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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】α+β型チタン合金棒材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22F 1/18 20060101AFI20231213BHJP
   C22C 14/00 20060101ALI20231213BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20231213BHJP
【FI】
C22F1/18 H
C22C14/00 Z
C22F1/00 624
C22F1/00 630G
C22F1/00 631A
C22F1/00 682
C22F1/00 683
C22F1/00 691B
C22F1/00 691C
C22F1/00 694A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020028004
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021130861
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100187702
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 律生
(74)【代理人】
【識別番号】100162204
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 学
(72)【発明者】
【氏名】森 健一
(72)【発明者】
【氏名】奥井 利行
(72)【発明者】
【氏名】西山 真哉
(72)【発明者】
【氏名】橋本 翔太朗
【審査官】鈴木 毅
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-159562(JP,A)
【文献】特開2006-219734(JP,A)
【文献】特開2003-201530(JP,A)
【文献】特開昭60-33805(JP,A)
【文献】特開2015-4100(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105525141(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104942016(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22F 1/18
C22C 14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
α+β型チタン合金鋳塊をTβ+30℃以上、Tβ+250℃未満に加熱し、
加熱した前記チタン合金鋳塊に減面率70%以上の第一の圧延を施す第一圧延工程、
圧延されたチタン合金の平均の表面温度を800℃以上、Tβ-50℃以下の範囲に、2分以上、6分以下の間保持する保持工程、
保持後の前記チタン合金に減面率50%以上の第二の圧延を施す第二圧延工程
を順に備えることを特徴とするα+β型チタン合金棒材の製造方法。
ここで、Tβはβ変態温度である。
【請求項2】
さらに、前記第一圧延工程と、前記第二圧延工程の間に、前記チタン合金の先後端を1000℃以上に加熱する先後端加熱工程を備えることを特徴とする請求項1に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
【請求項3】
前記α+β型チタン合金棒材は自動車用コネクティングロッド用の棒材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
【請求項4】
前記α+β型チタン合金鋳塊の化学成分が、質量%でAl:2.5~8.0%、Fe:0.5~3.0%、及びO:0.01~0.30%を含有し、残部がTi及び不純物であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
【請求項5】
前記Tiの一部に代えて、Sn、Zr、Mo、Si、Cu、及びNbの1種以上を各3.0%以下含有する請求項4に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α+β型チタン合金棒材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、エンジンのピストンピンあるいはクロスヘッドピンと、クランクとを連結するのに使用されるコンロッドとしては、従来、鉄系材料の鍛造品が主に使用されていた。鉄系材料は比重が大きいため、コンロッドの軽量化に限界があり、エンジンの軽量化による燃料経済性の向上や、高速回転化による動力性能の向上などを実現するうえでの支障となっていた。
【0003】
一般に、自動車や産業機械などにおいて使用されるコンロッドは、疲労強度、靭延性、耐摩耗性、被削性などが求められる。チタン合金は、これらの要求に応える優れた特性を有し、たとえばレーシングカーのような特殊な用途においてもチタン合金製のコンロッドが使用されている。代表的なものとしては、Ti-6Al-4Vが挙げられる。
【0004】
特許文献1には、表層部が微細な等軸晶であって破壊の起点となる亀裂の生じにくい組織であり、内部が粗い板状晶または針状晶であって亀裂が伝播しにくい組織である、疲労強度が向上したチタン合金が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平05-311366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、α+β型チタン合金丸棒は、以下のような工程で製造される。
【0007】
はじめに、スポンジチタン、母合金、チタンスクラップなどを溶解原料として、真空アーク溶解法、電子ビーム溶解法、プラズマ溶解法などにより、鋳塊を製造する。次に、鋳塊をβ域に加熱後、分塊鍛造あるいは分塊圧延による分塊工程を経てビレットを得、冷却後、β域あるいはα+β域に加熱して、圧延により丸棒を製造する。一般に、β域圧延よりもα+β域圧延の方が微細で等軸に近い結晶粒で構成される微視組織が得られ、疲労強度が高い丸棒が得られる。
【0008】
分塊鍛造は加熱と鍛造を繰り返し行うが、微視組織の微細等軸化のため、前段はβ域加熱、後段はα+β域加熱を行うことが一般的である。そのため、分塊圧延と比較して、生産効率が低くなる。
【0009】
分塊圧延は、β域に加熱した後に高効率な圧延ラインで圧延を行うので、圧延終了時にも素材内部の温度はβ域である。したがって、良好な微視組織を得ることが困難である。そこで、分塊圧延後のビレットを冷却した後に切断し、改めて加熱炉に装入してα+β域加熱を行い、圧延することで微視組織を改善する必要が生じる。したがって、生産効率が十分に高いとはいえない。なお、切断を行う理由は、β域圧延によって素材が伸びるために、加熱炉に入らないことが多いためである。
【0010】
また、分塊圧延の初期加熱を低い温度で行うと、圧延中の素材温度の低下によって圧延モータートルクが上昇し、トルクが設備許容値を超えたり、圧延が停止したりする場合がある。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑み、良好な圧延性を確保しつつ疲労強度が高いα+β型チタン合金棒材の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、良好な圧延性を確保しつつ疲労強度が高いα+β型チタン合金棒材を製造する方法について鋭意検討した。その結果、チタン合金に適切な熱履歴を与えることにより、チタン合金の微視組織を改善して高い疲労強度を得、さらに、圧延モータートルクの上昇を抑えることもできることを見出した。
【0013】
本発明は上記の知見に基づき、さらに検討を進めてなされたものであって、その要旨は以下のとおりである。
【0014】
(1)α+β型チタン合金鋳塊をTβ+30℃以上、Tβ+250℃未満に加熱し、加熱した前記チタン合金鋳塊に減面率70%以上の第一の圧延を施す第一圧延工程、圧延されたチタン合金の平均 の表面温度を800℃以上、Tβ-50℃以下の範囲に、2分以上、6分以下の間保持する保持工程、保持後の前記チタン合金に減面率50%以上の第二の圧延を施す第二圧延工程を順に備えることを特徴とするα+β型チタン合金棒材の製造方法。ここで、Tβはβ変態温度である。
【0015】
(2)さらに、前記第一圧延工程と、前記第二圧延工程の間に、前記チタン合金の先後端を1000℃以上に加熱する先行端加熱工程を備えることを特徴とする前記(1)のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
【0016】
(3)前記α+β型チタン合金棒材は自動車用コネクティングロッド用の棒材であることを特徴とする前記(1)又は(2)のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
【0017】
(4)前記α+β型チタン合金鋳塊の化学成分が、質量%でAl:2.5~8.0%、Fe:0.5~3.0%、及びO:0.01~0.30%を含有し、残部がTi及び不純物であることを特徴とする前記(1)~(3)のいずれかのα+β型チタン合金棒材の製造方法。
【0018】
(5)前記Tiの一部に代えて、Sn、Zr、Mo、Si、Cu、及びNbの1種以上を各3.0%以下含有する前記(4)のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、α+β型チタン合金鋳塊を直接加工して製造するチタン合金棒材において、良好な圧延性を確保しつつ、疲労強度が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のα+β型チタン合金棒材の製造方法においては、分塊工程、その後の冷却を経ずに鋳塊を直接熱延し、疲労強度の高い棒材を得る。この機構は以下のように推定される。
【0021】
鋳造ままの鋳塊には、柱状晶や等軸晶といった粗大な鋳造組織が形成されている。一般的な製造方法では、分塊鍛造を行うことで鋳造組織を破壊して、中間程度の細かさの結晶組織を得る。鋳塊を、分塊鍛造を経ないで直接熱延して棒材を製造する場合、鋳造組織の微細化が不充分で粗大なミクロ組織になりやすい。その結果、特に疲労強度が低下しやすい。
【0022】
一般に、疲労破壊は棒材の表面のき裂の発生に起因するため、棒材の表層部の組織を微細化することが、疲労強度の向上に有効である。本発明者らの検討の結果、鋳造組織を微細化するためには、β域からα+β域にかけて温度が低下する過程で、その両方の温度域でひずみを加えるとよいことが分かった。
【0023】
チタン合金鋳塊をβ域に加熱した後、第一の圧延で表層部にひずみを加えることでα相が析出しやすくなり、温度が低下するに従い、β粒界およびβ粒内にα相が析出する。さらに、α相の析出が早い温度域(TTT線図のノーズ部)で保持することによって、α相の析出がさらに促進され、α相にひずみを加えることが容易になる。
【0024】
その後に第二の圧延を行うことで、β粒界やβ粒内に析出したα相が分断されたり、新たに生成するための析出サイトが増加するなどして、微細な組織が形成される。
【0025】
以下、本発明のα+β型チタン合金棒材の製造方法について詳細に説明する。
【0026】
初めに、α+β型チタン合金鋳塊を製造する。チタン合金鋳塊は、公知の方法で製造すればよい。具体的には、スポンジチタン、母合金、チタンスクラップなどを溶解原料として、真空アーク溶解法、電子ビーム溶解法、プラズマ溶解法などにより、鋳塊を製造することができる。
【0027】
次に、チタン合金鋳塊を、β変態温度をTβとして、Tβ+30℃以上、Tβ+250℃未満に加熱し、減面率70%以上の第一の圧延を施す。加熱温度がTβ+30℃では、表面温度の低下により、表面割れを生じやすくなるため表面疵が増加しやすくなる。加熱温度がTβ+250℃を超えると、表層が著しく酸化し、表面疵が増加しやすくなる。減面率は、表層組織を十分に微細化するため、70%以上とする。
【0028】
次に、圧延されたチタン合金の表面温度を800℃以上、Tβ-50℃以下の範囲に、2分以上、6分以下の間保持する。β域圧延の後に冷却期間を設けることで、チタン合金の表層部でα相の析出を促し、微視組織を改善する。表面温度を上記の範囲に保持するため、保熱カバーを用いても良い。続いてチタン合金に減面率50%以上の第二の圧延を施す。
【0029】
圧延中の温度低下による圧延モータートルクは、α+β型チタン合金においては、鋼よりも顕著に上昇する。その理由は、単に温度低下に起因するのではなく、温度低下によってβ相(bcc構造)からα相(hcp構造)が析出し、変形しにくいα相の比率が増加するためと考えられる。その対策として、温度低下部を切断除去する対策が考えられる。しかしながら、この対策は歩留りの低下を招くため、圧延ライン中で加熱することが望ましい。
【0030】
本発明によれば、第一の圧延の後の保持工程における表面温度を800℃以上Tβ-50℃以下とすることで、第二の圧延において素材中心部は変形しやすいβ相が多く保持されるため、素材先後端における圧延モータートルクの増加を抑制できる。第二の圧延における温度は、低すぎると表面温度低下により表面疵が発生しやすくなること、及びα相率の過度の増加によってひずみによる分断効果が得られにくく組織が微細化されにくくなることから800℃以上が好ましく、Tβ-200℃または800℃の高い方の温度以上とすることがより好ましい。また、加工発熱による組織の粗大化を防ぐため、Tβ-70℃以下とすることがより好ましい。
【0031】
以上のようにして、素材表層部の微視組織の改善と、圧延性の向上を両立することができる。
【0032】
さらに、第一の圧延と第二の圧延の間に、チタン合金の先後端を1000℃以上に加熱することで、圧延モータートルクの上昇をより効果的に抑制することができる。この加熱をライン上で行えば、チタン合金の切断の必要がなく好ましい。加熱の方法は、可燃性ガスと酸素による加熱、誘導加熱、アーク加熱、電子ビーム加熱、レーザー加熱のうちの一種または2種以上を組合わせて用いることができる。放熱による表層下部層の温度低下を短時間で補うためには、表面温度は高い方が望ましい。
【0033】
本発明のα+β型チタン合金棒材の製造方法により製造したα+β型チタン合金棒材は、たとえば自動車用コネクティングロッド用の棒材に好適である。
【0034】
本発明のα+β型チタン合金棒材の化学成分は特に限定されない。一例として、質量%でAl:2.5~8.0%、Fe:0.5~3.0%、及びO:0.01~0.30%を含有し、残部がTi及び不純物であるチタン合金棒材とすることができる。
【0035】
また、前記Tiの一部に代えて、Sn、Zr、Mo、Si、Cu、及びNbの1種以上を各3.0%以下含有することができる。
【実施例
【0036】
[実施例1]
電子ビーム溶解法により製造された、断面310×440mmあるいは直径300mmのTi-5%Al-1%Fe-0.18%O(Tβは1015℃)で表されるα+β型チタン合金鋳塊を、表1に記載の温度に加熱し、表1の記載の第一圧延減面率で第一の圧延を施し、圧延されたチタン合金の表面温度を表1に記載の範囲に保持時間の間保持し、続いて、表1の記載の第二圧延減面率で第二の圧延を施しチタン合金丸棒を得た。
【0037】
製造中、第二の圧延工程のうち、最終の圧延スタンド通過時の定常部と先後端の圧延モータートルクを測定し、トルク比(定常部の圧延モータートルク値に対する先後端の圧延モータートルク値の比)を求め、表1に示した。
【0038】
ここで、先後端の圧延モータートルクは、先端あるいは後端の高い方とした。定常部の圧延モータートルクは、先後端近傍のトルク上昇部を除いた平均値とした。本実施例では、トルク比が150%以下の場合、圧延設備に対する負荷の観点から、製造条件が良好であると判断した。
【0039】
得られたチタン合金丸棒の表層付近から、平行部φ8mmの疲労試験片を採取した。疲労試験は、回転曲げ疲労試験を室温で1×10回まで行い、破断しなかった最大の応力を疲労強度とし、500MPa以上を良好と判断した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
No.1~10は、310×440mmの鋳塊を用いて行った。
【0042】
No.1、2、3、5、7、8は、減面率、保持温度とも本発明の範囲であり、トルク比が150%以下で、疲労強度は500MPa以上であった。
【0043】
No.4は保持温度が高く、No.6は第二圧延の減面率が小さく、いずれも本発明の範囲を外れており、疲労強度が500MPa未満であった。
【0044】
No.9は保持温度が低く、丸棒表面に割れが多く発生していたため、疲労試験片の採取ができなかった。
【0045】
No.11~13は、φ300mmの鋳塊を用いて行った。
【0046】
No.11は本発明の例であり、500MPa以上の疲労強度が得られた。
【0047】
No.12は保持温度が低く、No.13は第一圧延の減面率が不足しており、いずれも疲労強度が500MPa未満であった。
【0048】
No.14は、第一の圧延の後で、先後端の加熱を行った実施例である。LPGと酸素を用いてガス加熱を行い、1000℃以上に加熱した。加熱条件と圧延条件が同じNo.1と比較して、トルク比が低下したが、疲労強度は同じであった。
【0049】
[参考例]
従来技術により、消耗電極式真空アーク溶解法により製造された、直径730mmのTi-5%Al-1%Fe-0.18%O(Tβは1015℃)で表されるα+β型チタン合金鋳塊を、β域に加熱して鍛造する工程により、直径200mmの圧延素材とした。次いで、α+β域に加熱して、減面率78%の圧延を施しチタン合金丸棒を得た。得られたチタン合金丸棒について、実施例1と同様の方法で、疲労強度を測定した結果、1×10回まで破断しなかった最大の応力は500MPaであった。この結果から、本発明のチタン合金棒材の製造方法による実施例1は、分塊工程を省略しても、分塊鍛造工程を含む従来技術により製造されたチタン合金丸棒と同等以上の疲労強度が得られることが確認できた。
【0050】
[実施例2]
表2に示す化学組成の、直径300mmのα+β型チタン合金鋳塊を、表2に記載の温度に加熱し、第一圧延減面率74%で第一の圧延を施し、圧延されたチタン合金の表面温度を表2に示す温度範囲および保持時間の間保持した。続いて、第二圧延減面率78%で第二の圧延を施しチタン合金丸棒を得た。
【0051】
実施例1と同様に、第二の圧延におけるトルク比を求め、表2に示した。
【0052】
得られたチタン合金丸棒について、実施例1と同様の方法で、疲労強度を測定した。結果を表2に示す。
【0053】
No.1、3、5、7、8、9、12、13の保持温度および保持時間は、いずれも本発明の範囲であり、トルク比は150%以下であった。
【0054】
No.2、4、6、10、11、14は、保持温度あるいは保持時間が本発明の範囲を外れており、一部でトルク比が150%を超えていた。
【0055】
同じ化学組成のα+β型チタン合金で比較した場合、No.1、3、5、7、8、9、10、12、13の方が疲労強度が高かった。
【0056】
さらに、No.7と8を比較した場合、No.7(Tβ-最高保持温度=55℃)よりも、No.8(Tβ-最高保持温度=75℃)の方が、疲労強度が高かった。
【0057】
同様に、No.12と13を比較した場合、No.12(Tβ-最高保持温度=60℃)よりも、No.13(Tβ-最高保持温度=80℃)の方が、疲労強度が高かった。
【0058】
本発明のチタン合金棒材の製造方法によれば、分塊工程を省略しても、高い疲労強度を有するチタン合金母材を製造できることが確認できた。
【0059】
【表2】