(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】フィルム供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 41/12 20060101AFI20231213BHJP
B65H 19/10 20060101ALI20231213BHJP
B65B 9/20 20120101ALI20231213BHJP
【FI】
B65B41/12 501H
B65H19/10 Z
B65B9/20
(21)【出願番号】P 2019098300
(22)【出願日】2019-05-27
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 博英
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 康弘
(72)【発明者】
【氏名】清水 晴樹
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-046533(JP,A)
【文献】特開2010-036933(JP,A)
【文献】特開昭62-201762(JP,A)
【文献】特開昭61-115820(JP,A)
【文献】実開平04-100410(JP,U)
【文献】特開平10-129631(JP,A)
【文献】特開2016-175661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 41/00
B65H 19/00
B65B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰り出し方向に所定間隔でレジマークが付されたフィルムの終端側の接続予定部を予め設定された接続位置に繰り出
し、フィルムから袋を製袋するためのフィルム供給装置において、
フィルムの搬送路で前記レジマークを検出するレジマークセンサと、
前記レジマークセンサと前記接続位置との間のフィルム長さを変動させるフィルム経路変動手段と、
フィルムロールから繰り出されるフィルムの終端部を検出する終端検出手段と、
前記フィルム経路変動手段によるフィルムの変動量を検出する変動量検出手段と、
前記終端検出手段でフィルムの終端部が検出された後、前記レジマークを検出した時点で前記変動量検出手段によって検出されたフィルムの変動量に基づいてフィルムの前記接続予定部の位置を演算する接続部位置演算手段と、
前記フィルムの接続予定部を前記接続位置に移動させるフィルム繰り出し量を演算する繰り出し量演算手段と、
前記フィルム繰り出し量のフィルムを繰り出すフィルム供給手段と、
を備え
、
前記レジマークセンサは、前記フィルム経路変動手段よりも前記フィルムの搬送方向の下流側に配置され、
前記フィルム経路変動手段は、フィルムの張力を調整する張力調整手段としてテンションローラ及びテンションレバーを備え、
前記変動量検出手段は、前記テンションレバーが基準位置から角度を変化させた場合のテンションローラにおける前記フィルムの長さの変動量を演算し、
前記接続部位置演算手段は、前記フィルムの前記レジマーク以降のフィルム長さの一定値と変動量の和から、前記フィルムの終端部で次に接続する新たなフィルムとの前記接続予定部の現在位置を演算する、
ことを特徴とするフィルム供給装置。
【請求項2】
フィルムからヘッダと1または複数の袋とを接続して設けた連帯袋を製袋するための前記フィルム供給装置において、
前記フィルム経路変動手段として前記ヘッダの長さ分の前記フィルムを繰り出すヘッダ用移動手段が付加されていることを特徴とする請求項
1に記載されたフィルム供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種のフィルム処理装置、例えば製袋充填機の縦型製袋充填機に製袋用のフィルムを供給するフィルム供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縦型製袋充填機において、製袋用のフィルムを供給するフィルムロールのフィルム終端部が近づいた場合、新たなフィルムロールのフィルム先端部を使用中のフィルムの終端部に接続して製袋を連続して行っている。
また、包装する袋毎に袋長が一定になるように調整したり、フィルム接続部でのフィルムの模様合わせたりするために、繰り出しベルトを制御している。
【0003】
例えば特許文献1に記載されたフィルム供給装置では、フィルム接続装置の下流側にレジマークセンサを、上流側にフィルム終端検出センサを設置している。フィルム終点検出センサは使用中のフィルムの終端に貼付されたアルミ箔を検出する。その後に、使用中のフィルムの最初のレジマークを下流側のレジマークセンサで検出すると、所定時間経過後に使用中のフィルムを停止させてカッターによって切断し、フィルム接続装置上で新たなフィルムの先端部を接続させる。これにより、新旧フィルムに付された模様を互いに合わせる。
特許文献2に記載されている繰り出しベルトでは、レジマークセンサによって製袋充填機に供給されるフィルムのレジマークを検出して製袋充填機に供給されるフィルムの長さを測長し、フィルムの繰り出しを調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公昭63-41388号公報
【文献】特公平05-007255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に記載されたフィルム供給装置では、フィルムの搬送経路にレジマークセンサを設け、フィルムの繰り出しやフィルムの切り換えにも用いている。特許文献2に記載された包装材繰り出し装置においても、フィルムの繰り出しを制御するためにレジマークセンサを設ける必要がある。
このようにフィルム供給装置を含む製袋充填機では複数のレジーマークセンサが必要であり、製造コストが高価になるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、フィルムの繰り出し装置に用いられるレジマークセンサによってフィルムの切り換え接続を行うことができるフィルム供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるフィルム供給装置は、繰り出し方向に所定間隔でレジマークが付されたフィルムの終端側の接続予定部を予め設定された接続位置に繰り出し、フィルムから袋を製袋するためのフィルム供給装置において、フィルムの搬送路でレジマークを検出するレジマークセンサと、レジマークセンサと接続位置との間のフィルム長さを変動させるフィルム経路変動手段と、フィルムロールから繰り出されるフィルムの終端部を検出する終端検出手段と、フィルム経路変動手段によるフィルムの変動量を検出する変動量検出手段と、終端検出手段でフィルムの終端部が検出された後、レジマークを検出した時点で変動量検出手段によって検出されたフィルムの変動量に基づいてフィルムの接続予定部の位置を演算する接続部位置演算手段と、フィルムの接続予定部を接続位置に移動させるフィルム繰り出し量を演算する繰り出し量演算手段と、フィルム繰り出し量のフィルムを繰り出すフィルム供給手段と、を備え、前記レジマークセンサは、前記フィルム経路変動手段よりも前記フィルムの搬送方向の下流側に配置され、前記フィルム経路変動手段は、フィルムの張力を調整する張力調整手段としてテンションローラ及びテンションレバーを備え、前記変動量検出手段は、前記テンションレバーが基準位置から角度を変化させた場合のテンションローラにおける前記フィルムの長さの変動量を演算し、前記接続部位置演算手段は、前記フィルムの前記レジマーク以降のフィルム長さの一定値と変動量の和から、前記フィルムの終端部で次に接続する新たなフィルムとの前記接続予定部の現在位置を演算する、ことを特徴とする。
本発明によれば、フィルム終端部の接続予定部で新たなフィルムを接続する際、フィルムロールから繰り出すフィルムの終端部を終端検出手段で検出した後、レジマークセンサでレジマークを検出した時点で変動量検出手段によって検出されたフィルムの変動量に基づいて、接続部位置演算手段によってフィルム終端部における接続予定部の位置を演算する。この場合、フィルムのレジマークと接続位置との間の長さはフィルム経路変動手段によるフィルムの変動量を除いて一定である。そのため、変動量検出手段でフィルムの変動量を検出してフィルムの接続予定部の位置を演算することができる。そして、繰り出し量演算手段によって、フィルムの接続予定部を接続位置に移動させるためのフィルム繰り出し量を演算し、演算したフィルム繰り出し量を繰り出すことで、フィルムの終端側の接続予定部を接続位置に繰り出すことができる。
【0008】
また、フィルム経路変動手段はフィルムの張力を調整する張力調整手段であることが好ましい。
フィルムに一定の張力を付加するためにテンションレバーやダンサロール等の張力調整手段によって張力を調整することでフィルム長さが変動する。
【0009】
また、フィルムからヘッダと1または複数の袋とを接続して設けた連帯袋を製袋するためのフィルム供給装置において、フィルム経路変動手段としてヘッダの長さ分のフィルムを繰り出すヘッダ用移動手段が付加されていてもよい。
フィルムによって連帯袋を製袋する場合、例えばヘッダに印字等しないためヘッダの部分を飛ばして袋の部分のフィルムに印字等する。そのため、フィルムの変動量を繰り出すフィルム経路変動手段にヘッダの長さ分のフィルムを繰り出すヘッダ用移動手段を付加することで、フィルムの終端側の接続予定部を接続位置に繰り出すことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるフィルム供給装置によれば、フィルムの繰り出しを制御するために用いるレジマークセンサをフィルムの切り換え接続にも用いることができるため、複数のレジマークセンサを用いる必要がない。そのため、フィルム供給装置の製造コストを低廉にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態によるフィルム供給装置を備えた製袋充填機の概略構成を示す要部説明図である。
【
図2】フィルムの終端部に新たなフィルムを接続した状態を示す図である。
【
図3】テンションレバーの第一の作動位置を示す説明図である。
【
図4】テンションレバーの第二の作動位置を示す説明図である。
【
図5】フィルム供給装置の制御部を示すブロック図である。
【
図6】フィルムの終端部に新たなフィルムを接続する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態による製袋充填機のフィルム供給装置について添付図面により説明する。
図1に示す実施形態による製袋充填機1は、供給されるフィルムfを製袋して内容物を充填した袋を製造する例えば縦型製袋充填機2と、縦型製袋充填機2にフィルムfを供給するフィルム供給装置3とを備えている。本実施形態では、フィルムfに予め模様が付与されている。
縦型製袋充填機2は、内容物を投入するホッパを備えると共に供給されるフィルムfを成形するフォーマ5と、フィルムfを筒状に成形する製袋チューブ6と、フィルムfを送り出す繰り出しベルト7及び駆動モータM1とを有している。製袋チューブ6の側部にはフィルムfを縦シールする縦シーラ8が設置され、製袋チューブ6の下側にはフィルムfを横シールする横シーラ9が設置されている。
【0013】
フィルム供給装置3は、フィルムfを繰り出すフィルムロール11と、ガイドローラ12と、現在のフィルムfの終端部と新たなフィルムfの先端部を接続するための接続部材13と、を備えている。接続部材13のフィルム搬送方向下流側には、フィルムfの張力を調整するためのテンションローラ14及びテンションレバー15と、フィルムfに必要な印刷を施すためのプリンター16と、を備えている。更にプリンター16のフィルム搬送方向下流側には、印字位置調整ローラ17と、フィルムfに所定間隔で設けられたレジマークセンサ18とを備えている。これらはフィルムfの搬送路を構成する。
テンションレバー15にはシリンダ等のアクチュエータ19が接続されており、フィルムfの張力が所定の大きさを維持できるように適宜調整している。
【0014】
フィルムロール11はフィルムリール20が配設され、フィルムリール20の回転軸部20aにはフィルムリール20の駆動用モータM2が設置されている。駆動用モータM2はフィルム供給手段に含まれる。フィルムロール11から繰り出されたフィルムfはガイドローラ12を介して接続部材13に送られる。接続部材13上ではフィルムfの終端部の接続予定部faと二点鎖線で示す新たなフィルムf1の先端部とを接続することができる(
図2参照)。
図2に示すように、フィルムf(現在のフィルムfということがある)と新たなフィルムf1には、所定間隔でレジマークMが設けられ、レジマークMは現在のフィルムf及び新たなフィルムf1の長手方向に所定間隔で設けられている。
【0015】
新たなフィルムf1の先端には最先端のレジマークMから所定間隔をおいた切り離し始端に接着テープPが貼付されている。しかも、フィルムfの後端部の接続予定部faと新たなフィルムf1の先端部を接合する際、フィルムfの後端に設けたレジマークMと新たなフィルムf1の先端に設けたレジマークMとが一定の長さLの間隔になるように設定されている。この長さLはフィルムf及び新たなフィルムf1における各レジマークMの間隔と同一に設定する。
【0016】
図1、
図3及び
図4において、接続部材13の下流側にはテンションローラ14が設置されている。テンションローラ14は例えば4本の固定ローラ21とその間の3本の可動ローラ22とが対向して配設され、各ローラ間にフィルムfが蛇行して巻回されている。各可動ローラ22はテンションレバー15に回転可能に支持されている。
テンションレバー15を所定角度θの範囲で回動させることで、フィルムfの張力を所定の範囲に調整可能であり、張力調整手段を構成する。
【0017】
しかも、テンションレバー15の一端部にはテンションレバー15の角度の変化を検出可能なポテンショメータ24が取り付けられている。テンションレバー15は基準位置から所定角度θの範囲内でフィルムfの張力を調整可能であり、フィルム経路変動手段を構成する。
例えば
図3に示す基準位置では、フィルムfのレジマークMはフィルムロール11上に巻回された位置にある。
図4に示すように、テンションレバー15が基準位置から所定角度θより小さい或る角度だけ回動した位置では、レジマークMはフィルムロール11から繰り出されたフィルムfの上に位置する。
【0018】
テンションローラ14の下流側にはプリンター16が設けられている。このプリンター16は袋に製袋される模様の付されたフィルムfの所定箇所に文字等を印字するものである。後述するように、製袋充填機1で
図7に示すような連帯袋38を製造する場合には、連帯袋の袋40の部分等に適宜の印刷ができる。
プリンター16の下流側には印字位置調整ローラ17が設置されている。印字位置調整ローラ17は製袋する袋長に応じてプリンター16による袋の印字位置を調整するものである。
【0019】
印字位置調整ローラ17の下流側には、フィルムfや新たなフィルムf1に付されたレジマークMを検出するレジマークセンサ18が設置されている。レジマークMは例えば1袋分のフィルム長さ毎に付されている。
図5は、製袋充填機1に設けられた制御部30を示すものである。制御部30は、フィルムリール20の駆動用モータM2、ポテンショメータ24、プリンター16、印字位置調整ローラ17、レジマークセンサ18、駆動モータM1等に電気的に接続されている。制御部30では、これらのデータ入出力に基づいてフィルムfの終端部の接続予定部faが接続部材13の接続位置に繰り出されるよう制御する。印字位置調整ローラ17はプリンター16に対向するフィルムfの印字位置を調整するローラであり、個々の袋の袋長が変わったり、個々の袋の模様が変更になり印字位置が変わったりした場合でもプリンター16が対応した印字位置で印字を行うことができる。
【0020】
次に
図5に基づいて、制御部30によってフィルムfが新たなフィルムf1と接続されるための接続位置に繰り出す制御について説明する。
図5に示す制御部30は、フィルムロール11から繰り出されるフィルムfの終端部を検出する終端検出手段31と、終端検出手段31でフィルムfの終端部を検出した後に最初にレジマークセンサ18でフィルムfのレジマークを検出した場合に、このレジマークセンサ18と接続位置との間のフィルム長さにおけるフィルムfの変動量をテンションレバーの角度によって演算する変動量検出手段32とを備えている。フィルムfの終端部における接続予定部faは最後端部でもよいし、最後のレジマークMの後部でもよく、終端部近傍であれば適宜位置に設定できる。
【0021】
ここで、終端検出手段31について説明する。ポテンショメータ24はフィルムロール11から繰り出されるフィルムfが終端部に到達した場合、フィルムロール11から繰り出さるフィルムfが終端部にあることを検出することができる。例えば、通常、テンションレバー15の回動範囲は予め定められた所定角度θの範囲に設定されている。しかし、繰り出したフィルムfが終端部に至るとフィルムロール11の回転が止まり、テンションレバー15が所定角度θの範囲を超えて大きく振れる現象が発生する。これをポテンショメータ24で検出してフィルム終端時と判断する。
また、テンションレバー15と可動ローラ22が最も固定ローラ21に近接した
図3に示す位置を基準位置として、終端検出手段31でフィルムfの終端部を検出した後に最初にレジマークを検出した場合、レジマークセンサ18と接続位置との間のフィルム長さを一定(既知)とする。そして、テンションレバー15が基準位置から角度を変化させた場合のテンションローラ14におけるフィルムfの長さの変動量を変動量検出手段32によって演算できる。
【0022】
制御部30は、終端検出手段31でフィルムの終端部が検出された後、レジマークセンサ18によってレジマークを検出した時点で変動量検出手段32によって演算されたフィルムの変動量からフィルムfの接続予定部faの現在位置を演算する接続部位置演算手段33と、フィルムfの接続予定部faを予め設置された接続部材13上の接続位置に移動させるためのフィルム繰り出し量を演算する繰り出し量演算手段34とを更に備えている。
繰り出し量演算手段34で演算されたフィルム繰り出し量に基づいて駆動用モータM2を駆動させて、フィルムfの接続予定部faを接続部材13上の接続位置に繰り出すことができる。このフィルム接続予定部faに対して次のフィルムf1を手動で接続位置に貼着する。この場合、現在のフィルムfの最後のレジマークMと新たなフィルムf1の最初のレジマークMとの間隔が、フィルムfのレジマークMの間隔と一致するように設定する。なお、新たなフィルムf1の貼着は自動装置等によって行ってもよい。
【0023】
なお、終端検出手段31として、テンションレバー15の振れを検出するポテンショメータ24に代えて他の手段を採用してもよい。例えば、フィルムロール11の駆動用モータM2にエンコーダを設置してもよい。フィルムロール11に巻回されたフィルムf1が繰り出されて少なくなるとフィルムロール11の回転速度が高速になるため、この回転速度が所定の回転速度を超えた場合にフィルムf1の終端部を検出してもよい。
また、フィルムロール11を挟んで両側に発光部と受光部を備えた透過式センサ等を設置してもよい。そして、フィルムf1の繰り出しが進んでフィルムロール11のロール径が小さくなると、発光部の光を受光部で受光できるため終端部を検知できる。また、フィルムf1の終端部に銀紙等を貼着しておき、これを光センサ等で検知することでフィルムfの終端部を検出してもよい。
【0024】
本実施形態による製袋充填機1のフィルム供給装置3は上述の構成を有しており、次にフィルムfに新たなフィルムf1を接続する方法について
図6に示すフローチャートに沿って説明する。
図1に示す製袋充填機1では、フィルム供給装置3のフィルムロール11から繰り出されるフィルムfを縦型製袋充填機2で製袋しながら内容物を充填した袋を順次製造する。フィルム供給装置3でフィルムfを縦型製袋充填機2に向けて供給する際、フィルムfの張力を一定に維持するためシリンダ等のアクチュエータ19によってテンションレバー15の角度を調整する。
図3及び
図4に示すように、テンションレバー15の揺動によって可動ローラ22を進退させてフィルムfの経路を変動させて張力を調整する。
【0025】
そして、フィルムロール11に巻回されたフィルムfの終端になると、フィルムロール11からフィルムfが繰り出されなくなるため、テンションローラ14内のフィルムfが繰り出されてテンションレバー15は基準位置側に大きく振れる。テンションレバー15が大きく振れるとポテンショメータ24でフィルムfの終端を検知して(ステップ101)、制御部30の終端検出手段31から信号出力する。
【0026】
制御部30でこの信号を受ける。その後、印字位置調整ローラ17と縦型製袋充填機2との間に設置されたレジマークセンサ18で、送り出されるフィルムfのレジマークを検出する(ステップ102)。このレジマークセンサ18から接続位置までの長さは、テンションレバー15の角度が基準値にある場合、一定値であり既知である。
そして、テンションレバー15の角度の大きさをポテンショメータで検知し、変動量検出手段32によってテンションローラ14でのフィルムfの変動量を演算により検出する(ステップ103)。次いで、接続部位置演算手段33により、フィルムfのレジマーク以降のフィルム長さの一定値と変動量の和から、フィルム終端部で次に接続する新たなフィルムf1との接続予定部faの現在位置を演算する(ステップ104)。
【0027】
そして、繰り出し量演算手段34により、フィルムfの接続予定部faが接続部材13上の接続位置まで移動するのに必要な繰り出し量を演算する(ステップ105)。この演算結果を指示信号としてフィルムロール11の駆動用モータM2に出力し、フィルムfの接続予定部faを接続部材13上の接続位置に繰り出す(ステップ106)。
次に、作業者が手動で新たなフィルムf1の先端部を現在のフィルムfの終端の接続予定部faに接合する(ステップ107)。その際、
図2に示すように、現在のフィルムfの最後のレジマークMと新たなフィルムf1の先端のレジマークMとが製袋のための所定の間隔になるように調整して貼着する。その後、新たなフィルムロール11からフィルムf1を繰り出すことで、縦型製袋充填機2によって順次製袋し内容物を充填して封止する。
【0028】
上述したように本実施形態による製袋充填機1のフィルム供給装置3によれば、縦型製袋充填機2の繰り出しに用いるフィルムfの搬送経路のレジマークセンサ18を利用して、可動ローラ22を保持するテンションレバー15がどのような角度位置であっても、フィルムfを接続部材13上の接続位置に供給することができる。そのため、フィルム供給装置3を含む製袋充填機の製造コストを低廉にできる。
【0029】
以上、本発明の実施形態によるフィルム供給装置3について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。以下に、本発明の変形例等について説明するが、上述した実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
【0030】
上述した実施形態によるフィルム供給装置3において、テンションレバー15に代えてダンサローラを設置してもよい。この場合、フィルムfの張力を調整に伴う固定ローラ21に対するダンサローラの移動量によってフィルムfの張力と変動量を調整でき、フィルムfの変動量を演算することができる。テンションローラ14やダンサローラは張力調整手段であり、フィルムfの経路変動手段に含まれる。
【0031】
また、実施形態によるフィルム供給装置3の変形例として、フィルムfで製造する袋として連帯袋38を製造する場合について説明する。
図7に示すように、連帯袋38は例えば上端部にヘッダ39を設け、ヘッダ39の下側に内容物を充填封止した複数個、例えば3個の袋40が接続されている。ヘッダ39は袋40よりも縦方向の長さが小さく、フック等に引っ掛けて吊り下げる穴31aが形成されている。袋40は縦横寸法がそれぞれ同一で上下方向に連続して設置され、袋40間の切り取り線41で袋40を1つずつ切り離し可能とされている。連帯袋38用のフィルムfも、上述した実施形態と同様に、表面に模様が予め印刷されている。
【0032】
このような連帯袋38用のフィルムfについて、縦型製袋充填機2で製袋するためにフィルム供給装置3で繰り出す場合、フィルムfに対してプリンター16で各袋40に名称や表示等を印字するが、ヘッダ39には印字しない。そのため、袋40の部分では袋長に応じてフィルムfの搬送を停止してプリンター16で印字すると共に、ヘッダ39の部分では印字しないでフィルムfを飛ばしている。
フィルムfにおけるヘッダ39の部分の飛ばし動作(手繰り寄せ動作)は印字位置調整ローラ17を固定ローラ26,27に対して離間する方向に移動させることで行われる。これにより、ヘッダ39の部分がプリンター16による印字領域を飛ばして通過する。
【0033】
そのため、フィルムfの終端部を制御部30の終端検出手段31で検出した後にレジマークセンサ18でフィルムfのレジマークMを検出して、レジマークMからフィルム終端部までの長さを演算する。この場合、レジマークM以降の終端部までのフィルム長さの一定値と変動量の和に加えて、ヘッダ39の長さを飛ばし長さとして加算する。
これらの長さの和に基づいて、接続部位置演算手段33により、フィルムfの接続予定部faの現在位置を演算する。そして、フィルムfの接続予定部faを接続部材13上の接続位置に移動させるように繰り出し量を繰り出し量演算手段34で演算し、駆動用モータMで移動させる。
【0034】
なお、連帯袋38において、ヘッダ39の手繰り寄せをしない場合には、ヘッダ39の長さを手繰り寄せ長さとして加算する必要はない。
また、印字位置調整ローラ17はヘッダ用移動手段に含まれる。
上述した実施形態では、製袋充填機1の縦型製袋充填機2にフィルムfを供給するフィルム供給装置3について説明したが、本発明は横型製袋充填機にフィルムfを供給するフィルム供給装置3にも採用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 製袋充填機
2 縦型製袋充填機
3 フィルム供給装置
11 フィルムロール
13 接続部材
14 テンションローラ
15 テンションレバー
16 プリンター
17 印字位置調整ローラ
18 レジマークセンサ
24 ポテンショメータ
31 終端検出手段
32 変動量検出手段
33 接続部位置演算手段
34 繰り出し量演算手段
38 連帯袋
39 ヘッダ
40 袋
f、f1 フィルム
M2 駆動用モータ