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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】土砂搬送装置及び土砂搬送方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 7/00 20060101AFI20231213BHJP
   E21B 7/00 20060101ALI20231213BHJP
   B65G 53/66 20060101ALI20231213BHJP
   B65G 53/14 20060101ALN20231213BHJP
【FI】
E02F7/00 F
E21B7/00 Z
B65G53/66 C
B65G53/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020139578
(22)【出願日】2020-08-20
(65)【公開番号】P2022035337
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122781
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 里衣
(72)【発明者】
【氏名】岡本 道孝
(72)【発明者】
【氏名】朝山 勇治
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-026438(JP,A)
【文献】特開平03-144097(JP,A)
【文献】特開平02-125027(JP,A)
【文献】特開平04-075918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 7/00
E21B 7/00
B65G 53/66
B65G 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土砂を搬送する土砂搬送装置であって、
土砂を搬送する搬送管に接続される鋼管を有し、前記鋼管に土砂を吸引して前記搬送管に土砂を搬送するエジェクタと、
前記エジェクタの前記鋼管に土砂を搬送するための圧縮空気を送り込むコンプレッサと、
前記搬送管及び前記鋼管の少なくともいずれかの内面に空気を直接噴射する補助空気装置と、
を備え
前記補助空気装置が棒状を呈する本体部を有し、前記本体部の長さが前記エジェクタの長さ以上である、
土砂搬送装置。
【請求項2】
前記補助空気装置は、前記鋼管の内面に空気を間欠的に噴射する、
請求項1に記載の土砂搬送装置。
【請求項3】
前記補助空気装置は、管状に延びる本体部と、前記本体部の長手方向の一端において前記長手方向に交差する方向に開口する空気噴射孔を有する空気噴射部と、を有する空気噴射具であり、
前記空気噴射具は、前記空気噴射部から前記鋼管の内面に空気を直接噴射する、
請求項1又は2に記載の土砂搬送装置。
【請求項4】
前記空気噴射具は、前記エジェクタの前記鋼管において前記鋼管の軸線方向に沿って移動可能とされており、前記軸線方向に移動しながら前記鋼管の内面に空気を直接噴射する、
請求項3に記載の土砂搬送装置。
【請求項5】
前記空気噴射具は、前記軸線方向に移動すると共に前記鋼管の軸線を中心として回転しながら前記鋼管の内面に空気を直接噴射する、
請求項4に記載の土砂搬送装置。
【請求項6】
前記搬送管の内部の圧力を測定する圧力測定部と、
前記圧力測定部による圧力の測定結果に応じて前記補助空気装置を制御する制御部と、
を備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載の土砂搬送装置。
【請求項7】
前記エジェクタが前記土砂を搬送するタイミングと、前記補助空気装置が前記鋼管の内面に空気を直接噴射するタイミングとを設定可能なタイミング設定手段を備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載の土砂搬送装置。
【請求項8】
前記エジェクタが前記土砂を搬送すると共に、前記補助空気装置が前記鋼管の内面に空気を直接噴射する、
請求項1~7のいずれか一項に記載の土砂搬送装置。
【請求項9】
前記搬送管は、上方に延在する立ち上がり部を含んでおり、
前記補助空気装置は、前記搬送管の土砂の搬送経路における前記立ち上がり部の上流側の部分に空気を噴射する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の土砂搬送装置。
【請求項10】
土砂を搬送する搬送管と、前記搬送管に接続される鋼管を有するエジェクタとを用いて土砂を搬送する土砂搬送方法であって、
前記鋼管に圧縮空気を送り込んで前記搬送管に土砂を搬送する工程と、
前記搬送管及び前記鋼管の少なくともいずれかの内面に補助空気装置が空気を直接噴射する工程と、
を備え
前記補助空気装置が棒状を呈する本体部を有し、前記本体部の長さが前記エジェクタの長さ以上である、
土砂搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送管の内部において土砂を搬送する土砂搬送装置及び土砂搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土砂を搬送する土砂搬送装置及び土砂搬送方法としては、従来から種々のものが知られている。特許文献1には、廃土の吸引処理装置が記載されている。吸引処理装置は、土中の穴から廃土を吸引移送する第1吸引ホースと、廃土を廃土ボックスまで吸引搬送する第2吸引ホースとを備える。
【0003】
第1吸引ホースと第2吸引ホースの間には分岐管が接続されており、分岐管には第1吸引ホース、第2吸引ホース及び保持管が接続されている。保持管及び分岐管を介して第2吸引ホースに圧縮エアーが供給される。この圧縮エアーの供給によって廃土の第2吸引ホースへの吸引が促進される。
【0004】
特許文献2には、掘削作業において用いられる搬送装置が記載されている。搬送装置は、掘削の結果得られた掘り屑を吸い込む吸い込み口を有する吸い込み管と、吸い込み管が連結された装置本体と、装置本体から運搬車まで延びる搬送管とを備える。装置本体は分岐管を有し、分岐管に吸い込み管、搬送管及び送気管が接続されている。送気管を介して分岐管に圧縮空気が供給されることにより、吸い込み管から掘り屑が吸い上げられて運搬車に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-169046号公報
【文献】特開2004-169335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した土砂搬送装置及び搬送装置では、土砂を吸引する吸引管、吸引管に吸引された土砂を搬送する搬送管、吸引管及び搬送管を互いに接続する分岐管、並びに、分岐管に圧縮空気を送り込む送気管とを備える。このように、圧縮空気を搬送管に供給する分岐管を用意する必要がある。よって、土砂の搬送のために特殊な分岐管を用いる必要がある。
【0007】
また、前述したように、分岐管を介して供給される圧縮空気で土砂を搬送する場合には、搬送管の設置の状況によっては、搬送管の内部に詰まりが生じる可能性がある。従って、搬送管の内部に土砂の詰まりが生じて土砂の搬送性が低下する懸念があるので、土砂の搬送性の点において改善の余地がある。
【0008】
本開示は、搬送管の内部における土砂の詰まりを抑制して土砂の搬送性を向上させることができる土砂搬送装置及び土砂搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る土砂搬送装置は、土砂を搬送する搬送管に接続される鋼管を有し、鋼管に土砂を吸引して搬送管に土砂を搬送するエジェクタと、エジェクタの鋼管に土砂を搬送するための圧縮空気を送り込むコンプレッサと、搬送管及び鋼管の少なくともいずれかの内面に空気を直接噴射する補助空気装置と、を備え、補助空気装置が棒状を呈する本体部を有し、本体部の長さがエジェクタの長さ以上である
【0010】
この土砂搬送装置は、土砂を搬送する搬送管、鋼管を有するエジェクタ及びコンプレッサを含んでおり、コンプレッサがエジェクタの鋼管に圧縮空気を供給することによってエジェクタの鋼管が土砂を吸入して搬送管に土砂が搬送される。従って、エジェクタの鋼管にコンプレッサから圧縮空気を送り込むことによって土砂の吸引及び搬送を行うことができる。そして、この土砂搬送装置は、コンプレッサ及びエジェクタとは別に搬送管及び鋼管の少なくともいずれかの内面に直接空気を噴射する補助空気装置を備える。従って、コンプレッサ及びエジェクタとは別に内面に直接空気を噴射する補助空気装置を備えることにより、当該内面への土砂の付着を除去できるので、搬送管の内部への詰まりを生じにくくすることができる。また、補助空気装置がエジェクタとは別に設けられることにより、前述した分岐管のような特殊なエジェクタを用意する必要がなく、エジェクタとしては既製のものを用いることができる。よって、補助空気装置が当該内面に空気を直接噴射するので、特殊な分岐管を用いなくても、当該内面への土砂の付着を除去して搬送管の内部における土砂の詰まりを生じにくくすることができる。従って、土砂の搬送性を向上させることができる。
【0011】
補助空気装置は、鋼管の内面に空気を間欠的に噴射してもよい。この場合、エジェクタの鋼管に空気を直接噴射するので、空気の噴射に伴って土砂が詰まりやすいエジェクタの鋼管と搬送管との境目部分に空気が流れ込むことにより、詰まりやすい箇所に対する土砂の付着を効果的に抑制することができる。また、エジェクタの鋼管の内面に間欠的に空気を噴射することにより、土砂の搬送と空気の噴射とのタイミングを分けることが可能となる。
【0012】
補助空気装置は、管状に延びる本体部と、本体部の長手方向の一端において長手方向に交差する方向に開口する空気噴射孔を有する空気噴射部と、を有する空気噴射具であり、空気噴射具は、空気噴射部から鋼管の内面に空気を直接噴射してもよい。この場合、長手方向に交差する方向に開口する空気噴射孔を有する空気噴射具がエジェクタの鋼管又は搬送管の内部に挿入され、当該鋼管又は搬送管の内面に空気噴射孔から直接空気が噴射される。従って、当該内面に空気噴射孔を近づけた状態で当該内面に直接空気を噴射することができるので、当該内面への土砂の付着をより確実に抑制することができる。
【0013】
空気噴射具は、エジェクタの鋼管において鋼管の軸線方向に沿って移動可能とされており、軸線方向に移動しながら鋼管の内面に空気を直接噴射してもよい。この場合、鋼管の軸線方向に沿って空気噴射具を移動させながら鋼管の内面に空気を直接噴射できるので、鋼管、及び鋼管に接続される搬送管における土砂の付着をより効果的に抑制することができる。
【0014】
空気噴射具は、軸線方向に移動すると共に鋼管の軸線を中心として回転しながら鋼管の内面に空気を直接噴射してもよい。この場合、空気噴射具を回転させながら鋼管の内面に空気を直接噴射することにより、鋼管の内面に満遍なく空気を噴射することができる。更に、回転させながら空気を噴射することにより、エルボ管のような簡易な構成を有する空気噴射具を用いた場合であっても回転によって満遍なく空気を噴射させることができる。
【0015】
前述した土砂搬送装置は、搬送管の内部の圧力を測定する圧力測定部と、圧力測定部による圧力の測定結果に応じて補助空気装置を制御する制御部と、を備えてもよい。この場合、搬送管の内部の圧力に応じて制御部が補助空気装置を制御するので、圧力に応じた空気の噴射を行うことができる。従って、制御部が測定された圧力に応じて空気の噴射を制御することにより、内面への空気噴射を効率よく自動的に行うことができる。
【0016】
前述した土砂搬送装置は、エジェクタが土砂を搬送するタイミングと、補助空気装置が鋼管の内面に空気を直接噴射するタイミングとを設定可能なタイミング設定手段を備えてもよい。この場合、タイミング設定手段によって、土砂の搬送のタイミングと、内面への空気の噴射のタイミングとを設定することが可能となる。従って、予め設定されたサイクルで土砂の搬送、及び内面への空気噴射を行うことができるので、内面への土砂の付着を除去しつつ土砂の搬送を効率的に行うことができる。
【0017】
エジェクタが土砂を搬送すると共に、補助空気装置が鋼管の内面に空気を直接噴射してもよい。この場合、エジェクタの吸引による土砂の搬送、及び補助空気装置による内面への空気噴射を共に行うことが可能となる。従って、内面への空気噴射を行って当該内面への土砂の付着を除去しつつ土砂の搬送を行うことができるので、土砂の搬送を更に効率的に行うことができる。
【0018】
搬送管は、上方に延在する立ち上がり部を含んでおり、補助空気装置は、搬送管の土砂の搬送経路における立ち上がり部の上流側の部分に空気を噴射してもよい。搬送管が上方に延在する立ち上がり部を備える場合、立ち上がり部の上流側の部分で土砂の詰まりが生じやすくなることがある。しかしながら、上記のように立ち上がりの上流側の部分に空気を噴射する場合、詰まりやすい当該上流側の部分に直接空気を噴射できる。従って、土砂が詰まりやすい箇所に直接空気噴射を行うことができるので、土砂の搬送性を一層高めることができる。
【0019】
本開示に係る土砂搬送方法は、土砂を搬送する搬送管と、搬送管に接続される鋼管を有するエジェクタとを用いて土砂を搬送する土砂搬送方法であって、鋼管に圧縮空気を送り込んで搬送管に土砂を搬送する工程と、搬送管及び鋼管の少なくともいずれかの内面に補助空気装置が空気を直接噴射する工程と、を備え、補助空気装置が棒状を呈する本体部を有し、本体部の長さがエジェクタの長さ以上である
【0020】
この土砂搬送方法では、土砂を搬送する搬送管、及び、搬送管に接続される鋼管を有するエジェクタを用いて土砂を搬送する。エジェクタの鋼管に圧縮空気を供給してエジェクタの鋼管が土砂を吸引することによって搬送管に土砂が搬送される。そして、エジェクタによる土砂の搬送とは別に、搬送管及び鋼管の少なくともいずれかの内面に直接空気が噴射される。従って、前述した土砂搬送装置と同様、エジェクタとは別に、内面に直接空気を噴射することにより、当該内面への土砂の付着を除去できるので、搬送管の内部における詰まりを生じにくくすることができる。また、エジェクタによる土砂の搬送とは別に内面への空気噴射を行うことにより、前述した分岐管のような特殊なエジェクタを用意する必要がなく、エジェクタとしては既製のものを用いることができる。よって、特殊な分岐管を用いなくても、内面への空気の直接噴射によって土砂の付着を除去できるので、搬送管の内部における土砂の詰まりを生じにくくすることができる。その結果、土砂の搬送性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、搬送管の内部における土砂の詰まりを抑制して土砂の搬送性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る土砂搬送装置を模式的に示す図である。
図2図1の土砂搬送装置のエジェクタを示す部分断面図である。
図3図2のエジェクタの鋼管に挿入された補助空気装置を示す鋼管の断面図である。
図4】(a)は、空気の直接噴射を行わずに土砂の搬送を行ったときにおける搬送管の有効径の時系列データを模式的に示すグラフである。(b)は、空気の直接噴射を行いながら土砂の搬送を行ったときにおける搬送管の有効径の時系列データを模式的に示すグラフである。
図5】(a)は、図3とは別の補助空気装置を示す横断面図である。(b)は、図5(a)の補助空気装置と鋼管とを示す断面図である。
図6】(a)及び(b)は、図2のエジェクタに接続可能なホッパを模式的に示す断面図である。
図7図1の土砂搬送装置のコンプレッサ、切り替え部、管路、及び空気供給路を模式的に示す図である。
図8図1の土砂搬送装置の搬送管の内部に空気を供給する補助空気装置の例を示す断面図である。
図9】変形例に係る補助空気装置を示す図である。
図10図9の補助空気装置を拡大した斜視図である。
図11】変形例に係る空気補助具を示す図である。
図12図1の土砂搬送装置の土砂収容部材を模式的に示す図である。
図13】(a)は、空気の直接噴射を行わずに土砂の搬送を行った実験の結果得られた搬送管の断面図である。(b)は、空気の直接噴射を行って土砂の搬送を行った実験の結果得られた搬送管の断面図である。
図14】(a)は、変形例に係る空気補助具を示す図である。(b)は、図14(a)の空気補助具をエジェクタの鋼管及び搬送管の内部に挿入した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る土砂搬送装置及び土砂搬送方法の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0024】
図1は、本実施形態に係る土砂搬送装置1の概略構成を示す図である。図1に示されるように、土砂搬送装置1は、例えば、工事現場Aにおいて土砂Bを搬送するために用いられる。一例として、工事現場Aでは、建築構造物を造るために地面Gを掘削しており、掘削によって生じた土砂Bが土砂搬送装置1によって搬送される。
【0025】
建築構造物が造られた後には掘削箇所の埋め戻しが土砂Bによって行われることがあり、埋め戻しに必要な土砂Bが土砂搬送装置1によって搬送されてもよい。土砂搬送装置1は、工事現場Aにおいて掘削された土砂B、又は埋め戻しに必要な土砂Bを搬送する土砂搬送システムであってもよい。
【0026】
土砂搬送装置1は、例えば、内部において土砂Bを搬送する第1の搬送管2と、第1の搬送管2に接続された第2の搬送管3と、土砂Bの搬送経路における第2の搬送管3の下流側に位置する第3の搬送管4とを備える。以下では、第1の搬送管2、第2の搬送管3及び第3の搬送管4をまとめて搬送管5と称することがある。
【0027】
例えば、第1の搬送管2は土砂Bを吸引する吸引管であり、第2の搬送管3は第1の搬送管2から吸引された土砂Bを搬送する搬送用ホースである。第1の搬送管2は、例えば、作業者Mに持ち上げられると共に、第1の搬送管2の吸引口が土砂Bに当てられた状態で土砂Bを吸引する。
【0028】
更に、土砂搬送装置1は、第2の搬送管3及び第3の搬送管4の間において土砂Bを搬送する搬送手段10と、搬送管5(第3の搬送管4)の内部に空気を補給する補助空気装置40と、搬送された土砂Bを収容する土砂収容部材70とを備える。補助空気装置40は、コンプレッサ11からの空気の流路を切り替える切り替え部41と、切り替え部41から搬送管5に向かって延びる空気供給路42と、空気供給路42及び搬送管5を互いに接続する接続部45とを備える。補助空気装置40については後に詳述する。
【0029】
搬送手段10は、土砂Bを吸引する鋼管12fを有するエジェクタ12を備える。第3の搬送管4は、例えば、搬送手段10の土砂Bの搬送経路の下流側から延びる搬送用ホースであり、第3の搬送管4の下流側に設けられた土砂収容部材70には第3の搬送管4から排出された土砂Bが蓄積される。土砂収容部材70に蓄積された土砂Bは、例えば、所定の搬送先に搬送される。
【0030】
一例として、第1の搬送管2は硬質の管であり、第2の搬送管3及び第3の搬送管4はフレキシブル管である。「フレキシブル管」は、例えば、手で容易に向きを変えることが可能な程度の可撓性を有する可撓性ホースである。第2の搬送管3及び第3の搬送管4は、例えば、容易に曲げることが可能であり、且つ耐圧性に優れたホースとすることが可能である。第2の搬送管3及び第3の搬送管4は透明であってもよい。この場合、第2の搬送管3及び第3の搬送管4の内部の土砂Bの様子を視認可能とすることができる。
【0031】
例えば、搬送手段10のエジェクタ12は、工事現場Aにおいて地上A1に固定されている。可撓性を有する第2の搬送管3は、第1の搬送管2より長くてもよい。この場合、エジェクタ12を固定させた状態で第2の搬送管3及び第1の搬送管2をより広い範囲に移動させることが可能となる。例えば、搬送管5の長さは、10m以上且つ50m以下(一例として40m程度)である。
【0032】
第1の搬送管2の内部には搬送手段10によって土砂Bが吸引される。搬送手段10は、圧縮空気を送り込むコンプレッサ11と、コンプレッサ11からの圧縮空気を搬送管5(第3の搬送管4)の内部で加速させるエジェクタ12と、コンプレッサ11及びエジェクタ12を互いに接続する管路13とを備える。管路13は、例えば、フレキシブル管(一例としてホース)である。
【0033】
コンプレッサ11は、例えば、トラックに積載されている。コンプレッサ11は、管路13を介して圧縮空気をエジェクタ12に送り込む。エジェクタ12は、コンプレッサ11から管路13を介して送り込まれた圧縮空気を加速させると共に土砂Bの搬送方向Dへの空気流を生じさせる。
【0034】
図2は、エジェクタ12の例を示す部分断面図である。図1及び図2に示されるように、エジェクタ12は、コンプレッサ11からの圧縮空気Kが導入される導入管12bと、導入管12bから分岐する分岐管12cと、分岐管12cの導入管12bとの反対側で合流する合流管12dと、合流管12dから第3の搬送管4まで延びる鋼管12fとを含んでいる。
【0035】
導入管12bの内部には、コンプレッサ11からの圧縮空気Kが送り込まれる。導入管12bの内部に送り込まれた圧縮空気Kは、分岐管12cのそれぞれに流れ、各分岐管12cを経て合流管12dにおいて合流し、その後、鋼管12f及び第3の搬送管4に沿って流れる。
【0036】
エジェクタ12の内部において圧縮空気Kが流れることにより、圧縮空気Kの流れが加速し、エジェクタ12の上流側に位置する第2の搬送管3及び第1の搬送管2の内部に負圧が生じる。この負圧によって、第1の搬送管2の吸引口からエジェクタ12の鋼管12fの内部、及び搬送管5の内部に土砂Bが吸引される。そして、搬送管5の内部において搬送方向Dに土砂Bが搬送される。
【0037】
本実施形態に係る土砂搬送装置1は、図3に示されるように、鋼管12fの内面12gに空気Rを噴射する補助空気装置20を備える。例えば、補助空気装置20は、管状に延びる本体部21と、本体部21の長手方向Lの一端において長手方向Lに交差する方向に開口する空気噴射孔22bを有する空気噴射部22とを備える空気噴射具20Aである。空気噴射具20Aは、例えば、先端がL字状に曲げられたエルボ管である。空気噴射具20Aは、例えば、エジェクタ12から第2の搬送管3が外された状態で鋼管12fの内部に挿入される。
【0038】
空気噴射具20Aは、鋼管12fの内部において鋼管12fの軸線Xが延びる方向である軸線方向Cに沿って移動可能とされている。また、空気噴射具20Aは、軸線Xを中心として回転可能とされている。このように、空気噴射具20Aが軸線方向Cに沿って移動可能であって且つ軸線Xを中心として回転可能であることにより、鋼管12fの内面12gの広い領域に対して空気Rを直接噴射することが可能となる。「直接噴射」とは、空気の噴射口と内面との間に何も介在させずに当該噴射口からの空気が直接当該内面に当たることを意味している。
【0039】
また、補助空気装置20は、空気噴射具20Aを軸線方向Cに沿って移動させる移動機構、及び、軸線Xを中心として空気噴射具20Aを回転させる回転機構の少なくともいずれかと、当該移動機構及び当該回転機構を制御する制御部と、を備えてもよい。この場合、空気噴射具20Aの移動又は回転を自動的に行うことができるので、内面12gへの空気Rの直接噴射をより効率よく行うことが可能となる。
【0040】
本体部21は、棒状を呈する。本体部21の長さ(長手方向Lの長さ)は、例えば、エジェクタ12の長さ(鋼管12fの長さと、エジェクタ12の鋼管12f以外の部分の長さと、を合わせた長さ)以上である。これにより、補助空気装置20の空気噴射部22を鋼管12fの一端から他端まで移動させることが可能となるので、内面12gの全ての領域に対する空気Rの噴射が可能となる。
【0041】
本体部21の幅(外径)をd(mm)、鋼管12fの内径をD(mm)とすると、d/Dの値は、例えば、0.25以上且つ0.80以下であってもよい。d/Dの値が0.80以下であることによって鋼管12fへの空気噴射具20Aの挿入を容易に行うことが可能となる。d/Dの値が0.25以上であることにより、鋼管12fの内部における空気噴射具20Aの移動を安定して行えると共に鋼管12fの内面12gに空気噴射孔22bを近づけやすくすることが可能となる。
【0042】
空気噴射具20Aの空気噴射部22における長手方向Lに交差(一例として直交)する方向の長さをEとすると、E/Dの値は、例えば、0.5以上且つ0.9以下であってもよい。E/Dの値が0.9以下であることによって鋼管12f内における空気噴射具20Aの移動を容易に行うことができる。E/Dの値が0.5以上であることにより、鋼管12fの内面12gへの空気噴射孔22bから空気Rの直接噴射を容易に行うことができる。
【0043】
補助空気装置20(空気噴射具20A)を用いた鋼管12fの内面12gへの空気Rの直接噴射(内面12gの清掃)は、例えば、間欠的に行われる。一例として、補助空気装置20による鋼管12fの内面12gへの空気Rの噴射は、土砂Bの搬送を行っていないときに行われる。
【0044】
図4(a)は、補助空気装置20による鋼管12fの内面12gへの空気Rの直接噴射を行わない場合の鋼管12fの有効径の時系列データを示し、図4(b)は、補助空気装置20による鋼管12fの内面12gへの空気Rの直接噴射を間欠的に行った場合における鋼管12fの有効径の時系列データを示している。「鋼管の有効径」は、例えば、長手方向に直交する平面で鋼管を切断した鋼管の断面の総面積のうち空洞となっている部分の面積(土砂の搬送に有効な部分の面積)の割合を示している。
【0045】
図4(a)に示されるように、鋼管12fの内面12gに対する空気Rの直接噴射を行わずに土砂Bの搬送を行う場合には、時間の経過と共に鋼管12fの内面12gに対する土砂Bの付着が生じ、鋼管12fの有効径が徐々に小さくなる。これに対し、図4(b)に示されるように、鋼管12fの内面12gに対する補助空気装置20による空気Rの直接噴射を定期的に(一定時間おきに)行う場合には、空気Rの直接噴射によって鋼管12fの有効径を回復することが可能である。図4(b)の例では、60秒~300秒の間土砂Bの吸引及び搬送を行った後に、補助空気装置20による空気Rの直接噴射を行った例を示しているが、時間が経過しても鋼管12fの有効径が低下していない(完全に消失することはない)ことが分かる。
【0046】
図3に示されるように、補助空気装置20は、例えば、圧力測定部26と、圧力測定部26による圧力の測定結果に応じて補助空気装置20を制御する制御部27と、補助空気装置20によって空気Rを噴射するタイミングを設定可能なタイミング設定手段28とを備える。圧力測定部26は、鋼管12fに取り付けられてもよい。圧力測定部26は、例えば、鋼管12fの内部の圧力を測定する圧力センサである。一例として、圧力測定部26は、搬送管5又は鋼管12fの外周面に取り付けられた状態で搬送管5又は鋼管12fの内部の圧力を測定する。
【0047】
制御部27は、圧力測定部26によって測定された圧力を電気信号として受信する。そして、制御部27は、圧力測定部26によって測定された圧力に応じて空気噴射具20Aからの空気Rの噴射を制御する。例えば、制御部27は、圧力測定部26によって測定された圧力が閾値以上となったときに空気噴射具20Aに制御信号を入力して空気噴射具20Aに空気Rを噴射させるようにしてもよい。
【0048】
タイミング設定手段28は、例えば、空気噴射具20Aによる空気Rの噴射のタイミングを設定可能とされている。一例として、タイミング設定手段28には、空気Rの噴射時間、及び空気Rの噴射停止時間、を設定可能とされている。更に、タイミング設定手段28には、土砂Bの搬送のタイミング、及び空気噴射具20Aによる空気Rの噴射(清掃)のタイミング、を設定可能とされていてもよい。以上の圧力測定部26、制御部27及びタイミング設定手段28は、後述する補助空気装置30、補助空気装置40、補助空気装置50又は補助空気装置80に設けられていてもよい。
【0049】
図5(a)は、変形例に係る補助空気装置30の横断面を示す図である。図5(b)は、補助空気装置30の側面、及び鋼管12fの断面を示す図である。図5(a)及び図5(b)に示されるように、補助空気装置30は、長手方向Lに沿って延びる本体部31と、本体部31の長手方向Lの一端において長手方向Lに交差する方向に開口する空気噴射孔32bを有する空気噴射部32とを備える空気噴射具30Aである。
【0050】
空気噴射具30Aは、空気噴射具20Aと同様、鋼管12fの内部において鋼管12fの軸線方向Cに沿って移動可能、且つ軸線Xを中心として回転可能とされている。なお、空気噴射具30Aは、空気噴射部32が放射状に形成される複数の空気噴射孔32bを備え、複数の空気噴射孔32bから放射状に空気Rが噴き出されるため、軸線Xを中心として回転させなくても、鋼管12fの内面12gに満遍なく空気Rを噴射することができる。
【0051】
本体部31は、棒状を呈しており、本体部31の長手方向Lの長さは、空気噴射具20Aと同様、エジェクタ12の長さ以上である。本体部31の幅(外径)をf(mm)、鋼管12fの内径をD(mm)とすると、f/Dの値は、例えば、前述したd/Dの値と同様とすることが可能である。
【0052】
空気噴射部32は、例えば、前述した複数の空気噴射孔32bと、本体部31に接続される接続部32cと、空気噴射孔32bから見て接続部32cの反対側に位置する先端部32dとを有する。空気噴射部32は、例えば、円板状を呈する。接続部32cの直径(外径)と、先端部32dの直径(外径)は互いに同一である。
【0053】
空気噴射孔32bが形成されている部分の直径は、接続部32c(先端部32d)の直径よりも小さい。例えば、複数の空気噴射孔32bが空気噴射部32の周方向に沿って並ぶように形成されており、各空気噴射孔32bから空気噴射部32の径方向外側に空気Rが噴射される。補助空気装置30(空気噴射具30A)による鋼管12fの内面12gへの空気Rの噴射は、例えば、補助空気装置20の場合と同様に行われる。
【0054】
図6(a)及び図6(b)は、更なる変形例に係る補助空気装置50を模式的に示す断面図である。補助空気装置50は、例えば、土砂Bが投入されるホッパ60に連結されている。ホッパ60は、例えば、搬送管6を介してエジェクタ12の鋼管12fに連結されている。例示的な搬送管6は、管状とされた一般部6bと、エジェクタ12に連結される拡径部6cとを有する。
【0055】
ホッパ60は、土砂Bが投入される土砂投入部61と、土砂投入部61から下部に延び出すと共に搬送管6の内部空間と連通する空間を有する土砂流入部62と、土砂投入部61及び土砂流入部62の間に介在するシャッターゲート63とを備える。土砂投入部61は、例えば、上方に向かうに従って拡径する載頭円錐形状の筒体とされており、土砂投入部61の外周面には、投入された土砂Bに振動を与えて土砂Bを解すバイブレータ64が固定されている。
【0056】
土砂流入部62は、例えば、箱状を呈する。土砂流入部62は、補助空気装置50が挿通されると共に搬送管6の内部空間に連通する挿通孔62bを有する。挿通孔62bは、例えば、鋼管12fの軸線方向Cに開口しており、挿通孔62bに挿通された補助空気装置50は搬送管6を介してエジェクタ12の鋼管12fの内側に入り込む。
【0057】
シャッターゲート63は、例えば、土砂投入部61の底部に設けられており、土砂投入部61及び土砂流入部62が並ぶ方向に交差する方向(図6では横方向)に出し入れ自在となっている。一例として、シャッターゲート63は、土砂投入部61及び土砂流入部62が並ぶ鉛直方向に交差する水平方向に出し入れ自在とされている。
【0058】
土砂投入部61及び土砂流入部62に対してシャッターゲート63を挿入することによって土砂投入部61から土砂流入部62への土砂Bの流入を遮断可能である。また、土砂投入部61及び土砂流入部62に対してシャッターゲート63を引くことによって土砂投入部61及び土砂流入部62の間の流路を広げて土砂投入部61から土砂流入部62に対して土砂Bが流入する。土砂投入部61及び土砂流入部62に対するシャッターゲート63の挿入量が調整されることによって、土砂投入部61から土砂流入部62への土砂Bの流入量を調整可能である。
【0059】
補助空気装置50は、例えば、管状を呈する空気噴射具50Aである。空気噴射具50Aは、ホッパ60(土砂流入部62)を介してエジェクタ12の鋼管12fに挿入される。空気噴射具50Aは、空気噴射具50Aの長手方向の一端に位置する端面に開口する第1噴射口51と、空気噴射具50Aの側面に開口する第2噴射口52とを有する。
【0060】
第1噴射口51からは、例えば、ホッパ60及び搬送管6を介して鋼管12fの内面に空気Rが噴きつけられる。一例として、第1噴射口51からは、空気Rが広がるように噴き出し、噴き出した空気Rが鋼管12fの内面12gに沿うように噴射される。なお、第1噴射口51からの空気Rは、土砂Bに対して噴射されて土砂Bの搬送を補助してもよい。
【0061】
空気噴射具50Aは、例えば、複数の第2噴射口52を備える。複数の第2噴射口52は、例えば、空気噴射具50Aの周方向に沿って並ぶと共に空気噴射具50Aの長手方向に沿って並んでいる。従って、第2噴射口52が鋼管12fの内面12gに対向するように補助空気装置50が鋼管12fに挿入された状態で各第2噴射口52から空気Rを内面12gに直接噴射することにより、内面12gの広い範囲に対する空気Rの噴射を効率よく行うことが可能となる。また、空気噴射具50Aは鋼管12fに対して軸線方向Cに沿って移動可能とされているので、空気噴射具50Aを移動させながら鋼管12fの内面12gの全体に対して効率よく空気Rを噴射することができる。
【0062】
図1及び図7に示されるように、土砂搬送装置1は、補助空気装置20,30,50と共に、又は補助空気装置20,30,50とは別に補助空気装置40を備える。例えば、搬送管5(第3の搬送管4)は上方に延在する立ち上がり部5bを含んでおり、補助空気装置40は立ち上がり部5bの上流側の部分に空気を噴射する。
【0063】
補助空気装置40の切り替え部41は、例えば、コンプレッサ11からエジェクタ12まで延びる圧縮空気の経路(管路13)に設けられる。一例として、切り替え部41は、空気の流路を切り替える切り替えコック44を備える。例えば、切り替えコック44を手動で切り替えることによって、コンプレッサ11からの圧縮空気の流れを管路13及び空気供給路42のいずれかに切り替えることが可能である。
【0064】
なお、コンプレッサ11から搬送管5(フレキシブル管である第3の搬送管4)に圧縮空気を供給する例に代えて、コンプレッサ11とは別のコンプレッサが搬送管5に圧縮空気を供給してもよい。この場合、補助空気装置は、当該コンプレッサと、当該コンプレッサから搬送管5に圧縮空気を供給する空気供給路を備えればよいので、切り替え部41を不要とすることができ、空気供給部の構成を簡易にすることができる。
【0065】
図1及び図8に示されるように、補助空気装置40は、搬送管5と空気供給路42とを互いに接続する接続部45を備える。一例として、接続部45は、空気供給路42が接続される開口部45bを有するエルボ管である。接続部45は、例えば、開口部45bと、互いに離間する一対の搬送管5(第3の搬送管4)を互いに接続する第1の部分45c及び第2の部分45dとを有する。
【0066】
例えば、第1の部分45cはエルボ管のL字の横の部分(一例として、水平方向に延びる部分)であり、第2の部分45dはエルボ管のL字の縦の部分(一例として、鉛直方向に延びる部分)である。例えば、第1の部分45cには搬送管5の土砂の搬送経路の上流側が接続され、第2の部分45dには搬送管5の土砂の搬送経路の下流側が接続される。
【0067】
開口部45bは、第1の部分45cと第2の部分45dの間に設けられており、例えば、空気供給路42からの空気Rを第2の部分45d及び搬送管5の内部に供給する。空気供給路42は、例えば、ホース又はチューブ等のフレキシブル管であり、嵌合によって開口部45bに接続される。なお、開口部45bに対する空気供給路42の接続構造は、図8の例に限られず適宜変更可能である。
【0068】
前述したように、接続部45の開口部45bに空気供給路42が接続されて空気供給路42を介して空気Rが搬送管5に供給されることにより、立ち上がり部5bがある搬送管5の内面5cに直接空気Rを供給することが可能となる。その結果、搬送管5の内部における土砂Bの閉塞が抑制される。第1の部分45c及び第2の部分45dのそれぞれに対する搬送管5の接続は、例えば、ホースクランプ45fによって行われる。しかしながら、接続部45に対する搬送管5の接続手段は、ホースクランプ45fに限られず、適宜変更可能である。
【0069】
図9は、変形例に係る補助空気装置80を示している。補助空気装置80は、補助空気装置40と同様、例えば、搬送管5の立ち上がり部5bに設けられる。補助空気装置80は、空気噴射具であるエアスコップ(空気掘削具)81と、エアスコップ81からの空気Rを搬送管5に供給する供給管部85とを備える。供給管部85は、例えば、前述した接続部45と同様、立ち上がり部5bの上流側に設けられる。
【0070】
一例として、供給管部85は、エアスコップ81が取り付けられる第1取付部86と、搬送管5におけるエジェクタ12の鋼管12fに接続された部分が取り付けられる第2取付部87と、搬送管5の立ち上がり部5bの部分が取り付けられる第3取付部88とを備える。
【0071】
図10は、供給管部85を拡大させた斜視図である。図10に示されるように、第1取付部86は、供給管部85を覆った状態で供給管部85を封止すると共にエアスコップ81が挿通される弾性部材86bと、弾性部材86bを供給管部85に締め付けるクランプ86cと、弾性部材86bからのエアスコップ81の抜けを防止する紐状部材86dとを備える。
【0072】
弾性部材86bは、エアスコップ81が挿入される挿入孔86fを有する。例えば、挿入孔86fの内径はエアスコップ81の外径以下とされており、エアスコップ81は挿入孔86fに押し込まれた状態で弾性部材86bに保持されている。クランプ86cは供給管部85を覆う弾性部材86bを供給管部85に締め付けている。
【0073】
紐状部材86dは、エアスコップ81に括り付けられる環状部86gと、環状部86gから第3取付部88に向かって延びる曲線部86hと、曲線部86hを供給管部85に縛り付ける環状部86jとを有する。紐状部材86dによってエアスコップ81は供給管部85に括り付けられるので供給管部85からのエアスコップ81の抜けをより確実に抑制することができる。
【0074】
図11は、補助空気装置80のエアスコップ81の例を示している。図11に示されるように、エアスコップ81は、長手方向D1に長く延びると共に、長手方向D1に交差する交差方向D2に一定量延び出している。エアスコップ81は、例えば、エアスコップ81の一端において圧縮空気を受け入れる受け入れ部82と、エアスコップ81の他端に位置しており圧縮空気を噴射する噴射ノズル83と、受け入れ部82及び噴射ノズル83を互いに接続する持ち手84とを備える。
【0075】
一例として、受け入れ部82は、圧縮空気をエアスコップ81に導入する導入管が取り付けられる取付部82bと、取付部82bから延び出すホース82cと、持ち手84に接続されると共に圧縮空気の供給路を開閉するバルブ部82dとを備える。例えば、取付部82bの外周面には雄螺子が形成されており、この雄螺子に上記の導入管のジョイント部の雌螺子が螺合することによって受け入れ部82に当該導入管が接続される。ホース82cは、取付部82bから延びると共に取付部82bに対して90°曲げられている。バルブ部82dは、例えば、ボールコックであり、バルブ部82dの把持部82fが回動することによって圧縮空気の供給路が開閉される。
【0076】
持ち手84は、例えば、バルブ部82dから噴射ノズル83まで直線状に延びている。一例として、持ち手84は、バルブ部82dに接続される第1の管状部84bと、噴射ノズル83に接続される第2の管状部84cと、第1の管状部84b及び第2の管状部84cを互いに接続する第3の管状部84dとを備える。一例として、第1の管状部84b及び第2の管状部84cは共に金属製であり、第3の管状部84dは可撓性材料によって構成されている。
【0077】
噴射ノズル83は、第2の管状部84cの先端に固定された管状部分であり、噴射ノズル83の内部にはエアスコップ81の外部に噴射する圧縮空気が供給される。エアスコップ81の噴射ノズル83は、例えば、供給管部85の内部に挿入されており、供給管部85の内部に位置する噴射ノズル83の先端部83bから供給管部85及び搬送管5の内面に直接空気が噴射される。なお、補助空気装置20の空気噴射具20Aに代えて、エアスコップ81をエジェクタ12の鋼管12fに挿入して鋼管12fの内面12gに直接空気を噴射してもよい。
【0078】
図12は、土砂収容部材70を拡大した側面図である。図1及び図12に示されるように、土砂収容部材70は、土砂Bの搬送経路における搬送管5(第3の搬送管4)の下流側の端部に位置する吐出口4fに設けられている。土砂収容部材70は、例えば、蓋部72と、蓋部72に覆われる容器73と、容器73に収容される袋部材75とを備える。
【0079】
土砂収容部材70は、例えば、ねじ込み管継手71を更に備える。一例として、蓋部72は、搬送管5の内部において搬送された土砂Bが流入する流入部72bと、搬送管5の下流側の端部に位置する吐出口4fが固定される固定部72cと、袋部材75及び容器73を封止する封止部72dとを備える。吐出口4fにはねじ込み管継手71が接続されており、ねじ込み管継手71は固定部72cにねじ込まれる雄螺子部71bを有する。
【0080】
固定部72cは、ねじ込み管継手71を受容する部位であって、ねじ込み管継手71の雄螺子部71bが螺合する雌螺子部72fを有する。固定部72cの雌螺子部72fにねじ込み管継手71の雄螺子部71bが螺合することによって蓋部72にねじ込み管継手71及び搬送管5が固定される。
【0081】
流入部72bは、流入した土砂Bが衝突する衝突部72gを備える。衝突部72gは、例えば、土砂Bの搬送方向、及び土砂Bの落下方向(例えば鉛直下方)の双方に対して傾斜する傾斜部72hを含む。流入部72bに流入した土砂Bは、衝突部72gの傾斜部72hに当たって搬送方向から落下方向に方向転換した後に袋部材75に入り込む。
【0082】
一例として、傾斜部72hは、土砂Bが衝突するゴム板を含んでいてもよい。この場合、土砂Bは、傾斜部72hのゴム板に当たるので、蓋部72に対する土砂Bの衝撃が当該ゴム板によって緩和される。しかしながら、例えば土砂Bの粒径が小さく、傾斜部72hへの衝撃力が大きくない場合には、傾斜部72hがゴム板を有しなくても、傾斜部72hに細かい土砂Bが付着することによって当該土砂Bがクッションとして機能する。
【0083】
上記では、ねじ込み管継手71を備える土砂収容部材70について説明した。しかしながら、土砂収容部材70は、ねじ込み管継手71以外の手段(例えば、テープ)によって、搬送管5(第3の搬送管4)の吐出口4fに接続されてもよい。土砂収容部材の構成については、前述した土砂収容部材70の例に限られず、適宜変更可能である。
【0084】
次に、本実施形態に係る土砂搬送方法について説明する。まず、図1に示されるように、搬送管5(第1の搬送管2、第2の搬送管3及び第3の搬送管4)並びに搬送手段10を用意して、第1の搬送管2、第2の搬送管3、エジェクタ12(鋼管12f)及び第3の搬送管4を互いに接続して土砂搬送装置1を設置する(設置する工程)。このとき、エジェクタ12に管路13を介してコンプレッサ11を接続すると共に、管路13及び搬送管5(第3の搬送管4)に補助空気装置40を設置する。
【0085】
以上のように土砂搬送装置1の設置を終えた後には、第1の搬送管2の吸引口を土砂Bに当ててコンプレッサ11からエジェクタ12の鋼管12fに圧縮空気を送り込むことにより、エジェクタ12を稼動させる。エジェクタ12が稼動すると、当該吸引口から搬送管5に土砂Bが吸引され、搬送管5の内部における土砂Bの搬送が行われる(搬送する工程)。
【0086】
このとき、補助空気装置40が搬送管5における立ち上がり部5bの上流側の部分に空気を送って当該部分における土砂Bの詰まりを抑制してもよい。この場合、立ち上がり部5bの上流側の部分に土砂Bが詰まりそうになった場合でも、補助空気装置40による搬送管5の内面への空気の直接噴射によって立ち上がり部5bにおける詰まりが抑制される(内面に直接空気を噴射する工程)。
【0087】
例えば、第3の搬送管4を通った土砂Bは、吐出口4fを通って土砂収容部材70に収容される。土砂Bは、土砂収容部材70の袋部材75に蓄積される。袋部材75の内部に土砂Bが満杯になった後には、一旦土砂Bの吸引を停止する。そして、満杯になった袋部材75を別の袋部材75に交換し、再度、土砂Bの吸引及び搬送を実行する。
【0088】
図1及び図3に示されるように、例えば、土砂Bの搬送を開始して一定時間(一例として60秒~300秒)経過した後に鋼管12fから第2の搬送管3を外して鋼管12fに補助空気装置20(空気噴射具20A)を挿入する。そして、補助空気装置20を軸線方向Cに沿って移動させると共に軸線Xを中心として補助空気装置20を回転させながら鋼管12fの内面12gに空気Rを噴射して内面12gの清掃を行う。このように、エジェクタ12の鋼管12fの内面12gに空気Rを噴射していく(内面に直接空気を噴射する工程)。
【0089】
以上のように、鋼管12fの内面12gへの空気Rの噴射を終えた後には、再度第2の搬送管3を鋼管12fに接続し、前述したように土砂Bの搬送を再度行う。以上のように、鋼管12fの内面12gへの空気Rの直接噴射と、土砂Bの搬送とを繰り返す。そして、全ての土砂Bの吸引及び搬送を行った後に一連の工程が完了する。
【0090】
次に、本実施形態に係る土砂搬送装置1及び土砂搬送方法の作用効果について詳細に説明する。本実施形態に係る土砂搬送装置1及び土砂搬送方法では、土砂Bを搬送する搬送管5、鋼管12fを有するエジェクタ12及びコンプレッサ11を含んでおり、コンプレッサ11がエジェクタ12の鋼管12fに圧縮空気を供給することによってエジェクタ12の鋼管12fが土砂Bを吸入して搬送管5に土砂Bが搬送される。従って、エジェクタ12の鋼管12fにコンプレッサ11から圧縮空気を送り込むことによって土砂Bの吸引及び搬送を行うことができる。
【0091】
そして、土砂搬送装置1は、コンプレッサ11及びエジェクタ12とは別に搬送管5及び鋼管12fの少なくともいずれかの内面に直接空気Rを噴射する補助空気装置20(補助空気装置40)を備える。従って、コンプレッサ11及びエジェクタ12とは別に内面に直接空気Rを噴射する補助空気装置20(補助空気装置40)を備えることにより、内面への土砂Bの付着を除去できるので、搬送管5の内部への詰まりを生じにくくすることができる。
【0092】
また、補助空気装置20(補助空気装置40)がエジェクタ12とは別に設けられることにより、特殊なエジェクタを用意する必要がなく、エジェクタ12としては既製のものを用いることができる。よって、補助空気装置20(補助空気装置40)が内面に空気Rを直接噴射するので、当該内面への付着を除去して搬送管5の内部における土砂Bの詰まりを生じにくくすることができる。従って、土砂Bの搬送性を向上させることができる。
【0093】
補助空気装置20は、鋼管12fの内面12gに空気Rを間欠的に噴射してもよい。この場合、エジェクタ12の鋼管12fに空気Rを直接噴射するので、空気Rの噴射に伴って土砂Bが詰まりやすいエジェクタ12の鋼管12fと搬送管5(第3の搬送管4)との境目部分に空気Rが流れ込むことにより、詰まりやすい箇所に対する土砂Bの付着を効果的に抑制することができる。また、エジェクタ12の鋼管12fの内面12gに間欠的に空気Rを噴射することにより、土砂Bの搬送と空気Rの噴射とのタイミングを分けることが可能となる。
【0094】
補助空気装置20は、管状に延びる本体部21と、本体部21の長手方向Lの一端において長手方向Lに交差する方向に開口する空気噴射孔22bを有する空気噴射部22と、を有する空気噴射具20Aであり、空気噴射具20Aは、空気噴射部22から内面12gに空気Rを直接噴射してもよい。この場合、長手方向Lに交差する方向に開口する空気噴射孔22bを有する空気噴射具20Aがエジェクタ12の鋼管12f又は搬送管5の内部に挿入され、鋼管12f又は搬送管5の内面に空気噴射孔22bから直接空気Rが噴射される。従って、当該内面に空気噴射孔22bを近づけた状態で当該内面に直接空気Rを噴射することができるので、当該内面への土砂Bの付着をより確実に抑制することができる。
【0095】
空気噴射具20Aは、エジェクタ12の鋼管12fにおいて鋼管12fの軸線方向Cに沿って移動可能とされており、軸線方向Cに移動しながら内面12gに空気Rを直接噴射してもよい。この場合、鋼管12fの軸線方向Cに沿って空気噴射具20Aを移動させながら鋼管12fの内面12gに空気Rを直接噴射できるので、鋼管12f、及び鋼管12fに接続される搬送管5における土砂Bの付着をより効果的に抑制することができる。
【0096】
空気噴射具20Aは、軸線方向Cに移動すると共に鋼管12fの軸線Xを中心として回転しながら内面12gに空気Rを直接噴射してもよい。この場合、空気噴射具20Aを回転させながら鋼管12fの内面12gに空気Rを直接噴射することにより、鋼管12fの内面12gに満遍なく空気Rを噴射することができる。更に、回転させながら空気Rを噴射することにより、エルボ管のような簡易な構成を有する空気噴射具20Aを用いた場合であっても回転によって満遍なく空気Rを噴射させることができる。
【0097】
前述したように、土砂搬送装置1は、圧力測定部26と、圧力測定部26による圧力の測定結果に応じて補助空気装置20を制御する制御部27と、を備えてもよい。この場合、搬送管5の内部の圧力に応じて制御部27が補助空気装置20を制御するので、圧力に応じた空気Rの噴射を行うことができる。従って、制御部27が測定された圧力に応じて空気Rの噴射を制御することにより、内面12gへの空気噴射を効率よく自動的に行うことができる。
【0098】
土砂搬送装置1は、エジェクタ12が土砂Bを搬送するタイミングと、補助空気装置20が内面12gに空気Rを直接噴射するタイミングとを設定可能なタイミング設定手段28を備えてもよい。この場合、タイミング設定手段28によって、土砂Bの搬送のタイミングと、内面12gへの空気Rの噴射のタイミングとを設定することが可能となる。従って、予め設定されたサイクルで土砂Bの搬送、及び内面12gへの空気Rの噴射を行うことができるので、内面12gへの土砂Bの付着を除去しつつ土砂Bの搬送を効率的に行うことができる。以上の効果は、補助空気装置20からだけでなく、補助空気装置30、補助空気装置40、補助空気装置50及び補助空気装置80からも同様に得られる。
【0099】
エジェクタ12が土砂Bを搬送すると共に、例えば、補助空気装置40、補助空気装置50又は補助空気装置80が内面に空気Rを直接噴射してもよい。この場合、エジェクタ12の吸引による土砂Bの搬送、及び補助空気装置40,50,80による内面への空気噴射を共に行うことが可能となる。従って、内面への空気噴射を行って当該内面への土砂Bの付着を除去しつつ土砂Bの搬送を行うことができるので、土砂Bの搬送を更に効率的に行うことができる。
【0100】
搬送管5は、上方に延在する立ち上がり部5bを含んでおり、補助空気装置40,80は、搬送管5の土砂Bの搬送経路における立ち上がり部5bの上流側の部分に空気Rを噴射してもよい。搬送管5が上方に延在する立ち上がり部5bを備える場合、立ち上がり部5bの上流側の部分で土砂Bの詰まりが生じやすくなることがある。しかしながら、本実施形態のように立ち上がり部5bの上流側の部分に空気を噴射する場合、詰まりやすい当該上流側の部分に直接空気を噴射できる。従って、土砂Bが詰まりやすい箇所に直接空気噴射を行うことができるので、土砂Bの搬送性を一層高めることができる。
【0101】
(実施例)
次に、土砂搬送装置1の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例の記載に限定されない。図4(b)に示されるように、実施例に係る土砂搬送装置1では、土砂Bの搬送を90秒行った後に、補助空気装置20による鋼管12fの内面12gへの空気Rの直接噴射を30秒行うサイクルを10サイクル(20分間)実行した。一方、比較例に係る土砂搬送装置では、土砂Bの搬送のみを20分間実行した。その実験の結果を図13(a)及び図13(b)に示す。
【0102】
図13(a)に示されるように、比較例の土砂搬送装置では、鋼管12fの内部に土砂Bの詰まりが生じており、1時間あたりにおける土砂Bの搬送量は0.3m/hであった。これに対し、実施例の土砂搬送装置1では、図13(b)に示されるように、20分間経過しても鋼管12fの内部に土砂Bの詰まりが生じておらず、1時間あたりにおける土砂Bの搬送量は0.9m/hであった。このように、実施例に係る土砂搬送装置1では、鋼管12fの内部における土砂Bの詰まりを抑制できると共に、土砂Bの搬送量を比較例の場合の3倍程度多くできることが分かった。
【0103】
以上、本開示に係る土砂搬送装置及び土砂搬送方法の実施形態及び実施例について説明した。しかしながら、本開示は、前述した実施形態又は実施例に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、土砂搬送装置の各部の形状、大きさ、数、材料及び配置態様、並びに、土砂搬送方法の各工程の内容及び順序は、上記の要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0104】
例えば、前述の実施形態では、管状の本体部21及び空気噴射部22を備えるL形の補助空気装置20を備える例について説明した。しかしながら、補助空気装置の態様は、補助空気装置20に限定されない。例えば、図14(a)及び図14(b)に示されるように、コンプレッサ等の空気供給部91、空気供給部91からの空気を通すホース92、及びホース92を通る空気Rを噴射する噴射部93を有する補助空気装置90を備えていてもよい。
【0105】
ホース92の幅(外径)は、鋼管12fの内径、及び搬送管5の内径よりも小さい。ホース92は、空気供給部91から延び出しており、例えば、容易に変形させることが可能な可撓性材料によって構成されている。ホース92の一端に空気供給部91が接続されており、ホース92の他端に噴射部93が接続されている。噴射部93は、例えば、鋼管12fの内径、及び搬送管5の内径よりも小さい外径を有する球状を呈する。
【0106】
噴射部93は、ホース92から拡張する拡張部93bと、拡張部93bから窪むと共に所定の方向に沿って複数の空気噴射孔93dが並ぶように形成された凹部93cとを有する。凹部93cは、例えば、搬送管5(鋼管12f)の周方向に沿って延びており、凹部93cの底面には当該周方向に沿って並ぶ複数の空気噴射孔93dが形成されている。
【0107】
以上の補助空気装置90の噴射部93及びホース92を、前述した補助空気装置20等と同様に、鋼管12f及び搬送管5に挿入し、噴射部93の空気噴射孔93dから空気Rを放射状に噴射させることによって、搬送管5の内面5c、及び鋼管12fの内面12g、に空気Rを効率よく直接噴射できる。このように空気Rを噴射しながらホース92を鋼管12fの方に引いていくことにより、軸線方向Cに噴射部93を移動させながら空気Rを噴射させることが可能となる。従って、内面5c及び内面12gへの効率の良い空気Rの噴射が可能となる。
【0108】
また、前述の実施形態では、第1の搬送管2、第2の搬送管3及び第3の搬送管4を備える搬送管5について例示した。しかしながら、搬送管の構成は、当該例示に限られず、適宜変更可能である。更に、前述の実施形態では、ねじ込み管継手71、蓋部72、容器73及び袋部材75を備える土砂収容部材70について例示した。しかしながら、土砂収容部材の構成は、上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0109】
また、土砂搬送装置は、土砂収容部材を有しなくてもよい。例えば、前述の実施形態では、工事現場Aにおいて用いられる土砂Bの土砂搬送装置1及び土砂搬送方法について説明した。しかしながら、本開示に係る土砂搬送装置及び土砂搬送方法は、工事現場以外の場所で用いられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0110】
1…土砂搬送装置、2…第1の搬送管、2b…吸引口、3…第2の搬送管、4…第3の搬送管、4f…吐出口、5…搬送管、5b…立ち上がり部、5c…内面、6…搬送管、6b…一般部、6c…拡径部、10…搬送手段、11…コンプレッサ、12…エジェクタ、12b…導入管、12c…分岐管、12d…合流管、12f…鋼管、12g…内面、13…管路、20,30,40,50,80,90…補助空気装置、20A,30A,50A…空気噴射具、21,31…本体部、22,32…空気噴射部、22b,32b…空気噴射孔、26…圧力測定部、27…制御部、28…タイミング設定手段、32c…接続部、32d…先端部、41…切り替え部、42…空気供給路、43…分岐管、44…切り替えコック、45…接続部、45b…開口部、45c…第1の部分、45d…第2の部分、45f…ホースクランプ、51…第1噴射口、52…第2噴射口、60…ホッパ、61…土砂投入部、62…土砂流入部、62b…挿通孔、63…シャッターゲート、64…バイブレータ、70…土砂収容部材、71…ねじ込み管継手、71b…雄螺子部、72…蓋部、72b…流入部、72c…固定部、72d…封止部、72f…雌螺子部、72g…衝突部、72h…傾斜部、73…容器、75…袋部材、81…エアスコップ、82…受け入れ部、82b…取付部、82c…ホース、82d…バルブ部、82f…把持部、83…噴射ノズル、83b…先端部、84…持ち手、84b…第1の管状部、84c…第2の管状部、84d…第3の管状部、85…供給管部、86…第1取付部、86b…弾性部材、86c…クランプ、86d…紐状部材、86f…挿入孔、86g…環状部、86h…曲線部、86j…環状部、87…第2取付部、88…第3取付部、91…空気供給部、92…ホース、93…噴射部、93b…拡張部、93c…凹部、93d…空気噴射孔、A…工事現場、A1…地上、B…土砂、C…軸線方向、D…搬送方向、D1…長手方向、D2…交差方向、G…地面、K…圧縮空気、L…長手方向、M…作業者、R…空気、X…軸線。
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