IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 花王株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図1
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図2
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図3
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図4
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図5
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図6
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図7
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図8
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図9
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図10
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図11
  • 特許-吸収体及びその製造方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】吸収体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/534 20060101AFI20231213BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20231213BHJP
   A61F 13/535 20060101ALI20231213BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
A61F13/534 100
A61F13/53 100
A61F13/534 110
A61F13/535 200
A61F13/15 321
A61F13/15 323
A61F13/15 391
A61F13/15 355A
A61F13/15 357
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020198893
(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公開番号】P2021098002
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】P 2019231046
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 賢司
(72)【発明者】
【氏名】木崎 康泰
(72)【発明者】
【氏名】千葉 祥悟
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 貴仁
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-193207(JP,A)
【文献】特開2018-050987(JP,A)
【文献】特開2005-059579(JP,A)
【文献】特開2014-068813(JP,A)
【文献】特開2013-046663(JP,A)
【文献】特開2010-227543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品に用いられ、吸水性材料を含有する吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体であって、
前記吸収性コアは、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コアと、該第1コアの肌対向面又は非肌対向面に接触し、該第1コアよりも厚みが薄い第2コアとを有し、
前記第1コアは、前記コアラップシートと前記第2コアとの間に介在配置され、
前記第2コアは、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されており、
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側及び該第1コアを挟んで前記横方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートと前記第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が、一組以上の対となって存在しており、
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分が、前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっており、
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分で且つ該第1コアの形成材料が存在する部分を前記圧縮された状態から解放したときの、前記吸収体の該部分での厚みは、該圧縮された状態からの解放前に比べて厚く、両者の厚み差が、0.08mm以上1.00mm以下である、吸収体。
【請求項2】
着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品に用いられ、吸水性材料を含有する吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体であって、
前記吸収性コアは、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コアと、該第1コアの肌対向面又は非肌対向面に接触し、該第1コアよりも厚みが薄い第2コアとを有し、
前記第1コアは、前記コアラップシートと前記第2コアとの間に介在配置され、
前記第2コアは、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されており、
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側及び該第1コアを挟んで前記横方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートと前記第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が、一組以上の対となって存在しており、
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分が、前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっており、
前記第1コアは、該第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分に、該第1コアの厚み方向の全域にわたって該第1コアの形成材料が存在しない形成材料非存在部を有し、
前記形成材料非存在部において、前記コアラップシートと前記第2コアとが接合されている、吸収体。
【請求項3】
前記第1コアを挟んで前記横方向の両側に、前記接合部の対が一組存在するか、又は
前記第1コアを挟んで前記横方向の両側に、前記接合部の対が複数組存在し、且つその複数の接合部の対が前記縦方向に間欠配置されているか、又は
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側に、前記接合部の対が一組存在するか、又は
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側に、前記接合部の対が複数組存在し、且つその複数の接合部の対が前記横方向に間欠配置されている、請求項1又は2に記載の吸収体。
【請求項4】
前記第2コア又は前記コアラップシートにおける前記接合部の対に挟まれた部分は、前記縦方向に張力がかかった状態である、請求項1~3の何れか1項に記載の吸収体。
【請求項5】
前記第1コアの坪量が、50g/m 以上250g/m 以下である、請求項1~4の何れか1項に記載の吸収体。
【請求項6】
前記第1コアに吸水性ポリマーが含有されており、
前記第1コアは、前記第2コアに比べて、吸水性ポリマーの坪量が大きい、請求項1~の何れか1項に記載の吸収体。
【請求項7】
着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品に用いられ、吸水性材料を含有する吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体で、
前記吸収性コアは、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コアと、該第1コアの肌対向面又は非肌対向面に接触し、該第1コアよりも厚みが薄い第2コアとを有し、
前記第1コアは、前記コアラップシートと前記第2コアとの間に介在配置され、
前記第2コアは、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されており、
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側及び該第1コアを挟んで前記横方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートと前記第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が、一組以上の対となって存在しており、
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分が、前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっている、吸収体の製造方法であって、
一方向に搬送される前記コアラップシート上に前記第1コアを配置する、第1コア配置工程と、
前記第1コアが配置され一方向に搬送される前記コアラップシートに、該第1コア側から前記第2コアを供給し、該第1コアを覆うように該コアラップシート上に配置する、第2コア配置工程とを有し、
前記第1コア配置工程では、前記コアラップシート上に配置された前記第1コアを挟んで該コアラップシートの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、該コアラップシートの該第1コアとの非重複部が存在するように、該第1コアを配置し、
前記第2コア配置工程では、前記コアラップシート上に配置された前記第1コアを挟んで該コアラップシートの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記第2コアの該第1コアとの非重複部が存在するように、該第2コアを配置し、且つ
前記第2コアで前記第1コアを前記コアラップシート側に押圧することで該第1コアを厚み方向に圧縮しつつ、該第1コアを挟んで前記搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで前記搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側にて、該コアラップシート及び該第2コアそれぞれの前記非重複部どうしを接合して前記接合部の対を形成し、
前記第2コア配置工程では、前記第2コアによる前記第1コアの圧縮を、搬送時の張力がかかっている状態の該第2コアで該第1コアを押圧することによって実施する、吸収体の製造方法。
【請求項8】
前記第2コア配置工程では、前記第1コア上に前記第2コアを重ねつつ、該第2コアを押圧ロールで該第1コア側に押圧する、請求項7に記載の吸収体の製造方法。
【請求項9】
前記コアラップシートは、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段の該搬送面上に配置されて搬送され、
前記第2コア配置工程では、前記搬送手段による吸引により、前記コアラップシートを前記搬送面に吸着させるとともに、前記第2コアの前記第1コアとの非重複部を、該搬送面に吸着された該コアラップシートに吸着させ、該コアラップシート及びこれに吸着する該第2コアの少なくとも一方に予め付与された接着剤によって両者を接合する、請求項7又は8に記載の吸収体の製造方法。
【請求項10】
着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品に用いられ、吸水性材料を含有する吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体で、
前記吸収性コアは、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コアと、該第1コアの肌対向面又は非肌対向面に接触し、該第1コアよりも厚みが薄い第2コアとを有し、
前記第1コアは、前記コアラップシートと前記第2コアとの間に介在配置され、
前記第2コアは、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されており、
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側及び該第1コアを挟んで前記横方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートと前記第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が、一組以上の対となって存在しており、
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分が、前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっている、吸収体の製造方法であって、
一方向に搬送される前記第2コア上に前記第1コアを配置する、第1コア配置工程と、
前記第1コアが配置され一方向に搬送される前記第2コアに、該第1コア側から前記コアラップシートを供給し、該第1コアを覆うように該第2コア上に配置する、コアラップシート配置工程とを有し、
前記第1コア配置工程では、前記第2コア上に配置された前記第1コアを挟んで該第2コアの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、該第2コアの該第1コアとの非重複部が存在するように、該第1コアを配置し、
前記コアラップシート配置工程では、前記第2コア上に配置された前記第1コアを挟んで該第2コアの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートの該第1コアとの非重複部が存在するように、該コアラップシートを配置し、且つ
前記コアラップシートで前記第1コアを前記第2コア側に押圧することで該第1コアを厚み方向に圧縮しつつ、該第1コアを挟んで前記搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで前記搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側にて、該第2コア及び該コアラップシートそれぞれの前記非重複部どうしを接合して前記接合部の対を形成し、
前記コアラップシート配置工程では、前記コアラップシートによる前記第1コアの圧縮を、搬送時の張力がかかっている状態の該コアラップシートで該第1コアを押圧することによって実施する、吸収体の製造方法。
【請求項11】
前記コアラップシート配置工程では、前記第1コア上に前記コアラップシートを重ねつつ、該コアラップシートを押圧ロールで該第1コア側に押圧する、請求項10に記載の吸収体の製造方法。
【請求項12】
前記第2コアは、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段の該搬送面上に配置されて搬送され、
前記コアラップシート配置工程では、前記搬送手段による吸引により、前記第2コアを前記搬送面に吸着させるとともに、前記コアラップシートの前記第1コアとの非重複部を、該搬送面に吸着された該第2コアに吸着させ、該第2コア及びこれに吸着する該コアラップシートの少なくとも一方に予め付与された接着剤によって両者を接合する、請求項10又は11に記載の吸収体の製造方法。
【請求項13】
前記第2コアを構成する2枚の前記基材シートのうち、前記第1コア配置工程で前記第1コアが配置される面とは反対側の面を形成する一方の基材シートの方が、他方の基材シートに比べて、前記搬送直交方向の長さが長く、該一方の基材シートは、該他方の基材シートの前記搬送方向に沿う両側縁から該搬送直交方向の外方に延出する、延出部を有しており、
前記コアラップシート配置工程の後に、前記一方の基材シートの前記延出部を前記コアラップシートに巻きかける、請求項10~12の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる吸収体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品に用いられる吸収体として、木材パルプなどの繊維材料の積繊体からなるものが広く用いられており、該積繊体に吸水性ポリマーが含有させたものも広く知られている。このような繊維材料の積繊体からなる吸収体は、比較的嵩高で厚みが厚いため、クッション性等に優れる反面、嵩張るために、吸収性物品の外観がスッキリせず見栄えが悪くなる、吸収性物品の着用者にゴワゴワとした違和感を与える等の問題があった。特に、吸収性物品の着用中に着用者が尿や経血等の体液を排泄した場合、吸収体はその排泄物を吸収保持することで膨潤するため、斯かる問題は一層深刻なものとなる。そこで、吸収体の薄型化が検討されている。
【0003】
吸収体の薄型化に関する従来技術として、例えば特許文献1には、パルプ及び吸水性ポリマーからなる上層吸収体と、該上層吸収体の非肌対向面側に隣接して配置され、2層のシート間に吸水性ポリマーが配置されてなる下層吸収体とから構成された吸収体が記載されている。特許文献1に記載の吸収体によれば、ポリマーシートからなる前記下層吸収体を設けることで薄型でありながら十分な吸収量が確保できるようになり、また、前記上層吸収体にも吸水性ポリマーが含まれているため、パルプのみからなる場合の液保持しにくく逆戻りが生じるという問題が解決できるとされている。
【0004】
特許文献2には、特許文献1に記載の下層吸収体と同様の構成のシート状吸水体の製造方法が記載されている。特許文献2に記載のシート状吸水体は、接着剤が塗布された基材シートと被覆シートとの間に、高吸水性樹脂粒子層が挟み込まれて接着一体化されてなるもので、該シート状吸水体の製造方法は、該基材シートと粉粒体層と該被覆シートとを、それぞれをロール面に抱かせた状態で移動させながら、該基材シートに該粉粒体層を転写させた後に、該基材シートと該粉粒体層と該被覆シートとを接着一体化する工程を有し、この接着一体化ではプレスロールを用いて各シートないし層を圧着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-50987号公報
【文献】特開2005-59579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、厚みを薄くしても十分な吸収容量を確保することができ、且つ排泄物を吸収しても膨潤しにくく柔軟で保形性に優れる吸収体を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品に用いられ、吸水性材料を含有する吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体である。
本発明の吸収体の一実施形態においては、前記吸収性コアは、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コアと、該第1コアの肌対向面又は非肌対向面に接触し、該第1コアよりも厚みが薄い第2コアとを有する。
本発明の吸収体の一実施形態においては、前記第1コアは、前記コアラップシートと前記第2コアとの間に介在配置される。
本発明の吸収体の一実施形態においては、前記第2コアは、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されている。
本発明の吸収体の一実施形態においては、前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側及び該第1コアを挟んで前記横方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートと前記第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が、一組以上の対となって存在している。
本発明の吸収体の一実施形態においては、前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分が、前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっている。
【0008】
また本発明は、下記(製造目的物の説明)に記載の吸収体の製造方法であって、一方向に搬送される前記コアラップシート上に前記第1コアを配置する、第1コア配置工程と、前記第1コアが配置され一方向に搬送される前記コアラップシートに、該第1コア側から前記第2コアを供給し、該第1コアを覆うように該コアラップシート上に配置する、第2コア配置工程とを有する。
本発明の吸収体の製造方法の一実施形態においては、前記第1コア配置工程では、前記コアラップシート上に配置された前記第1コアを挟んで該コアラップシートの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、該コアラップシートの該第1コアとの非重複部が存在するように、該第1コアを配置する。
本発明の吸収体の製造方法の一実施形態においては、前記第2コア配置工程では、前記コアラップシート上に配置された前記第1コアを挟んで該コアラップシートの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記第2コアの該第1コアとの非重複部が存在するように、該第2コアを配置する。
本発明の吸収体の製造方法の一実施形態においては、前記第2コア配置工程では、前記第2コアで前記第1コアを前記コアラップシート側に押圧することで該第1コアを厚み方向に圧縮しつつ、該第1コアを挟んで前記搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで前記搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側にて、該コアラップシート及び該第2コアそれぞれの前記非重複部どうしを接合して前記接合部の対を形成する。
【0009】
また本発明は、下記(製造目的物の説明)に記載の吸収体の製造方法であって、一方向に搬送される前記第2コア上に前記第1コアを配置する、第1コア配置工程と、前記第1コアが配置され一方向に搬送される前記第2コアに、該第1コア側から前記コアラップシートを供給し、該第1コアを覆うように該第2コア上に配置する、コアラップシート配置工程とを有する。
本発明の吸収体の製造方法の一実施形態においては、前記第1コア配置工程では、前記第2コア上に配置された前記第1コアを挟んで該第2コアの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、該第2コアの該第1コアとの非重複部が存在するように、該第1コアを配置する。
本発明の吸収体の製造方法の一実施形態においては、前記コアラップシート配置工程では更に、前記第2コア上に配置された前記第1コアを挟んで該第2コアの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートの該第1コアとの非重複部が存在するように、該コアラップシートを配置する。
本発明の吸収体の製造方法の一実施形態においては、前記コアラップシート配置工程では更に、前記コアラップシートで前記第1コアを前記第2コア側に押圧することで該第1コアを厚み方向に圧縮しつつ、該第1コアを挟んで前記搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで前記搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側にて、該第2コア及び該コアラップシートそれぞれの前記非重複部どうしを接合して前記接合部の対を形成する。
【0010】
(製造目的物の説明)
着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品に用いられ、吸水性材料を含有する吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体で、
前記吸収性コアは、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コアと、該第1コアの肌対向面又は非肌対向面に接触し、該第1コアよりも厚みが薄い第2コアとを有し、
前記第1コアは、前記コアラップシートと前記第2コアとの間に介在配置され、
前記第2コアは、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されており、
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側及び該第1コアを挟んで前記横方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートと前記第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が、一組以上の対となって存在しており、
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分が、前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、厚みを薄くしても十分な吸収容量を確保することができ、且つ排泄物を吸収しても膨潤しにくく柔軟で保形性に優れる吸収体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の製造方法によって製造される吸収体の一例の模式的な斜視図である。
図2図2は、図1のI-I線断面を模式的に示す横断面図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、それぞれ、本発明の吸収体におけるコアラップシートと第2コアとの接合部のパターンの一例を示す図であり、該吸収体の肌対向面側の模式的な平面図である。
図4図4は、本発明の製造方法の第1実施形態の実施に使用可能な装置の全体概略図である。
図5図5は、図4に示す装置でのコアラップシートにおける接着剤の塗布パターンの一例を模式的に示す平面図である。
図6図6は、図4に示す装置の第2コア製造部において、散布手段の下方で2枚の基材シートどうしが重ね合わされる直前の様子を模式的に示す平面図である。
図7図7は、図4に示す装置の第2コア製造部での吸水性ポリマーの基材シートに対する散布パターンを模式的に示す平面図である。
図8図8は、図4の符号P1で示す位置(第1コアと第2コアとの合流位置)での被搬送物(コアラップシートと第1コアと第2コアとの積層物)の搬送直交方向に沿う断面を模式的に示す横断面図である。
図9図9は、図4の符号P2で示す位置(コアラップシートの折り返し手段よりも搬送方向下流側)での被搬送物(長尺の吸収体)の搬送直交方向に沿う断面を模式的に示す横断面図である。
図10図10は、本発明の製造方法の第2実施形態の図8相当図であり、第1コアとコアラップシートとの合流位置での被搬送物(第2コアと第1コアとコアラップシートとの積層物)の搬送直交方向に沿う断面を模式的に示す横断面図である。
図11図11は、本発明の製造方法の第3実施形態の図8相当図であり、第1コアとコアラップシートとの合流位置での被搬送物(第2コアと第1コアとコアラップシートとの積層物)の搬送直交方向に沿う断面を模式的に示す横断面図である。
図12図12は、各実施例及び比較例の吸収体を用いて作製されたパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側の模式的な展開平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
【0014】
図1及び図2には、本発明の製造方法の製造目的物である吸収体の一例である吸収体1が示され、図4には、本発明の製造方法の一例である吸収体1の製造方法の概略が示されている。吸収体1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有する吸収性物品(図示せず)において、尿、便、経血、汗等の排泄物(体液)を吸収保持するのに用いられるもので、吸水性材料を含有する吸収性コア2と、該吸収性コア2の外面を被覆する液透過性のコアラップシート5とを有する。
【0015】
吸収体1及びこれを構成する吸収性コア2は、図1に示すように、縦方向Xに長い形状をなし、両者の長手方向は縦方向Xに一致し、両者の幅方向(長手方向と直交する方向)は横方向Yに一致している。また縦方向Xは、吸収体1の製造時における搬送方向(以下、「MD」ともいう。Machine Directionの略である。)に一致し、横方向Yは、MDと直交する搬送直交方向(以下、「CD」ともいう。Cross Machine Directionの略である。)に一致する。
【0016】
吸収性コア2は、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コア3と、該第1コア3の肌対向面3a又は非肌対向面3bに接触し、該第1コア3よりも厚みが薄い第2コア4とを有する。本明細書において、「肌対向面」は、吸収体又はその構成部材(例えば第1コア3、第2コア4)における、使用時(吸収体が組み込まれた吸収性物品の着用時)に使用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に使用者の肌から近い側であり、「非肌対向面」は、吸収体又はその構成部材における、使用時に肌側とは反対側に向けられる面、すなわち相対的に使用者の肌から遠い側である。
【0017】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、第2コア4は、第1コア3の非肌対向面3bに接触している。すなわち本実施形態では、第1コア3の方が第2コア4よりも使用者の肌に近い側に配されており、したがって、第1コア3の方が第2コア4よりも先に、吸収体1が吸収すべき排泄物と接触する。
【0018】
本実施形態では、コアラップシート5は1枚のシートであり、コアラップシート5の横方向Yの長さ(幅)は、吸収性コア2のそれの1.1倍以上3倍以下である。コアラップシート5は、吸収性コア2の肌対向面(第1コア3の肌対向面3a、第2コア4の肌対向面4a)の全域を被覆し、且つ吸収性コア2の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア2の非肌対向面側に巻きかけられて、吸収性コア2の非肌対向面(第2コア4の非肌対向面4b)の全域を被覆している。図2に示すように、吸収性コア2の非肌対向面の横方向Yの中央部には、コアラップシート5の縦方向Xに沿う両側縁部(前記延出部の先端部)どうしが重なった重複部が形成されている。コアラップシート5としては、液透過性のシートを用いることができ、例えば、紙、不織布等が挙げられる。
【0019】
第1コア3は、コアラップシート5と第2コア4との間に介在配置されている。第1コア3は、第2コア4に比べて、縦方向Xの長さ及び横方向Yの長さのうちの少なくとも一方が短く、第2コア4における第1コア3の配置面(図示の形態では肌対向面4a)の周縁部には、第1コア3が配置されずに第2コア4が露出している部分が存在している。本実施形態では、図1に示すように、第1コア3は、第2コア4に比べて、縦方向Xの長さ及び横方向Yの長さの双方が短く、第1コア3の周縁(輪郭線)の全体が、第2コア4の周縁(輪郭線)よりも内方に位置している。したがって、第2コア4の肌対向面4a(第1コア3の配置面)の周縁部(第1コア3の非配置部)は、コアラップシート5で被覆され、コアラップシート5と接触し得る状態にある。
【0020】
本実施形態では、第1コア3は、図1に示すように、横方向Yの長さ(幅)が縦方向Xの全長にわたって一定ではなく、縦方向Xの一端側が他端側に比べて横方向Yの長さが長く幅広である。吸収体1は通常、吸収性物品において、第1コア3の縦方向Xの両端部のうち、この相対的に幅広の縦方向端部が、吸収性物品の着用者の腹側(前側)に位置するように配置される。
【0021】
第1コア3は、図2に示すように、繊維材料3Fを含有する。繊維材料3Fとしては吸水性繊維が好ましい。吸水性繊維としては、例えば、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ等の天然繊維;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ(以上、セルロース系繊維);親水性合成繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。第1コア3は、典型的には、繊維材料3Fとしてセルロース系繊維を含有する。
【0022】
本実施形態では、第1コア3は、繊維材料3Fに加えて更に、図2に示すように、吸水性ポリマー3Pを含有する。吸水性ポリマー3Pとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の吸水性ポリマー3Pの形状は特に限定されず、例えば、球状、塊状、俵状、不定形状であり得る。吸水性ポリマー3Pは、典型的には、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を主体とする。
【0023】
本実施形態では、第1コア3は、図1及び図2に示すように、該第1コア3の厚み方向の全域にわたって該第1コア3の形成材料が存在しない形成材料非存在部3Nを有している。図示の形態では、形成材料非存在部3Nは、第1コア3(吸収体1)を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる仮想直線(図示せず)を基準として対称に形成され、該仮想直線の両側に一対形成されている。この一対の形成材料非存在部3Nは、それぞれ、平面視において縦方向Xに長い形状(具体的には長方形形状)をなしている。形成材料非存在部3Nは、吸収体1の吸収対象である排泄物の流路として機能し、排泄物の面方向における拡散を促進し、吸収体1の吸収性能の有効活用に寄与し得るものである。また、形成材料非存在部3Nは、第1コア3が体圧等の外力を受けて屈曲するなどして変形する際の変形誘導部(可撓軸)として機能し、吸収体1を具備する吸収性物品の着用時の違和感を低減して、着用感及びフィット性を向上し得るものである。形成材料非存在部3Nはこのような役割を担うものであることから、第1コア3において排泄物が集中しやすく(最初に排泄物を受けやすく)且つ体圧等の外力を受けやすい部位に配置されることが好ましい。このような観点から、形成材料非存在部3Nは、吸収体1が組み込まれる吸収性物品の着用時に着用者の股間部に対応する部位、具体的には、少なくとも第1コア3の縦方向Xの中央部に配置されることが好ましい。
【0024】
形成材料非存在部3Nの縦方向Xの長さL(図1参照)は、好ましくは30mm以上、より好ましくは50mm以上、そして、好ましくは250mm以下、より好ましくは200mm以下である。
形成材料非存在部3Nの横方向Yの長さすなわち幅W(図1及び図2参照)は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、そして、好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下である。
横方向Yに隣り合う2個の形成材料非存在部3N,3Nどうしの間隔G(図1及び図2参照)は、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上、そして、好ましくは100mm以下、より好ましくは70mm以下である。
【0025】
形成材料非存在部3Nは、第1コア3の製造時における、繊維材料3Fを含むコア形成材料の積繊工程において、該コア形成材料の積繊を意図的に阻害して形成された部位である。形成材料非存在部3Nを有する第1コア3は、従来公知の吸収性コアの製造方法に従って製造することができ、典型的には、空気流に乗せて供給したコア形成材料を、回転ドラムの外周面に形成された集積用凹部に吸引し堆積させて第1コア3を得る方法において、該集積用凹部として、該集積用凹部の底部における形成材料非存在部3Nに対応する部位が周辺部に比して該回転ドラムの径方向外方に突出しているものを用いることで製造することができる。斯かる方法で得られた第1コア3において、コア形成材料が存在していない部分が形成材料非存在部3Nである。
【0026】
本実施形態では、図2に示すように、形成材料非存在部3Nにおいて、コアラップシート5と第2コア4(より具体的には後述する基材シート4S)とが接合されている。斯かる構成により、第1コア3の保形性が向上し、排泄物の吸収前後で第1コア3の形状が崩れ難いため、吸収体1の吸収性能の一層の向上が図られる。コアラップシート5と第2コア4(基材シート4S)とは、形成材料非存在部3Nと平面視で重複する部分の全域において互いに接合されている必要は無く、少なくとも該部分の一部で互いに接合されていればよい。形成材料非存在部3Nにおけるコアラップシート5と第2コア4との接合手段は特に制限されず、接着剤、ヒートシール等の公知の接合手段を用いることができる。本実施形態では、後述するように接着剤を用いている。
【0027】
本実施形態では、第1コア3と第2コア4(より具体的には後述する基材シート4S)とが接着剤によって接合されている。斯かる構成により、第1コア3と第2コア4とが一体化されるため、吸収性コア2の外形形状が安定し、所定の性能がより安定的に発現し得るようになる。また吸収体1が、吸収性物品において第1コア3の方が第2コア4よりも吸収性物品の着用者の肌から近くなるように配置された場合に、第1コア3と第2コア4とが接着剤によって接合されていると、吸収体1に着用者の体圧がかかったときに、該接着剤が該体圧を緩和する機能を果たし得るため、そのような外圧による第2コア4への影響を最小限に抑えることが可能となる。第1コア3と第2コア4との間に介在配置される接着剤としては、吸収性物品における構成部材どうしの接合に使用されているものを特に制限無く用いることができ、例えば、ホットメルト接着剤を用いることができる。第1コア3と第2コア4との間に介在配置される接着剤の坪量は、前述した体圧等の外力を緩和する機能を一層確実に奏させるようにする観点から、好ましくは1g/m以上、より好ましくは2g/m以上、そして、好ましくは15g/m以下、より好ましくは10g/m以下である。
【0028】
第1コア3の坪量は特に制限されないが、吸収容量と薄型化及び柔軟性とのバランスの観点から、好ましくは50g/m以上、より好ましくは80g/m以上、そして、好ましくは250g/m以下、より好ましくは200g/m以下である。
同様の観点から、本実施形態のように第1コア3に吸水性ポリマー3Pを含有させる場合、第1コア3における吸水性ポリマー3Pの坪量は、好ましくは40g/m以上、より好ましくは60g/m以上、そして、好ましくは450g/m以下、より好ましくは350g/m以下である。
【0029】
第2コア4は、図2に示すように、相対向する2枚の基材シート4Sと、該2枚の基材シート4S間に介在配置された吸水性ポリマー4Pとを含み、該2枚の基材シート4Sどうしは接着剤によって互いに接合されている。吸水性ポリマー4Pとしては、第1コア3に含有され得る吸水性ポリマー3Pと同様のものを用いることができる。第2コア4に使用される接着剤は、後述するように、2枚の基材シート4Sそれぞれの相対向する面(吸水性ポリマーの配置面)に所定のパターンで塗布されている。第2コア4に使用される接着剤としては、吸収性物品における構成部材どうしの接合に使用されているものを特に制限無く用いることができ、例えば、ホットメルト接着剤を用いることができる。
【0030】
基材シート4Sとしては、吸水性ポリマー4Pを固定可能なシート状物であればよく、液透過性でも液不透過性でもよい。基材シート4Sとしては、例えば、不織布、織布、編物、紙等の繊維構造体の他、樹脂フィルム、発泡体、ネットなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を積層して用いることができる。基材シート4Sは、典型的には、不織布を含んで構成される。基材シート4Sを構成する不織布としては、各種製法によるものを特に制限なく用いることができ、例えば、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS)不織布が挙げられる。これらの不織布は、親水化処理が施された繊維からなる親水性不織布であってもよい。また、2枚の基材シート4Sどうしは、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。後者の場合、例えば、2枚の基材シート4Sのうち、相対的に吸収性物品の着用者の肌から近い(本実施形態では第1コア3に近い)ものが液透過性を有し、着用者の肌(第1コア3)から遠いものが液不透過性を有するという形態を採用できる。1枚の基材シート4Sの坪量は、吸収体の薄型化と実用上十分な強度とのバランス等の観点から、好ましくは5g/m以上、より好ましくは7g/m以上、そして、好ましくは50g/m以下、より好ましくは40g/m以下である。
【0031】
吸収体1は前述したとおり、吸水性を有する二層(第1コア3及び第2コア4)が積層された積層構造を有し、且つ該二層に吸水性ポリマー3P,4Pが含有されているところ、本実施形態の吸収体1では、該積層構造における吸水性ポリマーの分布に関し、第1コア3は、第2コア4に比べて、吸水性ポリマーの坪量(単位面積当たりの質量)が大きい。すなわち本実施形態の吸収体1では、吸水性ポリマーの坪量に関して、「第1コア3>第2コア4」という大小関係が成立する。なお、ここでいう「吸水性ポリマーの坪量」は、当該コアが、形成材料非存在部3Nの如き、コア形成材料が存在しない部分を有する場合は、該部分以外の部分における吸水性ポリマーの坪量を意味する。
【0032】
吸収体1全体の液(排泄物)の吸収に伴う膨潤の程度を抑制し、吸収体1の膨潤後の柔軟性を確保しつつ、吸収体1の吸収性能の向上を図る観点からは、前記の「第1コア3>第2コア4」という大小関係を満たすことがより好ましい。第1コア3は、典型的には、繊維材料3Fの集合体に吸水性ポリマー3Pが担持された構成を有しているところ、吸水性ポリマー3Pの液吸収に伴う膨潤の影響が第1コア3の全体に比較的反映されやすく、第1コア3は液吸収後に嵩張りやすい。一方第2コア4は、接着剤を介して接合された2枚の基材シート4S間に吸水性ポリマー4Pが介在配置された構成を有しているため、吸水性ポリマー4Pの液吸収に伴う膨潤の影響が第2コア4の全体に比較的反映されにくく、第2コア4は液吸収後に嵩張りにくい。前記「第1コア3>第2コア4」という大小関係は、このような両コア3,4の特性の違いを考慮の上、本発明の所定の効果が一層確実に奏されるようにするために採用されたものである。
【0033】
前記の「第1コア3>第2コア4」という大小関係に関し、第1コア3の吸水性ポリマー3Pの坪量と第2コア4の吸水性ポリマー4Pの坪量との比率は、前者>後者を前提として、前者/後者として、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。
第1コア3の吸水性ポリマー3Pの坪量は、好ましくは40g/m以上、より好ましくは60g/m以上、そして、好ましくは450g/m以下、より好ましくは350g/m以下である。
第2コア4の吸水性ポリマー4Pの坪量は、好ましくは50g/m以上、より好ましくは80g/m以上、そして、好ましくは200g/m以下、より好ましくは150g/m以下である。
【0034】
第1コア3及び第2コア4において、吸水性ポリマー3P,4Pの分布形態は特に制限されず、当該コアの全体に均一に分布してもよく、当該コアの一部に偏在してもよいが、液吸収性、柔軟性等の諸性能のさらなる向上の観点から、前者が好ましい。
【0035】
吸収体1の主たる特徴の1つとして、図1及び図2に示すように、第1コア3を挟んで縦方向Xの両側及び第1コア3を挟んで横方向Yの両側のうちの少なくとも一方の両側に、コアラップシート5と第2コア4とが第1コア3を介在させずに直接接合された接合部6が、一組以上の対となって存在しており、且つ第1コア3における接合部6の対に挟まれた部分が、コアラップシート5と第2コア4とによって厚み方向に圧縮された状態となっている点が挙げられる。
【0036】
接合部6において、コアラップシート5と第2コア4とを接合する手段は特に制限されず、接着剤、ヒートシール等の公知の接合手段を用いることができる。本実施形態では、後述するように接着剤を用いている。接合部6を構成する接着剤としては、吸収性物品における構成部材どうしの接合に使用されているものを特に制限無く用いることができ、例えば、ホットメルト接着剤を用いることができる。
【0037】
第1コア3を挟んで縦方向Xの両側及び第1コア3を挟んで横方向Yの両側それぞれにおいて、接合部6の対が一組存在するか、複数組存在するかは、接合部6を形成する接着剤の塗布形態によって定まる。例えば図3(a)に示すように、接合部6(縦接合部6X)を形成する接着剤(後述する製造方法における接着剤35A,46A)が、第1コア3を挟んで横方向Yの両側それぞれにおいて、吸収体1の縦方向Xの全長にわたって連続的に塗布されている場合、該第1コア3を挟んで横方向Yの両側には接合部6の対が一組存在する。また図3(b)に示すように、接合部6(縦接合部6X)を形成する接着剤が、第1コア3を挟んで横方向Yの両側それぞれにおいて、縦方向Xに所定間隔を置いて3カ所に間欠的に塗布されている場合、該第1コア3を挟んで横方向Yの両側には接合部6の対が三組存在する。以上、「第1コア3を挟んで横方向Yの両側」を例にとって説明したが、「第1コア3を挟んで縦方向Xの両側」についても同じであり、前述の説明が適用される。
【0038】
本実施形態では、図1に示すように、第1コア3が接合部6によって包囲されており、第1コア3の全体がコアラップシート5と第2コア4とによって厚み方向に圧縮された状態となっている。すなわち本実施形態では、後述するように、コアラップシート5及び第2コア4それぞれにおける第1コア3側の面の略全域に、接合部6を形成する接着剤(接着剤35A,46A)が塗布されており、該接着剤は第1コア3の周縁に沿って実質的に連続しているので、第1コア3は接合部6によって包囲されている。換言すれば、第1コア3の横方向Yの両外方に、第1コア3を挟んで横方向Yに相対向する一組の縦接合部6X,6Xの対が存在するとともに、第1コア3の縦方向Xの両外方に、第1コア3を挟んで縦方向Xに相対向する一組の横接合部6Y,6Yの対が存在し、且つこれら二組の接合部6X,6Yは互いに連結し、その接合部6X,6Yの連結体が第1コア3を包囲している。なお、以下では、縦接合部6X、横接合部6Yを総合して「接合部6」ともいう。特に断らない限り、接合部6についての説明は、縦接合部6X及び横接合部6Yに適用される。
【0039】
吸収体1は前述したように、吸収性コア2が、第1コア3と、吸水性ポリマーを必須成分とする第2コア4との積層構造を有し、且つ第1コア3におけるコアラップシート5と第2コア4との接合部6の対に挟まれた部分が、コアラップシート5と第2コア4とによって厚み方向に圧縮された状態となっていることにより、吸収体1全体として高い吸収容量を有しつつも、排泄物吸収に伴う膨潤、特に第1コア3の膨潤が適度に抑制されるため、排泄物を吸収しても膨潤しにくく柔軟で保形性に優れる。つまり本発明では、吸収体の主体をなす吸収性コアを、本来的に膨潤度が高い(排泄物吸収後に嵩張りやすい)第1コアと、本来的に膨潤度が低い(排泄物吸収後に嵩張りにくい)第2コアとに区分し、且つ該第1コアを常時厚み方向に圧縮された状態にすることで、該吸収体全体として排泄物吸収後の膨潤を抑制しつつ、十分な吸収容量を確保できるようにした。このような技術思想に基づく本発明によれば、吸収体薄型化の要望にも十分に対応でき、比較的厚みが薄いにもかかわらず吸収容量が多く、且つ排泄物を吸収しても膨潤しにくく柔軟で保形性に優れる吸収体が得られる。
【0040】
また本実施形態では、図1及び図2に示すように、第1コア3は、該第1コア3における接合部6(6X,6Y)の対に挟まれた部分に、該第1コア3の厚み方向の全域にわたって該第1コア3の形成材料が存在しない形成材料非存在部3Nを有し、該形成材料非存在部3Nにおいて、コアラップシート5と第2コア4(基材シート4S)とが接合されているため、接合部6の対に挟まれた部分において第1コア3が一層確実に厚み方向に圧縮され、且つその圧縮状態の安定性が向上しており、そのため、第1コア3が圧縮された状態であることによる作用効果がより一層確実に奏される。
【0041】
吸収体1において、第1コア3における接合部6(6X,6Y)の対に挟まれた部分(以下、「接合部対間存在部」とも言う。)は前述したとおり、コアラップシート5と第2コア4とによって常時厚み方向に圧縮された状態であるので、該接合部対間存在部をその圧縮された状態から解放したときの、吸収体1の該接合部対間存在部での厚み(吸収体1の平面視における該接合部対間存在部と重複する部分の厚み)は、該圧縮された状態からの解放前に比べて厚くなる。つまり、「第1コア3の前記接合部対間存在部が圧縮された状態から解放される前の、吸収体1の該接合部対間存在部での厚み」をT1、「第1コア3の前記接合部対間存在部が圧縮された状態から解放された後の、吸収体1の該接合部対間対応部での厚み」をT2とした場合、T2>T1の大小関係が成立し、且つ厚み差T2-T1は、誤差範囲を超えた有意差のある数値となる。
【0042】
なお、前記の「圧縮された状態からの解放」は、第1コア3と厚み方向に隣接してこれを同方向に圧縮している第2コア4及びコアラップシート5どうしの接合部6(6X,6Y)を破壊するなどして、第2コア4及び/又はコアラップシート5の残留応力を除去することで実施できる。典型的には、コアラップシート5における、第1コア3の周縁(例えば、第1コア3の縦方向Xに沿う両側縁)からの延出部を切断することで、第1コア3(前記接合部対間存在部)を圧縮された状態から解放することができる。
【0043】
厚み差T2-T1の数値が大きいほど、第1コア3の圧縮の程度が大きくなるため、第1コア3の排泄物吸収に伴う膨潤の抑制効果が向上し得るが、厚み差T2-T1が大きすぎると、第1コア3の吸収容量が低下することが懸念される。このような点を考慮すると、厚み差T2-T1は、T2>T1を前提として、好ましくは0.08mm以上、より好ましくは0.1mm以上、そして、好ましくは1.00mm以下、より好ましくは0.95mm以下である。
T1,T2をはじめとする吸収体の各部の厚みは、以下の方法で測定することができる。下記の測定方法は、吸収性物品の各部の厚みの測定にも利用できる。
【0044】
<厚みの測定方法>
測定対象物(例えば吸収体)を水平な場所にシワや折れ曲がりがないように静置し、測定対象物における厚み測定対象部位(例えば吸収体における前記接合部対間存在部)に3.7gf/cm(0.36kPa)の圧力をかけつつ厚みを測定する。厚みの測定には、市販の厚み測定器(例えば、TECLOCK社製、定圧厚さ測定器、型式PG-11)を用いる。1つの測定対象部位につき5回測定し、5回の測定値の平均値における0.001mm未満の値を四捨五入したものを、当該測定対象部位の厚みとする。
【0045】
厚み差T2-T1の調整は、後述する吸収体1の製造方法において、第1コア3に重ねて第2コア4又はコアラップシート5を配置する工程(第2コア配置工程又はコアラップシート配置工程)で、第1コア3に対する第2コア4又はコアラップシート5による押圧力を調整する等することで実施可能である。
【0046】
第1コア3の第2コア4との接触圧(形成材料非存在部3N以外の部分での接触圧)は、好ましくは0.05kPa以上、より好ましくは0.07kPa以上である。すなわち吸収体1は、該吸収体1の製造工程において第1コア3と第2コア4との接触圧が0.05kPa以上となるように調整されたものである。前記接触圧が前記範囲にあることで、本発明の所定の効果(第1コア3が常時厚み方向に圧縮された状態にあることによる効果)がより一層確実に奏される。特に本実施形態のように、第1コア3が形成材料非存在部3Nを有している場合、液吸収に伴う膨潤後の保形性の低下が懸念されるが、前記接触圧が前記範囲にあることで斯かる懸念は払拭され得る。
前記接触圧の上限は特に制限されないが、第1コア3の吸収性能や保形性等の諸性能のバランスの観点から、好ましくは0.2kPa以下、より好ましくは0.1kPa以下である。
前記接触圧は、吸収体の製造ラインにおいて、市販の接触圧測定器(例えば、(株)エイエムアイテクノ製のエアパック式接触圧測定器(測定操作:AMI3037-2))を用い、該測定器のマニュアルに従って測定することができる。例えば、後述する吸収体の製造方法の第1実施形態では、一方向に搬送されるコアラップシート5上に第1コア3を配置し(第1コア配置工程)、更に該第1コア3を覆うように第2コア4を配置する(第2コア配置工程)ところ、この第2コア4の配置直後に前記接触圧を測定する。また、後述する吸収体の製造方法の第2実施形態では、一方向に搬送される第2コア4上に第1コア3を配置し(第1コア配置工程)、更に該第1コア3を覆うようにコアラップシート5を配置する(コアラップシート配置工程)ところ、このコアラップシート5の配置直後に前記接触圧を測定する。
前記接触圧は、後述する吸収体の製造方法の第1実施形態において、第2コア4で第1コア3をコアラップシート5側に押圧する際(第2コア配置工程)の押圧力を調整することで調整可能である。また前記接触圧は、後述する吸収体の製造方法の第2実施形態において、コアラップシート5で第1コア3を第2コア4側に押圧する際(コアラップシート配置工程)の押圧力を調整することで調整可能である。
【0047】
吸収体1は吸収性物品の吸収体として使用される。ここでいう「吸収性物品」には、人体から排出される体液(尿、軟便、経血、汗等)の吸収に用いられる物品が広く包含され、例えば、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ、失禁パッド等が包含される。吸収性物品は、典型的には、吸収体と、該吸収体よりも着用者の肌から近い側に配される液透過性の表面シートと、該吸収体よりも着用者の肌から遠い側に配される液難透過性ないし不透過性の裏面シートとを含んで構成されている。
【0048】
次に、本発明の吸収体の製造方法について、前述した吸収体1の製造方法を例にとり図面を参照しながら説明する。図4には、吸収体1の製造方法の第1実施形態の実施に使用可能な製造装置の一実施形態である製造装置10の概略構成が示されている。製造装置10は、第1コア3を製造する第1コア製造部20と、該第1コア製造部20で製造された第1コア3を受け取って搬送する第1搬送部30と、第2コア4を製造する第2コア製造部40と、該第2コア製造部40で製造された第2コア4を受け取って搬送する第2搬送部50とを含んで構成されている。なお、以下では、コアラップシート5(吸収体1)の搬送方向(流れ方向)をMD1、基材シート4S(4S1,4S2)の搬送方向(流れ方向)をMD2,MD3、第2コア4の搬送方向(流れ方向)をMD4ともいう。
【0049】
第1コア製造部20は、外周面21Sに複数の集積用凹部(図示せず)が所定の間隔で形成された積繊ドラム21と、コア形成材料(第1実施形態の製造方法では繊維材料3F及び吸水性ポリマー3P)を、空気流に随伴させて、積繊ドラム21の外周面に供給するダクト22とを備えている。ダクト22は、その内部を流れる空気流の上流側端(図示せず)が繊維材料導入装置(図示せず)に接続され、下流側端が積繊ドラム21の外周面21Sの一部を覆っている。前記繊維材料導入装置は、繊維材料3Fを主体とする原料シート(図示せず)を解繊し、ダクト22内に該繊維材料3Fを供給するものである。また、ダクト22における前記上流側端と前記下流側端との間に位置する部分には、吸水性ポリマー3Pをダクト22の内部に導入する導入装置(図示せず)が設けられている。
【0050】
積繊ドラム21は、金属製の剛体からなる円筒状のドラム本体210と、該ドラム本体210の外周部に重ねて配され、積繊ドラム21の外周面21Sを形成する外周部材211とを含んで構成されている。外周部材211は、モータ等の原動機からの動力を受けて、水平な回転軸を回転中心として、図4中の矢印R1方向に回転駆動されるようになされているが、ドラム本体210は、固定されていて回転しない。ドラム本体210の内部は、その周方向に複数の空間A,B,Cに仕切られている。また、ドラム本体210には、その内部を減圧する減圧機構(図示せず)が接続されており、該減圧機構の駆動により、空間AないしCを負圧に維持可能になされている。
【0051】
積繊ドラム21は、外周部がダクト22で覆われている空間Aが、内部側からの吸引によってコア形成材料の積繊が可能な積繊ゾーンとなされている。空間Aを負圧に維持した状態で、外周部材211を矢印R1方向に回転させると、外周部材211に形成された集積用凹部(図示せず)が空間A上を通過している間、該集積用凹部の底部に空間A内の負圧が作用し、該底部に形成された多数の吸引孔を通じた空気の吸引が行われる。この吸引孔を通じた吸引により、ダクト22内を搬送されてきたコア形成材料が、該集積用凹部へと導かれてその底部上に積繊し、その積繊物である第1コア3が形成される。一方、通常、積繊ドラム21の空間Bは、空間Aよりも弱い負圧又は圧力ゼロ(大気圧)に設定され、また、空間Cは、該集積用凹部内の積繊物の転写位置及びその前後を含む領域であるので、圧力ゼロ又は陽圧に設定される。前記集積用凹部は、製造する第1コア3に付与すべき形状に対応した形状を有している。第1実施形態の製造方法では前述したように、第1コア製造部20の製造目的物である第1コア3が形成材料非存在部3Nを有しているので、前記集積用凹部の底部における形成材料非存在部3Nに対応する部位は、周辺部に比して積繊ドラム21の径方向外方に突出しており、これにより、該部位にコア形成材料が積繊することが阻害される。
【0052】
前記集積用凹部に形成された第1コア3は、外周部材211の回転により積繊ドラム21の下部へ搬送され、エアー吐出装置23からのエアーの吐出によって、該集積用凹部から離型されて第1搬送部30へと移行する。
【0053】
第1搬送部30は、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段31を備え、該搬送手段31は、図4中の矢印R2方向に周回する無端状のコンベアベルト32と、該コンベアベルト32の周回軌道内に設置された吸引手段としてのサクションボックス33とを含んで構成されている。コンベアベルト32は被搬送物の搬送面を形成するもので、通気性を有している。コンベアベルト32は例えば、多数の吸引孔(図示せず)を有するメッシュベルトからなる。サクションボックス33は、コンベアベルト32を挟んで、エアー吐出装置23と対向する位置に設置されており、エアー吐出装置23から吹き出された空気を吸引できるようになっている。コンベアベルト32上には、第1コア3が前記集積用凹部から離型されてコンベアベルト32上に配置される前に予めコアラップシート5が供給されており、前記集積用凹部から離型された第1コア3は、コアラップシート5上に配置された状態で、第2搬送部50へと搬送される。また第1搬送部30は、コアラップシート5上に配置された第1コア3をコアラップシート5側に押圧する押圧ロール36を備えており、第1コア3は、第2搬送部50に供給される前(第2コア4が重ねられる前)に、押圧ロール36によって厚み方向に圧縮される。
【0054】
製造装置10では、図4に示すように、長尺のコアラップシート5がロール状に巻回された原反5Rからコアラップシート5を連続的に巻き出し、第1搬送部30のコンベアベルト32上に供給するところ、そのコンベアベルト32への供給途中で、コアラップシート5におけるコンベアベルト32上にて第1コア3が配置される面(上面)に、塗布手段34,35により接着剤34A,35Aを塗布する(接着剤塗布工程)。前記接着剤塗布工程は、一方向に搬送されるコアラップシート5上に第1コア3を配置する前(第1コア配置工程の実施前)に、コアラップシート5における第1コア3の配置面(上面)に接着剤34A,35Aを塗布する工程である。具体的には前記接着剤塗布工程では、図4に示すように、コアラップシート5の一方の面(コンベアベルト32上での上面)におけるCDの両側部5B,5Bに、塗布手段34により接着剤34Aを連続的に塗布し、また、該一方の面におけるCDの中央部5Aに、塗布手段35により接着剤35Aを連続的に塗布する。第1実施形態の製造方法では、塗布手段34が塗布手段35よりもMD1の上流側に配置されており、したがって、接着剤34Aが接着剤35Aよりも先にコアラップシート5に塗布される。コアラップシート5のCDの中央部5Aは、第1コア製造部20で製造された第1コア3が配置される部分であり、両側部5B,5Bは、それぞれ、第1コア3側に折り返されて第1コア3に重ねられる部分である(図5参照)。
【0055】
第1実施形態の前記接着剤塗布工程では、コアラップシート5の第1コア3の配置面(上面)におけるCDの中央部5Aと両側部5B,5Bとで、接着剤34A,35Aの塗布パターンを異ならせている。具体的には図5に示すように、接着剤34Aは、両側部5B,5Bにおいて平面視でMD1(コアラップシート5の長手方向)に延びる連続線状に塗布され、接着剤35Aは、中央部5Aにおいて平面視でMD1に延びるスパイラル状に塗布される。接着剤34A,35Aが塗布された後のコアラップシート5の一方の面において、両側部5B,5Bそれぞれには、平面視連続線状の接着剤34Aの塗布部がCDに複数(図5では4本)並べて配置され、中央部5Aには、平面視スパイラル状の接着剤35Aの塗布部がCDに複数(図5では5本)並べて配置される。コアラップシート5における接着剤34Aが連続線状に塗布された部分は、接着剤34Aがいわゆる「べた塗り」された部分であり、該部分の全域に接着剤34Aが付着している。一方、コアラップシート5における接着剤35Aがスパイラル状に塗布された部分は、接着剤35Aが螺旋を描くようにMD1に延在しており、接着剤35Aの付着部と非付着部とがMD1に交互に存在している。なお、接着剤34A,35Aの塗布パターンは図示のものに制限されず、任意に設定し得る。
【0056】
第2コア製造部40で実施される第2コア4の製造工程は、図4に示すように、一方向に搬送される長尺の基材シート4Sの一方の面に接着剤を付与した後、更に吸水性ポリマー4Pを散布し付着させる吸水性ポリマー散布工程と、該基材シート4Sの一方の面に別の長尺の基材シートを重ね合わせて長尺の第2コア4を得る工程とを有する。この「別の長尺の基材シート」にも吸水性ポリマーを散布してもよい。
【0057】
更に説明すると、第2コア製造部40では、第2コア4を構成する2枚の基材シート4Sそれぞれに塗布手段41,42により接着剤41A,42Aを塗布した後、両シート4Sのうちの少なくとも一方の接着剤塗布面に、散布手段43により吸水性ポリマー4Pを散布し、しかる後、両シート4Sどうしをそれぞれの接着剤塗布面を内側にして重ね合わせて、長尺の第2コア4を製造する。なお、図4では、2枚の基材シート4Sのうちの一方(第1コア3と接触する基材シート)を4S1、他方を4S2としている。
【0058】
より具体的には第2コア製造部40では、図4に示すように、長尺の基材シート4S1がロール状に巻回された原反4R1から基材シート4S1を連続的に巻き出し、基材シート4S1の一方の面(他方の基材シート4S2との対向面)に塗布手段41により接着剤41Aを塗布する。また、これと並行して、長尺の基材シート4S2がロール状に巻回された原反4R2から基材シート4S2を連続的に巻き出し、基材シート4S2の一方の面(他方の基材シート4S1との対向面)に塗布手段42により接着剤42Aを塗布する。第1実施形態の製造方法では、図6に示すように、第1コア3と接触する基材シート4S1に塗布される接着剤41Aは、平面視で基材シート4S1の搬送方向(長手方向)MD2に延びるスパイラル状に塗布され、吸水性ポリマー4Pが直接散布される基材シート4S2に塗布される接着剤42Aは、該シート4S2の一方の面のほぼ全域に塗布(いわゆるべた塗り)される。接着剤41Aが塗布された後の基材シート4S1の一方の面には、平面視スパイラル状の接着剤41Aの塗布部がCDに複数(図8では8本)並べて配置され、該一方の面の略全域に接着剤41Aがスパイラル状に塗布される。なお、接着剤41A,42Aの塗布パターンは図示のものに制限されず、任意に設定し得る。
【0059】
散布手段43は、吸水性ポリマー4Pの散布対象(基材シート4S)から上方に所定距離離間した位置に配置されている。散布手段43から散布された吸水性ポリマー4Pは、自重により落下して、散布手段43の下方を搬送中の基材シート4S(4S2)の一方の面に付着する。なお、第1実施形態の製造方法では、両シート4S1,4S2のうちの一方に吸水性ポリマーを散布しているが、本発明では、両方に吸水性ポリマーを散布してもよい。散布手段43は、搬送中の基材シート4Sの所定位置に所定量の吸水性ポリマー4Pの粒子を精度よく散布し得るものであればよく、その構成は特に制限されない。第1実施形態の製造方法では、散布手段43として、「内部に粉粒体を貯蔵可能であり且つ該粉粒体の排出口を有するホッパーと、該ホッパーの下方に位置し且つ該排出口から排出された該粉粒体を散布位置まで搬送して散布する搬送手段とを備え、該搬送手段が、該排出口から排出された該粉粒体を受け取る受取手段と、該受取手段を振動させる振動発生手段とを有し、該振動発生手段により該受取手段を振動させることによって、該受取手段上の該粉粒体を該散布位置まで搬送可能になされている、粉粒体散布装置」を採用している。ここでいう「粉粒体」は、吸水性ポリマー4Pに言い換えることができる。斯かる粉粒体散布装置としては、例えば、特開2017-70944号公報及び特開2019-43735号公報に記載の粉粒体散布装置や特表2013-512047号公報に記載の粒子状材料を移送するための装置を用いることができる。
【0060】
第2コア製造部40では、図4に示すように、散布手段43による吸水性ポリマー4Pの散布工程を経て得られた長尺の第2コア4を、ニップロール44,45間に導入して厚み方向に圧縮した後、該第2コア4の一方の面(第1コア3との対向面)に、塗布手段46により接着剤46Aを塗布する。第1実施形態の製造方法では、接着剤46Aは、平面視で第2コア4の搬送方向(長手方向)MD4に延びるスパイラル状に塗布される。接着剤46Aが塗布された後の第2コア4の一方の面には、平面視スパイラル状の接着剤46Aの塗布部がCDに複数(図8及び図9に示す形態では5本)並べて配置される。なお、接着剤46Aの塗布パターンは図示のものに制限されず、任意に設定し得る。こうして一方の面に接着剤46Aが塗布された長尺の第2コア4は、第2搬送部50へ搬送され、第1コア3に重ね合わされる。
【0061】
ところで、第1実施形態の製造方法では、第2コア製造部40で行われる吸水性ポリマー散布工程において、図7に示すように、基材シート4S2の一方の面に吸水性ポリマー4Pの非付着領域4Nが該シート4S2の搬送方向MD3に間欠配置されるように、吸水性ポリマー4Pを間欠的に散布する。斯かる吸水性ポリマー4Pの間欠散布により、基材シート4S2の一方の面には、吸水性ポリマー4Pの付着領域4Mと非付着領域4Nとが搬送方向MD3(基材シート4S2の長手方向)に交互に配置される。このように、基材シート4S(4S2)に吸水性ポリマー4Pを間欠的に散布する理由は、この散布工程後に実施される第2コア4(吸収体1)の切断をスムーズに行うためである。すなわち、長尺の第2コア4を得た後の工程としては、1)長尺の第2コア4をそのまま第2搬送部50へ搬送し、後述する折り返し手段56によるコアラップシート5の折り返し工程を経て長尺の吸収体1を得、該長尺の吸収体1を所定の製品単位長さに切断する工程、又は2)第2コア製造部40において、長尺の第2コア4がニップロール44,45間を通過した後で且つ接着剤46Aを塗布した後に、該長尺の第2コア4を所定の製品単位長さに切断して枚葉の第2コア4を得、該枚葉の第2コア4を第2搬送部50へ搬送する工程があり得るところ、一般に吸水性ポリマー4Pは非常に硬いため、前記1)又は2)における第2コア4(吸収体1)の切断位置に吸水性ポリマー4Pが存在すると、切断不良が起こり得る。そこで第1実施形態の製造方法では、第2コア4(吸収体1)の切断不良を未然に防止するために、長尺の第2コア4における切断予定位置には吸水性ポリマー4Pを散布しないようにしている。つまり、前記1)又は2)において長尺の第2コア4を切断する際には、吸水性ポリマー4Pの非付着領域4Nにて切断する。なお、第1実施形態の製造方法では、図4に示すように、長尺の第2コア4を切断せずにそのまま第2搬送部50へ搬送しており、前記1)を採用している。
【0062】
基材シート4Sに対して吸水性ポリマー4Pを間欠的に散布する方法は特に制限されず、例えば、A)散布手段43の動作を制御して、散布手段43からの吸水性ポリマー4Pの散布自体を間欠的なものとする方法でもよく、あるいはB)散布手段43からの吸水性ポリマー4Pの散布自体は連続的なものとする代わりに、散布手段43から基材シート4Sに向かう吸水性ポリマー4Pの流れを適宜遮断する方法でもよい。第1実施形態の製造方法では前記B)の方法が採用されている。
【0063】
より具体的には、第1実施形態の第2コア製造部40では、吸水性ポリマー散布工程において、基材シート4S(4S2)から所定距離離間した位置に配置された吸水性ポリマー4Pの散布手段43から基材シート4S(4S2)に向けて吸水性ポリマー4Pを連続的に散布しつつ、散布手段43から散布された吸水性ポリマー4Pの一部を基材シート4S(4S2)に付着する前に採取する操作を所定の時間間隔を置いて繰り返し実施することで、吸水性ポリマー4Pを間欠的に散布している。そして、斯かる操作によって採取された吸水性ポリマー4Pを、第1コア3の製造工程及び/又は第2コア4の製造工程に供給している。第2コア製造部40は、図4に示すように、散布手段43とその下方を搬送される基材シート4S(4S2)との間に、吸水性ポリマー4Pの回収手段47を備えており、該回収手段47は、散布手段43から散布された吸水性ポリマー4Pを所定のタイミングで採取するとともに、その採取した吸水性ポリマー4Pを、該回収手段47と第1コア製造部20及び散布手段43とを結ぶ吸水性ポリマー供給路48を介して、第1コア製造部20及び/又は散布手段43に供給する。第1実施形態の製造方法ではこのように、吸水性ポリマー4Pの間欠散布を実施することで、第2コア4(吸収体1)の切断不良の問題を未然に防止するとともに、その間欠塗布の実施に起因して生じる余剰の吸水性ポリマー4Pを再利用している。吸水性ポリマー4Pの回収手段47、及び吸水性ポリマー供給路48を含む、回収した吸水性ポリマー4Pの再利用システムは、この種の粉粒体の間欠散布に関する公知の技術を適宜用いて構成することができる。
【0064】
第2搬送部50は、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段51を備えている。第2搬送部50の搬送手段51は、所定の周回軌道を図4中の矢印R3方向に移動する通気性のコンベアベルト52と、該周回軌道内に設置された吸引手段としてのサクションボックス53,54とを含んで構成されている。コンベアベルト52は被搬送物の搬送面を形成し、コンベアベルト52の上面に被搬送物(コアラップシート5、第1コア3及び第2コア4の積層物)が載置される。コンベアベルト52は例えば、多数の吸引孔(図示せず)を有するメッシュベルトからなる。サクションボックス53,54を作動させると、コンベアベルト52(搬送面)上の被搬送物が吸引孔(図示せず)を介して吸引されるようになされている。
【0065】
また第2搬送部50は、図4に示すように、第2コア製造部40で製造された第2コア4が第1コア3上に供給された後に、その両コア3,4の積層物を第2コア4側(上面側)から押圧する押圧ロール55を備えている。押圧ロール55は、コアラップシート5の搬送路における第2コア4の合流地点又はその近傍において、搬送中のコアラップシート5(第1コア3)を挟んでサクションボックス53とは反対側に配置されている。
【0066】
また第2搬送部50は、図4に示すように、押圧ロール55よりもMDの下流側に、コアラップシート5の折り返し手段56を備えている。折り返し手段56は、コンベアベルト52の周回軌道の一部に設置され、サクションボックス54の設置箇所に対応して配置されている。折り返し手段56は、搬送中のコアラップシート5の両側部5B,5B、すなわちコアラップシート5上に載置された吸収性コア2(第1コア3と第2コア4との積層物)のMDに沿う両側縁からの延出部を、該吸収性コア2側に折り返すための公知の折り返し機構を備えている。
【0067】
前述の如き構成の製造装置10を用いた吸収体1の製造方法では、先ず、一方向に搬送されるコアラップシート5上に第1コア3を配置する(第1コア配置工程)。より具体的には、図4に示すように、第1コア製造部20で製造された複数の第1コア3を、第1搬送部30によって一方向(符号MD1で示す方向)に搬送中の長尺のコアラップシート5の上面に、MD1に間欠的に配置する。このコアラップシート5の上面の略全域には、塗布手段34,35によって接着剤34A,35Aが図5に示す如くに予め塗布されており、第1コア製造部20の積繊ドラム21の前記集積用凹部から離型された第1コア3は、コアラップシート5の上面のCDの中央部5Aに配置され、該中央部5Aに塗布された接着剤35Aと接触する。
【0068】
前記第1コア配置工程では、コアラップシート5上に配置された第1コア3を挟んでMD1の両側及び第1コア3を挟んでCDの両側のうちの少なくとも一方の両側に、「コアラップシート5の第1コア3との非重複部」(以下、単に、「コアラップシート5の非重複部」ともいう。)、すなわち、「コアラップシート5における平面視(厚み方向の投影視)で第1コア3と重ならない部分」が存在するように、第1コア3を配置する。第1実施形態では図5に示すように、コアラップシート5の非重複部(第1コア3で被覆されずに露出している部分)が1個の第1コア3を包囲するように配置されており、したがって、第1コア3を挟んでMD1の両側及び第1コア3を挟んでCDの両側の双方に該非重複部が存在するように、第1コア3がコアラップシート5上に配置されている。そして、第1コア3を包囲するコアラップシート5の非重複部における第1コア3の配置面には接着剤35A,35Bが塗布されている。こうして第1コア3が配置されたコアラップシート5は、第2搬送部50へ搬送される。
【0069】
製造装置10を用いた吸収体1の製造方法では、前記第1コア配置工程後で且つコアラップシート5上に配置された第1コア3上に第2コア4を配置する前(第2コア配置工程の実施前)に、第1コア3をコアラップシート5側に押圧する。より具体的には、図4に示すように、コアラップシート5上に配置された第1コア3を、第1搬送部30が備える押圧ロール36によってコアラップシート5側に押圧することで、該第1コア3を厚み方向に圧縮する。なお本発明では、この第2コア配置工程前の第1コア3の圧縮工程は必須ではない。
【0070】
次いで、第1コア3が配置され一方向に搬送されるコアラップシート5に、該第1コア3側から第2コア4を供給し、該第1コア3を覆うように該コアラップシート5上に配置する(第2コア配置工程)。より具体的には、図4に示すように、第2搬送部50によって一方向(符号MD1で示す方向)に搬送中の長尺のコアラップシート5の上面に、第2コア製造部40で製造された長尺の第2コア4を供給し、該上面に配置されている第1コア3に重ね合わせて、コアラップシート5と第1コア3と第2コア4との積層物を得る。図8には、図4の符号P1で示す位置、すなわち第1コア3と第2コア4との合流位置での前記積層物の状態(第1コア3上に第2コア4を重ね合わせた直後の状態)が示されている。前述したように、第2コア4における第1コア3との対向面には、塗布手段46によって接着剤46Aが予め塗布されており、第1コア3と第2コア4とは接着剤46Aを介して接合される。第1コア3に重ね合わされる第2コア4のCDの長さ(幅)は、該第1コア3が配置されているコアラップシート5のCDの中央部5Aの幅と略同じである。
【0071】
前記第2コア配置工程では、コアラップシート5上に配置された第1コア3を挟んでMD1の両側及び第1コア3を挟んでCDの両側のうちの少なくとも一方の両側に、「第2コア4の第1コア3との非重複部」(以下、単に、「第2コア4の非重複部」ともいう。)、すなわち「第2コア4における平面視(厚み方向の投影視)で第1コア3と重ならない部分」が存在するように、第2コア4を配置する。第1実施形態の製造方法では、第1コア3を挟んでMD1の両側と第1コア3を挟んでCDの両側との双方に、第2コア4の非重複部が存在するように、第2コア4が配置される。図8では、第1コア3を挟んでCDの両側に、第2コア4の非重複部(第2コア4における第1コア3のMD1に沿う両側縁からの延出部)が存在する様子が示されている。この第2コア4の非重複部における第1コア3との対向面には接着剤46Aが塗布されている。
【0072】
なお、図8及び後述する図9では、理解容易の観点から、前記積層物において実際には互いに近接ないし接触(接合)している層(シート)どうしを敢えて離間させた状態で示している。例えば、第1コア3と第2コア4との合流位置では、第1コア3を挟んで相対向する第2コア4(基材シート4S1)とコアラップシート5のCDの中央部5Aとは、実際には通常、両者の第1コア3との非重複部において互いに近接ないし接触(接合)しているが、図8では、両者を離間させた状態で記載している。また、図8及び図9では、べた塗りされた接着剤(接着剤42A)と、べた塗りされずに搬送方向に延在するように塗布された接着剤(接着剤34A,35A,41A,46A)との区別を容易にするために後者の接着剤どうしのCDの間隔を意図的に長くとっているが、実際の接着剤どうしの間隔とは無関係である。
【0073】
そして、前記第2コア配置工程では、第2コア4で第1コア3をコアラップシート5側に押圧することで第1コア3を厚み方向に圧縮しつつ、第1コア3を挟んでMD1の両側及び第1コア3を挟んでCDの両側のうちの少なくとも一方の両側にて、コアラップシート5及び第2コア4それぞれの非重複部どうしを接合して、図1に示す如き接合部6の対を形成する。第1実施形態の製造方法では、第1コア3を挟んでMD1の両側にてコアラップシート5及び第2コア4それぞれの非重複部どうしを接合して、第1コア3を挟んで縦方向Xに相対向する一組の横接合部6Y,6Yの対(図1参照)を形成するとともに、第1コア3を挟んでCDの両側にて、コアラップシート5及び第2コア4それぞれの前記非重複部どうしを接合して、第1コア3を挟んで横方向Yに相対向する一組の縦接合部6X,6Xの対(図1参照)を形成する。
【0074】
前記第2コア配置工程で実施される、前述の「第2コア4による第1コア3の圧縮」は、典型的には、第2コア4に搬送時の張力がかかっている状態で該第2コア4にて第1コア3を押圧する方法によって実施できる。第1実施形態の製造方法では、この典型的な方法に加えて更に、図4に示すように押圧ロール55を用い、第1コア3上に第2コア4を重ねつつ、該第2コア4を押圧ロール55で該第1コア3側に押圧する方法を採用している。押圧ロール55のCDの長さ(回転軸方向の長さ)は、第1コア3と第2コア4との積層物の同方向の長さよりも長く、押圧ロール55による押圧によって、第1コア3を含めた該積層物の全体を厚み方向に圧縮することができる。
【0075】
第1実施形態の製造方法では、前記第2コア配置工程が実施される第2搬送部50が、前述したように、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段51を備えており、コアラップシート5は、該搬送面を形成するコンベアベルト32上に配置されて搬送されるところ、前記第2コア配置工程では、図8に示すように、搬送手段51(サクションボックス53)による吸引力Vにより、コアラップシート5をコンベアベルト32上に吸着させるとともに、第2コア4の第1コア3との非重複部を、コンベアベルト32上に吸着されたコアラップシート5に吸着させ、コアラップシート5及びこれに吸着する第2コア4の少なくとも一方に予め付与された接着剤によって両者を接合して、接合部6(6X,6Y)の対を形成する。第1実施形態の製造方法では、この接合部6の対を形成する接着剤は、コアラップシート5のCDの中央部5Aに塗布された接着剤35A、及び第2コア4に塗布された接着剤46Aである。また、第1実施形態の製造方法では前述したように、押圧ロール55を用いて第2コア4を第1コア3側に押圧しているところ、この押圧ロール55による押圧によってコアラップシート5と第2コア4との近接ないし接触が促進され得るため、押圧ロール55による押圧も接合部6の形成に寄与し得る。
【0076】
また第1実施形態の製造方法では、前述したとおり図2に示す如くに、第1コア3の形成材料非存在部3Nにおいてコアラップシート5と第2コア4(基材シート4S1)とが接合されているところ、斯かる接合も、前述の接合部6の形成と同様に、搬送手段51による吸引と、コアラップシート5のCDの中央部5Aに塗布された接着剤35A及び第2コア4に塗布された接着剤46Aとによってなされる。また、押圧ロール55による押圧も斯かる接合に寄与し得る。特に例えば、押圧ロール55の周面(被押圧物との接触面)における形成材料非存在部3Nに対応する位置に凸部(図示せず)が配置されている場合、押圧ロール55で第2コア4を押圧したときに、第2コア4における形成材料非存在部3Nに対応する部分(平面視において形成材料非存在部3Nと重複する部分)が該凸部によって押圧されて形成材料非存在部3Nに入り込むため、その形成材料非存在部3Nに入り込んだ第2コア4とコアラップシート5とが接着剤35A,46Aを介して接合されやすくなる。
【0077】
第1実施形態の製造方法ではこのように、コアラップシート5及び第2コア4それぞれの第1コア3との非重複部どうしを、これらの積層物の配置面(コンベアベルト32)側から吸引することで確実に重ね合わせ、両非重複部の少なくとも一方に予め付与された接着剤(接着剤35A,46A)を介して接合することで、接合部6(6X,6Y)の対を形成し、更には、形成材料非存在部3Nでのコアラップシート5と第2コア4との接合を実現している。
【0078】
第2搬送部50では、こうして長尺のコアラップシート5のCDの中央部5Aに配置された第1コア3上に長尺の第2コア4を配置した後、折り返し手段56によってコアラップシート5のCDの両側部5B,5Bを、該第2コア4に巻きかける(巻き上げる)ように、中央部5A側(第2コア4側)に折り返し、長尺の吸収体1を得る。図9には、この長尺の吸収体1のCDに沿う断面が示されている。なお前述したとおり、図9は、理解容易性を重視して作成されており、必ずしも実際の状態を示しているわけではない。以上のようにして得られた長尺の吸収体1は、その後、図示しない切断手段により所定の製品単位長さに切断され、図1に示す如き吸収体1が製造される。前述したように、長尺の吸収体1における切断予定位置には、第2コア4を構成する吸水性ポリマー4Pの間欠散布により、吸水性ポリマー4Pの非付着領域4Nが存在しており、該非付着領域4Nにて長尺の吸収体1を切断するので、切断不良が生じ難く、製品単位長さに切断する作業をスムーズに行うことができる。
【0079】
第1実施形態の製造方法では、前述したとおり図4に示すように、搬送中のコアラップシート5上に第1コア3及び第2コア4をこの順で配置することで吸収体1を製造していたが、本発明の吸収体の製造方法では、コアラップシート5と第2コア4とを入れ替えることもできる。すなわち、搬送中の第2コア4上に第1コア3及びコアラップシート5をこの順で配置することで吸収体1を製造することもできる(第2実施形態の製造方法)。
以下、本発明の吸収体の製造方法の他の実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。後述する他の実施形態については、第1実施形態と異なる構成を主として説明し、第1実施形態と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。後述する他の実施形態の特に説明しない構成については、第1実施形態の説明が適宜適用される。
【0080】
第2実施形態の製造方法では、先ず、一方向に搬送される長尺の第2コア4上に第1コア3を配置する(第1コア配置工程)。この長尺の第2コア4は、前述した、第1実施形態において第2コア製造部40で実施される第2コア4の製造工程と同様の製造工程を経て製造することができる。例えば図4を参照して、コアラップシート5に代えて、第2コア製造部40で製造された長尺の第2コア4を、一方向(符号MD1で示す方向)に搬送し、その搬送中の長尺の第2コア4の上面に、第1コア製造部20で製造された複数の第1コア3を、第1搬送部30によってMD1に間欠的に配置する。
【0081】
第2実施形態の製造方法において、前記第1コア配置工程では、第2コア4上に配置された第1コア3を挟んでMD1の両側及び第1コア3を挟んでCDの両側のうちの少なくとも一方の両側に、「第2コア4の第1コア3との非重複部」、すなわち、「第2コア4における平面視(厚み方向の投影視)で第1コア3と重ならない部分」が存在するように、第1コア3を配置する。
【0082】
第1実施形態の製造方法では、図4に示すように、第1コア配置工程後で且つ第2コア配置工程の実施前に、コアラップシート5上に配置された第1コア3を、第1搬送部30が備える押圧ロール36によってコアラップシート5側に押圧したが、第2実施形態の製造方法でも斯かる押圧工程を採用することができる。すなわち、第2コア4上に配置された第1コア3を、押圧ロール36によって第2コア4側に押圧することで、該第1コア3を厚み方向に圧縮することができる。
【0083】
第2実施形態の製造方法においては、次いで、第1コア3が配置され一方向に搬送される第2コア4に、該第1コア3側からコアラップシート5を供給し、該第1コア3を覆うように該コアラップシート5上に配置する(コアラップシート配置工程)。例えば図4を参照して、一方向(符号MD1で示す方向)に搬送中の長尺の第2コア4の上面に、原反5Rから連続的に巻き出した長尺のコアラップシート5を供給し、該上面に配置されている第1コア3に重ね合わせて、第2コア4と第1コア3とコアラップシート5との積層物を得る。図10には、図4の符号P1で示す位置での前記積層物の状態、すなわち第1コア3上にコアラップシート5を重ね合わせた直後の状態の一例が示されている。
【0084】
第2実施形態の製造方法における前記コアラップシート配置工程では、第2コア4上に配置された第1コア3を挟んでMD1の両側及び第1コア3を挟んでCDの両側のうちの少なくとも一方の両側に、「コアラップシート5の第1コア3との非重複部」、すなわち「コアラップシート5における平面視(厚み方向の投影視)で第1コア3と重ならない部分」が存在するように、コアラップシート5を配置する。
【0085】
第2実施形態の製造方法において、前記コアラップシート配置工程では、コアラップシート5で第1コア3を第2コア4側に押圧することで第1コア3を厚み方向に圧縮しつつ、第1コア3を挟んでMD1の両側及び第1コア3を挟んでCDの両側のうちの少なくとも一方の両側にて、第2コア4及びコアラップシート5それぞれの非重複部どうしを接合して、図1に示す如き接合部6の対を形成する。
【0086】
第1実施形態の製造方法における前記第2コア配置工程では、図8に示すように、搬送手段51(サクションボックス53)による吸引力Vを利用して、コアラップシート5と第2コア4との接合部6(6X,6Y)の対を形成していたが、第2実施形態の製造方法における前記コアラップシート配置工程でも、斯かる搬送手段の吸引力を利用して接合部の対を形成することができる。すなわち前記コアラップシート配置工程では、図10に示すように、搬送手段51(サクションボックス53)による吸引力Vにより、第2コア4をコンベアベルト32上に吸着させるとともに、コアラップシート5の第1コア3との非重複部を、コンベアベルト32上に吸着された第2コア4に吸着させ、第2コア4及びこれに吸着するコアラップシート5の少なくとも一方に予め付与された接着剤によって両者を接合して、接合部6(6X,6Y)の対を形成することができる。
【0087】
第2実施形態の製造方法においては、以上のようにして長尺の第2コア4のCDの中央部に配置された第1コア3上に長尺のコアラップシート5を配置した後(図10参照)、図4に示す折り返し手段56の如き装置を用いて、コアラップシート5のCDの両側部5B,5Bを、該第2コア4に巻きかける(巻き下げる)ように、中央部5A側(第2コア4側)に折り返し、長尺の吸収体1を得る。
【0088】
図11には、本発明の吸収体の製造方法の第3実施形態の図10相当図が示されている。第3実施形態の製造方法では、第2コア4を構成する2枚の基材シート4S1,4S2のうち、前記第1コア配置工程で第1コア3が配置される面とは反対側の面を形成する一方の基材シート4S2の方が、他方の基材シート4S1に比べて、CDの長さ(幅)が長く、一方の基材シート4S2は、他方の基材シート4S1のMDに沿う両側縁からCDの外方に延出する、延出部49を有している。そして、第3実施形態の製造方法では、前記コアラップシート配置工程の後に、この一方の基材シート4S2の一対の延出部49,49をコアラップシート5に巻きかける(巻き上げる)。こうして得られた長尺の吸収体1においては、コアラップシート5のMDに沿う両側部が、基材シート4S2(延出部49)によって被覆されている。
【0089】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
図1に示す吸収体1では、第1コア3を挟んで縦方向Xの両側及び第1コア3を挟んで横方向Yの両側の双方に接合部6の対が存在していたが、どちらか一方の側のみに接合部6の対が存在してもよい。
第1コア3は形成材料非存在部3Nを有していなくてもよく、また、第1コア3が形成材料非存在部3Nを有している場合でも、該形成材料非存在部3Nにおいてコアラップシート5と第2コア4とが接合されている必要は無い。しかし前記実施形態のように、形成材料非存在部3Nにおいてコアラップシート5と第2コア4とが接合されていることが、本発明の所定の効果を発現させる上では有効である。
前記実施形態では、第1コア3は、少なくとも繊維材料3Fを含む積繊タイプの吸収性コアであったが、第2コア4と同様のシートタイプの吸収性コアであってもよい。すなわち第1コア3は、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された繊維材料及び吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されていてもよい。
また、本発明の吸収体の製造方法において、第2コア4の製造工程は必須ではない。
前記第2コア配置工程において、第1コア3が配置され一方向に搬送されるコアラップシート5に、該第1コア3側から枚葉の第2コア4を供給し、該第1コア3を覆うように該コアラップシート5上に配置してもよい。
前記コアラップシート配置工程において、第1コア3が配置され一方向に搬送される第2コア4に、該第1コア3側から枚葉のコアラップシート5を供給し、該第1コア3を覆うように該第2コア4上に配置してもよい。
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0090】
<1>
着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品に用いられ、吸水性材料を含有する吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体であって、
前記吸収性コアは、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コアと、該第1コアの肌対向面又は非肌対向面に接触し、該第1コアよりも厚みが薄い第2コアとを有し、
前記第1コアは、前記コアラップシートと前記第2コアとの間に介在配置され、
前記第2コアは、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されており、
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側及び該第1コアを挟んで前記横方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートと前記第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が、一組以上の対となって存在しており、
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分が、前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっている吸収体。
<2>
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分で且つ該第1コアの形成材料が存在する部分を前記圧縮された状態から解放したときの、前記吸収体の該部分での厚みは、該圧縮された状態からの解放前に比べて厚く、両者の厚み差が、0.08mm以上1.00mm以下である、前記<1>に記載の吸収体。
【0091】
<3>
前記第1コアを挟んで前記横方向の両側に、前記接合部(縦接合部)の対が一組存在するか、又は
前記第1コアを挟んで前記横方向の両側に、前記接合部(縦接合部)の対が複数組存在し、且つその複数の接合部(縦接合部)の対が前記縦方向に間欠配置されているか、又は
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側に、前記接合部(横接合部)の対が一組存在するか、又は
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側に、前記接合部(横接合部)の対が複数組存在し、且つその複数の接合部(横接合部)の対が前記横方向に間欠配置されている、前記<1>又は<2>に記載の吸収体。
<4>
前記第1コアが前記接合部によって包囲され、該第1コアの全体が前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっている、前記<1>~<3>の何れか1項に記載の吸収体。
【0092】
<5>
前記第1コアは、該第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分に、該第1コアの厚み方向の全域にわたって該第1コアの形成材料が存在しない形成材料非存在部を有し、
前記形成材料非存在部において、前記コアラップシートと前記第2コアとが接合されている、前記<1>~<4>の何れか1項に記載の吸収体。
<6>
前記形成材料非存在部の前記縦方向の長さが、好ましくは30mm以上、より好ましくは50mm以上、そして、好ましくは250mm以下、より好ましくは200mm以下である、前記<5>に記載の吸収体。
<7>
前記形成材料非存在部の前記横方向の長さ(幅)が、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、そして、好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下である、前記<5>又は<6>に記載の吸収体。
<8>
前記横方向に隣り合う2個の前記形成材料非存在部どうしの間隔が、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上、そして、好ましくは100mm以下、より好ましくは70mm以下である、前記<5>~<7>の何れか1項に記載の吸収体。
【0093】
<9>
前記第1コアに吸水性ポリマーが含有されている、前記<1>~<8>の何れか1項に記載の吸収体。
<10>
前記第1コアにおける吸水性ポリマーの坪量が、好ましくは40g/m以上、より好ましくは60g/m以上、そして、好ましくは450g/m以下、より好ましくは350g/m以下である、前記<9>に記載の吸収体。
<11>
前記第1コアは、前記第2コアに比べて、吸水性ポリマーの坪量(単位面積当たりの質量)が大きい、前記<9>又は<10>に記載の吸収体。
<12>
前記第1コアの吸水性ポリマーの坪量と前記第2コアの吸水性ポリマーの坪量との比率が、前者/後者として、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である、前記<11>に記載の吸収体。
<13>
前記第2コアの吸水性ポリマーの坪量が、好ましくは50g/m以上、より好ましくは80g/m以上、そして、好ましくは200g/m以下、より好ましくは150g/m以下である、前記<10>~<12>の何れか1項に記載の吸収体。
【0094】
<14>
前記第1コアと前記第2コアとが接着剤によって接合されている、前記<1>~<13>の何れか1項に記載の吸収体。
<15>
前記コアラップシートは1枚のシートであり、該コアラップシートの前記横方向の長さ(幅)が、前記吸収性コアの該横方向の長さ(幅)の1.1倍以上3倍以下である、前記<1>~<14>の何れか1項に記載の吸収体。
<16>
前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌対向面の全域を被覆し、且つ該吸収性コアの前記縦方向に沿う両側縁から前記横方向の外方に延出し、そのコアラップシートの延出部が、該吸収性コアの非肌対向面側に巻きかけられて、該吸収性コアの非肌対向面の全域を被覆している、前記<15>に記載の吸収体。
<17>
前記吸収性コアの非肌対向面の前記横方向の中央部には、前記コアラップシートの前記縦方向に沿う両側縁部どうしが重なった重複部が形成されている、前記<15>又は<16>に記載の吸収体。
<18>
前記第1コアは、前記横方向の長さ(幅)が前記縦方向の全長にわたって一定ではなく、該第1コアの該縦方向の一端側は、他端側に比べて該横方向の長さが長く幅広である、前記<1>~<17>の何れか1項に記載の吸収体。
<19>
前記第1コアの坪量が、好ましくは50g/m以上、より好ましくは80g/m以上、そして、好ましくは250g/m以下、より好ましくは200g/m以下である、前記<1>~<18>の何れか1項に記載の吸収体。
<20>
1枚の前記基材シートの坪量が、好ましくは5g/m以上、より好ましくは7g/m以上、そして、好ましくは50g/m以下、より好ましくは40g/m以下である、前記<1>~<19>の何れか1項に記載の吸収体。
<21>
・前記第1コアの前記第2コアとの接触圧が、0.05kPa以上である、前記<1>~<20>の何れか1項に記載の吸収体。
・前記吸収体の製造工程において前記第1コアと前記第2コアとの接触圧が0.05kPa以上となるように調整されている、前記<1>~<20>の何れか1項に記載の吸収体。
<22>
前記第1コアの前記第2コアとの接触圧が、好ましくは0.05kPa以上、より好ましくは0.07kPa以上、そして、好ましくは0.2kPa以下、より好ましくは0.1kPa以下である、前記<1>~<21>の何れか1項に記載の吸収体。
【0095】
<23>
着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品に用いられ、吸水性材料を含有する吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体で、
前記吸収性コアは、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コアと、該第1コアの肌対向面又は非肌対向面に接触し、該第1コアよりも厚みが薄い第2コアとを有し、
前記第1コアは、前記コアラップシートと前記第2コアとの間に介在配置され、
前記第2コアは、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されており、
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側及び該第1コアを挟んで前記横方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートと前記第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が、一組以上の対となって存在しており、
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分が、前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっている、吸収体の製造方法であって、
一方向に搬送される前記コアラップシート上に前記第1コアを配置する、第1コア配置工程と、
前記第1コアが配置され一方向に搬送される前記コアラップシートに、該第1コア側から前記第2コアを供給し、該第1コアを覆うように該コアラップシート上に配置する、第2コア配置工程とを有し、
前記第1コア配置工程では、前記コアラップシート上に配置された前記第1コアを挟んで該コアラップシートの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、該コアラップシートの該第1コアとの非重複部が存在するように、該第1コアを配置し、
前記第2コア配置工程では、前記コアラップシート上に配置された前記第1コアを挟んで該コアラップシートの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記第2コアの該第1コアとの非重複部が存在するように、該第2コアを配置し、且つ
前記第2コアで前記第1コアを前記コアラップシート側に押圧することで該第1コアを厚み方向に圧縮しつつ、該第1コアを挟んで前記搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで前記搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側にて、該コアラップシート及び該第2コアそれぞれの前記非重複部どうしを接合して前記接合部の対を形成する、吸収体の製造方法。
<24>
前記コアラップシートは、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段の該搬送面上に配置されて搬送され、
前記第2コア配置工程では、前記搬送手段による吸引により、前記コアラップシートを前記搬送面に吸着させるとともに、前記第2コアの前記第1コアとの非重複部を、該搬送面に吸着された該コアラップシートに吸着させ、該コアラップシート及びこれに吸着する該第2コアの少なくとも一方に予め付与された接着剤によって両者を接合する、前記<23>に記載の吸収体の製造方法。
<25>
前記第2コア配置工程では、前記第2コアによる前記第1コアの圧縮を、搬送時の張力がかかっている状態の該第2コアで該第1コアを押圧することによって実施する、前記<23>又は<24>に記載の吸収体の製造方法。
<26>
前記第2コア配置工程では、前記第2コアによる前記第1コアの圧縮を、該第1コア上に該第2コアを重ねつつ、該第2コアを押圧ロールで該第1コア側に押圧することによって実施する、前記<23>~<25>の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
<27>
一方向に搬送される前記コアラップシート上に前記第1コアを配置する前に、該コアラップシートにおける該第1コアの配置面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を有し、
前記接着剤塗布工程では、前記第1コアの配置面の少なくとも一部に、接着剤を、平面視で前記コアラップシートの搬送方向に延びるスパイラル状に塗布する、前記<23>~<26>の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
<28>
一方向に搬送される前記コアラップシート上に前記第1コアを配置する前に、該コアラップシートにおける該第1コアの配置面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を有し、
前記接着剤塗布工程では、前記第1コアの配置面における前記コアラップシートの搬送方向と直交する方向(CD)の中央部と両側部とで、接着剤の塗布パターンを異ならせる、前記<23>~<27>の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
<29>
前記第1コア配置工程後で且つ前記コアラップシート上に配置された前記第1コア上に前記第2コアを配置する前に、該第1コアを該コアラップシート側に押圧する、前記<23>~<28>の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
【0096】
<30>
着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品に用いられ、吸水性材料を含有する吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体で、
前記吸収性コアは、少なくとも繊維材料を形成材料とする第1コアと、該第1コアの肌対向面又は非肌対向面に接触し、該第1コアよりも厚みが薄い第2コアとを有し、
前記第1コアは、前記コアラップシートと前記第2コアとの間に介在配置され、
前記第2コアは、相対向する2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマーとを含み、該2枚の基材シートどうしは接着剤によって互いに接合されており、
前記第1コアを挟んで前記縦方向の両側及び該第1コアを挟んで前記横方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートと前記第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が、一組以上の対となって存在しており、
前記第1コアにおける前記接合部の対に挟まれた部分が、前記コアラップシートと前記第2コアとによって厚み方向に圧縮された状態となっている、吸収体の製造方法であって、
一方向に搬送される前記第2コア上に前記第1コアを配置する、第1コア配置工程と、
前記第1コアが配置され一方向に搬送される前記第2コアに、該第1コア側から前記コアラップシートを供給し、該第1コアを覆うように該第2コア上に配置する、コアラップシート配置工程とを有し、
前記第1コア配置工程では、前記第2コア上に配置された前記第1コアを挟んで該第2コアの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、該第2コアの該第1コアとの非重複部が存在するように、該第1コアを配置し、
前記コアラップシート配置工程では、前記第2コア上に配置された前記第1コアを挟んで該第2コアの搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで該搬送方向に直交する搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側に、前記コアラップシートの該第1コアとの非重複部が存在するように、該コアラップシートを配置し、且つ
前記コアラップシートで前記第1コアを前記第2コア側に押圧することで該第1コアを厚み方向に圧縮しつつ、該第1コアを挟んで前記搬送方向の両側及び該第1コアを挟んで前記搬送直交方向の両側のうちの少なくとも一方の両側にて、該第2コア及び該コアラップシートそれぞれの前記非重複部どうしを接合して前記接合部の対を形成する、吸収体の製造方法。
<31>
前記第2コアは、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段の該搬送面上に配置されて搬送され、
前記コアラップシート配置工程では、前記搬送手段による吸引により、前記第2コアを前記搬送面に吸着させるとともに、前記コアラップシートの前記第1コアとの非重複部を、該搬送面に吸着された該第2コアに吸着させ、該第2コア及びこれに吸着する該コアラップシートの少なくとも一方に予め付与された接着剤によって両者を接合する、前記<30>に記載の吸収体の製造方法。
<32>
前記第2コアを構成する2枚の前記基材シートのうち、前記第1コア配置工程で前記第1コアが配置される面とは反対側の面を形成する一方の基材シートの方が、他方の基材シートに比べて、前記搬送直交方向の長さが長く、該一方の基材シートは、該他方の基材シートの前記搬送方向に沿う両側縁から該搬送直交方向の外方に延出する、延出部を有しており、
前記コアラップシート配置工程の後に、前記一方の基材シートの前記延出部を前記コアラップシートに巻きかける、前記<30>又は<31>に記載の吸収体の製造方法。
【0097】
<33>
更に前記第2コアの製造工程を有し、
前記第2コアの製造工程は、一方向に搬送される長尺の基材シートの一方の面に接着剤を付与した後、更に吸水性ポリマーを散布し付着させる吸水性ポリマー散布工程と、該基材シートの一方の面に別の長尺の基材シートを重ね合わせて長尺の第2コアを得る工程とを有する、前記<23>~<32>の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
<34>
前記吸水性ポリマー散布工程では、前記基材シートの一方の面に前記吸水性ポリマーの非付着領域が該基材シートの搬送方向に間欠配置されるように、該吸水性ポリマーを間欠的に散布し、
前記長尺の第2コアを切断する際には、前記吸水性ポリマーの非付着領域にて該長尺の第2コアを切断する、前記<33>に記載の吸収体の製造方法。
<35>
前記吸水性ポリマー散布工程では、前記基材シートから所定距離離間した位置に配置された前記吸水性ポリマーの散布手段から該基材シートに向けて該吸水性ポリマーを連続的に散布しつつ、該散布手段から散布された該吸水性ポリマーの一部を該基材シートに付着する前に採取する操作を所定の時間間隔を置いて繰り返し実施することで、該吸水性ポリマーを間欠的に散布しており、
前記操作によって採取された吸水性ポリマーを、前記第1コアの製造工程及び/又は前記第2コアの製造工程に供給する、前記<34>に記載の吸収体の製造方法。
<36>
前記長尺の第2コアの一方の面(前記第1コアとの対向面)に、接着剤を、平面視で該長尺の第2コアの搬送方向に延びるスパイラル状に塗布する、前記<33>~<35>の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
<37>
前記長尺の第2コアの一方の面(前記第1コアとの対向面)に、接着剤を、平面視スパイラル状の該接着剤の塗布部が、該長尺の第2コアの搬送方向と直交する方向(CD)に複数並べて配置されるように塗布する、前記<33>~<36>の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
【0098】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
【0099】
〔実施例1〕
前述した吸収体1と同様の構成の吸収体、すなわち、「第1コア及び第2コアの積層構造からなる吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有し、且つ該第1コアの周縁の全体が該第2コアの周縁よりも内方に位置し、該第1コアが配されていない該第2コアの肌対向面の周縁部に、記コアラップシートと該第2コアとが該第1コアを介在させずに直接接合された接合部が一組以上の対となって存在している構成の吸収体」を、前述した第1実施形態の製造方法(図4参照)と同様の方法で製造し、実施例1の吸収体とした。実施例1の吸収体において、第1コアは、木材パルプからなる繊維集合体に吸水性ポリマー粒子を担持させた構成を有する、いわゆる積繊タイプの吸収性コアであり、第1コアの坪量330g/m、吸水性ポリマーの坪量190g/mであった。また第2コアは、坪量10g/mのSMS不織布と坪量16g/mの紙からなる2枚の基材シートと、該2枚の基材シート間に介在配置された吸水性ポリマー粒子とを含み、該2枚の基材シートどうしが接着剤によって互いに接合された構成を有する、いわゆるシートタイプの吸収性コアであり、第2コアの坪量136g/m、吸水性ポリマーの坪量110g/mであった。また、コアラップシートとして、坪量10g/mのSMS不織布を用いた。
【0100】
〔比較例1〕
第1コア及び第2コアの積層構造からなる吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとを有する吸収体において、第1コア及び第2コアの双方が、木材パルプからなる繊維集合体に吸水性ポリマー粒子を担持させた構成を有する積繊タイプの吸収性コアであるものを製造し、比較例1の吸収体とした。比較例1の吸収体において、第1コアは坪量300g/m、吸収性ポリマーの坪量100g/m、第2コアは坪量240g/m、吸収性ポリマーの坪量130g/mであり、コアラップシートは坪量16g/mの紙であった。比較例1について特に説明しない点については、実施例1についての説明が適宜適用される。
【0101】
<評価試験:第1コアの圧縮状態の確認試験>
各実施例及び比較例の吸収体を用いて使い捨ておむつを作製した。具体的には、市販のパンツ型使い捨ておむつを用意し、用意したおむつの吸収体を、実施例及び比較例の吸収体のうちの1つに変更することで、おむつを作製した。図12には、こうして作製したパンツ型使い捨ておむつ11の展開且つ伸長状態における肌対向面側(表面シート側)が示されている。図12中、符号12で示す吸収体が、実施例及び比較例の吸収体のうちの1つである。吸収体12における前述した吸収体1と同様の構成には、吸収体1と同じ符号を付している。
おむつ11は、吸収体12以外は、基本的にこの種のパンツ型使い捨ておむつと同様に構成されている。おむつ11の基本構成について説明すると、おむつ11は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、該縦方向Xに直交する横方向Yとを有し、着用者の股間部に配され、着用者の陰茎等の排泄部に対向する排泄部対向部を含む股下部Bと、該股下部Bよりも着用者の腹側(前側)に配される腹側部Aと、該股下部Bよりも着用者の背側(後側)に配される背側部Cとの3つに区分される。おむつ11は、吸収体12を含む吸収性本体13と、該吸収性本体13の非肌対向面側に配置された外装体14とを備える。吸収性本体13は、着用者の肌から相対的に近い位置に配置された液透過性の表面シート15、着用者の肌から相対的に遠い位置に配置された液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート(図示せず)、及び表面シート15と該裏面シートとの間に介在配置された吸収体12を含む。おむつ11に使用される材料はこの種のパンツ型おむつに一般的に用いられる材料を適宜用いることができる。
おむつ11を図12に示す如き展開且つ伸長状態(パンツ型使い捨ておむつをサイドシール部で切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつを各部の弾性部材を伸長させて設計寸法となるまで拡げた状態)とし、符号Saで示す1箇所の測定対象部位の厚みT1pを前記<厚みの測定方法>により測定する。測定対象部位Saは、平面視で45mm四方の正方形形状をなし、前記接合部対間存在部(第1コア3における接合部6(6X,6Y)の対に挟まれた部分)を含む。測定対象部位Saの位置は、第1コアの腹側部側の縦方向端部の横方向中央部であり、具体的には図12に示すように、第1コア3の腹側部A側の縦方向端3Xaから縦方向Xの内方に5mm離間した位置で、且つ吸収性コア2を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる横中心線CLyが、測定対象部位Saの横方向Yの中央を通る位置である。横中心線CLyは、展開且つ伸長状態のおむつ11を横方向Yに二等分する直線でもある。前記厚みT1pは、「第1コア3の前記接合部対間存在部が圧縮された状態から解放される前の、おむつ11の該接合部対間存在部での厚み」であり、前述した厚みT1との違いは、実質的にその厚みを有しているのが吸収体であるか(厚みT1)、おむつであるか(厚みT1p)だけである。
次に、おむつ11から測定対象部位Saを厚み方向の全域にわたって切り出し、その切り出した測定対象部位Saの厚みT2pを前記<厚みの測定方法>により測定する。おむつ11から測定対象部位Saを切り出すことで、前記接合部対間存在部は圧縮された状態から解放される。切り出した測定対象部位Saの外装体の弾性体は切断されており襞の発生はない。前記厚みT2pは、「第1コア3の前記接合部対間存在部が圧縮された状態から解放された後の、おむつ11の該接合部対間対応部での厚み」であり、前述した厚みT2との違いは、実質的にその厚みを有しているのが吸収体であるか(厚みT2)、おむつであるか(厚みT2p)だけである。
そして、測定対象部位Saについて、厚み差T2p-T1pを算出した。その結果を下記表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
表1に示すとおり、実施例1は、吸収性コアを構成する第1コアが積繊タイプ、第2コアがとシートタイプであるため、両コアが積繊タイプである比較例1に比べて、厚み差T2p-T1pが大きい結果となった。この結果から、実施例1の吸収体では、第1コア3における接合部6(6X,6Y)の対に挟まれた部分(前記接合部対間存在部)が、コアラップシート5と第2コア4とによって厚み方向に圧縮された状態となっていたことがわかる。したがって、実施例1の吸収体は、吸収体薄型化の要望にも十分に対応でき、比較的厚みが薄いにもかかわらず吸収容量が多く、且つ排泄物を吸収しても膨潤しにくく柔軟で保形性に優れる吸収体であると言える。
【符号の説明】
【0104】
1 吸収体
2 吸収性コア
3 第1コア
3N 形成材料非存在部
3F 繊維材料
3P 吸水性ポリマー
4 第2コア
4S,4S1,4S2 基材シート
4P 吸水性ポリマー
4M 吸水性ポリマーの付着領域
4N 吸水性ポリマーの非付着領域
5 コアラップシート
6 コアラップシートと第2コアとの接合部
6X 縦接合部
6Y 横接合部
10 吸収体の製造装置
20 第1コア製造部
21 積繊ドラム
22 ダクト
23 エアー吐出装置
30 第1搬送部
31 搬送手段
32 コンベアベルト
33 サクションボックス(吸引手段)
34,35 接着剤の塗布手段
34A,35A 接着剤
36 押圧ロール
40 第2コア製造部
41,42,46 接着剤の塗布手段
41A,42A,46A 接着剤
43 吸水性ポリマーの散布手段
44,45 ニップロール
47 吸水性ポリマーの回収手段
50 第2搬送部
51 搬送手段
52 コンベアベルト
53,54 サクションボックス(吸引手段)
55 押圧ロール
56 折り返し手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12