(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】二酸化炭素回収システム及びその運転方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/62 20060101AFI20231213BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20231213BHJP
B01D 53/18 20060101ALI20231213BHJP
C01B 32/50 20170101ALI20231213BHJP
B01D 53/96 20060101ALI20231213BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B01D53/62 ZAB
B01D53/78
B01D53/18 130
C01B32/50
B01D53/96
B01D53/26 100
(21)【出願番号】P 2019222352
(22)【出願日】2019-12-09
【審査請求日】2022-02-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】宇田津 満
(72)【発明者】
【氏名】半田 優介
(72)【発明者】
【氏名】北村 英夫
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-187585(JP,A)
【文献】特開2008-126154(JP,A)
【文献】特開2014-057941(JP,A)
【文献】国際公開第2020/075538(WO,A1)
【文献】特開2019-000795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34-53/73,53/74-53/85,53/92,53/96
B01D 53/14-53/18
B01D 53/26-53/28
C01B 32/00-32/991
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を含む処理対象ガスと吸収液とを接触させ、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液と、前記二酸化炭素が除去された前記処理対象ガスを含む吸収塔排出ガスとを排出する吸収塔と、
前記吸収塔から排出された前記吸収液から前記二酸化炭素を放散させ、前記二酸化炭素を放散した前記吸収液と、前記二酸化炭素を含む再生塔排出ガスとを排出する再生塔と、
前記再生塔排出ガスを冷却する冷却器と、
前記冷却器による冷却により前記再生塔排出ガスから生じる凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとを受け入れ、前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄液で洗浄する洗浄塔と、
を備え、
前記洗浄塔は、前記凝縮水を貯留する第1液溜め部と、前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄した前記洗浄液を貯留する第2液溜め部とを有し、
前記第1液溜め部及び前記第2液溜め部は堰によって仕切られている、二酸化炭素回収システム。
【請求項2】
二酸化炭素を含む処理対象ガスと吸収液とを接触させ、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液と、前記二酸化炭素が除去された前記処理対象ガスを含む吸収塔排出ガスとを排出する吸収塔と、
前記吸収塔から排出された前記吸収液から前記二酸化炭素を放散させ、前記二酸化炭素を放散した前記吸収液と、前記二酸化炭素を含む再生塔排出ガスとを排出する再生塔と、
前記再生塔排出ガスを冷却する冷却器と、
前記冷却器による冷却により前記再生塔排出ガスから生じる凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとを受け入れ、前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄液で洗浄する洗浄塔と、
を備え、
前記洗浄塔は、前記凝縮水を貯留する第1液溜め部と、前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄した前記洗浄液を貯留する第2液溜め部とを有し、
前記第2液溜め部から前記第1液溜め部への前記洗浄液の流入を許容する一方で、前記第1液溜め部から前記第2液溜め部への前記凝縮水の流入を制限するワンウェイ機構をさらに備える、二酸化炭素回収システム。
【請求項3】
前記ワンウェイ機構は、凝縮水レベル計により検出される前記第1液溜め部に貯留された前記凝縮水の液位が所定値以上になった際に、前記第1液溜め部に貯留された前記凝縮水を前記第1液溜め部の外部に排出する排出構造により構成される、請求項
2に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項4】
前記排出構造は、前記吸収塔、前記再生塔、及び前記吸収塔と前記再生塔との間で前記吸収液を通流させるプロセス流路のうちの少なくともいずれかに前記凝縮水を排出する、
請求項
3に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項5】
二酸化炭素を含む処理対象ガスと吸収液とを接触させ、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液と、前記二酸化炭素が除去された前記処理対象ガスを含む吸収塔排出ガスとを排出する吸収塔と、
前記吸収塔から排出された前記吸収液から前記二酸化炭素を放散させ、前記二酸化炭素を放散した前記吸収液と、前記二酸化炭素を含む再生塔排出ガスとを排出する再生塔と、
を備える二酸化炭素回収システムの運転方法であって、
前記再生塔排出ガスを冷却し、冷却により前記再生塔排出ガスから生じる凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとを分離する工程と、
前記凝縮水と前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄塔に受け入れ、前記凝縮水を前記洗浄塔に設けられ、堰によって仕切られた第1液溜め部及び第2液溜め部のうちの第1液溜め部に貯留する工程と、
前記冷却後再生塔排出ガスを前記洗浄塔において洗浄液で洗浄する工程と、
前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄した前記洗浄液を前記第2液溜め部に貯留する工程と、を備える、二酸化炭素回収システムの運転方法。
【請求項6】
二酸化炭素を含む処理対象ガスと吸収液とを接触させ、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液と、前記二酸化炭素が除去された前記処理対象ガスを含む吸収塔排出ガスとを排出する吸収塔と、
前記吸収塔から排出された前記吸収液から前記二酸化炭素を放散させ、前記二酸化炭素を放散した前記吸収液と、前記二酸化炭素を含む再生塔排出ガスとを排出する再生塔と、
を備える二酸化炭素回収システムの運転方法であって、
前記再生塔排出ガスを冷却し、冷却により前記再生塔排出ガスから生じる凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとを分離する工程と、
前記凝縮水を第1液溜め部に貯留する工程と、
前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄液で洗浄する工程と、
前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄した前記洗浄液を第2液溜め部に貯留する工程と、を備え、
前記第2液溜め部から前記第1液溜め部への前記洗浄液の流入を許容する一方で、前記第1液溜め部から前記第2液溜め部への前記凝縮水の流入を制限する、二酸化炭素回収システムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、二酸化炭素回収システム及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化問題に対する有効な対策として、二酸化炭素回収貯留(CCS:Carbon Dioxide Capture and Storage)技術が注目されている。例えば、火力発電所、製鉄所、ごみ焼却所、製造設備などの排ガス排出設備から発生するプロセス排ガス(処理対象ガス)中の二酸化炭素を、吸収液により回収する二酸化炭素回収システムが検討されている。
【0003】
二酸化炭素回収システムによって回収される二酸化炭素は、原材料やガスなどに加工されて商用利用されてもよい。この場合、回収される二酸化炭素の純度は一般に高い方が望ましい。
【0004】
吸収液を利用する二酸化炭素回収システムは、プロセス排ガス中の二酸化炭素を吸収液で吸収し、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放散させる。この際、吸収液からは通常、二酸化炭素、吸収液成分などを含むガスが放散されるが、この場合、吸収液成分は二酸化炭素の純度を低下させることになる。そこで、二酸化炭素回収システムにおいては、ガスを洗浄液で洗浄することで吸収液成分などを取り除く装置を備えるものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように二酸化炭素を含むガスを洗浄液で洗浄する場合には、洗浄後の洗浄液を循環させて繰り返し洗浄に用いることがある。しかしながら、この場合、洗浄液に混ざり込む吸収液成分の濃度が次第に増加し、洗浄効果が次第に低下してしまう状況が生じ得る。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、二酸化炭素を吸収した吸収液から放散される二酸化炭素を含むガスを簡易的な構造で長期にわたって効果的に洗浄できる二酸化炭素回収システム及びその運転方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施の形態にかかる二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含む処理対象ガスと吸収液とを接触させ、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液と、前記二酸化炭素が除去された前記処理対象ガスを含む吸収塔排出ガスとを排出する吸収塔と、前記吸収塔から排出された前記吸収液から前記二酸化炭素を放散させ、前記二酸化炭素を放散した前記吸収液と、前記二酸化炭素を含む再生塔排出ガスとを排出する再生塔と、前記再生塔排出ガスを冷却する冷却器と、前記冷却器による冷却により前記再生塔排出ガスから生じる凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとを受け入れ、前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄液で洗浄する洗浄塔と、を備える。そして、前記洗浄塔は、前記凝縮水を貯留する第1液溜め部と、前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄した前記洗浄液を貯留する第2液溜め部とを有している。
【0009】
また、一実施の形態にかかる二酸化炭素回収システムの運転方法は、二酸化炭素を含む処理対象ガスと吸収液とを接触させ、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液と、前記二酸化炭素が除去された前記処理対象ガスを含む吸収塔排出ガスとを排出する吸収塔と、前記吸収塔から排出された前記吸収液から前記二酸化炭素を放散させ、前記二酸化炭素を放散した前記吸収液と、前記二酸化炭素を含む再生塔排出ガスとを排出する再生塔と、を備える二酸化炭素回収システムの運転方法である。当該方法は、前記再生塔排出ガスを冷却し、冷却により前記再生塔排出ガスから生じる凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとを分離する工程と、前記凝縮水を第1液溜め部に貯留する工程と、前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄液で洗浄する工程と、前記冷却後再生塔排出ガスを洗浄した前記洗浄液を第2液溜め部に貯留する工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、二酸化炭素を吸収した吸収液から放散される二酸化炭素を含むガスを簡易的な構造で長期にわたって効果的に洗浄できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施の形態にかかる二酸化炭素回収システムの構成を示す図である。
【
図2】第2の実施の形態にかかる二酸化炭素回収システムの構成を示す図である。
【
図3】第3の実施の形態にかかる二酸化炭素回収システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して各実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる二酸化炭素回収システムS1の構成を概略的に示す図である。
【0014】
図1に示す二酸化炭素回収システムS1は、プロセス排ガスライン1と、吸収塔2と、リッチ液ポンプ3と、再生熱交換器4と、再生塔5と、リーン液ポンプ6と、リーン液冷却器7と、ガス冷却器8と、洗浄塔9と、制御部10と、を備える。
【0015】
プロセス排ガスライン1は、排ガス排出設備Pから排出される燃焼排ガスなどのプロセス排ガスを吸収塔2に導入する流路である。排ガス排出設備Pは例えば、火力発電所などの発電所や、製鉄所や清掃工場などの工場や、ごみ焼却所や製造設備などの燃焼設備である。プロセス排ガスは、二酸化炭素回収システムS1によって処理される処理対象ガスの例である。このようなプロセス排ガスには微量成分、例えば硫黄酸化物や窒素酸化物、塩素分などが含まれる場合がある。この場合、例えばプロセス排ガスライン1上に微量成分を除去する前処理設備が設けられてもよく、前処理後のプロセス排ガスが吸収塔2に導入されてもよい。
【0016】
吸収塔2は例えば向流型気液接触装置により構成され、充填層2aと、その下方に位置する液溜め部2bとを有する。吸収塔2は、プロセス排ガスを導入するためのガス導入口を、充填層2aの下方に有し、吸収液(リーン液)を導入するための吸収液導入口を、充填層2aの上方に有している。吸収液導入口から導入された吸収液は、充填層2aへと落下する一方、ガス導入口から導入されたプロセス排ガスは、充填層2aへと上昇する。
【0017】
吸収塔2は、プロセス排ガスと吸収液とを充填層2a内で気液接触させて、プロセス排ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収させる。その結果、二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液)が、充填層2aから落下して液溜め部2bに溜まり、このリッチ液は、吸収塔2の底部に設けられた吸収液排出口から外部に排出される。一方、二酸化炭素が除去されたプロセス排ガスを含む吸収塔排出ガスは、充填層2aから上昇して、吸収塔2の頂部から外部に排出(放出)される。充填層2aから上昇した吸収塔排出ガスは、例えば吸収塔2内の頂部側に設けられる洗浄部により洗浄されてもよく、その後、外部に排出されてもよい。
【0018】
なお、吸収塔2は、1つの充填層2aを備えているが、代わりに複数の充填層2aを備えていてもよいし、1つ以上のその他の反応部(例えばトレイ)を備えていてもよい。また、二酸化炭素回収システムS1においては、吸収塔2から排出された吸収塔排出ガスを冷却する冷却塔がさらに備えられてよい。
【0019】
吸収液の例は、1種類以上のアミンを含有するアミン系水溶液である。アミンの例は、モノエタノールアミン(monoethanolamin)や、ジエタノールアミン(diethanolamin)である。吸収液は、その他のアミンもしくは、目的に応じて添加剤などを含有していてもよい。
【0020】
吸収塔2の底部に設けられた吸収液排出口から排出された吸収液は、リッチ液ポンプ3により、再生熱交換器4を介して再生塔5へ移送される。この際、吸収塔2から再生塔5へ向かう吸収液は、再生熱交換器4における熱交換により加熱される。
【0021】
再生塔5は例えば向流型気液接触装置により構成され、充填層5aと、その下方に位置する液溜め部5bとを有する。再生塔5は、吸収塔2から排出された吸収液(リッチ液)を導入するための吸収液導入口を、充填層5aの上方に有している。
【0022】
再生塔5は、その吸収液導入口から導入された吸収液を加熱することにより、吸収液から大部分の二酸化炭素を蒸気とともに放散させて、吸収液から二酸化炭素を分離する。具体的には、再生塔5は不図示のリボイラを備えており、リボイラから供給された高温蒸気と吸収液との熱交換を行うことにより吸収液を加熱する。加熱によって分離せずに充填層5aを通過する吸収液は、液溜め部5bに落下する。その結果、二酸化炭素を放散した吸収液(リーン液)は液溜め部5bに溜まり、再生塔5の底部に設けられた吸収液排出口から外部に排出される。
【0023】
再生塔5の底部の吸収液排出口から排出された吸収液(リーン液)は、リーン液ポンプ6により、再生熱交換器4とリーン液冷却器7とを介して吸収塔2へ戻される。この際、再生塔5から吸収塔2へ向かう吸収液は、再生熱交換器4における熱交換と、リーン液冷却器7における冷却作用により冷却される。再生熱交換器4では、吸収塔2から再生塔5へ向かう吸収液と再生塔5から吸収塔2へ向かう吸収液との熱交換が行われる。
【0024】
なお、再生塔5は、1つの充填層5aを備えているが、代わりに複数の充填層5aを備えていてもよいし、1つ以上のその他の反応部(例えばトレイ)を備えていてもよい。また、再生塔5は、充填層5aと液溜め部5bとを備える再生塔として構成する代わりに、タンク内で吸収液を加熱して二酸化炭素を蒸気とともに放散させるフラッシュドラム(フラッシュタンク)として構成されてもよい。この場合、再生塔5は、吸収液を加熱する加熱部として、例えば電気ヒーターを備えていてもよい。
【0025】
一方、再生塔5で吸収液から放散された二酸化炭素と蒸気とを含むガス(以下、再生塔排出ガス)は、再生塔5の頂部に設けられたガス排出口から外部に排出され、配管部材を介してガス冷却器8に送られてガス冷却器8により冷却される。
【0026】
ガス冷却器8は、再生塔排出ガスを冷却して再生塔排出ガスの一部を凝縮させることで、再生塔排出ガスを、凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとに分離する。凝縮水は吸収液成分を含む一方、冷却後再生塔排出ガスは主として二酸化炭素を含む。これら凝縮水と冷却後再生塔排出ガスは洗浄塔9へと移送される。
【0027】
洗浄塔9は、ガス冷却器8から流出した凝縮水と冷却後再生塔排出ガスとを受け入れ、このうちの冷却後再生塔排出ガスを洗浄液で洗浄して、冷却後再生塔排出ガス中に含まれる吸収液成分などの不純物を除去し、洗浄された冷却後再生塔排出ガスを排出する。不純物の例は、吸収液の主成分(例えばアミン)や、吸収液の添加成分や、吸収液の劣化などにより生じた副次成分などである。洗浄液は、特に限られるものではないが、例えば水であってもよい。洗浄によって不純物を除去された冷却後再生塔排出ガスは純度の高い二酸化炭素となって、洗浄塔9から排出される。このように洗浄塔9から排出される二酸化炭素は例えば、圧縮ポンプにより超臨界状態や液体状態など目的に応じた状態に転移され、タンク、ローリー、パイプラインなどにより保管または輸送されてもよい。
【0028】
洗浄塔9は、充填層9aと、充填層9aの下方に設けられた第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cと、循環ライン9dと、洗浄液ポンプ9eと、洗浄液冷却器9fと、を有している。洗浄塔9は、凝縮水と冷却後再生塔排出ガスとを導入するための気液導入口を、充填層9aの下方に有し、洗浄液を導入するための洗浄液導入口を、充填層9aの上方に有している。詳しくは、冷却後再生塔排出ガスが流れる方向で第2液溜め部9cは第1液溜め部9bの下流側に配置され、上記気液導入口は、充填層9aの下方であって、第1液溜め部9bの上方且つ第2液溜め部9cの下流側に設けられている。
【0029】
洗浄塔9は、詳しくはガス冷却器8から受け入れた凝縮水及び冷却後再生塔排出ガスのうちの凝縮水をまず第1液溜め部9bで貯留し、冷却後再生塔排出ガスを第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cの上方を介して充填層9aに流入させる。そして、洗浄塔9は、充填層9aで冷却後再生塔排出ガスを洗浄液により洗浄し、洗浄後の洗浄液を第2液溜め部9cで貯留するようになっている。
【0030】
上述したように、気液導入口は充填層9aの下方であって、第1液溜め部9bの上方且つ第2液溜め部9cの下流側に設けられるため、気液導入口から洗浄塔9内に流入する凝縮水は第1液溜め部9bで貯留され、第2液溜め部9c側に流入することを抑制されることになる。そして、冷却後再生塔排出ガスは、凝縮水と分離し、第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cの上方を介して充填層9aに流入することになる。
【0031】
なお、本実施の形態では、第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cが堰9gによって仕切られてなる。洗浄塔9は、第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cを有する上流側ケーシング9Uと、上流側ケーシング9Uの上部における第2液溜め部9cと上下方向で対向する部分から上方に延び出す下流側ケーシング9Dとを有しており、堰9gは、上流側ケーシング9Uの底部から立ち上がっている。また、下流側ケーシング9Dには充填層9aが収容されている。
【0032】
上述したように凝縮水と分離した冷却後再生塔排出ガスは、第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cの上方を介して充填層9aに流入する。ここで、充填層9aはその上方の洗浄液導入口から洗浄液を導入し、この洗浄液を落下させて冷却後再生塔排出ガスと気液接触させることにより、冷却後再生塔排出ガス中に残存する吸収液成分を除去する。この際、冷却後再生塔排出ガスは充填層9aで洗浄液によってさらに冷却され、冷却後再生塔排出ガスからは主として吸収液成分を含む凝縮水が発生する。この凝縮水が洗浄液とともに充填層9aから落下することで、吸収液成分が除去される。ここで、充填層9aの下方には第2液溜め部9cが位置していることにより、冷却後再生塔排出ガスを洗浄した洗浄液は第2液溜め部9cに貯留される。
【0033】
特に本実施の形態では、充填層9aと第2液溜め部9cとが上下方向で重なる一方で、充填層9aと第1液溜め部9bとは上下方向で重ならない。そのため、充填層9aから落下した洗浄液が第1液溜め部9bへ落下することが抑制されている。
【0034】
そして、第2液溜め部9cに貯留された洗浄液は、第2液溜め部9cの底部に設けられた洗浄液排出口から外部に排出され、循環ライン9dを介して充填層9aの上方の洗浄液導入口から再び洗浄塔9に導入される。すなわち、洗浄液は、洗浄液導入口、充填層9a、第2液溜め部9c、循環ライン9dからなる循環経路で循環する。洗浄液ポンプ9e及び洗浄液冷却器9fは、循環ライン9d上に設けられ、洗浄液ポンプ9eは洗浄液排出口から洗浄液導入口へ送るための動力を発生させる。洗浄液冷却器9fは洗浄液導入口から流出する前の洗浄液を冷却する。一方、充填層9aで洗浄液によって吸収液成分を除去された冷却後再生塔排出ガスは、上述したように純度の高い二酸化炭素となり、洗浄塔9の頂部に設けられた排出口から排出されて回収される。
【0035】
また、本実施の形態における洗浄塔9は、第2液溜め部9cから第1液溜め部9bへの洗浄液の流入を許容する一方で、第1液溜め部9bから第2液溜め部9cへの凝縮水の流入を制限するワンウェイ機構11を備えている。このワンウェイ機構11は、凝縮水レベル計13により検出される第1液溜め部9bに貯留された凝縮水の液位が所定値以上になった際に、第1液溜め部9bに貯留された凝縮水を第1液溜め部9bの外部に排出する排出構造12により構成されている。上記所定値(液位)は、堰9gの高さよりも低く設定されている。
【0036】
排出構造12は、第1液溜め部9bの底部に設けられた排出口から延びる排出管12aと、排出管12a上に設けられた排出弁12bと、を有する。排出弁12bは、第1液溜め部9bに貯留された凝縮水の液位が所定値以上になった際に閉じ状態から開き状態に切り換わり、これにより排出管12aを通して凝縮水が排出される。排出弁12bの切り換え動作は、制御部10によって制御される。排出弁12bは開閉弁でもよいし、開度を調節可能な流量調節弁であってもよい。
【0037】
排出管12aは、第1液溜め部9bの底部に設けられた排出口と、再生塔5における充填層5aの上方に設けられた導入口とを接続しており、凝縮水は再生塔5に排出される。本実施の形態では、凝縮水が再生塔5に排出されるが、これに限られるものではない。凝縮水は、吸収塔2、再生塔5、及び吸収塔2と再生塔5との間で吸収液を通流させる第1プロセス流路14、第2プロセス流路15のうちの少なくともいずれかに排出されることが望ましいが、二酸化炭素回収システムS1外部に排出されても構わない。なお、第1プロセス流路14は吸収液を吸収塔2から再生塔5に送る流路であり、第2プロセス流路15は、吸収液を再生塔5から吸収塔2に送る流路である。
【0038】
制御部10は、排出弁12bの切り換え動作を始めとする二酸化炭素回収システムS1の種々の動作を制御する。制御部10の例は、プロセッサ、電気回路、コンピュータなどである。制御部10は例えば、リッチ液ポンプ3、リーン液ポンプ6、及び洗浄液ポンプ9eの回転数や、リーン液冷却器7及びガス冷却器8の冷却動作や、リボイラの加熱動作なども制御する。制御部10はさらに、これらの制御に必要な演算や、このような演算に必要な計測値の取り込みを行う。
【0039】
次に、本実施の形態にかかる二酸化炭素回収システムS1の動作について説明する。
【0040】
二酸化炭素回収システムS1では、吸収塔2から再生塔5に送られた二酸化炭素を含む吸収液が再生塔5で加熱され、これにより吸収液から二酸化炭素と蒸気とを含む再生塔排出ガスが放散される。再生塔排出ガスは、再生塔5の頂部に設けられたガス排出口から外部に排出され、その後、ガス冷却器8により冷却される。
【0041】
ガス冷却器8は、再生塔排出ガスを冷却して再生塔排出ガスの一部を凝縮させることで、再生塔排出ガスを、凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとに分離する。そして、これら凝縮水と冷却後再生塔排出ガスは洗浄塔9に移送される。
【0042】
洗浄塔9は、受け入れた凝縮水と冷却後再生塔排出ガスのうちの凝縮水をまず第1液溜め部9bにて貯留し、凝縮水が第2液溜め部9c側に流入することを抑制する。一方で、冷却後再生塔排出ガスは、第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cの上方を通過して充填層9a側に向かう。なお、第1液溜め部9bに貯留された凝縮水はその液位が所定値以上になると外部に排出されるため、第1液溜め部9bから第2液溜め部9cへの凝縮水の流入は確実に抑制されるようになっている。
【0043】
そして、第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cの上方を通過した冷却後再生塔排出ガスは充填層9aの下部から上部に向かって流れ、充填層9a内で洗浄液と気液接触することで冷却後再生塔排出ガス中に残存する吸収液成分などが除去される。そして、吸収液成分などが除去された冷却後再生塔排出ガスは純度の高い二酸化炭素となり、洗浄塔9の頂部に設けられた排出口から排出される。一方で、冷却後再生塔排出ガスを洗浄した洗浄液は充填層9aから落下し、第2液溜め部9cに貯留される。
【0044】
ここで、本実施の形態では再生塔排出ガスが洗浄塔9に流入する前に、ガス冷却器8で再生塔排出ガスを、凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとに分離する。そして、洗浄塔9がガス冷却器8からの凝縮水を受け入れた際に、凝縮水を第2液溜め部9cとは別の第1液溜め部9bに貯留する。これにより、第2液溜め部9c内の洗浄液に凝縮水が混入することが抑制される。そのため、第2液溜め部9cに貯留され洗浄液を循環させて、再び、冷却後再生塔排出ガスの洗浄に用いる場合にあっても、凝縮水の混入による洗浄液の汚染の進行が抑制され、汚染の無い或いは少ない洗浄液で冷却後再生塔排出ガスを好適に洗浄できる。これにより、洗浄液による好適な洗浄効果を長期にわたって維持することが可能となる。
【0045】
より詳しく説明すると、高い濃度の吸収液成分を含む、ガス冷却器8通過後の凝縮水をまず再生塔排出ガスから分離して、凝縮水と分離された、二酸化炭素を多く含み且つ吸収液成分を低減された冷却後再生塔排出ガスを凝縮水が混ざっていない又は凝縮水の混入の少ない洗浄液で洗浄することにより、洗浄液による好適な洗浄を実施できる。そして、このような洗浄液による好適な洗浄効果を長期にわたって維持することが可能となる。
【0046】
なお、洗浄液は、冷却後再生塔排出ガスを冷却し吸収液成分を凝縮させるため、第2液溜め部9cに貯留される洗浄液には凝縮水が含まれることになる。そのため、第2液溜め部9cに貯留される洗浄液の液位は凝縮水の増加に伴って上昇するが、液位が堰9gの頂部に至った際には、洗浄液が第1液溜め部9bに流入する。これにより、第2液溜め部9cに過剰に洗浄液が貯留されることが回避される。なお、第2液溜め部9cに貯留される洗浄液には凝縮水が含まれ得るものの、高い濃度の吸収液成分を含むガス冷却器8通過後の凝縮水は混入しないため、凝縮水の混入による洗浄液の汚染の進行は、ガス冷却器8、第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cを用いない構成に比較して格段に抑制される。
【0047】
また、本実施の形態では洗浄塔9に複数の液溜め部を設けるだけの簡易的な構造で洗浄効果を向上させることが可能となるため、製造コストを抑制しつつ且つ製造効率良く、二酸化炭素回収システムS1の性能を向上させることできる。
【0048】
したがって、本実施の形態によれば、二酸化炭素を吸収した吸収液から放散される二酸化炭素を含むガス(再生塔排出ガス)を簡易的な構造で長期にわたって効果的に洗浄できる。また、本実施の形態では特に洗浄塔9の底部を堰9gで隔てているだけの単純な構成で洗浄効果を向上させることが可能なため、製造コスト及び製造効率の点で極めて有利となる。
【0049】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態にかかる二酸化炭素回収システムS2について
図2を参照しつつ説明する。本実施の形態における構成部分のうちの第1の実施の形態の構成部分と同じものには、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0050】
図2に示す二酸化炭素回収システムS2は、第2液溜め部9cに貯留された洗浄液の液位を検出する洗浄液レベル計16と、洗浄液に補給水を補給する補給構造17と、を備えている。第2の実施の形態のその他の構成は、第1の実施の形態と同じである。
【0051】
補給構造17は、洗浄液レベル計16により検出される第2液溜め部9cに貯留された洗浄液の液位が所定値以下になった際に、洗浄液の循環経路に補給水を補給するようになっている。洗浄液の循環経路とは、洗浄液が、洗浄塔9上部の洗浄液導入口、充填層9a、第2液溜め部9c、循環ライン9dをこの順で循環する経路のことである。
【0052】
補給構造17は、補給水流路17aと、補給水流路17a上に設けられた補給水弁17bとを有し、補給水弁17bは、第2液溜め部9cに貯留された洗浄液の液位が所定値以下になった際に閉じ状態から開き状態に切り換わり、これにより補給水流路17aを通して補給水が洗浄液に補給される。補給水弁17bの切り換え動作は、制御部10によって制御される。補給水弁17bは開閉弁でもよいし、開度を調節可能な流量調節弁であってもよい。
【0053】
本実施の形態では補給水流路17aが洗浄塔9における充填層9aの上方に接続されるが、補給水は洗浄液に供給されればよく、第2液溜め部9cや循環ライン9dなどに補給されてもよい。
【0054】
以上に説明した第2の実施の形態では、第2液溜め部9cに貯留された洗浄液の液位が所定値以下になった際に、補給構造17から補給水が洗浄液に補給される。これにより、まず洗浄液ポンプ9eを保護することが可能となる。すなわち、洗浄塔9の上部から供給される洗浄液の温度は、例えば洗浄液冷却器9fが設けられていない又は故障した場合や、洗浄液の温度条件が任意に選択されるシステム構成や、気温・天候などの外的要因により、充填層9aの下部から上部に向かう冷却後再生塔排出ガスの温度よりも高くなる場合がある。この場合、洗浄液が充填層9aで蒸発して、二酸化炭素とともに洗浄塔9から排出され得るため、第2液溜め部9c内の洗浄液の液位が低下する場合がある。第2液溜め部9cの洗浄液の液位が低下すると洗浄液ポンプ9eでキャビテーションが生じる場合などがあり、洗浄液ポンプ9eに損傷が生じ得る。これに対し、本実施の形態では第2液溜め部9cに貯留された洗浄液の液位が所定値以下になった際に補給構造17から補給水が洗浄液に補給されるため、洗浄液ポンプ9eの正常な運転を維持でき、その結果、洗浄液ポンプ9eを保護することが可能となる。
【0055】
また、本実施の形態では補給水の補給により洗浄液中の吸収液成分の濃度を低下させることも可能となるため、洗浄効果が低下した洗浄液の洗浄効果を高めることもできる。
【0056】
また、補給構造17から洗浄液に補給水を多く補給した場合には、補給水を第2液溜め部9cから第1液溜め部9bに堰9gを介して流入させることができる。これにより、補給水を第1液溜め部9bから排出構造12を介して吸収液に供給することが可能となる。このように補給水を吸収液に供給した場合には、補給水によって吸収液中の吸収液成分の濃度を低い状態に調整し得るため、結果的に二酸化炭素に対する洗浄効果を向上できる。すなわち、吸収液中の吸収液成分の濃度が過剰に高くなった場合には、再生塔から排出される再生塔排出ガス中の吸収液成分が増加し、その後の洗浄液による洗浄において洗浄液の汚染が進行し得る。そのため、吸収液中の吸収液成分の濃度を低い状態に調整した場合には、結果的に二酸化炭素に対する洗浄効果を向上できることになる。
【0057】
また、本実施の形態では洗浄液冷却器9fが設けられているが、補給水により第2液溜め部9cの液位を一定に維持した場合には、洗浄液を冷却しなくても、洗浄液によって冷却後再生塔排出ガスを適正に冷却し得るとともに、適正な洗浄液ポンプ9eの運転を実施し得る。そのため、洗浄液冷却器9fを省略する又は小型化することなどによる低コスト化を図ることも可能となる。
【0058】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態にかかる二酸化炭素回収システムS3について
図3を参照しつつ説明する。本実施の形態における構成部分のうちの第2の実施の形態の構成部分と同じものには、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0059】
図3に示す二酸化炭素回収システムS3では、洗浄塔9の形状が第2の実施の形態の洗浄塔9の形状と異なる。また、洗浄塔9内における第1液溜め部9b及び第2液溜め部9cのレイアウトが第1及び第2の実施の形態と異なる。具体的には第2液溜め部9cが、第1液溜め部9bの上方に配置されている。また、洗浄塔9は、第2液溜め部9cとともに洗浄液回収器を構成する案内板18を、充填層9aの下方且つ第2液溜め部9cの上方に有している。第3の実施の形態のその他の構成は、第2の実施の形態と同じである。
【0060】
洗浄塔9は例えば筒状であり、第2液溜め部9cは洗浄塔9の内周面に沿って配置される例えばループ状になっている。再生塔5からガス冷却器8に流入した再生塔排出ガスは、ガス冷却器8の冷却により凝縮水と、気体のままの冷却後再生塔排出ガスとに分離され、洗浄塔9に流入する。凝縮水と冷却後再生塔排出ガスは、第1液溜め部9bの上方であって第2液溜め部9cの下方から洗浄塔9に流入し、この際、凝縮水は、まず第1液溜め部9bに流入して貯留される。
【0061】
一方、冷却後再生塔排出ガスは、第2液溜め部9cの上方を介して第2液溜め部9cの中空部分を通過する。第2液溜め部9cが第1液溜め部9bの上方に位置することで、第1液溜め部9bに貯留された凝縮水は基本的に第2液溜め部9cへ混入することはない。また、第1液溜め部9bに貯留された凝縮水の液位が所定値以上になった際には、凝縮水が排出構造12によって吸収液に供給される。
【0062】
案内板18は、第2液溜め部9cの中空部分と上下方向で重なり且つ第2液溜め部9cの上端との間に上下方向の隙間を形成するように配置され、冷却後再生塔排出ガスはこの隙間から上昇して充填層9aに向かう。充填層9aに流入した冷却後再生塔排出ガスは洗浄液によって洗浄され、その後、洗浄液は案内板18上に落下し、案内板18から第2液溜め部9cに貯留される。案内板18は第2液溜め部9cの中空部分を覆うように位置することで、洗浄液が第1液溜め部9bに貯留されることを抑制する。なお、第2液溜め部9cに貯留された洗浄液は循環ライン9dを介して再度、充填層9aの上方に循環される。
【0063】
また、第2液溜め部9cに貯留される洗浄液の液位は洗浄液レベル計16によって検出されており、第2液溜め部9cに貯留された洗浄液の液位が所定値以下になった際には、補給構造17が補給水を洗浄液に補給する。また、運転状況に応じて第2液溜め部9cに貯留された洗浄液が第2液溜め部9cから溢れた場合には、洗浄液は第1液溜め部9bに流入する。
【0064】
以上に説明した第3の実施の形態によれば、洗浄塔9の形状を簡易化できるとともに、全体サイズの小型化を図ることができる。
【0065】
以上、各実施の形態を説明したが、上記各実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述の実施の形態及びその他の変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
S1,S2,S3…二酸化炭素回収システム、1…プロセス排ガスライン、2…吸収塔、2a…充填層、2b…液溜め部、3…リッチ液ポンプ、4…再生熱交換器、5…再生塔、5a…充填層、5b…液溜め部、6…リーン液ポンプ、7…リーン液冷却器、8…ガス冷却器、9…洗浄塔、9a…充填層、9b…第1液溜め部、9c…第2液溜め部、9d…循環ライン、9e…洗浄液ポンプ、9f…洗浄液冷却器、9g…堰、9U…上流側ケーシング、9D…下流側ケーシング、10…制御部、11…ワンウェイ機構、12…排出構造、12a…排出管、12b…排出弁、13…凝縮水レベル計、14…第1プロセス流路、15…第2プロセス流路、16…洗浄液レベル計、17…補給構造、17a…補給水流路、17b…補給水弁、18…案内板、P…排ガス排出設備