(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】非常警報装置
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
G08B17/00 G
(21)【出願番号】P 2018208384
(22)【出願日】2018-11-05
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】冨田 寿幸
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-194692(JP,A)
【文献】特開2001-014570(JP,A)
【文献】特開2017-142608(JP,A)
【文献】特開平10-011679(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073562(WO,A1)
【文献】特開2011-180742(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0334076(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0079124(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常時に押下される発信部と、該発信部の位置を表示する表示灯と、を備え、
該表示灯は、該発信部を囲む様に設けられ、発光素子と、透明又は透光性の発光表示部と、該発光素子からの光を拡散させるための
1つのリング状の拡散部と、を有しており
(但し、発光素子を5個以上有するものを除く)、
該発光表示部は
、少なくとも2箇所に設けられており、該2箇所の内、一方の該発光表示部は、該拡散部の前面を覆う様に設けられ
、他方の該発光表示部は、該発信部の周囲を覆う様に設けられており、該2箇所に設けられた該発光表示部は、何れも該拡散部により拡散された該光によって発光するものとなっており、
該拡散部は、その裏面に反射溝が形成されていると共に該発光素子からの光を受ける受光部を有しており、
該受光部には、該発光素子からの光を該拡散部の周方向へと偏向する偏向部が設けられていることを特徴とする非常警報装置。
【請求項2】
前記発光表示部は、内側且つ奥側に向かって傾斜する傾斜面となっていることを特徴とする請求項1に記載の非常警報装置。
【請求項3】
前記拡散部は、その表面が、外周側より内周側が低くなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非常警報装置。
【請求項4】
前記拡散部よって、拡散された前記光を更に散乱させる散乱板を更に備え、
前記2箇所に設けられた前記発光表示部は、何れも該散乱板により散乱された該光によって発光するものとなっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の非常警報装置。
【請求項5】
前記非常警報装置の前面側には、背面に、螺子孔と、1又は複数の係止受部を有する機器カバーが
設けられ、
前記表示灯が、前記発光表示部よりも外縁に該係止受部に対応する様に設けられた係止部と、螺子挿通孔を有し
、
該係止受部に、該係止部を回動させ
ることで、該発光表示部を該機器カバーに仮固定
可能となっており、
該螺子挿通孔を介して、該螺子孔に螺子を螺合
可能となっていることを特徴とする
請求項1乃至4の何れかに記載の非常警報装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常警報装置及びその発光表示部の取付方法に関し、より詳細には、表示灯を有する非常警報装置及びその発光表示部の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常事態(特に、犯罪や火災等)が起こったことを外部に知らせるための非常警報装置がある(例えば、特許文献1を参照)。非常警報装置は、非常時に押下される発信部と、発信部の位置を示す表示灯と、音により外部に非常事態が起こったことを知らせる音響装置とを有している。非常警報装置は単独または連動で動作するものであり、発信部を操作すると音響装置により鳴動する。
【0003】
非常警報装置の表示灯は、非常警報装置の表面側に位置する機器カバーに取付けられている。機器カバーには、略矩形の開口部が設けられており、該開口部には、表示灯の光源である発光ダイオード(LED)が実装された基板が取付けられており、該開口部を塞ぐように且つ該基板を覆うように略円錐形のグローブが更に取付けられる。このグローブは、表示灯の視認性の確保から機器カバーから突出する様に取り付けられている。
【0004】
この様な非常警報装置は、商用電源等に接続されており、商用電源等から電力の供給を受けているが、その規格上、停電等によって、商用電源等から電力の供給が受けられなくなった場合においても、蓄電池等の予備電源によって、一定時間起動可能になっている必要がある。
【0005】
一方、消火機器の発信機の位置を表示する表示灯がある。近年、発信機の表示灯として、機器カバーから突出しない又は殆ど突出しない表示灯が開発されている(例えば、特許文献2を参照)。この様な表示灯は、発信機の周囲に設けられ、リング状に発光する様になっていることで視認性を確保しており、機器カバーから突出しないことで、物や人の衝突等が原因の破損が防止可能であるという利点を有している(以下、この表示灯を、リング型表示灯をいう)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平10-11679号公報
【文献】特開2017-84023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の非常警報装置は、表示灯が機器カバーより突出して設けられているため、表示灯に物や人が誤ってぶつかってしまい、その衝撃によって、表示灯が破損するおそれがあるものであった。
【0008】
前記のリング型表示灯を非常警報装置に適用することで、この様な表示灯の破損が防止できる様に思われるが、リング型表示灯は、リング状に発光させるために、多くのLEDを必要するため、比較的消費電力が大きいという欠点がある。そのため、商用電源等からの電力供給が遮断され、予備電源での動作を余儀なくされた場合、予備電源の消費が激しくなってしまい、従来のリング型表示灯を非常用警報装置の表示灯として用いることは困難であった。
【0009】
そこで、本発明は、より省電力なリング状に発光する表示灯を開発し、リング状に発光する表示灯を非常警報装置にも適用可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の表示灯は、非常時に押下される発信装置を囲む様に取付可能であると共に該発信装置の位置を表示するための表示灯であって、発光素子と、該発光素子からの光を拡散させるためのリング状の拡散部と、少なくとも該拡散部の前面を覆う様に設けられる透明又は透光性の発光表示部と、を備え、該拡散部は、その裏面に反射溝が形成されていると共に該発光素子からの光を受ける受光部を有しており、該受光部は、該発光素子からの光を該拡散部の周方向へと偏向する偏向部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
又、本発明の非常警報装置は、非常時に押下される発信部と、該発信部の位置を表示する表示灯と、を備え、該表示灯は、該発信部を囲む様に設けられ、発光素子と、透明又は透光性の発光表示部と、該発光素子からの光を拡散させるための1つのリング状の拡散部と、を有しており(但し、発光素子を5個以上有するものを除く)、該発光表示部は、少なくとも2箇所に設けられており、該2箇所の内、一方の該発光表示部は、該拡散部の前面を覆う様に設けられ、他方の該発光表示部は、該発信部の周囲を覆う様に設けられており、該2箇所に設けられた該発光表示部は、何れも該拡散部により拡散された該光によって発光するものとなっており、該拡散部は、その裏面に反射溝が形成されていると共に該発光素子からの光を受ける受光部を有しており、該受光部には、該発光素子からの光を該拡散部の周方向へと偏向する偏向部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
又、本発明の発光表示部の取付方法は、背面に、螺子孔と、1又は複数の係止受部を有する機器カバーが前面側に取付けられ、前記表示灯が、前記発光表示部よりも外縁に該係止受部に対応する様に設けられた係止部と、螺子挿通孔を有している前記非常警報装置における発光表示部の取付方法であって、該係止受部に、該係止部を回動させて、該発光表示部を該機器カバーに仮固定する段階と、該螺子挿通孔を介して、該螺子孔に螺子を螺合する段階と、を含むことを特徴とする。
【0013】
尚、本発明は、前記発光表示部を、内側且つ奥側に向かって傾斜する傾斜面とすることが可能である。又、本発明は、前記拡散部を、その表面が、外周側より内周側が低くなるように形成することが可能である。又、本発明は、前記拡散部よって、拡散された前記光を更に散乱させる散乱板を更に備えるものとし、前記2箇所に設けられた発光表示部の何れもが該散乱板により散乱された該光によって発光するものとすることが可能である。又、本発明は、前記非常警報装置の前面側に、背面に、螺子孔と、1又は複数の係止受部を有する機器カバーを設け、前記表示灯を、前記発光表示部よりも外縁に該係止受部に対応する様に設けられた係止部と、螺子挿通孔を有するものとし、該係止受部に、該係止部を回動させることで、該発光表示部を該機器カバーに仮固定可能とし、該螺子挿通孔を介して、該螺子孔に螺子を螺合可能とすることが可能である。
【0014】
尚、本発明において、「リング状」には、円状や楕円状のもののみならず、多角形状のものや、分割リング等の不連続なものも含まれるものとする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、発光素子からの光を受ける受光部が、該光を拡散部の周方向に偏向する偏向部を有すると共に拡散部の裏面に反射溝を形成したので、少ない数の発光素子で、表示灯をリング状に光らせることが可能であり、表示灯の消費電力を抑えることが可能であるので、非常警報装置にもこの様な表示灯を適用することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1及び第2実施形態を示す図であり、非常警報装置の斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態を示す図であり、非常用警報装置の分解図である。
【
図3】本発明の第1実施形態を示す図であり、(a)が、拡散板の正面側の拡大斜視図であり、(b)が拡散板の背面側の拡大斜視図である。
【
図4】本発明の第2実施形態を示す図であり、非常用警報装置の分解図である。
【
図5】本発明の第2実施形態を示す図であり、(a)が、拡散板の正面側の拡大斜視図であり、(b)が拡散板の背面側の拡大斜視図である。
【
図6】本発明の第1及び第2実施形態における拡散板の変形例を示す図であり、(a)は立片部を設けられた例における正面側の拡大斜視図であり、(b)は略三角柱状の受光ガイドが設けられた例における背面側の拡大斜視図である。
【
図7】本発明の第1及び第2実施形態における散乱板の変形例を示す図であり、背面側の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1実施形態を、非常警報装置に取付けられる表示灯を例として、
図1乃至
図3に基づき説明する。非常警報装置1は、筐体2を備えている。筐体2は、前面側に設けられた機器カバー3と、機器カバー3の裏面側に位置する本体部4と、を有している。又、非常警報装置1は、図示されない商用電源等に接続されている。
【0018】
本体部4には、発信部5と、予備電源試験板6が設けられており、本体部4内には、停電時等の前記商用電源等より送電されない場合に使用される蓄電池等の予備電源(図示せず)が設けられている。
【0019】
発信部5は、非常時に押下されることで、本体部4内に設けられた音響装置(図示せず)に非常信号を発信する発信装置の一種であり、発信部5による非常信号を受信した音響装置が周囲に非常事態を知らせる音声等を鳴動する。
【0020】
予備電源試験板6には、該試験時に押下される試験ボタン7と、確認灯8と、を有している。試験ボタン7は、前記予備電源が、停電時等に正常に電源供給可能であるかを試験するために設けられている。本実施形態においては、非常警報装置1は、試験ボタン7が押下されると、該予備電源が正常に動作したことを検知した場合は、試験ボタン7を押下している間、確認灯8を点灯し、該予備電源の動作が異常であることを検知した場合は、試験ボタン7を押下している間、確認灯8が点滅する様になっている。
【0021】
機器カバー3には、試験ボタン7を筐体2の外部より押下可能とするために略矩形状の操作用開口部9が設けられている。又、機器カバー3には、表示灯10が取付けられており、表示灯10を取付けるための略円形状の開口部11(以下、表示灯開口部11という)が設けられている。機器カバー3の裏面に位置する表示灯開口部11の周縁には、後述するリング灯プレート15を機器カバー3に取付けるための螺子孔12が形成された有底の螺着部13が立設されていると共に1又は複数の係止受部14が設けられている。
【0022】
表示灯10は、リング灯プレート15、散乱板16、拡散板17及び基板18を有している。基板18は、発光素子の一例たる複数の発光ダイオード(LED)19が同円周上に配置される様に間欠的に実装されている。本実施形態においては、基板18は、発信部5が貫通可能となる様に略馬蹄形状をなしている。又、LED19は、サイドビューLEDが採用されており、後述する拡散板17の受光部27と対向する様に基板18の外方に向けて実装されており、例えば、4個のLED19が略等角(略90°)の間隔で配置されている。拡散板17は、LED19からの光をリング状に拡散させるための拡散部として設けられている。
【0023】
散乱板16は、拡散板17によって、リング状に拡散された光を、更に散乱させ、後述する発光表示部21を、全体に亘って略均一の輝度で光らせるために設けられている。本実施形態において、散乱板16は、拡散板17の前面に載置されると共に後述する発光表示部21の背面側に位置する様に設けられ、散乱剤を分散させた乳白色の樹脂で形成されており、両面とも平坦に成形されている。尚、散乱板16は、主に非常用警報装置1の美感の向上のために設けられているものであり、省略することも可能である。又、散乱板16の形状や色は必要に応じて適宜選択可能である。
【0024】
リング灯プレート15は、機器カバー3に表示灯10を取り付けた際に、外周側から、機器カバー3の裏面に当接する鍔部20、鍔部20の内方に位置する発光表示部21、発光表示部21の内方に位置する不透光部22が位置しており、不透光部22によって囲まれる様に操作用開口部23が形成されている。つまり、鍔部20は、表示灯10であって、発光表示部20よりも外縁側に位置していることとなる。鍔部20には、機器カバー3に表示灯10を保持するための螺子挿通孔24が突設されていると共に係止受部14と対応する様に設けられた係止部25が設けられている。操作用開口部23は、発信部5を、筐体2の外部より操作可能とするために設けられている。
【0025】
発光表示部21は、透明又は透光性を有しており、拡散板17の前方を覆う様に設けられ、拡散板17で拡散された光(本実施形態においては、散乱板16によって更に散乱された光)が透過してリング状に光る様になっている。発光表示部21の裏面側は、散乱板16を挟む形で拡散部10が嵌着可能に設けられている。又、発光表示部21は、内側且つ奥側に向かって傾斜する傾斜面となっており、この様にすることで表示灯10(発光表示部21)をより広い方向から判別することが可能となる。
【0026】
本実施形態においては、リング灯プレート15は、全体が透明又は透光性のある素材で形成されており、発光表示部21よりも内方に、操作用開口部23の周囲を僅かに残す様に、不透光性の素材からなるシールを貼付することによって不透光部22を形成している。さらに、操作用開口部23は、アール面取り加工されている。そのため、発光表示部21と共に操作用開口部23の周囲も光る様になっており、当該部分が、発光表示部26として機能する様になっている。つまり、本実施形態においては、発光表示部が2箇所に設けられており、一方は、発光表示部21が拡散板17の前方を覆う様に設けられ、他方は、発光表示部26が発信部5の周囲を覆う様に設けられていることとなる。尚、操作用開口部23は、内方に向けって傾斜するテーパー形状とすることが好ましい。この様にすることで、発信部5をより操作しやすくなる。
【0027】
発光表示部21を有するリング灯プレート15を機器カバー3に取付ける際には、機器カバー3の係止受部14に係止部25を回動させることで、リング灯プレート15を仮固定し、その後、螺子挿通孔24を介して螺子孔12に螺子を螺合する。
【0028】
拡散板17は、LED19からの光を拡散させるための拡散部として設けられ、LED19からの光を受ける複数の受光部27を有しており、その裏面に反射溝28が形成されている。受光部27には、受光ガイド部29及び受光ガイド部29と連続する偏向部30が形成されている。
【0029】
反射溝28は、本実施形態においては、同じ深さの溝であり、該溝が、周方向に等間隔に並列する様に形成されている。該溝の形状は、適宜選択可能であるが、例えば、略V字状溝が採用される。又、該溝が、どの方向に向けて形成するかについても適宜選択可能であり、拡散板17の中心方向に向けられていてもよいし、それより偏心した位置に向けられていてもよく、更に、全ての該溝が同一の方向に向けられてなくともよい。
【0030】
受光ガイド部29は、本実施形態において、LED19として、サイドビューLEDを採用している且つLED19が、拡散板17よりも内方に位置する様になっている関係上、拡散板17の内径方向に向けられて設けられているが、LED19を拡散板17よりも外方に設けることも可能であり、その場合は、受光ガイド部29は、拡散板17の外径方向に向けられて設けられる。尚、受光ガイド部29が向けられる方向は、適宜選択可能であり、各受光ガイド部29が異なる方向に向けられていても良い。
【0031】
偏向部30は、LED19からの光を拡散板17の周方向へと偏向し、リング状に拡散させるために形成され、LED19からの光を偏向するための偏光面を形成する様に、拡散板17に設けられた切欠となっている。本実施形態において、偏向部30は、LED19からの光が、時計回りと反時計回りのそれぞれへと偏向される様に略V字状の切欠として設けられており、それによって、2つの偏向面31が形成されている。
【0032】
従って、本実施形態に表示灯10においては、LED19の光を拡散板17でリング状に拡散させることによって、少ない数のLED19で発光表示部21を光らせることが可能になるので、省電力化を期待することができ、商用電源等からの電力供給が遮断され、予備電源での動作を余儀なくされた場合であっても、規定時間、非常警報装置1を、起動可能な状態に保持可能となる。
【0033】
本発明の第2実施形態を
図1、
図4及び
図5に基づき説明する。本実施形態と第2実施形態との相違は、基板18を別途設け、発光素子(LED19)を基板18に実装するのではなく、本体部4の基板(図示せず)に実装した点である。第1実施形態と同符号を付した構成については、同実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0034】
本実施形態の表示灯32は、リング灯プレート15、散乱板16、拡散板33及びライトガイド34を有している。ライトガイド34は、本体部4の基板に実装されたLED(図示せず)からの光を拡散板33に導くための導光部として設けられている。尚、ライトガイド34は、拡散板33の受光部27(受光ガイド部29)と一体的に設けることも可能である。
【0035】
拡散板33は、第1実施形態の拡散板17と基本的に同様であるが、発光素子であるLEDが本体部4の基板に実装されている関係で、受光部27の受光ガイド部29が、ライトガイド34と対向し、且つ裏面側を向く形で設けられている。又、拡散板33には、リング灯プレートの螺子挿通孔24に共に螺着される螺子止部35が形成されている。
【0036】
拡散板33の表面側は、発光表示部21の形状に合わせて、内側且つ奥側に向かって傾斜する様に形成されており、この様にすることで、発光表示部21を、全体に亘ってより均一な輝度で光らせることが可能になっている。
【0037】
本発明を、上記実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0038】
(1)上記実施形態は、本発明の表示灯を非常警報装置1に適用した例であるが、本発明の表示灯を、別の発信装置、例えば、消火機器の発信機、の表示灯として適用することも可能である。この様にすることで、消火機器においても省電力化を実現することが可能となる。この場合、発光表示部は発信機を囲む様に取り付けられ、発信機は、不透光部22が位置する当たりに位置することとなる。
【0039】
(2)第1実施形態において、拡散板17の表面側は、平坦に形成したが、拡散板36の様に、表面側の外周縁部に立片部37を設けることも可能である(
図6(a)を参照)。この様にすることで、発光表示部21を、全体に亘ってより均一な輝度で光らせることが可能である。又、拡散板33の様に、表面側を発光表示部21の形状に合わせて、内側且つ奥側に向かって傾斜する様に形成することも可能であり、その様にすることで同様の効果を奏することが可能となる。
【0040】
(3)第2実施形態において、拡散板33の表面側を、発光表示部21の形状に合わせて、外周側より内周側が低くなる様に形成したが、拡散板17の様に表面側を平坦に形成することも可能である。又、拡散板33の様に表面側の外周縁部に立片部37を設けることも可能であり、その様にすることで同様の効果を奏することが可能となる。
【0041】
(4)上記実施形態においては、偏向部30を、完全な切欠として設けたが、拡散板17,33の表面側を残す様にして設けることも可能である。この様にすることで、発光表示部21の表面側から、偏向部30の形状が透けて見えることを防止することが可能となり、発光表示部21をより均一に光らすことが可能となる。
【0042】
(5)上記実施形態において、受光部27に略円筒形の受光ガイド部29を設けたが、受光ガイド部の形状は適宜変更可能である。例えば、拡散板38の受光ガイド部39の様に裏面側より表面側に向かって末広がりの略三角柱状に設けることも可能である(
図6(b)を参照)。この様にすることで、特に、第2実施形態の様に、発光素子が表示灯の裏面側に設けられている場合において、発光表示部21から、発光素子の光が点状に見えてしまうことを防止することが可能となる。
【0043】
(6)上記実施形態において、散乱板16は、両面とも平坦に成形したが、散乱板40の様に裏面側に凸起部41を設けてもよい(
図7を参照)。凸起部41は、拡散板17,33の受光部27と対向する位置に設けられており、通常、最も輝度が大きくなる受光部27及びその近傍からの光を減衰させることで、発光表示部21をより均一な輝度で光らせることが可能となる。
【0044】
(7)上記実施形態において、反射溝28は、均一の深さに、周方向に等間隔に形成したが、LED19からの距離に応じて、間隔を変更してもよいし、溝の深浅を変えてもよい。そうすることで、より発光表示部21を均一に発光させることができる。例えば、LED19から遠ざかる程、溝の深さは深くなる様にしたり、間隔が密になる様にしたりすることが可能である。
【0045】
(8)上記実施形態において、リング状に拡散された光を、略均一の輝度で光らせるものとしたが、左右方向または上下方向を強く光らせるように、強く光らせたい方向の反射溝28の間隔を変更してもよいし、溝の深浅を変えてもよい。例えば、発光表示部21の左右方向を強く光らせたい場合には、設置状態における左右方向の反射溝28の間隔を狭めたり、溝の深さを深くしたりすることが可能である。
【0046】
(9)上記実施形態において、拡散板17全体を、可能な限り略同じ輝度で光らせられる様に、偏向部30に2つの偏向面31を設けたが、偏向面を一つとし、時計回り又は反時計回りの一方に光を拡散させる様にしてもよい。その際、光を拡散させない時計回り又は反時計回りの他方の面については、受光ガイド部29,39から偏向部30への光の入射方向と略平行、例えば、受光ガイド部29,39側からみた傾斜角が略直角、となる様に形成することも可能である。
【0047】
(10)上記実施形態において、偏向部30の2つの偏向面31の受光ガイド部29,39側からみた傾斜角は、略同一な角度となる様に形成したが、偏向面31の傾斜角を各々異なる角度なる様に形成することも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 非常警報装置 2 筐体 3 機器カバー
4 本体部 5 発信部 6 予備電源試験板
7 試験ボタン 8 確認灯 9 操作用開口部
10 表示灯 11 表示灯開口部 12 螺子孔
13 螺着部 14 係止受部 15 リング灯プレート
16 散乱板 17 拡散板 18 基板
19 発光ダイオード 20 鍔部 21 発光表示部
22 不透光部 23 操作用開口部 24 螺子挿通孔
25 係止部 26 発光表示部 27 受光部
28 反射溝 29 受光ガイド部 30 偏向部
31 偏向面 32 表示灯 33 拡散板
34 ライトガイド 35 螺子止部 36 拡散板
37 立片部 38 拡散板 39 受光ガイド部
40 散乱板 41 凸起部