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特許7401966エアスライダ接続構造およびシップローダ
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  • 特許-エアスライダ接続構造およびシップローダ 図1
  • 特許-エアスライダ接続構造およびシップローダ 図2
  • 特許-エアスライダ接続構造およびシップローダ 図3
  • 特許-エアスライダ接続構造およびシップローダ 図4
  • 特許-エアスライダ接続構造およびシップローダ 図5
  • 特許-エアスライダ接続構造およびシップローダ 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】エアスライダ接続構造およびシップローダ
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/56 20060101AFI20231213BHJP
   B65G 67/60 20060101ALI20231213BHJP
   B65G 11/18 20060101ALI20231213BHJP
   B65G 53/20 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B65G53/56
B65G67/60 A
B65G11/18 Z
B65G53/20
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018189823
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020059562
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】雄関 康隆
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-118535(JP,A)
【文献】特開平05-246379(JP,A)
【文献】実公昭46-018597(JP,Y1)
【文献】実公昭52-057586(JP,Y2)
【文献】実開平04-117829(JP,U)
【文献】実公昭38-027771(JP,Y1)
【文献】特開2007-320686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/56
B65G 67/60
B65G 11/18
B65G 53/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1エアスライダの払出側端部に設けられたシュートと、
第2エアスライダの受入側端部に設けられた、長穴状の受入口が形成された天板と、
前記シュートに取り付けられた、前記天板に固定されて前記受入口を閉塞する閉塞板であって、前記天板に対する固定位置が前記受入口の長手方向に変更可能に構成された閉塞板と、
を備える、エアスライダ接続構造。
【請求項2】
前記受入口は、前記第2エアスライダの軸方向に延びている、請求項に記載のエアスライダ接続構造。
【請求項3】
請求項またはに記載のエアスライダ接続構造を備えるシップローダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアスライダ同士の間の接続構造、およびこれを含むシップローダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、粉体の搬送にエアスライダが用いられている。エアスライダは、受入側端部から払出側端部へ向かって下り勾配となっており、エアスライダの軸方向に延びる矩形筒状の筐体と、前記筐体内に配置された搬送面を構成する通気部材(例えば、メッシュ)を含む。そして、通気部材と筐体の底面との間にエアが供給され、このエアが通気部材を吹き抜けることによって通気部材上の粉体が流動化し、粉体が自重でエアスライダの受入側端部から払出側端部に向かって流れる。
【0003】
このようなエアスライダ同士を接続するには、一般的に上流側の第1エアスライダの払出側端部に設けられたシュートと、下流側の第2エアスライダの受入側端部に設けられた受入管とが直接的にまたは回転継手を介して結合される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭60-118535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、第1エアスライダおよび第2エアスライダを含む搬送装置を例えばシップローダに用いようとするには、船の受入口の位置に応じて、第2エアスライダの払出側端部の位置を変更する必要がある。これを実現するには、第1エアスライダの払出側端部に対する第2エアスライダの受入側端部の位置を変更できるようにすることが有効である。このような構成は、シップローダ以外の用途にも有用である。
【0006】
そこで、本発明は、第1エアスライダの払出側端部に対する第2エアスライダの受入側端部の位置を変更することができるエアスライダ接続構造を提供することを目的とする。また、本発明は、そのエアスライダ接続構造を含むシップローダを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の一つの観点からのエアスライダ接続構造は、第1エアスライダの払出側端部に設けられたシュートと、第2エアスライダの受入側端部に設けられた、受入口を形成する複数の受入管と、を備え、前記複数の受入管のいずれか1つに前記シュートが選択的に接続され、残りの受入管に前記受入口を閉塞するキャップが取り付けられている、ことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、シュートをどの受入管に接続するかによって第1エアスライダの払出側端部に対する第2エアスライダの受入側端部の位置を変更することができる。これにより、第2エアスライダの払出側端部の位置を変更することができる。
【0009】
前記複数の受入管は、前記第2エアスライダの軸方向に並んでいてもよい。この構成によれば、第2エアスライダの払出側端部の位置を第2エアスライダの軸方向に沿って変更することができる。
【0010】
また、本発明の別の観点からのエアスライダ接続構造は、第1エアスライダの払出側端部に設けられたシュートと、第2エアスライダの受入側端部に設けられた、長穴状の受入口が形成された天板と、前記シュートに取り付けられた、前記天板に固定されて前記受入口を閉塞する閉塞板であって、前記天板に対する固定位置が前記受入口の長手方向に変更可能に構成された閉塞板と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、天板に対する閉塞板の固定位置を変更すれば第1エアスライダの払出側端部に対する第2エアスライダの受入側端部の位置を変更することができる。これにより、第2エアスライダの払出側端部の位置を変更することができる。
【0012】
前記受入口は、前記第2エアスライダの軸方向に延びていてもよい。この構成によれば、第2エアスライダの払出側端部の位置を第2エアスライダの軸方向に沿って変更することができる。
【0013】
また、本発明のシップローダは、上記のエアスライダ接続構造を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1エアスライダの払出側端部に対する第2エアスライダの受入側端部の位置を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係るエアスライダ接続構造の断面図である。
図2図1に示す状態からシュートの接続先を変更した場合の断面図である。
図3】本発明の第2実施形態に係るエアスライダ接続構造の断面図である。
図4図3のIV-IV線に沿った平面図である。
図5図3に示す状態から閉塞板の固定位置を変更した場合の断面図である。
図6図5のVI-VI線に沿った平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係るエアスライダ接続構造1Aを示す。このエアスライダ接続構造1Aは、第1エアスライダ2と第2エアスライダ4の間の接続構造である。例えば、エアスライダ接続構造1Aは、粉体輸送船に粉体を積み込むシップローダに組み込まれる。
【0017】
第1エアスライダ2は、受入側端部(図示せず)から払出側端部へ向かって下り勾配となっている。具体的に、第1エアスライダ2は、受入側端部から払出側端部まで当該エアスライダの軸方向に延びる矩形筒状の筐体21と、筐体21内に配置された搬送面を構成する通気部材(例えば、メッシュ)22を含む。通気部材22と筐体21の底面との間には、エアが供給される。
【0018】
同様に、第2エアスライダ4は、受入側端部から払出側端部(図示せず)へ向かって下り勾配となっている。具体的に、第2エアスライダ4は、受入側端部から払出側端部まで当該エアスライダの軸方向に延びる矩形筒状の筐体41と、筐体41内に配置された搬送面を構成する通気部材(例えば、メッシュ)42を含む。通気部材42と筐体41の底面との間には、エアが供給される。
【0019】
第1エアスライダ2の払出側端部には、当該払出側端部から下向きに延びる管状のシュート23が設けられている。シュート23の断面形状は、矩形であっても円形であってもよいし、上方から下方に向かって矩形から円形に変化してもよい。
【0020】
シュート23の下端にはフランジが設けられており、このフランジにフレキシブルチューブ3が図略のボルトによって取り付けられている。フレシキブルチューブ3の内部には、粉体がフレシキブルチューブ3に直接接触しないように内筒31が配置されている。
【0021】
第2エアスライダ4の受入側端部には、受入部43が設けられている。受入部43は、上下方向に延びる矩形筒状の周壁44と、周壁44の上側の開口を閉塞する天板45を含む。周壁44の断面形状は、第2エアスライダ4の軸方向に長い長方形状である。
【0022】
天板45には、受入口40を形成する複数の受入管46が設けられている。受入管46は、天板45から上向きに突出する。本実施形態では、受入管46の数が3つであるが、受入管46の数は2つであってもよいし4つ以上であってもよい。
【0023】
本実施形態では、受入管46が第2エアスライダ4の軸方向に並んでいる。ただし、受入部43の形状を、第2エアスライダ4の軸方向から見たときに下向きに尖る三角形状とすれば、受入管46は第2エアスライダ4の幅方向に並んでいてもよい。あるいは、受入管46は、第2エアスライダ4の軸方向および幅方向に対して斜め方向に並んでいてもよいし、マトリクス状に並んでいてもよい。
【0024】
受入管46のいずれか1つ(図1では中央の受入管46)には、シュート23がフレキシブルチューブ3を介して選択的に接続され、残りの受入管46には、受入口40を閉塞するキャップ5が取り付けられている。
【0025】
具体的に、各受入管46の上端にはフランジが設けられており、1つの受入管46のフランジにフレキシブルチューブ3が図略のボルトによって取り付けられている。残りの受入管46のフランジには、キャップ5が図略のボルトおよびナットによって取り付けられている。
【0026】
このような構成のエアスライダ接続構造1Aでは、シュート23をどの受入管46に接続するかによって第1エアスライダ2の払出側端部に対する第2エアスライダ4の受入側端部の位置を変更することができる。これにより、第2エアスライダ4の払出側端部の位置を変更することができる。例えば、図2に示すように、シュート23を接続する受入管46を中央の受入管46から後側の受入管46に変更すれば、第2エアスライダ4の払出側端部の位置を前方に移動することができる。
【0027】
また、本実施形態では、受入管46が第2エアスライダ4の軸方向に並んでいるので、第2エアスライダ4の払出側端部の位置を第2エアスライダ4の軸方向に沿って変更することができる。
【0028】
(第2実施形態)
図3および図4に、本発明の第2実施形態に係るエアスライダ接続構造1Bを示す。なお、本実施形態において、第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0029】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、第2エアスライダ4の受入側端部に設けられた受入部43の周壁44が、第2エアスライダ4の軸方向に長い長方形状の断面形状を有する。
【0030】
本実施形態では、受入部43の天板45に、長穴状の受入口40が形成されている。一方、シュート23には、フレキシブルチューブ3を介して閉塞板6が取り付けられている。
【0031】
本実施形態では、受入口40が第2エアスライダ4の軸方向に延びている。ただし、受入部43の形状を、第2エアスライダ4の軸方向から見たときに下向きに尖る三角形状とすれば、受入口40は第2エアスライダ4の幅方向に延びていてもよい。あるいは、受入口40は、第2エアスライダ4の軸方向および幅方向に対して斜め方向に延びていてもよい。
【0032】
閉塞板6は、図略のボルトにより天板45に固定されて受入口40を閉塞する。なお、図示は省略するが、閉塞板6の天板45と当接する下面には、受入口40を取り巻くようにシール溝が形成されており、このシール溝に環状のシール部材(例えば、Oリング)が挿入されている。また、閉塞板6は、天板45に対する固定位置が受入口40の長手方向(本実施形態では、第2エアスライダ4の軸方向)に変更可能に構成されている。
【0033】
本実施形態では、天板45に、第2エアスライダ4の軸方向に延びる一対のガイド47が取り付けられている。一方、第2エアスライダ4の幅方向における閉塞板6の下面の両端部には、ガイド47と係合する溝61が形成されている。ガイド47には、上述した閉塞板6固定用のボルトが螺合するネジ穴が所定のピッチで設けられている。すなわち、ボルトをどのネジ穴に螺合するかによって天板45に対する閉塞板6の固定位置を変更することができる。ただし、天板45に対する閉塞板6の固定位置を変更可能とする構成はこれに限られず、適宜変更可能である。
【0034】
このような構成のエアスライダ接続構造1Bでは、天板45に対する閉塞板6の固定位置を変更すれば第1エアスライダ2の払出側端部に対する第2エアスライダ4の受入側端部の位置を変更することができる。これにより、第2エアスライダ4の払出側端部の位置を変更することができる。例えば、図5および図6に示すように、天板45に対する閉塞板6の固定位置を中央から後側に変更すれば、第2エアスライダ4の払出側端部の位置を前方に移動することができる。
【0035】
また、本実施形態では受入口40が第2エアスライダ4の軸方向に延びているので、第2エアスライダ4の払出側端部の位置を第2エアスライダ4の軸方向に沿って変更することができる。
【0036】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0037】
例えば、第1実施形態および第2実施形態において、フレキシブルチューブ3が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1A,1B エアスライダ接続構造
2 第1エアスライダ
23 シュート
4 第2エアスライダ
40 受入口
45 天板
46 受入管
5 キャップ
6 閉塞板
図1
図2
図3
図4
図5
図6