(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】ベルトコンベア
(51)【国際特許分類】
B65G 15/08 20060101AFI20231213BHJP
B65G 15/60 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B65G15/08 A
B65G15/08 Z
B65G15/60
(21)【出願番号】P 2019196772
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】森下 茂
(72)【発明者】
【氏名】宇野 浩太
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特公昭46-039615(JP,B1)
【文献】特開平10-139120(JP,A)
【文献】実開昭58-045216(JP,U)
【文献】実開平01-159617(JP,U)
【文献】実公昭38-023336(JP,Y1)
【文献】実開昭58-045220(JP,U)
【文献】実公昭36-010517(JP,Y1)
【文献】特開2018-167995(JP,A)
【文献】米国特許第01559772(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/00-15/28
B65G 15/60-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離隔して配置された一対のプーリと、
前記一対のプーリに巻き掛けられた無端状の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトに埋められた一対の環状のロープと、
前記一対のプーリの間において前記搬送ベルトのキャリア側を支持する複数のキャリア側支持ユニットと、
前記一対のロープに張力を付与するための張力付与装置と
、
前記搬送ベルトを断面袋状に湾曲させた状態で支持する複数の変形支持ユニットと、
前記搬送ベルトの移動経路において前記複数の変形支持ユニットの間に設けられかつ前記断面袋状に湾曲した状態の前記搬送ベルトの進行方向を変更する進行方向変更ユニットと、を備え、
前記複数のキャリア側支持ユニットはそれぞれ、前記搬送ベルトの前記キャリア側を、下方に向かって凸となるように湾曲させた状態で支持する複数のキャリアローラを有し、
前記搬送ベルトは、搬送面および裏面を有する平坦部と、前記平坦部の裏面から突出しかつ前記一対のロープがそれぞれ埋められた一対の突出部とを有し、
前記キャリア側支持ユニットにおいて、前記搬送ベルトの前記一対の突出部のうちの少なくとも一つと前記複数のキャリアローラのうちの少なくとも一つとが、前記搬送ベルトの幅方向において互いに係止することによって、前記キャリア側の前記幅方向への移動が規制され
、
前記キャリア側支持ユニットは、前記複数のキャリアローラとして、前記キャリア側の中央部を支持する中央ローラと、前記中央ローラを挟むように設けられた一対の傾斜ローラとを備え、
前記中央ローラは、水平方向に延びる回転軸を中心として回転可能に設けられ、
前記一対の傾斜ローラはそれぞれ、前記中央ローラ側から前記幅方向における外側に向かって斜め上方に延びる回転軸を中心として回転可能に設けられ、
前記一対の突出部は、前記搬送ベルトの幅方向における両端部に設けられ、
前記搬送ベルトの幅方向において、前記一対の突出部のうちの一方は、前記一対の傾斜ローラのうちの一方の外側に配置され、前記一対の突出部のうちの他方は、前記一対の傾斜ローラのうちの他方の外側に配置され、
前記進行方向変更ユニットは、上下方向に延びる回転軸を中心として回転可能に設けられかつ上方から見て円形状を有する回転部材を有し、
前記回転部材の外周面には、当該回転部材の径方向内側に向かって凹む凹部が形成されており、
前記一対の突出部が前記回転部材の前記外周面に沿うように前記凹部に嵌まることによって、前記搬送ベルトが前記回転部材に支持されかつ前記搬送ベルトの進行方向が変更される、ベルトコンベア。
【請求項2】
前記張力付与装置は、前記一対のプーリの少なくとも一方を移動させることによって、前記一対のロープに付与される張力を調整する、請求項1に記載のベルトコンベア。
【請求項3】
前記回転部材の前記外周面の前記凹部は、前記一対の突出部がそれぞれ嵌る一対の溝を含む、請求項
1または2に記載のベルトコンベア。
【請求項4】
前記張力付与装置が前記一対のロープに付与した張力によって、前記一対の突出部が前記回転部材の前記外周面に押し付けられる、請求項
1から3のいずれかに記載のベルトコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の施設において、ベルトコンベアが利用されている。例えば、港湾施設においては、貨物船から陸揚げされた鉄鉱石等の原料(ばら物)を搬送するために、ベルトコンベアが利用されている。
【0003】
図1は、従来のベルトコンベアの基本的な構成を示す概略側面図であり、
図2は、
図1のII-II部分を示す概略断面図である。
図1および
図2に示すベルトコンベア1は、一対のプーリ2,3と、プーリ2,3に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト4と、プーリ2,3の間において搬送ベルト4のキャリア側4aを支持するように設けられた複数のキャリアローラ5と、プーリ2,3の間において搬送ベルト4のリターン側4bを支持するように設けられた複数のリターンローラ6とを備えている。
【0004】
図2に示すように、キャリアローラ5およびリターンローラ6は、支持部材7によって、地面G上に支持されている。搬送物8は、搬送ベルト4のキャリア側4aによって搬送される。なお、
図1においては、図面が煩雑になることを避けるために、支持部材7および搬送物8の図示を省略している。
【0005】
上記のベルトコンベア1においては、搬送ベルト4のキャリア側4aは、平坦な状態を維持したままキャリアローラ5によって支持されている。このため、搬送物8を搬送する際に、キャリア側4aに発生する振動等によって搬送物8がキャリア側4aの幅方向に移動し、キャリア側4aから搬送物8が落下する場合がある。そこで、例えば、特許文献1に開示されているように、搬送ベルト4のキャリア側4aをトラフ状に湾曲させて支持するベルトコンベアも利用されている。
【0006】
図3は、搬送ベルト4のキャリア側4aをトラフ状に湾曲させて支持するベルトコンベアの一例を示す図である。
図3に示すベルトコンベア1aが
図2に示すベルトコンベア1と異なるのは、キャリアローラ5の代わりに、キャリア側支持ユニット5aを備えている点である。キャリア側支持ユニット5aは、キャリア側4aの中央部を支持する中央ローラ9aと、中央ローラ9aを挟むように設けられた一対の傾斜ローラ9bとを備えている。このような構成により、キャリア側支持ユニット5aは、キャリア側4aをトラフ状に湾曲させた状態で支持することができる。これにより、搬送物8をキャリア側4aの中央部に集めて搬送することができ、キャリア側4aから搬送物8が落下することを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のようにキャリア側4aをトラフ状に湾曲させて支持している場合でも、搬送物8の落下を十分に抑制できない場合がある。例えば、搬送ベルト4の上方からキャリア側4aに搬送物を載せる際に、キャリア側4aへの搬送物8の落下位置が、キャリア側4aの幅方向中心からずれる場合がある。このように中心からずれてキャリア側4aに載せられた搬送物8は、キャリア側4aによって搬送されつつ、キャリア側支持ユニット5aの中心側(中央ローラ9a側)へ移動する場合がある。この際に、キャリア側4aのうち搬送物8を支持する部分が、搬送物8とともにキャリア側支持ユニット5aの中心側へ移動する場合がある。この場合、
図3において一点鎖線で示すように、キャリア側4aの幅方向中心がキャリア側支持ユニット5aの中心からずれるように、キャリア側4aが蛇行する。このようにキャリア側4aが蛇行すると、搬送物8がキャリア側4a上において幅方向における一方側に片寄って載ることになり、搬送物8がキャリア側4aから落下する場合がある。
【0009】
そこで、本発明は、搬送ベルトのキャリア側の蛇行が抑制されたベルトコンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、下記のベルトコンベアを要旨とする。
【0011】
(1)互いに離隔して配置された一対のプーリと、
前記一対のプーリに巻き掛けられた無端状の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトに埋められた一対の環状のロープと、
前記一対のプーリの間において前記搬送ベルトのキャリア側を支持する複数のキャリア側支持ユニットと、
前記一対のロープに張力を付与するための張力付与装置と、を備え、
前記複数のキャリア側支持ユニットはそれぞれ、前記搬送ベルトの前記キャリア側を、下方に向かって凸となるように湾曲させた状態で支持する複数のキャリアローラを有し、
前記搬送ベルトは、搬送面および裏面を有する平坦部と、前記平坦部の裏面から突出しかつ前記一対のロープがそれぞれ埋められた一対の突出部とを有し、
前記キャリア側支持ユニットにおいて、前記搬送ベルトの前記一対の突出部のうちの少なくとも一つと前記複数のキャリアローラのうちの少なくとも一つとが、前記搬送ベルトの幅方向において互いに係止することによって、前記キャリア側の前記幅方向への移動が規制される、ベルトコンベア。
【0012】
(2)前記張力付与装置は、前記一対のプーリの少なくとも一方を移動させることによって、前記一対のロープに付与される張力を調整する、上記(1)に記載のベルトコンベア。
【0013】
(3)前記キャリア側支持ユニットは、前記複数のキャリアローラとして、前記キャリア側の中央部を支持する中央ローラと、前記中央ローラを挟むように設けられた一対の傾斜ローラとを備え、
前記中央ローラは、水平方向に延びる回転軸を中心として回転可能に設けられ、
前記一対の傾斜ローラはそれぞれ、前記中央ローラ側から前記幅方向における外側に向かって斜め上方に延びる回転軸を中心として回転可能に設けられている、上記(1)または(2)に記載のベルトコンベア。
【0014】
(4)前記搬送ベルトの前記一対の突出部は、前記中央ローラに係止されるように設けられている、上記(3)に記載のベルトコンベア。
【0015】
(5)前記一対の突出部は、前記搬送ベルトの幅方向における両端部に設けられ、
前記搬送ベルトの幅方向において、前記一対の突出部のうちの一方は、前記一対の傾斜ローラのうちの一方の外側に配置され、前記一対の突出部のうちの他方は、前記一対の傾斜ローラのうちの他方の外側に配置される、上記(3)に記載のベルトコンベア。
【0016】
(6)前記搬送ベルトを断面袋状に湾曲させた状態で支持する複数の変形支持ユニットと、
前記搬送ベルトの移動経路において前記複数の変形支持ユニットの間に設けられかつ前記断面袋状に湾曲した状態の前記搬送ベルトの進行方向を変更する進行方向変更ユニットと、をさらに備え、
前記進行方向変更ユニットは、上下方向に延びる回転軸を中心として回転可能に設けられかつ上方から見て円形状を有する回転部材を有し、
前記回転部材の外周面には、当該回転部材の径方向内側に向かって凹む凹部が形成されており、
前記一対の突出部が前記回転部材の前記外周面に沿うように前記凹部に嵌まることによって、前記搬送ベルトが前記回転部材に支持されかつ前記搬送ベルトの進行方向が変更される、上記(5)に記載のベルトコンベア。
【0017】
(7)前記回転部材の前記外周面の前記凹部は、前記一対の突出部がそれぞれ嵌る一対の溝を含む、上記(6)に記載のベルトコンベア。
【0018】
(8)前記張力付与装置が前記一対のロープに付与した張力によって、前記一対の突出部が前記回転部材の前記外周面に押し付けられる、上記(6)または(7)に記載のベルトコンベア。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、搬送ベルトのキャリア側の蛇行を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、従来のベルトコンベアの基本的な構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II部分を示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、従来のベルトコンベアの一例を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係るベルトコンベアを上方から見た概略図(概略平面図)である。
【
図5】
図5は、ヘッドプーリと搬送ベルトとの関係を示す図である。
【
図10】
図10は、第3ベルト支持装置の変形例を示す図である。
【
図11】
図11は、第4ベルト支持装置の変形例を示す図である。
【
図12】
図12は、第4ベルト支持装置の他の変形例を示す図である。
【
図13】
図13は、進行方向変更ユニットと搬送ベルトとの関係を示す図である。
【
図14】
図14は、キャリア側支持ユニットの変形例を示す図である。
【
図15】
図15は、キャリア側支持ユニットの他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係るベルトコンベアについて図面を参照しつつ説明する。
【0022】
(ベルトコンベアの構成)
図4は、本発明の一実施形態に係るベルトコンベアを上方から見た概略図(概略平面図)である。
図5は、後述するヘッドプーリと搬送ベルトとの関係を示す図である。具体的には、
図5(a)は、ヘッドプーリおよび搬送ベルトをヘッドプーリの軸方向から見た図であり、
図5(b)は、
図5(a)のA-A部分を示す概略断面図である。なお、
図5(b)においては、図面が煩雑になることを避けるために、搬送ベルトおよび一対のワイヤロープについてのみ断面で示している。また、
図6は、
図4のB-B部分を示す概略断面図であり、
図7は、
図4のC-C部分を示す概略断面図であり、
図8は、
図4のD-D部分を示す概略断面図であり、
図9は、
図4のE-E部分を示す概略断面図である。
【0023】
図4に示すように、ベルトコンベア10は、ヘッドプーリ12、テールプーリ14、搬送ベルト16、駆動装置18、張力付与装置20、複数の第1ベルト支持装置22、複数の第2ベルト支持装置24、複数の第3ベルト支持装置26、複数の第4ベルト支持装置28、および進行方向変更ユニット30を備えている。複数の第1ベルト支持装置22、複数の第2ベルト支持装置24、複数の第3ベルト支持装置26、複数の第4ベルト支持装置28、および進行方向変更ユニット30は、ヘッドプーリ12とテールプーリ14との間において、搬送ベルト16の敷設方向に沿って互いに間隔をおいて設けられている。
【0024】
詳細は後述するが、本実施形態では、進行方向変更ユニット30によって、搬送ベルト16の進行方向が変更される。
図4に示すように、本実施形態では、進行方向変更ユニット30は、平面視において、搬送ベルト16のキャリア側16aの進行方向を矢印Y2で示す方向から矢印Y1で示す方向に略90度変更する。以下においては、ベルトコンベア10のうち、ヘッドプーリ12と進行方向変更ユニット30との間の領域を第1搬送領域A1と称し、進行方向変更ユニット30とテールプーリ14との間の領域を第2搬送領域A2と称する。
【0025】
なお、図示は省略するが、第1搬送領域A1において、複数の第1ベルト支持装置22、第2ベルト支持装置24、第3ベルト支持装置26および第4ベルト支持装置28を、共通の支持枠によって支持してもよい。同様に、第2搬送領域A2において、複数の第1ベルト支持装置22、第2ベルト支持装置24、第3ベルト支持装置26および複数の第4ベルト支持装置28を、共通の支持枠によって支持してもよい。
【0026】
図4に示すように、ヘッドプーリ12は、支持部材13によって回転可能に支持されている。テールプーリ14は、支持部材15によって回転可能かつ平面視においてテールプーリ14の軸方向に直交する方向(矢印Xで示す方向。以下、X方向と記載する。)に移動可能に支持されている。
【0027】
図5に示すように、本実施形態では、ヘッドプーリ12は、本体部12aと軸部12bとを有している。本体部12aおよび軸部12bはそれぞれ、円柱形状を有している。本体部12aの外周面において、該本体部12aの軸方向における両端部には、溝12c,12dが形成されている。溝12c,12dは、本体部12aの外周面の全周に亘って形成されている。
図4に示すように、テールプーリ14は、ヘッドプーリ12の本体部12aおよび軸部12bと同様の形状を有する本体部14aおよび軸部14bを有している。図示は省略するが、本体部14aには、溝12c,12d(
図5参照)と同様の一対の溝が形成されている。
【0028】
搬送ベルト16は、無端状に形成されている。搬送ベルト16の材料としては、公知の種々の材料(例えば、合成ゴム、樹脂材料等)を用いることができる。
図5に示すように、搬送ベルト16は、搬送面(表面)32aおよび裏面32bを有する平坦部32と、平坦部32の裏面32bから突出する突出部34a,34bとを有している。搬送物8は、搬送ベルト16のキャリア側16aの搬送面32aに載せられる。本実施形態では、突出部34a,34bは、搬送ベルト16の幅方向における両端部に設けられている。
【0029】
搬送ベルト16の突出部34a,34bにはそれぞれ、搬送ベルト16を補強するための補強部材として、環状のワイヤロープ36a,36bが埋め込まれている。なお、補強部材として、ワイヤロープ以外の他のロープを用いてもよい。例えば、綿、麻、または合成繊維等の素材を用いて製造される繊維ロープを用いてもよい。
【0030】
搬送ベルト16は、ヘッドプーリ12およびテールプーリ14に巻き掛けられている。本実施形態では、搬送ベルト16は、突出部34a,34bがヘッドプーリ12の本体部12aの一対の溝12c,12dおよびテールプーリ14の本体部14aの一対の溝(図示せず)に嵌るように、ヘッドプーリ12およびテールプーリ14に巻き掛けられている。このような構成により、搬送ベルト16が、ヘッドプーリ12の軸方向およびテールプーリ14の軸方向に移動することを抑制できる。その結果、搬送ベルト16が蛇行することを抑制できる。
【0031】
図4に示すように、ヘッドプーリ12の軸部12bは、駆動装置18に連結されている。駆動装置18が軸部12bを回転駆動することによって、本体部12aが回転し、搬送ベルト16が回転する。本実施形態では、例えば、搬送ベルト16のキャリア側16a(
図5(a)参照)が矢印Y1,Y2で示す方向に移動するように、駆動装置18によって本体部12aが回転駆動される。なお、駆動装置18としては、公知のベルトコンベアで用いられている駆動装置を利用できる。したがって、駆動装置18についての詳細な説明は省略する。
【0032】
張力付与装置20は、テールプーリ14をX方向に移動させることによってワイヤロープ36a,36bに張力を付与する装置である。本実施形態では、張力付与装置20は、テールプーリ14のX方向における位置を調整することによって、ワイヤロープ36a,36bに付与される張力を調整することができる。
【0033】
なお、張力付与装置20としては、公知のベルトコンベアにおいて利用されている張力付与装置を利用できる。したがって、張力付与装置20の詳細な説明は省略する。また、
図4の例では、テールプーリ14を移動させることによってワイヤロープ36a,36bに張力を付与できるように張力付与装置20を配置しているが、ヘッドプーリ12を移動させることによってワイヤロープ36a,36bに張力を付与できるように張力付与装置20を配置してもよい。また、ヘッドプーリ12とテールプーリ14との間に、張力付与装置として、張力付与用のプーリを設けてもよい。
【0034】
図6に示すように、各第1ベルト支持装置22は、搬送ベルト16のキャリア側16aを支持するキャリア側支持ユニット38と、キャリア側支持ユニット38の下方において搬送ベルト16のリターン側16bを支持するリターン側支持ユニット40とを有している。本実施形態では、キャリア側支持ユニット38およびリターン側支持ユニット40は、支持部材42によって地面G上に支持されている。
【0035】
キャリア側支持ユニット38は、複数のキャリアローラを有している。本実施形態では、キャリア側支持ユニット38は、複数のキャリアローラとして、搬送ベルト16のキャリア側16aの中央部を支持する中央ローラ44と、キャリア側16aの幅方向における両側から中央ローラ44を挟むように設けられた一対の傾斜ローラ46a,46bとを有している。
【0036】
中央ローラ44は、水平方向に延びる回転軸を中心として回転可能に、支持部材42に支持されている。傾斜ローラ46a,46bはそれぞれ、中央ローラ44側から上記幅方向における外側に向かって斜め上方に延びる回転軸を中心として回転可能に、支持部材42に支持されている。なお、
図6においては、中央ローラ44および傾斜ローラ46a,46bの回転中心(回転軸)を一点鎖線で示している。
【0037】
キャリア側支持ユニット38は、中央ローラ44および一対の傾斜ローラ46a,46bによって、搬送ベルト16のキャリア側16aをトラフ状に湾曲させて支持する。より具体的には、キャリア側支持ユニット38は、キャリア側16aを、下方に向かって凸となるように湾曲させた状態で支持する。
【0038】
本実施形態では、搬送ベルト16の幅方向において、突出部34aは傾斜ローラ46aの外側に配置され、突出部34bは傾斜ローラ46bの外側に配置されている。このような構成により、突出部34aが中央ローラ44側へ移動することは、突出部34aが傾斜ローラ46aに係止されることによって規制される。また、突出部34bが中央ローラ44側へ移動することは、突出部34bが傾斜ローラ46bに係止されることによって規制される。これにより、キャリア側支持ユニット38上においてキャリア側16aが幅方向に大きく揺れ動くことを防止することができる。
【0039】
リターン側支持ユニット40は、リターンローラ48を有している。リターンローラ48は、水平方向に延びる回転軸を中心として回転可能に、支持部材42に支持されている。なお、本実施形態では、ヘッドプーリ12(
図4参照)から送り出されたリターン側16bは、後述する反転装置52(
図4参照)によって上下反転された後に、複数の第1ベルト支持装置22を通過する。このため、本実施形態では、リターン側支持ユニット40のリターンローラ48は、キャリア側支持ユニット38の中央ローラ44および傾斜ローラ46a,46bと同様に、搬送ベルト16の裏面32b側を支持している。詳細な説明は省略するが、溝12c,12d(
図5参照)と同様の一対の溝をリターンローラ48に形成し、その一対の溝に、突出部34a,34bを嵌めてもよい。この場合、搬送ベルト16のリターン側16bがリターンローラ48の軸方向に移動することを防止できるので、搬送ベルト16の蛇行を十分に抑制することができる。また、詳細な説明は省略するが、突出部34aと突出部34bとの間にリターンローラ48が嵌るように、リターンローラ48の長さを設定してもよい。この場合、突出部34a,34bがリターンローラ48の両端面に引っ掛かることによって、リターン側16bがリターンローラ48の軸方向に移動することを防止できる。
【0040】
図4に示すように、第2ベルト支持装置24は、キャリア側支持ユニット50と、キャリア側支持ユニット50の下方に設けられた反転装置52とを有している。キャリア側支持ユニット50は、キャリア側支持ユニット38と同様の構成を有しているので詳細な説明は省略するが、キャリア側支持ユニット38と同様に搬送ベルト16のキャリア側16aを支持する。
【0041】
反転装置52は、搬送ベルト16のリターン側16b(
図6参照)において、搬送面32a(
図6参照)および裏面32b(
図6参照)の上下方向における位置を反転させる装置である。
図4に示すように、本実施形態では、第1搬送領域A1および第2搬送領域A2にそれぞれ、反転装置52が設けられている。
【0042】
本実施形態では、第1搬送領域A1におけるヘッドプーリ12と反転装置52との間、および第2搬送領域A2におけるテールプーリ14と反転装置52との間の部分では、搬送ベルト16のリターン側16bは、搬送面32aが下方を向き、裏面32bが上方を向いている。一方、第1搬送領域A1に設置された反転装置52と第2搬送領域A2に設定された反転装置52との間の部分では、搬送ベルト16のリターン側16bは、搬送面32aが上方を向き、裏面32bが下方を向いた状態で、複数の第1ベルト支持装置22、複数の第3ベルト支持装置26および複数の第4ベルト支持装置28を通過する。このようにリターン側16bを反転装置52によって反転させることによって、搬送面32aに付着した搬送物8がリターン側16bから落下することを抑制することができる。なお、反転装置52としては公知の種々の反転装置を利用できるので、反転装置52の詳細な説明は省略する。
【0043】
図7に示すように、各第3ベルト支持装置26は、枠体54および枠体54に支持された変形支持ユニット56,58を有している。なお、詳細な説明は省略するが、枠体54は、地面上に設置されてもよく、ロープ等を用いて空中に吊り下げられていてもよい。
【0044】
変形支持ユニット56は、枠体54に回転可能に支持された一対の支持ローラ56a,56bと、枠体54に回転可能に支持された一対のキャリアローラ56c,56dとを有している。変形支持ユニット58は、変形支持ユニット56の下方に設けられている。変形支持ユニット58は、枠体54に回転可能に支持された一対の支持ローラ58a,58bと、枠体54に回転可能に支持された一対のリターンローラ58c,58dとを有している。なお、
図7においては、各ローラの回転中心(回転軸)を一点鎖線で示している。
【0045】
変形支持ユニット56の支持ローラ56a,56bは、搬送ベルト16のキャリア側16aが断面袋状になるように、キャリア側16aの両端部(本実施形態では、突出部34a,34b)を裏面32b側から支持する。キャリアローラ56c,56dは、支持ローラ56a,56bよりも下方において、キャリア側16aを下方から支持する。
【0046】
変形支持ユニット58の支持ローラ58a,58bは、搬送ベルト16のリターン側16bが断面袋状になるように、リターン側16bの両端部(本実施形態では、突出部34a,34b)を裏面32b側から支持する。リターンローラ58c,58dは、支持ローラ58a,58bよりも下方において、リターン側16bを下方から支持する。
【0047】
なお、本実施形態では、搬送ベルト16のキャリア側16aを曲げることによって生じる復元力によって、キャリア側16aの両端部(突出部34a,34b)が支持ローラ56a,56bに押し付けられる。これにより、キャリア側16aの両端部が支持ローラ56a,56bから脱落することを防止できる。同様に、搬送ベルト16のリターン側16bを曲げることによって生じる復元力によって、リターン側16bの両端部(突出部34a,34b)が支持ローラ58a,58bに押し付けられる。これにより、リターン側16bの両端部が支持ローラ58a,58bから脱落することを防止できる。詳細な説明は省略するが、後述の第4ベルト支持装置28においても同様である。
【0048】
なお、本明細書において、搬送ベルト16を断面袋状にするとは、搬送ベルト16の進行方向に直交する断面において、両端部が上端に位置しかつ中央部が下端に位置するようにキャリア側を湾曲させることを意味する。
【0049】
図8に示すように、各第4ベルト支持装置28は、枠体60および枠体60に支持された変形支持ユニット62,64を有している。なお、詳細な説明は省略するが、枠体60は、上述の枠体54と同様に、地面上に設置されてもよく、ロープ等を用いて空中に吊り下げられていてもよい。
【0050】
変形支持ユニット62は、枠体60に回転可能に支持された一対の支持ローラ62a,62bと、枠体60に回転可能に支持された一対のキャリアローラ62c,62dとを有している。変形支持ユニット64は、変形支持ユニット62の下方に設けられている。変形支持ユニット64は、枠体60に回転可能に支持された一対の支持ローラ64a,64bと、枠体60に回転可能に支持された一対のリターンローラ64c,64dとを有している。なお、
図8においては、各ローラの回転中心(回転軸)を一点鎖線で示している。
【0051】
変形支持ユニット62の支持ローラ62a,62bは、搬送ベルト16のキャリア側16aが断面袋状になるように、キャリア側16aの両端部(本実施形態では、突出部34a,34b)を裏面32b側から支持する。より具体的には、支持ローラ62a,62bは、第3ベルト支持装置26に支持されたキャリア側16a(
図7参照)よりも両端部(突出部34a,34b)の距離が小さくなるように、キャリア側16aの両端部を裏面32b側から支持する。キャリアローラ62c,62dは、支持ローラ62a,62bよりも下方において、キャリア側16aを下方から支持する。
【0052】
変形支持ユニット64の支持ローラ64a,64bは、搬送ベルト16のリターン側16bが断面袋状になるように、リターン側16bの両端部(本実施形態では、突出部34a,34b)を裏面32b側から支持する。より具体的には、支持ローラ64a,64bは、第3ベルト支持装置26に支持されたリターン側16b(
図7参照)よりも両端部(突出部34a,34b)の距離が小さくなるように、リターン側16bの両端部を裏面32b側から支持する。リターンローラ64c,64dは、支持ローラ64a,64bよりも下方において、リターン側16bを下方から支持する。
【0053】
図9に示すように、進行方向変更ユニット30は、上下方向に延びる軸部材(回転軸)66、および軸部材66を中心として回転可能かつ上下方向に並ぶように設けられた回転部材68,70を有している。回転部材68,70はそれぞれ、上方から見て円形状を有している。本実施形態では、回転部材68,70はそれぞれ、円板形状を有している。
【0054】
回転部材68の外周面には、回転部材68の径方向内側に向かって凹む凹部69が形成されている。本実施形態では、凹部69は、上下方向に並ぶように設けられた一対の溝69a,69bを含む。凹部69(溝69a,69b)は、回転部材68の全周に亘って形成されている。同様に、回転部材70の外周面には、回転部材70の径方向内側に向かって凹む凹部71が形成されている。凹部71は、上下方向に並ぶように設けられた一対の溝71a,71bを含む。凹部71(溝71a,71b)は、回転部材70の全周に亘って形成されている。
【0055】
図4に示すように、進行方向変更ユニット30は、搬送ベルト16の移動経路において、第1搬送領域A1に設置された第4ベルト支持装置28と、第2搬送領域A2に設置された第4ベルト支持装置28との間に設けられる。このような配置により、
図4および
図9に示すように、進行方向変更ユニット30は、変形支持ユニット62(
図8参照)によって断面袋状にされた状態のキャリア側16aおよび変形支持ユニット64(
図8参照)によって断面袋状にされた状態のリターン側16b(
図8参照)の進行方向を変更する。
【0056】
図9に示すように、本実施形態では、キャリア側16aの突出部34a,34bは、回転部材68の外周面の一部の領域(本実施形態では、周方向における約1/4の領域)に沿うように凹部69に嵌っている。より具体的には、突出部34aが溝69aに嵌められ、突出部34bが溝69bに嵌められている。このような構成により、回転部材68は、キャリア側16aを支持しつつ、キャリア側16aの進行方向を変更することができる。
【0057】
同様に、リターン側16bの突出部34a,34bは、回転部材70の外周面の一部の領域に沿うように凹部71に嵌っている。より具体的には、突出部34aが溝71bに嵌められ、突出部34bが溝71aに嵌められている。このような構成により、回転部材70は、リターン側16bを支持しつつ、リターン側16bの進行方向を変更することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、張力付与装置20(
図4参照)によってワイヤロープ36a,36bに付与した張力によって、搬送ベルト16の突出部34a,34bを回転部材68,70の凹部69,71に押し付けることができる。このため、回転部材68,70の径方向外側から他の部材を用いて突出部34a,34bを回転部材68,70に押し付けることなく、回転部材68,70によって搬送ベルト16を支持することができる。これにより、進行方向変更ユニット30の構成を簡略化できる。
【0059】
(本実施形態の効果)
以上のように、本実施形態に係るベルトコンベア10では、第1ベルト支持装置22のキャリア側支持ユニット38において、搬送ベルト16の突出部34a,34bと、傾斜ローラ46a,46bとが互いに係止することによって、搬送ベルト16のキャリア側16aが幅方向に大きく揺れ動くことを防止することができる。これにより、キャリア側16aの蛇行を抑制することができる。
【0060】
特に、本実施形態では、張力付与装置20によって突出部34a,34b内に設けられたワイヤロープ36a,36bに十分な張力を付与することができる。これにより、突出部34a,34bと傾斜ローラ46a,46bとが互いに係止した際に、突出部34a,34bが傾斜ローラ46a,46bの角部を乗り越えて搬送ベルト16の幅方向に移動することを十分に抑制できる。その結果、キャリア側16aの蛇行を十分に抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、第4ベルト支持装置28の変形支持ユニット62,64によって、搬送ベルト16を断面袋状に変形させることができる。これにより、例えば、ベルトコンベア10の設置場所の地形等の制約により、隣り合う第4ベルト支持装置28の間隔を大きくする必要がある場合でも、搬送ベルト16から搬送物8が落下することを十分に抑制することができる。
【0062】
(他の実施形態)
【0063】
反転装置52の位置は上述の例に限定されず、ベルトコンベア10の他の構成要素との関係を考慮して反転装置52の位置を適宜変更してもよい。
【0064】
なお、ベルトコンベア10が反転装置52を備えていなくてもよい。この場合、第3ベルト支持装置26および第4ベルト支持装置28の構成を適宜変更することが好ましい。例えば、
図10に示すように、第3ベルト支持装置26の変形支持ユニット58において、支持ローラ58a,58b(
図7参照)の代わりに、上下方向に延びる回転軸周りに回転可能に枠体54に支持された円柱状の支持ローラ58e,58fを用いることができる。本実施形態では、支持ローラ58e,58fは、搬送ベルト16のリターン側16bが断面袋状になるように、リターン側16bの両端部を搬送面32a側から支持する。
【0065】
また、例えば、
図11に示すように、第4ベルト支持装置28の変形支持ユニット64において、支持ローラ64a,64b(
図8参照)の代わりに、上下方向に延びる回転軸周りに回転可能に枠体60に支持された円柱状の支持ローラ64e,64fを用いることができる。支持ローラ64e,64fは、搬送ベルト16のリターン側16bが断面袋状になるように、リターン側16bの両端部を搬送面32a側から支持する。なお、本実施形態では、支持ローラ64e,64fはそれぞれ、下部の直径が上部の直径よりも大きい。これにより、搬送ベルト16のリターン側16bの両端部が、支持ローラ64e,64fの間から下方に抜け落ちることを十分に防止できる。
【0066】
また、例えば、
図12に示すように、第4ベルト支持装置28の変形支持ユニット64において、支持ローラ64a,64b(
図8参照)の代わりに、上下方向に延びる回転軸周りに回転可能に枠体60に支持された円柱状の支持ローラ64g,64hを用いることもできる。本実施形態では、支持ローラ64g,64hの上下方向における位置は互いに異なる。支持ローラ64g,64hは、突出部34aが突出部34bの下方に嵌るようにリターン側16bの両端部を搬送面32a側から支持する。
【0067】
なお、ベルトコンベア10に反転装置52が設けられない場合には、
図13に示すように、リターン側16bの突出部34aが溝71aに嵌められ、リターン側16bの突出部34bが溝71bに嵌められる。この場合でも、上述の実施形態と同様に、回転部材70は、リターン側16bを支持しつつ、リターン側16bの進行方向を変更することができる。
【0068】
上述の実施形態では、キャリア側支持ユニット38が搬送ベルト16のキャリア側16aを下方から支持する複数のキャリアローラ44,46a,46b(
図6参照)を備える場合について説明したが、キャリア側支持ユニット38がさらに他のローラを備えてもよい。具体的には、
図14に示すように、キャリア側支持ユニット38が、キャリア側16aを幅方向における両側から挟むように設けられた一対の規制ローラ80,82をさらに備えていてもよい。なお、
図14においては、規制ローラ80,82の回転中心(回転軸)を一点鎖線で示している。
【0069】
本実施形態では、規制ローラ80,82は、例えば、搬送ベルト16の敷設方向においてキャリアローラ44,46a,46b(
図6参照)とは異なる位置において、支持部材42に回転可能に支持される。具体的には、例えば、搬送ベルト16の敷設方向において、規制ローラ80,82とキャリアローラ44,46a,46bとが交互に設けられる。なお、搬送ベルト16の敷設方向において、規制ローラ80,82がキャリアローラ44,46a,46bと同じ位置に設けられてもよい。具体的には、キャリアローラ44,46a,46bの外側に規制ローラ80,82が設けられてもよい。
【0070】
本実施形態では、規制ローラ80は、上下に離隔して設けられる円柱状の一対の規制部80a,80b、および規制部80aと規制部80bとを接続する円柱状の接続部80cを備える。接続部80cの直径は、規制部80a,80bの直径よりも小さい。詳細な説明は省略するが、規制ローラ82は規制ローラ80と同様の構成を有し、円柱状の一対の規制部82a,82bおよび円柱状の接続部82cを備える。
【0071】
本実施形態では、規制ローラ80の規制部80aと規制部80bとの間に搬送ベルト16の突出部34aが位置づけられ、規制ローラ82の規制部82aと規制部82bとの間に搬送ベルト16の突出部34bが位置づけられる。これにより、キャリア側16aの幅方向両端部が上方に浮き上がることを防止することができ、キャリア側16aが蛇行することを十分に抑制することができる。なお、本実施形態では、ワイヤロープ36a,36bによって、キャリア側16aの幅方向両端部に十分な張力が付与されている。これにより、キャリア側16aの幅方向中央部が変形したとしても、キャリア側16aの幅方向両端部の位置(幅方向における位置)が移動することを十分に抑制できる。その結果、キャリア側16aの幅方向両端部が規制ローラ80,82から外れることを十分に抑制できる。
【0072】
上述の実施形態では、第1ベルト支持装置22と進行方向変更ユニット30との間において、搬送ベルト16の形状を第3ベルト支持装置26および第4ベルト支持装置28によって段階的に変形させる場合について説明したが、複数の第3ベルト支持装置26および複数の第4ベルト支持装置28のうちの一方を設けなくてもよい。また、搬送ベルト16からの搬送物8の落下を適切に抑制できる場合には、第3ベルト支持装置26および第4ベルト支持装置28を設けなくてもよい。
【0073】
また、上述の実施形態では、進行方向変更ユニット30によって搬送ベルト16の進行方向を変更する場合について説明したが、搬送ベルト16の進行方向を変更する必要がない場合には、進行方向変更ユニット30を設けなくてもよい。
【0074】
また、進行方向変更ユニット30を設けない場合には、搬送ベルトの一対の突出部が搬送ベルトの幅方向における両端部に設けられなくてもよい。具体的には、一対の突出部のうちの少なくとも一つとキャリア側支持ユニットの複数のキャリアローラのうちの少なくとも一つとが、搬送ベルトの幅方向において互いに係止できるように、一対の突出部が設けられていればよい。したがって、例えば、
図15に示すように、一対の突出部34a,34bが中央ローラ44に係止されるように設けられていてもよい。また、図示は省略するが、キャリアローラ(
図15では、中央ローラ44および傾斜ローラ46a,46b)に溝を形成し、その溝に嵌るように、搬送ベルトに突出部を設けてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態では、キャリア側支持ユニットが3つのキャリアローラを備える場合について説明したが、キャリア側支持ユニットが備えるキャリアローラの数は、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によれば、搬送ベルトのキャリア側の蛇行を抑制することができる。
【符号の説明】
【0077】
10 ベルトコンベア
12 ヘッドプーリ
14 テールプーリ
16 搬送ベルト
16a キャリア側
16b リターン側
32 平坦部
32a 搬送面
32b 裏面
34a,34b 突出部
36a,36b ワイヤロープ
38,50 キャリア側支持ユニット
44 中央ローラ
46a,46b 傾斜ローラ
56,58,62,64 変形支持ユニット
66 軸部材
68,70 回転部材
69,71 凹部
69a,69b,71a,71b 溝