(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】パイプキャップ
(51)【国際特許分類】
E04H 17/14 20060101AFI20231213BHJP
F25D 23/02 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
E04H17/14 103Z
F25D23/02 304A
(21)【出願番号】P 2020553086
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(86)【国際出願番号】 JP2019039573
(87)【国際公開番号】W WO2020085071
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2018201641
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】馬場 盛司
(72)【発明者】
【氏名】曽根 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】中濱 渉
(72)【発明者】
【氏名】西本 昌文
(72)【発明者】
【氏名】和田 悟
【審査官】廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】実公平06-036195(JP,Y2)
【文献】特許第5354585(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/14
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプの開口端部を塞ぐ蓋部と、
前記パイプの開口部を介して、螺合部材が挿入され、前記パイプに固定される固定部と、
前記螺合部材の回転に伴う、前記蓋部の前記パイプの開口端部からの浮きを防止する浮き防止部と、
を有
するパイプキャップであって、
前記浮き防止部は、
前記蓋部に設けられ、前記パイプに前記パイプキャップを取り付けた場合に、前記パイプの内側の第1の側面に沿う脚部と、
前記パイプに前記パイプキャップを取り付けた場合に、前記第1の側面に対向する第2の側面に沿う手掌部と、
前記脚部と、前記手掌部を連結する連結部と、
を有するパイプキャップ。
【請求項2】
パイプの開口端部を塞ぐ蓋部と、
前記パイプの開口部を介して、螺合部材が挿入され、前記パイプに固定される固定部と、
前記螺合部材の回転に伴う、前記蓋部の前記パイプの開口端部からの浮きを防止する浮き防止部と、
を有し、
前記浮き防止部は、
前記蓋部に形成された傾斜部と、前記固定部に形成され前記傾斜部に沿って移動可能な突起部を有し、
前記螺合部材の回転に応じて、前記蓋部を前記パイプに引き込む力を生じさせることを特徴とするパイプキャップ。
【請求項3】
パイプの開口端部を塞ぐ蓋部と、
前記パイプの開口部を介して、螺合部材が挿入され、前記パイプに固定される固定部と、
前記螺合部材の回転に伴う、前記蓋部の前記パイプの開口端部からの浮きを防止する浮き防止部と、
を有し、
前記浮き防止部は、
前記パイプに設けられた穴部と、前記穴部に挿入されるとともに前記固定部に形成された先端に向かって直径が小さくなる突起部を含み、
前記螺合部材の回転に応じて、前記蓋部を前記パイプに引き込む力を生じさせることを特徴とするパイプキャップ。
【請求項4】
パイプの開口端部を塞ぐ蓋部と、
前記パイプの開口部を介して、螺合部材が挿入され、前記パイプに固定される固定部と、
前記螺合部材の回転に伴う、前記蓋部の前記パイプの開口端部からの浮きを防止する浮き防止部と、
を有
するパイプキャップであって、
前記浮き防止部は、
前記蓋部に設けられ、前記パイプに前記パイプキャップを取り付けた場合に、前記パイプの内側に挿入され、先端が前記パイプの内側の側面に接する脚部を有し、
前記螺合部材が回転したとき、前記脚部の先端が、前記パイプの内側の側面を押圧することを特徴とするパイプキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプキャップに関する。本出願は、2018年10月26日に日本に出願された特願2018-201641号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、塀、フェンス等に用いられるパイプ材の開口端部を覆うキャップが開示されている。具体的には、当該キャップは、パイプ材の開口端部を覆う蓋部と、当該蓋部より延伸し当該パイプ材の内側に挿入される挿入部を有し、当該挿入部が蓋部の下端面に対して傾斜するよう形成されている。これにより、当該キャップのパイプ材の開口端部への挿入作業を容易にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1において、例えば、ビス等を用いてキャップをパイプに取り付ける場合、ビス等がキャップにねじ込まれるときの回転力により、当該キャップがパイプ材の開口端部に対して傾き、パイプの開口端部から浮き上がってしまう場合がある。かかる観点から、本発明の一態様は、例えば、ビス等を用いてキャップをパイプに取り付ける場合において、当該キャップがパイプ開口端部から浮き上がってしまうことを抑制することのできるパイプキャップを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様のパイプキャップは、パイプの開口端部を塞ぐ蓋部と、パイプの開口部を介して、螺合部材が挿入され、パイプに固定される固定部と、螺合部材の回転に伴う、蓋部のパイプの開口端部からの浮きを防止する浮き防止部とを有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一態様にかかるパイプキャップを含むハンドルを有する冷蔵庫の外観の斜視図である。
【
図2】本発明の一態様にかかるパイプキャップを有するハンドルの外観の斜視図である。
【
図3】第1の実施形態にかかるパイプキャップの外観の斜視図である。
【
図4】第1の実施形態にかかるパイプキャップのパイプへの取り付け状態を示す斜視図である。
【
図5】第1の実施形態における発明の機能について説明するための断面図である。
【
図6】第2の実施形態にかかるパイプキャップの外観図である。
【
図7】第2の実施形態にかかるパイプキャップのパイプへの取り付け状態を示す斜視図である。
【
図8】第2の実施形態におけるパイプキャップの機能を説明するための断面図である。
【
図9】第3の実施形態のパイプキャップの外観及び取り付け方法を示す概略図である。
【
図10】第3の実施形態のパイプキャップの
図9下方から見た斜視図である。
【
図11】第3の実施形態のパイプキャップの機能を説明するための断面図である。
【
図12】第4の実施形態のパイプキャップの外観の斜視図である。
【
図13】第4の実施形態のパイプキャップのパイプへの取り付け方法を示す概略図である。
【
図14】第4の実施形態のパイプキャップの機能を説明するための断面図である。
【
図15】第5の実施形態におけるパイプキャップの外観の斜視図である。
【
図16】第5の実施形態におけるパイプキャップのパイプへの取り付け方法を示す概略図である。
【
図17】第5の実施形態におけるパイプキャップの機能を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
<第1の実施形態>
図1は、冷蔵庫100の外観の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、冷蔵庫100は、冷蔵庫100本体と複数の扉101を有する。複数の扉101は、
図1の扉101の左側の端部にハンドル102を有する。具体的には、ハンドル102は、
図2に示すように、パイプ201とパイプキャップ202を有する。なお、当該ハンドル102は、冷蔵庫100に用いられる場合に限定されず、種々の機器の扉101のハンドル102に適用してもよい。
【0009】
パイプ201は、内部が中空の矩形形状であって、扉101の一辺に沿って設けられる。パイプ201の長手方向の長さ203は、扉101の高さ方向の長さ103と、同等である。また、パイプ201は、例えば、アルミニウム等を用いて形成される。さらに、パイプ201は、冷蔵庫100の扉101の一端に取り付けられる板状の冷蔵庫取り付け部204を有する。冷蔵庫取り付け部204は、扉101に取り付けるための、例えば複数の連結部材(図示なし)を通す複数の孔205を有する。また、パイプ201は、
図2の上方及び下方に矩形形状の開口端部206を有する。パイプ201は、パイプキャップ202を固定する螺合部材207を通すための螺合部材受け止め孔208を有する。この螺合部材受け止め孔208は、パイプ201の
図2の前面に設けられている。なお、パイプ201の断面形状は矩形形状に限られず、例えば、手をかけ易いように、凹んだ形状であってもよい。
【0010】
パイプキャップ202は、上記2つの開口端部206を塞ぐように、それぞれ取り付けられる。なお、パイプキャップ202は1つであってもよく、この場合、パイプキャップ202はパイプ201の1つの開口端部206のみを塞ぐように構成してもよい。パイプキャップ202の材料は、例えば、樹脂である。
【0011】
つぎに、パイプキャップ202についてより具体的に説明する。
図3は、パイプキャップ202の具体的構成の一例を示す図である。
図4は、パイプキャップ202をパイプ201に取り付ける方法を示す斜視図である。
図5は、パイプキャップ202がパイプ201に取り付けられた場合における、
図4のV-V断面の概略図である。
【0012】
図3に示すように、パイプキャップ202は、蓋部301と、固定部302と、浮き防止部303と、を有する。
【0013】
蓋部301は、開口端部206を塞ぐ。具体的には、蓋部301は、例えば、開口端部206の外縁に沿った形状を有する。蓋部301は、例えば板状の形状を有する。なお、当該蓋部301の形状は一例であって、その他の形状であってもよい。
【0014】
固定部302は、パイプキャップ202をパイプ201に固定する部位である。具体的には、固定部302は、例えば、板状の部材である。また、固定部302は、
図3に示すように、蓋部301の底面304に対して略垂直に形成される。そして、固定部302は、例えば、パイプキャップ202をパイプ201に挿入したときに、パイプ201の外側の側面に沿う位置に形成される。
【0015】
さらに固定部302は、パイプキャップ202をパイプ201に固定する螺合部材207が挿入される開口孔である固定部開口孔305を有する。固定部開口孔305は、例えば固定部302の略中央部に設けられる。螺合部材207は、たとえば、ビス等であって、螺合部材207がパイプキャップ202の固定部開口孔305に通された後にパイプ201の螺合部材受け止め孔208に通される。螺合部材受け止め孔208には予め雌ねじが形成されている、もしくは螺合部材207の回転により螺合部材受け止め孔208に雌ねじ形状が形成されることで、螺合部材207の回転(本実施形態では時計回りの回転)により、螺合部材207は固定部開口孔305及び螺合部材受け止め孔208に徐々に進入する。螺合部材207が進入して、固定部302がパイプ201に接する状態に達し、そこから螺合部材207をさらに回転して締め込むことで、固定部302がパイプ201に固定される。なお、固定部開口孔305の位置や形状は、上記に限定されるものではない。なお、
図3に示したパイプキャップ202の形状は一例であって、その他の形状であってもよい。
【0016】
浮き防止部303は、螺合部材207の回転に伴う、蓋部301のパイプ201の開口端部206からの浮きを防止する。具体的には、例えば、
図3、
図4及び
図5に示すように、浮き防止部303は、蓋部301の底面304から、
図3の右側の上方に延伸して、
図3の左側に湾曲した後に、下方に延伸するように一体的に形成される。具体的には、
図3の上方に延伸する部分を脚部306と呼び、脚部306から左側に湾曲する部分を連結部307と呼び、連結部から下方に延伸する部分を手掌部308と呼ぶ。
【0017】
脚部306は、例えば、板状の形状を有する。また、脚部306は、
図3に示すように、例えば、蓋部301の底面304に、略垂直に設ける。螺合部材207を時計方向501に回す場合には、脚部306の外側面は、例えば、パイプキャップ202をパイプ201に挿入したときに、
図5においてパイプ201左側の内側の側面401に接するように設ける。具体的には、例えば、パイプキャップ202をパイプ201に取り付けた際に、脚部306の外側面が、パイプ201の開口端部206の内側の側面401と面接触するように形成され、また、後述する螺合部材による回転力に抗することのできる長さを有するように構成する。脚部306の長さは、蓋部301の底面304から固定部開口孔305までの長さより長いことが好ましい。後述するように蓋部301の底面304から固定部開口孔305までの長さより短い場合より、螺合部材207による回転力をより効果的に抑制することができる。
【0018】
連結部307は、脚部306に延伸して設けられる。連結部307は、例えば、脚部306と同じ幅を持つ円弧状の形状を有する。
【0019】
手掌部308は、連結部307に延伸して設けられる。手掌部308は、例えば連結部307と同じ幅を持つ板状の形状を有する。手掌部308は、
図5に示すように、パイプ201の内側の側壁、例えば402に沿うように設けられる。
【0020】
脚部306の外側から手掌部308の先端外側までの長さ502は、パイプ201の内側の側面401から側面402までの長さと略同じか若干長く形成される。脚部306、連結部307、及び手掌部308は、例えば、
図5に示すように、一体的に形成され、所定の幅を有したJ型形状を有する。
【0021】
次に、
図4を用いて、パイプキャップ202の、パイプ201への取り付け方法について説明する。まず、矢印403に示すように、パイプキャップ202の脚部306、連結部307、及び手掌部308(浮き防止部303)が、パイプ201の開口端部206に挿入される。このとき、パイプキャップ202の手掌部308の少なくとも先端部はパイプ201の内側の側面402に接し、連結部307は円弧形状が潰れる方向に若干弾性変形する。
【0022】
次に、螺合部材207がパイプキャップ202の固定部開口孔305を介して、パイプ201の螺合部材受け止め孔208に取り付けられる。なお、螺合部材207は、ビスの他、ボルト及びナット等、その他の回転に基づく取り付け部材であればその他の取り付け部材であってもよい。この点については下記についても同様である。
【0023】
次に、
図5を用いて、より具体的に、説明する。
図5は、パイプ201にパイプキャップ202を取り付けたときの断面図である。
図5は
図4のV-V断面を示した断面図である。
【0024】
上記のように、螺合部材207がパイプキャップ202の固定部開口孔305を介して、パイプ201の螺合部材受け止め孔208に取り付けられる。ここで、例えば、螺合部材207を501に示す方向に回転させて、パイプ201とパイプキャップ202がビス止めされる。このとき、螺合部材207を回転させる力により、パイプキャップ202には回転方向に応じた矢印501に示す方向の力が働く。これにより、
図5のパイプ201の右側の開口端にはパイプキャップ202を当該右側の開口端に押し付ける力が働き、一方、パイプ201材の左側の開口端にはパイプキャップ202を当該左側の開口端から浮き上がる力が働くこととなる。
【0025】
しかしながら、本実施の形態によれば、パイプキャップ202の手掌部308の少なくとも先端部がパイプ201の内側の側面402に接し、連結部307は円弧形状が潰れる方向に若干弾性変形しているので、パイプキャップ202の脚部306の外側面は、パイプ201の開口端部206の内側の側面401に押し付けられた状態で面接触している。したがって、パイプキャップ202の脚部306の外側面とパイプ201の側面401との摩擦力が増加しているため、矢印501に示す方向の力によって、
図5のパイプ201の左側の開口端からパイプキャップ202が浮き上がる力が働いても、この浮き上がる力に抗することができる。
【0026】
また、本実施の形態によれば、パイプキャップ202の右側は、手掌部308の一部がパイプ201の内側の側面402に接しているだけであり、手掌部308は蓋部301の底面304に連結していない。したがって、
図5においてパイプ201の右側の開口端にパイプキャップ202を当該右側の開口端に押し付ける力が働いても、その力はパイプ201の内側の側面402にはほとんど作用しないので、パイプ201の内側の側面402に下方にかかる力の反作用によるパイプキャップ202の浮き上がりを抑制する。
【0027】
すなわち、本実施の形態では、螺合部材207がパイプキャップ202をパイプ201に固定すべく締め付ける回転方向に対して、パイプキャップ202がパイプ201から浮き上がる側のパイプキャップ202とパイプ201との接触面積を、パイプキャップ202がパイプ201に押し付けられる側のパイプキャップ202とパイプ201との接触面積よりも大きくしている。これにより、パイプキャップ202に回転方向に応じた矢印501に示す方向に力が働いたとしても、上記のような脚部306、連結部307、手掌部308(浮き防止部303)により、パイプ201の内側の側面401,402に対するパイプキャップ202の摩擦力が異なるようにしていることから、当該力によるパイプキャップ202の回転を抑制し、よって、パイプキャップ202のパイプ201への取り付け時にパイプキャップ202の一端がパイプ201の開口端端部から浮き上がることを抑制することができる。また、これにより、例えば、当該パイプ201が冷蔵庫100等のハンドル102に取り付けられた場合に、パイプキャップ202がパイプ201の開口端から浮いた状態となる等の冷蔵庫100等の外観上の支障を抑制することができる。
【0028】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。例えば、手掌部308は、蓋部301をパイプ201に押し付ける力が直接加わらないような構造としていれば、蓋部301の近傍まで延伸したり、蓋部301に連結していてもよい。
【0029】
さらに、本発明の一態様にかかるパイプキャップ202を、パイプ201形状のハンドル102に用いることができる。例えば、
図2に示すように、例えばアルミニウムの引き抜き材の端部の開口部に本発明の一態様に係るパイプキャップ202を用いても良い。パイプ201とパイプキャップ202の間に隙間のないハンドル102が得られる。
【0030】
また、本発明の一態様に係るパイプキャップ202を
図1に示すように冷蔵庫100の扉101のハンドル102のパイプキャップ202に用いてもよい。ハンドル102とパイプキャップ202の間に隙間のない冷蔵庫100が得られる。冷蔵庫100は料理中、頻繁に冷蔵庫100のハンドル102を汚れた手で握ることが多い。このため冷蔵庫100のハンドル102は汚れることが多く、掃除を頻繁する必要がある。このような冷蔵庫100に、ハンドル102とパイプキャップ202の間に隙間があると、汚れが隙間に入り込み、容易の掃除することができない。本発明の一態様にかかるパイプキャップ202を用いた場合、汚れがハンドル102とパイプキャップ202の間に隙間入り込むことを抑制し得る。
【0031】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、パイプキャップの構成が上記第1の実施形態と異なる。その他の点は、上記実施の形態と同様であり、同様である点については説明を省略する。
【0032】
図6は、第2の実施形態にかかるパイプキャップ202の外観の一例を示す斜視図である。
図6(a)は蓋部601及びガイド部602を示した斜視図、
図6(b)は
図6(a)の他の方向から見た斜視図、
図6(c)は、VI(c)-VI(c)断面を示す断面図、
図6(d)は、VI(d)-VI(d)断面を示す断面図である。
図6に基づき、本実施形態におけるパイプキャップ202の構成を説明する。
【0033】
図6(a)乃至(b)に示すように、パイプキャップ202は、蓋部601とガイド部602を有する。
【0034】
蓋部601は、パイプ201の開口端部206の上部に配置される板状の板状部603と、第1部材604を有する。板状部603は、パイプ201の開口端部206の大きさに対応し、
図7に示すように、パイプ201の開口端部206を覆うような形状を有する。
【0035】
第1部材604には、
図6(c)に示すように、蓋部601の底面605の略中央部から下方に延伸する第1脚部606が設けられる。第1脚部606には
図6(c)の右に突起する第1突起部607が設けられる。第1突起部607は、第1脚部606から
図6(c)の右方向に向かって下方に傾斜する傾斜部608を有する。第1突起部607の先端には、後述するガイド部602を引っ掛ける第1引っ掛け部609を有する。
図6(b)に示すように、第1部材604は、第1脚部606、第1突起部607、及び第1引っ掛け部609の両側に側壁部610を有する。蓋部601はさらに、開口部611を有する。開口部611は、側壁部610、蓋部601の底面605、及び第1部材604で取り囲まれている。
【0036】
ガイド部602は、本体部612と第2部材613を有する。
【0037】
本体部612は、
図7に示すように、パイプ201に挿入可能な大きさの、例えば、長方体形状を有する。本体部612には螺合部材207を挿入するための挿入孔614を有する。挿入孔614は例えば、長方体の一面の中央部に設けられる。
【0038】
第2部材613は、
図6(d)に示すように、本体部612の、例えば、上面615に
図6(d)上方に向かって第2脚部616を有する。第2脚部616の上端には、
図6(d)左側に延伸する第2突起部617を有する。第2突起部617の先端には、
図6(d)下方に突起する第2引っ掛け部618を有する。第2脚部616、第2突起部617、第2引っ掛け部618の幅は、蓋部601の開口部611の幅より狭い。
図6(b)に示すように、蓋部601の開口部611にガイド部602の第2部材613が挿入される。第1引っ掛け部609と第2引っ掛け部618が、互いにかみ合い、蓋部601にガイド部602が引っ掛けられる。
【0039】
パイプ201の構成は、
図7に示すように、第1の実施形態と同様である。ただし、螺合部材受け止め孔208は、螺合部材が貫通する螺合部材貫通孔701に変更されている。また、螺合部材貫通孔701の位置は、螺合部材207がガイド部602の挿入孔614を介して本体部612に締め込まれ、ガイド部602がパイプ201に固定されたときに、ガイド部602が蓋部601をパイプ201に引き込み、パイプ201開口端部206と底面605の間に隙間が生じないように構成される。
【0040】
図7は、本実施形態にかかるパイプキャップ202をパイプ201と取り付ける方法を示す概略図である。
図8は本実施形態にかかるパイプキャップ202の機能を説明する
図7のVIII-VIII断面の断面図である。
図7及び
図8を用いて、本実施形態におけるパイプキャップ202のパイプ201への取り付けについて説明する。
【0041】
まず、
図8(a)の矢印801に示すように、蓋部601の開口部611に、ガイド部602の第2部材613が挿入される。次に、
図8(b)に示すように、蓋部601の第1引っ掛け部609にガイド部602の第2引っ掛け部618を引っ掛けたパイプキャップ202がパイプ201の開口端部206に挿入される。次に、
図8(c)に示すように、螺合部材207がパイプ201の螺合部材貫通孔701を介して、ガイド部602の挿入孔614に、挿入される。そして、
図8(d)に示すように、螺合部材207がガイド部602の挿入孔614にねじ込まれるに伴い、螺合部材207の回転に基づいて、螺合部材207は
図8(d)右側に進む。
【0042】
螺合部材207が
図8(d)右側に進むと、矢印802で示すように、ガイド部602は
図8(d)左側に移動し、最終的にパイプキャップ202がパイプ201に固定される。ガイド部602が
図8(d)左側に移動すると、パイプ201の開口端部206に挿入された第2部材613も
図8(d)左側に移動する。第2部材613が
図8(d)左側に移動すると、第2引っ掛け部618は第1突起部607の傾斜部608に接しながら、
図8(d)左側に移動する。第2引っ掛け部618が第1突起部607の傾斜部608に接しながら
図8(d)の左側に移動すると、第2引っ掛け部618は蓋部601を矢印803方向のパイプ201の開口端部206側に引き込む。これにより、パイプキャップ202の浮きが防止される。
【0043】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、パイプキャップ202の構成が上記第2の実施形態と異なる。その他の点は、上記第2の実施形態と同様であり、同様である点については説明を省略する。
【0044】
図9は、第3の実施形態にかかるパイプキャップ202の外観の一例及びパイプ201に本実施形態にかかるパイプキャップ202の取り付け方法を示す斜視図である。
図10は、蓋部901を
図9下方から見た斜視図である。
図11は、本実施形態にかかるパイプキャップ202の機能を説明するXI-XI断面の断面図である。
図9、
図10、及び
図11に基づき、本実施形態におけるパイプキャップ202の構成を説明する。
【0045】
図9、
図10及び
図11に示すように、パイプキャップ202は、蓋部901とガイド部902を有する。
【0046】
蓋部901は、パイプ201の開口端部206の上部に配置される板状の板状部603と、枠部903を有する。板状部603は、パイプ201の開口端部206の外縁に沿った形状を有し、
図9に示すように、パイプ201の開口端部206を覆うような形状を有する。
【0047】
枠部903は、蓋部901をパイプ201に挿入したとき、パイプ201の内部に挿入されるような位置に設けられる。枠部903は、
図10に示すように蓋部901の
図10上方に延伸する第1壁部111、第2壁部112、第3壁部113、及び第4壁部114を有し、上方に開口している。第1壁部111及び第3壁部113は、蓋部901の長手方向に沿う。第2壁部112及び第4壁部114は蓋部901の短手方向に沿う。第1壁部111及び第3壁部113は、穴部115を有する。この穴部115は、例えば、スロット形状を有し、傾斜部116を有する。傾斜部116は蓋部901の底面117に近づくように傾斜している。なお、第2壁部112、第4壁部114は省略することもできる。
【0048】
ガイド部902は、本体部612と第4部材904を有する。本体部612は、第2の実施形態と同様の形状を有する。
【0049】
第4部材904は、第3脚部905と第3突起部906を有する。第3脚部905は本体部612の略中央部の
図9の上面に、上方に向かって延伸する。第3突起部906は、第3脚部905の
図9の左右側面から、突起する。第3突起部906は、例えば円筒形状を有するが、これに限定されるものではない。第3突起部906は蓋部901の穴部115にはめ込まれ、
図9において左右にスライドする。
【0050】
パイプ201の構成は、
図9に示すように、第2の実施形態と同様である。螺合部材貫通孔701の位置は、螺合部材207がガイド部902の本体部612の挿入孔614に締め込まれ、ガイド部902がパイプ201に固定されたときに、ガイド部902が蓋部901をパイプ201に引き込み、パイプ201の開口端部206と蓋部901の底部との間に隙間が生じないように構成される。
【0051】
まず、
図11(a)に示すように、蓋部901における枠部903の開口部に、ガイド部902の第4部材904を挿入し、さらに、枠部903の穴部115に第3突起部906をはめ込む。次に、
図11(b)に示すように、蓋部901の穴部115に第3突起部906をはめ込んだパイプキャップ202がパイプ201に挿入される。そして、
図11(c)に示すように、螺合部材207がパイプ201の螺合部材貫通孔701を介して、ガイド部902における本体部612の挿入孔614に、挿入される。さらに、螺合部材207が挿入孔614にねじ込まれるに伴い、螺合部材207の回転に基づいて、螺合部材207は
図11(d)の右側に進む。さらに、螺合部材207が
図11(d)の右側に進むに従い、ガイド部902は矢印118で示すように左側に移動し、最終的にパイプ201の内側の側壁に固定される。ガイド部が矢印118方向に移動すると、ガイド部902の第3突起部906も、穴部115の傾斜部116をスライドしながら
図11(d)の左側に移動する。第3突起部906が傾斜部116をスライドすると、第3突起部906は、傾斜部116の傾斜に従い蓋部901を矢印119方向に引き込む。これにより、パイプキャップ202の浮きが防止される。
【0052】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、パイプキャップ202及びパイプ201の構成が上記第1の実施形態と異なる。その他の点は、上記第1の実施形態と同様であり、同様である点については説明を省略する。
【0053】
図12は、パイプキャップ202の概要を示す斜視図である。
図12に示すように、パイプキャップ202は、蓋部301と固定部302とを有する。蓋部301は、第1の実施形態と同様の形状を有する。
【0054】
固定部302は、第1の実施形態の固定部と同様の形状であるが、さらに、第4突起部121を有する。第4突起部121は、後述するパイプ201の穴部131に挿入されるとともに、固定部302の面から先端に向かって直径が小さくなる形状を有する。つまり、第4突起部121は、先端から固定部に向かって傾斜を有する。第4突起部121は、パイプキャップ202がパイプ201に挿入されたとき、パイプ201の穴部131に対向する位置に設けられる。
【0055】
パイプ201の構成は、第1の実施形態のパイプ201の構成と同様の構成であるが、
図13に示すように、さらに、第4突起部121が挿入される穴部131が設けられる。
【0056】
穴部131の位置は、パイプキャップ202をパイプ201に挿入したとき、第4突起部121が対向する位置に設ける。より具体的には、
図14(b)に示すように、蓋部301の底面304から第4突起部121の先端までの長さ142、蓋部の底面304から第4突起部121の根元までの長さ141、パイプ201の開口端部206から穴部131の上端までの長さ143とすると、長さ143は長さ141に略等しく、長さ142より短い関係を有する。
【0057】
図13は、本実施形態におけるパイプキャップ202をパイプ201に取り付ける方法を示す概略図である、
図14は、パイプ201にパイプキャップ202を取り付けた後、
図13のXIV-XIV断面の断面図であり、本実施形態にかかるパイプキャップ202の機能を説明するための断面図である。
図14(a)は、螺合部材207をねじ込み、第4突起部121が、パイプ201に接したときの断面を示す。
図14(b)は
図14(a)の拡大を示す。
図14(c)は、螺合部材207をねじ込み、固定部302をパイプ201の外側の側面に固定したときの断面を示す。
図13及び
図14を用いて、パイプキャップ202をパイプ201への取り付ける方法及び、機能について説明する。
【0058】
まず、パイプキャップ202は、
図14に示すように、固定部302が、パイプ201の外側の側面に沿うようにパイプ201に挿入される。次に螺合部材207を固定部302の固定部開口孔305を貫通させ、パイプ201の螺合部材受け止め孔208に挿入する。そして、螺合部材207をねじ込み、固定部302をパイプ201外側の側面に固定することによりパイプキャップ202を固定する。
【0059】
次に、
図14を用いて、より具体的に、説明する。パイプ201の開口端部206から穴部131の上端までの長さ143よりも、蓋部301の底面304から第4突起部121の先端までの長さ142の方が長い関係から、パイプキャップ202をパイプ201に挿入したときに蓋部301の底面304がパイプ201の開口端部206から若干浮いている状態であったとしても、第4突起部121の先端がパイプ201の穴部131の上端よりも下方に位置することができる。したがって、
図14(b)に示すように、まず、螺合部材207をねじ込み始めると、第4突起部121の先端は、
図14(b)のパイプ201の穴部131に進入する。さらに、螺合部材207をねじ込まれると、第4突起部121の傾斜がパイプ201の穴部131の上端をスライドし、固定部302はパイプ201の下方に向かって移動する。そして、螺合部材207が、固定部302とパイプ201の外側の側面と接するまで進むと、
図14(c)に示すように、長さ143を長さ141とを略等しくしているため、固定部302が設けられた蓋部301の底面304がパイプ201の開口端部206に接し、パイプキャップ202とパイプ201との間に隙間が形成されることが防止される。
【0060】
本実施形態において、第4突起部121や穴部131の位置は、左右方向においては、螺合部材207が締まる回転方向に対して、パイプキャップ202が浮き上がる方向となる側(螺合部材207が時計回りで締まる方向の場合は、
図12や
図13に示すように螺合部材207の左側)に位置している。これにより、螺合部材207の締め付けにより固定部302が共回りして、パイプキャップ202を浮き上がらせる力が働いても、上述の通り、第4突起部121の傾斜がパイプ201の穴部131の上端をスライドし、固定部302をパイプ201の下方に向かって移動させるため、パイプキャップ202を浮き上がらせる力に抗することができる。また、第4突起部121や穴部131の位置は、上下方向においては、パイプ201の開口端部206と螺合部材受け止め孔208との間に位置している。これにより、上述の長さ141~143を全体的に短くできるため、精度が向上し、パイプキャップ202とパイプ201との間に隙間が形成されることがより確実に防止される。
【0061】
なお、説明では、突起部をパイプキャップ202の固定部に、穴をパイプ201に設けた例で説明したが、逆に、突起部をパイプ201に、穴をパイプキャップ202の固定部に設けてもよい。また、突起部、穴は複数設けても良い。
【0062】
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、パイプキャップ150の構成が上記第1の実施形態と異なる。その他の点は、第1の実施形態と同様であり、同様である点については説明を省略する。
【0063】
図15は、パイプキャップ150の概要を示す斜視図である。
図15に示すように、パイプキャップ150は、蓋部301、固定部302、及び浮き防止部303を有する。蓋部301は、第1の実施形態と同様の形状を有する。固定部302は、第1の実施形態の固定部と同様の形態を有する。
【0064】
浮き防止部303は、
図15、
図16及び
図17に示すように、蓋部301の底面304から、
図15のy方向に延伸して、
図15の右側に屈曲し、右上方に延伸するように一体的に形成される。
図15のy方向に延伸する部分を第1脚部151と呼び、脚部から右に屈曲し延伸する部分を第2脚部152と呼ぶ。
【0065】
第1脚部151は、例えば、板状の形状を有する。また、第1脚部151は、
図16に示すように、パイプキャップ150をパイプ201に挿入したとき、第1脚部151がパイプ201の内側に挿入される位置に、蓋部301の底面304に略垂直に設ける。
【0066】
第2脚部152は、第1脚部151の先端に設け、
図17に示すように、例えば板状であり、第1脚部151と同じ幅を有する。第2脚部152は、螺合部材207を
図17において時計方向171に回す場合には、パイプ201の側面172に接して押圧するように設ける。第2脚部152の長さは、パイプの側面172に接する長さを備える。第1脚部151と第2脚部152が成す角度αは鈍角を有する。
【0067】
図17は、
図16において、パイプ201にパイプキャップ150を取り付けた後のXVII-XVII断面の断面図である。
図16及び
図17を用いて、パイプキャップ150をパイプ201への取り付ける方法について説明する。
図16に示すように、まず、パイプキャップ150を開口端部206に挿入する。固定部302をパイプ201の外側の側面に沿うようにパイプキャップ150をパイプ201に挿入する。次に螺合部材207を固定部302の固定部開口孔305を貫通させ、パイプ201の回転部材受け止め孔208に挿入する。さらに、螺合部材207をねじ込み、固定部302をパイプ201の外側の側面に固定する。
【0068】
次に、
図17を用いて、より具体的に、説明する。
図17(a)に示すように、第1脚部151及び第2脚部152がパイプに挿入される。次に、螺合部材207が固定部302の固定部開口孔305を貫通し、回転部材受け止め孔208に挿入される。そして、
図17(b)に示すように、螺合部材207が、例えば、矢印171の方向にねじ込まれると、第1の実施形態で説明したように、螺合部材207の回転する力が固定部302に伝わり、螺合部材207は、パイプキャップ150を、矢印171方向に回転させようとする。パイプキャップ150が171方向に回転しようとすると、第2脚部152はパイプ201内側の
図17の左側の側面172を矢印173の方向に押し、側面172と第2脚部152の間に生ずる摩擦力が増加して第2脚部152の先端を側面172に固定する。これにより、パイプキャップの浮きが防止される。
【0069】
なお、第1脚部151及び第2脚部152が弾性変形可能な材料である場合には、パイプキャップ150を回転させようとする力は、
図17(c)に示すように、第1脚部151及び第2脚部152を歪ませ、矢印174で示す方向に変形させる。次に、螺合部材207のねじ込みが終わり、螺合部材207をねじ込むドライバ(図示せず)が外されると、パイプキャップ150を矢印171方向に回転させようとする力は消失する。
【0070】
すると、
図17(c)で説明した第1脚部151及び第2脚部152に生じた歪による変形は元に戻ろうとして、
図17(d)に示すように、矢印174とは逆に175方向に変形する力が第2脚部152に生じる。第2脚部152に生じた175方向の力は、第2脚部152の先端とパイプ201内側の側面172との接触点が支点となって、第1脚部151を含むパイプキャップ150を矢印176方向に引き込み、パイプキャップ150がパイプ201の外に向かう力をさらに抑止し得る。これにより、パイプキャップの浮きが防止される。
【0071】
なお、パイプキャップ150に固定部302を設ける例で説明したが、これに限定されるものではない。例えば、固定部302を設けず、第1脚部151に、螺合部材207を受ける孔を設けてもよい。
【0072】
本発明は、種々の変形が可能である。例えば、上述の構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。