(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】表示装置、携帯端末、制御方法、プログラム、および、ガイドシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231213BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20231213BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20231213BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20231213BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20231213BHJP
【FI】
G06Q30/06
G09G5/00 510A
G09G5/37 600
G09G5/36 200
G09G5/00 550C
G06F3/0484
(21)【出願番号】P 2019237040
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】398056827
【氏名又は名称】株式会社ファーストリテイリング
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100154759
【氏名又は名称】高木 貴子
(72)【発明者】
【氏名】平田 淳
(72)【発明者】
【氏名】劉 通
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-373070(JP,A)
【文献】特開2010-044723(JP,A)
【文献】特開2012-185576(JP,A)
【文献】特開2019-089625(JP,A)
【文献】特開2010-076921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09G 5/00,5/36,5/37
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品毎の情報であって前記商品の識別情報と、当該識別情報が読み取られたタグの位置情報とに基づいて、商品の位置情報を表示する表示装置であって、
ユーザから商品の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によりユーザから指定を受け付けた商品の識別情報と関連付けられている位置情報と、当該位置情報の基になったタグを読んだ時間を示すスキャン情報とを取得する取得手段と、
前記ユーザからの指定に応じて、フロアマップと、当該フロアマップ上で前記取得手段により取得した位置情報に対応する箇所を識別可能に表示させる表示制御手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記スキャン情報に基づいて前記位置情報の表示形態を異ならせることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記指定された商品の在庫情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記指定された商品の在庫が閾値以下である場合に、通知を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示装置は、店舗内に設置されたサイネージ装置であって、
前記表示制御手段は、前記フロアマップ上で前記サイネージ装置の設置位置を識別可能に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示装置は、携帯端末であって、
前記受付手段は、前記タグを前記携帯端末が備えるカメラによって撮影することにより、前記商品の指定を受け付けることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置は、携帯端末であって、
前記受付手段は、前記携帯端末に配信された広告内の商品を前記ユーザが選択することにより、前記商品の指定を受け付けることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項6】
商品毎の識別情報と、当該識別情報に対応する情報が読み取られたタグの位置情報とに基づいて、商品の位置情報を表示する携帯端末であって、
店舗に近づいたことを機器が検出し、当該検出に基づいて外部から送信されるメッセージを受信する受信手段と、
前記メッセージに含まれる複数の商品から、1つ以上の商品の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によりユーザから指定を受け付けた商品の位置を識別可能に表示したフロアマップを表示させる表示手段と、を有し
前記表示手段は、前記ユーザから指定を受け付けた商品の位置情報の基になったタグを読んだ時間を示すスキャン情報に基づいて前記位置情報の表示形態を異ならせることを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
商品毎の情報であって前記商品の識別情報と、当該識別情報が読み取られ
たタグの位置情報とに基づいて、商品の位置情報を表示する表示装置の制御方法であって、
ユーザから商品の指定を受け付ける受付工程と、
前記受付工程においてユーザから指定を受け付けた商品の識別情報と関連付けられている位置情報と、当該位置情報の基になったタグを読んだ時間を示すスキャン情報とを取得する取得工程と、
前記ユーザからの指定に応じて、フロアマップと、当該フロアマップ上で前記取得工程において取得した位置情報に対応する箇所を識別可能に表示させる表示工程とを有し、
前記表示工程において、前記スキャン情報に基づいて前記位置情報の表示形態を異ならせることを特徴とする制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の表示装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
商品毎の識別情報と、当該識別情報に対応する情報が読み取られたタグの位置情報とに基づいて、商品の位置情報を表示する携帯端末の制御方法であって、
店舗に近づいたことを機器が検出し、当該検出に基づいて外部から送信されるメッセージを受信する受信工程と、
前記メッセージに含まれる複数の商品を表示し、表示した複数の商品から1つ以上の商品の指定を受け付ける受付工程と、
前記受付工程でユーザから指定を受け付けた商品の位置を識別可能に表示したフロアマップを表示させる表示工程と、を有し、
前記表示工程において、前記ユーザから指定を受け付けた商品の位置情報の基になったタグを読んだ時間を示すスキャン情報に基づいて前記位置情報の表示形態を異ならせることを特徴とする制御方法。
【請求項10】
サーバと表示装置とを有するガイドシステムであって、
前記サーバは、
読取装置によって、各商品に付されているタグから読み取った商品毎の識別情報と、店舗内における前記商品が陳列されている什器の情報と、前記識別情報が読み取られた時間を示すスキャン情報と、を取得する取得手段と、
前記什器の情報に基づいて、前記識別情報を取得したタグの位置情報を推定する推定手段と、
前記取得手段により取得した識別情報と、前記推定手段により推定した位置情報と前記スキャン情報とを関連付けて出力する出力手段とを有し、
前記表示装置は、
ユーザから商品の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によりユーザから指定を受け付けた商品の識別情報と関連付けられている位置情報を受信する受信手段と、
前記ユーザからの指定に応じて、フロアマップと、当該フロアマップ上で前記受信手段により受信した位置情報に対応する箇所と位置情報の新しさとを識別可能に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とするガイドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザに商品の位置を案内するガイド技術に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料品店等においては、様々な衣料品が商品として店舗内に陳列されている。衣料品は、他の分野の商品と比較してサイクルが短く、さらに、天候によっても需要のある商品が異なるため、頻繁に店舗内におけるレイアウトを変更する必要がある。このため、消費者は、所望の商品を店舗内から探し出すのが難しく、店員でさえも、商品の陳列位置を把握することが難しい場合がある。
【0003】
特許文献1には、検索対象物品の名称を検索装置に入力することで、検索対象物品の位置が表示部に表示される物品検索システムが開示されている。また、特許文献2には、RFIDスキャンによって事前に商品毎の位置情報を取得しておき、更にスマホを操作するユーザの位置情報を取得することで、ユーザを特定の商品位置まで案内する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-19188号公報
【文献】特開2007-316897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の技術では商品毎の位置情報を取得する間隔は明記されていないが、売り場の全てを高い頻度でスキャンすることは、売り場のオペレーションを妨げる可能性が高いため困難である。しかしながら、衣料品店や日用品店の場合、商品の入れ替わりが激しいこともあるため開店前にスキャンした内容だけでは、所望の商品の位置を特定できない可能性も高く、ユーザの利便性が良くない。
【0006】
本発明は、衣料品店などの店舗において、所望の商品を正確にかつ円滑に探し出すことができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、商品毎の情報であって商品の識別情報と、当該識別情報が読み取られたタグの位置情報とに基づいて、商品の位置情報を表示する表示装置であって、ユーザから商品の指定を受け付ける受付手段と、受付手段によりユーザから指定を受け付けた商品の識別情報と関連付けられている位置情報と、当該位置情報の基になったタグを読んだ時間を示すスキャン情報とを取得する取得手段と、ユーザからの指定に応じて、フロアマップと、当該フロアマップ上で取得手段により取得した位置情報に対応する箇所を識別可能に表示させる表示制御手段と、を有し、表示制御手段は、スキャン情報に基づいて位置情報の表示形態を異ならせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、衣料品店などの店舗において、所望の商品を正確にかつ円滑に探し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】表示装置を含むガイドシステムの構成を示す模式図である。
【
図2】表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】(A)読取装置の外観を示す模式図である。(B)読取装置の機能構成を示すブロック図である。(C)読取装置の処理フローの概略を示すフロー図である。
【
図4】サーバにおける処理の一例を示すフロー図である。
【
図5】表示装置における処理の一例を示すフロー図である。
【
図6】(A)ディスプレイ装置に表示される商品指定画面の一例を示す模式図である。(B)ユーザが所有する端末に表示される広告画面の一例を示す模式図である。
【
図7】(A)商品位置を示すフロアマップの一例を示す模式図である。(B)商品の詳細画面の一例を示す模式図である。(C)選択された商品の在庫情報を含むフロアマップの一例を示す模式図である。
【
図8A】実施形態2に係る発信機の使用状態を示す模式図である。
【
図8B】発信機を含むガイドシステムの構成を示す模式図である。
【
図9】発信機における処理の一例を示すフロー図である。
【
図10】什器用のRFIDタグを配置している様子を示す模式図である。
【
図11】(A)~(C)商品の位置情報について読み取った新しさ、古さに対応する表示をする様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、表示装置100を含むガイドシステム1000の構成を示す構成図である。ガイドシステム1000は、表示装置100と、サーバ200と、読取装置300と、を含む。これらはネットワーク400によって通信可能に接続されている。ネットワーク400は、例えば、インターネットやWAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、WiFiなどの無線基地局、プロバイダ装置、専用回線などを含む。ガイドシステム1000は、読取装置300によって、店舗内の各商品に付されたタグをスキャンすることで商品位置を取得し、ユーザの指定する商品に対応する位置情報を表示装置100に表示させることでユーザに商品位置をガイドするシステムである。
【0012】
表示装置100は、例えば、衣料品販売店の店舗内又は店舗外に設置されるディスプレイ装置(サイネージ装置)、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、等である。なお、本明細書において、携帯端末という場合、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、携帯電話機、などのユーザが携帯できる情報処理装置を示すものとする。表示装置100は、表示部110と、入力部120と、処理部130とを含む。
【0013】
表示部110は、例えば、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル等であり、処理部130によって制御される。表示部110は、処理部130の制御に基づいて画像を表示する。
【0014】
入力部120は、例えば、ユーザからの操作入力を受け付けるタッチパネルやキーボード、マウスなどであって、タッチパネルやキーによってユーザからの指示や入力を受け付ける。なお、表示装置100がサイネージ装置やスマートフォン等である場合等、入力部120は表示部110としても機能し、表示部110と入力部120は一体となった構造であっても良い。例えば、ユーザは、入力部120を用いて商品の指定を行う。
【0015】
処理部130は、受付部131と、受信部132と、表示制御部133と、現在地取得部134を備える。受付部131は、ユーザから商品の指定を受け付ける。受信部132は、受付部131によりユーザから指定を受け付けた商品の識別情報と関連付けられている位置情報をサーバ200から受信する。また、指定された商品の在庫情報を、例えば、各店舗における商品在庫管理用のデータベース等から対象店舗における商品の在庫情報を受信する。表示制御部133は、ユーザからの指定に応じて、フロアマップを表示部110に表示させる。また、表示制御部133は、受信部132により受信した位置情報に対応する箇所をフロアマップ上で識別可能に表示させる。現在地取得部134は、表示装置100の現在地を取得する。なお、例えば、表示装置100が固定型である場合において、表示装置が設置されている位置の情報を処理部130が有していれば、現在地取得部134は構成されていなくても良い。
【0016】
例えば、タグがRFIDに対応する場合、アンテナと識別情報を記憶するチップを内部に備えパッケージに貼付されたり、ロックスと呼ばれる部材で商品の一部に固定されたりしている。そして、外部からUHF帯のリーダーライターの電波をタグ内のアンテナを受信すると、起電し、IC内に保持している情報を同様のUHF帯の電波で外部に出力する。サーバ200は、取得部201と、変換部202と、商品情報記憶部203と、出力部204と、を含む。取得部201は、読取装置300によって、各商品に付されているタグから読み取った商品毎の識別情報とタグの位置情報を取得する。なお、ここで、商品の識別情報は、少なくとも商品の色情報およびサイズ情報を含む。もちろん、サイズも色も夫々対応する情報(数値など数字)で置き換えられていてもよい。例えば、「S,M,L」を「1,2,3」と置き換えたり、色について「白、黒、黄」を「00、09、45」の様に置き換えたりしてもよい。また、タグは、例えばRFIDタグ等、商品の識別情報を記録可能なタグである。例えば、タグがRFIDに対応する場合、アンテナと識別情報を記憶するチップを内部に備えパッケージに貼付されたり、ロックスと呼ばれる部材で商品の一部に固定されたりしている。そして、外部からUHF帯のリーダーライターの電波をタグ内のアンテナを受信すると、起電し、IC内に保持している情報を同様のUHF帯の電波で外部に出力する。変換部202は、取得部201で取得した識別情報と、タグの位置情報を店舗のフロアマップ上に反映するための位置情報(表示用位置情報)に変換する。商品情報記憶部203は、変換部202で変換された表示用位置情報を識別情報と関連付けて記憶する。ここで、商品情報記憶部203は、表示用位置情報を更にどの店舗のどのフロアであるかを識別するためのフロア識別情報と関連づけて記憶するようにしてもよい。出力部204は、表示装置100において、ユーザによって指定された商品の識別情報に対応する位置情報を、表示装置100に出力する。なお、店舗内外に設置してあるディスプレイ装置については、事前に自装置に適したフロア識別情報を設定されていてもよい。その場合に表示装置100は、設定されたフロア識別情報とユーザに指定された商品の識別情報とを共にサーバ200に出力して、サーバ200から自店における所望の商品の表示用位置情報を取得する。
【0017】
読取装置300は、店舗内に陳列された商品に付されたタグから商品の識別情報を取得する。また、読取装置300は、識別情報を取得した商品の位置を推定し、識別情報と共にサーバ200へと出力する。読取装置300、例えば、店舗の天井に設置されるアンテナや、携帯型の読取端末である。
【0018】
図2は、表示装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。表示装置100は、記憶部20と、CPU21と、RAM22、ROM23と、通信部24と、表示部110と、入力部120と、を備える。
【0019】
記憶部20は、CPU21によって実行されることで後述のフローを実現するプログラムと、このプログラムによって使用されるデータ等を格納する。
【0020】
CPU21は、ROM23又は記憶部20に格納されたプログラムに基づいて動作し、表示装置100の各部の制御を行う。ROM23は、表示装置100の起動時にCPU21によって実行されるブートプログラムや、表示装置100のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。CPU21は、ROM23のプログラムをRAM22上に展開し、展開されたプログラムをCPU21が実行することにより、後述するフローを実現する。なお、CPU21は、これらのプログラムを他の装置からネットワーク400を介して取得して、実行してもよいし、ROM23に格納しているプログラムを直接実行してもよい。
【0021】
通信部24は、ネットワーク400を介して他の機器からデータを受信してCPU21へ送り、CPU21が生成したデータや指示を、ネットワーク400を介して他の機器へ送信する。なお、サーバ200、読取装置300、在庫情報データベース500の夫々も
図2と同様の構成を備えているが詳細な説明は省略する。
【0022】
図3は、読取装置300を説明する図である。
図3(A)は、読取装置300の構成を示す構成図である。ここでは、一例として読取装置300が携帯型の読取端末である場合について説明する。読取装置300は、読取部301と、記憶部302と、推定部303と、出力部304と、タイマ305とを含む。読取部301は、複数のアンテナを備え商品のタグから該商品の識別情報を読み取るとともに、複数のアンテナによって当該タグが読取装置300から相対的にどの位置にあるかを示す相対位置情報を取得する。読取分解能や精度が落ちるが、読取部301はアンテナを1つだけ備える構成にしてもよい。また、読取部301は商品のタグを読む際に、店舗内に設置されている各什器に配置されているタグから什器の識別情報と相対位置情報についても読み取る。各什器に配置されているタグの識別情報は什器の位置情報(店舗内・フロアマップ上の絶対位置)と関連づけられている。推定部303は、読み取った各商品のタグの相対位置情報と什器のタグの相対位置情報を比較し、各商品がどの什器に属するかを推定する。また、推定部303は什器のタグに設定されている絶対位置と什器のタグの相対位置と各商品の相対位置から各商品の絶対位置を推定するようにしてもよい。記憶部302は、読み取った商品の識別情報と、各商品が属する(陳列されている)什器の識別情報を対応付けて記憶する。なお、この時、記憶部302は各商品の識別情報を読み取った時間(スキャン時間)をタイマ305から取得して各商品の識別情報の付加方法(メタデータ)として記憶しておく。タイマ305は内部のカウンタで計時し、日付や時刻を保持している。出力部304は、商品の識別情報と、少なくとも1つ以上の什器の識別情報を対応付けてサーバ200に出力することが望ましい。ここで、推定部303によって商品から読み取ったタグの絶対位置を推定している場合は、出力部304によって各商品絶対位置もサーバ200に出力してもよいし、絶対位置を推定していない場合は各商品の相対位置を出力してもよい。また、記憶部302に商品の識別情報を読み取った時間が記憶されている場合は、これについても合わせて出力する。
【0023】
図3(B)は、読取装置300における識別情報の出力処理を説明するフロー図である。S311において、ユーザが読取装置300を携帯し、店舗内を移動する。これにより、読取部301は、店舗内に陳列された商品のタグから識別情報を取得し、同時に商品が陳列されている什器の識別情報を取得する。そして、読み取った商品の識別情報と、什器の識別情報とを関連付けて記憶部302に記憶する。次に、S312において、出力部304は、商品の識別情報と、什器の識別情報を関連付けてサーバ200に出力する。
【0024】
なお、ガイドシステム1000において、読取装置300を用いた
図3(B)のフローに従ったスキャンは定期的に行われてもよいし、不定期におこなわれてもよい。ただし、店舗のフロアの大部分をスキャンする全スキャンを定期的に第1の頻度(例えば、オープン前に1日1回)で実施する場合、全スキャンよりも狭い領域(店舗のフロアの一部)をスキャンする部分スキャンは全スキャンよりも頻度が高い第2の頻度(例えば、正午近辺で1回、夕方に1回)で実施することが好ましい。なお、スキャンは複数の携帯型読取装置300で実施されてもよい。なお、同じタグを読み取った場合、読取装置やサーバは最近読み取った位置情報で古い位置情報を上書きするように更新するように制御する。
【0025】
図10は什器1100に什器用RFIDタグ1001を複数貼付している様子を示す、金属板材で密封している様な棚でなければ、RFIDタグは外から目につきにくい箇所に配置することが好ましい。RFIDタグ1001について、商品の表示位置の精度が低くてもよいのであれば1つの什器1100あたりのタグは少なくしてもよい。逆に商品の表示位置の精度を高めたいのであれば、1つの什器1100あたりのタグを増やし(1タグあたりのカバレッジを少なくし)、各タグに異なる識別情報を埋め込むことで、読み取ったRFIDタグ1001が什器1100のどの位置に配置されているかを区別できるようにしてもよい。
【0026】
次に、サーバ200における処理を説明するフロー図について説明する。
図4は、サーバ200における処理の一例を示すフロー図である。まず、S401において、取得部201は、商品の識別情報と、商品の識別情報に関連付けられた什器の識別情報を読取装置300から取得する。この時、商品の識別情報が読み取られた時間を示すスキャン情報も合わせて取得することが望ましいが、読取装置300が読み取ったタグの識別情報を1つずつサーバに出力する場合は、サーバ200が識別情報を受信した時点でタイムスタンプを押すようにして、タイムスタンプを前述のスキャン時間として扱ってもよい次に、S402において、変換部202(推定部としても機能する)は、取得部201で取得した商品の識別情報と、商品の識別情報に関連付けられた什器の識別情報に基づいて、商品の店舗内における位置を推定する。そして、この位置情報を店舗のフロアマップ上に反映可能な情報(表示用位置情報)に変換し、商品情報記憶部203で記憶する。その後、S403において、出力部204は、表示装置100における指定に応じて、商品の識別情報に、該商品の位置情報を関連付けて、表示装置100に出力する。なお、サーバ200は各店舗の店内のレイアウトの概略を示すレイアウト情報を保持している。レイアウト情報は、店舗の所在地(国名、店舗名を含む)、店舗番号、店舗種別、店舗内の壁や什器(エレクター)の配置や柱の位置などの概略が判るマップとしての画像データ(pdf形式やjpeg形式)、および、店舗内の表示装置の位置情報と向き、を含んでいる。そして、出力部204はS403において、問い合わせのあった店舗のフロアに対応するマップと関連情報(表示装置の位置や向きを含む)を表示装置100に出力する。
【0027】
次に、表示装置100における処理を説明するフロー図について説明する。
図5は、表示装置100における処理の一例を示すフロー図である。S501において、ユーザは、商品の指定を行う。商品の指定は、例えば、表示装置100に表示される候補から入力部120を用いて行っても良い。また、例えば、表示装置100がスマートフォンなどであり、カメラを備える場合は、店舗内の商品のタグをカメラによって撮影することで、商品の指定を行っても良い。また、広告に表示された例えばQRコード(商標)やバーコード等のコードをカメラによって撮影することで、商品の指定を行っても良い。さらにスマートフォン等、ユーザが所有する端末に送信された広告などのメッセージ内に掲載された商品を端末上で選択することにより、指定を行っても良い。このとき、色とサイズの指定については、広告に掲載された色とサイズが自動的に指定されても良いし、ユーザが端末上で商品を選択した後に、色とサイズを指定しても良い。受付部131は、このようにして行われた指定を受け付ける。
【0028】
S502において受信部132は、例えば、店舗における商品管理用のデータベース等から店舗における商品の在庫情報を受信する。なお、店舗における商品の在庫情報は、サーバ200に記憶されていても良い。S502において、商品の在庫が閾値以下である場合(No)、表示制御部133は、表示部110に、例えば、「スタッフにお問い合わせください」、「店舗に在庫がありません」等の通知画面を表示させる。一方、S502において、商品の在庫が閾値以上である場合(Yes)、受信部132は、指定された商品の識別情報と関連付けられている位置情報をサーバ200から受信する。そして、表示制御部133は、フロアマップを表示部110に表示させ、受信部132により受信した商品の位置情報に対応する箇所をフロアマップ上で識別可能に表示させる。なお、このとき、例えば、表示装置100がサイネージ装置等であり、店舗内における表示装置100の設置位置に関する情報を表示装置100が有している場合には、フロアマップ上に表示装置100の設置位置を識別下降に表示させると好ましい。このように表示させることにより、ユーザが現在地を把握することが可能となり、商品の位置を把握しやすい。
【0029】
図6は、商品指定画面の一例を示す模式図である。
図6(A)は、ディスプレイ装置に表示される商品指定画面の一例を示す模式図である。アイコン601は、商品の婦人服(Women)、紳士服(Men)、子供服(Kids)などの商品カテゴリー(大カテゴリー)を選択するために用いられる。本図は、婦人服が選択された例を示している。アイコン602は、例えば、アウター、トップス、ボトムス、ルーム・インナー、グッズ、ワンピース・オールインワン、および、シューズ等、アイコン601で選択されるカテゴリーの下位のカテゴリー(中カテゴリー)を選択するために用いられる。ユーザがアイコン602から所望のカテゴリーを選択することで、カテゴリーに応じた商品の一覧が表示される。そして、表示された商品の一覧から、所望の商品を選択することで、商品の指定を行う。なお、中カテゴリーでの選択後に、中カテゴリーの更に下位のカテゴリー(小カテゴリー)を表示させても良い。このような商品に指定方法によれば、ユーザが所望の商品を選択しやすい。
【0030】
図6(B)は、ユーザが所有する端末に表示される広告画面の一例を示す模式図である。ユーザは、広告に掲載された商品を端末上で選択することにより、商品の指定を行う。広告から商品の指定を行う場合、ユーザは直感的に商品を選択することができる。ユーザが店内マップ(フロアマップ)を表示するためのボタン603を、例えば、タップすることにより、タップされたボタン603に関連付けられたリンク情報に基づいて、商品の店舗内における位置が、フロアマップ上に識別可能に表示される。
【0031】
図7は、表示画面の一例を示す模式図である。
図7(A)は、商品位置を示すフロアマップの一例を示す模式図である。ユーザによって指定された商品の在庫がある場合、指定された商品の店舗内における位置が、フロアマップ上に識別可能に表示される。本図において、アイコン701は、指定された商品の位置を示している。アイコン701は、フロアマップ上において、例えば、強調色、枠線による囲み表示、点滅等によって強調して表示されることが好ましい。このようにして、フロアマップ上に商品位置を表示させることで、ユーザが所望の商品を正確にかつ円滑に探し出すことができる。ここで、表示装置100は、位置情報の基になったタグをスキャンした時刻の新しさに応じてアイコン701の表示形態を異ならせる。例えば、
図11(A)に示す様に、読み取った時刻が最近の位置情報ほどコントラストや色を変える等して目立つようにする。もしくは
図11(B)に示す様に、読み取った時刻が最近の位置情報には「NEW」などの新しいことが一目で分かる表示をして、逆の位置情報には「OLD」などの古いことが判別できるように表示をしてもよい。また、
図11(C)に示す様に読み取った時刻をそのまま表示するようにしてもよい。「Y9:00」は昨日の午前9時に読み取ったことを示す。
【0032】
図7(B)は、商品の詳細画面の一例を示す模式図である。例えば、商品の選択時において、商品の選択後に、商品の詳細を示す画面を表示させても良い。商品の詳細画面には、例えば、選択された商品の展開されているサイズおよび色の情報が含まれる。また、商品の詳細画面には、在庫を確認するためのアイコン702が表示される。ユーザが、アイコン702を、例えば、タップすることで、指定された商品の在庫情報を含むフロアマップを表示させる。
【0033】
図7(C)は、選択された商品の在庫情報を含むフロアマップの一例を示す模式図である。本図のフロアマップでは、選択されている商品の展開されているサイズおよび色の情報も表示されている。また、それぞれのサイズの在庫状況も表示されている。在庫状況は、例えば、在庫が3点以下である場合は在庫なしとして×マークを、在庫が4点以上5点以下である場合は在庫の残りがわずかであるとして△マークを、在庫が6点以上である場合は、在庫ありとして〇マークを表示させる。また、本図のようなフロアマップを表示させる場合、ユーザは商品の選択を行った後に、本画面上において、サイズおよび色の特定を行うことができる。例えば、ユーザが色情報を示すアイコン703から所望の色を選択することで、選択された色の各サイズの在庫状況と商品位置が画面上に表示される。また、色を選択せずに、サイズ情報を示すアイコン704から所望のサイズを選択しても良い。この場合、色情報を示すアイコン703のうち、在庫がない色には斜線が表示される等、在庫がないことを示す表示がされる。
【0034】
以上、本実施形態によれば、衣料品店などの店舗において、所望の商品を正確にかつ円滑に探し出すことができる。
【0035】
<実施形態2>
本実施形態では、店舗に近づいた顧客のスマートフォンを検出し、このスマートフォンに対して
図6(B)に示す表示ができることを通知する形態について説明する。なお、実施形態1と同一機能を有する構成や工程には同一符号を付すとともに、構成的、機能的にかわらないものについてはその説明を省略する。
【0036】
実施形態1ではプル型の技術、すなわち、クライアントがサーバにリクエストしてからメッセージが配信される仕組みであるが、実施形態2はプッシュ型の技術、事前に設定されたサーバが所定の条件に従ってクライアントにメッセージを配信する仕組みである。
【0037】
図8(A)は、実施形態2に係る発信機800の使用状態を示す模式図である。
図8(A)に示すように、店舗に入り口などにBluetooth信号を発信する機器として機能する発信機800(ビーコン)を設置しておく。
図8(B)は、発信機800を含むガイドシステム2000の構成を示す模式図である。この発信機800のBluetooth(登録商標)信号(ここでは探索信号)に対応したスマートフォン等の携帯端末(表示装置100)を持つユーザが店舗の入り口に近づくことで発信機800が直接スマートフォンにメッセージを送信したり、このスマートフォンが近づいたことを発信機800からサーバ200に通知しサーバ200から発信機800経由でメッセージを配信したりするようにしてもよい。携帯端末の受信部132は、発信機800から送信されたメッセージを受信する。
【0038】
なお、ここでメッセージとは
図6(B)と
図7(A)に示す画面を表示するための情報を含む。詳細には、
図6(B)の商品画像のサムネイルと、その価格を示す価格情報と、各商品の商品位置マップへのリンク情報と、商品毎の商品位置マップとを含む。ここでは、商品毎の商品位置マップ(商品毎に商品位置を示すマップ)を予め画像としてメッセージに埋め込み、
図6(B)の商品画像のサムネイルの直下にあるボタン603をクリックすることで、そのボタンに関連付けられたリンク情報に基づいて、
図7(A)の様に対応する商品の商品位置マップを表示させる。
【0039】
なお、ユーザが店舗に近づいただけでスマートフォンに通知するようにしてもよいし、店舗からの距離に基づいて通知するメッセージを異ならせるようにしてもよい。例えば、店舗から50m(もしくは、店舗付近と検出しない場合)であれば単純に、セール期間中である事や、目玉商品の価格など要点を絞った情報を通知し、店舗から10mと近くなれば
図6(B)に示す、より詳細な情報を通知する様にしてもよい。
【0040】
図9は、発信機800における処理の一例を示すフロー図である。S901において、発信機800は、ユーザの持つスマートフォンが、店舗から50m以上の位置であるか否かを判断する。この判断には、例えば、スマートフォンが有するGPS(Global Positioning System)機能によって出力される位置情報を用いても良い。店舗から50m以上である場合(Yes)、発信機800は、例えば、セール期間中である事や、目玉商品の価格など要点を絞った情報を第1メッセージとして、ユーザのスマートフォンに送信する(S902)。一方、店舗から50m以上でない場合(S901、No)、S903において、発信機800は、ユーザの持つスマートフォンが、店舗から10m以内の位置であるか否かを判断し、ユーザの持つスマートフォンが店舗に近づいたかを検出する。店舗から10m以内である場合(Yes)、発信機800は、例えば、
図6(B)に示すような、第1メッセージよりも詳細な情報を第2メッセージとして、ユーザのスマートフォンに送信する(S904)。一方、店舗から10m以内でない場合(S903、No)、S902に戻り、発信機800は第1メッセージをユーザのスマートフォンに送信する。
【0041】
以上、本実施形態によれば、店舗側が販売を促進したい商品をユーザに指定させやすくすることが可能となる。
【0042】
<その他の実施形態>
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、上記実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。表示装置100およびサーバ200における処理をコンピュータによって実現する場合、これらの装置の各部が有すべき機能の処理内容はプログラムに基づいて実行される。上述の処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。また、各部の処理は、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより構成することにしてもよい。