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特許7402046ジグを用いた半導体製造用部品の製造方法及び製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】ジグを用いた半導体製造用部品の製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/458 20060101AFI20231213BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
C23C16/458
H01L21/302 101G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019532782
(86)(22)【出願日】2017-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 KR2017014906
(87)【国際公開番号】W WO2018117558
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2019-06-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2016-0174906
(32)【優先日】2016-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0170790
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518450083
【氏名又は名称】トーカイ カーボン コリア カンパニー.,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】キム,キ ウォン
【合議体】
【審判長】池渕 立
【審判官】佐藤 陽一
【審判官】土屋 知久
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-178743号公報
【文献】特開2007-273623号公報
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/458
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材を備えるステップと、
ジグで前記母材の少なくとも一面を支持するステップと、
前記ジグで支持された前記母材に原料ガスを噴射して蒸着層を形成するステップと、
前記蒸着層が形成された前記母材と前記ジグと共に加工するステップと、
を含み、
前記ジグは、断面がテーパされた形状で前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加する、ジグを用いた半導体製造用部品の製造方法。
【請求項2】
前記ジグと前記母材の接触部分で、前記ジグのテーパされた面と前記接触部分の母材の前記一面とがなしている角が鈍角をなす、請求項1に記載のジグを用いた半導体製造用部品の製造方法。
【請求項3】
前記鈍角は95度ないし170度である、請求項2に記載のジグを用いた半導体製造用部品の製造方法。
【請求項4】
前記ジグは、グラファイト、カーボンブラック、及びSiCからなる群より少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載のジグを用いた半導体製造用部品の製造方法。
【請求項5】
前記加工するステップは、前記母材の少なくとも一部が含まれ、かつ前記蒸着層に覆われたジグの少なくとも一部が含まれるように切削加工する、請求項1に記載のジグを用いた半導体製造用部品の製造方法。
【請求項6】
前記母材は、グラファイト、TaC、反応焼結SiC、常圧焼結SiC、ホットプレスSiC、再結晶SiC、及びCVD SiCからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載のジグを用いた半導体製造用部品の製造方法。
【請求項7】
前記母材及び蒸着層の厚さの比は1:1ないし100:1である、請求項1に記載のジグを用いた半導体製造用部品の製造方法。
【請求項8】
チャンバーと、
前記チャンバーの外部から内部に設けられる原料ガス噴射ノズルと、
前記原料ガス噴射ノズルによって原料ガスが噴射される、母材を支持する切り替え可能なジグであって、蒸着層が形成された前記母材と共に加工されるジグと、
を含み、
前記ジグは、断面がテーパされた形状であり、前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加する、ジグを用いた半導体製造用部品の製造装置。
【請求項9】
前記ジグにおけるテーパされた面と、前記母材における前記ジグとの接触面とがなしている角が鈍角をなす、請求項に記載のジグを用いた半導体製造用部品の製造装置。
【請求項10】
前記鈍角は95度ないし170度である、請求項に記載のジグを用いた半導体製造用部品の製造装置。
【請求項11】
母材を支持し、蒸着層が形成された前記母材と共に加工され、
断面がテーパされた形状で前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加する、半導体製造用部品製造のためのジグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式エッチング工程で用いられる半導体製造用部品の製造方法及び、これを用いるジグに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造工程で用いられるプラズマ処理方式は、乾式エッチング工程のうちの1つとして、ガスを用いて対象をエッチングする方法である。これは、エッチングガスを反応容器内に注入してイオン化させた後、ウェハーの表面で加速させ、ウェハーの表面を物理的、化学的に除去する工程に行う。この方法は、エッチングの調整が容易で、生産性が高く、数十nmレベルの微細パターン形成が可能であることから幅広く用いられている。
【0003】
乾式エッチング装置内のフォーカスリングをはじめとする様々な半導体製造用部品は、プラズマが存在する苛酷な条件の反応容器内でエッチング処理が行われるウェハーの周辺にプラズマを集中させる役割を果たし、部品自らもプラズマに露出されて損傷する。したがって、半導体製造用部品の耐プラズマ特性を増加させるための研究が持続的に行われてきた。そのうちの1つとして、Si材質の代わりにSiC材質から形成された蒸着層を半導体のフォーカスリングや電極などの部品に形成する方法に対する研究が行われてきた。
【0004】
ここで、母材上に蒸着層を形成する技術が半導体製造用部品の品質を大きく左右し得る。従来には、母材に均質な蒸着層を形成するために、蒸着層が不均一に形成されることを防止するための様々な方式の蒸着技術の研究が行われてきた。
【0005】
従来技術は、蒸着チャンバー内で被蒸着物又は母材をジグで支持した状態で全面に蒸着を行ったため、ジグで支持している面の蒸着層の均一性が低下する問題があった。特に、ジグが角ばった形態又はふっくらした形態に形成された構造の場合、ジグにより支持される母材における前記ジグとの接触部の付近は蒸着物質が均質に蒸着されない(非蒸着部の発生)問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、半導体製造用部品にCVDを用いて蒸着層を形成する過程でジグを使用する場合、発生し得る蒸着層の不均一性を解消できる方法を提供することにある。本発明の一側面において、使用するジグを用いて蒸着層を形成する場合に形成される蒸着層の蒸着の均一度が増加し、製品の蒸着層の品質を高めることができる。
【0007】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されないまた他の課題は、下記の記載によって当技術分野の通常の知識を有する者であれば明確に理解できるのである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のジグを用いた半導体製造用部品の製造方法は、母材を備えるステップと、ジグで前記母材の少なくとも一面を支持するステップと、前記ジグで支持された前記母材に原料ガスを噴射して蒸着層を形成するステップと、前記蒸着層が形成された前記母材を加工するステップとを含み、前記ジグは、断面がテーパされた形状で前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加する。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、前記ジグと前記母材の接触部分で、前記ジグと前記接触部分の母材がなしている角が鈍角をなし得る。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記ジグと前記接触部分の母材がなす角は95度ないし170度であり得る。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記ジグは、グラファイト、カーボンブラック、及びSiCからなる群より少なくともいずれか1つを含み得る。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記加工するステップは、前記母材の少なくとも一部が含まれて前記ジグの少なくとも一部が覆われた蒸着層が含まれるように切削加工し得る。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記母材は、グラファイト、TaC、反応焼結SiC、常圧焼結SiC、ホットプレスSiC、再結晶SiC、及びCVD SiCからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含み得る。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記母材及び蒸着層の厚さの比は1:1ないし100:1であり得る。
【0015】
本発明のジグを用いた半導体製造用部品の製造方法は、母材を備えるステップと、ジグで前記母材の少なくとも一面を支持するステップと、前記ジグで支持された前記母材に原料ガスを噴射して蒸着層を形成するステップと、前記蒸着層が形成された前記母材を加工するステップとを含み、前記ジグは、前記母材と接する面とつながる断面の少なくとも一側部がラウンドされたことを含む。
【0016】
本発明のジグを用いた半導体製造用部品の製造装置は、チャンバーと、前記チャンバーの外部から内部に設けられる原料ガス噴射ノズルと、前記チャンバーの少なくとも一側で前記チャンバーの内部中央の方向に延長して設けられる搭載部と、前記搭載部の一端部に連結して設けられる母材を支持する切り替え可能なジグとを含み、前記ジグは、断面がテーパされた形状であり、前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加する。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記ジグと前記接触部分の母材がなしている角が鈍角をなし得る。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記ジグと前記接触部分の前記母材がなす角は95度ないし170度であり得る。
【0019】
本発明のジグを用いた半導体製造用部品の製造装置は、チャンバーと、前記チャンバーの外部から内部に設けられる原料ガス噴射ノズルと、前記チャンバーの少なくとも一側で前記チャンバーの内部中央の方向に延長して設けられる搭載部と、前記搭載部の一端部に連結して設けられる母材を支持する切り替え可能なジグとを含み、前記ジグは、前記母材と接する面とつながる断面の少なくとも一側部が凹むようにラウンドされたことを含む。
【0020】
本発明の半導体製造用部品製造のためのジグは、母材を支持し、断面がテーパされた形状で前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加する。
【0021】
本発明の半導体製造用部品製造のためのジグは、母材を支持し、前記母材と接する面とつながる断面の少なくとも一側部がラウンドされている。
【発明の効果】
【0022】
本発明の製造方法又はジグを用いる場合、CVDなど蒸着方式を用いて半導体製造用部品を製造するとき、蒸着されない面なしにジグと被蒸着物又は母材との間の接触部を含んで均質な蒸着層が形成される効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態で提供するジグを用いた半導体製造用部品の製造方法の各ステップを示すフローチャートである。
図2】本発明の一実施形態で提供するテーパされた形状のジグで母材を支持する構造の断面図が示されている。
図3】本発明の一実施形態で提供するテーパされた形状のジグで母材を支持する部分の構造を拡大した拡大図が示されている。
図4】本発明の他の一実施形態で提供する母材と接する面とつながる断面の少なくとも一側部がラウンドされたジグで母材を支持する構造の断面図が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付する図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。各図面に提示された同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0025】
以下に説明する実施形態及び図面には様々な変更が加えられ得る。以下で説明する実施形態は、実施形態に対して限定しようとするものではなく、これらに対する全ての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解されなければならない。
【0026】
本明細書で用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであって、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0027】
異なる定義がされない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0028】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。実施形態の説明において関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態で提供するジグを用いた半導体製造用部品の製造方法の各ステップを示すフローチャートである。
【0030】
本発明のジグを用いた半導体製造用部品の製造方法は、母材を備えるステップS10と、ジグで前記母材の少なくとも一面を支持するステップS20と、前記ジグで支持された前記母材に原料ガスを噴射して蒸着層を形成するステップS30と、蒸着層が形成された前記母材を加工するステップS40とを含み、前記ジグは、断面がテーパされた形状であり、前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加することを含む。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態で提供するテーパされた形状のジグ110で母材200を支持する構造の断面図が示されている。図2に示された母材200は、本発明の一側面で提供する母材の一例であって、乾式プラズマエッチング装置で用いられるフォーカスリングを製造するための母材であってもよい。本発明の一実施形態によれば、前記図2には図示されていないが、前記半導体製造用部品が適用される半導体製造装置のスペックと特性に応じて、前記半導体製造用部品の母材は段差をもって形成された階段式構造を含む。本発明の一実施形態によれば、前記段差の断面が曲面を含んだり、前記段差をなしている面が鈍角をなしてもよい。
【0032】
本発明の一態様によれば、備えられた母材上に原料ガスを用いて蒸着層を形成する。ここで、蒸着層を形成する方法は本発明で特に限定しないが、密閉されたチャンバー内でCVD法を用いて母材に原料ガスを噴射して蒸着層を形成する。本発明の一態様によれば、前記蒸着層を形成するステップは、1000℃~1900℃の温度で行われる。
【0033】
ここで、前記蒸着層は、半導体の製造過程で用いられるために適切な物性を有する素材から形成されることが好ましい。例えば、乾式エッチング装置でプラズマに露出しやすい部品の場合、エッチングを防止するために耐プラズマ特性に優れたSiC又はTaC蒸着層を形成できる原料ガスを噴射することが好ましい。
【0034】
本発明の一側面に係る半導体製造用部品は、密閉された空間内で母材の全体面に均一に蒸着層が形成され得る。例えば、フォーカスリングの場合、プラズマがフォーカスリングに加えられることにより蒸着層の全面でエッチングを誘発し得るため、前記母材の全面の表層上に均等な蒸着層を形成して母材がプラズマに露出されることを防止する必要があることから、全体面の均等な蒸着が必須である。
【0035】
ここで、母材をチャンバー内で支持するためのジグが用いられる。前記母材は、チャンバー内で全面に均等な蒸着を誘導するために、可能な限り最小の面積がジグによって支持されて空中に浮いている形態であり得る。本発明で言及するジグは、母材をチャンバー内で固定して安着させ得る構造であれば全てを含んで称する。
【0036】
ここで、ジグは、前記母材との接点が点で形成されることが最も好ましいが、この場合、母材の支持が不安定である。そのため、ジグと母材との接点は面のように形成されて安定な支持構造を確保することができる。
【0037】
ただし、ジグの形態に応じて、ジグと母材との接触面の付近で不均一な蒸着が誘導されることがある。特に、ジグと母材となしている角度又はジグの形態に応じて、原料ガスから蒸着面をジグが遮るケースが発生し得る。この場合、ジグと母材がなしている接触面の近所には蒸着が最初から形成されない空間が発生したり、又は、蒸着されても他の部分に比べて少ない量の蒸着が形成されることがある。
【0038】
例えば、フォーカスリングの母材にSiCを蒸着する場合を考慮すれば、ジグの形態に応じて、ジグと隣接する部分にはSiC蒸着層が薄く形成されたり、又は、空いた空間が形成され、プラズマにより母材が露出され易い問題が生じる。母材がプラズマに露出されれば、母材は、一般的に耐プラズマ特性が相対的に弱い素材であるため、チャンバー内に飛散してチャンバーの内部を大きく汚染し、半導体製品の品質を低下させる致命的な原因となる恐れがある。
【0039】
したがって、本発明の一側面では、前記ジグの形態をデザインして半導体製造用部品を製造する場合に蒸着層が形成されない部分なしに、ジグの支持にもかかわらず、可能な限り均質な品質の蒸着層を全面に形成できる方法を提供することにある。
【0040】
ここで、本発明の一側面によれば、前記ジグは、断面がテーパされた形状であり、前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加する。図2を参照すれば、母材(フォーカスリング)の下面を断面がテーパされた形態を含むジグ110が支持している構造が確認される。ここで、前記ジグは、母材の大きさ、形状に応じて安定的な構造を形成するよう複数含まれてもよい。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、前記ジグと前記母材の接触部分で、前記ジグと前記接触部分の母材がなしている角が鈍角をなす。
【0042】
ジグと母材の接触部分でジグと母材がなしている角が鋭角をなす場合、ジグによって母材が遮られることがある。この場合、原料ガスがジグと母材の接触部分に均質に蒸着されないことがある。
【0043】
図3は、本発明の一実施形態で提供するテーパされた形状のジグで母材300を支持する部分の構造を拡大した拡大図が示されている。
【0044】
図3を参照すると、ジグと母材の接触部分でジグと母材がなしている角が鈍角をなすことで、ジグが母材の面を原料ガスから遮られないことが確認される。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、前記ジグと前記接触部分の母材がなしている角は95度ないし170度であってもよい。本発明の一実施形態によれば、前記ジグと前記接触部分の母材がなしている角は95度超過であってもよい。前記角が95度未満である場合、母材とジグとの間の接触部分に均質な蒸着層が形成されない問題が生じる。一方、前記ジグと前記接触部分の母材がなしている角は170度未満であってもよい。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、前記ジグは、グラファイト、カーボンブラック及びSiCからなる群より少なくともいずれか1つを含む。本発明の一態様によれば、前記ジグは、母材と共に蒸着層に覆われ、その後共に加工され得る。したがって、原料ガスが円満に蒸着できる素材を選択することが好ましい。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、前記加工するステップは、前記母材の少なくとも一部が含まれ、前記ジグの少なくとも一部が覆われた蒸着層が含まれるように切削加工する。
【0048】
本発明において、前記加工するステップは、形成された蒸着層の少なくとも一部を平坦に加工してもよい。また、前記加工するステップは、蒸着層が形成された母材を半導体製造用部品のスペックに適するよう切削加工してもよい。ここで、本発明の一態様によれば、形成される半導体製造用部品には母材の少なくとも一部が含まれ、前記ジグの少なくとも一部が覆われた蒸着層が含まれてもよい。
【0049】
すなわち、ジグが母材を支持した状態でその上に蒸着層が覆われ、加工するステップにおいて、前記ジグと母材が接触した部分を含み、半導体製造用部品を形成し得る。ここで、最終的に形成される半導体製造用部品には、前記ジグの一部が共に含まれてもよい。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、前記母材は、グラファイト、TaC、反応焼結SiC、常圧焼結SiC、ホットプレスSiC、再結晶SiC及びCVD SiCからなる群より選択される少なくともいずれか1つを含む。前記母材の成分は、SiC蒸着層と容易に分離しない成分などであり、母材の表面に形成されるSiC層と容易に分離しない素材であれば、いずれのものでも更に追加的な成分として含まれてもよい。母材は、蒸着層が上部に分離することなく、均質に形成されやすい素材であることが好ましい。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、前記母材及び蒸着層の厚さの比は1:1~100:1である。
【0052】
本発明は、母材を含んで蒸着するものであり得る。本発明の一実施形態では、蒸着層を含みつつ厚い半導体製造用部品を形成するときには母材を厚く形成しながら、蒸着層を相対的に薄く形成する。蒸着層は、高い物性を要求する素材が用いられ、この場合、蒸着層素材のコストが母材の素材よりも相対的に高価なこともり得る。したがって、本発明の一実施形態によれば、前記母材及び蒸着層の厚さの比は1:1~100:1であり得る。前記蒸着層の厚さ対比母材の比が1よりも小さい場合、蒸着層の厚さが厚くなり、生産単価が増加する問題が生じ、100を超える場合、相対的に蒸着層が極めて薄くなって、プラズマに母材が露出される危険がある。
【0053】
ここで、前記SiC蒸着層の厚さは、前記母材の上部及び下部に蒸着された厚さの垂直の長さの和を意味する。ここで、前記母材の厚さは、母材が長方形のブロック形態ではない段差をもって形成された構造であっても、全ての任意の位置における垂直の長さを意味する。
【0054】
本発明のジグを用いた半導体製造用部品の他の製造方法は、母材を備えるステップと、ジグで前記母材の少なくとも一面を支持するステップと、前記ジグで支持された前記母材に原料ガスを噴射して蒸着層を形成するステップと、前記蒸着層が形成された前記母材を加工するステップとを含み、前記ジグは、前記母材と接する面とつながる断面の少なくとも一側部がラウンドされたことを含む。
【0055】
図4は、本発明の他の一実施形態で提供する母材と接する面とつながる断面の少なくとも一側部がラウンドされたジグ120で母材を支持する構造の断面図が示されている。
【0056】
テーパされたジグと同じ目的として、本発明の一側面で提供するジグの形状は、断面の少なくとも一側部がラウンドされた形態であってもよい。ここで、ラウンドされた形態は、ジグの外部に球の中心を有する仮想の球面に沿って形成されてもよい。このように形成されたジグの断面が図4に示されている。また、前記ラウンドされた形態は、ジグとジグが接触する母材間に均一に蒸着層が形成される構造であれば、本発明において特に限定しないが、様々な曲面がつながっている形態に形成されてもよい。
【0057】
本発明のジグを用いた半導体製造用部品の製造装置は、チャンバーと、前記チャンバーの外部から内部に設けられる原料ガス噴射ノズルと、前記チャンバーの少なくとも一側で前記チャンバーの内部中央の方向に延長して設けられる搭載部と、前記搭載部の一端部に連結して設けられる母材を支持する切り替え可能なジグとを含み、前記ジグは、断面がテーパされた形状で前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加し得る。
【0058】
本発明の異なる一側面において、半導体製造用部品の製造装置を提供する。前記製造装置は、搭載部と搭載部の一端部に連結して設けられるジグを含む。前記ジグは、被蒸着物の蒸着が1回完了することで切り替え可能である。本発明の一側面によれば、ここで、搭載部をそのまま置き、搭載部の一端部に形成されたジグのみを分離して切り替えする構造であってもよく、搭載部も共に切り替える構造であってもよい。前記ジグと前記搭載部は、分離して記載したが、一体に形成されてもよい。前記搭載部は、ジグの反対側の端部がチャンバーの少なくとも一側に固定設置された構造であってもよい。前記製造装置はCVD装置であり得る。
【0059】
ここで、前記ジグは、上述したように母材との接触部分で均質な蒸着層を形成するために断面がテーパされた形状である。また、前記ジグと前記母材の接触部分において、前記ジグと前記接触部分の母材がなしている角が鈍角をなす。また、前記ジグと前記接触部分の母材がなしている角は95度~170度であり得る。
【0060】
本発明のジグを用いた半導体製造用部品の他の製造装置は、チャンバーと、前記チャンバーの外部から内部に設けられる原料ガス噴射ノズルと、前記チャンバーの少なくとも一側で前記チャンバーの内部中央の方向に延長して設けられる搭載部と、前記搭載部の一端部に連結して設けられる母材を支持する切り替え可能なジグとを含み、前記ジグは、前記母材と接する面とつながる断面の少なくとも一側部が凹むようにラウンドされたことを含む。
【0061】
ここで、ラウンドされた形態は、ジグの外部に球の中心を有する仮想の球面に沿って形成されてもよい。また、前記ラウンドされた形態は、ジグとジグが接触する母材間に均一に蒸着層が形成される構造であれば、本発明で特に限定しないが、様々な曲面がつながる形態に形成されたものであり得る。
【0062】
本発明の半導体製造用部品製造のためのジグは、母材を支持し、断面がテーパされた形状であり、前記母材の表面に近づく方向に断面の幅が増加する。
【0063】
本発明の他の半導体製造用部品製造のためのジグは、母材を支持し、前記母材と接する面とつながる断面の少なくとも一側部がラウンドされる。
【0064】
上述したように実施形態がたとえ限定された実施形態及び図面によって説明されたが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行されたり、及び/又は説明された構成要素が説明された方法と異なる形態に結合又は組合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって置き換えたり置換されても適切な結果が達成し得る。
【0065】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
図1
図2
図3
図4