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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】リフロー炉の冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F27D 9/00 20060101AFI20231213BHJP
   B23K 1/008 20060101ALI20231213BHJP
   F27D 19/00 20060101ALI20231213BHJP
   F27D 21/00 20060101ALI20231213BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
F27D9/00
B23K1/008 Z
F27D19/00 A
F27D19/00 Z
F27D21/00 G
H05K3/34 507K
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021510913
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2019048370
(87)【国際公開番号】W WO2020046959
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】201810993604.9
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ションフー イェン
(72)【発明者】
【氏名】ポン シュー
(72)【発明者】
【氏名】トン チャン
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-139030(JP,U)
【文献】特開平09-094655(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102049587(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 9/00- 9/40
F27D 7/00-99/00
H05K 3/32- 3/34
B23K 1/00- 3/08
B23K 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフロー炉の冷却システムであって、該リフロー炉は加熱ゾーンを備え、該冷却システムは、該加熱ゾーンの温度を調節するために使用され、該冷却システムは、
吹出装置と、
前記加熱ゾーンに配置されている少なくとも1つのガス入口及び少なくとも1つのガス排出口と、
少なくとも1つのガス吸入配管であって、該少なくとも1つのガス吸入配管の入口は前記吹出装置に接続され、該少なくとも1つのガス吸入配管の出口は前記少なくとも1つのガス入口に接続されており、前記少なくとも1つのガス吸入配管は、前記吹出装置と前記少なくとも1つのガス入口との流体連通を制御可能に確立することができる、少なくとも1つのガス吸入配管と、
少なくとも1つのガス排出配管であって、該少なくとも1つのガス排出配管の入口は前記少なくとも1つのガス排出口に接続され、該少なくとも1つのガス排出配管の出口は外部に接続されており、該少なくとも1つのガス排出配管は、前記少なくとも1つのガス排出口と前記外部との流体連通を制御可能に確立することができる、少なくとも1つのガス排出配管と、
を備え、
前記少なくとも1つのガス排出配管の前記出口は、排気装置に接続するために使用することができ、前記少なくとも1つのガス排出配管は、前記少なくとも1つのガス排出口を前記排気装置に制御可能に接続することができ、前記排気装置は、前記リフロー炉内のガスを前記外部に排出するために使用することができることを特徴とする、冷却システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガス吸入配管は複数のガス吸入配管であり、前記少なくとも1つのガス入口は複数のガス入口であり、
前記複数のガス吸入配管のそれぞれの前記入口は、前記吹出装置に接続され、該複数のガス吸入配管のそれぞれの前記出口は、前記複数のガス入口のうちの対応する1つに接続され、前記複数のガス吸入配管のそれぞれは、前記吹出装置と前記複数のガス入口のうちの対応する1つとの流体連通を制御可能に確立することができることを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記加熱ゾーンは低温側ゾーン及び高温側ゾーンを含み、前記少なくとも1つのガス入口は前記高温側ゾーンに配置され、前記少なくとも1つのガス排出口は前記低温側ゾーンに配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記吹出装置はファンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記吹出装置は複数のファンを含み、前記複数のガス入口のそれぞれは、前記複数のファンのうちの対応する1つに制御可能に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのガス入口と前記吹出装置との間に配置された少なくとも1つのガス吸入弁装置を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのガス吸入弁装置は、少なくとも1つのガス吸入配管に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのガス吸入弁装置は、前記少なくとも1つのガス入口と前記少なくとも1つのガス吸入配管の前記出口との間に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのガス吸入弁装置は、前記吹出装置と前記少なくとも1つのガス吸入配管の前記入口との間に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の冷却システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのガス排出配管の前記入口と前記少なくとも1つのガス排出口との間に配置された少なくとも1つのガス排出弁装置を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項11】
前記吹出装置と少なくとも1つのガス吸入弁装置とを制御するために用いられる制御装置を更に備えることを特徴とする、請求項7~10のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項12】
前記加熱ゾーンの前記温度を検出するために用いられる温度検出装置を更に備え、
前記制御装置は、前記温度検出装置によって検出される前記温度に従って、前記吹出装置と少なくとも1つのガス吸入弁装置とを制御することができることを特徴とする、請求項11に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、リフロー炉の分野に関し、特に、リフロー炉の冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
リフロー炉では、回路基板が異なると、回路基板における選択された領域にはんだペースト(例えば、錫ペースト)を堆積させるために必要な加熱温度が異なる。したがって、リフロー炉は、異なる回路基板には異なる加熱温度を提供しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、リフロー炉が相対的に高い加熱温度から相対的に低い加熱温度に切り換わるためにかかる時間を短縮する、リフロー炉冷却システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の例証となる実施の形態は、上述した問題のうちの少なくともいくつかを解決することができる。例えば、本出願は、リフロー炉の冷却システムであって、該リフロー炉は加熱ゾーンを備え、該冷却システムは、該加熱ゾーンの温度を調節するために使用され、該冷却システムは、前記加熱ゾーンに配置されている少なくとも1つのガス入口及び少なくとも1つのガス排出口と、吹出装置と、少なくとも1つのガス吸入配管であって、該少なくとも1つのガス吸入配管の入口は前記吹出装置に接続され、該少なくとも1つのガス吸入配管の出口は前記少なくとも1つのガス入口に接続されており、前記少なくとも1つのガス吸入配管は、前記吹出装置と前記少なくとも1つのガス入口との流体連通を制御可能に確立することができる、少なくとも1つのガス吸入配管と、少なくとも1つのガス排出配管であって、該少なくとも1つのガス排出配管の入口は前記少なくとも1つのガス排出口に接続され、該少なくとも1つのガス排出配管の出口は外部に接続されており、該少なくとも1つのガス排出配管は、前記少なくとも1つのガス排出口と前記外部との流体連通を制御可能に確立することができる、少なくとも1つのガス排出配管とを備えることを特徴とする、冷却システムを提供する。
【0005】
上述した冷却システムによれば、前記少なくとも1つのガス吸入配管は複数のガス吸入配管であり、前記少なくとも1つのガス入口は複数のガス入口であり、前記複数のガス吸入配管のそれぞれの前記入口は、前記吹出装置に接続され、該複数のガス吸入配管のそれぞれの前記出口は、前記複数のガス入口のうちの対応する1つに接続され、前記複数のガス吸入配管のそれぞれは、前記吹出装置と前記複数のガス入口のうちの対応する1つとの流体連通を制御可能に確立することができる。
【0006】
上述した冷却システムによれば、前記加熱ゾーンは低温側ゾーン及び高温側ゾーンを含み、前記少なくとも1つのガス入口は前記高温側ゾーンに配置され、前記少なくとも1つのガス排出口は前記低温側ゾーンに配置されている。
【0007】
上述した冷却システムによれば、前記少なくとも1つのガス排出配管の前記出口は、排気装置に接続するために使用することができ、前記少なくとも1つのガス排出配管は、前記少なくとも1つのガス排出口を前記排気装置に制御可能に接続することができ、前記排気装置は、前記リフロー炉内のガスを前記外部に排出するために使用することができる。
【0008】
上述した冷却システムによれば、前記吹出装置はファンを含む。
【0009】
上述した冷却システムによれば、前記吹出装置は複数のファンを含み、前記複数のガス入口のそれぞれは、前記複数のファンのうちの対応する1つに制御可能に接続されている。
【0010】
上述した冷却システムによれば、該冷却システムは、前記少なくとも1つのガス入口と前記吹出装置との間に配置された少なくとも1つのガス吸入弁装置を更に備える。
【0011】
上述した冷却システムによれば、前記少なくとも1つのガス吸入弁装置は、少なくとも1つのガス吸入配管に配置されている。
【0012】
上述した冷却システムによれば、前記少なくとも1つのガス吸入弁装置は、前記少なくとも1つのガス入口と前記少なくとも1つのガス吸入配管の前記出口との間に配置されている。
【0013】
上述した冷却システムによれば、前記少なくとも1つのガス吸入弁装置は、前記吹出装置と前記少なくとも1つのガス吸入配管の前記入口との間に配置されている。
【0014】
上述した冷却システムによれば、該冷却システムは、前記少なくとも1つのガス排出配管の前記入口と前記少なくとも1つのガス排出口との間に配置された少なくとも1つのガス排出弁装置を更に備える。
【0015】
上述した冷却システムによれば、該冷却システムは、前記吹出装置と少なくとも1つのガス吸入弁装置とを制御するために用いられる制御装置を更に備える。
【0016】
上述した冷却システムによれば、該冷却システムは、前記加熱ゾーンの前記温度を検出するために用いられる温度検出装置を更に備え、前記制御システムは、前記温度検出装置によって検出される前記温度に従って、前記吹出装置と少なくとも1つのガス吸入弁装置とを制御することができる。
【0017】
本出願の冷却システムは、リフロー炉が相対的に高い加熱温度から相対的に低い加熱温度に切り換わるためにかかる時間を短縮するために、リフロー炉内の加熱ゾーンの冷却を加速させることができる。
【0018】
本出願のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むことによってより良く理解することができる。図面全体を通して、同一の図面符号は同一の構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】本出願の一実施形態における冷却システムの簡易システム図である。
図1B】本出願の2つの他の実施形態のうちの一方における冷却システムの簡易システム図である。
図1C】本出願の2つの他の実施形態のうちの他方における冷却システムの簡易システム図である。
図2】本出願の別の実施形態における冷却システムの簡易システム図である。
図3図1Aに示す冷却システムの制御コンポーネント及び制御接続の概略図である。
図4図3における制御装置の1つの実施形態の簡易概略図である。
図5】制御装置が図1Aに示すリフロー炉に温度制御を施す手順の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本出願の様々な特定の実施形態について、本明細書の一部を形成する添付図面を参照して説明する。以下の図面において、同一の構成要素に対して同一の図面番号を用いており、同様の構成要素に対して同様の図面番号を用いている。
【0021】
図1Aは、本出願の一実施形態における冷却システム2の簡易システム図である。図1Aに示すように、冷却システム2は、リフロー炉1を備える。リフロー炉1は、加熱ゾーン10、分離ガス排出ゾーン16及び冷却ゾーン18を備える。分離ガス排出ゾーン16は、加熱ゾーン10と冷却ゾーン18との間に配置され、リフロー炉1が稼働しているとき、加熱ゾーン10の熱が冷却ゾーン18に伝達されるのを防止するために、加熱ゾーン10と冷却ゾーン18とを分離するために用いられる。炉床(図示せず)が、加熱ゾーン10、分離ガス排出ゾーン16及び冷却ゾーン18を通って延び、加熱ゾーン10、分離ガス排出ゾーン16及び冷却ゾーン18は、全て、炉床と流体連通している。加熱ゾーン10及び冷却ゾーン18は、それぞれ、複数の部分領域を含むことができ、部分領域のそれぞれは互いに流体連通している。図1Aに示す実施形態では、加熱ゾーン10は10個の部分領域を含む。10個の部分領域は、低温側ゾーン12及び高温側ゾーン14を含む。高温側ゾーン14の温度は、低温側ゾーン12の温度よりも高い。低温側ゾーン12は、2つの予熱ゾーン17を含む。高温側ゾーン14は、4つの均一温度ゾーン13と4つのピーク値ゾーン15とを含む。予熱ゾーン17、均一温度ゾーン13及びピーク値ゾーン15は、隣接して配置されている。予熱ゾーン17及び均一温度ゾーン13において、回路基板を徐々に加熱することができ、回路基板上のはんだペーストにおけるフラックスの一部が気化する。ピーク値ゾーン15において、回路基板は加熱され続け、はんだペーストは溶融する。次いで、回路基板は、分離ガス排出ゾーン16を通過し、その後、冷却ゾーン18内に搬送される。冷却ゾーン18は、4つの部分領域を含む。冷却ゾーン18において、はんだペーストは、回路基板のはんだ付け領域で冷却されて硬化し、それにより、電子素子を回路基板に接続する。加熱ゾーン10における各部分領域には連通口が設けられている。具体的には、低温側ゾーン12の各部分領域には、低温側ゾーン12に収容されているガスをリフロー炉1から排出するガス排出口8が設けられている。高温側ゾーン14における各部分領域には、ガスをリフロー炉1に入れるガス入口6が設けられている。
【0022】
冷却システム2は、2つのガス吸入配管22と2つの吹出装置64とを更に備える。2つのガス吸入配管22のそれぞれは、1つの分岐ガス吸入入口管84と4つの分岐ガス吸入出口管82とを備える。1つの分岐ガス吸入入口管84の一端が、4つの分岐ガス吸入出口管82のそれぞれの一端に接続されている。分岐ガス吸入入口管84の別の端部は、吹出装置64のうちの対応する1つに接続する入口28である。4つの分岐ガス吸入出口管82のそれぞれの別の端部は、4つのガス入口6のうちの対応する1つに接続する出口24である。具体的には、一方のガス吸入配管22における4つの出口24のそれぞれが、4つの均一温度ゾーン13における対応するガス入口6に接続されている。他方のガス吸入配管22における4つの出口24のそれぞれが、4つのピーク値ゾーン15における対応するガス入口6に接続されている。冷却システム2は、8つのガス吸入弁装置42を更に備える。8つのガス吸入弁装置42のそれぞれが、8つの分岐ガス吸入出口管82のうちの対応する1つに配置されている。
【0023】
冷却システム2は、ガス排出配管32及び排気装置66を更に備える。ガス排出配管32は、2つの分岐ガス排出入口管72と1つの分岐ガス排出出口管74とを含み、2つの分岐ガス排出入口管72のそれぞれの一端は、分岐ガス排出出口管74の一端に接続されている。2つの分岐ガス排出入口管72のそれぞれの別の端部は、2つの低温側ゾーン12の2つのガス排出口8のうちの対応する1つに接続する入口36である。分岐ガス排出出口管74の別の端部は、排気装置66に接続する出口38である。冷却システム2は、2つのガス排出弁装置44を更に備える。2つのガス排出弁装置44のそれぞれは、2つの分岐ガス排出入口管72のうちの対応する1つに配置されている。
【0024】
図1Aにおける矢印は、吹出装置64、排気装置66、ガス吸入弁装置42及びガス排出弁装置44の全てが開放しているときの配管内の空気の流れ方向を示す。
【0025】
図1B及び図1Cは、本出願の2つの他の実施形態における冷却システム2の簡易システム図であり、ガス吸入弁装置42及びガス排出弁装置(複数の場合もある)44の配置の異なる位置を示すように意図されている。ガス吸入弁装置42及びガス排出弁装置(複数の場合もある)44の配置の位置が異なることを除き、各場合において、他の構成要素の配置は図1Aと同じであるため、ここでは不必要に再度説明しない。図1Bに示すように、1つの実施形態では、ガス吸入弁装置42は、ガス吸入配管22の出口24とガス入口6との間に配置されており、ガス排出弁装置44は、ガス排出配管32の入口36とガス排出口8との間に配置されている。図1Cに示すように、別の実施形態では、ガス吸入弁装置42は、ガス吸入配管22の入口28と吹出装置64との間に配置されており、ガス排出弁装置44は、ガス排出配管32の出口38と排気装置66との間に配置されている。
【0026】
図2は、本出願の別の実施形態における冷却システム2の簡易システム図であり、冷却システム2においてガス吸入配管22、吹出装置64、ガス排出配管32及び排気装置66を配置する、異なる方法を示すように意図されている。図2に示すように、冷却システム2は、8つのガス吸入配管22と、8つの吹出装置64と、8つのガス吸入弁装置42とを備える。8つの吹出装置64のそれぞれは、8つのガス吸入配管22のうちの対応する1つを介して8つのガス入口6のうちの対応する1つに接続されている。8つのガス吸入弁装置42のそれぞれは、8つのガス吸入配管22のうちの対応する1つに配置されている。冷却システム2は、2つのガス排出配管32と、2つの排気装置66と、2つのガス排出弁装置44とを更に備える。2つの排気装置66のそれぞれは、2つのガス排出配管32のうちの対応する1つを介して2つのガス排出口8のうちの対応する1つに接続されている。2つのガス排出弁装置44のそれぞれは、2つのガス排出配管32のうちの対応する1つに配置されている。
【0027】
当業者であれば、リフロー炉1の加熱ゾーン10及び冷却ゾーン18の部分領域の数、低温側ゾーン12及び高温側ゾーン14における部分領域の数等は、はんだ付けすべき製品に従って変更することができ、図1A図2に示す実施形態に限定されないことを理解するであろう。ガス吸入配管22、吹出装置64、ガス排出配管32及び排気装置66は、リフロー炉1の設定に従って変更することができ、接続の量又は方法に関して制限されず、空気を炉床内に及び炉床から出るように誘導するとともに炉床内の空気の流れを加速させることのみが必要である、ということも説明しなければならない。
【0028】
図3は、図1Aに示す冷却システム2の制御コンポーネント(制御装置4を含む)と制御接続との概略図である。図3に示すように、冷却システム2は、制御装置4と温度検出装置とを更に備える。温度検出装置は、加熱ゾーン10における各部分領域において温度を検出するために使用されるように構成されている。一例として、温度検出装置は、10個の温度センサー74を備える。制御装置4は、温度センサー74によって検出される温度に従って、吹出装置64、排気装置66、ガス排出弁装置44及びガス吸入弁装置42を制御することができるように構成されている。制御装置4は、吹出装置64、排気装置66、ガス排出弁装置44及びガス吸入弁装置42と通信接続されている。
【0029】
図4は、図3における制御装置4の1つの実施形態の簡易概略図である。図4に示すように、制御装置4は、バス402と、プロセッサ404と、入力インターフェース406と、出力インターフェース408と、制御プログラム416を有するメモリ414とを備える。プロセッサ404、入力インターフェース406、出力インターフェース408及びメモリ414を含む制御装置4のコンポーネントの全てが、プロセッサ404が入力インターフェース406、出力インターフェース408及びメモリ414の動作を制御することができるように、バス402と通信接続されている。具体的には、メモリ414は、プログラム、命令及びデータを記憶するために使用され、プロセッサ404は、メモリ414からプログラム、命令及びデータを読み出すとともに、メモリ414にデータを書き込むことができる。
【0030】
入力インターフェース406は、温度センサー74から送信される信号及びデータを含む信号及びデータを、接続ライン418を介して外部から受信する。出力インターフェース408は、吹出装置64、排気装置66、ガス排出弁装置44及びガス吸入弁装置42に対する開閉制御信号の送信を含む、接続ライン422を介した外部への制御信号の送信を行う。制御プログラムと、事前設定された温度目標設定値等のデータは、制御装置4のメモリ414に記憶される。様々なパラメーターは、生産製造計画において事前設定するか、又は、使用中に手動入力若しくはデータインポートにより設定することができる。
【0031】
図5は、制御装置4が図1Aに示すリフロー炉1に温度制御を施す手順の概略図である。図5に示すフローチャートのプログラムは、制御装置4のメモリ414に記憶され、温度制御手順は、加熱ゾーン10における各部分領域の温度を調節するように意図されている。例えば、相対的に高い温度まで加熱する必要がある第1のタイプの回路基板のはんだ付けが終了すると、それより低い温度まで加熱する必要がある第2のタイプの回路基板がはんだ付けされる。この時点で、リフロー炉1を冷却しなければならず、冷却システム2のアクティベーションにより、リフロー炉1の冷却を加速させることができる。冷却中、リフロー炉1は動作可能ではない。種々のはんだ付けプロセス要件に従って、各部分領域の設定温度が事前設定され、メモリ414に記憶される。加熱ゾーン10の部分領域のうちの少なくとも1つの温度がこの部分領域の設定温度よりも高い場合、この部分領域に対応するガス吸入配管22に接続された吹出装置64と、この部分領域に対応するガス吸入配管22のガス吸入弁装置42と、排気装置66と、ガス排出弁装置44とをアクティベートすることにより、環境におけるより低い温度の空気が炉床内に迅速に搬送され、それにより、この部分領域の温度を迅速に低下させ、リフロー炉1が冷めるのを待つために必要な時間を短縮する。
【0032】
図5に示すように、ステップ502において、温度センサー74は、加熱ゾーン10における全ての部分領域の温度を検出する。次いで、プロセッサ404は、ステップ503に動作を移行する。
【0033】
ステップ503において、プロセッサ404は、ガス吸入弁装置42、吹出装置64、ガス排出弁装置44及び排気装置66を閉鎖する。次いで、プロセッサ404はステップ504に動作を移行する。
【0034】
ステップ504において、各部分領域の温度が設定温度以下である場合、制御手順は終了し、少なくとも1つの部分領域の温度が設定温度よりも高い場合、プロセッサ404はステップ506に動作を移行する。
【0035】
ステップ506において、プロセッサ404は、設定温度よりも高い部分領域に対応するガス吸入弁装置42と、吹出装置64と、ガス排出弁装置44と、吹出装置66とを開放する。次いで、プロセッサ404は、ステップ508に動作をシフトする。
【0036】
ステップ508において、温度センサー74は、加熱ゾーン10における部分領域の全ての温度を検出する。次いで、プロセッサ404はステップ510に動作を移行する。
【0037】
ステップ510において、少なくとも1つの部分領域の温度が設定温度よりも高い場合、プロセッサ404はステップ508に動作を移行し、各部分領域の温度が設定温度以下である場合、プロセッサ404はステップ512に動作を移行する。
【0038】
ステップ512において、プロセッサ404は、ガス吸入弁装置42、吹出装置64、ガス排出弁装置44及び排気装置66を閉鎖する。次いで、プロセッサ404は制御手順を終了する。
【0039】
本出願における冷却システムの配置に様々な変更を行うことができることを説明しなければならない。当業者であれば、吹出装置64又は排気装置66はファンであり得るが、別の原動力源とすることもできることが理解されよう。当業者であれば、冷却システムにいかなる排気装置66も配置しないことも可能であり、代わりに排気は環境(外部)に直接排出される、ということも理解されよう。
【0040】
本明細書は、単に本出願のいくつかの特徴を例示及び説明したが、当業者であれば、様々な改善及び変更が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲は、本出願の本質的な趣旨の範囲内にある上述した改善及び変更の全てを包含するように意図されていることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5