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特許7402033自動バレーパーキングを行う方法、車両の作動方法、及びコンピュータ可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】自動バレーパーキングを行う方法、車両の作動方法、及びコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20231213BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231213BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231213BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20231213BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B60W30/06
G08G1/09 F
G08G1/16 A
G08G1/14 A
G08G1/00 X
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019226455
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2020108999
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0172545
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ソンウォン
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-139696(JP,A)
【文献】特開2015-96411(JP,A)
【文献】特表2017-533856(JP,A)
【文献】特開2014-34251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動バレーパーキングを行う方法であって、
車両が自動バレーパーキングを開始するステップと、
前記車両がインフラストラクチャからターゲットポジション及びガイドルートを受信するステップと、
前記車両が前記ガイドルートに沿って前記ターゲットポジションに向けて自律走行を行うステップと、
前記車両が前記車両の位置を自己測定するステップと、
前記車両又は前記インフラストラクチャが前記車両の位置測定の精度を計算するステップと、
前記車両が前記ターゲットポジションへの自律駐車を行うステップと、
前記車両が前記自動バレーパーキングを終了するステップと、を含む、
前記車両の位置測定の精度を計算するステップは、
第1APと前記車両との間、又は第1ランドマークと前記車両との間の第1距離を測定するステップと、
第2APと前記車両との間、又は第2ランドマークと前記車両との間の第2距離を測定するステップと、
前記第1距離及び第2距離に基づいて、前記第1APと前記第2APとの間、又は前記第1ランドマークと前記第2ランドマークとの間の第3距離を計算するステップと、
前記第3距離と、前記第1APと前記第2APとの間、又は前記第1ランドマークと前記第2ランドマークとの間の所定の距離である第4距離とを比較するステップと、を含む、自動バレーパーキングを行う方法。
【請求項2】
記車両の位置を自己測定するステップは、駐車場内に設置されたAPとの無線通信を利用して前記車両が自己測定するステップを含む、請求項1に記載の自動バレーパーキングを行う方法。
【請求項3】
記車両の位置を自己測定するステップは、前記車両に搭載されたカメラセンサを用いて、駐車場に設置されたランドマークを測定して、前記車両が前記車両の位置を自己測定するステップを含む、請求項1に記載の自動バレーパーキングを行う方法。
【請求項4】
自動バレーパーキングを行う方法であって、
車両が自動バレーパーキングを開始するステップと、
前記車両がインフラストラクチャからターゲットポジション及びガイドルートを受信するステップと、
前記車両が前記ガイドルートに沿って前記ターゲットポジションに向けて自律走行を行うステップと、
前記インフラストラクチャが前記車両の位置を測定するステップと、
前記車両又は前記インフラストラクチャが前記車両の位置測定の精度を計算するステップと、
前記車両が前記ターゲットポジションへの自律駐車を行うステップと、
前記車両が前記自動バレーパーキングを終了するステップと、を含み、
前記車両の位置を測定するステップは
車場内に設置されたAPが無線通信を利用して前記車両の位置を測定するステップ
前記インフラストラクチャが、前記駐車場内に設置されたカメラを用いて、前記車両の位置を測定するステップと、を含
前記車両の位置測定の精度を計算するステップは、
前記駐車場内の区域単位で設定された所定の位置測定の精度に基づいて、前記車両の位置測定の精度を計算するステップを含む、自動バレーパーキングを行う方法。
【請求項5】
自動バレーパーキングを行う方法であって、
車両が自動バレーパーキングを開始するステップと、
前記車両がインフラストラクチャからターゲットポジション及びガイドルートを受信するステップと、
前記車両が前記ガイドルートに沿って前記ターゲットポジションに向けて自律走行を行うステップと、
前記インフラストラクチャが前記車両の位置を測定するステップと、
前記車両又は前記インフラストラクチャが前記車両の位置測定の精度を計算するステップと、
前記車両が前記ターゲットポジションへの自律駐車を行うステップと、
前記車両が前記自動バレーパーキングを終了するステップと、を含み、
前記車両の位置を測定するステップは、
前記車両が前記車両の位置を自己測定するステップと、
前記インフラストラクチャが前記車両の位置を測定するステップと、を含み、
前記車両の位置測定の精度を計算するステップは、
前記車両による前記車両の位置測定の精度と前記インフラストラクチャによる前記車両の位置測定の精度とを比較するステップを含む、自動バレーパーキングを行う方法。
【請求項6】
前記車両による測定の精度が前記インフラストラクチャによる測定の精度よりも高い場合、
前記車両の自律走行及び前記車両の自律駐車は、前記車両が測定した位置に基づいて行われる、請求項に記載の自動バレーパーキングを行う方法。
【請求項7】
前記インフラストラクチャによる測定の精度が前記車両による測定の精度よりも高い場合、
前記車両の自律走行及び前記車両の自律駐車は、前記インフラストラクチャが測定した位置に基づいて行われる、請求項に記載の自動バレーパーキングを行う方法。
【請求項8】
前記車両による測定の精度が所定の臨界値よりも低く、前記インフラストラクチャによる測定の精度が所定の臨界値よりも低い場合、前記車両の緊急ブレーキ又は前記車両と前記インフラストラクチャとの通信エラー若しくは前記車両の機械的エラーの検出を行うステップをさらに含む、請求項に記載の自動バレーパーキングを行う方法。
【請求項9】
自動バレーパーキングを行うことができる車両の作動方法であって
前記車両が自動バレーパーキングを開始するステップと、
前記車両がインフラストラクチャからターゲットポジション及びガイドルートを受信するステップと、
前記車両が前記ガイドルートに沿って前記ターゲットポジションに向けて自律走行を行うステップと、
前記車両が前記車両の第1車両位置を測定するステップと、
前記車両が前記第1車両位置の精度を計算するステップと、
前記車両が前記ターゲットポジションへの自律駐車を行うステップと、
前記車両が前記自動バレーパーキングを終了するステップと、を含
前記第1車両位置の精度を計算するステップは、
第1APと前記車両との間、又は第1ランドマークと前記車両との間の第1距離を測定するステップと、
第2APと前記車両との間、又は第2ランドマークと前記車両との間の第2距離を測定するステップと、
前記第1距離及び第2距離に基づいて、前記第1APと前記第2APとの間、又は前記第1ランドマークと前記第2ランドマークとの間の第3距離を計算するステップと、
前記第3距離と、前記第1APと前記第2APとの間、又は前記第1ランドマークと前記第2ランドマークとの間の所定の距離である第4距離とを比較するステップと、を含む、車両の作動方法。
【請求項10】
前記第1車両位置を測定するステップは、駐車場内に設置されたAPとの無線通信を利用して前記第1車両位置を測定するステップを含む、請求項に記載の車両の作動方法。
【請求項11】
前記第1車両位置を測定するステップは、前記車両に搭載されたカメラセンサを用いて、駐車場に設置されたランドマークを測定することにより前記第1車両位置を測定するステップを含む、請求項に記載の車両の作動方法。
【請求項12】
自動バレーパーキングを行うことができる車両の作動方法であって、
前記車両が自動バレーパーキングを開始するステップと、
前記車両がインフラストラクチャからターゲットポジション及びガイドルートを受信するステップと、
前記車両が前記ガイドルートに沿って前記ターゲットポジションに向けて自律走行を行うステップと、
前記車両が前記車両の第1車両位置を測定するステップと、
前記車両が前記第1車両位置の精度を計算するステップと、
前記車両が前記ターゲットポジションへの自律駐車を行うステップと、
前記車両が前記自動バレーパーキングを終了するステップと、を含み、
前記作動方法は、前記車両が前記インフラストラクチャから前記車両の第2車両位置を受信するステップをさらに含み、
前記第2車両位置は、駐車場内に設置されたAP及び前記駐車場内に設置されたカメラのうちの少なくとも一つを用いて前記インフラストラクチャによって測定され、
前記作動方法は、前記第2車両位置の精度を取得するステップをさらに含み、
前記第2車両位置の精度は、前記駐車場内の区域単位で設定された所定の位置測定の精度に基づいて計算される、車両の作動方法。
【請求項13】
自動バレーパーキングを行うことができる車両の作動方法であって、
前記車両が自動バレーパーキングを開始するステップと、
前記車両がインフラストラクチャからターゲットポジション及びガイドルートを受信するステップと、
前記車両が前記ガイドルートに沿って前記ターゲットポジションに向けて自律走行を行うステップと、
前記車両が前記車両の第1車両位置を測定するステップと、
前記車両が前記第1車両位置の精度を計算するステップと、
前記車両が前記ターゲットポジションへの自律駐車を行うステップと、
前記車両が前記自動バレーパーキングを終了するステップと、を含み、
前記作動方法は、
前記インフラストラクチャから前記車両の第2車両位置を受信するステップと、
前記インフラストラクチャが前記第2車両位置の精度を取得するステップと、
前記第1車両位置の精度と前記第2車両位置の精度とを比較するステップとをさらに含む、車両の作動方法。
【請求項14】
記第1車両位置の精度が前記インフラストラクチャから受信された前記第2車両位置の精度よりも高い場合、
前記車両の自律走行及び前記車両の自律駐車は、前記第1車両位置に基づいて行われる、請求項13に記載の車両の作動方法。
【請求項15】
前記第2車両位置の精度が前記第1車両位置の精度よりも高い場合、
前記車両の自律走行及び前記車両の自律駐車は、前記第2車両位置に基づいて行われる、請求項13に記載の車両の作動方法。
【請求項16】
前記第1車両位置の精度が所定の臨界値よりも低く、前記第2車両位置の精度が所定の臨界値よりも低い場合、前記車両の緊急ブレーキ又は前記車両と前記インフラストラクチャとの通信エラー若しくは前記車両の機械的エラーの検出を行うステップをさらに含む、請求項13に記載の車両の作動方法。
【請求項17】
コンピュータで実行されるコンピュータプログラムであって、請求項乃至16のいずれか一項に記載の方法を行うためのコンピュータプログラムを格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動バレーパーキング支援システム及び方法、並びにそのためのインフラストラクチャ及び車両に関する。本発明によれば、インフラストラクチャと車両との通信を利用して、車両がドライバなしで移動し、空いている駐車スペースに自律駐車する。また、本発明によれば、インフラストラクチャと車両との通信を利用して、車両がドライバなしで駐車スペースからピックアップ領域へ移動する。また、本発明によれば、車両は、空き駐車スペースへ移動する前に、無線車両充電が可能な駐車スペースへ自ら移動して無線車両充電を行い、無線車両充電が完了した後に空き駐車スペースへ移動する。
【背景技術】
【0002】
現代社会で駐車に関連して直面している社会的なイシューは、非常に多い。まず、駐車場内では、事故が発生する可能性が非常に高い。また、大型マートやデパートなどの施設に駐車をしようとする場合には、駐車のために消費される時間とエネルギーが非常に多い。また、駐車場に進入した場合にも、空いている駐車スペースを見つけるために消費される時間とエネルギーが非常に多い。また、駐車後も、施設の業務を済ませたドライバが、駐車している車両まで移動しなければならない煩わしさがあり、場合によっては、車両が駐車している位置を忘れてしまうことがある。
【0003】
一方、車両は自分の位置を測定することができ、インフラストラクチャも車両の位置を測定することができる。しかし、車両が測定した自分の位置は誤差があることがあり、インフラストラクチャが測定した車両の位置も誤差があることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述した問題を解決するためのものであり、本発明に係る自動バレーパーキングは、車両が測定した自分の位置の誤差程度を測定し、インフラストラクチャが測定した車両の位置の誤差程度を測定して車両の自動バレーパーキングを行う上での誤差程度がさらに低い位置情報を利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、自動バレーパーキングを行う方法が提供され、その方法は、自動バレーパーキングを開始するステップと、インフラストラクチャから車両へターゲットポジション及びガイドルートを伝送するステップと、前記ガイドルートに沿って前記車両が自律走行を行うステップと、前記車両の位置を測定するステップと、前記車両の位置測定の精度を計算するステップと、前記車両が前記ターゲットポジションへの自律駐車を行うステップと、自動バレーパーキングを終了するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態に係る自動バレーパーキングシステムを示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る自動バレーパーキング装置を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る自動バレーパーキングシステム及び方法を説明するための概念図である。
図4a】本発明に係る自動バレーパーキングを行うインフラストラクチャ及び車両が行う動作を説明するためのブロック図である。
図4b】本発明に係る自動バレーパーキングを行うインフラストラクチャ及び車両が行う動作を説明するためのブロック図である。
図5】本発明に係る自動バレーパーキングを行うインフラストラクチャと車両との通信を説明するための図である。
図6】本発明に係る自動バレーパーキングを行うインフラストラクチャと車両との通信を説明するための図である。
図7】本発明に係る自動バレーパーキングを行うインフラストラクチャと車両との通信を説明するための図である。
図8】本発明に係る車両が自分の位置を測定する方式を示す図である。
図9】本発明に係るインフラストラクチャが車両の位置を測定した結果の精度を計算する方式を示す図である。
図10】本発明に係る自動バレーパーキング方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。本発明の構成及びそれによる作用効果は以下の詳細な説明から明確に理解されるだろう。本発明の詳細な説明に先立ち、同一の構成要素については、他の図面上に表示されても、できる限り同一の符号で表示し、公知の構成については、本発明の要旨を曖昧にするおそれがあると判断された場合に具体的な説明を省略することとする。
【0008】
本発明の具体的な説明に先立ち、本発明で使用される用語は、次のとおり定義できる。
【0009】
ドライバ(Driver)は、車両を利用する人間であって、自動バレーパーキングシステムのサービスを受ける人間である。
【0010】
運転権限(Driving authority)は、車両の動作を実行させるための権限である。車両の動作は、例えば、ステアリング動作、加速動作、ブレーキング動作、ギア変速動作、車両の始動をオン/オフにする動作、車両のドアをロック/ロック解除する動作を含む。
【0011】
車両は、自動バレーパーキングを行う機能を有する車両である。
【0012】
電気車両は、電気モーターによって駆動する車両であって、有線プラグ方式又は無線充電方式で充電される車両である。
【0013】
コントロールセンターは、駐車施設内にある車両のモニタリングを行う施設であって、ターゲットポジション、ガイドルート、許可運転領域を決定し、車両が運転開始命令又は緊急停止命令を伝送するようにすることができる。
【0014】
インフラストラクチャ(infrastructure)は、駐車施設であってもよく、駐車施設内に配置されたセンサであってもよい。また、インフラストラクチャは、駐車ゲート、車両を制御するコントロールセンターを指すこともある。
【0015】
ターゲットポジションは、車両が駐車する空き駐車スペースを指す。また、ターゲットポジションは、車両が駐車場から外れる状況では、ドライバが搭乗する領域、すなわちピックアップ領域を指すこともある。また、ターゲットポジションは、無線充電が可能な施設が配置された駐車スペースであってもよい。例えば、駐車スペースの床に電磁気誘導方式のコイルが埋め込み又は配置された駐車スペースであってもよい。
【0016】
ガイドルートは、車両がターゲットポジションに到達するために通過するルートを指す。例えば、駐車が実行される状況では、ドロップオフ領域から空きスペースまでのルートである。例えば、ガイドルートは、50m前進やコーナーでの左回転などの形式であってもよい。また、ガイドルートは、無線充電可能駐車スペースまでのルートであってもよい。
【0017】
運転ルート(driving route)は、車両が追従するルートを指す。
【0018】
許可運転領域(permitted driving area)は、運転が許された領域、例えば、駐車場内での運転経路を指す。許可運転領域は、隔壁、駐車した車両、駐車ラインによって定義することができる。
【0019】
図1は本発明の実施形態に係る自動バレーパーキングシステムを示す。図1を参照すると、自動バレーパーキングシステム10は、インフラストラクチャ100及び自動バレーパーキング装置200を含むことができる。
【0020】
インフラストラクチャ100は、前述したように、自動バレーパーキングシステムを運営、管理及び実行するための装置又はシステムを意味することができる。例えば、インフラストラクチャ100は駐車施設であってもよい。実施形態によっては、インフラストラクチャ100は、センサ、通信装置、警報装置、表示装置、及び前述した装置を制御するサーバを含むことができる。また、インフラストラクチャは、駐車ゲート、車両を制御するコントロールセンターを指すこともある。
【0021】
自動バレーパーキング装置200は、自動バレーパーキングを行う車両を意味することができる。実施形態によっては、自動バレーパーキング装置200は、自動バレーパーキングを行うことができる車両に含まれる構成要素又は構成要素の集合を意味することができる。
【0022】
図2は本発明の実施形態に係る自動バレーパーキング装置を示す。図2を参照すると、自動バレーパーキング装置(例えば、車両200)は、センサ部210、通信部220、判断部230及び車両制御部240を含むことができる。
【0023】
センサ部210は、自動バレーパーキング装置200の周囲の環境を検出することができる。実施形態によっては、センサ部210は、自動バレーパーキング装置200と特定の物体との間の距離を測定するか、或いは自動バレーパーキング装置200の周囲の物体を検出することができる。例えば、センサ部210は、超音波センサ、レーダーセンサ、ライダーセンサ、カメラ、赤外線センサ、熱感知センサ及びミリ波センサのうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0024】
センサ部210は、検知結果に基づいて生成されたデータを通信部220又は車両制御部240へ伝送することができる。
【0025】
通信部220は、インフラストラクチャ100とデータをやり取りすることができる。このような通信は、車両対インフラストラクチャ(V2I:Vehicle to Infra)通信と呼ばれる。また、通信部220は、他の車両とデータをやり取りすることができる。このような通信は、車両対車両(V2V:Vehicle to Vehicle)通信と呼ばれる。また、V2I通信及びV2V通信を統合してV2X(Vehicle to everything)通信と呼ばれる。実施形態によっては、通信部220は、インフラストラクチャ100から伝送されたデータ(例えば、ターゲットポジション、ガイドルート、運転ルート又は命令など)を受信し、受信したデータを処理して判断部230へ伝達することができる。また、通信部220は、車両200から生成されたデータをインフラストラクチャ100へ伝送することができる。実施形態によっては、通信部220は車両200のドライバの端末とデータをやり取りすることができる。
【0026】
通信部220は、無線通信プロトコル又は有線通信プロトコルを用いてデータを伝送又は受信することができる。例えば、前記無線通信プロトコルは、無線LAN(Wireless LAN:WLAN)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、Wibro(Wireless Broadband)、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)、GSM(Global System for Mobile communication)、CDMA(Code Division Multi Access)、CDMA2000(Code Division Multi Access 2000)、EV-DO(Enhanced Voice-Data Optimized or Enhanced Voice-Data Only)、WCDMA(Wideband CDMA)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、IEEE802.16、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution-Advanced)、ブロードバンド無線移動通信サービス(Wireless Mobile Broadband Service:WMBS)、ブルートゥース(Bluetooth)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)、UWB(Ultra-Wideband)、ジグビー(ZigBee)、近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)、超音波通信(Ultra Sound Communication:USC)、可視光通信(Visible Light Communication:VLC)、ワイファイ(Wi-Fi)、ワイファイダイレクト(Wi-Fi Direct)などを含むことができる。また、有線通信プロトコルは、有線LAN(Local Area Network)、有線WAN(Wide Area Network)、電力線通信(Power Line Communication:PLC)、USB通信、イーサネット(Ethernet)、シリアル通信(serial communication)、光/同軸ケーブルなどを含むことができ、これに制限されるものではなく、他の装置との通信環境を提供することができるプロトコルはいずれも含まれ得る。
【0027】
判断部230は、車両200の全般的な作動を制御することができる。判断部230は、センサ部210と通信部220を介して伝送されたデータに基づいて車両制御部240を制御することができる。実施形態によっては、判断部230は、インフラストラクチャ100から伝送されたデータに基づいて車両制御部240を制御するための制御信号を生成し、生成された制御信号を車両制御部240へ伝送することができる。
【0028】
すなわち、判断部230は、車両200を制御し、自動バレーパーキングを行うための一連の演算又は判断を行うことができる装置を意味することができる。例えば、判断部230は、自動バレーパーキングを行うための命令を含むプログラムが実行されるプロセッサであってもよい。
【0029】
車両制御部240は、判断部230の制御に基づいて車両200を制御することができる。実施形態によっては、車両制御部240は、判断部230から伝送された制御信号に応答して車両200を制御することができる。例えば、車両制御部240は、車両200の移動、停止、移動再開始、ステアリング、加速、減速、駐車、点滅、警報などを制御することができる。
【0030】
すなわち、車両制御部240は、本明細書で説明される車両200の作動を制御するための機能を全て行うことができるものと理解されるべきである。
【0031】
一方、別の説明がなくても、本明細書で説明される車両200の作動又は機能は、センサ部210、通信部220、判断部230及び車両制御部240のうちの少なくとも一つの組み合わせによって適切に行われるものと理解されるべきである。
【0032】
図3は本発明の実施形態に係る自動バレーパーキングシステム及び方法を説明するための概念図である。
【0033】
図3を参照すると、(1)において、ドライバは車両を運転して駐車場に進入し、ドロップオフ領域へ車両を移動させる。
【0034】
(2)において、ドロップオフ領域に到達したドライバは車両から下車し、運転権限はドライバからインフラストラクチャへ伝達される。
【0035】
(3)において、インフラストラクチャは、駐車場内に存在する複数の駐車スペースの中から空き駐車スペースを検索し、当該車両の駐車に適した空き駐車スペースを決定する。また、インフラストラクチャは、決定された空き駐車スペースまでのガイドルートを決定する。駐車スペース及びガイドルートが決定されると、車両は自律的にガイドルートに沿って走行し、当該駐車スペースの周囲に到達した後、駐車スペースへの自動バレーパーキングを行う。
【0036】
(4)において、ドライバは、自分の車両の出車を決定し、ピックアップ領域へ移動する。
【0037】
(5)において、インフラストラクチャは、適正なターゲットポジションを決定する。例えば、適正なターゲットポジションは、ピックアップ領域内に存在する複数の駐車スペースの中でも、空いている駐車スペースであってもよい。また、インフラストラクチャは、決定されたターゲットポジションまでのガイドルートを決定する。ターゲットポジション及びガイドルートが決定されると、車両は、自律的にガイドルートに沿って走行し、当該駐車スペースの周囲に到達した後、駐車スペースへの自動バレーパーキングを行う。
【0038】
(6)において、ドライバはピックアップ領域に到達し、運転権限はインフラストラクチャからドライバへ伝達される。ドライバは車両を運転して駐車場の出口へ移動する。
【0039】
図4a及び図4bは本発明に係る自動バレーパーキングを行うインフラストラクチャ及び車両が行う動作を説明するためのブロック図である。
【0040】
(1)では、自動バレーパーキングを開始するためのインフラストラクチャ及び車両の動作が説明される。インフラストラクチャは、ドライバ及び車両を認識し、適正なドライバ及び車両であるか否かを決定する。例えば、インフラストラクチャは、ドライバが入力するID及びパスワードを用いて、当該ドライバが適正なドライバであるか否かを決定する。また、インフラストラクチャは、車両の固有番号を用いて、当該車両が適正な車両であるか否かを決定する。車両は、エンジンのオン/オフを行うことができる。また、車両は、電源のオン/オフを行うことができる。例えば、車両のエンジンはオフになったが、電源がオンになった状態はACCオン(アクセサリーオン)状態であり得る。車両のエンジンのオン/オフ及び電源のオン/オフは、インフラストラクチャから命令を受信して行うことができ、或いはインフラストラクチャの命令なしに車両が自律的に行うことができる。車両はドアをロック/ロック解除することができる。車両のドアのロック及びロック解除は、インフラストラクチャから命令を受信して行うことができ、或いはインフラストラクチャの命令なしに車両が自律的に行うことができる。車両が自動パーキング段階に進行する場合には、車両のドアをロックすることが好ましい。また、車両の運転権限が車両からインフラストラクチャへ伝達される。運転権限は、車両の動作を実行させるための権限であって、車両の動作は、ステアリング動作、加速動作、ブレーキング動作、ギア変速動作、車両の始動をオン/オフにする動作、車両のドアをロック/ロック解除する動作を含む。車両の権限をインフラストラクチャへ伝達することにより、インフラストラクチャは、車両が自動バレーパーキングを行う途中で、当該車両を完全に制御することができる。これにより、車両の意図せぬ動作が発生する可能性が低くなり、駐車場内の車両事故が防止できる。しかし、場合に応じて、運転権限の一部は車両からインフラストラクチャへ伝達されずに車両に残っていることがあり、或いは、運転権限の一部は車両とインフラストラクチャが共同で保有することがある。例えば、ブレーキング動作は、自動バレーパーキングが行われている状況で非常状況が発生した場合に動作しなければならないものであって、車両が自らADASセンサなどを用いてリスクを検知した場合、インフラストラクチャの制御なしに自らブレーキングを行うことが好ましいためである。また、車両は、車両の内部に人間又は動物が存在するか否かを判断する。本発明に係る自動バレーパーキングの完了後から車両が出車されるまでに相当の時間がかかるので、車両の内部に人間又は動物が存在する場合に発生する可能性のあるリスクを除去するためである。車両の内部に人間又は動物が存在するか否かは、車両に搭載されたセンサを用いて判断することができる。
【0041】
(2)において、ターゲットポジション、ガイドルート及び運転ルートが決定できる。ターゲットポジション、ガイドルート及び運転ルートの決定は、インフラストラクチャが行うことができる。インフラストラクチャによって決定されたターゲットポジション、ガイドルート及び運転ルートは、インフラストラクチャから車両へ伝達できる。
【0042】
ターゲットポジションは、車両が移動して到達しなければならない最終の目的地である。ターゲットポジションは、車両が駐車場に入車する状況では、車両が駐車すべき駐車場内の空き駐車スペースである。ターゲットポジションは、車両が駐車場から出車する状況ではピックアップ領域内の空き駐車スペースである。又は、ターゲットポジションは、空き駐車スペースの代わりに空き駐車スペース周辺の特定のポイントであってもよい。例えば、駐車場内の特定の区域に空き駐車スペースが連続して又は隣接して複数個ある場合、ターゲットポジションは、このような複数の空き駐車スペース周辺の特定のポイントで構成できる。この場合、車両は、該当する特定のポイントへ移動した後、車両に搭載されているドライバ補助システム(ADAS)中の自律駐車機能を活性化させて所望の駐車スペースに駐車することができる。ADAS中の自律駐車機能は、例えば、PAPS(Partially Automated Parking System)であり得る。このような例示によると、駐車余裕スペースを管理する上での効率性がさらに増加することができる。すなわち、インフラストラクチャの立場では、正確なターゲットポジションを計算する代わりに、ラフ(rough)な地点のみを認識することで十分であるので、処理に必要なエネルギーを減少させることができる。
【0043】
ガイドルートは、車両が自律走行のために沿って行くべきルートである。例えば、ガイドルートは、10メートル直進、最初のコーナーでの右回転、20メートル前進後の左回転などの形式で構成できる。又は、ガイドルートは、駐車場マップ内で現在位置からターゲットポジションまでの続いた直線、曲線、又はこれらの組み合わせで構成できる。又は、ガイドルートは、駐車場マップ内での複数の通過ポジションと一つのターゲットポジションで構成できる。例えば、ガイドルートは、複数の通過ポジションとしてA1柱、B2柱、C3柱を含み、ターゲットポジションとしてD23駐車区域を含むことができる。このように、ガイドルートは、直線ないしは曲線で構成されずに通過ポジションとターゲットポジションで構成される場合、直線、曲線、又は距離(10メートルなど)についての情報が要求されないので、車両とインフラストラクチャ間の通信(V2Iなど)にかかる情報量を減少させることができる。
【0044】
(3)において、駐車場内で車両の自律走行が行われ得る。車両の自律走行は、車両の移動、停止、移動再開始を含む。車両の自律走行は、インフラストラクチャから車両へ伝送される命令に応じて車両が行うことができる。又は、車両の自律走行は、インフラストラクチャからの命令に依存せず、車両が自律的に行うことができる。車両は、許可運転領域内でガイドルートに沿ってターゲットポジションへ自律的に走行することができる。ドライバがない自律走行の場合、所定の速度未満で走行するように車両が制御できる。このような所定の速度は、インフラストラクチャから車両へ伝達された値であるか、或いは車両に格納された値であり得る。また、車両は、ガイドルートに沿って自律走行する上で与えられたガイトルートから所定の誤差を外れることなく走行するように制御できる。このような所定の誤差は、インフラストラクチャから車両へ伝達された値であるか、或いは車両に格納された値であり得る。また、車両は、ガイドルートに沿って自律走行する上でカーブを行わなければならない場合に、所定の最小回転半径に従うことができる。このような所定の最小回転半径は、インフラストラクチャから車両へ伝達された値であるか、或いは車両に格納された値であり得る。車両は、ガイドルートに沿って自律走行する上で所定の最大加速度を超えないように制御できる。このような所定の最大加速度は、インフラストラクチャから車両へ伝達された値であるか、或いは車両に格納された値であり得る。
【0045】
(4)において、位置測定が行われ得る。位置測定の対象は、駐車を行っている車両、駐車場内に存在する障害物、又は既に駐車が完了した車両であり得る。インフラストラクチャは、車両又は障害物の位置を測定し、車両の位置をデータベースに格納することができる。インフラストラクチャは、車両又は障害物を識別及び検出し、駐車を行っている複数の車両それぞれの安全性をモニタリングすることができる。また、インフラストラクチャは、ターゲットポジションに到達して駐車を行っている車両の動作をモニタリングし、命令を伝達することができる。車両は自分の位置を測定することができる。車両は、測定された自分の位置をインフラストラクチャへ伝達することができる。車両が測定する自分の位置の誤差は、所定の誤差範囲内にあり、所定の誤差は、インフラストラクチャによって決定された値であり得る。車両は、周辺を検知して、存在する障害物の位置を測定することができ、測定された障害物の位置をインフラストラクチャに伝送することができる。車両とインフラストラクチャとの通信に使用される周波数は、所定の周波数であり得る。
【0046】
本発明によれば、車両の位置は、車両が自ら測定することができる。車両によって測定された車両の位置は、第1車両位置と称することができる。車両は、駐車場内に設置されたAP(Access Point)などのインフラストラクチャセンサと通信して自分の位置を測定することができる。例えば、車両は、APとの無線通信を行い、無線通信信号が伝送され受信されるまでの時間を用いて当該APと車両との間の距離を測定することができる。このような測定を3つのAPに対して行う場合、三角測量を用いて駐車場内でAPに対する相対的な自分の位置を測定することができる。駐車場内のAPはインフラストラクチャの一部であるため、その位置は予め知られる可能性があるので、車両の絶対的な位置(すなわち、第1車両位置)が決定できる。場合によっては、2つのAPとの通信によって、車両は自分の位置を測定することもできる。例えば、駐車場の外壁によって限られた領域がある場合、2つのAPとの通信によって2つの候補位置が決定される場合にも、一つの位置は限られた領域であって実際の位置ではないためである。
【0047】
また、本発明によれば、車両位置の精度(すなわち、車両の位置測定の精度)が計算できる。第1車両位置の精度は、車両が自ら測定した第1車両位置が実際の車両位置に整合される程度である。具体的には、車両は、第1APとの無線通信を利用して第1APまでの距離(第1距離)を測定することができる。また、車両は第2APとの無線通信を利用して第2APまでの距離(第2距離)を測定することができる。また、第1距離及び第2距離に基づいてピタゴラスの定理によって第1APと第2APとの間の距離を計算することができる(第3距離)。第1AP及び第2APはインフラストラクチャの一部であるため、それらの間の距離は予め知られる可能性があるので(第4距離)、測定した距離(第3距離)と実際の距離(第4距離)とを比較して第1車両位置の精度が計算できる。例えば、第1車両位置の精度は(第3距離)/(第4距離)で計算され、1に近いほど高い精度を意味することができる。
【0048】
また、車両の位置は、車両が自ら測定することができ、このとき、車両は、駐車場内に設置された特定のイメージを利用することができる。具体的には、車両は、搭載されたカメラセンサを用いて特定のイメージを撮影することができ、イメージの実際の面積及び撮影したイメージの面積に基づいて、該当イメージまでの距離を測定することができる。このようなイメージ測定を3つのイメージに対して行う場合、三角測量を用いて駐車場内でイメージに対する相対的な自分の位置を測定することができる。駐車場内のイメージは、インフラストラクチャの一部であるため、その位置は予め知られる可能性があり、車両の絶対的な位置が決定できる。場合によっては、2つのイメージを撮影することにより、車両は自分の位置を測定することもできる。例えば、駐車場の外壁によって限られた領域がある場合、2つのイメージを撮影した結果、2つの候補位置が決定される場合にも、一つの位置は限られた領域であって、実際の位置ではないためである。
【0049】
また、本発明によれば、第1車両位置の精度が計算できる。第1車両位置の精度は、車両が自ら測定した第1車両位置が実際の車両位置に整合される程度である。具体的に、車両は、第1イメージを撮影して第1イメージまでの距離(第1距離)を測定することができる。また、車両は、第2イメージを撮影して第2イメージまでの距離(第2距離)を測定することができる。また、第1距離及び第2距離に基づいてピタゴラスの定理によって第1イメージと第2イメージとの間の距離を計算することができる(第3距離)。第1イメージ及び第2イメージはインフラストラクチャの一部であるため、それらの間の距離は予め知られることが可能なので(第4距離)、測定した距離(第3距離)と実際の距離(第4距離)とを比較して、第1車両位置の精度が計算できる。例えば、第1車両位置の精度は(第3距離)/(第4の距離)で計算され、1に近いほど高い精度を意味することができる。このようなイメージは、例えば、駐車場の駐車区域の近くの地面に描かれているランドマークであり得る。
【0050】
このように車両によって測定した精度が、後述するインフラストラクチャによって測定した精度よりも高い場合、車両による測定結果を自動バレーパーキング、すなわち、駐車場内の自律走行及びターゲット位置への自律駐車を行うために利用できる。もし車両によって測定した精度が一定のレベルよりも低い場合(すなわち、所定の臨界値よりも低い場合)には、当該車両の緊急ブレーキを行うことにより、事故を予め防止することができ、エラー制御を行うこともできる。
【0051】
また、本発明によれば、車両の位置はインフラストラクチャが測定することができる。インフラストラクチャによって測定された車両の位置は、第2車両位置と称することができる。具体的には、インフラストラクチャは、駐車場内に設置されたAPを利用して車両と通信することにより、第2車両位置を測定することができる。具体的には、3つのAPのそれぞれが車両との無線通信を利用して第2車両位置を測定することができる。場合によって、駐車場の外壁が存在する領域では、2つのAPのみで第2車両位置を測定することもできる。また、インフラストラクチャは、駐車場内に設置されたカメラセンサを用いて第2車両位置を測定することができる。例えば、インフラストラクチャの一部であるカメラが、車両を含む駐車場の一部空間を撮影し、撮影したイメージ内で車両の位置を決定することができる。
【0052】
また、本発明によれば、インフラストラクチャによって測定された第2車両位置の精度が計算できる。インフラストラクチャによって測定された第2車両位置の精度は、インフラストラクチャが測定した車両の位置が実際の車両の位置に整合される程度である。具体的には、駐車場内にインフラストラクチャを設置する初期に精度が決定できる。例えば、駐車場内の柱や外壁などの障害物により、APを活用したインフラストラクチャによって測定された車両位置の精度が低下するおそれがあり、このような障害物はリアルタイムで変化する程度が少ない。したがって、駐車場にインフラストラクチャ(例えば、AP又はカメラ)を設置する初期に駐車場の区域単位で位置の精度を予め計算し、これを追って活用することが演算の複雑度を減らすことができるとともに、許容範囲(tolerance)の誤差のみを発生させる。
【0053】
このようにインフラストラクチャによって測定した精度が、前述したような車両位置測定の精度よりも高い場合、インフラストラクチャによる測定結果を用いて自動バレーパーキング(すなわち、駐車場内の自律走行及びターゲット位置への自律駐車)を行うために利用可能である。もしインフラストラクチャにより測定した精度が一定のレベルよりも低い場合(すなわち、所定の臨界値よりも低い場合)には、当該車両の緊急ブレーキを行うことにより、事故を予め防止することができ、エラー制御を行うこともできる。
【0054】
(5)において、自律駐車が行われ得る。自律駐車は、ターゲットポジションの周辺に到達した車両が空き駐車スペースに自律的に駐車することを指す。車両は、自分に搭載された距離センサを用いて、障害物又は周辺に駐車している車両を検知することを用いて自律駐車を行うことができる。車両に搭載された距離センサは、例えば、超音波センサ、レーダーセンサ、ライダーセンサ、カメラを含むことができる。
【0055】
(6)において、車両の緊急ブレーキが行われ得る。車両の緊急ブレーキは、インフラストラクチャから伝達される命令に基づいて行うことができ、或いは車両が障害物を検出した場合に自ら行うことができる。インフラストラクチャは、車両の周辺が不安全であると決定する場合、車両に緊急ブレーキを命令することができる。車両が緊急ブレーキを行った後、インフラストラクチャが車両の周辺が安全であると決定する場合、車両に自律走行又は自律駐車の再開始を命令することができる。車両は、障害物を検出した場合、緊急ブレーキを行うことができる。また、車両は、緊急ブレーキの実行をインフラストラクチャに報告することができ、緊急ブレーキの原因となる障害物の種類又は位置をインフラストラクチャに報告することができる。車両が緊急ブレーキを行う場合の減速の大きさは、所定の減速値に従うことができ、所定の減速値は、インフラストラクチャによって決定された値であるか、或いは車両に格納された値であり得る。所定の減速値は、障害物の種類、障害物の位置、当該車両と障害物との距離に応じて決定できる。車両は、インフラストラクチャから自律走行又は自律駐車の再開始命令を受信する場合、自律走行又は自律駐車を再開始することができる。又は、車両は、周辺の障害物が除去されたことを決定する場合、自律走行又は自律駐車を再開始することができる。車両は、自律走行又は自律駐車を再開始すること、周辺の障害物の除去をインフラストラクチャに報告することができる。
【0056】
また、本発明によれば、車両によって測定される車両位置の精度が一定レベルよりも低く、インフラストラクチャによって測定される車両位置の精度が一定レベルよりも低い場合には、緊急ブレーキが行われ得る。車両の自律走行と自律駐車はリアルタイムで測定される車両の位置に基づき、駐車場内で車両と車両との間隔は1m以内であることもあるので、位置測定の誤差が大きい場合には車両の衝突などの事故が発生するおそれがあるためである。
【0057】
(7)において、自動バレーパーキングが終了する。車両が自律走行及び自律駐車を完成させた後、インフラストラクチャは、車両に制御リリース(release)命令を伝達する。車両は、インフラストラクチャの命令を受信して、又はインフラストラクチャの命令に依存せずに、エンジンのオン/オフ又は電源のオン/オフを行うことができる。また、車両は、インフラストラクチャの命令を受信して、又はインフラストラクチャの命令に依存せずに車両のドアをロックすることができる。また、車両は、インフラストラクチャの命令を受信して、又はインフラストラクチャの命令に依存せずに、車両のパーキングブレーキを実行することができる。
【0058】
(8)において、エラー制御が行われ得る。エラー制御は、車両とインフラストラクチャとの通信エラー又は車両の機械的エラーを含む。インフラストラクチャは、車両との通信をモニタリングして、通信エラーが発生するか否かを検出することができる。車両は、インフラストラクチャとの通信をモニタリングして、通信エラーが発生するか否かを検出することができる。車両は、自分に搭載されたセンサを含むアクセサリーの動作状態をモニタリングして、機械的エラーが発生するか否かを検出することができる。車両は、車両の内部に人間又は動物が存在するか否かを検知して、車両の内部に人間又は動物が存在することを決定する場合、緊急ブレーキを行うことができる。車両は、緊急ブレーキを行った後、インフラストラクチャからの命令を受信して自律駐車又は自律走行を再開始することができる。又は、車両は、緊急ブレーキを行った原因が除去されたかを決定し、除去された場合には自律駐車又は自律走行を再開始することができる。
【0059】
また、本発明によれば、車両によって測定される車両位置の精度が一定レベルよりも低く、インフラストラクチャによって測定される車両位置の精度が一定レベルよりも低い場合には、エラー制御が行われ得る。車両の自律走行と自律駐車はリアルタイムで測定される車両の位置に基づき、駐車場内で車両と車両との間隔は1m以内であることもあるので、位置測定の誤差が大きい場合には車両の衝突などの事故が発生するおそれがあるためである。
【0060】
図5は本発明に係る自動バレーパーキングを行うインフラストラクチャと車両との通信を説明するための図である。
【0061】
(1)において、車両からインフラストラクチャに車両資格情報(vehicle qualification information)が伝達できる。車両資格情報には、それぞれの車両を他の車両と区別することができる識別子が含まれる。例えば、車両資格情報は車両の固有ナンバーであってもよい。車両資格情報は、車両が駐車場に進入して自動バレーパーキングが開始するステップ(図4aの(1)参照)で伝達できる。
【0062】
(2)において、インフラストラクチャから車両に自動バレーパーキング準備命令が伝達できる。自動バレーパーキング準備命令は、自律走行が開始する前に伝達できる。
【0063】
(3)において、車両からインフラストラクチャへ車両情報が伝達できる。車両情報は、車両の状態情報、車両の位置情報を含むことができる。車両の状態情報は、車両が走行中であるか、車両が停止した状態であるか、車両が緊急停止した状態であるかを含むことができる。車両情報は、周期的に伝達でき、特定の周波数(例えば、1秒に1回、すなわち1Hz)で伝達できる。よって、車両情報は、車両とインフラストラクチャとの通信エラーが発生したか否かを決定するパラメータとして利用できる。例えば、通信周波数に応じて予定された時点で車両情報がインフラストラクチャに到達しない場合、インフラストラクチャは、車両とインフラストラクチャとの通信にエラーが発生したことを決定することができる。
【0064】
(4)において、インフラストラクチャから車両へ車両情報応答が伝達できる。車両情報応答は、(3)での車両情報に対する応答であって、車両情報と同じ周波数で伝達できる。したがって、車両情報応答は、車両とインフラストラクチャとの通信エラーが発生したか否かを決定するパラメータとして利用可能である。例えば、通信周波数に応じて予定された時点で車両情報応答が車両に到達していない場合に、車両は、車両とインフラストラクチャとの通信にエラーが発生したことを決定することができる。
【0065】
(5)において、インフラストラクチャから車両へターゲットポジション及びガイドルートが伝達できる。ターゲットポジション及びガイドルートの伝達は、自動バレーパーキング開始命令がインフラストラクチャから車両へ伝達される前に或いは伝達された後に行われ得る。
【0066】
(6)において、インフラストラクチャから車両へ運転バウンダリーが伝達できる。運転バウンダリーは、許可運転領域との境界を標識するランドマーク(例えば、駐車ライン、中央ライン、道路バウンダリーライン)を含むことができる。運転バウンダリーの伝達は、自動バレーパーキング準備命令が伝達された後に行われ得る。このような運転バウンダリーは、駐車場マップ(map)の形でインフラストラクチャから車両へ伝達できる。
【0067】
(7)において、インフラストラクチャから車両へ自動バレーパーキング開始命令が伝達できる。自動バレーパーキング開始命令の伝達は、ガイドルート及び運転バウンダリーが伝達された後に行われ得る。また、車両の緊急ブレーキが行われた後、車両周辺の安全が確認された後に伝達できる。
【0068】
(8)において、インフラストラクチャから車両へ緊急ブレーキ命令が伝達できる。
【0069】
(9)において、インフラストラクチャから車両へ車両制御リリース命令が伝達できる。車両制御リリース命令の伝達は、車両の駐車スペースへの自律駐車が完了した後に行われ得る。
【0070】
図6は本発明に係る自動バレーパーキングを行うインフラストラクチャ100と車両200との通信を説明するための図である。
【0071】
(1)において、車両200は、駐車場の通路へ進入して停止位置に停止する。このような停止位置は、駐車場の入り口ゲートであってもよい。車両200は、インフラストラクチャ100に、停止位置に到着したことを報告する。(2)において、インフラストラクチャ100は、当該車両200の大きさ及び車両200のナンバーを認証する。(3)において、インフラストラクチャ100は車両200に認証ID要求を伝送し、(4)において、車両200はインフラストラクチャ100に認証IDを伝送する。(5)において、インフラストラクチャ100は、受信した認証IDに基づいて、駐車場進入を承認するか否かを判断する。(6)において、インフラストラクチャ100は、受信した認証IDに基づいて、当該車両200の駐車場進入が承認されるか否かを知らせる。例えば、インフラストラクチャ100は、停止位置の周辺に配置されたモニターを介して承認又は不承認を表示することができる。車両200のドライバは、駐車場進入が承認された場合に、ドロップオフ領域へ車両200を移動させる。(7)において、ドライバは、車両200の始動をオフにして車両200から下車し、車両200のドアをロックした後、ドロップオフ領域から外れる。(8)において、車両200の権限は、車両200(又はドライバ)からインフラストラクチャ100へ伝達される。また、(9)において、インフラストラクチャ100は、ドライバから車両200の権限を伝達されたことを通知する。このような通知は、移動通信ネットワークを介してドライバのスマート機器へ伝送できる。
【0072】
図7は本発明に係る自動バレーパーキングを行うインフラストラクチャ100と車両200との通信を説明するための図である。
【0073】
(1)において、インフラストラクチャ100は、車両200の始動のオン(on)を指示する要求を車両200へ伝送することができる。(2)において、車両200は、インフラストラクチャ100からの要求に応答して、車両200の始動をオンにすることができる。(3)において、車両200は、始動をオンにした後に、前記始動のオンの応答をインフラストラクチャ100へ伝送することができる。(4)において、インフラストラクチャ100は、自動バレーパーキングの準備を指示する要求を車両200へ伝送することができる。(5)において、車両200は、前記自動バレーパーキング準備の要求に応答して、前記自動バレーパーキングが準備されたか(OK)又は準備されていないか(NG)を指示する応答をインフラストラクチャ100へ伝送することができる。(6)において、インフラストラクチャ100は、同期化要求を車両200へ伝送することができる。前記同期化要求は、インフラストラクチャ100の時間と車両200の時間との同期化を指示する要求であり得る。例えば、前記同期化要求は、インフラストラクチャ100の時間に関する情報を含むことができる。(7)において、車両200は、前記同期化要求に応答して同期化を行い、(8)において、前記同期化が完了したことを指示する応答をインフラストラクチャ100へ伝送することができる。例えば、インフラストラクチャ100と車両200との同期化が完了する前まで、複数の同期化要求がインフラストラクチャ100から車両200へ伝送できる。(9)において、インフラストラクチャ100は、駐車場マップ情報を車両200へ伝送することができる。このような駐車場マップ情報はランドマーク情報を含むことができる。(10)において、車両200は、伝送されたランドマーク情報に基づいて車両200の位置を推定(又は計算)することができ、車両200は、推定された車両200の位置をインフラストラクチャ100へ伝送することができる。(11)において、インフラストラクチャ100は、ターゲットポジション(駐車位置)を決定することができる。(12)において、インフラストラクチャ100は、許可運転領域についての情報を車両200へ伝送することができる。例えば、インフラストラクチャ100は、許可運転領域の境界を車両200へ伝送することができる。(13)において、インフラストラクチャ100は、ガイドルートを車両200へ伝送することができる。(14)において、インフラストラクチャ100は、自動バレーパーキングの開始を指示する命令を車両200へ伝送することができる。
【0074】
図8は本発明に係る車両が自分の位置を測定する方式を示す図である。
【0075】
図8を参照すると、駐車場内で自律走行中の車両1及び車両2が図示される。
【0076】
車両1は、3つのAPとの無線通信を行う。無線通信結果、それぞれのAPとの距離が計算できる。第1APとの距離はD1、第2APとの距離はD2、第3APとの距離はD3とする。車両は、このように測定された3つの距離(D1、D2、D3)を用いて、3つのAP(第1AP、第2AP、第3AP)に対する自分の相対的な位置を測定することができる。すなわち、3つの距離を用いた三角測量で自分の相対的な位置を測定することができる。また、3つのAPはインフラストラクチャを構成するコンポーネントに該当し、その設置位置は知られているので、車両は駐車場内で自分の絶対的な位置を測定することができる。場合によっては、2つのAPとの通信によって、車両は自分の位置を測定することもできる。例えば、駐車場の外壁によって限られた領域がある場合、2つのAPとの通信によって2つの候補位置が決定される場合にも、一つの位置は限られた領域であって実際の位置ではないためである。また、本発明によれば、車両位置の精度が計算できる。車両位置の精度は、車両が自ら測定した位置が実際の位置に整合される程度である。具体的には、車両は、第1APとの無線通信を利用して第1APまでの距離(第1距離)を測定することができる。また、車両は、第2APとの無線通信を利用して第2APまでの距離(第2距離)を測定することができる。また、第1距離及び第2距離に基づいてピタゴラスの定理によって第1APと第2APとの間の距離を計算することができる(第3距離)。第1AP及び第2APはインフラストラクチャの一部であるため、それらの間の距離は予め知られる可能性があるので(第4距離)、測定した距離(第3距離)と実際の距離(第4距離)とを比較して車両によって測定された位置の精度が計算できる。例えば、車両位置の精度は(第3距離)/(第4距離)で計算され、1に近いほど高い精度を意味することができる。
【0077】
車両2は、自分に搭載されたカメラセンサを用いて周辺のランドマーク(イメージ)を撮影することができる。撮影結果、それぞれのランドマークとの距離が計算できる。第1ランドマークとの距離はD1、第2ランドマークとの距離はD2、第3ランドマークとの距離はD3とする。車両は、このように測定された3つの距離(D1、D2、D3)を用いて、3つのランドマークに対する自分の相対的な位置を測定することができる。すなわち、3つの距離を用いた三角測量で自分の相対的な位置を測定することができる。また、3つのランドマークはインフラストラクチャを構成するコンポーネントに該当し、その設置位置は知られているので、車両は駐車場内で自分の絶対的な位置を測定することができる。場合によっては、2つのランドマークを撮影することにより、車両は自分の位置を測定することもできる。例えば、駐車場の外壁によって限られた領域がある場合、2つのランドマークを撮影した結果、2つの候補位置が決定される場合にも、一つの位置は限られた領域であって実際の位置ではないためである。また、本発明によれば、車両によって測定された位置の精度が計算できる。車両位置の精度は、車両が自ら測定した位置が実際の位置に整合される程度である。具体的には、車両は、第1ランドマークを撮影して第1ランドマークまでの距離(第1距離)を測定することができる。また、車両は、第2ランドマークを撮影して第2ランドマークまでの距離(第2距離)を測定することができる。また、第1距離及び第2距離に基づいてピタゴラスの定理によって第1ランドマークと第2ランドマークとの間の距離を計算することができる(第3距離)。第1ランドマーク及び第2ランドマークはインフラストラクチャの一部であるため、それらの間の距離は予め知られる可能性があるので(第4距離)、測定した距離(第3距離)と実際の距離(第4距離)とを比較して第1車両位置の精度が計算できる。例えば、車両位置の精度は(第3距離)/(第4距離)で計算され、1に近いほど高い精度を意味することができる。
【0078】
図9は本発明に係るインフラストラクチャが車両の位置を測定した結果の精度を計算する方式を示す図である。
【0079】
まず、インフラストラクチャは、3つのAPを利用して車両と通信することにより、第2車両位置を測定することができ、これは、車両が自分の位置を測定する方式と似ている。また、インフラストラクチャは、駐車場内に設置されたカメラセンサを用いて車両の位置を測定することができる。例えば、インフラストラクチャの一部であるカメラが車両を含む駐車場の一部空間を撮影し、撮影したイメージ内で車両の位置を決定することができる。
【0080】
このようにインフラストラクチャが測定した車両位置の精度が計算できる。インフラストラクチャによって測定された位置の精度は、インフラストラクチャが測定した車両の位置が、実際の車両の位置に整合される程度である。具体的には、駐車場内にインフラストラクチャを設置する初期に精度が決定できる。例えば、駐車場内の柱や外壁などの障害物により、APを活用したインフラストラクチャによって測定された車両位置の精度が低下するおそれがあり、このような障害物はリアルタイムで変化する程度が少ない。したがって、駐車場にインフラストラクチャ(例えば、AP又はカメラ)を設置する初期に駐車場の区域単位で位置の精度を予め計算し、これを追って活用することが演算の複雑度を減らすことができるとともに、許容範囲(tolerance)の誤差のみを発生させる。例えば、車両がA区域にある場合、インフラストラクチャによる測定の精度は0.8と計算でき、車両がB区域にある場合、インフラストラクチャによる測定の精度は0.7と計算できる。
【0081】
図8及び図9を参照して、車両による測定の精度及びインフラストラクチャによる測定の精度を説明した。本発明によれば、車両による測定の精度とインフラストラクチャによる測定の精度とを比較して、さらに高い精度を有する車両位置を自動バレーパーキングに利用することができる。例えば、車両による測定の精度が0.9であり、インフラストラクチャによる測定の精度が0.7である場合、車両が測定した自分の位置がさらに信頼度の高い情報なので、これを活用して自動バレーパーキング(すなわち、自律走行及び自律駐車)を行うことがさらに好ましいためである。
【0082】
もし車両による測定の精度及びインフラストラクチャによる測定の精度の両方が一定レベルよりも低い場合には、車両の緊急ブレーキを行うことができ、エラー制御を行うこともできる。
【0083】
図10は本発明に係る自動バレーパーキング方法を説明するためのフローチャートである。
【0084】
自動バレーパーキングを開始するステップ(S1010)が行われる。自動バレーパーキングの開始は、車両がドロップオフ領域に駐車をし、ドライバが車両から下車した後に行われ得る。具体的には、インフラストラクチャは、ドライバ及び車両を認識し、適正なドライバ及び車両であるか否かを決定する。また、車両は、エンジンのオン/オフを行うことができる。また、車両は、電源のオン/オフを行うことができる。また、車両は、ドアをロック/ロック解除することができる。また、車両の制御権限は、車両からインフラストラクチャに伝達できる。また、車両の内部に人間又は動物が存在するか否かが判断できる。
【0085】
また、インフラストラクチャから車両へターゲットポジション及びガイドルートが伝送されるステップ(S1020)が行われる。ターゲットポジション、ガイドルートの決定はインフラストラクチャが行うことができ、インフラストラクチャによって決定されたターゲットポジション及びガイドルートは車両に伝送される。ターゲットポジションは、車両が移動して到達しなければならない最終の目的地であって、入車時には空き駐車スペースであり、出車時にはピックアップ領域であり得る。ガイドルートは、ターゲットポジションまで到達するために車両が走行しなければならない経路である。
【0086】
また、ガイドルートに沿って車両が自律走行を行うステップ(S1030)が行われる。車両の自律走行は、車両の移動、停止、移動再開始を含む。車両の自律走行は、インフラストラクチャから車両へ伝送される命令に基づいて車両が行うことができる。又は、インフラストラクチャからの命令に依存せずに車両が自律的に行うこともできる。
【0087】
また、車両の位置を測定するステップ(S1040)が行われる。位置測定の対象は、自動バレーパーキングを行っている車両、駐車場内に存在する障害物、又は既に駐車が完了した車両であり得る。
【0088】
本発明によれば、車両の位置測定は、車両によって行われるか、或いはインフラストラクチャによって行われ得る。
【0089】
車両によって車両の位置測定が行われる場合、車両は、駐車場内に設置されたAPとの無線通信を利用することができる。また、車両は、搭載されたカメラセンサを用いて、駐車場に設置されたランドマークを測定することができる。
【0090】
インフラストラクチャによって車両の位置測定が行われる場合、インフラストラクチャは、駐車場内に設置されたAPを介して無線通信で車両の位置を測定することができる。又は、インフラストラクチャは、駐車場内に設置されたカメラを用いて車両の位置を測定することもできる。
【0091】
また、車両位置の精度を計算するステップ(S1050)が行われる。
【0092】
本発明によれば、車両が測定した位置の精度は、第1APと車両との間の第1距離を測定し、第2APと車両との間の第2距離を測定し、第1距離及び第2距離に基づいて第1APと第2APとの間の距離(第3距離)が計算される。第1APと第2APとの間の実際の距離は予め知られているので(第4距離)、第3距離と第4距離とを比較することにより、車両位置の精度が計算できる。
【0093】
また、本発明によれば、車両が測定した位置の精度は、第1ランドマークと車両との間の第1距離を測定し、第2ランドマークと車両との間の第2距離を測定し、第1距離及び第2距離に基づいて第1ランドマークと第2ランドマークとの間の距離(第3距離)が計算される。第1ランドマークと第2ランドマークとの間の実際の距離は予め知られているので(第4距離)、第3距離と第4距離とを比較することにより、車両位置の精度が計算できる。
【0094】
また、本発明によれば、インフラストラクチャによる車両位置の精度は、駐車場内の区域単位で予め設定された位置測定の精度に基づいて計算できる。
【0095】
また、車両による測定の精度とインフラストラクチャによる測定の精度とを比較して、さらに高い精度を有する位置情報に基づいて自動バレーパーキングが行われ得る。一方、車両による測定の精度及びインフラストラクチャによる測定の精度の両方が一定基準よりも低い場合、緊急ブレーキが行われるか或いはエラー制御が行われ得る。
【0096】
また、車両がターゲットポジションへの自律駐車を行うステップ(S1060)が行われる。自律駐車は、ターゲットポジションの周辺に到達した車両が空き駐車スペースに自律的に駐車することにより行われ得る。この場合、車両は、自分に搭載された距離センサを用いて障害物、又は周辺に駐車された車両を検知することができる。
【0097】
また、自動バレーパーキングを終了するステップ(S1070)が行われる。
【0098】
一つ以上の例示的な実施形態において、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実現できる。ソフトウェアで実現される場合、これらの機能は、コンピュータ可読媒体上に一つ以上の命令又はコードとして格納又は伝送できる。コンピュータ可読媒体は、一つの場所から他の場所へのコンピュータプログラムの伝達を容易にする任意の媒体を含む通信媒体及びコンピュータ記憶媒体をすべて含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能媒体であり得る。限定ではない例示として、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM又は他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶デバイス、又は命令やデータ構造の形で所望のプログラムコードを伝達又は格納するために使用でき、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続がコンピュータ可読媒体として適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペアケーブル、デジタル加入者回線(DSL)、又は赤外線、ラジオ及び超高周波などの無線技術を利用してウェブサイト、サーバ又は他のリモートソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペアケーブル、DSL、又は赤外線、ラジオ及び超高周波などの無線技術が媒体の定義に含まれる。ここで使用されたディスク(disk及びdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生するのに対し、ディスク(disc)は、データをレーザによって光学的に再生する。これらの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0099】
実施形態がプログラムコード又はコードセグメントで実現されるとき、コードセグメントは、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、又は命令、データ構造、又はプログラムステートメントの任意の組み合わせを示すことができるものと認識すべきである。コードセグメントは、情報、データ、引数(argument)、パラメータ又はメモリコンテンツを伝達及び/又は受信することにより、他のコードセグメント又はハードウェア回路に接続できる。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信などを含む任意の適当な手段を利用して伝達、発送又は伝送できる。さらに、いくつかの側面から、方法又はアルゴリズムのステップ及び/又は動作は、コンピュータプログラム物に統合できる機械可読媒体及び/又はコンピュータ可読媒体上にコード及び/又は命令のいずれか、又はこれらの任意の組み合わせもしくはセットとして常駐することができる。
【0100】
ソフトウェアでの実現において、ここで説明した技術は、ここで説明した機能を行うモジュール(例えば、プロシージャ、関数など)で実現できる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶でき、プロセッサによって実行できる。メモリユニットは、プロセッサ内に実現されてもよく、プロセッサの外部に実現されてもよい。この場合、メモリユニットは、公知のように様々な手段によってプロセッサに通信可能に接続できる。
【0101】
ハードウェアでの実現において、処理ユニットは、一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理回路(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ここで説明した機能を行うように設計された他の電子ユニット、又はこれらの組み合わせ内に実現できる。
【0102】
上述したのは、一つ以上の実施形態の実例を含む。もちろん、上述した実施形態を説明する目的でコンポーネント又は方法の可能な全ての組み合わせを記述することができるのではなく、当業者は、様々な実施形態の多くの追加の組み合わせ及び置換が可能であることを認識することができる。したがって、説明した実施形態は、添付された請求の範囲の真意及び範囲内にあるすべての代案、変形及び改造を含むものである。しかも、詳細な説明又は請求の範囲において「含む」という用語が使用される範囲について、このような用語は、使用される時に「構成される」という用語が請求の範囲で過渡的な単語として解釈されるように、「構成される」という用語と同様に包括的なものである。
【0103】
ここで使用されたように、「推論する」又は「推論」という用語は、一般に、イベント及び/又はデータによって捕捉される1セットの観測から、システム、環境及び/又はユーザーの状態について判断又は推論するプロセスを指す。推論は、特定の状況又は動作を識別するために用いることができ、或いは、例えば状態に対する確率分布を生成することができる。推論は確率的でありうる。すなわち、データ及びイベントの考察に基づく当該状態に対する確率分布の計算でありうる。推論は、また、1セットのイベント及び/又はデータから上位レベルイベントを構成するために利用される技術を指すこともある。このような推論は、1セットの観測されたイベント及び/又は格納されたイベントデータからの新しいイベント又は動作、イベントが時間において密接に相関するか否か、及びイベントとデータが一つ又は複数のイベント及びデータソースから出るかを推定するようにする。
【0104】
さらに、本出願において使用されているように、「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」などの用語は、これに限定されるものではないが、コンピュータ関連のエンティティ、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア又は実行中のソフトウェアを含むものとする。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能な実行スレッド、プログラム及び/又はコンピュータでありうるが、これらに限定されるものではない。例として、演算デバイス上で駆動するアプリケーション及び演算デバイスの両方がコンポーネントであることもある。一つ以上のコンポーネントがプロセス及び/又は実行スレッド内に常駐してもよく、コンポーネントが一つのコンピュータに集中してもよく、及び/又は2以上のコンピュータの間に分散されてもよい。加えて、これらのコンポーネントは、各種のデータ構造を格納した各種コンピュータ可読媒体から実行されてもよい。コンポーネントは、一つ以上のデータパケット(例えば、ローカルシステム、分散システムの他のコンポーネント、及び/又は信号により他のシステムとインターネッのようなネットワークを介して相互作用するあるコンポーネントからのデータ)を有する信号に従うなど、ローカル及び/又は遠隔処理によって通信をしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
100 インフラストラクチャ
200 自動バレーパーキング装置
210 センサ部
220 通信部
230 判断部
240 車両制御部
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10