(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08C 17/00 20060101AFI20231212BHJP
G08C 19/00 20060101ALI20231212BHJP
H04W 4/42 20180101ALI20231212BHJP
H04W 4/35 20180101ALI20231212BHJP
H04W 48/04 20090101ALI20231212BHJP
G06Q 10/083 20230101ALI20231212BHJP
B65G 61/00 20060101ALN20231212BHJP
【FI】
G08C17/00 A
G08C19/00 H
H04W4/42
H04W4/35
H04W48/04
G06Q10/083
B65G61/00 520
(21)【出願番号】P 2023073289
(22)【出願日】2023-04-27
【審査請求日】2023-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】長沼 健治
(72)【発明者】
【氏名】山田 美雪
(72)【発明者】
【氏名】中島 康人
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520839(JP,A)
【文献】特開2019-75730(JP,A)
【文献】特開2021-26318(JP,A)
【文献】特表2021-518309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
B65G 61/00
H04W 4/00-99/00
G06Q 10/083
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を搬送する搬送手段である航空機に備えられ
た通信機器から、第1センサが測定した第1測定データと、第2センサが測定した第2測定データとを取得する取得部と、
前記第1測定データに基づいて、
前記航空機が飛行している状態及び前記航空機が着陸した状態のうちのいずれかを示す前記航空機の
移動状態を特定する特定部と、
前記第2測定データにおいて前記特定部が前記
航空機の
移動状態を特定したときに用いた前記第1測定データによって示される第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値と、前記特定部が特定した前記
航空機の
移動状態とを対応付ける対応付け部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記第2測定値が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定部をさらに有し、
前記対応付け部は、前記第2測定値が所定の閾値を超えると前記判定部が判定した場合に、前
記荷物の異常を示す情報をさらに対応付ける、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1センサは、前記航空機の3軸方向の加速度を測定するための加速度センサであり、
前記第1測定データは、前記加速度センサが測定した前記航空機の3軸方向の加速度を示すデータである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2センサは、前記荷物の内部の温度を測定するための温度センサ、前記荷物の内部の湿度を測定するための湿度センサ、及び前記荷物の揺れの度合い又は頻度を測定するための加速度センサのうちの少なくともいずれかであり、
前記第2測定データは、前記温度センサが測定した前記荷物の内部の温度、前記湿度センサが測定した前記荷物の内部の湿度、及び前記加速度センサが測定した前記荷物の揺れの度合い又は頻度のうちの少なくともいずれかを示すデータである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する、
荷物を搬送する搬送手段である航空機に備えられた通信機器から、第1センサが測定した第1測定データと、第2センサが測定した第2測定データとを取得するステップと、
前記第1測定データに基づいて、前記航空機が飛行している状態及び前記航空機が着陸した状態のうちのいずれかを示す前記航空機の移動状態を特定するステップと、
前記第2測定データにおいて前記航空機の移動状態を特定したときに用いた前記第1測定データによって示される第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値と、特定した前記航空機の移動状態とを対応付けるステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
荷物を搬送する搬送手段である航空機に備えられた通信機器から、第1センサが測定した第1測定データと、第2センサが測定した第2測定データとを取得する取得部、
前記第1測定データに基づいて、前記航空機が飛行している状態及び前記航空機が着陸した状態のうちのいずれかを示す前記航空機の移動状態を特定する特定部、及び
前記第2測定データにおいて前記特定部が前記航空機の移動状態を特定したときに用いた前記第1測定データによって示される第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値と、前記特定部が特定した前記航空機の移動状態とを対応付ける対応付け部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器、情報処理装置、通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物の状態を管理するシステムが知られている。特許文献1には、移動体で搬送されている荷物の温度を管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、移動体に設けられた親機と、移動体の外部に存在する管理サーバとが公共無線通信で情報を送受信するが、移動体の種類や移動体の移動状態によっては親機と管理サーバとの間で情報を送受信することができない場合がある。例えば、航空機においては、飛行中に外部との通信が禁止されているため、飛行中に親機と管理サーバとの間で情報を送受信することができない。この場合、例えば、航空機で荷物を搬送する場合においては、親機と管理サーバとの間で情報を送受信せず(例えば、航空機に親機を設けず)、荷物が航空機からトラックに積み替えられたときに、当該トラックに設けられた親機と管理サーバとの間で情報を送受信することが考えられるが、より早期に親機と管理サーバとの間で情報を送受信することが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、早期に情報を送受信させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる通信機器は、情報処理装置と通信する通信部と、センサが測定した測定データを取得する取得部と、前記測定データによって示される測定値の変化に基づいて、航空機の移動状態が変化したか否かを判定する判定部と、前記航空機の移動状態が変化したと前記判定部が判定した場合に、通信が禁止された状態である第1モードに設定されている前記通信部を、通信が許可された状態である第2モードに切り替えるモード切替部と、を有する。
【0007】
前記判定部は、前記測定値の変化を示す変化量が所定の閾値を超えた場合に、前記航空機の移動状態が変化したと判定してもよい。
【0008】
前記取得部は、前記センサである第1センサが測定した前記測定データである第1測定データと、前記第1センサとは異なる他のセンサである第2センサが測定した第2測定データとを取得してもよいし、前記通信機器は、前記第2モードに切り替えられた場合に、前記通信部を介して、前記通信部が前記第1モードの間に前記第2センサが測定した前記第2測定データを、情報処理装置に送信する送信部をさらに有してもよい。
【0009】
前記モード切替部は、前記航空機の移動状態が変化したと前記判定部が判定した場合に、前記第2モードに設定されている前記通信部を、前記第1モードに切り替えてもよい。
【0010】
本発明の第2の態様にかかる情報処理装置は、荷物を搬送する搬送手段である航空機に備えられた前記通信機器から、第1センサが測定した第1測定データと、第2センサが測定した第2測定データとを取得する取得部と、前記第1測定データに基づいて、対象荷物が搬送されている搬送手段の状態を特定する特定部と、前記前記第2測定データにおいて前記特定部が前記搬送手段の状態を特定したときに用いた前記第1測定データによって示される第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値と、前記特定部が特定した前記搬送手段の状態とを対応付ける対応付け部と、有する。
【0011】
前記情報処理装置は、前記第2測定値が所定の閾値を超えるか否かを判定する判定部をさらに有してもよいし、前記対応付け部は、前記第2測定値が所定の閾値を超えると前記判定部が判定した場合に、前記対象荷物の異常を示す情報をさらに対応付けてもよい。
【0012】
本発明の第3の態様にかかる通信方法は、情報処理装置と通信する通信部を有するコンピュータが実行する、センサが測定した測定データを取得するステップと、前記測定データによって示される測定値の変化に基づいて、航空機の移動状態が変化したか否かを判定するステップと、前記航空機の移動状態が変化したと判定した場合に、通信が禁止された状態である第1モードに設定されている前記通信部を、通信が許可された状態である第2モードに切り替えるステップと、を有する。
【0013】
本発明の第3の態様にかかるプログラムは、情報処理装置と通信する通信部を有するコンピュータを、センサが測定した測定データを取得する取得部、前記測定データによって示される測定値の変化に基づいて、航空機の移動状態が変化したか否かを判定する判定部、及び前記航空機の移動状態が変化したと前記判定部が判定した場合に、通信が禁止された状態である第1モードに設定されている前記通信部を、通信が許可された状態である第2モードに切り替えるモード切替部、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、早期に情報を送受信させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図5】荷物管理データベースの構成の一例を示す図である。
【
図6】情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、複数の搬送手段(例えば、空運、陸運、海運等)を介して搬送される荷物Pに関する情報を提供する情報提供サービスをユーザに提供するために用いられるシステムである。荷物Pは、温度、湿度、揺れ等によって品質が変化し得る物品であり、例えば、生鮮食品、医薬品、精密機械等である。ユーザは、情報提供サービスを利用する利用者であり、例えば、荷物Pの搬送元の利用者、荷物Pの搬送先の利用者等である。情報処理システムSは、通信機器1と、測定機器2と、情報処理装置3とを有する。
【0017】
通信機器1は、所定の情報を情報処理装置3に送信するために用いられる機器である。通信機器1は、移動体に備えられる。移動体は、例えば、空運における航空機、陸運における自動車又は電車、海運における船舶等である。通信機器1は、移動体ごとに異なる機器が備えられてもよいし、荷物Pとともに通信機器1が積み替えられることにより、複数の移動体において同一の機器が備えられてもよい。通信機器1は、荷物Pが存在する貨物スペースに備えられてもよいし、貨物スペースとは異なるスペース(例えば客室内、コックピット内等)に備えられてもよい。
【0018】
通信機器1は、第1センサと、情報処理装置3と通信する第1通信部と、測定機器2と通信する第2通信部とを有する。第1センサは、移動体の移動状態を特定するために用いられるセンサであり、例えば、少なくとも、移動体の3軸方向の加速度を測定するための加速度センサを含む。第1センサは、移動体の3軸まわりの角速度を測定するための角速度センサ、移動体の3軸方向の磁束密度を測定するための磁気センサをさらに含んでもよい。また、第1センサは、通信機器1の位置を測定するための位置センサをさらに含んでもよい。通信機器1は、第1センサが測定した第1測定データを取得する。
【0019】
測定機器2は、荷物Pの状態を特定するために用いられる機器である。測定機器2は、荷物Pに取り付けられる。測定機器2は、荷物Pの状態(例えば、温度、湿度、揺れ等)を特定するために用いられる第2センサを有する。第2センサは、第1センサとは異なる他のセンサであり、例えば、荷物P内の温度を測定するための温度センサ、荷物P内の湿度を測定するための湿度センサ、荷物Pの揺れの度合い又は頻度を測定するための加速度センサのうちの少なくともいずれかを含む。測定機器2においては、能動的に電波を発せず、通信機器1からの要求(電波)を受信したことに応じて電波を発信(情報を送信)する。
【0020】
情報処理装置3は、情報提供サービスを管理する装置であり、例えばサーバである。情報提供サービスは、搬送されている荷物Pに関する情報をリアルタイムでユーザに提示する。具体的には、情報処理装置3は、通信機器1を介して、測定機器2の第2センサが測定した第2測定データを取得し、第2測定データを荷物Pに関する情報としてユーザに提示する。
【0021】
航空機が飛行している期間においては、飛行中に外部との通信が禁止されているため、情報処理装置3は、荷物Pに関する情報をリアルタイムでユーザに提示できないが、航空機が着陸したら速やかに第2測定データをユーザに提示することが望ましい。そこで、情報処理システムSは、航空機の移動状態に応じて、第2測定データを情報処理装置3に送信する。
【0022】
図1に示す例において、状態C1は、航空機が飛行している状態を示し、状態C2は、航空機が着陸した状態を示す。通信機器1の第1通信部は、航空機の移動状態に応じたモードが設定される。第1通信部のモードは、通信が禁止された状態である第1モードと、通信が許可された状態である第2モードとを含む。
【0023】
状態C1においては、第1モードが第1通信部に設定されている。この場合において、まず、通信機器1は、第1センサが測定した第1測定データによって示される第1測定値の変化に基づいて、移動体が状態C2になったか否か、すなわち、移動体が着陸したか否かを判定し、移動体が状態C2になった場合に、第1通信部を第1モードから第2モードに切り替える。そして、通信機器1は、第2モードに切り替えた第1通信部を介して、測定機器2から取得した第2測定データを情報処理装置3に送信する。その後、情報処理装置3は、通信機器1から取得した第2測定データを荷物Pに関する情報としてユーザに提示する。
【0024】
このようにすることで、情報処理システムSは、通信機器1と情報処理装置3の間において早期に第2測定データを送受信させることができる。
以下、通信機器1及び情報処理装置3の機能構成について説明する。
【0025】
[通信機器1の構成]
図2は、通信機器1のブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(機器)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の機器内に実装されてもよく、あるいは複数の機器内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0026】
通信機器1は、測定部11と、第1通信部12と、第2通信部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。通信機器1は、2つ以上の物理的に分離した機器が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0027】
測定部11は、通信機器1が備えられている移動体の移動状態を特定するために用いられる第1センサである。測定部11は、通信機器1に内蔵されていてもよいし、通信機器1の外部において電気的に接続されていてもよい。測定部11は、例えば、加速度を測定する。
【0028】
第1通信部12は、広域無線ネットワークを介して情報処理装置3との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。第1通信部12は、情報処理装置3から受信したデータを制御部15に通知する。また、第1通信部12は、制御部15から出力されたデータを情報処理装置3に送信する。第1通信部12は、通信が禁止された状態である第1モードと、通信が許可された状態である第2モードとに切り替えられることによって通信が制御される。
【0029】
第2通信部13は、ZIGBEE(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信で測定機器2との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。第2通信部13は、測定機器2から受信したデータを制御部15に通知する。また、第2通信部13は、制御部15から出力されたデータを測定機器2に送信する。
【0030】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを予め記憶している。
【0031】
制御部15は、第1取得部151と、判定部152と、モード切替部153と、第2取得部154と、送信部155とを有する。制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、第1取得部151、判定部152、モード切替部153、第2取得部154及び送信部155として機能する。
以下、第1通信部12のモードを切り替える切替処理と、第2測定データを送信する送信処理とに分けて各機能の詳細について説明する。
【0032】
<切替処理>
切替処理は、航空機に備えられた通信機器1が実行する処理である。具体的には、通信機器1は、航空機が飛行している間において第1モードに設定されている第1通信部12を、航空機が着陸した場合に第2モードに切り替える処理を実行する。
【0033】
第1取得部151は、測定部11が測定した第1測定データを取得する。第1取得部151は、例えば、所定の間隔(例えば、10秒おき、1分おき等)で、当該間隔の間に測定部11が測定した第1測定データを取得する。
【0034】
判定部152は、第1取得部151が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化に基づいて、航空機の移動状態が変化したか否かを判定する。具体的には、判定部152は、第1取得部151が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化に基づいて、航空機が飛行している状態から着陸した状態に変化したか否かを判定する。
【0035】
航空機においては、着陸時にエンジンの噴射の方向を進行方向の反対の方向に変える、いわゆる逆噴射が行われ、逆噴射時には、航空機の進行方向における航空機の速度の変化が大きくなる。そこで、判定部152は、航空機の速度の変化の大きさ(すなわち、加速度の大きさ)に基づいて、航空機の移動状態が変化したか否かを判定してもよい。
【0036】
具体的には、判定部152は、第1取得部151が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化を示す変化量が第1閾値を超えた場合に、航空機の移動状態が変化したと判定する。第1閾値は、移動体の移動状態が変化したか否かを判定するために用いられる所定の閾値であり、例えば、航空機が飛行している状態から着陸した状態に変化したか否か、すなわち、エンジンが逆噴射したか否かを判定するために用いられる値である。
【0037】
図3は、第1測定データを模式的に表した図である。
図3に示すグラフGは、3軸のうちのY軸(移動体の進行方向)の加速度を示す。
図3に示す例において、グラフGは、エンジンの逆噴射が開始した時点tの直後に変化が最大となり、その後減衰する。判定部152は、エンジンの逆噴射が開始した時点tの直後に変化が最大となるY軸の加速度の変化量Vと第1閾値とを比較することにより、エンジンが逆噴射したか否か、すなわち航空機が着陸したか否かを判定する。
【0038】
判定部152は、第1測定データにおいて、加速度センサが測定した第1測定値に加えて、さらに角速度センサが測定した第1測定値と、磁気センサが測定した第1測定値とを用いて、航空機が着陸したか否かを判定してもよい。例えば、まず、判定部152は、加速度センサが測定した第1測定値と、角速度センサが測定した第1測定値と、磁気センサが測定した第1測定値とを用いて、移動体の姿勢角を特定する。そして、判定部152は、特定した移動体の姿勢角が、着陸時の姿勢であるか否かを判定することによって、航空機が着陸したか否かを判定する。判定部152は、例えば、公知の技術を用いて、姿勢角を特定することができる。
【0039】
モード切替部153は、航空機の移動状態が変化したと判定部152が判定した場合に、通信が禁止された状態である第1モードに設定されている第1通信部12を、通信が許可された状態である第2モードに切り替える。例えば、通信機器1が航空機に備えられたとき(例えば、通信機器1が荷物Pとともに航空機に積まれたとき)における第1通信部12においては、予め第1モードが設定されている。この場合において、モード切替部153は、航空機が着陸したと判定部152が判定した場合に、第1通信部12を、第1モードから第2モードに切り替える。
【0040】
通信機器1が航空機に備えられたときにおける第1通信部12においては、第2モードが設定されていてもよい。この場合、モード切替部153は、航空機が離陸する前に、第1通信部12を第2モードから第1モードに切り替える。
【0041】
具体的には、モード切替部153は、航空機の移動状態が変化したと判定部152が判定した場合に、第2モードに設定されている第1通信部12を、第1モードに切り替える。より具体的には、まず、判定部152は、第1取得部151が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化に基づいて、航空機が停止している状態又は航空機が滑走路に移動している状態から航空機が離陸する状態に変化したか否かを判定する。
【0042】
判定部152は、例えば、第1取得部151が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化を示す変化量が第2閾値を超えた場合に、航空機が離陸する状態に変化したと判定する。第2閾値は、航空機が離陸する状態に変化したか否かを判定するために用いられる所定の閾値であり、例えば、航空機が停止している状態又は航空機が滑走路に移動している状態から航空機が離陸する状態に変化したか否か、すなわち、離陸するために航空機のエンジンが噴射したか否かを判定するために用いられる値である。
【0043】
そして、モード切替部153は、航空機が離陸する状態であると判定部152が判定した場合に、第1通信部12を、第2モードから第1モードに切り替える。このようにすることで、通信機器1は、移動体に備えられてから移動体が離陸するまでの間において情報処理装置3との間において情報を送受信することができる。
【0044】
ここで、航空機が飛行している状態から着陸した状態に変化したか否かを判定するために用いられる第1閾値と、航空機が停止している状態又は航空機が滑走路に移動している状態から航空機が離陸する状態に変化したか否かを判定するために用いられる第2閾値とは、例えば、異なる値である。この場合において、判定部152は、第1通信部12が第1モードに設定されている場合、第1取得部151が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化を示す変化量と比較する閾値として第1閾値を設定し、設定した第1閾値を用いて、航空機が着陸した状態に変化したか否かを判定する。
【0045】
一方、判定部152は、第1通信部12が第2モードに設定されている場合、第1取得部151が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化を示す変化量と比較する閾値として第2閾値を設定し、設定した第2閾値を用いて、航空機が離陸する状態に変化したか否かを判定する。このように、通信機器1は、離陸時と着陸時とでそれぞれ異なる閾値を用いることにより、移動体の移動状態が変化したか否かを判定する精度を向上させることができる。
【0046】
なお、第1閾値と第2閾値とは、共通の閾値であってもよい。この場合、判定部152は、共通の閾値を用いて、航空機の移動状態が変化したか否か(航空機が着陸した状態に変化したか否か、又は航空機が離陸する状態に変化したか否か)を判定する。
【0047】
<送信処理>
送信処理は、航空機、電車、船舶等の移動体に備えられた通信機器1が実行する処理である。具体的には、通信機器1は、第2センサが測定した第2測定データを送信する処理を実行する。
【0048】
第2取得部154は、第2通信部13を介して、測定機器2の第2センサが測定した第2測定データを取得する。第2取得部154は、例えば、第2通信部13と測定機器2とを接続させ、第2通信部13と接続した測定機器2から、当該測定機器2の第2センサが測定した第2測定データを取得する。
【0049】
第2取得部154は、第2通信部13と接続した測定機器2ごとに第2測定データを取得する。第2取得部154は、所定の間隔(例えば、毎秒、毎分、毎時等)で、測定機器2から第2測定データを取得する。第2取得部154は、第1通信部12が第1モードから第2モードに切り替えられたときに、測定機器2から第2測定データを取得してもよい。
【0050】
送信部155は、第1通信部12を介して、第2測定データが取得した第2測定データを情報処理装置3に送信する。送信部155は、例えば、第2測定データと第2取得部154が当該第2測定データを取得した測定機器2のID(identifier)とを情報処理装置3に送信する。送信部155は、例えば、第2取得部154が第2測定データを取得するごとに、当該第2測定データと測定機器2のIDとを情報処理装置3に送信する。
【0051】
送信部155は、第1通信部12が第1モードから第2モードに切り替えられた場合に、第1通信部12を介して、第1通信部12が第1モードの間に測定機器2の第2センサが測定した第2測定データを、情報処理装置3に送信する。例えば、第1通信部12に第1モードが設定されている期間において第2取得部154が所定の間隔で測定機器2から第2測定データを取得した場合、送信部155は、第1通信部12に第1モードが設定されている期間に取得された第2測定データを情報処理装置3に送信する。
【0052】
送信部155は、第1通信部12が第1モードから第2モードに切り替えられたときに第2取得部154が取得した第2測定データ(第1通信部12が第1モードから第2モードに切り替えられるまでの間において測定された第2測定データ)を情報処理装置3に送信してもよい。このようにすることで、通信機器1は、飛行中に測定機器2が測定した第2測定データを送信することができる。
【0053】
送信部155は、第1測定データをさらに情報処理装置3に送信してもよい。送信部155は、第2測定データとともに第1測定データを送信してもよいし、第2送信データの送信とは異なるタイミングで第1測定データを送信してもよい。
【0054】
[情報処理装置3の構成]
図4は、情報処理装置3のブロック図である。
図4において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図4に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図4において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図4に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0055】
情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。情報処理装置3は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置3は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0056】
通信部31は、ネットワークを介して通信機器1との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部31は、通信機器1から受信したデータを制御部33に通知する。また、通信部31は、制御部33から出力されたデータを通信機器1に送信する。
【0057】
記憶部32は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部32は、情報処理装置3の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部33との間でデータの授受を行ってもよい。
【0058】
記憶部32は、荷物Pと、当該荷物Pに取り付けられた測定機器2とが対応付けられた対応表を記憶している。対応表は、例えば、荷物PのIDと、測定機器2のIDとが関連付けられた表である。また、記憶部32は、荷物Pに関する情報を管理する荷物管理データベースを記憶している。
【0059】
図5は、荷物管理データベースの構成の一例を示す図である。
図5に示す例において、荷物管理データベースは、荷物PのIDと、測定時刻と、第2測定データによって示される第2測定値と、異常有無と、搬送手段と、手段状態とを関連付けて記憶している。
【0060】
測定時刻は、第2測定データによって示される第2測定値が測定された時刻である。第2測定値には、例えば、温度、湿度、揺れ検出等が含まれる。揺れ検出は、例えば、揺れが発生したことを示す情報、揺れの度合いを示す情報(例えば、移動体の速度の変化量)等である。異常有無は、例えば、荷物Pの状態に異常が生じたか否か(例えば、高温であるか否か、多湿であるか否か、大きい揺れが発生したか否か等)を示す情報である。手段状態は、搬送手段の状態を示す情報であり、例えば、通信機器1の位置、すなわち、通信機器1が備えられている移動体に積まれた荷物Pの位置(荷物Pを搬送する移動体の位置)を示す情報、荷物Pを搬送する移動体の移動状態(例えば、停止中、飛行中等)を示す情報である。
【0061】
図4に戻り、制御部33は、取得部331と、特定部332と、対応付け部333と、判定部334と、表示処理部335とを有する。制御部33は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部331、特定部332、対応付け部333、判定部334及び表示処理部335として機能する。
【0062】
取得部331は、通信機器1から第2測定データを取得する。取得部331は、例えば、通信機器1から、第2測定データと測定機器2のIDとを取得する。取得部331は、第2測定データと測定機器2のIDとを取得すると、当該第2測定データと、当該測定機器2のIDに対応する荷物PのIDとを関連付けて記憶部32に記憶させる。
【0063】
取得部331は、例えば、記憶部32に記憶されている対応表において測定機器2のIDに関連付けられている荷物PのIDと、第2測定データによって示される第2測定値と、当該第2測定値が測定された測定時刻とを関連付けて荷物管理データベースに記憶させる。
【0064】
第2測定値に加速度が含まれている場合、取得部331は、揺れ検出閾値を超えた加速度である超過加速度を、荷物管理データベースに記憶させてもよい。揺れ検出閾値は、例えば、揺れが発生したか否かを検出するために用いられる値である。取得部331は、通信機器1から第1測定データをさらに取得してもよい。
【0065】
情報処理装置3は、第2測定データに様々な情報を対応付けてもよい。情報処理装置3は、例えば、第2測定データと、当該第2測定データが測定されたときの搬送手段とを対応付けてもよい。具体的には、情報処理装置3は、以下の2つのステップを実行することにより、第2測定データと、搬送手段とを対応付ける。
【0066】
第1のステップとして、特定部332は、取得部331が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化に基づいて、荷物Pが搬送されている搬送手段を特定する。例えば、自動車と航空機とでは、速度の変化のパターンが異なる。例えば、自動車においては、発進及び停止が繰り返されるため、移動中において一定の速度の変化が発生する頻度が多い。また、例えば、航空機においては、離着陸時に大きい速度の変化が発生するが、飛行中における速度の変化が少ないため、速度の変化が発生する頻度が少ない。そこで、特定部332は、取得部331が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化のパターンに基づいて、荷物Pが搬送されている搬送手段を特定する。
【0067】
例えば、記憶部32には、搬送手段ごとにパターン情報が記憶されている。パターン情報は、搬送手段と、当該搬送手段で搬送されているときにおいて当該搬送手段に対応する移動体の速度の変化のパターンとが関連付けられた情報である。この場合において、特定部332は、記憶部32に記憶されているパターン情報を参照することにより、搬送手段を特定する。
【0068】
例えば、まず、特定部332は、搬送手段ごとに、当該搬送手段のパターンと、取得部331が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化とを比較し、当該第1測定値の変化に近似するパターンを特定する。そして、特定部332は、記憶部32に記憶されているパターン情報において特定したパターンに関連付けられている搬送手段を特定する。
【0069】
第2のステップとして、対応付け部333は、取得部331が取得した第2測定データにおいて特定部332が搬送手段を特定したときに用いた第1測定データによって示される第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値と、特定部332が特定した搬送手段とを対応付ける。対応付け部333は、例えば、特定部332が搬送手段を特定したときに用いた第1測定値ごとに、取得部331が取得した第2測定データにおいて当該第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値と、特定部332が特定した搬送手段とを対応付ける。
【0070】
対応付け部333は、例えば、対応表において第2測定データを測定した測定機器2のID関連付けられている荷物PのIDと、第2測定値と、特定部332が特定した搬送手段とを関連付けて対応付け管理ベースに記憶させる。対応付け部333は、取得部331が取得した第2測定データにおいて特定部332が搬送手段を特定したときに用いた第1測定データによって示される第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値が存在しない場合、第1測定値の測定時刻の直前又は直後に測定された第2測定値を対応付けてもよい。このようにすることで、情報処理装置3は、ある搬送手段によって搬送された荷物Pがどういう状態であったかをユーザに提示することができる。
【0071】
対応付け部333は、第2測定データを送信した通信機器1に対応する搬送手段を記憶させてもよい。例えば、複数の移動体には、それぞれ異なる通信機器1が備えられており、記憶部32には、移動体のIDと、通信機器1のIDとが関連付けて記憶されている。この場合において、対応付け部333は、記憶部32において取得部331が第2測定データを取得した通信機器1のIDに関連付けられている移動体のIDによって特定される搬送手段を対応付け管理ベースに記憶させる。このようにすることで、情報処理装置3は、第1測定データを用いて搬送手段を特定する場合よりも簡易な方法で搬送手段を特定することができる。
【0072】
情報処理装置3は、第2測定データと、当該第2測定データが測定されたときの搬送手段の状態とを対応付けてもよい。搬送手段の状態は、例えば、移動体の位置である。具体的には、情報処理装置3は、以下の2つのステップを実行することにより、第2測定データと、搬送手段の状態とを対応付ける。
【0073】
第1のステップとして、特定部332は、取得部331が取得した第1測定データに基づいて、荷物Pが搬送されている搬送手段の状態を特定する。例えば、第1測定データに移動体の位置を測定した位置座標(第1測定値)が含まれる場合、特定部332は、地図情報を参照し、第1測定データに含まれる位置座標を含むエリア(例えば、国、都道府県等の行政区画等)を特定する。
【0074】
第2のステップとして、対応付け部333は、取得部331が取得した第2測定データにおいて特定部332が搬送手段の状態を特定したときに用いた第1測定データによって示される第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値と、特定部332が特定した搬送手段の状態とを対応付ける。このようにすることで、情報処理装置3は、第2測定値が測定されたときに移動体がどの場所にいたかをユーザに提示することができる。
【0075】
なお、対応付け部333は、取得部331が取得した第1測定データを用いずに、荷物Pが搬送されている搬送手段の状態を特定してもよい。例えば、記憶部32には、移動体が通過する通過エリアと、移動体が通過エリアを通過する予定時刻とが関連付けて記憶されている。この場合において、対応付け部333は、第2測定値と、記憶部32において当該第2測定値が測定された測定時刻の直前の予定時刻に関連付けられている通過エリアとを対応付ける。
【0076】
搬送手段の状態は、移動体の移動状態であってもよい。この場合、まず、特定部332は、取得部331が取得した第1測定データによって示される第1測定値の変化に基づいて、荷物Pが搬送されている移動体の移動状態を特定する。そして、対応付け部333は、特定部332が移動体の移動状態を特定したときに用いた第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値と、搬送手段の状態として特定部332が特定した移動体の移動状態とを対応付ける。このようにすることで、情報処理装置3は、第2測定値が測定されたときに移動体がどういう状態であったかをユーザに提示することができる。
【0077】
情報処理装置3は、荷物Pの状態が異常である場合、荷物Pの異常を示す異常情報をさらに対応付けてもよい。具体的には、まず、判定部334は、第2測定値が異常検出閾値を超えるか否かを判定する。異常検出閾値は、荷物Pの状態が異常であるか否かを判定するために用いられる値であって、揺れ検出閾値とは異なる値である。異常検出閾値は、例えば、荷物Pごとに設定される値である。
【0078】
そして、対応付け部333は、第2測定値が異常検出閾値を超えると判定部334が判定した場合に、異常情報をさらに対応付ける。対応付け部333は、第2測定値が異常検出閾値を超えないと判定部334が判定した場合、荷物Pの状態が正常であることを示す正常情報をさらに対応付けてもよい。対応付け部333は、例えば、異常情報又は正常情報(異常有無)を荷物PのIDに関連付けて荷物管理データベースに記憶させる。このようにすることで、情報処理装置3は、荷物Pの状態が正常であるか否かをユーザに提示することができる。
【0079】
表示処理部335は、荷物Pに関する情報をユーザに提示する。例えば、ユーザが、不図示のユーザ端末において情報提供サービスにアクセスする操作を行うと、ユーザ端末は、情報提供サービスの表示画面を表示させる。表示画面には、荷物PのIDを入力するための入力項目が設けられており、ユーザが表示画面において、荷物PのIDを入力すると、ユーザ端末は、ユーザが入力した荷物PのIDを情報処理装置3に送信する。表示処理部335は、ユーザ端末から荷物PのIDを取得すると、荷物管理データベースにおいて当該荷物PのIDに関連付けて記憶されている情報を表示画面に表示させる。
【0080】
[情報処理システムSの処理]
続いて、情報処理システムSが実行する処理の流れについて説明する。
図6は、情報処理システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。
図6に示す例においては、荷物Pが航空機で搬送されており、通信機器1の第1通信部12が第1モードに設定されている。この場合において、本処理は、通信機器1において、第1取得部151が、測定部11によって測定された第1測定データを取得したことを契機として開始する(S1)。
【0081】
判定部152は、第1取得部151が取得した第1測定データによって示される測定値の変化に基づいて、航空機の移動状態が変化したか否かを判定する(S2)。判定部152は、航空機の移動状態が変化していないと判定した場合(S2においてNOの場合)、処理をS1に戻す。
【0082】
一方、航空機の移動状態が変化したと判定部152が判定した場合(S2においてYESの場合)、モード切替部153は、第1モードに設定されている第1通信部12を、第2モードに切り替える(S3)。第2取得部154は、第2通信部13を介して、測定機器2の第2センサが測定した第2測定データを取得する(S4)。送信部155は、第1モードから第2モードに切り替えられた第1通信部12を介して、第1測定データと第2測定データとを情報処理装置3に送信する(S5)。
【0083】
情報処理装置3において、取得部331が通信機器1から第1測定データと第2測定データとを取得すると、特定部332は、第1測定データに基づいて、荷物Pが搬送されている搬送手段の状態を特定する(S6)。そして、対応付け部333は、取得部331が取得した第2測定データにおいて特定部332が搬送手段の状態を特定したときに用いた第1測定値が測定された測定時刻に測定された第2測定値と、特定部332が特定した搬送手段の状態とを対応付ける(S7)。
【0084】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、通信機器1は、航空機の移動状態が変化した場合に第1通信部12を第1モードから第2モードに切り替える。このようにすることで、通信機器1は、情報処理装置3との間において早期に第2測定データを送受信させることができる。
【0085】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0086】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0087】
1 通信機器
11 測定部
12 第1通信部
13 第2通信部
14 記憶部
15 制御部
151 第1取得部
152 判定部
153 モード切替部
154 第2取得部
155 送信部
2 測定機器
3 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 取得部
332 特定部
333 対応付け部
334 判定部
335 表示処理部
S 情報処理システム
【要約】
【課題】早期に情報を送受信させる。
【解決手段】通信機器1は、情報処理装置と通信する第1通信部12と、測定部11が測定した測定データを取得する第1取得部151と、測定データによって示される測定値の変化に基づいて、航空機の移動状態が変化したか否かを判定する判定部152と、航空機の移動状態が変化したと判定部152が判定した場合に、通信が禁止された状態である第1モードに設定されている第1通信部12を、通信が許可された状態である第2モードに切り替えるモード切替部153と、を有する。
【選択図】
図2