上記の方法アイテムに関連して、若しくはその後に多層構造体に提供することを更に含み得る。1つ以上の追加の(基板)フィルム又は材料層が、例えば、接着剤、熱及び/又は圧力を使用して、若しくは、例えば、成形、印刷、又は堆積プロセスによって、それらをソース材料から構造体内に直接確立することによって、既存の層上への積層を通じて、構造体に事前調製された要素として提供され得る。
【0060】
それによって、例えば、第2の(基板)フィルムは、例えば、成形プラスチック層又は複数の層の他方の側に任意選択的に提供され得る。第2のフィルムは、間にプラスチック材料を注入することによって積層構造が得られるように、第1の基板フィルムとともに金型内に位置し得るか、又は成形プラスチック層上の原料材料から直接製造されていない場合、第2のフィルムは、その後、好適な積層技法を使用して提供され得る。第2のフィルムなどの任意のフィルムはまた、その任意の側面(例えば、成形プラスチック層に面する)に、グラフィックス、他の光学特徴及び/又はエレクトロニクスなどの特徴を備え得る。しかし、保護目的、及び/又は所望の光透過率、外観(例えば、色)、触感などの他の技術的特性を有し得る。第2のフィルムは、任意選択的に、一体型コネクタによって、及び/又は成形された中間プラスチック層内の1つ以上のビアなどの他の接続特徴によって、導電性材料で充填されるか、又は導体要素を備える、第1のフィルムに電気的に接続されるなど、動作可能にし得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、第2の基板フィルムは、好ましくは第1の基板フィルムの接触要素を有する共通のコネクタに延在する独自の接触要素を有する回路設計(例えば、いくつかの基板フィルムなどのいくつかの層で構造体内に提供され、例えば、コネクタ又は他の接続部材によってともに潜在的に接続される全体的な回路設計の一部)を収容し得る。次いで、異なる基板フィルムからの接触要素は、任意選択的に、本明細書で既に企図されているように、ジャンパなどの外部から取り外し可能な接続要素によって、共通のコネクタにおいて接続され得る。
【0062】
様々な実施形態では、材料層及び関連する特徴を作製するための実現可能な成形方法は、例えば、熱可塑性材料に関連する注入成形、及び特に熱硬化性樹脂に関連する反応性注入成形などの反応性成形を含む。いくつかのプラスチック材料の場合、ツーショット又は概してマルチショット成形法を使用して成形され得る。複数の成形ユニットを有する成形機が利用され得る。代替的に、複数の機械又は単一の再構成可能な機械が、いくつかの異なる材料を順次提供するために使用され得る。
【0063】
適用可能な成形プロセスパラメータを考慮すると、例えば、前述の射出成形及び反応成形は、使用される材料、所望の材料特性、成形機器などに応じて、一般的に信頼できる選択肢である。エレクトロニクスなどの基礎となる特徴に最小限の応力をもたらすために、回路又はその上の一般的な回路設計を有する基板フィルムの側面のオーバーモールドなどの選択された成形動作において、低圧(例えば、約10バール未満)成形が使用され得る。例えば、強度などの所望の機械的特性に関して、構造体に異なる材料特性を生じさせるために、異なる成形技法が適用され得る。
【0064】
様々な実施形態では、例えば、そのハウジングのコネクタの少なくとも部分は、成形材料から確立され得る。
【0065】
様々な実施形態では、マルチショット成形を適用して、構造体内の潜在的だが、必ずしも異なるわけではない成形材料の異なる層の構築を可能にし得る。少なくとも1つのショットを使用して、回路設計の、かつ/又はコネクタの所望の部分を概ね覆うことができ、一方で、例えば、他のショットの間に行われる少なくとも更なるショットは、そのハウジングの少なくとも部分など、コネクタの少なくとも部分を構築することができる。
【0066】
様々な実施形態では、電気コネクタは、少なくともその事前製造された部品又は複数の部分(基板フィルム/構造体上で直接製造されていないように)として、例えば、熱的に接合すること、溶接すること、圧着すること、又は適用可能な接着剤を使用して接着することなど、任意の好適な技法を利用して、基板フィルム上に固定され得る。好ましくは、そのような固定は、コネクタのオーバーモールドの前に行われる。
【0067】
様々な実施形態では、1つ以上の基板フィルムは、より一般的ではない場合でも、少なくとも局所的に形成され得、任意選択的に熱成形又は冷成され、好ましくは、導体及びその上の電子コンポーネントなどの任意選択的な更なるエレクトロニクスが提供された後、プラスチック層を成型する前に、所望の、しばしば本質的に三次元的な陥凹又は湾曲した形状などの目標形状を呈し得る。形成は、例えば、フィルムに陥凹を画定するために利用され得、これはコネクタ又は電子コンポーネントなどの特徴の少なくとも一部分を収容するために使用され得る。
【0068】
形成及び/又は成形する前に既にフィルム上に存在するエレクトロニクスなどの要素の使用材料、寸法、位置決め及び他の構成は、形成/成形によって誘発される力に破損することなく耐えるように選択されなければならない。
【0069】
基板フィルムが貫通孔などの少なくとも1つの孔を備えるべきそれらの実施形態では、孔は、当業者が理解するように、成形(又は一般に、孔を包含するように基板フィルムを直接確立する)、ドリル、彫刻、鋸引き、エッチング、(例えば、圧着に関連した)穿通、(例えば、レーザ又は機械刃による)切断、又は他の任意の実現可能な方法を使用して提供され得る。
【0070】
しかし、少なくとも1つの孔は、所望の形状、すなわち、実質的に円形又は角形、例えば、矩形形状を有し得る。好ましくは、孔は、回路設計の要素(例えば、コンポーネント)、又は例えばコネクタ要素などの任意の要素の形状/寸法に一致するように、選択された方法で、所望の範囲に、孔によって少なくとも部分的に収容されるように、整形され、寸法決めされる。例えば、孔は、実際に、コネクタ要素のいくつかの接触要素が通過することを可能にし得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの孔のうちの少なくとも1つの孔は、例えば、薄くすることによって、基板のブラインドホールとして最初に形成され得る。その場合、コネクタ(例えば、圧着コネクタ)を基板に提供すると、ピンなどのその突出型接触要素は、関係するフィルムの反対側に入るためにブラインドホールの底部を穿通又は穿孔するように構成され得る。しかしながら、いくつかの補足的又は代替的な実施形態では、コネクタのピンなどの接触要素は、ブラインドホール又は他の特に穿通用に加工された領域を前もって備えていない場所において、基板を穿通又は穿孔するように構成され得、これは、必要とされる製造ステップ又は操作の数を低減する観点から好都合である。したがって、フィルムを通して提供される要素は、例えば、圧着されたコネクタ又はコネクタ部品を参照して、設置時に必要な孔をその中に作製するためにそれら自体を利用することができる。
【0072】
様々な実施形態では、基板フィルムを通して例えばコネクタの一部分を提供することに加えて、又はその代わりに、例えば、その対向する第1及び第2の側面をともに電気的及び/又は光学的に接続するために、実際には、例えば、関係するフィルム/層の両側のエレクトロニクスを実際にともに指す、多層構造体のフィルム及び/又は成形層などの他の層にいくつかの他の孔又はビアが確立され得る。一般に、そのようなビア又は基本的に貫通孔は、成形(又は一般に、孔を有する基板フィルムを直接確立する)、ドリル、化学的(例えば、エッチングを通して)、彫刻、鋸引き、エッチング、例えばレーザ又は機械刃による切断、又は当業者が理解するような他の任意の実現可能な方法を使用することによって、対応的に提供され得る。ビアは、所望の断面形状、すなわち、実質的に円形又は角形の形状、例えば、長方形の形状、又は細長い(スリット)形状を有し得る。
【0073】
上述のビアは、成形、取り付け、又は印刷などの選択された充填方法を使用して、導電性及び/又は光透過性材料などの選択された材料を備え得る。材料は、接着剤、エポキシ、金属、導電性インク、気体又は液体物質などの流体材料を含み得る。材料は、例えば曲げひずみに耐えるように形成可能であり得る。いくつかの実施形態では、ビアは、例えば、大気センサなどの内部センサがそこを通して環境と動作可能に結合することを可能にするように、開いたまま(未充填)であり得る。
【0074】
様々な実施形態では、かつ本明細書で既に簡単に考察したように、電子コンポーネント又は他の要素などの1つ以上の特徴は、例えば(アディティブ)印刷エレクトロニクス技術、サブトラクティブ製造技法及び/又は例えばSMD/SMT(表面実装デバイス/表面実装技術)を参照した実装によって、多層構造体のフィルム又は成形層などの対象基板に提供され得る。特徴のうちの1つ以上は、特徴自体も少なくとも部分的にそれによって覆われるように、成形プラスチックによって少なくとも部分的に覆われている基板領域上に提供され得る。
【0075】
様々な方法アイテムの相互の実行順序は、各特定実施形態において異なり、場合に応じて決定され得る。例えば、第1の基板フィルムの第2の側は、第1の側の前に、第1の側の後に、又は実質的に同時にオーバーモールドされ得、例えば、成形材料は、それが、フィルムの初期側から反対側まで、例えば、既存の貫通孔又は圧力誘導貫通孔を介して伝播するように注入され得る。
【0076】
当業者によって理解されるように、多層構造体の様々な実施形態に関する以前に提示された考慮事項は、変更すべきところは変更して、関連する製造方法の実施形態に柔軟に適用され得、逆も同様である。しかし、様々な実施形態又は関連特徴は、本明細書に一般的に開示される特徴の新しい組み合わせを考え出すために、当業者によって柔軟に組み合わされ得る。
【0077】
本発明の有用性は、実施形態に応じて、複数の問題から生じる。
【0078】
第一に、信号(データ)及び/又は電力伝送のための所望の電気的、又は特にガルバニック、及び/又は光学的、他の選択肢の中でも、接続性を提供することによって、考察された機能的多層構造体は、いわゆるホストデバイス又はホストシステムなどの他のデバイス、若しくは横方向に、サブデバイス/サブコンポーネント又はサブシステムを更に含む、より大きなアンサンブルに動作可能に都合良く具体化され得る。含まれる一体型(インモールド)コネクタは、信号及び/又は電力伝送のためのガルバニック電気接続性、並びに任意選択的に、好ましくは光及び/又は熱接続性を含む更なる接続性を提供するように構成され得るので、コネクタは、関連する実施形態において、本質的にハイブリッドコネクタになり得る。いくつかの用途では、コネクタは、例えば、全体の多層構造体の異なる基板上に提供された回路設計及び関連要素などを参照して、構造体の異なる一体型要素を任意選択的に動的に(変更可能に、かつ/又は必要に応じて)ともに接続することを可能にするように利用され得る。
【0079】
第二に、多層構造体のコネクタとその結果得られる接続性は、基板フィルムの縁部において、及び縁部を介して巧妙に配置され得、多くの実施形態では、多層構造体自体の外縁部にも相当する。したがって、基板及び構造体全般のより中心的な領域及び体積は、他の目的における使用のためには使用しないほうがよい場合があり、これには、光学的又は電気的に機能する空間として、潜在的に指示(出力)、美的又は感性的(入力、例えば感知領域又は体積)な目的又は役割を有する、コンポーネントの位置決め又は用途が含まれ得るが、確実にこれらに限定されるものではない。
【0080】
実際、エレクトロニクスを含む多層構造を少なくとも部分的に環境に露出させたままである様々な用途を考慮すると、例えば、使用される透明材料及び/又は構造体の位置決めにより、基板フィルム又は構造体全体の中央部分が外部から認識可能であるというシナリオが数多く存在し、これには機能的および美的な意味の両方が含まれ得る。これは、データの入力、出力、及び一般的な視覚的(例えば、情報的又は美的)機能の観点から、異なる電子装置(例えば、通信デバイス、コンピュータ、家電、産業用デバイス及び機械の分野での消費者用グレード及びプロフェッショナルデバイスの両方)及び車両エレクトロニクスに該当し得る。車両では、本明細書で考察される多層構造体は、例えば、様々なパネル、ディスプレイ、又は他の車載又は外面及びコンポーネントにそれらの方法を見出し得る。次いで、基板の縁部における接続領域は、好適な一体型又は外部マスキング層又はフレームなどの要素によって外部知覚から容易にマスキングされ得る一方、中央部分は、光学センサ(例えば、ジェスチャ、周囲光など)又は圧力センサ(例えば、タッチ)などの検知要素の統合を伴うデータ入力などの他の使用に利用可能であり、又は少なくとも検出領域を関連付ける。しかし、光出力装置(LEDなど)のような指示/データ出力要素は、接続性関連要素が既に所望の空間を確保していることから生じる問題なしに、中央部分に配置されるか、少なくともデータ出力経路の一部として利用するように構成され得る。
【0081】
一言で言えば、本明細書で考察される多層構造体及びコネクタの様々な実施形態によって、外部デバイス、システム、及び構造体への好ましい接続は、例えば、IMSE原理に従って一般的に製造される、機能的、例えば、回路設計及び様々なエレクトロニクスを包含する多層構造体内に、便利に、信頼性良く、かつ良好な視覚的品質で、統合、固定、及び埋め込みされ得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、導電領域は、最初に、例えば、印刷エレクトロニクス技術によって、基板フィルム上に、その一方又は両方の側/面のいずれかに提供され得る。その後、コネクタは、フィルムの任意の単一又は両側に延在するように、任意選択的に、フィルム内のいくつかの事前調製された孔を通して部分的にそれを提供することによって、又はコネクタを圧着することを通してその場で孔を創出することによって、及び/又は一般的に、フィルムをコネクタ(の接触要素)によって穿通することによって、基板フィルムに提供され得る。追加的又は代替的に、基板の縁部の周りの接続は、基板の両側で相互に接続されたコネクタ部分を接続又は概して提供するために利用され得る。それにもかかわらず、コネクタは、それが有益であると思われる使用例において、少なくとも機能的に基板フィルムを通して提供されると言える。
【0083】
成形プラスチック層は、それを保護することに加えて、コネクタを基板に固定するために更に利用され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングなどのコネクタの一部でさえ、多層構造体と一体化するために射出成形中にインサートとして利用され得る事前製造されたコネクタハウジングなどの、事前調製されたコネクタ部分又は部品の使用に代えて、又は使用に加えて、基板フィルム上に成形されたプラスチックから完全に又は部分的に確立され得る。オーバーモールド材料からコネクタの少なくとも一部(例えば、ハウジングの少なくとも一部)を確立することを通して、設計の柔軟性の向上を、容易に入手可能な所定のコネクタ/ハウジング設計の選択とは対照的に得ることができ、そのうちのいくつかは、それらの材料又は構造的設計のために、成形プロセスにおけるインサートとしての使用に好適ではない場合もある。マルチショット成形を異なる成形材料とともに任意選択的に利用することにより、各ショット、すなわち各目的のために、可能な限り最良の成形パラメータ及び任意選択的に成形材料を選択することが可能になる。したがって、保護一般成形層/ショットは、例えば、ハウジングが更なる層/ショットによって提供される場合、コネクタハウジングの公差又は材料要件によって制限されない。しかしながら、第1のショット成形手順は、移動コアが省略され得るため、簡略化され得る。
【0084】
実施形態に応じて、カスタムメイドのコネクタ及び一般的に入手可能なコネクタ又はコネクタコンポーネント(例えば、挿入ハウジング及び/又は接点)の両方が、本発明と併せて利用され得る。コネクタは、例えば、フィルム上に提供された回路設計のプリント配線パッド又は他の導電領域への接続を行うための接触要素として複数のピンを備え得る。導体要素のピンなどの接触要素のばね力は、基板フィルム上の導電性接触領域を目標にして、物理的接触、したがってそれらの間の電気的接触を増強又は確保するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ピンなどの曲げ可能な接触要素は、例えば、関連するばね力によって基板上の導電領域との接触を強化するように適用され得る(曲げられ得る)。接触要素によって基板上の導電領域に及ぼされる力は、当業者によって理解されるような圧縮力を含み得る。
【0085】
一般に、コネクタは、好ましい金属(銀、銅、金など)、又は例えば導電性ポリマーなどの導電性材料を含むことが好ましく、多層構造体の1つ以上の基板、又は一般に層上の回路設計への電気接続、コネクタ要素の内部接続、外部デバイスのコネクタ又はそのための接続ケーブルなどの外部接続要素の適合する対応物への接続を確立するために使用される。
【0086】
様々な実施形態では、コネクタ内に提供される同じ接触要素は、多層構造体及び外部コネクタ/デバイスの回路設計の両方と電気的結合を実装するように便利に構成され得る。例えば、いくつかの細長い接触要素は、多層構造体の回路設計に対して一方の端部から又は一方の端部に近くに、及び外部接続要素に対して他方の端部から(中間導電要素なしに)直接結合され得るが、一方では、任意選択的に、少なくとも部分的に、例えばプラスチック、セラミック、ゴム又は他の材料のコネクタハウジング内に中心部分から封入されており、電気的に絶縁性の場合もある。いくつかの実施形態では、コネクタの少なくとも1つの接触要素は、接触要素をともに構成する潜在的に異なる導電性材料の複数の結合されたコンポーネント又は構成要素を組み込み得る。したがって、接触要素はモノリシック又は一体成型の要素であり得るが、必ずしもそうである必要はない。いくつかの実施形態では、複数の接触要素はまた、共通のコンポーネント要素を共有し得る。
【0087】
コネクタは、好ましくは、例えば、そのハウジング及び/又は接触要素などの含まれる電気導体内に、金属、プラスチック又はセラミック材料などの構造的に十分に耐久性のある材料を更に組み込むことにより、それに対する外部コネクタなどの外部要素の繰り返しの設置及び取り外しを許容するものとする。
【0088】
しかし、一般的に、コネクタ又は多層構造体は、本明細書で既に考察したように、(有刺)突出、ボス、陥凹及び/又はボスベースの組み合わせなどのいくつかのロック部材で補完され得る。例えば、1つ以上の孔又は他の領域は、成形中に成形プラスチックが流れる基板フィルム内に画定され得、そのような部材のうちの1つ以上を画定する。また、コネクタ部品などの事前調製された要素(例えば、ハウジング及び/又は接触要素)は、ロック部材を包含し得る。ロック部材の1つの潜在的な機能は、外部コネクタなどの外部接続要素を正しい位置、例えば一体型コネクタと嵌合した状態に保持し、例えば意図せずに緩んでしまうことを防止することであり得る。しかし、ロック部材を使用して、コネクタ部品をともに又は残りの構造体に固定し得る。
【0089】
様々な実施形態では、コネクタ又はそのコンポーネント/部分(例えば、ハウジング)は、封止型、例えば、防水又は防塵又は別様で環境的に密閉されたタイプであり得、したがって、一般に、選択された固体、流体、気体、液体などに関して所望のレベルの保護(例えば、所望のIP格付け、国際的な保護/侵入保護)を提供する。コネクタは、例えばコネクタの異なる部分間、残りの構造体(例えば基板フィルム)とコネクタとの間、又はコネクタと外部接続要素との間の接合部を密封するためのガスケットなどのシーリング部材を含み得る。
【0090】
推奨される多層構造体を外部構造体、システム、又はデバイス、及び/又はいわゆるホストデバイスに固定する際に、成形特徴、ねじ、又はリベットなどの更なる特徴が適用され得る。多層構造体は、例えば、孔、より具体的には、ねじのような選択されたねじ固定要素用に寸法決めされたねじ孔を画定し得る。
【0091】
オーバーモールドを適用する推奨される製造方法は比較的単純で、例えば、印刷及びインモールドエレクトロニクスとの関連で十分な接続性を作製するために、全く新しい、又は異なる製造技術を採用する必要がないことも利点であると考えられている。例えば、基板フィルムが依然として実質的に平面状である間に、導体、コネクタ、及び/又は任意選択的に更なるエレクトロニクスをその上に提供した後、フィルムを所望の3D形状に形成することにより、基板上のエレクトロニクスの潜在的に面倒でエラーが起こりやすい3Dアセンブリの必要性を低減又は排除し得る。明らかに、電子コンポーネント又はコネクタなどの要素の3Dアセンブリは依然として実行可能である。
【0092】
同様のコネクタはまた、電気接続が潜在的に不要であるが、例えば光接続及び/又は熱接続が望ましい他のシナリオでも使用され得る。代わりに、又は導電性材料、電気配線又は例えば印刷されたトレースに加えて、コネクタは、例えば光ファイバを含み得る。
【0093】
上記に指摘したように、得られた多層構造体は、車両又は具体的には車両(車載)エレクトロニクス、車両照明を含む照明デバイス、車両及び他の場所におけるユーザインターフェース、ダッシュボードエレクトロニクス、車内エンターテイメントデバイス及びシステム、車両内装又は外装パネル、インテリジェント衣服(例えば、シャツ、ジャケット、若しくはズボン、又は例えば圧縮衣服)、他のウェアラブルエレクトロニクス品(例えば、リストップデバイス、ヘッドウェア、又はフットウェア)、個人通信デバイス(例えば、スマートフォン、ファブレット、又はタブレット)、及び他のエレクトロニクスなどの、異なるホスト要素内の所望のデバイス又はモジュールを確立するために使用され得る。得られた構造体の統合レベルは、高く、その厚さは小さいなど、所望の寸法であり得る。
【0094】
使用されるフィルムは、その上に、グラフィックス、並びに他の視覚的及び/又は触覚的に検出可能な特徴を包含し得、そうすると、フィルムは、エレクトロニクスを収容及び保護することに加えて、美的及び/又は情報効果を有し得る。フィルムは、少なくとも所々で、半透明又は不透明であり得る。それらは、所望の色を呈するか、又は構造体の対応する部分に所望の色を呈する部分を含み得る。
【0095】
したがって、得られる多層構造体は、任意選択的にテキスト、写真、記号、パターンなどのグラフィックスを決定する1つ以上の有色/着色層を組み込み得る。これらの層は、例えば特定の色の専用フィルムによって実装され得るか、又は既存のフィルム、成形層、及び/若しくは他の表面上の(例えば、印刷による)とコーティングして提供され得る。多層構造体の外装フィルムは、関連ホスト製品又はホスト構造体の外側表面及び/又は内側表面の少なくとも一部分を確立するように構成され得る。
【0096】
パターン又は着色などの視覚的特徴は、内部層を介して、例えば、成形プラスチックに面する(基板)フィルムの側で、特徴が分離されたままとなるように、したがって、環境の脅威に対してフィルムが提供された側に応じて、少なくともフィルム及び任意選択的に成形層の厚さによって環境の影響から保護されるように、提供され得る。したがって、例えば、塗装、印刷、又は取り付けられた表面特徴部を容易に損傷させる可能性のある、異なる衝撃、摩擦、化学物質などが、特徴部に影響する、又は到達することがない。フィルムは、成形材料などの下層の特徴を露出させるための孔又は切り欠きなどの、必要な特性を有する所望の形状に、容易に製造又は加工、任意選択的に切断され得る。
【0097】
成形プラスチック材料は、コネクタ及び/又は様々なエレクトロニクスの固定を含む様々な目的のために最適化され得る。しかし、材料は、多層構造体に含まれるコネクタ、エレクトロニクス、及び/又は他の特徴を、例えば、湿気、熱、寒さ、汚れ、衝撃などの環境条件から保護するように構成され得る。
【0098】
成形材料は、例えば、光透過率及び/又は弾性を考慮して、所望の特性を更に有し得る。組み込み型エレクトロニクスが、光若しくは他の放射線放出又は受信コンポーネントを含む場合、材料は、少なくとも選択的に(例えば、特定の波長に関して)光/放射線の透過を可能にするように十分な光学透過性を有するように選択されている場合がある。
【0099】
本発明の様々な実施形態の更なる特性及びユーティリティは、詳細な説明で以下に考察される。
【0100】
「いくつかの」という表現は、本明細書では、1つ(1)から始まる任意の正の整数を指し得る。
【0101】
「複数の」という表現は、それぞれ、2つ(2)から始まる任意の正の整数を指し得る。
【0102】
「第1の」及び「第2の」という用語は、本明細書では、1つの要素を他の要素から区別するために使用され、別途明示的に記載されていない場合、それらを特別に優先付け又は順序付けしない。
【0103】
多層構造体、関連製造方法、又はそれらに含まれる特徴の「異なる」又は「様々な」実施形態が言及される場合、実施形態は、互いに相補的であるとみなされ、したがって、関係する解決策が、全体的な解決策のまったく同じ特徴を実装するために、互いに明らかに排他的であり、かつ本質的に、例えば代替的な解決策であることが別途明示的に記載されていない、又は当業者には明らかな場合、共通又は共同の実施形態によって実現され得る。
【0104】
本発明の異なる実施形態はまた、添付の従属請求項に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
次に、本発明を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0106】
図1】インモールドコネクタを組み込んだ、本発明による、多層構造体の一般的な実施形態を、断面側面図を介して図示する。
図2A】本発明による、多層構造体の実施形態の断面側面図を描写する。
図2B】本発明による、多層構造体の実施形態の更なる断面側面図を描写する。
図2C】本発明による、多層構造体の実施形態の更なる断面側面図を描写する。
図3】基板フィルム上の構造体及び回路設計への接続に関して、コネクタ、特にその接触部材の実施形態を図示する。
図4】例えば、図3のものと同様の接触要素を組み込んだ、本発明による多層構造体の実施形態の不等角投影図である。
図5A】その最終段階又は中間段階での多層構造体の実施形態を図示する。
図5B図5Aの実施形態など、本発明の実施形態と関連して利用され得るコネクタインサートを図示する。
図5C】プラスチック材料によってオーバーモールドされたときの、図5Bのインサートの側面図である。
図6A】本発明の様々な実施形態で使用するための回路設計及び接触要素を有する2つの基板フィルムを図示する。
図6B図6Aの回路設計のような、エレクトロニクスのいくつかの層をともに、かつ/又は外部デバイス、要素又はシステムに接続するために、本発明の多層構造体の実施形態において、いくつかの隣接又は積層された接触要素の列を提供する実施形態を図示する。
図7A】好ましくは、マルチショット成形の利用を通して製造される多層構造体の実施形態を図示する。
図7B】好ましくは、マルチショット成形の利用を通して製造される多層構造体の実施形態を図示する。
図8】本発明の実施形態による、方法の流れ図である。
図9】マルチパートコネクタを組み込んだ実施形態を図示する。
図10】接触要素と回路設計との間の圧縮性材料を利用する実施形態を図示する。
図11】圧縮性材料を活用する1つの他の実施形態を図示する。
図12】本発明による、多層構造体(又は関連する作業成果物)の更なる実施形態を図示する。
図13】断面側面図を介して、図2Aに既に描写されているものなど、本発明の特定の適用可能な実施形態を、不等角投影スケッチを介して図示する。
図14】断面側面図を介して、図2Aに既に描写されているものなど、本発明の特定の適用可能な実施形態を、不等角投影スケッチを介して図示する。
【発明を実施するための形態】
【0107】
図1は、本発明による多層構造体の一実施形態100を側(断面)図で示す。
【0108】
多層構造体100は、最終製品自体、例えば電子デバイスを確立し得るか、又は、例えば、集合部品若しくはモジュールとして、ホストデバイス、ホストシステム、若しくはホスト構造体120内に、配設されるか、若しくは少なくともそれに接続され得る。多層構造体100は、明確化のために図には明示的には示されていないいくつかの他の要素又は層を備え得る。アイテム130は、構造体100が機能的に、例えば電力及び/又はデータ信号の伝送の観点から、含まれるコネクタ110を介して接続される外部デバイス、システム、又は構造体を指す。いくつかの実施形態では、接続された外部エンティティ130は、ホストエンティティ120の少なくとも一部であり得る。
【0109】
構造体100は、典型的にはフィルム102の実際の材料厚さよりも実質的に大きな寸法(幅、長さ)を有する2つの対向する側面102A、102Bを有する少なくとも1つの、いわゆる第1の、基板フィルム102を包含し、厚さは例えば数ミリメートルだけ、若しくはかなり小さい(例えば数十分の1又は数百分の1mm)であり得る。フィルム102及び残りの周囲構造は、例示的な目的のために平面状として示されるが、本明細書で考察されるように、フィルム102は、所望の全体的及び/又は局所的な3D形状を呈するように形成されている場合がある。
【0110】
項目104は、フィルム102上に成形されたプラスチック層を指す。いくつかの実施形態では、図に示されるように、フィルム102の反対側102B上の構造体100内に、少なくとも1つの他の、補足的又は代替的な成形プラスチック層又は別様で確立された層105が存在し得る。別様で確立された層105は、例えば、保護、固定、他の機能的及び/又は美的目的を有し得る。いくつかの成形プラスチック層104、104B、105は、概して、いくつかの成形ショットによって、フィルム102の隣接する、潜在的に積層された、層として、かつ/又は異なる側面上に確立され得、例えば、フィルム102内に提供された開口部を利用して、フィルム102の両側は、複数のものの代わりに又はそれに加えて単一のショットを使用してオーバーモールドすることもできる。いくつかの実施形態では、他のプラスチック層105の少なくとも一部分は、このように、成形中に第1の層104のプラスチック材料がフィルム104の反対側に貫通して流れ込み、例えば、その中に薄くなった部分又は事前調製された孔(一般に基板フィルム102の単なる例示的な孔は、図中のアイテム116として示されており、本明細書の他でも考察するように、成形に限らず、連通又は固定などの様々な目的でフィルム102に1つ以上の孔が確立されている場合がある)、又はその逆でもあり得る。したがって、層105は、フィルム102上に固定又は保護特徴などの所望の機能的形態及び特徴を確立し得る。
【0111】
成形プラスチック層104の反対側には、更なる(基板)フィルム103が提供されている場合がある。第1のフィルム102と同じ又は異なる材料のこの任意選択的なフィルム103は、例えば、エレクトロニクス、グラフィックス、及び/又は有利と考えられる他の特徴を収容し得る。フィルム103は、例えば、印刷及び/又は装着された要素(トレース、コンポーネントなど)を備える回路設計を含み得るが、これらは明確化のために図1から省略されている。したがって、フィルム102、103、又はその上の回路設計若しくはコンポーネントなどの特徴は、例えば、本明細書の他で考察するように、ともに接続され得る。
【0112】
それにもかかわらず、第1のフィルム102は、好ましくは、いくつかの導電要素106を含む、一方又は両方の側面102A、102B、及びそれらのそれぞれの面上に回路設計を収容し、例えば、接触領域107(例えば、同様に一方又は両方の側面のパッド)及び配線/導電体トレースを画定し、必然的ではなく、潜在的に、本明細書で以前に考察したように、スクリーン印刷、タンポ印刷、フレキソ印刷、又はインクジェットなどの印刷電子技術によってその上に付加的に作製される。
【0113】
電子コンポーネント及び/又は他の機能/装飾コンポーネント又は要素109、例えば光学要素(導光体、反射体、拡散体、回折体、マスク、グラフィック要素など)、マイクロメカニカル、電気機械及び/又は熱管理要素などのいくつかの要素が、構造体100内に更に提供されている場合があり、好ましくはその一方又は両方の側面102A、102B及びそれぞれの表面のフィルム102上に、更に好ましくは回路設計の一部を形成する。例えば、いくつかの導電性ビア(例えば、導電性要素/材料で充填される孔)又は他の要素106Bは、例えば、回路若しくは異なる材料層の他の特徴をともに、又は外部要素に接続するために、基板フィルム102、103、及び/若しくは他の層を通して、例えば、成形層104、105を通して配置されている場合がある。
【0114】
回路設計及び関連コンポーネント又は要素109は、複数の接触要素などの他の導電性要素を少なくとも動作的に、例えば電気的にともに接続して、それらを介した高電流フローを可能にするように構成された、ブリッジ、回路及び/又は他のデバイスを任意選択的に含むいくつかの(内部)接続コンポーネントを更に備え得る。接続コンポーネントは、導電性要素106に(直接)結合され得、例えば、それらの上に、又はそれらに隣接して位置決めされ得る。
【0115】
印刷された実装に加えて又はその代わりに、本明細書で考察される様々な要素及びコンポーネント109は、配設可能、例えば、装着可能である、1つ以上の既製コンポーネントを含み得る。これらのコンポーネントは、例えば、構造体100の基板フィルム102、103上に装着され得る。(装着可能な)コンポーネントは、特に、本質的に電子コンポーネントであり得るが、他の選択肢の中でも、光学コンポーネント、マイクロメカニカルコンポーネント、電気機械コンポーネント、又は熱管理コンポーネント(絶縁性、導電性、例えば、ヒートシンクなど)であり得る、いわゆる表面実装コンポーネント又は表面実装デバイス(SMD)を含み得る。例えば、接着剤又は機械的ロック部材は、基板上にそれらを機械的に固定するために利用され得る。
【0116】
導電性接着剤及び/又ははんだなどの追加の導電性材料は、導電性領域106などの選択された特徴とコンポーネント109との間の電気的及び潜在的にも機械的接続を確立又は強化するために適用され得る。より一般的な用語では、導電性接着剤又は非導電性接着剤は、本発明の様々な実施形態において、コネクタ、それらのコンポーネント、及び/又は電子コンポーネント、光電子コンポーネント、マイクロメカニカルコンポーネント、又は熱管理コンポーネントなどの他の要素などの特徴を基板、具体的には、例えば基板上の回路設計に固定するために利用され得る。
【0117】
上記を考慮すると、コンポーネント109は、多くの実施形態において、受動コンポーネント、能動コンポーネント、光電子(又は光電気)コンポーネント、電気機械コンポーネント、IC(集積回路)、スクリーン印刷などの印刷コンポーネント、コンポーネント及び/又は電子サブアセンブリなどの電子コンポーネントを含み得る。例えば、1つ以上のコンポーネント109は、最初に、別個の基板、例えばFPC(フレキシブルプリント回路)又は例えば剛性、例えばFR4タイプ(難燃剤)のような回路基板上に提供され、その後、全体として(すなわちサブアセンブリとして)標的基板102に取り付けられている場合がある。
【0118】
一般に、多層構造体100は、例えば、電子コンポーネント、電気機械コンポーネント、電気光学コンポーネント、放射線放出コンポーネント、発光コンポーネント、LED(発光ダイオード)、OLED(有機LED)、サイドシューティングLED又は他の光源、トップシューティングLED又は他の光源、ボトムシューティングLED又は他の光源、放射線検出コンポーネント、光検出又は感光コンポーネント、フォトダイオード、光トランジスタ、太陽電池デバイス、センサ、マイクロメカニカルコンポーネント、スイッチ、タッチスイッチ、タッチパネル、近接スイッチ、タッチセンサ、大気センサ、温度センサ、圧力センサ、水分センサ、ガスセンサ、近接センサ、静電容量スイッチ、静電容量センサ、予測静電容量センサ又はスイッチ、単一電極静電容量スイッチ又はセンサ、静電容量ボタン、多電極静電容量スイッチ又はセンサ、自己静電容量センサ、相互静電容量センサ、誘導センサ、センサ電極、マイクロメカニカルコンポーネント、UI要素、ユーザ入力要素、振動要素、音響生成要素、通信要素、送信機、受信機、トランシーバ、アンテナ、赤外線(IR)受信機又は送信機、無線通信要素、無線タグ、無線タグ、タグリーダ、データ処理要素、データストレージ要素、電子サブアセンブリ、光指向要素、ライトガイド、レンズ及び反射器からなる群から選択される、例えば、少なくとも1つの特徴(コンポーネント、要素)を備えるか、又は実装し得る。
【0119】
アイテム110は、好ましくは、基板フィルム102の縁部102E(周辺部)に提供された少なくとも電気コネクタを指す。「縁部」は、本明細書において、基板フィルムの直近の縁部、又は少なくともフィルム102の縁部隣接表面積若しくは体積の、例えば、約10%、20%、30%、若しくは40%、又はそれ以下にわたるより大きい周辺領域を指す。いくつかの実施形態では、コネクタ110は、縁部102Eに提供される例えばモノリシック又は複合構造のハウジング、又は「本体部材」110Bを含有し得る。したがって、ハウジング110Bは、完全に(その全体において)又は少なくとも部分的に、縁部領域上に存在し得る。そのハウジング/本体部材110Bなどのコネクタ110は、例えば、本明細書で企図されるように、選択されたプラスチック(例えばポリカーボネート、ポリイミド)、ゴム状又はセラミック材料などの電気的に実質的に絶縁性の材料を含み得る。構造体100に含まれるコネクタ110は、採用された例えばピンヘッダ又はカード縁部接続タイプの配置を参照して、特定の専用、例えばインサート又は直接的なその場での成形ベースの、ハウジング110Bを必ずしも包含する必要はないことは、含まれる必要な接触要素118は成形プラスチック層104、105によって依然として保護されて潜在的に固定され得、それらの118設置もハウジング110Bを必要としないため、当業者によってなお理解されるであろう。
【0120】
電気的接続性を提供するという点で、コネクタ110は、実際、好ましくは、ピン又は他の特徴などのいくつかの導電性接触要素118を備える。接触要素118は、任意選択的に、少なくとも要素112に関して所望のレベルの外部接続性を可能にする程度に、可能なハウジング110Bから、又はそれによって画定されるレセプタクルの底部から突出し得る。コネクタ110の接触要素118は、例えば、図1に示されているように、基板フィルム102の縁部を越えて、横方向に(本質的に、例えば、基板フィルム102の表面方向又は主配向方向に沿って、又は平行に)延在し得る。
【0121】
代替的に、1つ以上の接触要素118は、含まれる曲げ又はそれ以外の方法によって、その縁部で基板フィルム102から離れてより横方向に、任意選択的に表面法線に平行に延在するように構成されている場合がある(例えば図2A及び図2Bの実施形態も参照されたい)。
【0122】
接触要素118は、好ましくは、例えば適合する接触要素119(例えば、ピン又はピンレセプタクル)を備えた別のコネクタ112などの外部接続要素を、多層構造100の回路設計(典型的には、その選択された導電領域106)と電気的に(ガルバニックに)結合するように構成(材料、寸法/形状、位置決め及び配列など)及び利用される。外部接続要素112は、例えば、多層構造体100の内部と、それに関連付けられた外部又はホストデバイス130との間のケーブル113を通して電気的接続を提供し得る。
【0123】
様々な好ましい実施形態では、接触要素118は、必ずしも、基板フィルム102、103内又は基板フィルム102、103に穿通又は貫通する必要はない(例えば、圧着接触要素118が利用されない限り)。しかしながら、コネクタ110は、いくつかの実施形態では(特に図1には示されていない)、ハウジング110B及び/又は接触要素118などのコネクタ110の少なくともいくつかの要素に関して、フィルム102の両側面102A、102Bに延在するように基板フィルム102に対して提供され得るか、又は組み立てられ得る。これは、例えば、基板フィルム102への固定を容易若しくは又は強化するため、かつ/又は、回路設計106及びその上の接触領域107との電気的接触を強化するためのものであり得る。そのようなシナリオでは、コネクタ110の一部分は、基板フィルム102の周りに、かつ/又は基板フィルム102を通って方向付けられている場合がある。これを達成するために、湾曲した又は角のある(例えば、屈曲した)など、好適に寸法決めされ、整形された接触要素118及び/又は事前調製された(例えば、ドリル、切断、エッチング、若しくは成形によって)、又は動的に創出された(例えば、コネクタ110の穿通/圧着時に)孔116を利用している場合がある。例えば、少なくとも1つ以上の接触要素118又はそれらの部分は、例えば、回路設計及び/又は外部接続要素112と基板フィルム102の周囲で、かつ/又は基板フィルム102を通る電気的結合を可能にするために、初期設置側面102A、102Bから基板フィルム102の反対側102B、102Aに搬送されている場合がある。
【0124】
様々な実施形態では、基板フィルム102内に配置された1つ以上の貫通又は非貫通(ブラインド)孔116が実際に存在し得、例えば、基板フィルム102上の回路設計と接触するための任意又は各接触要素118の端部などの部分は、例えば圧着コネクタ、又は具体的にはその接触要素及び関連する圧着スパイクを参照して、フィルム102内のブラインド又は貫通孔に関連付けられ得る。
【0125】
しかしながら、コネクタ110要素のハウジング110Bは、例えば、図1に概略説明されたシナリオを参照すると、フィルム102のいずれかの側面102A、102B上に実質的に完全に位置し得る。他の実施形態では、また、ハウジング110B自体は、フィルム102(の縁部)を通して、かつ/又はフィルム102の周囲に部分的に配置されている場合がある。
【0126】
ここで慎重に検討したように、コネクタ110及び/又は外部接続要素112の(少なくとも一部分を)追加的に固定するために、基板102のいずれか又は両方の側面102A、102B上に1つ以上のロック部材(要素)が追加的に提供されている場合がある。
【0127】
上記に基づき、コネクタ110、又はその異なる要素は、したがって、ハウジング110B及び接触要素118などのコネクタ110のその様々な内部特徴の構成体及び寸法、並びにその上に成形されたプラスチック104、105、ロック部材、及び/又は例えば非導電性接着剤、導電性接着剤、ペーストなどの追加の固定特徴の使用に関して、様々な手段を使用して基板フィルム102に固定されている場合がある。
【0128】
例えば、基板フィルム102内に少なくとも1つの孔116を組み込むいくつかの実施形態では、少なくとも孔116及び潜在的な他の周囲の特徴を拡大せずに、ハウジング110B及び/又は接触要素118は、コネクタ110と孔116の縁部との間に過度の又は実質的な弛みがないように、かつ/又はコネクタ110を少なくとも完全にフィルム102を通っていずれかの方向又は両方の方向に提供することができないように、初期に、又はフィルム102を通してコネクタ110の例えば一部分を配置した後に、寸法決め及び/又は整形されている場合がある。いくつかの実施形態では、成形プラスチック104、105は、孔116を封止するために使用され得る。いくつかの実施形態では、コネクタ110、又は具体的には、そのハウジング110Bは、フランジ又は一般的には、それが孔116を通して完全に嵌合することを防止する隆起部分などの特徴を含み得る。
【0129】
様々な実施形態では、コネクタ110、又は例えば、具体的には、その前述のハウジング110Bは、実質的に剛性又は硬性にされ得る。次いで、それは、例えば、外部コネクタ112のそれへの物理的な装着と取り外しの繰り返しに、それぞれ、より良好に耐え得る。装着及び取り外しは、単純な押す及び引くタイプの動作を指し得るか、又は以下で考察されるように、例えば追加のロック部材の使用を手順が伴う場合は、より複雑な動作が必要になり得る。コネクタ110の剛性又は一般的な耐久性は、好適な材料、及び材料厚さなどの関連する寸法によって得られ得る。コネクタ110は、剛性部分に加えて、又は剛性部分の代わりに、例えば接触要素118又はそのハウジング110B内の弾性で、可撓性及び/又はばね状の部分を含み得る。
【0130】
しかし、多層構造体100又は具体的にはそのコネクタ110は、外部コネクタ112を固定するための1つ以上の機械的ロック部材(明確さのために図1には示されない)を包含し得る。そのような部材は、例えば、成形プラスチックから確立され得る。
【0131】
様々な実施形態では、成形層104、105は、好ましくは、回路設計の、及びコネクタ118の、それらの相互接続などの少なくとも一部分を埋め込む。
【0132】
いくつかの実施形態では、外部コネクタ112の嵌合に続いて、例えば接続領域を含む結果として生じる集合構造体100、112の所望の部分は、他の潜在的な目的の中でも、接続及び関連要素を更に保護及び/又は固定するために、追加の材料が提供され得る。例えば、好適なプラスチック又は他の材料の低圧成形又は樹脂の分注(エポキシの提供)が、その目的のために利用され得る。
【0133】
フィルム102、103は、各使用シナリオによって設定された要件に従って整形されている場合がある。したがって、熱成形などの形成は、フィルム102、103に少なくとも局所的に、例えば、湾曲、ポケット、又は突出形状などの所望の3D形状を提供するために、その上に導電領域、コネクタ及び/又は回路設計のコンポーネントなどの、少なくともいくつかの特徴を提供した後に任意選択的にフィルム102、103に適用されている場合がある。
【0134】
図1の概略図を参照して説明した特徴は、特に明記しない限り、又は、例えば明らかに互いに排他的な特徴を参照して当業者に明らかでない限り、以下に更に詳細に説明する解決策を含む、本発明のコネクタ要素及び多層構造全般の様々な実施形態に関連して自由に、かつ選択的に適用可能である。しかし、以下に記載される実施形態の様々な特徴は、当業者によって容易に理解されるように、同様に自由に、選択的に相互に組み合わせ可能である。
【0135】
図2Aは、200で、断面側面概略図を介して、本発明の多層構造体の実施形態(又は実施形態の一部分)を描写する。
【0136】
本発明全般(概要)及び図1に関する上記の考察は、一般に、図2Aのシナリオにも適用される。コネクタ110は、基板フィルム102の縁部102Eにおいて屈曲した構成内で配置された1つ以上の接触要素118を備える。しかし、接触要素118は、本質的に、基板フィルム102の少なくとも1つの側の縁部102Eの近くに構成されている。そこで、接触要素118は、本発明の基本原理(回路設計及び明確化のために図2Aに示されていない関連する接触領域107)による、導電性材料の付加的に作製された(例えば、印刷された)平面状要素などの、基礎となる回路設計の接触領域107に更に接続し得る。接触要素118は、導電性インク又は回路設計の他の導電性材料とガルバニック接触し得る。
【0137】
例として図示されるように、接触要素118は、実際には、屈曲した部分を有するように構成されている。具体的には、接触要素118は、縁部102Eの周りで曲がり、反対側(示される配向の底部側)から環境に向かって基板フィルム102から離れて突出するように構成されている。そこでは、接触要素118の露出した端部は、外部接続要素112に、特に、例えばソケット又は他のレセプタクルを参照して、その寸法的に適合性のある、又はその「一致する」導電要素にガルバニックに接続され得る。構造体200は、接触要素118が反対側に延在する成形プラスチック層105などの少なくとも1つの更なる材料層を含み得る。更なる基板フィルムもまた、含まれ得る。図13及び図14は、不等角投影略図1300及び1400を介して、それぞれ、追加の成形層105の有無にかかわらず、図2Aのものに類似したシナリオを更に示す。
【0138】
コネクタ110は、ハウジング110Bなどの1つ以上の更なる要素を再び含み得る。接触要素118は、例えば、非導電性又は導電性接着剤などの接着剤を利用して、基板フィルム102に固定されている場合がある。代替的又は追加的に、接触要素118は、接触要素118、又はコネクタ110全般が圧着タイプである場合、圧着スパイク又は同様の突出部、延在部、又は概して特徴などの固定又はロック部材を含み得る。スパイク/特徴は、フィルム102及び/又はその上の回路設計/接触領域などの要素に貫通し、潜在的にそれを通過し得る。したがって、スパイクは、一般にフィルム102及び多層構造体全般に対する接触要素118の機械的固定を強化することに加えて、フィルム102上の回路設計に対する接触要素118の電気接触を(スパイクを介して、及び/又はスパイクから延在する接触要素118の対向側を介して)強化又は確保し得る。スパイク又は他の特徴を通して、フィルム102の一方の側に本質的に提供された接触要素118は、フィルム102の対向する側、例えば、その上の回路設計に接続し得る。
【0139】
コネクタ110は、本明細書でも企図されているように、フィルム102上にオーバーモールドされたプラスチックから少なくとも部分的に製造された事前製造された要素であるハウジングを含み得る。
【0140】
図2Bの実施形態240では、接触要素118は依然として屈曲又は角度付けされた部分を有し、したがって、接触要素118の遠位端がフィルム102から離れて横方向に延在する間、基板フィルム102及び例えばその上の回路設計(接触領域107)への横方向の結合を可能にする。
【0141】
図2Aのシナリオとは対照的に、ここで、接触要素118は、本質的に、側面102A、102Bから別の側面へ、フィルム102の周りに、又は少なくともフィルム102を通して、より大きい程度まで方向付けられるのではなく、フィルム102の同じ、単一の側面(「出口」側、すなわち図では下側)に位置決めされ、(いくつかの実施形態ではフィルム102の反対側、「上」側に延在し得る、例えば、圧着スパイクの可能な存在にも関わらず)残る。
【0142】
図2Cは、280において、更なる実施形態を示し、前の2つの実施形態とは対照的に、基板フィルム102自体は、接触要素118を有するコネクタも実質的に位置するその端部において屈曲した(湾曲した)部分を含む。したがって、基板フィルム102は、残りの構造体から選択された方向に延在するリップ、フランジ、又は同様の突出部を画定し得る。関係する延在部の配向及び寸法は、各使用シナリオの必要性(例えば、外部接続要素、ホストデバイス又はホスト構造体の形状及びサイズなど)に応じて、当然ながら図示のものとは異なり得る。それにもかかわらず、得られるフィルム102の3D形状は、例えば、熱成形によるフィルムの3D形成(整形)を通して少なくとも部分的に得られている場合がある。代替的に、フィルム102は、他の選択肢のうち、成形を通した曲げを含む意図された3D形状に、使用される原材料から直接製造されている場合がある。
【0143】
破線で示すように、この実施形態においても、図2A及び図2Bの実施形態を含む他の実施形態においても、基板フィルム102の縁部は、多層構造体全体の縁部、及び例えば成形層104、105の縁部に実質的に対応しない場合があり、すなわち、基板フィルム102の縁部及び接触要素118を有する関連コネクタが、そのより中央の部分で残りの構造体から離れて突出するように、残りの構造体が、フィルム102又はフィルム102の縁部を越えて選択方向に(図2Cのシナリオでは層105によって横方向に)延在し得る。
【0144】
図3は、300において、構造体、及び基板フィルム102、103上の導電性要素106を含む回路設計への接続の両方の点で、コネクタ110、特に接触部材118の実施形態を示す。オーバーモールドプラスチック層104、105、任意選択的なコネクタハウジング110B、及び多層構造全体の潜在的な他の要素は、明確化のために図には例示されていない。
【0145】
この実施形態及び他の様々な実施形態では、多層構造体で提供される回路設計は、概して、例えば材料及び/又は寸法の点でトレースなどの他の回路要素に対して特に更なる差異がなく、回路全体、例えばトレースの単なる選択部分であり得る接触領域107を含み、又は接触領域107は、例えば回路設計の1つ以上の他の領域とは異なる1つ以上の材料又は材料の組み合わせを包含し得る。例えば、接触領域107の材料は、特に導電性であり得、及び/又は関係する導電性材料のいずれかは、例えば、設計106の他の場所の導電性トレース又は特徴とは対照的に、接着タイプであり得る。
【0146】
図示される接触要素118は、基板フィルム102から横方向に延在する、明らかに細長い、例えば、ピン、ロッド、スパイク又は針状の要素である。いくつかの実施形態では、例えば、ピンコネクタ又は少なくとも関連するピンは、本発明のコネクタ110及び全体的な多層構造体を構築する際に利用され得る。接触要素118は、(スパイクを有する)圧着型又は(例えば、接着剤を使用して固定される)非圧着型であり得る。
【0147】
図4は、400において、例えば、図3に示されるものと同様のコネクタ及び/又は接触要素を組み込んだ、本発明による多層構造体の実施形態の不等角投影図を示す。
【0148】
プラスチック層104は、少なくとも接触領域107と接触要素118との間の接続点(接合部の領域又は部位)が覆われ、それによって保護され、また追加的に固定されるように、基板フィルム102上で成形することによって、ここで作製されている。しかし、トレース(配線)などの例えば導電性要素106、及び例えば関連する電子コンポーネント109を備える回路設計の少なくとも一部は、プラスチックに少なくとも部分的に埋め込まれる。接触要素118の端部は、構造体300の外部からアクセス可能なままであり、すなわち、外部接続要素112との接続のために、構造体から、又は少なくとも成形プラスチック104から突出する。
【0149】
図5Aは、500において、多層構造体の実施形態を示す。示される場合、コネクタ110は、本発明の原理に従って、基板フィルム102の縁部にある。例えば、レセプタクルを画定するコネクタハウジング110Bは、コネクタ110に含まれ、本明細書で考察するように、事前調製された要素から、かつ/又はフィルム102上の現場での成形を通して確立され得る。
【0150】
図5Bは、540において、図5Aの実施形態などの、本発明の実施形態と関連して、コネクタハウジング110Bの少なくとも一部を提供するために利用され得るコネクタインサート(基板フィルム102の射出成形又は概してオーバーモールド手順におけるインサートとして利用される事前製造片)の実施形態を示す。事前製造された(例えば、事前成形された)インサートによって提供されるほぼ同様の形状は、代替的に、フィルム102上にプラスチック材料を成形して、ハウジング110Bの少なくとも一部分をその場(選択された(プラスチック)ソース材料からフィルム102上)に確立することによって得ることができる。インサートは、例えば、本明細書で以前に考察したように、接着剤又は本質的に機械的なロック部材によってフィルム102に固定され得る。
【0151】
図5Cは、580において、プラスチック材料によってオーバーモールドされたときの、図5Bのコネクタハウジングのインサートタイプの実施形態の側面図を示す。成形プラスチック層104は、ハウジング110B、並びに接触要素118と基板フィルム102上の回路設計との間の接続点を少なくとも部分的に覆い、埋め込む。しかしながら、層104は、依然として、少なくとも(フィルム102から最も離れている)接触要素118の端部、例えば、プラグタイプのコネクタなどの一致する(適合性のある)外部接続要素と結合するために露出した、ハウジング110Bによって画定される潜在的なレセプタクル形状を含む必要な部分を残すことが好ましい。
【0152】
図6Aは、600において、導電性要素106(相互に多かれ少なかれ類似であり得る)、及び本発明の様々な実施形態で使用するためにフィルムに割り当てられたそれぞれの接触要素118A、118Bを備える回路設計が提供された2つの基板フィルム102、103の両方を示す。可視化されたシナリオでは、各フィルム102、103は、互いに同じ又は類似した数の互いに類似した接触要素118、118A、118Bをそこに備えているが、他の実施形態では、多層構造体の各フィルム102、103に提供される接触要素118のタイプ及び/又は数は互いに異なり得る。フィルム102、103、関連する回路設計、及び/又は関連する接触要素118A、118Bは、重ね合わせ又は重畳など、選択された積層又は重なる方法で整列され得る。
【0153】
したがって、図6Bは、640において、多層構造体に含まれる図6Aの回路設計のような、エレクトロニクスのいくつかの層をともに及び/又は外部のデバイス、要素又はシステムに接続するための、本発明の多層構造体の実施形態における金属ピン又は端子のような、いくつかの隣接又は積層接触要素又は本質的に接触要素の列の提供を示している。その結果、例えばフィルム間、回路設計間の接続が確立され得る。
【0154】
含まれる接触要素118のうちの少なくともいくつか、又は端部などのそれらの部分に関して相互に整列された、例えば本質的に平行な、行コネクタなどの複数のコネクタ110は、したがって、共通の多層構造体において作製され得る。しかし、図示された多層構造体の端部付近で破線により強調されている、異なる層(118A、118B)からの接触要素118を空間的にこうして1つにするか、又は少なくとも露出させる、多行コネクタ(図示の場合、本質的に二行コネクタ)のような共通又は接合コネクタ110が構築され得る。それは、例えば、本明細書で以前に考察したような、挿入タイプ及び/又は現場で準備されるタイプのハウジング110Bを包含し得る。相互に類似した又は異なる材料(順番にハウジング110Bを準備するために使用される同じ材料又は異なる材料であり得る)のいくつかの成形プラスチック層104、104B、105が、下部の基板フィルム102、103上に、好ましくは少なくともフィルム102、103間に、かつ任意選択的にその反対側の、外部(構造体の視点)側のいずれかに提供されている。
【0155】
図に概略説明されているように、いわゆるジャンパのような、任意選択的に取り外し可能で例えば再使用可能な外部接続要素642は、構造体の製造中又はその後、例えばその後の使用中に、コネクタ110に構成され得、接触要素118の2つ以上、例えば構造体中に存在する異なるフィルム102、10又は他の層からの少なくとも1つの接触要素108A、108Bをともに電気的に接続し、かつ任意選択的に本質的に短絡させる。接続要素642によって、構造体の複数のフィルム102、103上の回路設計は、電気的に接続され得る。
【0156】
図7A及び図7Bは、それぞれ、700及び740において、好ましくは、マルチショット成形の利用を通して製造される多層構造体の実施形態を示す。基板フィルム102上には、回路設計、並びに関連する接続点を介して回路設計に接続するいくつかの接触要素118が提供されている。接続点を含むフィルム102は、少なくとも1つの成形ショットを使用して、プラスチック層104によってオーバーモールドされている。しかし、任意選択的に異なる材料の少なくとも1つの更なるショットが適用されて、少なくとも1つの更なるカバープラスチック層104B及び/又はコネクタハウジング110Bの少なくとも一部分を作製している。それでも、他の好ましい実施形態と同様に、接触要素118は外部からアクセス可能なままである。
【0157】
図9は、900において、マルチパートコネクタを組み込む実施形態を示す。コネクタ900は、例えば、最初に提供され、好ましくは基板フィルム102、又はその上の成形プラスチック層などの要素若しくは層に固定されたいくつかの接触要素118を含む部分を含み得る。好ましくは、部分は、少なくとも接触要素118と回路設計のそれぞれの接触領域との間の接続点を考慮して、プラスチックによってオーバーモールドされている。
【0158】
コネクタの更なる部分944は、事前製造片又はより小さなコンポーネントの集合ピース(例えば、接触要素又はそれらの部分などのいくつかの導電性要素を収容する収容部)として加工されている場合があり、次いで、コネクタの任意の部分内及び/又は他の場所の構造体内に提供された接着剤、オーバーモールドプラスチック、及び/又はロック部材942(例えば、成形プラスチックから潜在的に提供された有刺突出部などの任意選択的な弾性突出部)、942B(陥凹、ベベル、又は縁部などの互換性のある、一致する特徴又は形状)によって、フィルム102上の既存の部分と接触され、固定されている場合がある。いくつかの実施形態では、後続の接続された取り付け可能部分944は、取り外し可能に取り付け可能であり、任意選択的に多層構造体において取り外し可能に取り付けられたままでもあり得(図中のこの選択肢を示す二方向矢印を参照)、一方、いくつかの実施形態では、例えば固定用の接着剤又はオーバーモールド、若しくはより永久的に連動するロック部材を使用してより永久的に取り付け可能である。取り外し可能性は、例えば、外部接続要素の性質に基づいて構造体の接続性を動的に更新すること、又は損傷部品を交換することなど、他の潜在的な利点を促進し得る。
【0159】
しかし、少なくとも1つの封止部材940、任意選択的に例えばエラストマーのようなゴム状及び/又は圧縮性材料のガスケットが、例えば、基板フィルム102Eの領域上又は少なくとも1つの成形層上、又は具体的にはコネクタ自体の一部分上に提供されている場合がある。
【0160】
コネクタの一部分をともに封止するために1つ以上の封止部材940を利用する代わりに、又はそれに加えて、コネクタ又はその部分、例えば基板フィルム102上及び/又は成形プラスチック層上に、少なくとも1つのシーリング部材は、設置時に外部接続部材に接触するように構成され得る。そのような状況の例はまた、アイテム944が代替的に外部接続要素(コネクタ)を表すと考えられ、ロック部材942が、接触要素118を含む多層構造体のコネクタへのその取り付けを、任意選択的に取り外し可能に(例えば、ロック部材942によって導入される弾性力又はばね力を上回ることによって)固定する場合、図9に示すシナリオに基づいても考慮することができる。
【0161】
好ましくは、封止部材940は、接続された要素間の密閉ではない場合、少なくとも所望のレベルの防塵を提供する。
【0162】
図10及び図11は、1000及び1100において、接触要素118と、コネクタ110の接触要素118のための接触領域107も画定する導電性要素106を備える回路設計との間の圧縮性材料1002、1102を利用するそれぞれの2つの実施形態を示す。
【0163】
描写されるシナリオでは、接触要素は圧着タイプである。圧着スパイク又は類似の突出が、例えば、射出成形などのオーバーモールド中に本発明の状況において生じ得る、例えば熱及び圧力の観点から様々な条件にさらされるとき、それらは破損又は脱離しやすい場合があり、その場合、それらと接触領域107又は基板フィルム102全般との間に構成される圧縮性材料を有することは、確立された電気接触及び関連する要素を保存する観点から有益であると考えられる。当然ながら、異なるタイプの接触要素118に関連して、圧縮性材料1002、1102の提供も好ましい場合がある。
【0164】
図10では、圧縮性材料1002、1102のインスタンスは、接触部118と接触領域107との間の接続点において、より局所的な点又は堆積物として構成されているが、図11では、それらは、より大きな面積にわたって接触要素118に平行に延在する、より大きなスリップ又はシート状の要素又は層である。圧縮性材料1002、1102は、接続点に既製要素を設置するか、又は好適なコーティング、堆積、散布、又は他の方法を使用して、ソース材料からインスタンスを直接作製することによって提供され得る。
【0165】
好ましくは、圧縮性材料1002、1102は、導電性、例えば、導電性ゴム(又は概ねエラストマー)、ゴム又は他の好適な複合材料である。しかし、それは、貫通可能であり得、最終的に、それらの設置時に圧着スパイクなどの接触要素118によって貫通され得る。
【0166】
図12は、1200において、本発明による多層構造体(又は関連する作業成果物)の更なる実施形態を示す。例えば、図10及び図11に描写されるコネクタ構造体、及び明らかに他の多くのコネクタ構造体は、本明細書の他で考察されるように、1つ以上のプラスチック層104、104Bによってそれらを選択的にオーバーモールドすることによって、示される種類の多層構造体に含まれ得る。例示される例では、少なくとも最上部の成形層104、104Bは、構造体のコネクタ端部においてのみ提供され、したがって、空間的に制限される。例えば、基板フィルム102のより大きな領域及び/又は他の領域を覆う構造体内に、依然として1つ以上の成形層(この選択肢を強調する基板フィルム102に関連して、カッコ内に位置するアイテム104)が存在し得る。したがって、多層構造体1200は、全体的な厚さを徐々に又はより段階的に変化させることを有し得る。図12のシナリオでは、コネクタ端部又は領域は、隣接領域よりも厚い。
【0167】
図8は、本発明による方法の一実施形態の流れ図を800に含む。
【0168】
多層構造体を製造する方法の開始時に、始動段階802が実行され得る。始動中、材料、コンポーネント及びツールの選択、取得、較正などの必要なタスクと、他の構成タスクとが行われ得る。個々の要素及び材料の選択が、一緒に機能し、選択された製造及び設置プロセスを乗り切るように特別な注意が必要であり、該プロセスは、当然ながら、製造プロセス仕様及びコンポーネントデータシートに基づいて、又は例えば、作製されたプロトタイプを調査及び試験することによって、事前にチェックされるのが好ましい。したがって、なかでも、成形/IMD(金型内装飾)、積層、接合、(熱)形成、エレクトロニクスアセンブリ、切断、ドリル、及び/又は印刷装置などの使用される装置は、この段階において動作状態まで整えられ得る。
【0169】
804において、エレクトロニクスを収容するための、プラスチック又は他の材料の、少なくとも1つの、任意選択的に可撓性の、基板フィルムが得られる。基板フィルムは、最初は、実質的に平面状であり得るか、又は、例えば、湾曲され得る。既製要素、例えばロール状又はシート状プラスチックフィルムは、基板材料として使用するために取得され得る。いくつかの実施形態では、基板フィルム自体は、まず、選択された出発材料から成形又は他の方法によって社内で製造され得る。任意選択的に、基板フィルムは、この段階で更に処理され得る。それには、例えば、孔、切り欠き、陥凹、切断部などが提供され得る。
【0170】
806において、回路設計を構築するための、例えば導体ライン(トレース)及び/又は接触領域を画定するいくつかの導電要素が、好ましくはプリント電子技術の1つ以上の付加技術によって、そのいずれか又は両側の基板フィルム上に提供される。例えば、スクリーン、インクジェット、フレキソ、グラビア、又はオフセットリソグラフ印刷を利用し得る。場合によっては、サブトラクティブプロセス又はセミアディティブプロセスもまた、利用され得る。更に、例えば、その上に視覚的インジケータ、光学要素などのグラフィックスを印刷すること又は概して提供することを伴う、フィルムに施す更なる動作が、ここで行われ得る。
【0171】
808(任意選択的)において、様々なSMDなどの電子コンポーネントを含む、1つ以上の典型的な既製コンポーネントが、フィルム上の接触エリアに、例えば、はんだ及び/又は接着剤によって、取り付けられ得る。代替的又は追加的に、例えば、印刷エレクトロニクス技術を適用して、OLEDなどのコンポーネントの少なくとも一部をフィルム上に直接、実際に製造し得る。したがって、アイテム1806、1808の実行は、当業者によって理解されるように、時間的に重なり得る。
【0172】
アイテム810は、少なくとも1つのコネクタの少なくとも一部分を基板の縁部に配置することを指す。コネクタ、及び/又はハウジング及び/又は接触要素などのそのコンポーネントは、標準的なピックアンドプレース方法/装置(該当する場合)など、任意の実現可能な位置決め又は設置技術を利用して基板に提供することができる。(例えば、接着剤又は他の接合物質を使用する)適用可能な接合、接着、及び/又は例えばロック部材の使用を伴う更なる固定技術を追加的に利用することができる。例えば、1つ以上の接触要素は、基材に圧着され得る。本明細書で以前に考察したように、いくつかの実施形態では、例えばコネクタハウジングの少なくとも一部分は、好ましくは、基板上に成形されたプラスチックからその場で製造することができ、これは、アイテム814を参照してより詳細に考察される。
【0173】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの封止部材は、例えばこの段階において、それ以前又はそれ以降でなければ、既製の要素(例えば、ゴム状のリング若しくはガスケット)として提供され得、これは、ホスト表面(基板、コネクタ、成形プラスチック層など)に機械的又は化学的に(例えば、接着剤によって)追加的に固定され得るか、又は、例えば、スプレー、印刷(例えば、ジェット)若しくは堆積などの好適な生産技術を利用して原材料から材料層として直接作製され得る。ホスト表面は、封止要素のための隆起及び/又は陥凹などの受容表面構造体を包含するか、又は提供され得る。
【0174】
いくつかの実施形態では、いくつかの貫通孔又は少なくとも薄くされた部分は、まず、ハウジング及び/又はその電気接触要素、例えば、ピンの一部などのコネクタの一部分が、それらを通して誘導されて、回路設計との接触を確立することができるように、ホスト基板フィルム内に配置され得る。いくつかの実施形態では、事前調製された孔に加えて、又はその代わりに、必要な孔は、例えば、前述の圧着又は他の好適な方法に応答して、コネクタの接触要素によって基板を穿通する際に動的に確立され得る。コネクタは、基板フィルムの片側又は両側の回路設計に接触するように構成され得る。
【0175】
この手順では更に、例えば実施形態によっては、接触要素の端部又は中央部分を曲げて、基板の表面、及び例えばその上の導電性要素/回路設計に対して実質的に平行に延在するように、かつ/又は外部接続要素とより良く整合するためにそれに対して垂直に延在するようにすることを伴い得る。
【0176】
しかし、本明細書で以前に考察したようないくつかの実施形態では、基板フィルムを通してコネクタ又はその一部分を物理的に提供することに加えて、又はその代わりに、コネクタは、基板の縁部にわたって、基板の一方の側から他方の側に延在する、少なくとも1つの中間特徴(例えば、基板の各側の1つのブリッジ特徴又は例えば、2つの接続する、側方延在部)によってともに連結される、基板の対向する側の2つの部分又は部品(初期に分離された、又は一体的な)を含み得る。したがって、このような配置は、コネクタ構造体が、例えば孔を介して基板を直接物理的に通過しない場合であっても、基板を通って少なくとも機能的に延在することを可能にする。
【0177】
アイテム809は、IC及び/又は様々なコンポーネントなどのエレクトロニクスを備えた最初に分離されたセカンダリ基板を組み込み得る1つ以上のサブシステム又は「サブアセンブリ」の可能な取り付けを指す。多層構造体のエレクトロニクスの少なくとも一部は、そのようなサブアセンブリを介して基板フィルムに提供され得る。任意選択的に、サブアセンブリは、主要基材に取り付ける前に、保護プラスチック層によって少なくとも部分的にオーバーモールドされ得る。例えば、サブアセンブリとプライマリ(ホスト)基板との機械的接合には、接着剤、圧力、及び/又は熱が使用され得る。はんだ、配線、及び導電性インクは、サブアセンブリの要素間、及びプライマリ基板上の残りの電気要素との電気接続を提供するための適用可能な選択肢の例である。アイテム1809はまた、例えば、アイテム806又は810上で実行され得る。その示される位置は、主に例示的なものに過ぎない。
【0178】
いくつかの実施形態では、成形段階の前に、又は成形段階に際して、好ましくは既に、例えば(印刷された)導電性要素及び任意選択的に電子コンポーネントなどの回路設計の、かつ/又はコネクタの少なくとも一部(形成が代替的又は追加的に、例えば、アイテム808~810で、又はアイテム806又は808の前であっても行われ得ることを強調する双方向の曲線矢印を参照)を包含する基板フィルムは、例えば熱成形又は冷間成形を使用して、少なくとも局所的に三次元(本質的に非平面)形状などの所望の形状を呈するように形成することができる812。したがって、好適な形成可能な材料を含有する基板は、標的環境/デバイスにより良好に適合するように、かつ/又は電気コネクタなどの特徴を(例えば、陥凹内に)より良好に収容するように整形され得る。追加的又は代替的に、既に確立された多層積層体がそのような処理に耐えられるように設計されている場合には、成形後に形成を行うこともできる。
【0179】
814において、少なくとも1つのプラスチック層、好ましくは熱可塑性又は熱硬化性層は、好ましくはコネクタ、特に例えば関連する接触要素の接続点及び回路設計の接触領域を、選択された熱可塑性又は熱硬化性樹脂などの成形材料に少なくとも部分的に埋め込むように、基板のいずれかの側又は両側に作製、好ましくは注入成形などで成形される。本明細書で以前に考察したように、成形材料は、いくつかの成形ステップ又はショットを使用して、若しくは単一のステップを介して提供され得、成形材料は、任意選択的に、例えば、その中に調製された孔を介して、又は基板材料自体を貫通することによって(例えば、薄くなった/より薄い部分を通して)、その一方の側から反対側の側にフィルムを通して流れ得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、コネクタハウジングの少なくとも一部分は、成形、任意選択的に射出成形によって作製され得る。それは、多層構造体の1つ以上の他の特徴又は材料層(例えば、103、104)と同じ材料及び成形ショットなどの共通のプロセスステップを使用して成形することができるか、又は成形ショットなどの個別のプロセスステップを通じて他の樹脂などの他の材料から調製することができる。
【0181】
実際には、回路設計、様々なコンポーネント、コネクタ又はそのコンポーネントなどのいくつかの更なる特徴を既に備えている少なくとも1つの基板フィルムが、射出成形プロセスにおけるインサートとして使用され得る。いくつかの実施形態では、基板フィルムの片側は、実施形態によっては、成形されたプラスチックを含まないままにされ得る。
【0182】
2つのフィルムが使用される場合、少なくともその間にプラスチック層が射出されるように、それらの両者は、それぞれの半分の金型に挿入され得る。代替的に、第2のフィルムは、第1のフィルム及びプラスチック層の集合体に、好適な積層技術によって、その後に貼着され得る。
【0183】
例えば、マルチパートコネクタの場合、コネクタの一部分は、例えば、図9の実施形態を参照して、成形後又はいくつかの成形動作の間のいずれかで構造体に提供され得る。
【0184】
得られた積み重ね多層構造体の結果として得られる全体的な厚さに関しては、例えば、使用される材料と、製造及びその後の使用を鑑みて必要な強度を提供する関連最小材料厚とに依存する。これらの局面は、個別的に考慮される必要がある。例えば、構造体の全体の厚さは、約1mm又は数ミリメートル程度であり得るが、かなり厚い又は薄い実施形態もまた実現可能である。
【0185】
アイテム816は、後処理タスクなどの可能な追加タスクを指す。更なる層は、成形、積層、又は好適なコーティング(例えば、堆積)手順によって、多層構造体に追加され得る。層は、保護的、指示的及び/又は美的価値のあるもの(グラフィックス、色、図形、テキスト、数値データなど)であり得、更なるプラスチックの代わりに又はそれに加えて、例えば、織物、皮革、又はゴム材料を含有し得る。エレクトロニクスなどの追加要素が、実施形態に応じて、基板の外面又はその上の成形層など、構造体の外面に設置され得る。整形/切断が行われる場合がある。コネクタは、外部デバイス、システム又は構造体の外部コネクタなどの所望の外部接続要素に接続され得る。例えば、これらの2つのコネクタは、ともにプラグアンドソケット型接続及びインターフェースを形成し得る。
【0186】
外部接続要素を多層構造体のコネクタ要素に接続した後、確立された接続及び関連要素は、プラスチックの低圧成形又は樹脂の分注(エポキシ)など、追加の処理によって更に固定及び/又は保護され得、結果として得られる層は、例えば接続領域の所望の要素を少なくとも部分的に封じ込め得る。低圧成形又は樹脂の分注は、構造体の電気部品など他の要素も保護及び/又は固定するように活用され得る。
【0187】
818において、方法実行は終了する。
【0188】
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲と、その等価物と、によって決定される。当業者は、開示された実施形態は例示的な目的のみのために構築されたこと、及び上記の原理の多くを適用する他の構成が、各潜在的な使用シナリオに最良に適合するように容易に準備され得ることを理解するであろう。例えば、いくつかのシナリオでは、成形の代わりに、プラスチック又は同様の機能の他の層を、好適な堆積又は更なる代替方法を使用して基板上で作製することができる。しかし、印刷されたトレースの代わりに、トレースを別様で作製/提供することができる。例えば、選択肢としてエッチングを利用して製造された導体フィルムを適用することができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14