(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像処理範囲指定方法及び画像処理範囲指定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20231213BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20231213BHJP
【FI】
G06F3/04842
G06F3/0488
(21)【出願番号】P 2022111689
(22)【出願日】2022-07-12
(62)【分割の表示】P 2018071295の分割
【原出願日】2018-04-03
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】猪子 敏行
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-300522(JP,A)
【文献】国際公開第2014/141314(WO,A1)
【文献】特開2015-228127(JP,A)
【文献】特開2015-191415(JP,A)
【文献】特開2013-178841(JP,A)
【文献】特開2013-175890(JP,A)
【文献】特開2010-204121(JP,A)
【文献】特開2009-131494(JP,A)
【文献】特開2005-322088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、複数の画像を含むコンテンツをタッチパネルディスプレイに表示し、
前記コンテンツは、ページ単位で表示され、少なくとも1つのページは、第1の枠と第2の枠とを含み、
前記プロセッサは、前記タッチパネルディスプレイに対する指示体の接触位置を特定し、
前記プロセッサは、前記接触位置
が前記第1の枠の内部である場合に、前記指示体の接触時間に応じて処理範囲を拡大し、
前記プロセッサは、前記処理範囲の拡大を
前記第1の枠の範囲内で停止する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記処理範囲に含まれる画像に対して所定の画像加工処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサが、複数の画像を含むコンテンツをタッチパネルディスプレイに表示し、
前記コンテンツは、ページ単位で表示され、少なくとも1つのページは、第1の枠と第2の枠とを含み、
プロセッサが、前記タッチパネルディスプレイに対する指示体の接触位置を特定し、
プロセッサが、前記接触位置が前記第1の枠の内部である場合に、前記指示体の接触時間に応じて処理範囲を拡大し、
プロセッサが、前記処理範囲の拡大を前記第1の枠の範囲内で停止する、
情報処理方法。
【請求項4】
プロセッサに、複数の画像を含むコンテンツをタッチパネルディスプレイに表示させ、
前記コンテンツは、ページ単位で表示され、少なくとも1つのページは、第1の枠と第2の枠とを含み、
プロセッサに、前記タッチパネルディスプレイに対する指示体の接触位置を特定させ、
プロセッサに、前記接触位置が前記第1の枠の内部である場合に、前記指示体の接触時間に応じて処理範囲を拡大させ、
プロセッサに、前記処理範囲の拡大を前記第1の枠の範囲内で停止させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像処理範囲指定方法及び画像処理範囲指定プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータネットワークを介して携帯端末等の情報処理装置に配信されるウェブサイト(Webページ,Webサービス)やオンラインゲーム、アプリケーションソフトウェア(以下「アプリ」という。)等のオンラインサービスによる各種サービスが広く普及している。
【0003】
アプリには、例えば、配信されたマンガを閲覧するためのアプリや、画像を編集するためのアプリ等がある。このようなアプリには、画面に表示されているマンガの進行を先送りしたり戻したりする機能(フリップ機能)や、マンガの一部画像を切り取って加工する機能(トリミング機能)等、複数の機能が付加されている。ユーザは、これら複数の機能のうち、所望の機能を適宜選択してアプリに実行させる。
【0004】
ここで、特許文献1には、ユーザーが切り取りたいと思う情報が記載されている範囲を人差し指でなぞりながら四角形で囲み指を画面から離し、この囲われた部分を画面で浮き上がったように表示させるフローティング化を行う電子ブックや携帯情報機器が開示されている。また、特許文献1には、画面上の2点P1、P2を指で指定して、当該2点を結ぶ線分を対角線とする長方形領域をフローティング化することも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているような切り取る画像の範囲を指でなぞるという動作は、タッチパネルディスプレイに表示されている画像範囲を動かす動作と同様である。また、画面上の2点P1、P2を指で指定して切り取る範囲を定めるという動作は、タッチパネルディスプレイに表示される画像を拡大又は縮小させる動作と同様である。
【0007】
このため、タッチパネルディスプレイに表示されている画像をトリミングする範囲を指定するための新しい動作(ジェスチャ)の開発が望まれている。また、そのジェスチャは、簡易なジャスチャであることが望まれる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、タッチパネルディスプレイに表示されている画像の処理範囲をユーザが簡易に指定できる、情報処理装置、画像処理範囲指定方法及び画像処理範囲指定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置、画像処理範囲指定方法及び画像処理範囲指定プログラムは以下の手段を採用する。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、動画又は静止画からなるコンテンツをタッチパネルディスプレイに表示する情報処理装置であって、前記タッチパネルディスプレイに対する指示体の接触位置を特定する接触位置特定手段と、前記接触位置を基準にし、前記タッチパネルディスプレイに表示されている画像の処理範囲を前記指示体の接触時間に応じて変化させる処理範囲変化手段と、を備える。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「画像処理範囲指定方法」は、動画又は静止画からなるコンテンツをタッチパネルディスプレイに表示する情報処理装置で行われる画像処理範囲指定方法であって、前記タッチパネルディスプレイに対する指示体の接触位置を特定する第1工程と、前記接触位置を基準にし、前記タッチパネルディスプレイに表示されている画像の処理範囲を前記指示体の接触時間に応じて変化させる第2工程と、を有する。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「画像処理範囲指定プログラム」は、動画又は静止画からなるコンテンツをタッチパネルディスプレイに表示する情報処理装置が備えるコンピュータを、前記タッチパネルディスプレイに対する指示体の接触位置を特定する接触位置特定手段と、前記接触位置を基準にし、前記タッチパネルディスプレイに表示されている画像の処理範囲を前記指示体の接触時間に応じて変化させる処理範囲変化手段と、して機能させる。
【0013】
上記「情報処理装置」には、以下に例示するように、種々の技術的限定を加えてもよい。また、同趣旨の技術的限定を、「画像処理範囲指定方法」が実行する処理ステップや「画像処理範囲指定プログラム」の機能に加えてもよい。
【0014】
前記処理範囲変化手段は、前記処理範囲の変化を開始した後に前記タッチパネルディスプレイから前記指示体が離間した場合、前記処理範囲の変化を停止する。
【0015】
前記処理範囲変化手段は、前記タッチパネルディスプレイに対する前記指示体の接触及び離間の繰り返しにより、前記処理範囲の拡大及び縮小を交互に行う。
【0016】
前記処理範囲変化手段は、前記接触位置を基準に前記処理範囲を変化させ、前記タッチパネルディスプレイから前記指示体が離間すると前記処理範囲をそれまでと逆向きに変化させ、その後、前記タッチパネルディスプレイに前記指示体が接触した場合に前記処理範囲の変化を停止する。
【0017】
前記処理範囲変化手段は、前記処理範囲の拡大及び縮小を繰り返す毎に、前記処理範囲の変化速度を変化させる。
【0018】
前記コンテンツは、コマを有するマンガであり、前記処理範囲変化手段は、前記コマの枠を基準に前記処理範囲を変化させる。
【0019】
前記処理範囲変化手段は、前記接触位置を基準に前記処理範囲を拡大し、前記接触位置を含む前記コマの枠まで前記処理範囲が拡大すると前記処理範囲の拡大を停止する。
【0020】
前記処理範囲変化手段は、前記接触位置を含む前記コマの中心から前記接触位置がずれている場合、前記処理範囲の周囲が前記コマの枠を構成する複数の辺に同じタイミングで達するように前記処理範囲の拡大速度を制御する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、タッチパネルディスプレイに表示されている画像の処理範囲をユーザが簡易に指定できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係るマンガ配信システムの構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るサーバの電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るトリミング範囲を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るマンガのコマ枠に対するトリミング範囲を示す模式 図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るトリミング範囲に対する加工例を示す模式図である 。
【
図7】本発明の実施形態に係る携帯端末のマンガ閲覧機能に関する機能ブロック図 である。
【
図8】本発明の実施形態に係るトリミング範囲指定処理の流れを示すフローチャー トである。
【
図9】本発明の他の実施形態に係るトリミング範囲を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る情報処理装置、画像処理範囲指定方法及び画像処理範囲指定プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、一例として、サーバから情報処理装置である携帯端末へマンガを配信し、配信されたマンガをユーザが携帯端末を用いて閲覧する形態について説明する。
【0024】
[1.マンガ配信システムの構成]
図1は、本実施形態に係るマンガ配信システム1の概略構成図である。マンガ配信システム1は、通信回線2、複数の携帯端末3、及びサーバ4を含んで構成される。
【0025】
通信回線2は、コンピュータネットワークを形成するものであり、例えば、電気事業者によって提供される広域通信回線である。
【0026】
携帯端末3は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコン等の情報処理端末であり、通信回線2を介して配信されるウェブサービスをユーザが利用するために用いられる。携帯端末3は、画像を表示するタッチパネルディスプレイ3a、音を出力するスピーカー3b、音が入力されるマイク3c、及び被写体を撮像するカメラ3d等を備える。ここで、タッチパネルディスプレイ3aは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)及びタッチセンサを備える。LCDは、各種画像を表示し、タッチセンサは、指、スタイラス、又はペン等の指示体を用いて行われる各種入力操作を受け付ける。
【0027】
サーバ4は、通信回線2を介して、携帯端末3へウェブサービスを配信する情報処理装置である。
【0028】
本実施形態に係るマンガ配信システム1は、デジタルデータとされたマンガをサーバ4から通信回線2を介して携帯端末3へウェブサービスの一つとして配信する。ここでいう、マンガとは、連続した複数の静止画像によって形成されるコンテンツの一例であり、複数の静止画像が絵で構成され、全体としてストーリー性を有するものである。ユーザは、携帯端末3へ配信されたマンガを専用のアプリケーションソフト(以下「マンガ閲覧アプリ」という。)を用いて閲覧する。マンガ閲覧アプリは、携帯端末3に予めインストールされている。また、マンガ閲覧アプリは、一例として、携帯端末3に対してページ単位でマンガを表示したり、ページ単位で表示されたマンガの拡大、縮小等も可能とする。なお、マンガ閲覧アプリは、マンガデータがサーバ4から携帯端末3にダウンロードされていれば、携帯端末3とサーバ4とが通信していない状態(オフライン状態)でも機能する。
【0029】
[2.サーバの構成]
図2は、本実施形態に係るサーバ4の電気的構成を示すブロック図である。
【0030】
本実施形態に係るサーバ4は、サーバ4全体の動作を司る主制御部であるCPU(Central Processing Unit)20、各種プログラム及び各種データ等が予め記憶されたROM
(Read Only Memory)22、CPU20による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)24、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)26を備えている。
【0031】
HDD26は、携帯端末3に配信するマンガを示すマンガデータを記憶する。なお、記憶手段は、HDD26に限らず、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等の他の記憶媒体であってもよい。
【0032】
さらに、サーバ4は、キーボード及びマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部28、各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ30、通信回線2を介して携帯端末3等の他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種データの送受信を行う外部インタフェース32を備えている。
【0033】
これらCPU20、ROM22、RAM24、HDD26、操作入力部28、モニタ30、及び外部インタフェース32は、システムバス34を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU20は、ROM22、RAM24、及びHDD26へのアクセス、操作入力部28に対する操作状態の把握、モニタ30に対する画像の表示、並びに外部インタフェース32を介した他の情報処理装置等との各種データの送受信等を各々行なうことができる。
【0034】
[3.携帯端末の電気的構成]
図3は、携帯端末3の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【0035】
携帯端末3は、
図1に示される構成に加え、主制御部40、主記憶部42、補助記憶部44、通信部46、及び操作ボタン48を備える。
【0036】
主制御部40は、例えば、CPU、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、携帯端末3の全体の動作を制御する。
【0037】
主記憶部42は、例えば、RAMやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、主制御部40による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。
【0038】
補助記憶部44は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、画像等の各種データ及び主制御部40の処理に利用されるプログラム等を保存する。補助記憶部44に記憶されるプログラムは、例えば、携帯端末3の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェアを制御するためのドライバ、電子メールやウェブブラウジング、その他各種機能を実現するためのプログラム等である。また、補助記憶部44には、サーバ4から配信されたマンガをタッチパネルディスプレイ3aに表示させるためのマンガ閲覧アプリが予め記憶されている。
【0039】
通信部46は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、通信回線2に接続する機能を有する。なお、通信部46は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。
【0040】
操作ボタン48は、携帯端末3の側面に設けられ、携帯端末3を起動又は停止させるための電源ボタンやスピーカー3bが出力する音のボリューム調整ボタン等である。
【0041】
これら主制御部40、主記憶部42、補助記憶部44、通信部46、タッチパネルディスプレイ3a、スピーカー3b、マイクロフォン3c、カメラ3d、及び操作ボタン48は、システムバス49を介して相互に電気的に接続されている。従って、主制御部40は、主記憶部42及び補助記憶部44へのアクセス、タッチパネルディスプレイ3aに対する画像の表示、ユーザによるタッチパネルディスプレイ3aや操作ボタン48に対する操作状態の把握、マイクロフォン3cへの音の入力、スピーカー3bからの音の出力、カメラ3dに対する制御、及び通信部46を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行える。
【0042】
[4.トリミング機能]
ユーザは、サーバ4から配信されたマンガを、携帯端末3にインストールされたマンガ閲覧アプリを用いて閲覧する。このマンガ閲覧アプリには、種々の機能が搭載されており、ユーザは必要に応じて当該機能を選択してマンガ閲覧アプリに実行させる。
【0043】
本実施形態に係るマンガ閲覧アプリは、トリミング機能を有する。トリミング機能は、画面3a(タッチパネルディスプレイ3a)に表示しているマンガの画像に対して、画像処理等の対象とする処理範囲(以下「トリミング範囲」という。)を指定する。本実施形態に係るトリミング機能は、詳細を後述するように、画面3aに対する指示体の接触、離間によってトリミング範囲を指定するものである。
【0044】
[4-1.トリミング範囲の指定]
本実施形態に係るトリミング機能は、画面3aに対する指示体の接触位置を特定する。そして、本実施形態に係るトリミング機能は、指示体の接触位置を基準にし、画面3aに表示されている画像のトリミング範囲を画面3aに対する指示体の接触時間に応じて変化させる。すなわち、本実施形態に係るトリミング機能は、指示体が画面3aに接触した場合にその接触時間に応じて自動的にトリミング範囲を変化させるので、ユーザは画面3aに表示されている画像のトリミング範囲を簡易に指定できる。
【0045】
本実施形態に係るトリミング機能は、上述のように、指示体の接触位置を基準にしてトリミング範囲を変化させる。この一例として、本実施形態に係るトリミング機能は、指示体の接触位置を中心にしてトリミング範囲を変化させるが、これに限らず、指示体の接触位置から若干ずれた位置を中心にしてトリミング範囲を変化させてもよい。例えば、指示体を指とした場合、指示体の接触位置よりも例えば1cm上を中心にトリミング範囲を変化させてもよい。これにより、ユーザは、トリミング範囲の中心が自身の指で隠れないため、ユーザはトリミング範囲の中心を認識し易くなる。
【0046】
そして、本実施形態では、指示体をユーザの指とし、ユーザが画面3aを所定時間以上
(例えば2秒以上)で長押しした場合に、マンガ閲覧アプリはトリミング機能を実行させる。すなわち、長押し位置が上記接触位置となる。また、トリミング機能は、画面3aに表示されているマンガがスクロールしている場合には実行可能とされず、スクロールが停止している場合にその機能が実行可能とされる。
【0047】
図4は、画面3aに対する長押しによって表示されるトリミング範囲50を示す図である。なお、
図4の例は、表記がないもののマンガが画面3aに表示されている状態である。
【0048】
本実施形態に係るトリミング機能は、一例として、トリミング範囲50を円形状の閉図形とする。具体的には、トリミング範囲50は、画面3aに対する長押し位置52を中心に、長押しの継続時間に比例して長押し位置52から全方向に等速度で拡大することで円形状に拡大する。なお、トリミング範囲50が拡大する速度は、予め設定されており、一例として、ユーザがその設定速度を変更することも可能とされる。
【0049】
本実施形態に係るトリミング機能は、指示体の長押し位置52を中心にトリミング範囲50の変化を開始した後に画面3aから指示体が離間した場合、トリミング範囲50の変化(拡大)を停止する。これにより、ユーザは指示体を画面3aに接触、離間させるという簡単な操作のみで所望のトリミング範囲50を指定できる。なお、以下の説明では、画面3aから指示体が離間することをタッチオフともいう。
【0050】
また、本実施形態に係るトリミング機能は、ユーザがタッチオフした後に、指定されたトリミング範囲50内の画像の保存、トリミング範囲50の指定のキャンセル等の入力をユーザに促す確認ダイアログを画面3aに表示する。ユーザは、指定したトリミング範囲50が所望の範囲でない場合、画面3aに対する長押しを行うことで再度トリミング範囲50の指定を行う。
【0051】
また、トリミング範囲50が拡大している場合に、指示体が画面3aから離間することなく長押し位置52が移動した場合には、長押し位置52の移動と共にトリミング範囲50も移動する。すなわち、ユーザは、長押し位置52を移動させることで、トリミング範囲50の中心を任意に移動させることができる。なお、トリミング機能は、長押し位置52が移動している場合もトリミング範囲50の拡大を継続して行ってもよいが、これに限らず、長押し位置52が移動している場合はトリミング範囲50の拡大を一時停止し、長押し位置52の移動が停止した場合にトリミング範囲50の拡大を再開してもよい。
【0052】
[4-2.トリミング範囲の指定のバリエーション1]
トリミング機能は、画面3aに対する指示体の接触及び離間の繰り返しにより、トリミング範囲50の拡大及び縮小を交互に行ってもよい。例えば、トリミング機能は、タッチオフによりトリミング範囲50の拡大を停止した後、所定時間内(例えば5秒以内)に再度長押しが行われた場合にトリミング範囲50を縮小し、再度のタッチオフによりトリミング範囲50の縮小を停止する。さらに、所定時間内に再々度の長押しが行われると、トリミング機能はトリミング範囲50の拡大を開始する。
【0053】
これにより、ユーザは、画面3aに対する指示体の接触、離間を繰り返すことで、簡易にトリミング範囲50を所望の範囲に指定できる。なお、トリミング機能は、一例として、ユーザがタッチオフする毎にトリミング範囲50の拡大又は縮小、又はトリミング範囲50内の画像の保存、トリミング範囲50の指定のキャンセル等の入力をユーザに促す確認ダイアログを画面3aに表示する。
【0054】
また、トリミング機能は、トリミング範囲50の拡大及び縮小を繰り返す毎に、トリミング範囲50の変化速度を変化させてもよい。一例として、トリミング範囲50の変化速度は段階的に遅くされる。これにより、ユーザは、トリミング範囲50の微調整が可能となるため、所望のトリミング範囲50を指定し易くなる。なお、トリミング範囲50の変化速度を遅くする度合いは予め定められている。また、所定回数以上の拡大及び縮小を繰り返した場合には、トリミング範囲50の変化速度を変化させる処理をそれ以上実行しないとしてもよい。さらに、トリミング機能は、トリミング範囲50の拡大及び縮小を繰り返す毎に、トリミング範囲50の変化速度を速くしてもよい。これにより、ユーザは、より速くトリミング範囲50を指定できる。
【0055】
[4-3.トリミング範囲の指定のバリエーション2]
トリミング機能は、指示体の長押し位置52を中心にトリミング範囲50を変化させ、画面3aから指示体が離間するとトリミング範囲50を逆向きに変化させ、その後、画面3aに指示体が接触した場合にトリミング範囲50の変化を停止してもよい。
【0056】
すなわち、本バリエーション2に係るトリミング機能は、長押しの開始によりトリミング範囲50を拡大させる場合には、タッチオフされた場合にトリミング範囲50の拡大を停止するものの、その後、トリミング範囲50の縮小を自動的に開始する。そして、ユーザは、縮小によりトリミング範囲50が所望の範囲となった場合に、画面3aを指示体でタップすることで、トリミング範囲50の縮小を停止させる。
【0057】
なお、本バリエーション2に係るトリミング機能は、タッチオフによるトリミング範囲50の縮小の前に、トリミング範囲50の変化を一時停止させ、確認ダイアログを画面3aに表示させてもよい。この確認ダイアログには、トリミング範囲50で示される画像の保存、トリミング範囲50の縮小、トリミング範囲50の指定のキャンセル等の入力をユーザに促すボタンが含まれる。これにより、ユーザは、拡大によりトリミング範囲50が所望の範囲となっている場合に、縮小させることなくそのトリミング範囲50内の画像を保存できる。
【0058】
さらに、トリミング機能は、トリミング範囲50の自動的な縮小を実行している場合に、ユーザによる画面3aのタップではなく長押しが行われると、トリミング範囲50の縮小を停止させ、トリミング範囲50の拡大を再開してもよい。また、トリミング機能は、トリミング範囲50の拡大及び縮小を繰り返す毎に、トリミング範囲50の変化速度を変化させてもよい。
【0059】
[4-4.マンガのコマ枠に応じたトリミング範囲の拡大]
本実施形態に係るマンガ閲覧アプリでユーザが閲覧するマンガは、一例として、コマを有するマンガである。マンガ閲覧アプリは、画面3aに表示するマンガのコマの枠(以下「コマ枠」という。)の中心位置(重心)及び形状を例えば画像認識等により認識する。なお、コマ枠は、換言するとコマの外縁である。なお、本実施形態では、一例として、コマ枠をコマの範囲を規定する線で囲まれる範囲とする。例えば、コマ枠は正方形や長方形、平行四辺形等の矩形状である。
【0060】
トリミング機能は、コマ枠を基準にトリミング範囲50を変化させてもよい。これにより、ユーザは、マンガの所望のコマを容易に切り取ることができる。
【0061】
この一例として、トリミング機能は、長押し位置52を中心にトリミング範囲50を拡大し、長押し位置52を含むコマのコマ枠までトリミング範囲50が拡大するとトリミング範囲50の拡大を停止してもよい。
【0062】
ここで、
図5を参照して、コマ枠54に応じたトリミング範囲50の拡大(以下「コマ枠基準拡大処理」という。)について説明する。なお、
図5の例では、コマ枠54の形状は正四角形であるが、コマ枠54の形状はこれに限られない。
【0063】
図5(A)は、長押し位置52がコマ56の中心位置と同じである場合におけるトリミング範囲50の拡大を示した模式図である。この場合におけるコマ枠基準拡大処理は、トリミング範囲50を全ての方向に等速度で拡大する。すなわち、トリミング範囲50は、長押し位置52からコマ枠の四方(辺x1,辺x2,辺y1,辺y2)に対してVx1=Vx2=Vy1=Vy2となるように拡大する。Vx1は辺x1に向かう速度であり、Vx2は辺x2に向かう速度であり、Vy1は辺y1に向かう速度であり、Vy2は辺y2に向かう速度である。これにより、トリミング範囲50はコマ枠54を構成する複数の辺に同じタイミングで達する。
【0064】
なお、トリミング範囲50は、コマ枠54の外縁に合うようにその範囲が変化する。すなわち、トリミング範囲50は、その一部がコマ枠54に達したとしても、コマ枠54の外縁と同じ形状となるように他部が拡大し続ける。これにより、最終的にトリミング範囲50はコマ枠54と同じ形状となる。一方、これに限らず、トリミング範囲50は、コマ枠54の四方に達したらその拡大を停止して円形状を保ってもよい。また、トリミング範囲50がコマ枠54に達していなくても、指示体が画面3aからタッチオフされるとトリミング範囲50の拡大は停止する。
【0065】
また、コマ枠基準拡大処理は、コマ枠54に達するまでトリミング範囲50が拡大しても、長押しが継続されている場合にはトリミング範囲50をさらに拡大させてもよい。具体的には、コマ枠基準拡大処理は、コマ枠54に達するまでトリミング範囲50が拡大し、かつ長押しが継続されている場合には、トリミング範囲50の拡大を一時停止させた後に再びトリミング範囲50を拡大させる。このように、コマ枠基準拡大処理は、トリミング範囲50がコマ枠54に達した場合に拡大を一時停止させることで、トリミング範囲50をコマ枠54と同じとするか、コマ枠54を超えてトリミング範囲50を拡大させるか、の何れかを選択する時間的猶予をユーザに与えることができる。
【0066】
図5(B)は、長押し位置52を含むコマ56の中心から長押し位置52がずれている場合におけるトリミング範囲50の拡大を示した模式図である。この場合、コマ枠基準拡大処理は、トリミング範囲50の周囲がコマ枠54を構成する複数の辺に同じタイミングで達するようにトリミング範囲50の拡大速度を制御する。これにより、ユーザの長押し位置52にかかわらず、トリミング範囲50がコマ枠54と一致するように拡大するので、コマ枠54を基準にトリミング範囲50を指定したいユーザの利便性が向上する。
【0067】
図5(B)の例では、長押し位置52がコマ56に対して下側に位置している。すなわち、長押し位置52は、辺y2よりも辺y1に近い。一方、長押し位置52は、辺x1と辺x2との中間に位置している。このため、コマ枠基準拡大処理は、Vy2>Vy1とすることで、トリミング範囲50が辺y1と辺y2と同じタイミングで達するようにトリミング範囲50の拡大を制御する。一方、辺x1に達する速度と辺x2に達する速度は、等速度(Vx1=Vx2)とされる。そして、上記Vy1>Vy2、Vx1=Vx2の関係を維持し、かつトリミング範囲50が各辺x1,x2,y1,y2に達するタイミングが同じとなるように、Vy1,Vy2,Vx1,Vx2は制御される。
【0068】
コマ枠基準拡大処理を実行するか否かは、ユーザにより設定される。コマ枠基準拡大処理を実行しない場合、トリミング範囲50は、長押し位置52とコマ56の位置関係にかかわりなく、上述のように長押し位置52を中心に指示体の接触時間に応じて拡大する。
【0069】
図6は、コマ枠基準拡大処理の他の例であり、長押し位置52の位置にかかわらず、トリミング範囲50は何れの方向にも等速度で拡大するものの、コマ枠54を超えた範囲である領域58はトリミング範囲50に含まれない。
【0070】
また、トリミング範囲50は、上述のようにコマ枠54を超えない範囲で拡大するだけでなく、コマ枠54を基準としつつも、コマ枠54を超えて拡大してもよい。
【0071】
例えば、トリミング範囲50が拡大されることで、トリミング範囲50が長押し位置52を含むコマ56だけでなく隣接する他のコマ56を含む場合、当該他のコマ56をも含んで切り取りの対象とするか否かの判定が行われてもよい。
【0072】
この判定では、トリミング範囲50が長押し位置52を含むコマ56だけでなく隣接する他のコマ56を含む場合、トリミング範囲50の全体に対して隣接するコマ56が所定割合以上含まれた場合にのみ、当該隣接するコマ56を含んだ範囲が切り取り(コピー)の対象とされる。一方、隣接するコマ56が上記所定割合未満である場合には、当該隣接するコマ56を含んだ範囲が切り取りの対象とされず、長押し位置52を含むコマ56の範囲のみが切り取りの対象とされる。
【0073】
[4-5.トリミング範囲の加工]
本実施形態に係るトリミング機能は、トリミング範囲50内の画像に対して種々の加工を行う処理(以下「画像加工処理」という。)を有してもよい。以下に、画像加工処理の例を挙げる。なお、画像加工処理は、トリミング範囲50内の画像を保存する前に当該画像に対して加工を行ってもよいし、トリミング範囲50内の画像を保存した後に当該画像を加工して加工後の画像を別途保存してもよい。
【0074】
画像加工処理として、トリミング範囲50の一部領域をマスキングするマスキング処理がある。マスキング処理は、例えば、画像にマンガの吹き出しが含まれている場合には、吹き出し内の文字、吹出内全体をマスキングする。
【0075】
また、画像加工処理として、トリミング範囲50に画像を重畳する画像重畳処理がある。画像重畳処理は、例えば、画像として文字情報を重畳する。重畳される文字情報は、テキスト入力された文字や手書きの文字等の他に、例えば、トリミングした日時を示す日時情報、トリミングしたマンガの出典を示す出典情報、トリミングしたマンガの著作権を示す著作権情報等が含まれてもよい。
【0076】
なお、画像重畳処理は、
図6に示すように、コマ枠54を超えたトリミング範囲50の領域58(
図6のハッチング領域)を白色等の塗り潰しや他の画像等でフィルタリングし、このフィルタリングした領域58に文字情報等を重畳してもよい。
【0077】
また、画像重畳処理は、他の画像として、フレームやスタンプ等の装飾画像をトリミング範囲50に重畳してもよい。
【0078】
[5.マンガ閲覧機能の機能ブロック]
図7は、本実施形態に係る携帯端末3にインストールされたマンガ閲覧アプリが実行するマンガ閲覧機能に関する機能ブロック図である。携帯端末3が備える主制御部40は、マンガ表示制御部60、スクロール制御部62、及びトリミング機能実行部64を備える。主制御部40が備える各機能によって実行される処理は、補助記憶部44に記憶されているプログラムによって実現される。
【0079】
マンガ表示制御部60は、サーバ4から配信されたマンガを画面3aに表示させる。
【0080】
スクロール制御部62は、画面3aに表示されるマンガを指示体による画面3aに対する操作に応じてスクロールさせる。
【0081】
トリミング機能実行部64は、画面3aに対して所定時間以上の長押しが行われた場合に、トリミング機能の実行を行う。なお、トリミング機能実行部64は、タッチ判定部70、トリミング範囲変化部72、及び加工処理部74を備える。
【0082】
タッチ判定部70は、指示体が画面3aに接触したか否か、また長押しが行われたか否か、長押しが行われた場合にはその長押し位置52を特定する。また、タッチ判定部70は、画面3aからのタッチオフの有無の判定も行う。
【0083】
トリミング範囲変化部72は、画面3aに対する指示体の長押し位置52を中心にして、トリミング範囲50を指示体の接触時間に応じて変化させる等、トリミング範囲50を変化させる上述の各種処理を行う。この各種処理には、コマ枠基準拡大処理も含まれる。
【0084】
画像加工処理部74は、トリミング範囲50内の画像に対して画像加工処理を行う。
【0085】
なお、トリミング機能実行部64は、上記構成が実行する機能に限らず、画面3aへの確認ダイアログの表示機能やトリミング範囲50内の画像の保存機能等、トリミング機能に必要な機能を有する。
【0086】
[6.トリミング範囲指定処理のフローチャート]
図8は、携帯端末3が備える主制御部40によって実行されるマンガ閲覧処理の流れを示すフローチャートである。
【0087】
まず、ステップ100では、サーバ4から配信されたマンガをマンガ表示制御部60が画面3aに表示させる。
【0088】
次のステップ102では、画面3aに対してユーザによるスクロール操作が行われたか否かをスクロール制御部62が判定し、肯定判定の場合はステップ104へ移行し、否定判定の場合はステップ106へ移行する。
【0089】
ステップ104では、ユーザのスクロール操作に応じてスクロール制御部62が画面3aに表示されているマンガをスクロールさせる。
【0090】
ステップ106では、マンガのスクロールが停止している場合に、ユーザが画面3aを長押ししたか否かをタッチ判定部70が判定し、肯定判定の場合はステップ108へ移行し、否定判定の場合はステップ118へ移行する。
【0091】
ステップ108では、タッチ判定部70が画面3aに対する長押し位置52を特定し、トリミング範囲変化部72が長押し位置52を中心としたトリミング範囲50の表示を開始する。
【0092】
次のステップ110では、トリミング範囲変化部72が画面3aに表示しているトリミング範囲50を変化させる。なお、本実施形態に係るトリミング範囲変化部72は、画面3aに対する長押しが行われた場合、トリミング範囲50を拡大する。
【0093】
次のステップ112では、画面3aから指示体がタッチオフされたか否かをタッチ判定部70が判定し、肯定判定の場合はステップ114へ移行し、否定判定の場合はステップ110へ戻り、トリミング範囲変化部72がトリミング範囲50の変化を継続して実行する。
【0094】
ステップ114では、トリミング範囲変化部72がトリミング範囲50の変化を停止する。
【0095】
次のステップ116では、トリミング機能実行部64が確認ダイアログを画面3aに表示し、確認ダイアログを介して入力されたユーザの指示に応じた処理を行う。なお、当該処理には、トリミング範囲50内の画像に対する加工処理や、トリミング範囲50内の画像の保存等が含まれる。
【0096】
次のステップ118では、画面3aに表示されているマンガが終了したか否かをマンガ表示制御部60が判定し、肯定判定の場合に本マンガ閲覧処理を終了し、否定判定の場合はステップ102へ移行し、マンガの表示を継続する。なお、一例として、マンガ表示制御部60は、画面3aに表示されているマンガがそれ以上スクロールできない場合にマンガが終了したと判定する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態に係るマンガ閲覧処理が有するトリミング機能は、画面3aに対する指示体の接触位置を特定する。そして、トリミング機能は、指示体の接触位置を基準にし、画面3aに表示されている画像のトリミング範囲50を画面3aに対する指示体の接触時間に応じて変化させる。すなわち、本実施形態に係るトリミング機能は、指示体が画面3aに接触した場合にその接触時間に応じて自動的にトリミング範囲50を変化させるので、ユーザは画面3aに表示されている画像のトリミング範囲50を簡易に指定できる。
【0098】
[7.他の実施形態]
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0099】
例えば、上記実施形態では、コンテンツをマンガとする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、コンテンツを動画としてもよいし、コンテンツを文章で構成された小説等としてもよい。コンテンツを動画とした場合、トリミング範囲50を指定する際にユーザは動画の進行を一時停止させる。
【0100】
また、上記実施形態では、トリミング範囲50を円形状とする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。トリミング範囲50を、例えば、
図9に示すように指示体の接触位置(長押し位置52)を中心とした四角形状としてもよい。
図9の例では、トリミング範囲50の各辺が画面3aの各辺に対して平行に延伸することでトリミング範囲50が拡大する。
図9の例では、トリミング範囲50は正四角形であるが、これに限らず、トリミング範囲50は長方形であってもよい。さらに、トリミング範囲50は四角形状に限らず、五角形以上の多角形状や星形状等、閉図形であれば他の形状であってもよい。
【0101】
また、トリミング範囲50は、指示体の接触位置が含まれるコマ枠と相似形であってもよい。この場合、例えば、コマ枠が正方形であれば、トリミング範囲50も正方形で拡大縮小し、コマ枠が平行四辺形であれば、トリミング範囲50も平行四辺形で拡大縮小する。
【0102】
また、上記実施形態では、トリミング範囲50の変化としてトリミング範囲50を指示体の接触位置(長押し位置52)を基準に拡大させる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。トリミング範囲50の変化は、画面3aの周囲から指示体の接触位置(長押し位置52)に向かって縮小させてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、コマ枠をコマの範囲を規定する線で囲まれる範囲としたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、コマ枠を上記範囲を超えた領域としてもよい。具体的には、キャラクターが発するセリフ等が記述される吹き出しが上記範囲からはみ出して収まりきらないのであれば、当該はみ出した吹き出しの範囲までもコマ枠とされる。また、効果音等の文字が上記範囲からはみ出して収まりきらないのであれば、はみ出した文字の輪郭までもコマ枠とされる。これにより、トリミング範囲50として、コマに含まれるものの、はみ出している吹き出し等も切り取る(コピー)することが可能となる。なお、このために、例えば、マンガを構成するキャラクターや吹き出し、効果音、背景等をオブジェクトとして識別し、これらのオブジェクトをグループ化したものをコマとして認識可能とする。
【0104】
さらに、上記実施形態で説明したトリミング範囲指定処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
3 携帯端末(情報処理装置)
3a タッチパネルディスプレイ
50 トリミング範囲(処理範囲)
52 長押し位置(接触位置)
60 コマ枠(コマの枠)
62 コマ
70 タッチ判定部(接触位置特定手段)
72 トリミング範囲変化部(処理範囲変化手段)