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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】カバー
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20231213BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H04M1/02 Z
G06F1/16 312Q
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019081020
(22)【出願日】2019-04-22
(65)【公開番号】P2020178308
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】393010318
【氏名又は名称】エレコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 悟史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 弘樹
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215450(JP,A)
【文献】登録実用新案第3165094(JP,U)
【文献】登録実用新案第3200365(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0083395(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02- 1/23
G06F 1/00
G06F 1/16- 1/18
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する端末に取り付けられた状態で、表示部を被覆可能なカバーであって、
少なくとも前記表示部を被覆するとともに、正面側に位置する主面と背面側に位置する主面とが平坦面となるシート状である本体部と、
前記本体部の端部の前記正面側の主面に設けられ、端末に取り付け可能な取付部と、
前記本体部の端部の前記背面側の主面において前記取付部と対向する位置に設けられた化粧部と、を備え、
前記取付部は、吸着性を有する吸着面を含む吸着性シートを有する、カバー。
【請求項2】
端末は、表示部の外縁に沿って延びるベゼルを有し、
表示部は、タッチパネルであり、
前記取付部は、長尺状に延び、
前記取付部の短手方向における幅は、前記ベゼルの延伸方向に直交する方向における幅よりも狭い、請求項1に記載のカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブレット、スマートフォン、携帯用ゲーム機といった端末に着脱可能なカバーであって、端末の表示部を被覆可能なカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タブレット等の端末に着脱可能なカバーとして、例えば、マグネット式のプライバシーフィルムが公知である(非特許文献1参照)。プライバシーフィルムは、各種情報を表示する表示部と、表示部を囲み且つ磁石が内蔵されたベゼルと、を備えるタブレットに着脱可能である。また、プライバシーフィルムは、端末の表示部を被覆する板状の本体部と、本体部の面方向における周縁領域に設けられ且つマグネットが内蔵された額縁部と、を有する。本体部は、表示部を被覆したとき、表示部の視野角を制限するフィルムで形成されている。このプライバシーフィルムは、プライバシーフィルムの額縁部をタブレットのベゼルに重ねて、ベゼルに内蔵された磁石と額縁部に内蔵されたマグネットとを磁気的に結合させることにより、本体部が表示部を被覆した状態で、タブレットに取り付けられる。これにより、タブレットの利用者以外からの表示部の覗き見を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“Amazon UNIQ マグネット式プライバシーフィルム 9.7インチ/iGuard/iPad Air 2・iPad 第5世代 専用/縦画面用/IG97PFP/パテント取得済み正規品”、[平成31年4月12日検索]、インターネット〈URL:https://www.amazon.co.jp/マグネット式プライバシーフィルム-9-7インチ-iGuard-2・iPad-IG97PFP/dp/B075MXFPTN〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記プライバシーフィルムでは、ベゼルに磁石が内蔵されていない端末に対する取り付けが困難であった。
【0005】
本発明は、ベゼルに磁石が内蔵されているか否かに関係なく端末に取り付け可能なカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカバーは、表示部を有する端末に取り付けられた状態で、表示部を被覆可能なカバーであって、周縁領域に設けられ、端末に取り付け可能な取付部、を備え、前記取付部は、吸着性を有する吸着面を含む吸着性シートを有する。
【0007】
かかる構成によれば、カバーは、吸着性シートの吸着面を端末に接触させて、取付部を端末に吸着させることにより、磁石が内蔵されていない端末(例えば、ベゼルに磁石が内蔵されていない端末)に対しても取り付け可能である。
【0008】
また、前記カバーでは、端末は、表示部の外縁に沿って延びるベゼルを有し、表示部は、タッチパネルであり、前記取付部は、長尺状に延び、前記取付部の短手方向における幅は、前記ベゼルの延伸方向に直交する方向における幅よりも狭くてもよい。
【0009】
かかる構成によれば、取付部の長手方向とベゼルの延伸方向とを揃え、且つ、取付部の外縁とベゼルの外縁とを重ねた状態で、カバーを端末に吸着させると、表示部とベゼルとの境界が取付部より内方に離間した位置に配置されるため、この境界近傍の表示部の外縁部にカバーを介して触れやすくなり、その結果、操作性を向上できる。
【発明の効果】
【0010】
以上より、本発明によれば、例えば、ベゼルに磁石が内蔵されていない端末に取り付け可能なカバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係るカバーの正面図である。
図2図2は、前記カバーの背面図である。
図3図3は、前記カバーの側面図である。
図4図4は、前記カバーの端末への取り付けを説明するための斜視図である。
図5図5は、端末に取り付けた前記カバーの模式図である。
図6図6は、図5のVIで示した前記カバーの取付部周辺の拡大図である。
図7図7は、変形例に係るカバーの正面図である。
図8図8は、変形例に係るカバーの正面図である。
図9図9は、変形例に係るカバーの正面図である。
図10図10は、変形例に係るカバーの正面図である。
図11図11は、変形例に係るカバーの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図1図6を参照しつつ説明する。図1図3に示すように、本実施形態に係るカバー1は、シート状(薄板状)である。カバー1は、図4に示すように、タブレット、スマートフォン、携帯用ゲーム機といった端末5に着脱可能である。端末5は、例えば、平面視において角が丸まった長方形状を有する板状である。本実施形態の端末5は、タブレットである。この端末5では、4辺のうち対向する一対の辺(短辺)の寸法がいずれも175mmであり、残りの対向する一対の辺(長辺)の寸法はいずれも250mmである。
【0013】
端末5は、表示部6を有する。また、端末5は、表示部6の表示外縁部60に沿って延びるベゼル7を備える。この端末5では、表示部6及びベゼル7は、いずれも端末5の前面50側(図4における上方側)に配置されている。さらに、端末5は、前面50と反対側(端末5の背面側、図4における下方側)に配置された本体部8を備える。
【0014】
本体部8は、CPU等の制御部、メモリ、バッテリー等を内蔵する部材である。また、本体部8は、例えば、平面視において矩形状をした板状である。
【0015】
表示部6は、各種情報を表示するディスプレイであり、例えば、平面視において矩形状の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。また、表示部6は、静電容量方式又は抵抗膜方式等を採用したタッチパネルである。
【0016】
ベゼル7は、例えば、表示部6を囲む矩形状の枠部材である。具体的に、ベゼル7は、表示部6の表示外縁部60のうち短辺側に位置する一対の表示短辺部61、及び、表示外縁部60のうち長辺側に位置する一対の表示長辺部62を囲むように連続して延びている。本実施形態のベゼル7には、カメラレンズ70及びセンサ71が配置されている。ベゼル7の幅W7(ベゼル7の延伸方向と直交する方向における幅W7)は、ベゼル7の延伸方向における全域において均一であり、例えば、8mmである。
【0017】
カバー1は、シート状(薄板状)であり、例えば、平面視において略矩形状である。本実施形態のカバー1は、周縁領域10と、周縁領域10に囲まれた中央領域11と、を有する。カバー1は、周縁領域10に設けられた取付部2、を備える(図3参照)。このカバー1は、少なくとも中央領域11に設けられた本体部3を備える。本実施形態のカバー1は、周縁領域10において取付部2と対向する位置に設けられた化粧部4を備える。
【0018】
本実施形態のカバー1は、端末5と対応した形状を有する(図4参照)。また、このカバー1には、端末5に取り付けられた状態でカメラレンズ70やセンサ71と対応する部位(カメラレンズ70やセンサ71と重なる位置)に、開口12が設けられている。カメラレンズ70に対応する部位に開口12が設けられていることにより、カバー1が端末5による写真の撮影の邪魔になることを防ぐことができる。同様に、センサ71に対応する部位に開口12が設けられていることにより、カバー1がセンサ71の邪魔になることを防ぐことができる。
【0019】
本体部3は、少なくとも端末5の表示部6を被覆可能な部材であり、例えば、端末5の前面50の全体を被覆可能な部材である。本実施形態の本体部3は、中央領域11及び周縁領域10に連続して延びている、即ち、カバー1の広がる方向における全域(カバー1の面方向における全域)に延びている。本体部3は、シート状(薄板状)であり、例えば、平面視において四つの角部30が丸まった長方形状を有する板状である。さらに、本体部3には、カバー1が端末5に取り付けられた状態でカメラレンズ70やセンサ71に対応する部位に、開口33が設けられている。
【0020】
以下、本体部3を平面視したとき、本体部3における開口33が設けられる側を縦方向における一方側(図1図3図5における上側)とし、本体部3における開口33が設けられる側と反対側を縦方向における他方側(図1図3図5における下側)とする。本体部3を平面視したとき、本体部3の縦方向と直交する方向を横方向(図1図2における水平方向(左右方向))とする。さらに、本体部3の厚み方向における端末5と対向する側を正面側(図1に現れている側、図3図5における右側)とし、本体部3の厚み方向における端末5と対向する側と反対側を背面側(図2に現れている側、図3図5における左側)とする。
【0021】
本実施形態の本体部3は、正面側に位置する主面である本体部第一主面31と、背面側に位置する主面である本体部第二主面32と、を有する(図4参照)。また、本実施形態の本体部3において、カバー1の周縁領域10を構成する端部34は、四つの角部30と、縦方向において対向する一対の端部である短辺端部341,342と、横方向において対向する一対の端部である長辺端部343,344と、を有する(図1参照)。なお、一対の短辺端部341,342のうち縦方向における一方側に位置する短辺端部341は、開口33が設けられていることにより、一部が欠けた形状を有する。
【0022】
さらに、本実施形態の本体部3は、端末5の表示部6の視野角を制限するようなプレートである。このプレートの材質は、樹脂であり、例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)である。プレートの厚みは、例えば、0.44mmである。なお、プレートは、カバー1が端末5に取り付けられた状態において、利用者が端末5に触れて操作する際の違和感を抑えるべく、例えば、可撓性を有する。
【0023】
取付部2は、端末5に取り付け可能な部材である。また、取付部2は、吸着性を有する吸着面20を含む吸着性シートである。取付部2の吸着面20は、図6に示すように、取付部2が端末5に取り付けられた状態において、端末5の前面50、例えば、ベゼル7の表面72と接触する。
【0024】
吸着性シートは、吸着面20に微細な窪み200が複数設けられたシートである。また、吸着性シートは、端末5の前面50(例えば、ベゼル7の表面72)に接触しやすいよう可撓性を有することが好ましい。吸着性シートの厚みは、例えば、0.55mmであり、本体部3の厚みよりも厚い。具体的に、吸着性シートは、自己吸着性シート、例えば、EVERSTIKである。
【0025】
本実施形態の取付部2は、長尺状に延びており、例えば、本体部3の端部34に沿って延びている(図1参照)。また、取付部2は、本体部3の正面側に設けられており、例えば、本体部第一主面31に接着により貼り付けられている。
【0026】
本実施形態の取付部2は、本体部3の端部34のうち、少なくとも本体部3の縦方向において対向する一対の短辺端部341,342の正面側(具体的に、本体部第一主面31の一対の短辺端部341,342に対応する位置)に設けられている。また、取付部2は、本体部3の四つの角部30の少なくとも一つの正面側、例えば、本体部3の四つの角部30の全ての正面側(具体的に、本体部第一主面31の角部30に対応する位置)に設けられている。
【0027】
この取付部2は、本体部3の角部30の頂部300から一辺側(例えば、短辺側(本実施形態のカバー1では横方向))に延びる部位と、角部30の頂部300から他辺側(例えば、長辺側(本実施形態のカバー1では縦方向))に延びる部位と、を含む。具体的に、取付部2は、本体部3の角部30の一辺側(例えば、短辺側(本実施形態のカバー1では横方向))に位置する端縁から一辺側に延びる第一取付部位21と、角部30の他辺側(例えば、長辺側(本実施形態のカバー1では縦方向))の端縁から他辺側に延びる第二取付部位22と、本体部3の角部30に配置された第三取付部位23を含む。
【0028】
第一取付部位21は、本体部3の縦方向において対向する一対の短辺端部341,342のそれぞれの全域に配置されている。第二取付部位22は、本体部3の横方向において対向する一対の長辺端部343,344のうちそれぞれの両端部(長辺端部343の縦方向における両端部、及び、長辺端部344の縦方向における両端部)に配置されている。
【0029】
取付部2の短手方向(延伸方向に直交する方向)における幅W2は、図4で示したベゼル7の延伸方向に直交する方向における幅W7よりも狭い。取付部2の短手方向における幅W2は、延伸方向において均一であっても不均一であってもよく、例えば、取付部2の短手方向における幅W2は、延出端に近いほど広くてもよい。
【0030】
本実施形態の取付部2では、第一取付部位21の短手方向における幅W21(例えば、第一取付部位21の縦方向における幅W21)は、延伸方向(例えば、短辺方向)における全域(例えば、横方向における全域)において均一である(図1参照)。また、第一取付部位の幅W21は、ベゼル7の幅W7よりも狭い。なお、第一取付部位21の幅W21は、例えば、5mmである。
【0031】
第二取付部位22の延伸方向に直交する方向における幅W22(例えば、第二取付部位22の横方向における幅W22)は、延伸方向(例えば、長辺方向)における少なくとも一部で不均一である。また、第二取付部位22の幅W22は、延伸方向における全域(例えば、縦方向における全域)において、第一取付部位21の幅W21よりも広い。具体的に、第二取付部位22の幅W22は、延出端220に近いほど広い。そのため、カバー1が端末5に取り付けられている場合に、カバー1の周縁部10のうち取付部2が貼り付けられていない部分から、カバー1を取り外そうとしても、モーメント(力)の掛かる取付部2の延出端220周辺の粘着強度を確保できる。第二取付部位22の延出端220における幅W220は、例えば、7mmである。
【0032】
化粧部4は、取付部2の吸着面20の反対側に位置する背面24を隠す部材である(図6参照)。この化粧部4は、取付部2とともに本体部3を挟む位置に配置されている。即ち、化粧部4は、本体部3の背面側に位置する面である本体部第二主面32における取付部2と重なる位置に配置されている。換言すると、化粧部4は、カバー1の周縁領域10に設けられている(図4参照)。
【0033】
化粧部4の形状は、取付部2の形状と対応する形状(取付部2の形状と略同じ形状)である(図2図6参照)。化粧部4は、不透明な材料で形成されたシート、例えば、樹脂シート(具体的には、マイクロセルポリマーシート(PORON))である。化粧部4の厚みは、例えば、0.5mmであり、本体部3の厚みよりも厚い。
【0034】
なお、カバー1の端末5に対する取り付けは、以下のような手順で行われる(図4参照)。
【0035】
カバー1を端末5に取り付ける場合には、まず、取付部2の吸着面20を端末5のベゼル7と対向する状態で、カバー1を端末5に載置する。このとき、カバー1は、取付部2の外縁25が、取付部2の厚み方向において、ベゼル7の外縁73と一致するように配置される。このように取付部2が配置されるとともに、取付部2の幅W2がベゼル7の幅W7よりも狭いことから、取付部2の内縁26が、ベゼル7の幅方向(ベゼル7の延伸方向と直交する方向)における途中に位置することになる(図6参照)。
【0036】
次に、カバー1の取付部2が設けられた領域(周縁領域10)を押さえる。具体的に、カバー1の背面側からカバー1の周縁領域10を押さえる、即ち、カバー1の周縁領域10(本実施形態のカバー1では、化粧部4)を、カバー1の厚み方向において取付部2に押し付ける。これにより、取付部2の吸着面20が端末5の前面50(例えば、ベゼル7の表面72)に接触して、吸着面20の窪み200が吸盤として機能することで、吸着シートの吸着性により、取付部2が端末5(例えば、ベゼル7)に取り付けられる。
【0037】
なお、本実施形態のカバー1では、本体部3が可撓性を有するプレートであり、取付部2が可撓性を有するシートであるため、カバー1が取り付けられた端末5を操作する際に、指がカバー1を介して表示部6を押さえると、本体部3と表示部6とは接触する。例えば、指がカバー1を介して表示外縁部60を押さえると、本体部3と表示外縁部60とは接触する。このとき、取付部2の内側の部位(取付部2の内縁26側の部位)は、本体部3の端部34に押し潰されることにより変形可能である。
【0038】
以上のカバー1は、取付部2(吸着性シート)の吸着面20を端末5に接触させて、取付部2を端末5に吸着させることにより、磁石が内蔵される端末(磁石が含まれる端末)だけでなく、磁石が内蔵されていない端末(例えば、ベゼルに磁石が内蔵されていない端末)に対しても取り付け可能である。しかも、接着剤を用いずに取付部2を端末5に取り付け可能であるため、カバー1を端末5から取り外しても、端末5に接着剤が残ることが無い。また、カバー1を端末5から取り外しても、カバー1や端末5に接着剤が残らないため、カバー1の取付部2や端末5にほこりなどの異物が付着しにくい。
【0039】
本実施形態のカバー1では、取付部2の長手方向(取付部2の延伸方向)とベゼル7の延伸方向とを揃え、且つ、取付部2の外縁25とベゼル7の外縁73とを重ねた状態で、カバー1を端末5に吸着させると、端末5における表示部6とベゼル7との境界αが取付部2より内方に離間した位置に配置される、即ち、表示部6の表示外縁部60が取付部2の内縁26から内方に離間した位置に配置されるため、端末5の利用者が境界α近傍の表示部6の表示外縁部60にカバー1を介して触れやすくなり、その結果、操作性を向上できる。
【0040】
また、本実施形態のカバー1では、取付部2は、平面視において略矩形状を有する本体部3の対向する一対の辺(例えば、縦方向において対向する一対の短辺端部341,342)に配置されているため(図1参照)、カバー1の両端部(例えば、縦方向において対向する一対の短辺端部341,342)を端末5に安定的に固定できる。
【0041】
さらに、本実施形態のカバー1では、取付部2は、角部30の頂部300から短辺方向(例えば、横方向)へ延び、且つ、頂部300から長辺方向(例えば、縦方向)にも延びているため、カバー1が、短辺方向及び長辺方向(例えば、縦方向及び横方向の両方)においてずれにくい。
【0042】
なお、本発明のカバーは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0043】
取付部2の形状は、上記実施形態の取付部2の形状に限定されず、カバー1の周縁領域10に取り付け可能であれば問わない。
【0044】
例えば、取付部2は、図7に示すように、本体部3の角部30に配置されていなくてもよい。具体的に、取付部2は、角部30の一辺側(例えば、短辺側(このカバー1では横方向))の端縁から一辺側に延びる第一取付部位21のみで構成されてもよい。
【0045】
また、取付部2は、図8に示すように、本体部3の角部30のみに配置されてもよい。具体的に、取付部2は、角部30に配置される第三取付部位23のみで構成されてもよい。この場合、カバー1を端末5に取り付けた状態において、端末5(図4参照)の表示部6の表示外縁部60の一対の表示短辺部61や一対の表示長辺部62の角部以外の部分に、取付部2が配置されないため、利用者が端末5をさらに操作しやすい。
【0046】
さらに、取付部2は、図9に示すように、本体部3の端部34のうち一辺、例えば、縦方向に対向する一対の短辺端部341,342のうち一方の短辺端部341のみに配置されてもよい。具体的に、取付部2は、一つの第一取付部位21と、この第一取付部位21の長手方向(延伸方向)における両端部から延びる一対の第三取付部位23とで構成されてもよい。この場合、カバー1を端末5に取り付けた状態において、端末5(図4参照)の表示部6の表示外縁部60のうち三辺(例えば、一対の表示短辺部61のうち縦方向における他方側に位置する表示短辺部61、及び、一対の表示長辺部62)の周辺に取付部2が配置されないため、利用者が端末5をさらに操作しやすい。また、この場合、カバー1を端末5に取り付ける際に、取付部2とベゼル7との位置合わせを、ベゼル7の一辺(例えば、一つの短辺)での位置合わせにより行うことができるため、カバー1の端末5への取り付けが容易である。
【0047】
取付部2は、図10に示すように、本体部3の端部34の延伸方向における全域に設けられてもよい。具体的に、取付部2は、それぞれ本体部3の縦方向に対向する一対の短辺端部341,342の横方向における全域に延びる一対の第一取付部位21と、それぞれ本体部3の横方向に対向する一対の長辺端部343,344の縦方向における全域に延びる一対の第二取付部位22と、四つの第三取付部位23とで構成されてもよい。このとき、第一取付部位21、第二取付部位22、及び、第三取付部位23は、カバー1の周縁領域10の全域(開口12を除く)に連続して延びる。この場合、カバー1の周縁領域10の延伸方向における全域が端末5に吸着するため、カバー1が端末5に対してさらにずれにくくなる。
【0048】
なお、取付部2は、図11に示すように、本体部3にドット状に設けられてもよい。具体的に、取付部2は、本体部3の縦方向において対向する短辺端部341,342(例えば、一対の短辺)に、互いに間隔をあけた状態でドット状に配置されてもよい。この場合、取付部2が本体部3の端部34に間欠的に配置されるため、カバー1の軽量化を図ることができる。
【0049】
このような取付部2であっても、カバー1は、取付部2(吸着性シート)の吸着面20を端末5に接触させて、取付部2を端末5に吸着させることにより、磁石が内蔵される端末だけでなく、磁石が内蔵されていない端末(例えば、ベゼルに磁石が内蔵されていない端末)に対しても取り付け可能である。なお、取付部2は、端末5におけるベゼル7以外の部材、例えば、表示部6の表示外縁部60の一部の領域に取り付け可能であってもよい。
【0050】
上記実施形態の本体部3は、周縁領域10及び中央領域11に連続して延びていたが、例えば、カバー1の周縁領域10を除く領域のみ(このカバー1では、中央領域11のみ)に延びていてもよい。
【0051】
上記実施形態のカバー1は、化粧部4を備えていたが、化粧部4を備えなくてもよい。この場合、例えば、本体部3における取付部2と対応する領域に、模様や着色を施すことが考えられる。また、一対の取付部2により本体部3を挟むことも考えられ、この場合、一対の取付部2の吸着面20がいずれも本体部3と反対側に配置されることが考えられる。このようなカバー1においても、取付部2の吸着面20の背面24を隠すことができる。
【0052】
上記実施形態のカバー1には、端末5のカメラレンズ70やセンサ71と対応する位置に開口12が設けられていたが、端末5がスピーカーやボタンのような操作部を有する場合、スピーカーや操作部の邪魔にならないよう、これらと対応する位置に開口が設けられてもよい。
【0053】
上記実施形態の本体部3は、端末5の表示部6の視野角を制限するフィルターであったが、表示部6から出射されるブルーライトを低減するプレート、表示部6の表面における光の反射を抑えるプレート、表示部6を衝撃や汚れから保護する保護プレート等であってもよい。なお、カバー1として、このようなフィルターの代わりに、ガラス板等の他の薄板状の部材を用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…カバー、2…取付部、3…本体部、4…化粧部、5…端末、6…表示部、7…ベゼル、8…本体部、10…周縁領域、11…中央領域、12…開口、20…吸着面、21…第一取付部位、22…第二取付部位、23…第三取付部位、24…背面、25…外縁、26…内縁、30…角部、31…本体部第一主面、32…本体部第二主面、33…開口、34…端部、50…前面、60…表示外縁部、61…表示短辺部、62…表示長辺部、70…カメラレンズ、71…センサ、72…表面、73…外縁、200…窪み、220…延出端、300…頂部、341,342…短辺端部、343,344…長辺端部、W2、W21、W22、W7…幅、α…境界
図1
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