(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】光半導体素子、光半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/227 20060101AFI20231213BHJP
H01S 5/343 20060101ALI20231213BHJP
H01S 5/12 20210101ALI20231213BHJP
G02F 1/017 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
H01S5/227
H01S5/343
H01S5/12
G02F1/017 503
(21)【出願番号】P 2019201007
(22)【出願日】2019-11-05
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2019146767
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】301005371
【氏名又は名称】日本ルメンタム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中原 宏治
(72)【発明者】
【氏名】菅 一輝
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-069153(JP,A)
【文献】特開2012-089622(JP,A)
【文献】特開2018-056212(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0081878(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放出又は吸収する半導体光素子であって、
多重量子井戸層を含む下部構造と、
前記下部構造上に配置され
、上部クラッド層である上部メサ構造と、
前記上部メサ構造上に配置される電流注入構造と、を備え、
前記の放出又は吸収される光の光軸から見て、前記電流注入構造の前記上部メサ構造と接している部分の横
幅は、前記上部メサ構造の横
幅よりも小さく、
前記電流注入構造の前記上部メサ構造と接している部分はInPで構成され、
前記上部メサ構造の平均屈折率は、前記電流注入構造の前記InPの屈折率より高く、
前記半導体光素子は、前記上部メサ構造の両側面、及び上面の一部を接して覆う絶縁膜をさらに備える、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項2】
請求項1に記載の光半導体素子であって、
光を放出するように構成され、
前記上部メサ構造は回折格子層を有し、
前記下部構造は、前記上部メサ構造とともに一のメサ構造を構成し、
前記下部構造の両側面を埋め込む埋め込み半導体層をさらに備える、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項3】
請求項1に記載の光半導体素子であって、
光を吸収するように構成され、
前記下部構造は、前記多重
量子井戸層の上部に設けられる、前記多重
量子井戸層のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する下部光閉じ込め層を有し、
前記上部メサ構造は、前記下部光閉じ込め層の上部に設けられる、前記多重
量子井戸層のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する上部光閉じ込め層を有し、
前記下部構造の両側面を埋め込む埋め込み半導体層をさらに備える、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の光半導体素子であって、
前記電流注入構造は、前記上部メサ構造の幅よりも0.05μm以上狭い、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項5】
請求項4に記載の光半導体素子であって、
前記電流注入構造は、0.1μm以上0.7μm以下の範囲の幅を有する、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項6】
請求項5に記載の光半導体素子であって、
前記電流注入構造の高さは、1μm未満である、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の光半導体素子であって、
前記電流注入
構造を少なくとも2つ以上備える、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項8】
請求項1に記載の光半導体素子であって、
前記多重量子井戸層は、Al元素を含む多元素からなる層である、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項9】
請求項2に記載の光半導体素子であって、
前記上部メサ構造は、前記電流注入構造より屈折率が大きい光閉じ込め層をさらに有す
る、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項10】
請求項9に記載の光半導体素子であって、
前記光閉じ込め層は、InGaAsPで構成される、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項11】
請求項3に記載の光半導体素子であって、
前記上部光閉じ込め層及び前記下部光閉じ込め層は、InGaAsPで構成される、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項12】
請求項2に記載の光は導体素子であって、
前記回折格子層は、InGaAsPで構成される、
ことを特徴とする、光半導体素子。
【請求項13】
請求項3に記載の光半導体素子と、
前記光半導体素子と一体的に集積された半導体レーザを有する、
光半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体素子、光半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットは現代社会のインフラストラクチャとして益々発展し続けている。高速で長距離通信に優れる光通信はインターネット通信の大部分を占めており、インターネットの通信量の継続的な増大により通信量の大容量化が喫緊の課題となっている。この光通信には光トランシーバが使用されており、高速化、小型化、省電力化が求められている。
【0003】
光トランシーバには高速性、小型、省電力特性に優れ、内部に含まれる光源としては光ファイバに適合する波長が出力できる半導体レーザが使用されている。半導体レーザを使用した光通信の送信光源には一般に注入電流を大きく変調させ光強度をデジタル変調する直接変調方式が広く適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-165133号公報
【文献】特開2018-56212号公報
【文献】特開2018-93002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の光トランシーバの高速化に伴い、さらなる高速化を実現する半導体レーザが求められている。そのためには緩和振動周波数を大きくすることが有効である。量子井戸を有する半導体レーザにおいて緩和振動周波数は、微分利得の平方根に比例すること、及び利得はキャリア密度の自然対数に対して1次関数的に変化することが知られている。そのため利得を大きくするためにはキャリア密度を大きくする必要があるが、その一方でキャリア密度が大きくなると、微分利得は小さくなってしまい、緩和振動周波数が低下してしまう。
【0006】
特許文献1、2では、InGaAlAsを活性層とする半導体レーザにおいてメサストライプの一部が埋め込まれている埋め込み型レーザが開示されている。特許文献1、2に開示の半導体レーザは、InP半導体基板上にメサストライプが形成されており、メサストライプは上部にInPクラッド、その下に回折格子や光閉じ込め層(SCH層)、多重量子井戸層(MQW層)を含んでいる。特許文献1では上部のInPクラッドより下の半導体多層の両脇にInPの埋め込み層が配置されている。特許文献2では、上部のクラッド層と回折格子層は埋め込まれておらず、MQW層と回折格子層との間に埋め込み層の上面が配置される構造が開示されている。特許文献3では、埋め込まれていない複数のメサ構造を有するアレイ半導体光素子が開示されている。上記の高速化の観点に照らして、上述の引用文献1乃至3で開示された構造より高速化を実現するためには、光閉じ込めを改善する必要がある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、緩和振動周波数が高い光半導体素子又は消光特性に優れた光半導体素子及び光半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 上記課題を解決するために、光を放出又は吸収する半導体光素子は、多重量子井戸層を含む下部構造と、前記下部構造上に配置される上部メサ構造と、前記上部メサ構造上に配置される電流注入構造と、を備え、前記の放出又は吸収される光の光軸から見て、前記電流注入構造の前記上部メサ構造と接している部分の横軸は、前記上部メサ構造の横軸よりも小さく、前記電流注入構造の前記上部メサ構造と接している部分はInPで構成され、前記上部メサ構造の平均屈折率は、前記電流注入構造の前記InPの屈折率より高く、前記半導体光素子は、前記上部メサ構造の両側面、及び上面の一部を接して覆う絶縁膜をさらに備える、ことを特徴とする。
【0009】
(2) 上記(1)に記載の光半導体素子であって、光を放出するように構成され、前記上部メサ構造は回折格子層を有し、前記下部構造は、前記上部メサ構造とともに一のメサ構造を構成し、前記下部構造の両側面を埋め込む埋め込み半導体層をさらに備える、ことを特徴とする。
【0010】
(3) 上記(1)に記載の光半導体素子であって、光を吸収するように構成され、前記下部構造は、前記多重井戸層の上部に設けられる、前記多重井戸層のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する下部光閉じ込め層を有し、前記上部メサ構造は、前記下部光閉じ込め層の上部に設けられる、前記多重井戸層のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する上部光閉じ込め層を有し、前記下部構造の両側面を埋め込む埋め込み半導体層をさらに備える、ことを特徴とする。
【0011】
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光半導体素子であって、前記電流注入構造は、前記上部メサ構造の幅よりも0.05μm以上狭いことを特徴とする。
【0012】
(5) 上記(4)に記載の光半導体素子であって、前記電流注入構造は、0.1μm以上0.7μm以下の範囲の幅を有することを特徴とする。
【0013】
(6) 上記(5)に記載の光半導体素子であって、前記電流注入構造の高さは、1μm未満であることを特徴とする。
【0014】
(7) 上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光半導体素子であって、前記電流注入層を少なくとも2つ以上備えることを特徴とする。
【0015】
(8) 上記(1)に記載の光半導体素子であって、前記多重量子井戸層は、Al元素を含む多元素からなる層であることを特徴とする。
【0016】
(9) 上記(2)に記載の光半導体素子であって、前記上部メサ構造は、前記電流注入構造より屈折率が大きい光閉じ込め層を有することを特徴とする。
【0017】
(10) 上記(9)に記載の光半導体素子であって、前記光閉じ込め層は、InGaAsPで構成されることを特徴とする。
【0018】
(11) 上記(3)に記載の光半導体素子であって、前記上部光閉じ込め層及び前記下部光閉じ込め層は、InGaAsPで構成されることを特徴とする。
【0019】
(12) 上記(2)に記載の光半導体素子であって、前記回折格子層は、InGaAsPで構成されることを特徴とする。
【0020】
(13) 本願の光半導体装置は、上記(3)に記載の光半導体素子と、前記光半導体素子と一体的に集積された半導体レーザを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、緩和振動周波数が高く、それにより変調周波数帯域が高い光半導体装置及び光半導体素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る光半導体素子の概略構成を示す図である。
【
図2】
図1のAで示された断面における断面図である。
【
図3】
図1のBで示された半導体光素子の共振器方向に平行な縦断面概略図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る光半導体素子の断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る光半導体素子の断面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る光半導体素子の断面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る光半導体素子の断面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る光半導体素子の断面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る
図1のBで示された光半導体素子の縦断面概略図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る光半導体素子の断面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る光半導体素子の断面図である。
【
図12】特許文献2及び本発明に基づくΓ
QW/W
m, Γ
QW,及びκの計算結果である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る光半導体素子1の概略構成を示す図である。
図1に示す光半導体素子は、半導体レーザであって、直方体形状の対向する面に設けられた2つの電極に電圧が印加されることにより、発振領域2からレーザ光3を発振する。
【0025】
図2は、
図1のAで示された断面における断面図である。
図2は、光ファイバ通信用送信光源の1.3μm帯で発振する半導体レーザの光軸に垂直な断面の模式図である。光半導体素子1は、p型InP半導体基板101、下部クラッドとして働くp型InPバッファ層102、p型InGaAlAs-光閉じ込め(SCH)層103、p型InAlAs 電子ストップ層104、InGaAlAs-多重量子井戸(MQW)層105、n型InGaAlAs-SCH層106が順に積層されている。p型InPバッファ層102からn型InGaAlAs-SCH層106は通常の半導体レーザのドーピングや組成等の構成を有する。さらに106の直上には厚さ2nmのn型InP層107、厚さ60nmのn型InGaAsP回折格子層108、厚さ40nmのn型InP層109、厚さ80nmのn型InGaAsP層110が順に積層されている。107~110のn型半導体層のドーピング濃度はいずれも1×10
18cm
-3である。回折格子層108は紙面に垂直な方向に回折格子構造を有しており、
図1のBで示された断面は
図3のように107及び109のn型InP層の中にn型InGaAsP回折格子層108が周期的に存在している。
図3では完全な周期構造を示しているが実際にはλ/4シフト構造等を導入し単一モード発振を高い歩留りで実現している。光半導体素子1はDFB型の半導体レーザである。尚、
図3において120は誘電体低反射コーティング膜、121は誘電体高反射コーティング膜である。
【0026】
102の一部と103から106は両脇がInP埋め込み層112で埋め込まれるメサ構造(以下、下部メサ構造と称する)を成している。InP埋め込み層はp型InPバッファ層102に接する層にn型InPの薄膜を形成しその後高抵抗を有するFe或いはRuをドープした半絶縁性InP層の多層構造になっている。その他、p型半導体層、p型半導体層とn型半導体層からなる多層膜、又は高抵抗型半導体層とp型半導体層とn型半導体層からなる多層膜、のいずれであってもよい。107から110は両脇がSiO2絶縁膜114で覆われている。107から110にて上部クラッド層117を形成しており、半導体レーザ内部ではレーザ光が出射する光軸方向に上部クラッド層117、SCH層103,106、MQW層105、下部クラッド層として機能するInPバッファ層102の組み合わせで導波路が形成され光が導波する。n型InGaAsP層110の上には110より幅の狭いn型InP層の電流注入層111が設置されている。幅が110より狭いので光は多少111内に染み出しているが111では導波しない。従って電流注入層の高さは通常0.2μm以上であれば十分である。勿論プロセス上等の課題に応じて、0.2μmより高くしてもよい。ただし、1μm以上大きくした場合は素子抵抗が大きくなる懸念があるため、1μm未満、特に0.6μm以下が好ましい。上部クラッド層117の左右上部は屈折率の低いSiO2で覆われているため光を上部クラッド117以下の領域にほぼ閉じ込めることができる。電流注入層111の直上にはドーピング濃度1.5×1019cm-3のn型InGaAsPコンタクト層113が設置されており、n型電極115とオーミック接触されている。115は通常のオーミックコンタクト用電極多層であればよく、本実施形態ではTi/Pt/Auを用いている。p型InP基板の下にはAuZn合金とTi/Pt/Auの多層構造のp型電極116が設けられている。116も通常のp型電極であれば他の構成を用いてもよい。
【0027】
下部メサ構造の幅Waは約0.9μmである。プロセスの関係でメサの実際の断面形状は、完全な矩形ではなく、やや曲がった輪郭を有している。上部クラッド層の幅も同様に約0.9μmである。これらのメサ幅は光を導波させる範囲で差が有ってもよい。111の電流注入層の幅は約0.5μmであり上述のメサ幅より狭く設定されている。また、光を導波しないため特に111の左右中心が下のメサ(102~106、107~110)の左右中心と一致している必要はない。
【0028】
また、本実施例ではSiO2絶縁膜114とn型電極115は接しているがこれらの間の一部、あるいは全てにポリイミド等の絶縁膜を挿入し素子の容量を低減してもよい。
【0029】
ここで、
図2に示す第1実施形態に係る光半導体素子と特許文献2の構造を比較する。半導体レーザでは寄生容量等を無視した真性周波数帯域f
3dBと緩和振動周波数f
rにはf
3dB=1.55f
rの関係があるので高速化には緩和振動周波数f
rを向上させることが肝要である。量子井戸層を活性層とする半導体レーザにおいて緩和振動周波数f
rは1量子井戸当たりの光閉じ込め係数Γ
QW、下部メサ構造の幅W
a、量子井戸層の微分利得dg/dn、駆動電流I
m(=動作電流-しきい電流)の間に以下の関係がある。
【0030】
【0031】
また、半導体レーザ発振は量子井戸層から発生する光と半導体レーザ内の導波路の光損失αiとレーザ光を外に出すことによりレーザ内部としては損失となるミラー損失αmの和、即ちgm=αi+αmが釣り合うときに発振状態となる。単位長さあたりの半導体レーザ内の光学利得gとすると、発振条件は以下で表される。
【0032】
【0033】
ここでNWは量子井戸数である。また、光学利得gは以下の式で表される。
【0034】
【0035】
ここでnは量子井戸に注入されるキャリア密度、ntrは光学利得gが0となるキャリア密度、aは常数である。式(1)からはΓQW/Waが増大するレーザ構造が望ましく、Waを小さくするほうが望ましいと考えられる。しかし、Waを小さくするとΓQWが小さくなり発振条件の式(2)において光学利得gを大きくする必要がある。gを大きくするためには式(3)より多くのキャリアnを注入する必要があるが、同式からわかるようにgとnの関数として上に凸の関数であり、その微分、即ち微分利得dg/dnはキャリア密度の増大により低下するので式(1)のfrが低下することになる。よってΓQW/WaとΓQWの双方が大きくなる構造が必要となる。また、ミラー損失αmが大きいときも上述と同様に微分利得が下がる要因となるのでαmは低いほうが望ましい。DFBレーザにおいては回折格子の光結合係数κが大きいほどミラー損失αmが小さくなる。
【0036】
図12はΓ
QWとκのΓ
QW/W
a依存性について特許文献2の実施例1と実施例3、及び本発明の本実施例の計算結果であり、活性層幅W
aを変えて計算している。
図12において白抜きマーカは左軸のΓ
QWであり、黒マーカはκの値であり、四角マーカは特許文献2の実施例1、三角マーカは特許文献2の実施例3、丸マーカは本特許の本実施例に基づく計算結果である。
図12から分かるように特許文献2の実施例1ではΓ
QWとΓ
QW/W
aは比較的高い値にあるが、κが小さくなっている。逆に特許文献2の実施例3ではκが大きいがΓ
QWとΓ
QW/W
aは低くなっている。これらに対して本特許の本実施例ではΓ
QW ,Γ
QW/W
a,及びκの全てが高い値となっている。これは次の理由による。すなわち本構成では、上部クラッド層117の上部に配置された電流注入層111には光がほとんど広がらないため、限られた領域に光が閉じこめられる。故に、Γ
QW ,Γ
QW/W
aの双方が大きくなる。さらに光が閉じこめられた上部クラッド層117内に回折格子108があるためκも大きくなる。特許文献2において、InPで埋め込まれていない回折格子層の上部には回折格子層と同じ幅のInPクラッド層が配置されている。そのため光はこのInPクラッドにも広がり、回折格子層より下の層に十分に光を閉じ込めることが出来ない。一方、本実施形態では回折格子層を含む上部クラッド層の上のInP層はあくまで電流注入のために設けられた層であり、光を閉じ込めるクラッド層としての機能は非常に小さい。これは、上部クラッド層と比較してメサ幅を狭くした効果による。本構造は、光を上部クラッド層以下の構造内に十分に閉じ込め、同じメサ幅において光閉じ込め率を向上させることができる。またこの効果には、上部クラッド層117の平均屈折率が、電流注入層111の主要な要素であるInPの屈折率より高いことも寄与している。特に上部クラッド層117に光閉じ込め層として機能するn型InGaAsP層110が含まれることで、より効果的に上部クラッド層117側に光を集めることができる。その結果、高速応答性に優れた半導体レーザが実現され得る。さらに、MQW層の脇を半導体で埋め込むことでメサ側部におけるリーク電流の低減、MQW層と外気との遮断を実現することで信頼性にも優れる。
【0037】
第1実施形態に係る優れたリーク電流遮断特性を反映して共振器長150μmで前端面0.3%以下の反射防止膜、後端面95%の高反射膜を施した光半導体素子1は、駆動電流の平方根に対する緩和振動周波数frの傾きは25℃,85℃においてそれぞれ6.6GHz/mA1/2,4.8GHz/mA1/2と優れた特性を得た。さらに85℃における推定寿命時間は3.2×105時間と高い信頼性を得ることができた。
【0038】
本実施形態では下部メサ構造の幅Waを0.9μmとしたが、ΓQWがとΓQW /Waが高い範囲であれば良く0.4~1.4μmの間が望ましい。上部クラッド層はプロセスのばらつきやΓQW,κの値向上等を考慮して0.4μm以上でかつ、Wa-0.2μm~Wa+0.05μmが望ましい。電流注入層は光を上部クラッド層に閉じ込める観点から少なくとも上部クラッド層幅よりも0.05μm以上狭い範囲でかつ0.1μm以上0.7μm未満の範囲が望ましい。
【0039】
本実施形態の上部クラッド層117は
図4のようにn型InP層107とn型InGaAsP回折格子層108で構成されるものでも同様の結果が得られる。本構成おいても、上部クラッド層117の平均屈折率は電流注入層111のInPより屈折率は高い。
図4においてはn電極115とSiO
2絶縁膜114の間に有機絶縁膜であるポリイミドが挿入されており、素子全体の容量が低減されている。また、
図5のように上部クラッド層117をn型InP層107、n型InGaAsP層118、n型InP層119、n型InGaAsP回折格子層108、n型InP層109、n型InGaAsP層110の多層構造で構成されるものでも同様の効果が得られる。
【0040】
また、上部クラッド層117の上にある電流注入層では光の導波への寄与はほとんどないので
図6のように電流注入層111を2つに分けてもよい。同様に電流注入層を3つ以上しても同様の効果が得られ得る。本構成とすることで素子抵抗を低減することが可能となる。
【0041】
本実施形態ではp型InP基板上に形成され、MQW層より上の半導体層をn型半導体で構成した半導体レーザについて述べたが、本実施形態の埋め込み構造はリーク電流が小さいためp型半導体とn型半導体を全て逆にした半導体レーザ構造でも動作する。この場合、電流注入層111が抵抗率の高いp型半導体となるが、光は導波しないため高さを低くできるため抵抗の増大は抑えることができる。
【0042】
また、InP基板にFe等がドーピングされた半絶縁性基板を用いてInPバッファ層102からp型或いはn型をドーピングした半導体レーザでも同様の効果が得られる。また、実施形態では単一の半導体レーザ素子について述べているが、光半導体素子1がInP半導体基板上に複数並んで配置されるアレイ型の光半導体装置に適用しても同様の効果が得られる。
【0043】
また、本実施形態の図面では記載していないが、埋め込み層に起因する容量等を低減するため、下部メサ構造端から0.5μm以上離れた領域にアイソレーションメサ溝を設けてもよい。
【0044】
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係る光半導体素子の断面図である。
図8は光ファイバ通信用送信光源の1.3μm帯で発振する光半導体素子の光軸に垂直な断面の模式図である。第2実施形態に係る光半導体素子は、n型InP半導体基板201上にn型InGaAlAs-SCH層203、p型InAlAs層204、InGaAlAs-MQW層205、p型InGaAlAs-SCH層206、p型InGaAlAsエッチストップ層202、p型InP層207、p型InGaAsP回折格子層208、p型InP層209、p型InGaAsP層210が順に積層されている。n型InGaAlAs-SCH層203からp型回折格子層208は通常の半導体レーザのドーピングや組成等の構成を有する。回折格子層208は
図8の紙面に垂直な方向に回折格子構造を有している。
【0045】
p型InP層207からp型InGaAsP層210で上部クラッド層217を形成しており、207より下の層は上部クラッド層を中心に左右に広がった下部構造を構成する。下部構造と上部クラッド層217によりリッジ構造が構成されている。p型InGaAsP層210上には上部クラッド層217より幅の狭いp型InP電流注入層211が設置されている。幅は上部クラッド層217より狭く多少の光の染み出しがあるが導波はしない。従って電流注入層の高さは通常0.2μm以上あれば十分である。プロセス等の課題に応じて、この値より高くてもよい。本実施形態では211の高さを0.5μmに設定している。上部クラッド層217の左右上部は屈折率の低いSiO2絶縁膜214で覆われているためレーザ構造内で導波する光を上部クラッド層217に閉じ込めることができる。電流注入層211の直上にはドーピング濃度2×1019cm-3のp型InGaAsコンタクト層213が設置されており、p型電極215とオーミック接触されている。p型電極215は通常のオーミックコンタクト用電極であれば良く、本実施形態ではTi/Pt/Auを用いている。n型InP基板の下にはAuGe系のオーミックコンタクト電極を用いて電気的に接続している。
【0046】
上部クラッド層217の幅は1.0μmである。電流注入層211の幅は上部クラッド層より狭く本実施形態では0.5μmである。光は導波しないため必ずしも上部クラッド層217の中心と電流注入層211の中心は一致しなくともよい。本実施形態では電流注入層211の幅を0.5μmとしたが、電流注入層は光を上部クラッド層に閉じ込める観点から少なくとも上部クラッド層幅よりも0.05μm以上狭い範囲でかつ0.1μm以上0.7μm未満の範囲が望ましい。
【0047】
本実施形態では、上部クラッド層は回折格子の上側にp型InGaAsP層210が積層されている。InGaAsP層210はp型InP電流注入層211より屈折率が大きく、光の閉じ込め率が高い。つまり、上部クラッド層217の平均屈折率はp型InP電流注入層211の屈折率より大きい。そのため、導波する光はp型InP電流注入層211への漏れ出しが十分に抑制され、上部クラッド層がSiO2絶縁膜214に覆われている効果も加え、上部クラッド層側に強く光を閉じ込めることが可能となる。その結果、高周波特性に優れた半導体レーザを実現できる。
【0048】
本実施形態は従来のリッジ型レーザに比較してκとΓ
QWは同等であるが、Γ
QW/W
aが1割から2割増大し、その分、緩和振動周波数frが向上し周波数帯域も増大した。尚、
図7には記載していないが上部クラッド層217の端から2μm以上離れた位置に低容量化のためのアイソレーション溝を設置してもよい。
【0049】
第2実施形態に係る光半導体素子は前端面に0.1%以下の無反射コーティングを施し、後端面には95%の高反射コーティングを施した。また、共振器長は140μmであり、後端面から40μmの位置に等価的なλ/4シフトを入れた回折格子構造となっている。第2実施形態に係る光半導体素子は25℃,85℃のしきい電流がそれぞれ、7.3mA,15.1mAとリッジ型レーザとしては低しきい電流であった。しきい電流の特性温度は82Kと良好な値であった。
【0050】
スロープ効率は25℃,85℃においてそれぞれ0.28W/A,0.21W/Aと良好であった。また、駆動電流の平方根に対する緩和振動周波数frの傾きは25℃,85℃においてそれぞれ5.2GHz/mA1/2,3.9GHz/mA1/2と優れた特性を得た。さらに85℃における推定寿命時間は1.9×105時間と高い信頼性を得ることができた。
【0051】
本実施形態の上部クラッド層217は
図8のようにp型InP層207とp型InGaAsP回折格子層208で構成されるものでも同様の結果が得られる。
【0052】
[第3実施形態]
図9、
図10及び
図11は、本発明の第3実施形態に係る光半導体装置の断面図である。上述の第1及び第2実施形態が、直接変調方式を採用している(すなわち下に存在するメサ構造よりも横幅の狭い電流注入構造を半導体レーザに採用している)のに対し、本実施形態は、上記電流注入構造を半導体吸電界吸収型変調器にも採用している。より詳細には本実施形態は、光ファイバ通信用送信光源の1.3μm帯で発振する半導体レーザと、電界吸収型変調器が集積化された光半導体装置である。
図9は光軸に平行な断面の模式図である。
図9において図面左側の多層は半導体レーザの領域であり、図面右側の多層は電界吸収型変調器、中央付近は半導体レーザと電界吸収型変調器を光学的に接続する導波路層である。半導体レーザ領域の光軸に垂直な断面図を
図10に示す。
図10において半導体レーザはn型InP基板301上にn型InGaAsP-SCH層303、InGaAsP-MQW層305、p型InGaAsP-SCH層306、p型InP層307、p型InGaAsP回折格子層308、p型InP層309、p型InGaAsP層310が順次積層されている。n型InGaAsP-SCH層303からp型InGaAsP回折格子層308は通常の半導体レーザのドーピングや組成、膜厚、回折格子構造等の構成を有している。n型InP基板301の一部とn型InGaAsP-SCH層303、InGaAsP-MQW層305、p型InGaAsP-SCH層306は幅1.0μmのメサ構造を成しており左右は高抵抗のFe或いはRuをドーピングしたInP層
312で埋め込まれている。p型InGaAsP層310はドーピング濃度1×1018cm-3で厚さ70nmである。
図9に示すように回折格子層308はp型InP層307,309の中に周期的に存在している。
図9では概略的に一様な周期構造を有するように示しているが、実際にはλ/4シフト構造等を導入することによって、単一モード発振が高い歩留りで実現されている。
【0053】
p型InP層307からp型InGaAsP層310で幅1.0μmのメサ構造の上部クラッド層317を形成しており、左右と上の一部はSiO2絶縁膜314で覆われている。p型InGaAsP層310上には上部クラッド層317より狭い幅0.5μmの電流注入層311が形成されている。電流注入層311の幅が上部クラッド層317より狭いため、多少の光が311内に染み出しているが311では共振器方向に光は導波しない。上部クラッド層317、SCH層306,303、MQW層305、下部クラッド層として機能するn型InP基板301の組み合わせで共振器方向に光は導波する。電流注入層311上にはp型InGaAsコンタクト層313が設置されp型電極315にオーミック接続されている。電流注入層311は光が導波しないのでその高さは低くて良く0.2μm以上であれば十分である。プロセス上等の課題に応じて、0.2μmより高くてもよい。また、光が導波しないので電流注入層311の中心は下のメサ構造317の中心と一致している必要はない。
【0054】
図9の右側の多層構造である電界吸収型変調器の光軸に垂直な断面図を
図11に示す。
図11においてn型InP基板301上にEA部n型InGaAsP-SCH層303’、EA部InGaAsP-MQW層305’、EA部p型InGaAsP-SCH層(下部光閉じ込め層)306’、p型InP層307、p型InGaAsP層(上部光閉じ込め層)310が順次積層されている。EA部p型InGaAsP-SCH層306’とp型InGaAsP層310は、EA部InGaAsP-MQW層305’よりも大きなバンドギャップを有する。すなわちEA部p型InGaAsP-SCH層306’とp型InGaAsP層310は、EA部InGaAsP-MQW層305’よりも小さな屈折率を有する。EA部n型InGaAsP-SCH層303’からEA部p型InGaAsP-SCH層306’は通常の電界吸収型変調器のドーピングや組成、膜厚の構成を有している。p型InP層307、p型InGaAsP層310は
図9の左側の半導体レーザ領域と同一の構成である。n型Inp基板301の一部とEA部n型InGaAsP-SCH層303’、EA部InGaAsP-MQW層305’、EA部p型InGaAsP-SCH層306’は幅1.0μmのメサ構造を成しており、左右は高抵抗のFe或いはRuをドーピングしたInP層312で埋め込まれている。このInP層312は
図9の左側の半導体レーザ領域と同一の構成である。
【0055】
半導体レーザ領域と同様にp型InP層307からp型InGaAsP層310で幅1.0μmのメサ構造の上部クラッド層317を形成しており、左右と上の一部はSiO2絶縁膜314で覆われている。p型InGaAsP層310上には上部クラッド層317より狭い幅0.5μmの電流注入層311’が形成されている。電流注入層311’の幅が上部クラッド層317より狭いため、多少の光が311’内に染み出しているが311’では共振器方向に光は導波しない。上部クラッド層317、SCH層303’,306’、MQW層305’、下部クラッド層として機能するn型InP基板301の組み合わせで導波路が形成され電界吸収型変調器内の光軸方向に光は導波する。電流注入層311’上にはp型InGaAsコンタクト層313’が設置されp型電極315’にオーミック接続されている。電流注入層311’は光が導波しないのでその高さは低くて良く0.2μm以上であれば十分である。電界吸収型変調器の領域では低容量化のためにSiO2絶縁膜314とp型電極315’の間にポリイミド膜322が挿入されている。
【0056】
図9における中央付近は半導体レーザと電界吸収型変調器を光学的に接続する導波路層(WG部)は電界吸収型変調器と類似の構造を有している。光軸に垂直な断面構造は省略する。WG部下側InGaAsP-SCH層323、WG部InGaAsPコア層324、WG部上側InGaAsP-SCH層325からなる幅1.0μmのメサ構造を有し、このメサ構造の左右はFe或いはRuがドーピングされたInP層312で埋め込まれる。上部クラッド層は電界吸収型変調器領域と同様にp型InP層307とp型InGaAsP層310で構成され幅1.0μmのメサ構造を有する。上部クラッドのメサ構造の脇はSiO2絶縁膜が設置されている。導波路層には電流を流す必要がないためコンタクト層と電極は無い。また、半導体レーザ領域と電界吸収型変調器の電気的な抵抗を上げるため、電流注入層311’の膜厚は0.1μmと低くしている。
【0057】
本実施形態では通常の埋め込み型構造の電界吸収型変調器よりもMQW305‘の光閉じ込め係数が約5%から約15%程度高くなるため、より低い変調電圧振幅で光を変調することができる。或いはより変調器長が短い構成で高い消光比を得ることができる。これは、上部クラッド層317にInGaAsP上部光閉じ込め層310が含まれており、電流注入層311’より平均屈折率が高いことと、電流注入層311‘の幅が上部クラッド層317の幅より狭いことに起因する。また、半導体レーザも光閉じ込め係数が増大するため、低しきい電流でレーザ発振が可能となる。
【0058】
第3実施形態に係る半導体レーザと電界吸収型変調器が集積化された光半導体装置は、電界吸収型変調器が設置されている側の前端面に0.1%以下の無反射コーティングを施し、半導体レーザが設置されている側の後端面には90%の高反射コーティングを施した。半導体レーザの共振器長は300μmであり、後端面から35μmの位置にλ/4シフトを入れた回折格子構造となっている。第3実施形態に係る半導体レーザ領域は25℃,85℃のしきい電流がそれぞれ、6.7mA,14.2mAの低しきい電流であった。
【0059】
電界吸収型変調器の変調器長は70μmであり、従来技術と比較して、約2割から約5割短くできるのでEA部n型InGaAsP-SCH層303‘、EA部InGaAsP-MQW層305‘、EA部p型InGaAsP-SCH層306‘で構成されるpinダイオードの容量を小さくすることができる。本実施形態では電界吸収型変調器の電極を含めた全体の容量を0.13pFまで小さくすることができた。この低い容量を反映して電界吸収型変調器が集積化された光半導体装置は64GHzの高い帯域を得ることができた。さらに半導体レーザ領域、及び変調器領域共に85℃における推定寿命時間は2.8×105時間と高い信頼性を得ることができた。
【0060】
本実施形態では半導体レーザ領域と電界吸収型変調器領域のMQW層とSCH層をInGaAsPの半導体層として使用したが、InGaAlAsの半導体層を使用しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0061】
なお、本発明では単体の半導体レーザ、及び半導体レーザと電界吸収型変調器を集積した光装置について述べたが、半導体レーザの前方にパッシブ導波路を備えた集積型半導体レーザやマッハツェンダ型変調器を集積したMZ変調器集積型半導体レーザを同様に作成できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0062】
1 半導体レーザ、2 発光領域、3 レーザ光、101 p型InP基板、102 p型InPバッファ層(下部クラッド層)、103 p型InGaAlAs-SCH層、104 p型InAlAs電子ストップ層、105 InGaAlAs-MQW層、106 n型InGaAlAs-SCH層、107 n型InP層、108 n型InGaAsP回折格子層、109 n型InP層、110 n型InGaAsP層、111 n型InP電流注入層、112 高抵抗InP埋め込み層、113 n型InGaAsPコンタクト層、114 SiO2絶縁膜、115 n型電極、116 p型電極、117 上部クラッド層、118 n型InGaAsP層、119 n型InP層、120 誘電体無反射コーティング膜、121 誘電体高反射コーティング膜、122 ポリイミド膜、201 n型InP基板、202 p型InGaAlAsエッチストップ層、203 n型InGaAlAs-SCH層、204 p型InAlAs層、205 InGaAlAs-MQW層、206 p型InGaAlAs-SCH層、207 p型InP層、208 p型InGaAsP回折格子層、209 p型InP層、210 p型InGaAsP層、211 p型InP電流注入層、213 p型InGaAsコンタクト層、215 p型電極、216 n型電極、217 上部クラッド層、301 n型InP基板、303 n型InGaAsP-SCH層、305 InGaAsP-MQW層、306 p型InGaAsP-SCH層、307 p型InP層、308 p型InGaAsP回折格子層、309 p型InP層、310 p型InGaAsP層、311 p型電流注入層、313 p型InGaAsコンタクト層、315 p型電極、303’ EA部n型InGaAsP-SCH層、305’ EA部InGaAsP-MQW層、306’ EA部p型InGaAsP-SCH層、323 WG部下側InGaAsP-SCH層、324 WG部InGaAsPコア層、325 WG部上側InGaAsP-SCH層、312 高抵抗(半絶縁性)InP層、317 上部クラッド層。