(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】セラミックス棚組
(51)【国際特許分類】
C04B 33/32 20060101AFI20231213BHJP
C04B 35/64 20060101ALI20231213BHJP
F27D 3/12 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
C04B33/32 T
C04B35/64
F27D3/12 S
(21)【出願番号】P 2019146788
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006183
【氏名又は名称】三井金属鉱業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】内野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】堤 英気
(72)【発明者】
【氏名】井筒 靖久
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-120100(JP,U)
【文献】特開平08-110176(JP,A)
【文献】特開2020-091086(JP,A)
【文献】実開平04-106498(JP,U)
【文献】実開昭59-170200(JP,U)
【文献】特開2011-226690(JP,A)
【文献】国際公開第2009/110400(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 33/00-33/32,35/00-35/84
F27D 3/12,5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成炉内で被支持物を支持するセラミックス棚組であって、
上下方向に延びる縦棒をそれぞれ含む複数の支柱と、
横方向に延び、上方から見たときに前記セラミックス棚組の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の前記縦棒を連結する複数の横棒と、
前記横棒の各々と対応する前記縦棒との間に介在された複数の継手と、を備え、
前記継手は、前記縦棒が挿入可能な第1縦棒凹部と、前記第1縦棒凹部の周囲に設けられた第1縦棒支持肉部と、前記横棒が挿入可能な横棒凹部と、前記横棒凹部の周囲に設けられた横棒支持肉部と、前記縦棒が挿入可能な第2縦棒凹部と、前記第2縦棒凹部の周囲に設けられた第2縦棒支持肉部と、を有し、
前記第1縦棒凹部は下方に開口し、前記第2縦棒凹部は上方に開口し、
前記支柱は、第1縦棒と、前記第1縦棒の上方に配置された第2縦棒と、を含む複数の前記縦棒を有し、
複数の前記継手は、前記第1縦棒と前記第2縦棒との間に介在された第1継手と、前記第1継手と前記第2縦棒との間に介在された第2継手
であって、前記第1継手上に配置された第2継手と、を含み、
前記第1縦棒は、前記第1継手の前記第1縦棒凹部に挿入され、
前記第2縦棒は、前記第2継手の前記第2縦棒凹部に挿入され、
前記第1縦棒および前記第2縦棒は、前記第1継手および前記第2継手を介して互いに連結され、
複数の前記横棒は、前記第1継手の前記横棒凹部に挿入された第1横棒と、前記第2継手の前記横棒凹部に挿入された、前記第1横棒とは異なる方向に延びる第2横棒と、を含
む、セラミックス棚組。
【請求項2】
上下方向に延び、前記第1継手と前記第2継手を係止する係止棒を更に備え、
前記第2継手は前記第1継手上に載置され、
前記係止棒は、前記第1継手の前記第2縦棒凹部に挿入されるとともに、前記第2継手の前記第1縦棒凹部に挿入されている、請求項1に記載のセラミックス棚組。
【請求項3】
前記継手は、当該継手の上面から突出する、前記第2縦棒凹部の周囲に設けられた周囲凸部と、当該継手の下面から凹む、前記第1縦棒凹部の周囲に設けられた周囲凹部と、を更に有し、
前記第1継手の前記周囲凸部が、前記第2継手の前記周囲凹部に挿入されている、請求項1または2に記載のセラミックス棚組。
【請求項4】
焼成炉内で被支持物を支持するセラミックス棚組であって、
上下方向に延びる縦棒をそれぞれ含む複数の支柱と、
横方向に延び、上方から見たときに前記セラミックス棚組の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の前記縦棒を連結する複数の横棒と、
前記横棒の各々と対応する前記縦棒との間に介在された複数の継手と、を備え、
前記継手は、前記縦棒が挿入可能な第1縦棒凹部と、前記第1縦棒凹部の周囲に設けられた第1縦棒支持肉部と、前記横棒が挿入可能な横棒凹部と、前記横棒凹部の周囲に設けられた横棒支持肉部と、前記縦棒が挿入可能な第2縦棒凹部と、前記第2縦棒凹部の周囲に設けられた第2縦棒支持肉部と、を有し、
前記第1縦棒凹部は下方に開口し、前記第2縦棒凹部は上方に開口し、
複数の前記継手は、前記縦棒の下方に配置されるとともに前記焼成炉の床面に載置される、当該縦棒に連結された第3継手と、前記第3継手と前記縦棒との間に介在された第4継手
であって、前記第3継手上に配置された第4継手と、を含み、
前記縦棒は、前記第4継手の前記第2縦棒凹部に挿入され、
前記縦棒は、前記第4継手を介して前記第3継手に連結され、
複数の前記横棒は、前記第3継手の前記横棒凹部に挿入された第3横棒と、前記第4継手の前記横棒凹部に挿入された、前記第3横棒とは異なる方向に延びる第4横棒と、を含
む、セラミックス棚組。
【請求項5】
上下方向に延び、前記第3継手と前記第4継手を係止する係止棒を更に備え、
前記第4継手は前記第3継手上に載置され、
前記係止棒は、前記第3継手の前記第2縦棒凹部に挿入されるとともに、前記第4継手の前記第1縦棒凹部に挿入されている、請求項4に記載のセラミックス棚組。
【請求項6】
複数の前記継手は、前記第2縦棒の上方に配置されて当該縦棒に連結された第5継手を含み、
複数の前記横棒は、前記第5継手の前記横棒凹部に挿入された第5横棒を含んでいる、請求項1に記載のセラミックス棚組。
【請求項7】
複数の前記継手は、前記縦棒の上方に配置されて当該縦棒に連結された第5継手を含み、
複数の前記横棒は、前記第5継手の前記横棒凹部に挿入された第5横棒を含んでいる、請求項4に記載のセラミックス棚組。
【請求項8】
前記継手は、前記第1縦棒支持肉部と前記横棒支持肉部とに接続されたリブを更に有している、請求項1~7のいずれか一項に記載のセラミックス棚組。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス棚組に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、焼成炉内においてセラミックス材料で作製された被焼成物を焼成する場合に用いられる窯道具として、セラミックス棚組が用いられている。セラミックス棚組は、複数の支柱を備えており、各支柱に載置台が設けられている(例えば、特許文献1参照)。載置台には棚板が載置される。被焼成物は棚板上に載置されて、この状態で焼成炉内で焼成される。また、各支柱を架橋部材で連結しているセラミックス棚組も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セラミックス棚組を構成する支柱には、被焼成物の焼成時の高温環境下で歪みが生じたり、破損したりしないような強度が求められる。このため、セラミックス棚組は、高温耐火材料であるセラミックス材料で作製される。支柱は、高温時の強度を確保するように所望の太さで形成される。しかしながら、支柱が太くなると、セラミックス棚組の熱容量が大きくなり得る。この場合、被焼成物の焼成時に焼成炉で発生した熱がセラミックス棚組に奪われ、焼成時に焼成炉で発生させる熱量が増大し得る。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、熱容量を低減することができるとともに焼成時の高温環境下での強度を向上させることができるセラミックス棚組を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
焼成炉内で被支持物を支持するセラミックス棚組であって、
上下方向に延びる縦棒をそれぞれ含む複数の支柱と、
横方向に延び、上方から見たときに前記セラミックス棚組の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の前記縦棒を連結する複数の横棒と、
前記横棒の各々と対応する前記縦棒との間に介在された複数の継手と、を備え、
前記継手は、前記縦棒が挿入可能な第1縦棒凹部と、前記第1縦棒凹部の周囲に設けられた第1縦棒支持肉部と、前記横棒が挿入可能な横棒凹部と、前記横棒凹部の周囲に設けられた横棒支持肉部と、を有している、セラミックス棚組、
を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱容量を低減することができるとともに焼成時の高温環境下での強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態におけるセラミックス棚組の一例を示す正面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す縦棒と横棒と連結構造を示す縦断面図である。
【
図5】
図5は、
図2のセラミックス棚組の部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るセラミックス棚組について説明する。セラミックス棚組は、焼成炉内で被支持物を支持するための窯道具である。被支持物の例としては、被焼成物や、被焼成物が載置される棚板、被焼成物の形状を矯正するための焼成治具等が挙げられる。
【0010】
図1に示すように、本実施の形態によるセラミックス棚組1は、上下方向に延びる縦棒10をそれぞれ含む複数の支柱2と、横方向に延びる複数の横棒20と、縦棒10と横棒20とを連結する複数の継手30と、を備えている。
図1では、焼成炉100内で、被支持物101がセラミックス棚組1の上部で支持されている例が示されている。
【0011】
図1および
図2に示すように、本実施の形態においては、セラミックス棚組1は、直方体状に形成されており、上方から見たときに矩形状に形成されている。セラミックス棚組1は、4つの上述した支柱2を備えている。各支柱2は、複数の縦棒10を有しており、複数の縦棒10が継手30を介して連結されて支柱2を構成している。
【0012】
複数の縦棒10は、第1縦棒11と、第1縦棒11の上方に配置された第2縦棒12と、を含んでいる。本実施の形態では、後述するように2段構成の棚組となっており、第1縦棒11が最下部の縦棒10として構成され、第2縦棒12が、最上部の縦棒10として構成されている。各縦棒10は、上下方向に直線状に延びるように円筒状に形成されており、リング状の横断面を有している。第1縦棒11と第2縦棒12は、同一形状であってもよい。しかしながら、第1縦棒11の軸方向(上下方向)の長さと第2縦棒12の軸方向の長さは異なっていてもよい。
【0013】
図3に示すように、各縦棒10は、縦棒本体部10aと、縦棒本体部10aの下方の端部に設けられた下端嵌合部10bと、縦棒本体部10aの上方の端部に設けられた上端嵌合部10cと、を含んでいる。下端嵌合部10bの直径および上端嵌合部10cの直径は、縦棒本体部10aの直径よりも小さくなっていてもよく、この場合、下端嵌合部10bの直径と上端嵌合部10cの直径は同一であってもよい。しかしながら、下端嵌合部10bの直径および上端嵌合部10cの直径は、縦棒本体部10aの直径と同一であってもよい。縦棒10はセラミックス材料を焼成することにより形成されており、下端嵌合部10bおよび上端嵌合部10cは、焼成後に機械加工によって形成されるようにしてもよい。
【0014】
図1および
図2に示すように、横棒20は、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の縦棒10を連結している。例えば、
図2において、中央手前側の第1縦棒11と、右側の第1縦棒11とが一の横棒20(
図2に示す例では、後述する第1横棒21)によって連結されている。中央手前側の第1縦棒11と、左側の第1縦棒11とが他の横棒20(
図2に示す例では、後述する第4横棒24)によって連結されている。
【0015】
本実施の形態によるセラミックス棚組1を構成する複数の横棒20は、2つの第1横棒21と、2つの第2横棒22と、2つの第3横棒23と、2つの第4横棒24と、2つの第5横棒25と、を含んでいる。各第1横棒21および各第2横棒22は、上下方向において第1縦棒11と第2縦棒12との間の位置に配置されている。上方から見たときに、2つの第1横棒21は互いに対向しているとともに、2つの第2横棒22は互いに対向している。第1横棒21と第2横棒22とは、上方から見たときに、互いに垂直な方向に延びている。各第3横棒23および各第4横棒24は、上下方向において第1縦棒11よりも下方の位置に配置されている。上方から見たときに、2つの第3横棒23は互いに対向しているとともに、2つの第4横棒24は互いに対向している。第3横棒23と第4横棒24とは、上方から見たときに、互いに垂直な方向に延びている。第5横棒25は、上下方向において第2縦棒12よりも上方の位置に配置されている。上方から見たときに、2つの第5横棒25は互いに対向している。
【0016】
上方から見たときに、第1横棒21、第3横棒23および第5横棒25は、互いに重なっており、第2横棒22および第4横棒24は、互いに重なっている。本実施の形態では、各横棒20は、縦棒10と同様に、横方向に直線状に延びるように円筒状に形成されており、リング状の断面を有している。第1横棒21~第5横棒25は同一形状であってもよいが、第1横棒21、第3横棒23および第5横棒25の軸方向(横方向)の長さと、第2横棒22および第4横棒24の軸方向の長さは、異なっていてもよい。
【0017】
図3に示すように、各横棒20は、横棒本体部20aと、横棒本体部20aの一方の端部に設けられた第1嵌合部20bと、横棒本体部20aの他方の端部に設けられた第2嵌合部20cと、を含んでいる。第1嵌合部20bの直径および第2嵌合部20cの直径は、横棒本体部20aの直径よりも小さくなっていてもよく、この場合、第1嵌合部20bの直径と第2嵌合部20cの直径は同一であってもよい。しかしながら、第1嵌合部20bの直径および第2嵌合部20cの直径は、横棒本体部20aの直径と同一であってもよい。横棒20はセラミックス材料を焼成することにより形成されており、第1嵌合部20bおよび第2嵌合部20cは、焼成後に機械加工によって形成されるようにしてもよい。
【0018】
また、横棒本体部20aの直径は、縦棒本体部10aの直径と同一であってもよく、横棒20の第1嵌合部20bの直径および第2嵌合部20cの直径は、縦棒10の下端嵌合部10bの直径および上端嵌合部10cの直径と同一であってもよい。すなわち、縦棒10と横棒20は、各部の直径が同一となるように形成されていてもよい。また、本実施の形態では、縦棒10の軸方向(上下方向)の長さと横棒20の軸方向(横方向)の長さは異なっているが、同一であってもよい。
【0019】
図1および
図2に示すように、本実施の形態によるセラミックス棚組1を構成する複数の継手30は、4つの第1継手31と、4つの第2継手32と、4つの第3継手33と、4つの第4継手34と、4つの第5継手35と、を含んでいる。第1継手31~第5継手35は、同一形状であってもよい。
【0020】
継手30は、各横棒20と対応する縦棒10との間に介在されている。
図3および
図4に示すように、各継手30は、縦棒10が挿入可能な第1縦棒凹部40と、第1縦棒凹部40の周囲に設けられた第1縦棒支持肉部41と、横棒20が挿入可能な横棒凹部42と、横棒凹部42の周囲に設けられた横棒支持肉部43と、を有している。
【0021】
第1縦棒凹部40は、下方に開口しており、縦棒10の上端嵌合部10cが挿入可能になっている。第1縦棒凹部40は、円筒状に形成されており、挿入された上端嵌合部10cと嵌合するように構成されている。
図4に示すように、第1縦棒凹部40は、上端嵌合部10cの側の上端面10eと当接可能な第1縦棒当接面40aを含んでいる。
【0022】
図3および
図4に示すように、第1縦棒支持肉部41は、第1縦棒凹部40の周囲に全周に渡って肉付けされた部分であり、第1縦棒凹部40を覆っている。第1縦棒支持肉部41は、第1縦棒凹部40に挿入された第1縦棒11を支持するように構成されている。
【0023】
横棒凹部42は、側方に開口しており、横棒20の第1嵌合部20bおよび第2嵌合部20c(
図3参照)が挿入可能になっている。横棒凹部42は、円筒状に形成されており、挿入された第1嵌合部20bまたは第2嵌合部20cと嵌合するように構成されている。横棒凹部42は、横棒20の端面20d、20eと当接可能な横棒当接面42aを含んでいる。
図3においては、横棒20の第1嵌合部20bが一方(
図3における右側)の継手30の横棒凹部42に挿入されており、当該横棒凹部42の横棒当接面42aに、第1嵌合部20bの側の第1端面20dが当接している。横棒20の第2嵌合部20cが他方(
図3における左側)の継手30の横棒凹部42に挿入されており、当該横棒凹部42の横棒当接面42aに、第2嵌合部20cの側の第2端面20eが当接している。
【0024】
横棒支持肉部43は、横棒凹部42の周囲に全周に渡って肉付けされた部分であり、横棒凹部42を覆っている。横棒支持肉部43は、横棒凹部42に挿入された横棒20を支持するように構成されている。
【0025】
図3に示すように、本実施の形態による継手30は、縦棒10が挿入可能な第2縦棒凹部44と、第2縦棒凹部44の周囲に設けられた第2縦棒支持肉部45と、を更に有している。第2縦棒凹部44は、上方に開口しており、縦棒10の下端嵌合部10bが挿入可能になっている。第2縦棒凹部44は、円筒状に形成されており、挿入された下端嵌合部10bと嵌合するように構成されている。第2縦棒凹部44は、上方から見たときに第1縦棒凹部40と同芯状に形成されている。
図4に示すように、第2縦棒凹部44は、下端嵌合部10bの側の下端面10dと当接可能な第2縦棒当接面44aを含んでいる。
【0026】
図3および
図4に示すように、第2縦棒支持肉部45は、第2縦棒凹部44の周囲に全周に渡って肉付けされた部分であり、第2縦棒凹部44を覆っている。第2縦棒支持肉部45は、第2縦棒凹部44に挿入された第2縦棒12を支持するように構成されている。
【0027】
継手30は、セラミックス材料を焼成することにより形成されていてもよい。第1縦棒凹部40、横棒凹部42および第2縦棒凹部44は、焼成後に機械加工によって形成されるようにしてもよい。
【0028】
上述した第1縦棒支持肉部41と横棒支持肉部43は、継手30を補強するためのリブ46で接続されていてもよい。すなわち、本実施の形態においては、
図4に示すように、上下方向において、第1縦棒支持肉部41の下端面41aが、横棒支持肉部43の下端部よりも下方に配置されている。なお、本実施の形態では、第2縦棒支持肉部45の上端面45aは、横棒支持肉部43の上端とほぼ同等の位置に配置されている。すなわち、第2縦棒支持肉部45の上端面45aは、横棒凹部42の上方に延びており、継手30の上面が、第2縦棒凹部44から横棒凹部42にわたって、平坦状に形成されている。
【0029】
第1縦棒凹部40の第1縦棒当接面40aは、横棒凹部42の中心軸線42bよりも下方に配置されていてもよい。第2縦棒凹部44の第2縦棒当接面44aも、横棒凹部42の中心軸線42bよりも下方に配置されていてもよい。第1縦棒当接面40aと横棒凹部42の中心軸線42bとの上下方向寸法は、第2縦棒当接面44aと横棒凹部42の中心軸線42bとの上下方向寸法よりも大きくなっている。
【0030】
第1縦棒支持肉部41、横棒支持肉部43、第2縦棒支持肉部45およびリブ46は、一体に形成されている。すなわち、継手30は、上述したようにセラミックス材料で形成されており、第1縦棒支持肉部41、横棒支持肉部43、第2縦棒支持肉部45およびリブ46は、焼成前の成形時に一体に形成される。
【0031】
図4に示すように、本実施の形態による継手30は、周囲凸部47と、周囲凹部48と、を更に有していてもよい。
【0032】
周囲凸部47は、継手30の上面(第2縦棒支持肉部45の上端面45a)から上方に突出しており、第2縦棒凹部44の周囲に設けられている。周囲凸部47は、リング状に形成されており、第2縦棒凹部44と同芯状に形成されている。
【0033】
周囲凹部48は、継手30の下面(第1縦棒支持肉部41の下端面41a)から上方に凹んでおり、第1縦棒凹部40の周囲に設けられている。周囲凹部48は、リング状に形成されており、第1縦棒凹部40と同芯状に形成されている。また、周囲凹部48の直径は、周囲凸部47の直径よりも大きくなっており、第1縦棒凹部40と周囲凹部48とは、全体として段付凹部をなしている。
【0034】
2つの継手30が上下方向に組み合わされる場合、上側の継手30の周囲凹部48に、下側の継手30の周囲凸部47が挿入されるようになっている。この場合、下側の継手30の周囲凸部47の上面と、上側の継手30の周囲凹部48の上面との間には、隙間が形成されていてもよい。すなわち、継手30同士が上下方向に組み合わされる場合、下側の継手30の上面(第2縦棒支持肉部45の上端面45a)と、上側の継手30の下面(第1縦棒支持肉部41の下端面41a)とが当接する。
【0035】
図4に示すように、上下方向で組み合わされた下側の継手30と上側の継手30とが、上下方向に延びる係止棒50で係止されている。係止棒50の下部50aは、下側の継手30の第2縦棒凹部44に挿入されて嵌合しているとともに、係止棒50の上部50bは、上側の継手30の第1縦棒凹部40に挿入されて嵌合している。このようにして、下側の継手30と上側の継手30とが、水平面内で相対変位することが抑制されている。係止棒50は、上下方向に直線状に延びるように円筒状に形成されており、リング状の横断面を有している。係止棒50は、下端面50cから上端面50dにわたって、縦棒10の下端嵌合部10bの直径や上端嵌合部10cの直径と同一の直径で形成されていてもよい。係止棒50は、セラミックス材料を焼成することにより形成されており、焼成後に全体的に係止棒50の外周面が機械加工されるようにしてもよい。
【0036】
そして、下側の継手30の第2縦棒凹部44の第2縦棒当接面44aに、係止棒50の下端面50cが当接している。上側の継手30の第1縦棒凹部40の第1縦棒当接面40aと係止棒50の上端面50dとの間には隙間が形成されていてもよい。
【0037】
第2縦棒凹部44の直径と係止棒50の直径との差は、周囲凹部48の直径と周囲凸部47の直径との差よりも小さくしてもよい。また、第1縦棒凹部40の直径と係止棒50の直径との差は、周囲凹部48の直径と周囲凸部47の直径との差よりも小さくしてもよい。この場合、2つの継手30は、主として係止棒50を介して係止される。
【0038】
縦棒10、横棒20、継手30および係止棒50に用いられるセラミックス材料としては、例えば、アルミナ、ムライト、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、コージライト等が挙げられる。縦棒10、横棒20、継手30および係止棒50は、セラミックス材料の微粉体をバインダーと混練して成形した後、焼成炉内で焼成することにより得られる。焼成された縦棒10、横棒20、継手30および係止棒50は、少なくとも部分的に機械加工される。縦棒10、横棒20、継手30および係止棒50に用いられるセラミックス材料は、同一であってもよい。
【0039】
次に、本実施の形態におけるセラミックス棚組1のより具体的な構成について説明する。
【0040】
図2に示すように、本実施の形態におけるセラミックス棚組1においては、上述した第1縦棒11と第2縦棒12との間に上述した第1継手31が介在されている。
図3に示すように、第1継手31の第1縦棒凹部40に、第1縦棒11の上端嵌合部10cが挿入されて嵌合している。第1継手31の横棒凹部42に、上述した第1横棒21が挿入されて嵌合している。すなわち、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の第1継手31の間に第1横棒21が介在されている。第1横棒21の第1嵌合部20bが、一方の第1継手31の横棒凹部42に挿入されて嵌合しているとともに、当該第1横棒21の第2嵌合部20cが、他方の第1継手31の横棒凹部42に挿入されて嵌合している。
【0041】
第1継手31と第2縦棒12との間に、上述した第2継手32が介在されている。第2継手32の第2縦棒凹部44に、第2縦棒12の下端嵌合部10bが挿入されて嵌合している。第2継手32の横棒凹部42に、上述した第2横棒22(
図2参照)が挿入されて嵌合している。すなわち、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の第2継手32の間に第2横棒22が介在されている。第2横棒22の第1嵌合部20bが、一方の第2継手32の横棒凹部42に挿入されて嵌合しているとともに、当該第2横棒22の第2嵌合部20cが、他方の第2継手32の横棒凹部42に挿入されて嵌合している。第2横棒22は、第1横棒21とは異なる方向に延びており、上方から見たときに、第1横棒21と第2横棒22とは互いに垂直な方向に延びている。
【0042】
図3に示すように、第1継手31と第2継手32は、上述した係止棒50で係止されている。第2継手32は第1継手31上に配置されている。係止棒50は、第1継手31の第2縦棒凹部44に挿入されるとともに、第2継手32の第1縦棒凹部40に挿入されている。
図4に示すように、第1継手31の周囲凸部47が、第2継手32の周囲凹部48に挿入されている。
【0043】
図2に示すように、第1縦棒11の下方に、上述した第3継手33が配置されている。第3継手33は、焼成炉100の床面100aに載置され、第1縦棒11に連結されている。第3継手33の横棒凹部42(
図3参照)に、上述した第3横棒23が挿入されて嵌合している。すなわち、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の第3継手33の間に第3横棒23が介在されている。第3横棒23の第1嵌合部20bが、一方の第3継手33の横棒凹部42に挿入されて嵌合しているとともに、当該第3横棒23の第2嵌合部20cが、他方の第3継手33の横棒凹部42に挿入されて嵌合している。
【0044】
図2に示すように、第3継手33と第1縦棒11との間に、上述した第4継手34が介在されている。第4継手34の第2縦棒凹部44(
図3参照)に、第1縦棒11の下端嵌合部10bが挿入されて嵌合している。これにより、第1縦棒11は、第4継手34を介して第3継手33に連結されている。第4継手34の横棒凹部42に、上述した第4横棒24が挿入されて嵌合している。すなわち、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の第4継手34の間に第4横棒24が介在されている。第4横棒24の第1嵌合部20bが、一方の第4継手34の横棒凹部42に挿入されて嵌合しているとともに、当該第4横棒24の第2嵌合部20cが、他方の第4継手34の横棒凹部42に挿入されて嵌合している。第4横棒24は、第3横棒23とは異なる方向に延びており、上方から見たときに、第4横棒24と第3横棒23とは互いに垂直な方向に延びている。
【0045】
図2に示すように、第3継手33と第4継手34は、上述した係止棒50(
図3参照)で係止されている。第4継手34は第3継手33上に配置されている。係止棒50は、第3継手33の第2縦棒凹部44に挿入されるとともに、第4継手34の第1縦棒凹部40に挿入されている。第3継手33の周囲凸部47(
図4参照)が、第4継手34の周囲凹部48に挿入されている。
【0046】
図2に示すように、第2縦棒12の上方に、上述した第5継手35が配置されている。第5継手35は、第2縦棒12に連結されている。第5継手35の横棒凹部42(
図3参照)に、上述した第5横棒25が挿入されて嵌合している。すなわち、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の第5継手35の間に第5横棒25が介在されている。第5横棒25の第1嵌合部20bが、一方の第5継手35の横棒凹部42に挿入されて嵌合しているとともに、当該第5横棒25の第2嵌合部20cが、他方の第5継手35の横棒凹部42に挿入されて嵌合している。
【0047】
このように構成された本実施の形態によるセラミックス棚組1は、
図2に示すように、第1組立ユニット61と、第1組立ユニット61上に積み上げられた第2組立ユニット62とで構成されており、2段構成の棚組となっている。
図5に示すように、第1組立ユニット61は、4つの第1縦棒11と、2つの第1横棒21と、2つの第4横棒24と、4つの第1継手31と、4つの第4継手34と、によって構成されている。第2組立ユニット62は、4つの第2縦棒12と、2つの第2横棒22と、2つの第5横棒25と、4つの第2継手32と、4つの第5継手35と、によって構成されている。
【0048】
第1組立ユニット61と、第2組立ユニット62は、同一の構成となっている。すなわち、縦棒10や横棒20、継手30の呼称は異なっているが、同一の縦棒10と同一の横棒20と同一の継手30とを用いて第1組立ユニット61と第2組立ユニット62とを構成することができる。このように、
図1および
図2に示すセラミックス棚組1は、主として2つの組立ユニットで構成されていることから、2段構成の棚組と称することができる。第1組立ユニット61の下方には、両端に継手30(第3継手33)が嵌合した2つの第3横棒23と、両端に継手30(第4継手34)が嵌合した2つの第4横棒24と、が設けられている。
【0049】
なお、セラミックス棚組1の段構成は、
図1および
図2に示すような2段構成とすることに限られることはない。例えば、セラミックス棚組1は、1段構成、すなわち、主として1つの組立ユニットで構成される棚組であってもよく、あるいは、3段以上の構成、すなわち、主として3つ以上の組立ユニットで構成される棚組であってもよい。
【0050】
縦棒10と継手30は、接着剤(例えば、セメント材)によって接着されていてもよい。この場合、少なくとも1つ以上の縦棒10と対応する継手30が接着剤によって接着されていてもよい。同様に、横棒20と継手30は、接着剤によって接着されていてもよく、少なくとも1つ以上の横棒20と対応する継手30が接着剤によって接着されていてもよい。このように接着剤を用いることにより、セラミックス棚組1の強度を向上させることができる。
【0051】
本実施の形態による棚組においては、例えば、
図1に示すように、セラミックス棚組1の上部に被支持物101が載置される。例えば、被支持物101は、2つの第5横棒25に掛け渡された棚板と、棚板上に載置された被焼成物(いずれも図示せず)と、で構成されていてもよい。棚板は、第5横棒25に掛け渡されることに限られることはなく、例えば、2つの第1横棒21若しくは2つの第2横棒22に掛け渡されてもよく、または、2つの第3横棒23若しくは2つの第4横棒24に掛け渡されてもよい。あるいは、被支持物101は、上方から見たときにセラミックス棚組1の外縁に沿う方向において互いに隣り合う一対の第5継手35を連結する2つの連結治具と、2つの連結治具に掛け渡された支持治具棒と、支持治具棒に吊り下げられる吊下治具(いずれも図示せず)と、で構成されていてもよい。この場合、被焼成物は、セラミックス棚組1の内側で、焼成炉100の床面100aに載置されるようにしてもよい。
【0052】
本実施の形態によるセラミックス棚組1を組み立てる場合、各縦棒10、各横棒20および各継手30を順次組み立てていき、
図1に示すセラミックス棚組1を得るようにしてもよい。あるいは、
図5に示すように、まず、第1組立ユニット61と第2組立ユニット62とを組み立てて、その後に、第1組立ユニット61に第2組立ユニット62を積み上げて、
図1に示すセラミックス棚組1を得るようにしてもよい。上述したように第1組立ユニット61および第2組立ユニット62は、同一の構成となっている。このため、このような組立ユニットをあらかじめいくつか用意しておき、所望の段構成となるように所望の個数の組立ユニットを積み上げることで、セラミックス棚組1の大きさを柔軟に変更することができ、セラミックス棚組1の組み合わせ自由度を向上させることができる。
【0053】
本実施の形態によるセラミックス棚組1を用いて被焼成物を焼成する場合、まず、焼成炉100の外部で、セラミックス棚組1の上部に、被焼成物を含む被支持物101が載置される。被支持物101が載置された状態で、セラミックス棚組1が焼成炉100の内部に搬入される。続いて、焼成炉100内の被焼成物が焼成される。この際、セラミックス棚組1にも熱が与えられて縦棒10、横棒20、継手30および係止棒50の温度が上昇する。しかしながら、縦棒10、横棒20、継手30および係止棒50は、セラミックス材料で形成されているため、焼成炉100内の温度が、被焼成物の焼成のために高温になったとしても、セラミックス棚組1の強度を確保することができる。このため、被支持物101を安定して支持し続けることができる。被焼成物の焼成が終了すると、焼成後の被焼成物が載置された状態で、セラミックス棚組1が焼成炉100から搬出される。被焼成物を冷却した後、被焼成物がセラミックス棚組1から持ち出される。
【0054】
セラミックス棚組1に被支持物101が載置されている間、被支持物101の重さによる力は、各支柱2に分散される。各支柱2を構成する縦棒10は、継手30を介して横棒20に連結されており、各支柱2にかかる力は、横棒20を介して他の支柱2に分散され得る。また、被支持物101が載置された状態でセラミックス棚組1を移動させる際には、セラミックス棚組1が移動方向または移動方向とは反対方向に歪むことが抑制され得る。
【0055】
被焼成物の焼成が完了した後、セラミックス棚組1は分解されてもよい。すなわち、各縦棒10が対応する継手30から取り外されるとともに、各横棒20が対応する継手30から取り外される。係止棒50も同様に取り外すことができる。取り外された縦棒10、横棒20、継手30および係止棒50は、保管されてもよい。再びセラミックス棚組1を組み立てる場合には、保管していた縦棒10、横棒20、継手30および係止棒50を用いて、組み立てることができる。このため、縦棒10、横棒20、継手30および係止棒50を再利用することができる。
【0056】
このように本実施の形態によれば、各支柱2を構成する縦棒10は、継手30を介して横棒20に連結されており、継手30は、縦棒10が挿入される第1縦棒凹部40の周囲に設けられた第1縦棒支持肉部41と、横棒20が挿入される横棒凹部42の周囲に設けられた横棒支持肉部43と、を有している。このことにより、縦棒10と横棒20とを連結する継手30において、縦棒10が挿入される部分と横棒20が挿入される部分とを太くすることができる。このため、縦棒10と横棒20との連結強度を向上させることができ、焼成時の高温環境下でのセラミックス棚組1の強度を向上させることができる。この場合、縦棒10の太さと横棒20の太さを、継手30の第1縦棒支持肉部41および横棒支持肉部43よりも細くすることができる。このため、縦棒10の熱容量および横棒20の熱容量を低減することができ、焼成時に要する熱量を低減することができる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、継手30の第1縦棒凹部40は下方に開口しており、継手30が、縦棒10が挿入可能な上方に開口する第2縦棒凹部44を更に有している。このことにより、継手30の上方および下方に縦棒10をそれぞれ配置することができ、上方の縦棒10と下方の縦棒10を連結することができる。このため、セラミックス棚組1の大きさを柔軟に変更することができ、セラミックス棚組1の組み合わせ自由度を向上させることができる。また、継手30は、第2縦棒凹部44の周囲に設けられた第2縦棒支持肉部45を更に有している。このことにより、下方の縦棒10が挿入される部分(第1縦棒支持肉部41)と上方の縦棒10が挿入される部分(第2縦棒支持肉部45)とを太くすることができる。このため、縦棒10と横棒20との連結強度を向上させることができる。また、下方の縦棒10および上方の縦棒10を細くすることができ、これらの縦棒10の熱容量を低減することができる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、第1縦棒11と、第1縦棒11の上方に配置された第2縦棒12との間に介在された第1継手31の横棒凹部42に第1横棒21が挿入されている。このことにより、第1縦棒11、第1横棒21および第2縦棒12を強固に連結することができ、第1縦棒11、第1横棒21および第2縦棒12の連結強度を向上させることができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、第1継手31と第2縦棒12との間に第2継手32が介在され、第2継手32の横棒凹部42に、第1横棒21とは異なる方向に延びる第2横棒22が挿入されている。このことにより、互いに異なる方向に延びる第1横棒21および第2横棒22で、互いに隣り合う支柱2を連結することができる。このため、セラミックス棚組1の強度を向上させることができる。とりわけ、第1横棒21と第2横棒22とを上下方向において近接して配置させることができる。このため、セラミックス棚組1の強度をより一層向上させることができ、被支持物101が載置された状態でセラミックス棚組1を移動させる際には、セラミックス棚組1が移動方向または移動方向とは反対方向に歪むことを抑制することができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、第1継手31と第2継手32とが、上下方向に延びる係止棒50で係止され、係止棒50は、第1継手31の第2縦棒凹部44に挿入されるとともに、第2継手32の第1縦棒凹部40に挿入されている。このことにより、第1継手31と第2継手32とを強固に連結することができる。また、第1継手31と第2継手32とは別部品として係止棒50を構成することにより、第1継手31と第2継手32の位置ずれを吸収してセラミックス棚組1が歪むことを抑制することができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、第1継手31の周囲凸部47が、第2継手32の周囲凹部48に挿入されている。このことにより、第1継手31と第2継手32とを組み合わせたときの安定性を確保することができる。また、セラミックス棚組1の搬送時等に衝撃を受けた場合であっても、この衝撃を緩和することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、第1縦棒11の下方に配置されて焼成炉100の床面100aに載置される第3継手33に当該第1縦棒11が連結され、第3継手33の横棒凹部42に第3横棒23が挿入されている。このことにより、互いに隣り合う支柱2の下端部を第3横棒23で連結することができる。このため、セラミックス棚組1の強度をより一層向上させることができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、第3継手33と第1縦棒11との間に第4継手34が介在され、第4継手34の横棒凹部42に、第3横棒23とは異なる方向に延びる第4横棒24が挿入されている。このことにより、互いに異なる方向に延びる第3横棒23および第4横棒24で、互いに隣り合う支柱2の下端部を連結することができる。このため、セラミックス棚組1の強度をより一層向上させることができる。とりわけ、第3横棒23と第4横棒24とを上下方向において近接して配置させることができる。このため、セラミックス棚組1の強度をより一層向上させることができ、被支持物101が載置された状態でセラミックス棚組1を移動させる際には、セラミックス棚組1が移動方向または移動方向とは反対方向に歪むことを抑制することができる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、第3継手33と第4継手34とが、上下方向に延びる係止棒50で係止され、係止棒50は、第3継手33の第2縦棒凹部44に挿入されるとともに、第4継手34の第1縦棒凹部40に挿入されている。このことにより、第3継手33と第4継手34とを強固に連結することができる。また、第3継手33と第4継手34とは別部品として係止棒50を構成することにより、第3継手33と第4継手34の位置ずれを吸収してセラミックス棚組1が歪むことを抑制することができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、第2縦棒12の上方に配置された第5継手35に、当該第2縦棒12が連結され、第5継手の横棒凹部42に第5横棒25が挿入されている。このことにより、互いに隣り合う支柱2の上端部を第5横棒25で連結することができる。このため、セラミックス棚組1の強度をより一層向上させることができる。
【0066】
さらに、本実施の形態によれば、継手30の第1縦棒支持肉部41と横棒支持肉部43とが、リブ46で接続されている。このことにより、第1縦棒支持肉部41と横棒支持肉部43との接続強度を向上させることができ、縦棒10と横棒20との連結強度を向上させることができる。
【0067】
なお、上述した本実施の形態においては、第1継手31と第2縦棒12との間に、第2継手32が介在されて、第1継手31と第2継手32とが係止棒50で係止されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1継手31と第2縦棒12との間に第2継手32が介在されることなく、第1継手31の第2縦棒凹部44に第2縦棒12が挿入されていてもよい。この場合においても、第1縦棒11と第1横棒21と第2縦棒12とを第1継手31で連結することができ、セラミックス棚組1の強度を向上させることができる。棚組としての構造を保持することができれば、第3継手33と第1縦棒11との間に介在されている第4継手34についても同様である。
【0068】
また、上述した本実施の形態においては、第1継手31と第2継手32とが係止棒50で係止され、係止棒50が第1継手31の第2縦棒凹部44に挿入されるとともに第2継手32の第1縦棒凹部40に挿入されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1継手31と第2継手32との間に他の縦棒10が介在されて、当該縦棒10の下端嵌合部10bが第1継手31の第2縦棒凹部44に挿入されるとともに、当該縦棒10の上端嵌合部10cが第2継手32の第1縦棒凹部40に挿入されていてもよい。この場合においても、第1縦棒11と第1横棒21とを第1継手31で連結することができるとともに、第2縦棒12と第2横棒22とを第2継手32で連結することができ、セラミックス棚組1の強度を向上させることができる。第3継手33と第4継手34とを係止する係止棒50についても同様である。
【0069】
また、上述した本実施の形態においては、第1縦棒11の下方に配置されて焼成炉100の床面100aに載置される第3継手33が当該第1縦棒11に連結され、第3継手33の横棒凹部42に第3横棒23が挿入されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、このような第3継手33および第3横棒23は、セラミックス棚組1の強度を確保することができれば、用いられていなくてもよい。第4継手34および第4横棒24についても同様である。
【0070】
また、上述した本実施の形態においては、第2縦棒12の上方に配置された第5継手35に、当該第2縦棒12が連結され、第5継手35の横棒凹部42に第5横棒25が挿入されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、このような第5継手35および第5横棒25は、第5横棒25による被支持物101の支持を不要にすることができるとともにセラミックス棚組1の強度を確保することができれば、用いられていなくてもよい。
【0071】
更に、上述した本実施の形態においては、第2縦棒支持肉部45の上端面45aが、横棒支持肉部43の上端とほぼ同等の位置に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第2縦棒支持肉部45の上端面45aは、横棒支持肉部43の上端部よりも上方に配置されていてもよい。この場合、第2縦棒支持肉部45と横棒支持肉部43とが、リブで接続されていてもよい。
【0072】
本発明は上記実施の形態および変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせ(変形例同士の組み合わせも含む)により、種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0073】
1 セラミックス棚組
2 支柱
10 縦棒
11 第1縦棒
12 第2縦棒
20 横棒
21 第1横棒
22 第2横棒
23 第3横棒
24 第4横棒
25 第5横棒
30 継手
31 第1継手
32 第2継手
33 第3継手
34 第4継手
35 第5継手
40 第1縦棒凹部
41 第1縦棒支持肉部
41a 下端面
42 横棒凹部
43 横棒支持肉部
44 第2縦棒凹部
45 第2縦棒支持肉部
45a 上端面
46 リブ
47 周囲凸部
48 周囲凹部
50 係止棒
100 焼成炉
100a 床面
101 被支持物