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  • 特許-ジョイナ、及び壁構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】ジョイナ、及び壁構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/70 20060101AFI20231213BHJP
   E04B 1/682 20060101ALI20231213BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
E04B1/70 D
E04B1/682 A
E04F13/08 Y
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020003821
(22)【出願日】2020-01-14
(65)【公開番号】P2021110185
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】503367376
【氏名又は名称】ケイミュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小笹山 徹
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-131404(JP,U)
【文献】特開2008-240288(JP,A)
【文献】実開昭57-178606(JP,U)
【文献】実開平05-040407(JP,U)
【文献】特開昭62-244957(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0215504(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62 - 1/99
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合う壁材の間の目地に配されるジョイナであって、
シーリング材を支持する支持部を有し、
前記支持部に、前記壁材の端面に当たる突起が形成され、
前記支持部は、
前記シーリング材を受ける受け部と、
前記受け部から壁下地側に突出した一対の側板部とを有し、
前記突起は、前記一対の側板部のうちの少なくとも一方に、前記目地の長さ方向において間隔を空けて複数形成され、
前記突起に、前記突起を貫通する通気孔が形成された、
ジョイナ。
【請求項2】
請求項1に記載のジョイナであって、
前記突起同士の前記目地の長さ方向における間隔は、前記壁材における前記目地の長さ方向における寸法よりも小さい、
ジョイナ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のジョイナを用いた壁構造であって、
前記壁材は、前記目地に向かって開口した中空部を有し、
前記突起が、前記中空部を有する前記壁材の端面に当たり、
前記支持部と前記壁材の端面との間に隙間が生じる、
壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョイナ、及び壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建築物の外壁目地構造が開示されている。この外壁目地構造では、下地材に敷設された外装板材に、複数本の中空部が設けられている。これら複数本の中空部は、外装板材の重量を軽減するなどの機能がある。
【0003】
この外壁目地構造では、隣り合う外装板材の間に設けられた目地溝に、両側の外装板材の中空部が対向して開口している。目地溝の底部には、連通部材が装着されており、目地溝の内部には、連通部材を覆うシーリング材が充填されている。
【0004】
連通部材は、金属薄板を屈曲形成してなる成形材で構成されており、中央に角形の凸部を有している。凸部には、通気孔が穿孔されており、隣り合う外装板材の中空部同士は、通気孔を介して連通している。このため、一つの外装板材が局所的に昇温して中空部内の空気が膨張しても、この膨張した空気は連通部材を介して隣接する外装板材の中空部に移動し、両方の中空部を合わせた空間全体で空気の温度あるいは圧力が均等化される。これにより、中空部に存在する空気が昇温膨張してシーリング材に侵入することにより、シーリング材に気泡が発生することが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-54243号公報(段落番号0021、0022、図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した外壁目地構造では、外装板材の端面に形成された、中空部の開口が、連通部材の通気孔に通じており、外装板材の中空部に存在する空気は、連通部材の通気孔を通じて排出される。このため、例えば、外装板材が日射によって昇温する等した場合に、施工直後の完全に硬化していないシーリング材が、中空部から排出された空気によって押されて壁下地とは反対側に膨らむこと(以下、この現象を「膨れ」という)を抑制できる場合がある。
【0007】
しかし、中空部の開口の通気孔に対する位置は、外装板材と連通部材の各々の施工誤差や製造誤差等によって、変化するため、通気孔が中空部の開口に対応しない箇所に配される可能性がある。この場合、中空部の開口は、連通部材の凸部において通気孔が形成されていない部分によって塞がれてしまい、中空部内の空気が排出されない状態となり、結果、シーリング材の膨れが発生して、壁構造の外観を損ねる恐れがある。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みてなされており、シーリング材の膨れの発生を適切に抑制できるジョイナ及び壁構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るジョイナは、隣り合う壁材の間の目地に配されるジョイナであって、前記シーリング材を支持する支持部を有し、前記支持部に、前記壁材の端面に当たる突起が形成される。
【0010】
また、本発明の一態様に係る壁構造は、前記ジョイナを用いた壁構造であって、前記壁材は、前記目地に向かって開口した中空部を有し、前記突起が、前記中空部を有する前記壁材の端面に当たる。前記支持部と前記壁材の端面との間に隙間が生じる。
【発明の効果】
【0011】
前記一態様に係るジョイナ及びは壁構造では、壁材の端面が、ジョイナの突起に当たることで、壁材の端面とジョイナの支持部との間に、隙間が形成される。このため、壁材の中空部内の空気は隙間を通じて排出されやすくなる。したがって、中空部内の空気の圧力が高くなることが抑制され、シーリング材の膨れが生じることを適切に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る壁構造の斜視図である。
図2図2A及び図2Bは、同上の壁構造が備えるジョイナを示し、図2Aは平面図であり、図2Bは右側面図である。
図3図3は、同上の壁構造において隣り合う壁材の間の部分を示した断面図である。
図4図4は、同上の壁構造が備える壁材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)実施形態
本実施形態のジョイナ2は、例えば、図1に示すように、隣り合う壁材6の間の目地10に配され、目地10に充填されたシーリング材7をバックアップする。以下、ジョイナ2を用いた壁構造1について詳述する。
【0014】
なお、以下では、複数の壁材6を壁下地5に施工した状態における方向を用いて説明する。具体的には、壁下地5から壁材6に向かう方向を前方とし、壁材6から壁下地5に向かう方向を後方とする。また、壁構造1を前方から見たときを基準にして左右方向を規定する。
【0015】
図1に示す壁構造1は、壁下地5、ジョイナ2及び複数の壁材6を備えている。本実施形態の壁構造1は、外壁構造であり、複数の壁材6が壁下地5の屋外側に設けられている。なお、本発明の技術は、内壁構造にも適用可能である。
【0016】
壁下地5は、例えば、複数の柱50と、複数の柱50の屋外側に取り付けられた透湿防水シート51と、透湿防水シート51の表面に沿って配置され、透湿防水シート51を介して柱50に取り付けられた複数の胴縁52とを有している。各胴縁52は、例えば、釘又はねじ等の固定具を用いて柱50に取り付けられる。
【0017】
ジョイナ2は、金属製であり、例えば、鋼板を曲げ加工して形成される。なお、ジョイナ2の材質は、限定されない。例えば、ジョイナ2は、アルミニウム等の他の金属から形成されてもよいし、合成樹脂から形成されてもよい。
【0018】
ジョイナ2は、一方向に直線状に延びた形状を有している。本実施形態のジョイナ2は、目地10の長さ方向と平行な上下方向に直線状に延びており、ジョイナ2の一部は、目地10に配されている。なお、上下方向に隣り合う壁材の間に目地が形成される場合、ジョイナ2はこの目地に配されてもよい。
【0019】
本実施形態のジョイナ2は、図2Aに示すように、左右対称な形状を有しており、長手方向と直交する断面形状がハット状に形成されている。具体的にジョイナ2は、後方に向かって開口した断面コ字状の支持部20と、支持部20に繋がった左右一対の固定部21とを有している。
【0020】
支持部20は、左右一対の固定部21から前方に向かって突出している。支持部20は、図3に示すように、シーリング材7を後方から支持する部分である。支持部20は、上下方向に延びている。支持部20は、受け部22と、一対の側板部23,24とを有している。受け部22は、壁下地5に沿って上下方向に延びた板状に形成されている。受け部22は、壁下地5から前方に離れて位置する。受け部22の前面は、平面であり、シーリング材7を受ける受け面を構成している。
【0021】
一対の側板部23,24は、受け部22における左右方向の両端部からそれぞれ後方に向かって突出している。各側板部23,24は、受け部22の長さ方向(上下方向)の全長にわたっている。
【0022】
支持部20の内側には、後方に向かって開口した凹所29が形成されている。凹所29は、支持部20の長さ方向(上下方向)の全長にわたっている。
【0023】
一対の固定部21は、一対の側板部23,24の後端部から左右方向の外側に向かってそれぞれ突出している。ジョイナ2は、例えば、各固定部21を、釘又はねじ等の固定具(図示せず)によって壁下地5に固定することで、壁下地5に取り付けられる。なお、ジョイナ2は、例えば、固定部21を一つだけ有していてもよい。また、ジョイナ2を壁下地5に取り付ける手段は、固定具に限定されず、例えば、接着剤又はテープ等でもよい。
【0024】
図2A及び図2Bに示すように、支持部20の各側板部23,24には、複数の突起27が形成されている。各側板部23,24に形成された複数の突起27は、上下方向に間隔を空けて並んでいる。両側板部23,24のうち、一方の側板部23に形成された突起27を第1突起271とし、他方の側板部23に形成された突起27を第2突起272としたとき、第1突起271と第2突起272とは、左右方向に見て重なっている。なお、各側板部23,24に形成される突起27の数は、限定されない。また、支持部20には、第1突起271と第2突起272とが上下方向(目地10の長さ方向)において交互に並ぶように形成されてもよい。また、支持部20には、第1突起271及び第2突起272のうち、第1突起271だけが形成されてもよいし、第2突起272だけが形成されてもよい。第1突起271同士の間隔、及び、第2突起272同士の間隔は、壁材6の上下幅(すなわち、目地10の長さ方向における壁材6の寸法)よりも小さいことが好ましい。壁材6の幅よりも大きい場合、壁材6の端面が突起27同士の間に入って側板23,24に当接し、中空部からの空気が抜け難くなるためである。
【0025】
本実施形態の各突起27は、側板部23,24の前端部に形成されている。各突起27は、形状及び大きさが同じである。各突起27は、左右方向に見て、上下方向に延びた矩形状に形成されている。各突起27は、上下方向と直交する断面形状が山形であり、前後方向の幅が突起27の先端に近い部分ほど小さくなっている。また、各突起27の先端は、尖っている。各突起27は、例えば、側板部23,24の一部をブリッジ加工することによって形成される。
【0026】
各突起27には、突起27を貫通する通気孔28が形成されている。本実施形態では、各突起27の上下方向の両端部の各々に通気孔28が形成されている。各通気孔28は突起27の一部を上下方向に貫通している。各通気孔28は、上下方向に見て三角形状の孔である。突起27の各通気孔28は、支持部20の内側に形成された凹所29に通じている。
【0027】
なお、各突起27に形成される通気孔28の形状及び大きさは、限定されない。また、各突起27に形成される通気孔28は、突起27を前後方向又は左右方向に貫通する孔であってもよい。また、各突起27に形成される通気孔28の数は、限定されない。例えば、各突起27には、一つ又は三つ以上の通気孔28が形成されてもよい。また、突起27には、通気孔28が形成されなくてもよい。また、各突起27の形状は限定されない。例えば、各突起27は、球面状に形成されてもよい。
【0028】
図1に示す複数の壁材6の各々は、セメントを主成分とする成形材料の硬化物であって、窯業系の外壁材である。各壁材6は、壁下地5の表面に沿った板状に形成されている。本実施形態の各壁材6は、横張り用の壁材であり、左右方向に延びた長方形の板状に形成されている。なお、各壁材6は、窯業系の壁材に限定されない。また、各壁材6は、縦張り用の壁材であってもよい。
【0029】
図4に示すように、各壁材6は、複数の中空部60を有している。各中空部60は、左右方向に直線状に延び、壁材6を左右方向に貫通した孔である。壁材6において複数の中空部60は、上下方向に並んでいる。各中空部60は、左右方向の両端が壁材6の左右両側の端面67からそれぞれ開口している。各壁材6の左右両側の端面67の各々には、中空部60が有する開口61が上下方向に間隔を空けて複数形成されている。
【0030】
本実施形態の各壁材6の表面(屋外側の面)には、模様として凹凸62が形成されている。凹凸62は、複数の凹部63と、複数の凸部64とを有している。各凹部63は、左右方向に延びて壁材6の左右方向の全長にわたって形成された溝である。複数の凹部63は、上下方向に並んでいる。凸部64は、壁材6において凹部63に隣接した部分であり、壁材6の表面側に向かって突出している。なお、壁材6に形成される凹凸62の形状は、限定されない。例えば、複数の凹部63は、左右方向に延びた1乃至複数の溝と、上下方向に延びた1乃至複数の溝とが交差したものであってもよい。また、壁材6の表面には、凹凸62が形成されなくてもよい。
【0031】
本実施形態の壁材6の各中空部60は、壁材6において厚みが大きい部分となる凸部64に対応する部分にのみ形成されており、各中空部60の開口61は、壁材6の端面67において凸部64に対応する部分にのみ形成されている。このため、凹部63にも中空部60が形成された壁材と比較して、壁材6の強度が高い。
【0032】
図1に示すように、各壁材6は、複数の留め具8により壁下地5に取り付けられている。各留め具8は、例えば、釘又はねじ等の固定具(図示せず)によって壁下地5に固定されることで、壁下地5に取り付けられる。各留め具8は、壁材6と壁下地5との間に位置し、壁材6を壁下地5から前方に離れた位置で保持する。複数の壁材6と壁下地5(詳しくは、透湿防水シート51)との間には、通気層11が形成されている。
【0033】
上下方向に隣り合う壁材6は、例えば、一方の壁材6に形成された凸実部65(図4参照)と、他方の壁材6に形成された凹実部66(図4参照)とを嵌合して接続される。
【0034】
複数の壁材6は、図3に示すように、左右方向に隣り合う壁材6の間にジョイナ2の支持部20を挟むように、壁下地5に取り付けられる。左右方向に隣り合う壁材6の間には、前方に開口した目地10が形成される。左右方向に隣り合う壁材6の各々は、目地10に臨んだ端面67が支持部20に当たることで、目地10側に移動することが規制される。ジョイナ2の支持部20は、目地10の幅を所定寸法に保つ機能を有している。
【0035】
目地10における支持部20の前方には、シーリング材7が充填されている。シーリング材7は、湿式系のシーリング材であり、例えば、変性シリコーン等から形成される。シーリング材7は、目地10を埋め、雨水が目地10から壁下地5側に浸入することを抑制する。シーリング材7は、例えば、シーリング材7の表面が、隣接する壁材6の表面と略略面一になるように目地10に形成される。
【0036】
シーリング材7は、ジョイナ2の受け部22の前面(受け面)に接触した状態で目地10に充填されている。これにより、シーリング材7は、ジョイナ2の支持部20によって後方から支持される。
【0037】
シーリング材7の施工は、例えば、壁材6の表面に養生テープを貼った状態で、目地10に、前方から未硬化のシーリング材7を充填していくことによって行われる。このように目地10に充填されたシーリング材7は、その表面が凹凸62のある壁材6の表面と略面一になるように、ヘラ等を用いて仕上げられる。
【0038】
各壁材6は、ジョイナ2の支持部20の前端が、壁材6の端面67に形成された中空部60の開口61の一部よりも前方に位置し、かつ、この開口61の他の一部よりも後方に位置するように配される。このため、壁材6の各中空部60の開口61の一部は、シーリング材7によって塞がれる。
【0039】
各壁材6は、壁材6の端面67が、ジョイナ2の対応する側板部23,24に形成された複数の突起27の先端に当たるように配される。各壁材6の端面67とジョイナ2の対応する側板部23,24との間には、壁材6の開口61と通気層11とを通じさせる隙間12が形成される。このため、壁材6が気温上昇又は日射により加熱される等して、中空部60内の空気が膨張した場合、この膨張した空気は開口61から隙間12を介して通気層11に排出されやすい。したがって、中空部60内の空気の圧力の上昇が抑制され、施工直後の完全に硬化していないシーリング材7が、中空部60内の空気の圧力によって壁下地5とは反対側に膨らむ「膨れ」が生じることが抑制される。
【0040】
また、本実施形態では、各突起27に通気孔28が形成されており、各突起27の通気孔28が壁材6の開口61に通じる。このため、壁材6の中空部60内の空気は、通気孔28を介して、ジョイナ2の支持部20の内側に形成された凹所29にも排出される。したがって、中空部60内の空気の圧力が高くなることをより一層抑制できる。
【0041】
なお、上記実施形態のジョイナ2及び壁構造1は、適宜設計変更可能である。例えば、ジョイナ2、壁下地5、壁材6、留め具8及びシーリング材7の各々の、形状、大きさ、位置、数及び材質等は、適宜変更可能である。
【0042】
(2)態様
以上説明した、実施形態から明らかなように、第1の態様のジョイナ2は、隣り合う壁材6の間の目地10に配されるジョイナであって、以下に示す構成を有する。ジョイナ2は、シーリング材7を支持する支持部20を有する。支持部20に、壁材6の端面67に当たる突起27が形成される。
【0043】
この態様によれば、壁材6の端面67が、ジョイナ2の突起27に当たることで、壁材6の端面67とジョイナ2の支持部20との間に、隙間12が形成される。このため、壁材6の中空部60内の空気は隙間12を通じて排出されやすくなる。したがって、中空部60内の空気の圧力が高くなることが抑制され、シーリング材7の膨れが生じることを適切に抑制できる。
【0044】
また、第2の態様のジョイナ2は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様のジョイナ2は、以下に示す構成を有する。支持部20は、シーリング材7を受ける受け部22と、受け部22から壁下地5側に突出した一対の側板部23,24とを有する。突起27は、一対の側板部23,24のうちの少なくとも一方に、目地10の長さ方向において間隔を空けて複数形成される。
【0045】
この態様によれば、支持部20の側板部23,24に形成された突起27が、壁材6の端面67に当たることにより、側板部23,24と端面67との間に隙間12を形成することができる。
【0046】
また、第3の態様のジョイナ2は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様の突起27同士の目地10の長さ方向における間隔は、壁材6における目地10の長さ方向における寸法よりも小さい。
【0047】
この態様によれば、壁材6が突起27同士の間に入って壁材6の端面67が、ジョイナ2の側板23,24に当接することを抑制できる。このため、壁材6の中空部60がジョイナ2の側板23,24によって塞がれて、中空部60から空気が抜け難くなることを抑制できる。
【0048】
また、第4の態様のジョイナ2は、第2又は第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様の突起27には、突起27を貫通する通気孔28が形成される。
【0049】
この態様によれば、壁材6の中空部60が突起27の通気孔28を通じて支持部20の内側に通じる。このため、壁材6の中空部60内の空気の圧力が高くなることをより一層抑制できる。
【0050】
また、第5の態様の壁構造1は、第1~第4のいずれか一つの態様のジョイナ2を用いた壁構造1であって、以下に示す構成を有する。壁材6は、目地10に向かって開口した中空部60を有する。突起27が、中空部60を有する壁材6の端面67に当たる。支持部20と壁材6の端面67との間に隙間12が生じる。
【0051】
この態様によれば、壁材6の中空部60内の空気の圧力が高くなってシーリング材7の膨れが生じることを適切に抑制でき、壁構造1の外観を良くすることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 壁構造
10 目地
2 ジョイナ
20 支持部
22 受け部
23 側板部
24 側板部
27 突起
28 通気孔
5 壁下地
6 壁材
60 中空部
67 端面
7 シーリング材
図1
図2
図3
図4