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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】皮膚感覚閾値の測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
A61B10/00 X
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020087904
(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公開番号】P2021180783
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390041162
【氏名又は名称】株式会社飛鳥電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】大野 優子
(72)【発明者】
【氏名】吉村 眞一
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/134996(WO,A1)
【文献】特開2010-264112(JP,A)
【文献】特表2016-517294(JP,A)
【文献】特表2016-505314(JP,A)
【文献】米国特許第05301683(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
10/00-10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の手足(10)の皮膚に接触して刺激を与えるプローブ(15)と、プローブ(15)を駆動するプローブ駆動部(16)と、プローブ駆動部(16)の駆動状態を制御する駆動制御部(20)と、プローブ駆動部(16)により移動されたプローブ(15)の移動量を検出する移動量検出部(17)とを備え、被験者の手足(10)の皮膚感覚閾値を測定するための測定装置であって、
プローブ(15)およびプローブ駆動部(16)を内蔵するとともに、上面(83)にプローブ(15)の上方への現出を許す接触窓(60)を備える下ケース(4)と、下ケース(4)の前端側に設けられた連結軸(6)と、連結軸(6)を中心にして、上下方向に揺動可能に軸支された上ケース(3)と、上ケース(3)に対して押圧付勢力を付与する付勢手段(7)と、上ケース(3)による被験者の手足(10)に対する下方への作用力を変更するための作用力変更手段(100)とを備え、
上ケース(3)は、後端部が下ケース(4)に近づく閉姿勢と、後端部が下ケース(4)から離れる開姿勢との間で連結軸(6)を中心にして揺動可能に軸支されており、付勢手段(7)は、閉姿勢の方向に上ケース(3)に対して押圧付勢力を付与しており、
被験者の手足(10)の上下方向の厚み寸法に応じて作用力変更手段(100)を操作することで、上ケース(3)が被験者の手足(10)を下ケース(4)に向かって押し付ける作用力を変更することができるように構成されており、
下ケース(4)と上ケース(3)とが平行リンク機構を介して連結されていることを特徴とする、皮膚感覚閾値の測定装置。
【請求項2】
作用力変更手段(100)が、付勢手段(7)の上ケース(3)に対する押圧付勢力を変更することで、上ケース(3)による被験者の手足(10)に対する作用力を変更するものである、請求項1記載の皮膚感覚閾値の測定装置。
【請求項3】
付勢手段(7)が、連結軸(6)に外嵌されるコイル部(7a)と、コイル部(7a)の両側から連出された一対のばね腕(7b・7c)とを備える捻じりコイルばねであり、
作用力変更手段(100)が、連結軸(6)に回転可能に外嵌されるダイヤル(101)と、ダイヤル(101)の連結軸(6)まわりの遊動を規制する規制体(102)とを備え、
一方のばね腕(7b)が、上ケース(3)を支持するリンク体(90)に係合され、他方のばね腕(7c)がダイヤル(101)のばね受孔(103)に挿入されており、ダイヤル(101)を回転操作することで、付勢手段(7)の上ケース(3)に対する付勢力を変更することができるように構成されている、請求項2記載の皮膚感覚閾値の測定装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚感覚閾値を測定するための測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の測定装置に関して、本出願人は、足裏の感覚閾値を測定するための測定装置(特許文献1)を提案し、次いで手指先の皮膚感覚閾値を測定するための測定装置(特許文献2)を提案している。特許文献1に記載の測定装置は、座位或いは立位の被験者の足裏を支持する足載台と、足載台に設けられた接触窓を介して足裏に移動刺激を与えるプローブと、プローブを移動操作するプローブ駆動構造と、足裏刺激を認識した被験者によって操作される入力スイッチと、プローブ駆動構造の駆動状態を制御する駆動制御部とを備える。この測定装置によれば、足載台の所定位置に開口した接触窓に足裏を載せたうえで、プローブ駆動構造でプローブを移動操作し、被験者が足裏に移動刺激を感じたときに入力スイッチを操作することで感覚閾値を測定することができる。
【0003】
特許文献2に記載の測定装置は、下ケースの内部に、手指先の皮膚に接触して刺激を与えるプローブと、プローブを駆動するプローブ駆動部と、プローブ駆動部の駆動状態を制御する駆動制御部と、プローブ駆動部により移動されたプローブの移動量を検出する移動量検出部とを備える。下ケースには接触窓が設けられており、この接触窓を介してプローブは手指先に対して刺激を与える。プローブ駆動部は、プローブに超音波振動を与える振動付与機能と、プローブを移動させる移動機能とを備える。この測定装置によれば、手指先の皮膚にプローブを接触させた状態で、駆動制御部からの制御振動によりプローブを駆動させて手指先に超音波振動刺激を伴う移動刺激を付与し、被験者が反応を示した際のプローブの移動量を移動量検出部で検出することにより、被験者の手指先の皮膚感覚閾値を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-223365号公報
【文献】再表2018/134996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2の測定装置では、皮膚感覚閾値の測定値が足裏台や下ケースなどの載置箇所に対する足裏や手指先の押圧力の大小により左右されやすく、その点で客観性に欠ける点に不利がある。すなわち、例えば特許文献2の測定装置では、下ケースに対して被験者が手指先を強く押し付けた場合と、下ケースに対して被験者が手指先を軽く押し付けた場合とでは、手指先に対するプローブの接触圧が変化することが避けられず、その結果、手指先の皮膚感覚閾値の測定値にばらつきが生じるおそれがある。
【0006】
本発明は、被験者の手足に対するプローブの接触圧を均一化することが可能であり、したがって被験者の測定対象の皮膚感覚閾値をより客観的に測定することができる皮膚感覚閾値の測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被験者の手足10の皮膚に接触して刺激を与えるプローブ15と、プローブ15を駆動するプローブ駆動部16と、プローブ駆動部16の駆動状態を制御する駆動制御部20と、プローブ駆動部16により移動されたプローブ15の移動量を検出する移動量検出部17とを備え、被験者の手足10の皮膚感覚閾値を測定するための測定装置を対象とする。測定装置は、プローブ15およびプローブ駆動部16を内蔵するとともに、上面83にプローブ15の上方への現出を許す接触窓60を備える下ケース4と、下ケース4の前端側に設けられた連結軸6と、連結軸6を中心にして、上下方向に揺動可能に軸支された上ケース3と、上ケース3に対して押圧付勢力を付与する付勢手段7と、上ケース3による被験者の手足10に対する下方への作用力を変更するための作用力変更手段100とを備える。上ケース3は、後端部が下ケース4に近づく閉姿勢と、後端部が下ケース4から離れる開姿勢との間で連結軸6を中心にして揺動可能に軸支されており、付勢手段7は、閉姿勢の方向に上ケース3に対して押圧付勢力を付与している。被験者の手足10の上下方向の厚み寸法に応じて作用力変更手段100を操作することで、上ケース3が被験者の手足10を下ケース4に向かって押し付ける作用力を変更することができるように構成されている。下ケース4と上ケース3とは平行リンク機構を介して連結されている。
【0008】
作用力変更手段100は、付勢手段7の上ケース3に対する押圧付勢力を変更することで、上ケース3による被験者の手足10に対する作用力を変更するものである。
【0009】
付勢手段7は、連結軸6に外嵌されるコイル部7aと、コイル部7aの両側から連出された一対のばね腕7b・7cとを備える捻じりコイルばねである。作用力変更手段100は、連結軸6に回転可能に外嵌されるダイヤル101と、ダイヤル101の連結軸6まわりの遊動を規制する規制体102とを備える。一方のばね腕7bが、上ケース3を支持するリンク体90に係合され、他方のばね腕7cがダイヤル101のばね受孔103に挿入されており、ダイヤル101を回転操作することで、付勢手段7の上ケース3に対する付勢力を変更することができるように構成されている。
【0010】
下ケース4と上ケース3とが平行リンク機構を介して連結されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る測定装置では、上ケース3による被験者の手足10に対する下方への作用力を変更するための作用力変更手段100を設けて、被験者の手足10の上下方向の厚み寸法に応じて作用力変更手段100を操作することで、上ケース3が被験者の手足10を下ケース4に向かって押し付ける作用力を変更することができるように構成した。これによれば、被験者の手足10の上下方向の厚み寸法に応じて作用力を変更することで、被験者の手足10が下ケース4に押し付けられる圧力を均一化して、接触窓60に臨む手足10に対するプローブ15の接触圧を均一化することができるので、皮膚感覚閾値をより客観的に測定することができる。すなわち、本発明のような上下ケース3・4を備え、付勢手段7による押圧付勢力により測定対象である被験者の手足10を挟持する形態の測定装置においては、手足10の厚み寸法により付勢手段7に由来する押圧付勢力にばらつきが生じることが避けられず、加えて、被験者の手足10に対するプローブ15の接触圧にばらつきが生じることが避けられない。これに対して本発明に係る測定装置では、上ケース3による被験者の手足10に対する下方への作用力を変更するための作用力変更手段100を設けることで、手足10の上下方向の厚み寸法に由来するプローブ15の接触圧のばらつきを排除して、当該接触圧を均一化できるようにしたので、より客観的に皮膚感覚閾値を測定することが可能となる。本発明に係る測定装置を用いれば、感覚障害を定量的に計測し評価することができるので、自覚症状のない初期段階の糖尿病の早期発見に貢献できる。また、本発明に係る測定装置を用いれば、手足の痺れなどを引き起こす末梢神経障害を定量的に計測して、当該障害を評価することもできる。
【0015】
作用力変更手段100は、付勢手段7の上ケース3に対する押圧付勢力を変更することで、上ケース3による被験者の手足10に対する作用力を変更する構成を採ることができる。これによれば、付勢手段7の押圧付勢力を直接的に大小に変更することができるので、より正確に被験者の手足10が下ケース4に押し付けられる圧力を変更することができる。したがって、より的確に被験者の手足10が下ケース4に押し付けられる圧力を均一化して、接触窓60に臨む手足10に対するプローブ15の接触圧を均一化することができる。
【0016】
付勢手段7が、連結軸6に外嵌されるコイル部7aと、コイル部7aの両側から連出された一対のばね腕7b・7cとを備える捻じりコイルばねであり、作用力変更手段100を構成するダイヤル101を回転操作することで、付勢手段7の上ケース3に対する付勢力を変更することができるように構成されていると、ダイヤル101の回転操作という簡単な操作で確実に被験者の手足10が下ケース4に押し付けられる圧力を変更することができる。これによれば、測定装置1を手足10にセットしてから測定を開始するまでの時間を短縮化して、よりスピーディに測定を行うことができるので、測定効率の向上を図ることができる。
【0017】
下ケース4と上ケース3とが平行リンク機構を介して連結されていると、下ケース4に対して上ケース3を平行移動させることができるので、被験者の手足10の上下方向の厚み寸法とは無関係に、手足10の同一の箇所に対して上ケース3を常に同一姿勢で接触させることができる。これにより、手足10に対する上ケース3の作用箇所がばらつくことを抑えることができるので、より的確に被験者の手足10が下ケース4に押し付けられる圧力を均一化して、接触窓60に臨む手足10に対するプローブ15の接触圧を均一化することができる。以上より、本発明によれば、作用力変更手段100を設けたことと相俟って、より客観的に皮膚感覚閾値を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1に係る皮膚感覚閾値の測定装置の全体構成を示す図である。
図2】測定装置の要部の側面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4図3のB-B線断面図である。
図5】測定装置の要部を示す縦断側面図である。
図6】測定装置の要部の平面図である。
図7】本発明の参考例に係る皮膚感覚閾値の測定装置の全体構成を示す図である。
図8】測定装置の要部を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施例1) 図1から図6に、本発明に係る皮膚感覚閾値の測定装置を手指先の皮膚感覚閾値を測定する測定装置に適用した実施例1を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図1図3および図5に示す交差矢印と、交差矢印の近傍の前後、左右、上下の表記に従う。
【0022】
図1に示すように、測定装置1の基体となる本体ケース2は、上ケース3と下ケース4と、これら上下のケース3・4を連結する連結体5と、連結体5を構成する連結軸6に装着された捻じりコイル形のばね(付勢手段)7とでクリップ形に構成される。測定装置1は、ばね7の回転付勢力(押圧付勢力)により連結軸6を中心にして、上ケース3と下ケース4との対向間隔が小さくなる閉姿勢と、ばね7の回転付勢力に抗して上ケース3と下ケース4との対向間隔が大きくなる開姿勢との間で揺動可能に構成されている。測定に際しては、上ケース3を開いて開姿勢とし、測定対象となる手指先(手足)10を上ケース3と下ケース4との間に差し込んだうえで、ばね7の回転付勢力により上ケース3を閉じ、図1に示すように上ケース3と下ケース4とで手指先10を上下方向から挟むことで(クリッピングすることで)、手指先10に測定装置1を装着することができる。また、上記の装着状態からばね7の回転付勢力に抗して上ケース3を開姿勢とすることで、測定装置1を手指先10から取り外すことができる。
【0023】
下ケース4の内部には、手指先10の腹部11の皮膚に接触して刺激を与えるプローブ15と、プローブ15を駆動するプローブ駆動部16と、プローブ15の移動量を検出する移動量検出部17と、プローブ駆動部16などの各種部材に電力を供給する電池18と、手指先10の下ケース4の上面83に対する押し付け圧を測定するための圧力センサ19などが配設されている。上ケース3の内部には、測定装置1の制御チップ(駆動制御部)20、電源スイッチ21、無線通信用チップ22、測定状態を表示するための発光素子23などが実装された回路基板24が配設されている。図1において符号25は、電源スイッチ21をオンオフ操作するための操作ボタンを示し、符号26は、上ケース3と下ケース4とを繋いで、両ケース3・4に配された各種機器間の信号送信と電力供給を担うケーブルを示す。
【0024】
図5および図6に示すように、プローブ駆動部16は、下ケース4の底面(下壁)の四か所に立設されるねじボス27に、ビス28により締結固定される駆動ベース29と、駆動ベース29に支持される左右一対の超音波モーター30・30と、超音波モーター30・30により前後方向にスライド自在に案内されるテーブル31とで構成される。各超音波モーター30は、電圧付与により屈曲変形する圧電素子32と、圧電素子32の変形を受けて振動する振動軸33と、振動軸33に対して移動可能に構成されて、圧電素子32の屈曲変形を受けて振動軸33に沿ってリニア運動する移動体34とで構成される。圧電素子32は、電圧の印加により屈曲変形する電歪基板35を備えている。
【0025】
図6に示すように、駆動ベース29は、ビス28用の貫通穴を有する四角板状のベース本体36と、ベース本体36の前後端に設けた前後一対の支持壁37・38とを備える樹脂成型品であり、支持壁37・38には、超音波モーター30・30を支持する支持構造が左右一対形成されている。各支持構造は、駆動ベース29のベース本体36の前端に形成されて、超音波モーター30の圧電素子32の筐体の下端部を外嵌状に固定保持する装着溝40と、前支持壁37に形成されて振動軸33の基端部を受け止める前軸受41と、後支持壁38に形成されて振動軸33の先端部を受け止める後軸受42とで構成される。各軸受41・42は、前後の支持壁37・38の上端面に凹み形成された溝である。
【0026】
以上のような構成からなる超音波モーター30においては、パルス波を圧電素子32に付与することで、圧電素子32を構成する電歪基板35を、ニュートラル姿勢と屈曲変形姿勢との間で姿勢変位させて、振動軸33を振動させることができる。このとき、例えば鋸刃状のパルス波を圧電素子32に付与することで、電歪基板35がニュートラル姿勢から屈曲変形姿勢に至るまでの「行き」のスピードよりも、電歪基板35自身の復元力により電歪基板35が屈曲変形姿勢からニュートラル姿勢に復帰するまでの「帰り」のスピードを速くすることができるので、慣性の法則により振動軸33上を移動する移動体34を微小量だけ置き去り、結果として、振動軸33に沿って移動体34をリニア移動させることができる。本実施例における超音波モーター30は、30~80kHzで振動する。
【0027】
テーブル31は、中央部のプローブ固定部50と、プローブ固定部50の左右両側に張り出し形成された移動体固定部51・51とを備えるブロック状の樹脂成型品である。プローブ固定部50の中央には、平面視で角部が丸められた正方形の装着穴52が形成されており、この装着穴52にプローブ15を嵌め込むことにより、テーブル31の移動に同行してプローブ15を移動させることができる。それぞれの移動体固定部51の下面には、移動体34が接着固定されている。プローブ15は、四角柱状の樹脂成型品であり、その上端に設けた平坦な接触部53で手指先10の腹部11に刺激を与える。接触部53は、平面視で5mm×5mmの正方形に形成されている。
【0028】
プローブ15の移動量を検出する移動量検出部17は、駆動ベース29の上面に設けられた位置検出センサ55と、テーブル31の下面に設けられた磁気スケール56とからなる非接触式のリニアスケールであり、位置検出センサ55により磁気スケール56の位置を捉えることで、テーブル31に固定されたプローブ15の移動量を検出する。位置検出センサ55による検出結果は、図外のラインを介して回路基板24に配設された制御チップ20に送られる。
【0029】
図5に示すように、下ケース4の上壁中央には、プローブ15を露出させるための接触窓60が開設されている。接触窓60の開口寸法は10mm×10mmであり、この接触窓60を介してプローブ15の接触部53が上面に露出して、手指先10の腹部11に接触している。接触窓60から下ケース4(本体ケース2)内部へ塵埃や水分等が侵入することを防止するため、接触窓60の開口周縁とプローブ15の周縁との間にはパッキン61が配設されている。パッキン61は、プローブ15の外形形状に合わせた約5mm×5mmの開口を備える平面視で四角枠状のゴム成形品であり、パッキン61の四周縁が接触窓60の開口周縁に接合され、パッキン61の開口周縁がプローブ15の周縁に接する状態で、プローブ固定部50に固定されている。これにて、プローブ15の移動位置に関わらず、常に接触窓60とプローブ15との間の間隙をパッキン61で封止することができるので、塵埃等が下ケース4内部に侵入することを確実に防止できる。したがって、プローブ駆動部16等の誤作動や動作不良の発生を防ぎ、装置の信頼性向上に貢献できる。
【0030】
回路基板24に実装された制御チップ20である駆動制御部は、プローブ駆動部16の駆動状態を制御するものであり、プローブ15を所定の手順で前後方向へ移動させる。なお、プローブ駆動部16によるプローブ15の移動速度は、1mm/s刻みで設定することが可能であり、さらに移動距離は2μm刻みで設定することができる。
【0031】
図1において被験者により操作される主制御装置70は、制御プログラムが予めインストールされた情報携帯端末であり、IEEE 802.15.1などの近距離無線通信規格を使って、測定装置1の無線通信用チップ22との間で無線通信接続状態を構築する。制御プログラムを立ち上げたとき、主制御装置70のタッチパネル式の表示画面71には、スタートボタン72、感知ボタン73などが表示される。感知ボタン73は、感覚閾値を測定装置1で測定する過程で被験者が移動刺激を感じたときにオン操作されるものであり、感知ボタン73をオン操作したときのオン信号は、プローブ15の移動状況と共に、主制御装置70の記録部に記憶される。なお、主制御装置70に制御プログラムをインストールした際に、被験者の年齢や性別といったような情報が登録されて、これら被験者情報も記録部に記録される。
【0032】
以上のようなプローブ駆動部16を内蔵する下ケース4は、四角容器状のベースブロック80と、ベースブロック80の前端から斜め前上方に向かって伸びる連結ブロック81と、連結ブロック81の上端から上方に向かって伸びる左右一対の軸受ブロック82とを備える(図1参照)。ベースブロック80にはフラットな上面83が形成されており、該上面83の中央には、先の接触窓60が開設されている。上ケース3は、先の制御チップ20などを備える四角容器状のベース部85と、ベース部85の前端に連設されて下方に伸びる軸受部86とを備える。ベース部85の下面には、後方から前方に向かって下り傾斜する傾斜面である作用面87と、作用面87の後端に連続して水平方向に伸びる水平面88とが形成されており、作用面87が手指先10の末節部12の基端部上面に接触して、当該末節部12を下方に押し下げることで、手指先10の腹部11を下ケース4の上面83に向かって押し付ける。
【0033】
上ケース3と下ケース4とを連結する連結体5は平行リンク機構であり、当該機構は、図1の仮想線と実線とで示すように、下ケース4に対して上ケース3を水平姿勢に維持したまま上下方向に平行的に移動させることができる。詳しくは、連結体5は、上下一対のリンク90・91と、下ケース4の軸受ブロック82に形成されて、各リンク90・91の前端部を支持する第1軸92と第2軸93と、上ケース3の軸受部86に形成されて、各リンク90・91の後端部を支持する第3軸94と第4軸95とで構成される。第1軸92が先の連結軸6を構成する。上下のリンク90・91の前後方向の長さ寸法は均一に設定されており、これにより第1軸92と第2軸93を中心にして両リンク90・91を回転させたとき、軸受部86を軸受ブロック82に対して平行的に移動させることができる。以上より、図1において実線で示す閉姿勢から、仮想線で示す開姿勢に至るまで、下ケース4に対して上ケース3が傾くことは無く、常に下ケース4の上面83に対して水平面88が平行となる姿勢状態に上ケース3は維持される。
【0034】
上記のようなクリップ形の測定装置1では、手指先10の末節部12の厚み寸法が被験者により異なると、ばね7の回転付勢力に由来する上ケース3の作用面87による手指先10に対する作用力が大小に変化することが避けられない。つまり、手指先10の末節部12の厚み寸法が大きくなればなるほど、ばね7は大きく巻き締められるために、上ケース3の作用面87が末節部12を押し下げる力(作用力)は大きくなり、逆に、末節部12の厚み寸法が小さくなると、上ケース3の手指先10に対する作用力は小さくなる。加えて、このように上ケース3の手指先10に対する作用力にばらつきが生じると、手指先10の下ケース4の上面83に対する押し付け圧にばらつきが生じるために、接触窓60に臨む手指先10の腹部11に対してプローブ15の先端を常に同一の圧力で接触させることが困難となり、プローブ15の手指先10に対する接触圧にばらつきが生じる。このため、手指先10の末節部12の厚み寸法が被験者により異なると、測定装置1による測定結果の客観性を担保すること、或いは測定結果の信頼性を担保することが困難となる。以上のような理由から、本実施例に係る測定装置1には、手指先10の末節部12の厚み寸法に応じて、上ケース3による手指先10に対する下方への作用力を変更するための作用力変更機構(作用力変更手段)100が設けられている。
【0035】
作用力変更機構100は、ばね7の上ケース3に対する回転付勢力を変更することで、上ケース3による手指先10に対する作用力を変更するように構成されている。具体的には、作用力変更機構100は、連結軸6(第1軸92)に回転可能に外嵌されるダイヤル101と、ダイヤル101の連結軸6まわりの遊動を規制する規制体102とで構成される。ダイヤル101には、その厚み方向にばね7のばね腕7cの挿入を許すばね受孔103が貫通状に形成されている。連結軸6は、その一端(右端)に雄ネジ部104が刻設されており、規制体102は当該雄ネジ部104に螺合接合されるナットである。以上より、連結軸6に対して規制体102を締め付け操作することで、下ケース4の軸受ブロック82と規制体102との間にダイヤル101を挟持して、当該ダイヤル101を回り止め不能に固定することができる。また、逆の手順で連結軸6に対して規制体102を弛緩操作することで、挟持状態を解除してダイヤル101を回転させることが可能となる。
【0036】
ばね7は、連結軸6に外嵌されるコイル部7aと、コイル部7aの両側から連出された左右一対のばね腕7b・7cとを備える捻じりコイルばねであり、一方のばね腕7bが、上ケース3を支持する下方側のリンク90に係合され、他方のばね腕7cがダイヤル101のばね受孔103に挿入され、常態においては下方側のリンク90が反時計方向に回転する方向、すなわち上ケース3が閉姿勢となる方向に回転付勢力を発揮する。図3および図4において、符号107はリンク90の前端側に形成されてばね腕7bを受け止める上面を示す。図4において、符号108は下ケース4の右側の軸受ブロック82に開設されてばね腕7cの移動を許す部分円弧状の貫通孔を示す。図2に示すように、連結軸6を中心とするばね受孔103、およびばね腕7cの位置は、測定装置1の右側面から視認可能に構成されており、これらばね受孔103およびばね腕7cに対応して、下ケース4の軸受ブロック82の右側面には、部分円弧状の目盛り109が記載されている。
【0037】
以上より、この目盛り109を基準にして、ダイヤル101を回転操作することで、ばね7の上ケース3に対する回転付勢力を大小に調整することができる。加えて、このようにばね7の回転付勢力を大小に調整することで、上ケース3の手指先10の末節部12に対する作用力を大小に調整して、さらに手指先10の下ケース4の上面83に対する押し付け圧を調整することができる。以上より、本実施例の測定装置1によれば、プローブ15の手指先10の腹部11に対する接触圧を大小に調整することができる。
【0038】
次に、上記構造による測定装置1を使った手指先10の皮膚感覚閾値の測定方法について説明する。まず、主制御装置70の制御プログラムを立ち上げる。このとき、無線通信により主制御装置70から測定装置1に向けてオン信号が送信され、これにより、測定装置1が稼働されるとともに、主制御装置70と測定装置1との間の無線接続状態が確立される。測定装置1の操作ボタン25が押圧操作されて電源スイッチ21がオンとなり、測定装置1が稼働されたときに、無線通信により主制御装置70との間で無線接続状態が確立されるようにしてもよく、要は、測定装置1による測定に先立って、主制御装置70と測定装置1との間の無線接続状態が確立されれば良い。
【0039】
次いで、図1に示すように、上ケース3と下ケース4とで手指先10を上下方向からクリッピングして、測定装置1を手指先10に装着する。このとき、手指先10の腹部11にプローブ15が接する適正位置に測定装置1を装着する。以上のように測定装置1を手指先10に装着したとき、手指先10の末節部12には、ばね7の回転付勢力に由来する上ケース3の作用力が付与されるので、手指先10は下ケース4の上面83に押し付けられ、この押し付け圧は、圧力センサ19により測定され、その測定結果は無線通信により主制御装置70に送られる。主制御装置70の制御プログラムは、圧力センサ19による押し付け圧の測定結果が適正な数値範囲内に入っているか否かを判別し、適正な数値範囲外である場合には、作用力変更機構100を操作して、ばね7の回転付勢力を変更して、上ケース3の手指先10の末節部12に対する作用力を調整するように指示する。具体的には、主制御装置70の制御プログラムは、圧力センサ19による押し付け圧の測定結果が適正な数値範囲よりも小さな場合には、ばね7が巻き締められて、ばね7の回転付勢力が大きくなる方向、すなわち反時計方向にダイヤル101を回転させるように、表示画面71に指示を出し、反対に圧力センサ19による押し付け圧の測定結果が適正な数値範囲より大きな場合には、ばね7の回転付勢力が小さくなる方向、すなわち時計方向にダイヤル101を回転させるように、表示画面71に指示を出す。図1には、圧力センサ19による押し付け圧の測定結果が適正な数値範囲内にある場合を示している。
【0040】
以上のように作用力変更機構100が操作されて押し付け圧が適正な数値範囲内とされたのちに、主制御装置70のスタートボタン72がオン操作されると、測定装置1はプローブ駆動部16を作動させて、微小振動を伴いながらプローブ15を前後方向に一往復させて、超音波振動刺激を伴う移動刺激を手指先10の腹部11に与える。ここでは、所定のスピード(例えば5mm/sのスピード)で、所定幅(例えば、40μmの幅)でプローブ15を動かす。その間に、被験者が主制御装置70の感知ボタン73をオン操作した場合には、さらに知覚され難い小さな超音波振動刺激を伴う移動刺激を被験者に与えて、被験者がプローブ15の移動を知覚できたか否かを確かめる。また、移動刺激を与えたにも拘わらず、被験者の反応がない場合には、より知覚されやすい大きな幅でプローブ15を動かして、被験者が超音波振動を伴う移動刺激を知覚できたか否かを確かめる。このようにして超音波振動を伴う移動刺激を大小に異ならせて測定を行うことにより、前後方向の超音波振動を伴う移動刺激に対する被験者の手指先10の皮膚感覚閾値を、再現性が高い状態で定量的に測定することができる。
【0041】
以上のようにして皮膚感覚閾値が測定されると、主制御装置70は測定結果を年齢や性別に基づいて構築されたデータベースと比較して、末梢神経障害の進行度合いを評価し、上記の測定結果とともに、評価結果を表示画面71に表示する。これにより、専門的な知識および技術を持っていない被験者であっても、得られた結果を糖尿病の予防などに反映させることができる。手足の痺れなどを引き起こす末梢神経障害の進行度合いを評価することもできる。また、手指先10の皮膚感覚の知覚状態を客観的に捉えることができるので、被験者の精神状態や健康状態を測るバロメーターとして、得られた測定結果を用いることもできる。つまり、この測定装置1は、糖尿病等の病気予防の目的に限らず、被験者の精神状態や健康状態を測る目的においても好適に使用できる。以上のようにして得られた測定結果は、時刻情報とともに主制御装置70の記録部に蓄積され、測定結果や評価結果は、表示画面71にグラフ化して表示させることができる。
【0042】
以上のように本実施例に係る測定装置1では、上ケース3による被験者の手指先10に対する下方への作用力を変更するための作用力変更機構100を設けて、被験者の手指先10の上下方向の厚み寸法に応じて作用力変更機構100を操作することで、上ケース3が被験者の手指先10を下ケース4に向かって押し付ける作用力を変更することができるようにした。これによれば、被験者の手指先10の上下方向の厚み寸法に応じて作用力を変更することで、被験者の手指先10が下ケース4に押し付けられる圧力を均一化して、接触窓60に臨む手指先10に対するプローブ15の接触圧を均一化することができる。以上より、この測定装置1を用いれば、手指先10の上下方向の厚み寸法に由来するプローブ15の接触圧のばらつきを排除することができるので、皮膚感覚閾値をより客観的に測定することが可能となる。
【0043】
ばね7の上ケース3に対する押圧付勢力を変更することで、上ケース3による被験者の手指先10に対する作用力を直接的に変更できるようにしたので、より精密に被験者の手指先10が下ケース4に押し付けられる圧力を変更することができる。したがって、より的確に被験者の手指先10が下ケース4に押し付けられる圧力を均一化して、接触窓60に臨む手指先10に対するプローブ15の接触圧を均一化することができる。
【0044】
ばね7を、連結軸6に外嵌されるコイル部7aと、コイル部7aの両側から連出された一対のばね腕7b・7cとを備える捻じりコイルばねとして、ダイヤル101を回転操作することで、ばね7の上ケース3に対する付勢力を変更することができるように構成したので、ダイヤル101の回転操作という簡単な操作で確実に被験者の手指先10が下ケース4に押し付けられる圧力を変更することができる。これによれば、測定装置1を手指先10にセットしてから測定を開始するまでの時間を短縮化して、よりスピーディに測定を行うことができるので、測定効率の向上を図ることができる。
【0045】
下ケース4と上ケース3とを平行リンク機構を介して連結したので、下ケース4に対する上ケース3を平行移動させることができる。これによれば、被験者の手指先10の上下方向の厚み寸法とは無関係に、手指先10の同一の箇所に対して上ケース3を常に同一姿勢で接触させることができるので、手指先10に対する上ケース3の作用箇所がばらつくことを抑えることができ、より的確に被験者の手指先10が下ケース4に押し付けられる圧力を均一化して、接触窓60に臨む手指先10に対するプローブ15の接触圧を均一化することができる。
【0046】
参考例図7および図8、皮膚感覚閾値の測定装置の参考例を示す。参考例の測定装置1の作用力変更機構100は、連結軸6の高さ位置を変更することで、上ケース3による被験者の手指先10に対する作用力を変更するものとされている。具体的には、作用力変更機構100は、下ケース4の前端から上方に向かって突出するとともに、当該突出寸法が変更可能に構成された軸体115と、下ケース4に対する任意の突出位置で軸体115を固定する軸体固定手段116とで構成される。軸体115は、平坦面117を有するDカット軸であり、その丸軸部の外周面には雄ねじ部118が刻設されている。軸体115を固定する軸体固定手段116は、下ケース4を挟むように配された上下一対のナット119・120であり、これらナット119・120は、軸体115の雄ねじ部118に螺合装着されている。軸体115の上端には連結軸6を備えるホルダー121が固定されている。下ケース4の前端には、平面122を有するD字状の通孔123が開設されている。平坦面117と平面122とが合致する状態で軸体115は通孔123に挿通されており、これにより下ケース4に対して軸体115は上下動可能に、且つ回転不能に装着されている。上ケース3の後端には、手指先10の末節部12を押圧する半球状の弾性ゴム125が装着されている。それ以外の構成は、実施例1と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0047】
上記のような構成からなる測定装置1においては、例えば、図7に示すように、両ナット119・120が下ケース4を挟持している状態(想像線で示す位置)から、上方側のナット119を軸体115に対して相対的に上方側に移動させたうえで、当該ナット119の下面に接するように下ケース4を相対的に上方側に移動させ、次いで下方側のナット120の上面が下ケース4の下面に接するように上方側に移動させることで、下ケース4からの軸体115の突出寸法を小さくすることができる。また、逆の手順で、下方側のナット120を下方側に移動させたうえで、下ケース4を下方側に移動させ、次いで下ケース4の上面に接するように上方側のナット119を下方側に移動させることで、下ケース4からの軸体115の突出寸法を大きくすることができる。
【0048】
この参考例に係る測定装置1においては、軸体115の下ケース4からの突出寸法を変更して、連結軸6の高さ位置を変更することで、上ケース3による被験者の手指先10に対する作用力を変更することができる。以上より、この測定装置1によれば、軸体115の長さ寸法を大きくして、連結軸6が上下動できる上下幅を大きくするだけで、被験者のより分厚い手指先10や足先といったような部分に対しても測定を行うことが可能となるので、より汎用性に富んだ測定装置1を得ることができる。また、被験者の手指先10の厚み寸法に合わせて、連結軸6の高さ位置を変更するだけで、上ケース3の被験者の手指先10に対する作用力を一定にすることができるので、連結軸6の高さ位置の調整が容易である点でも優れている。
【0049】
上記実施例においては、被験者の手指先10の皮膚感覚閾値を測定するための測定装置に本発明を適用した例を示したが、本発明の測定対象はこれに限られず、足裏の皮膚感覚閾値を測定するものであってよい。作用力変更手段100の具体的構成は、上記実施例に記載したものに限られない。
【符号の説明】
【0050】
1 皮膚感覚閾値の測定装置(測定装置)
3 上ケース
4 下ケース
6 連結軸
7 付勢手段(ばね)
7a コイル部
7b ばね腕
7c ばね腕
10 手足(手指先)
15 プローブ
16 プローブ駆動部
17 移動量検出部
20 駆動制御部(制御チップ)
60 接触窓
83 上面
90 リンク体
100 作用力変更手段(作用力変更機構)
101 ダイヤル
102 規制体
103 ばね受孔
115 軸体
116 軸体固定手段
121 ホルダー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8