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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】二重容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/28 20060101AFI20231213BHJP
   B65D 3/22 20060101ALI20231213BHJP
   B65D 3/06 20060101ALI20231213BHJP
   B65D 81/38 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B65D3/28 Z
B65D3/22 C
B65D3/06 B
B65D81/38 R
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021539962
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2019127574
(87)【国際公開番号】W WO2020147520
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】201910044293.6
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521300728
【氏名又は名称】湖北克拉弗特実業有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】521300739
【氏名又は名称】丁 椒平
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】丁 椒平
(72)【発明者】
【氏名】丁宇凡
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/145600(WO,A1)
【文献】特開2004-315032(JP,A)
【文献】特開平10-338277(JP,A)
【文献】特開2007-191180(JP,A)
【文献】特開2011-025958(JP,A)
【文献】実開昭63-141121(JP,U)
【文献】特開2000-118590(JP,A)
【文献】特開2000-142836(JP,A)
【文献】実開昭61-205919(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 3/28
B65D 3/22
B65D 3/06
B65D 81/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックで製造され、底部を有する内容器(1)と、紙で製造され筒状を呈する外層体(2)と、を備え、前記外層体(2)が前記内容器(1)を外嵌する二重容器であって、前記外層体(2)と前記内容器(1)との間に前記外層体(2)を前記内容器(1)の外周面に係着する係止構造が底部に設けられ、前記係止構造は前記内容器(1)の外周面に形成され、前記内容器(1)の半径方向に凹んだ環形凹溝(6)と、巻く方法で前記外層体(2)の内周面に形成された環形突起(7)と、を備え、前記環形突起(7)が前記環形凹溝(6)内に嵌め込まれ、且つ前記外層体(2)に前記外層体(2)を引き裂いて破壊することができる引裂き部材(4)が設けられ、
前記環形突起(7)は、巻いて形成された略渦巻き状であり、前記環形突起(7)の横断面幅が前記環形凹溝(6)の深さよりも大きいことで、前記内容器(1)の外壁と前記外層体(2)の内壁との間に隙間(8)が生じさせ、
前記環形凹溝(6)の凹溝断面形状は、弧形または円形であり、前記環形突起(7)の突起断面形状は、円形または楕円形であり、高温のドリンク類を収容しない未使用時では、前記環形凹溝(6)と前記環形突起(7)との間には間隙があるが、高温のドリンク類を収容した使用時では、前記環形凹溝(6)と前記環形突起(7)とは密着し、
前記内容器(1)の口部は、前記内容器(1)の外壁に向けて反り下向きに開口する環形リブ(11)を有し、前記外層体(2)には底部がなく、前記内容器(1)の前記環形リブ(11)及び底部が均しく前記外層体(2)の外に位置し、前記引裂き部材(4)が前記外層体(2)の口縁部に位置すると共に口部から延出され、前記外層体(2)の外壁に曲げられ、
前記引裂き部材(4)の前記外層体(2)の口部に接続する部分は、開始点であり、前記外層体(2)の胴部に開始点から入れる引裂線(5)が設けられ、前記引裂線(5)は胴部の厚さを薄くする切目が間隔を開けて配置して形成される
ことを特徴とする二重容器。
【請求項2】
前記環形リブ(11)は、前記外層体(2)の口部から外側に巻いてから成り、前記引裂き部材(4)が外側に曲げて前記外層体(2)の外側壁に密着している
請求項1に記載の二重容器。
【請求項3】
前記引裂線(5)の開始点にある端は、1セグションの切目であり、前記切目が前記外層体(2)の口部まで延びる
請求項1に記載の二重容器。
【請求項4】
前記引裂線(5)の開始点にある端は、1セグションの切目であり、前記セグションの切目が前記外層体(2)の口部から一定の距離を離れる
請求項1に記載の二重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日用品の技術分野に属し、容器に関し、特に、二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
シングルユース容器とは、紙コップ、紙ボウル、プラスチックコップ、プラスチックボウル等の一回限り使い捨て物品を意味する。例えば紙コップは、板紙をロール状に巻き・接着等の工程を介して1つの単層のコップ体を形成し、純粋な板紙で製造されたコップ体が水と接触した後、柔らかくなり、漏れの原因となるため、コップ内に入れられた水または飲料を長時間保持できず、且つ柔らかくなったコップ体も持ち上げにくくなることにより使い捨て紙コップに対し水と接触する面に一層の薄い防水PE膜を吹き付け、ならびにPE膜に一層の食用ワックスがコーティングされている。
【0003】
火傷防止の問題を解決するため、二重容器が設計され、すなわち、上記単層紙コップを内カップとし、内カップの外側に1つの外カップを追加し、外カップと内カップとの間に火傷防止用の隙間を施すことで、手で外カップを持っている時、直接内カップに接触することがないことで火傷防止の目的を達成する。この種の二重構造の紙コップも大量に活用されており、紙質材料で製造されているため、リサイクルに非常に便利である。
【0004】
近年、二重容器の使用上の耐久性に対する市場の要求が高まっているため、生分解性プラスチックで製造されたプラスチック製内カップが出回り、プラスチック製内カップの外側にプラスチック製内カップとの間に隙間が施された紙製外カップを外嵌することで、プラスチックと板紙の組み合わせられた二重容器を形成する。例えば中国特許文献で開示されている使い捨て紙プラスチック保温コップ(特許文献1)及び紙コップの断熱構造(特許文献2)である。この種の構造の二重容器の外カップの底部を2層に折り畳んで補強することにより、外カップの下部が効果的な補強構造になっていないため、接着剤の接着による補強を形成する必要があり、接着剤による接着を使用しないことで、コップ本体胴部の半径方向に変形しやすくなり、外カップを持ち上げた時、外カップが圧力を受けて変形した後内カップに接触し、且つ内カップに補強構造がなく、内カップが熱を受けた時にも変形しやすいことで、全体的な強度も弱くなり、熱湯を入れて素手で持つ際、熱が手に伝わりやすくなっていた。
【0005】
プラスチックと紙質で形成された二重容器は、環境にやさしくないという大きな欠点があり、生分解性プラスチックであるが、生分解性プラスチックの分解時間に2~3年かかり、且つ使い捨てコップの使用量も巨大で、無断投棄も環境に大きな負担をかける。したがって、この種の二重容器のリサイクルは、非常に必要となっている。ただしこの種の二重容器は、火傷防止及び使い勝手を考慮し、外カップと内カップの結合が非常に堅固で、プラスチック製内カップと紙製外カップの結合が接着剤で固定する必要があり、これによりリサイクルがさらに困難になる。すなわち一つ目は、この種の紙コップが異なる材質であるため、リサイクル時に内カップと外カップを分離する必要があるが、外カップと内カップが接着剤で堅固に接着され、外カップが外力を受けていない時内カップから分離しにくく、二つ目がプラスチック製内カップに付着している接着剤は不純物であり、接着剤をプラスチック製内カップから除去し難く、プラスチックの純化が非常に困難になっていた。
【0006】
プラスチック製内カップと紙製外カップは、直接接着剤で接着される以外に、内カップと外カップを係着構造で固定する方法が開示され、係着構造をプラスチック製内カップと紙製外カップの結合に応用し、例えば米国特許文献で開示されている二重容器(特許文献3)の係止構造は外カップ内側壁にステップを形成し、内カップの底部をステップ上に配置し、外カップの口縁が内カップの巻口内に挿入される。このような係着構造の強度が高くなく、特に、内カップが外カップ内から抜けやすいので、接着剤で接着することで内カップが容易に外カップ内から抜かないようにすることができることが分かる。且つこのような係着構造の全体的な強度も高くなく、前述のように、外カップの底部のみに折り畳んだ2層の構造で半径方向上の補強を行い、内カップが半径方向に補強せず、外カップと内カップとの係着時上下方向の一方向に係着し、全体的な構造強度も高くなく、熱湯を入れて素手で持った際、熱が手に伝わりやすくなっていた。
【0007】
そのため、全体的な強度が高く、リサイクルが容易な二重容器が市場で期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】中国特許番号第200920148189.3号
【文献】中国特許番号第201010566808.8号
【文献】米国特許公開番号第US2015/0048086A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来技術に存在する上記の問題点に着目して、全体的な強度が高く、迅速に回収できる二重容器を提案することを、その技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような技術的手段を講じた。プラスチックで製造され、底部を有する内容器と、紙で製造され筒状を呈する外層体と、を備え、前記外層体が内容器を外嵌する二重容器であって、前記外層体と内容器との間に外層体を内容器の外周面に係着する係止構造が設けられ、前記係止構造は内容器の外周面に形成され、内容器の半径方向に凹んだ環形凹溝と、巻く方法で外層体の内周面に形成された環形突起と、を備え、または前記係止構造は、内容器の外周面に形成された環形突起と、巻く方法で外層体の内周面に形成され、外層体の半径方向に凹んだ環形凹溝と、を備え、前記環形突起が環形凹溝内に嵌め込まれ、且つ前記外層体に外層体を引き裂いて破壊することができる引裂き部材が設けられることを特徴とする。
【0011】
この二重容器は、接着剤のない係止構造を用いて外層体を内容器に係止するため、外層体が内容器に堅固に結合され、分離しにくく、この二重容器を使用した後で回収する時、外層体に設けられた引裂き部材を介し、外層体を簡単に壊れたり、はがれたりすることができるため、外層体を内容器から簡単に分離させることができることで、接着剤不純物のないプラスチック製内容器が得られ、迅速な回収を実現する。且つ外層体に環形凸起が形成され、外層体が半径方向にまるでアーチ橋のような補強を形成させ、特に、環形が形成した後、半径方向上の補強が最大になり、コップを変形しにくく、これを踏み、内容器の側壁に環形凹溝が形成され、内容器は半径方向に補強され、環形凸起が環形凹溝内に嵌め込まれた後、環形突起が内容器の環形凹溝に対し半径方向に支持の役目を果たし、結合後、半径方向上の全体的な強度がさらに向上する。このため、このような構造を介して内容器に結合する外層体の全体的な強度を増強できる。同時に作製時環形突起の巻き厚さまたは環形凹溝の巻きの深さを制御できることから内容器と外層体の断熱距離を調整できる。
【0012】
上記二層容器において、前記環形突起は、巻いて形成され、環形突起の横断面幅が前記環形凹溝の深さよりも大きいことで、内容器の外壁と外層体の内壁との間に隙間が生じさせる。このような構造を介し、係止構造にある外層体も火傷を防ぐことができ、コップの底部近くの外周部分もよく把持する部分であり、且つ幅を拡大した設計により環形リブの変形抵抗能力を増強でき、構造の強度を増加し、受熱挟持面積も増える。環形突起の巻き構造は、任意の横断面幅を形成できることから、内カップと外カップとの間の断熱隙間を調整することもできる。
【0013】
上記二層容器において、前記環形凹溝の凹溝断面形状は、弧形、方形または円形であり、前記環形突起の突起断面形状が円形または楕円形である。このような形状により、熱膨張時の挟持が容易になる。
【0014】
上記二層容器において、前記内容器の口部は、内容器の外壁に向けて反る環形リブを有し、前記外層体に底部がなく、前記内容器の環形リブ及び底部が均しく外層体の外に位置し、前記引裂き部材が外層体の口縁部に位置すると共に口部から延出され、外層体の外壁に曲げられる。外層体の口部は、締まり嵌め方法を介し内容器の上部と位置決めすることができ、外層体の口部の内径が固定で、内容器の胴部が円錐台形であり、内容器の口部に近いほど、締まり嵌めの強度が益々大きくなる。このような固定方法により外層体を上部と下部に位置決めさせることができる。
【0015】
迅速な回収の実現を踏まえ、引裂き部材を十分に活用して、引裂き部材に外層体を引き裂いて破壊すると共に外層体と内容器の接着剤のない固結を増強する能力を持たせ、この二重容器の強度を増加する。すなわち、外層体の底部は、係止構造を介し外層体の底部を内容器に止着され、外層体の下部位置規制を踏まえ、引裂き部材を外層体の口部に設け、引裂き部材を外層体の外壁に曲げ、引裂き部材の口部近くの部分が内容器の環形リブに当接し、例えば平板リブ或いはL形リブなどの環形リブの異なる構造によると、引裂き部材を外側に曲げ・変形させることで弾性力を発生させると共に外層体に作用することができ、外層体の底部に凹溝係着の係止構造を介して、初張力が存在することで動きを防ぐことができる。薄いプラスチック製内容器と紙製外層体は、大きな熱膨張・冷収縮が存在し、係止構造が緩む原因となり、引裂き部材によって発生されるこれら初張力はせてこれらの影響を除去できるため、外層体全体が接着剤のなしで内容器に堅固に係着されることができ、使用強度を増加する。
【0016】
上記二層容器において、前記引裂き部材の外層体の口部に接続する部分は、開始点であり、前記外層体の胴部に開始点から入れる引裂線が設けられ、前記引裂線は胴部の厚さを薄くする切目が間隔を開けて配置して形成される。引裂線は、胴部上の任意の方向にも伸びることができ、引裂線及び引裂き部材の組み合わせにより、外層体がより破壊されやすくさせる。
【0017】
上記二層容器において、前記環形リブは、外層体の口部から外側に巻いてから成り、前記引裂き部材が外側に曲げて外層体の外側壁に密着している。このような構造により、引裂き部材を簡単に剥がすことができる。
【0018】
上記二層容器において、前記引裂線の開始点にある端は、1セグションの切目であり、前記切目が外層体の口部まで延びる。引裂き部材が環形リブ内に圧嵌されるため、引き裂く時に発生する慣性力はこのセグションの切目と協働して外層体を引裂線に沿って簡単に剥がすことができる。最良の効果として、引裂線は慣性力の方向(鉛直下向きなど)に沿って設けられることができる。
【0019】
上記二層容器において、前記環形リブは、外層体の口部から外側に折り返して平面状にしてから成るか、または環形リブは外層体の口部から外側に2回折り返してL状にしてから成り、前記引裂き部材と外層体口部が一体型構造となり、引裂き部材が外側に曲げられて形成された弧形部分は環形リブに当接する。一体型構造とは、裁断時、口部と結合して一体化した引裂き部材を直接裁断することで、引裂き部材が外側に曲げられた時より良好な弾性変形を保持でき、弧形部分の当接が最高の弾性力を有することを意味する。
【0020】
上記二重容器において、前記引裂線の開始点にある端は、1セグションの切目であり、前記セグションの切目が外層体の口部から一定の距離を離れる。このような構造の引裂線の設置により、口部の強度を向上させ、引裂き部材にも最高の弾性効果を持たせる。
【0021】
この二重容器はさらに改善されることができる。外層体を直接プラスチックで製造し、プラスチックをA4判用紙と同じような厚さのプラスチック板にした後、このプラスチック板を外紙コップとして使用し、上記と同じ方法で二重コップを製造することで、紙・プラスチックを分離する必要がなく回収時に回収できる。本願は、また別の態様にすることもできる。すなわち、
二重容器であって、プラスチックで製造され、底部を有する内容器と、プラスチックで製造された外層体と、を備え、前記外層体が内容器を外嵌する二重容器であって、前記外層体と内容器との間に外層体を内容器の外周面に係着する係止構造が設けられ、前記係止構造は内容器の外周面に形成され、内容器の半径方向に凹んだ環形凹溝と、巻く方法で外層体の内周面に形成された環形突起と、を備え、または前記係止構造は、内容器の外周面に形成された環形突起と、巻く方法で外層体の内周面に形成され、外層体の半径方向に巻く方法で凹んだ環形凹溝と、を備え、前記環形突起が環形凹溝内に嵌め込まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
従来技術と比較して、二重容器は、以下の利点を有する。
【0023】
1、全体的な強度が高い。環形凹溝と環形突起を介して各々内容器と外層体の半径方向における強度を補強し、環形突起を環形凹溝内に嵌め込んだ時環形突起が環形凹溝に支えて全体的な強度をさらに補強する。
【0024】
2、ホットドリンクを入れた時、係止構造を介して外層体を内容器にさらに係止でき、コールドドリンクを入れた時、或いは使用しない時引裂き部材により結合を強化する。
【0025】
3、簡単かつ迅速に回収できる。外層体に設けられた引裂き部材を介して、外層体を簡単に引き裂いて破壊することができ、外層体を内容器から簡単に分離させることで、接着剤不純物のないプラスチック製内容器を得ることができる。
【0026】
4、環形凹溝がプラスチック材質で製造された内容器で形成され、紙製材料の外層体に紙製の環形突起が形成され、この二重容器に高温飲料を入れた時、プラスチックと紙の熱膨張係数が異なり、紙の熱膨張をほぼ考慮することなく、薄いプラスチック材質の環形凹溝が少量の熱膨張を発生し、環形突起が環形凹溝に嵌め込まれることを踏まえ、環形突起が微量熱膨張の環形凹溝の上下溝壁において挟持して係止され、二重容器の結合強度及び使用上の信頼性を増加する。別の係止構造、すなわち、プラスチック製内容器に形成された環形突起も少量の熱膨張が発生し、環形突起が環形凹溝に嵌め込まれることを踏まえ、環形突起が膨張して熱膨張が非常に小さい環形凹溝の上下溝壁に係止される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】この二重容器の異なる引裂きの概略構成図である。
図2】この二重容器の異なる引裂きの概略構成図である。
図3】この二重容器の異なる引裂きの概略構成図である。
図4】この二重容器の異なる引裂きの概略構成図である。
図5】この二重容器の縦断面構造図である。
図6図5内の部位Aの拡大図及び受熱して膨張した後の構造拡大図である。
図7】環形突起が環形凹溝よりも大きい係止様子及び受熱して膨張した後の構造拡大図である。
図8】引裂線と引裂き部材の位置関係図である。
図9】引裂線と引裂き部材の位置関係図である。
図10】実施例4内の異なる環形リブの概略構成図である。
図11】実施例4内の異なる環形リブの概略構成図である。
図12】実施例2の二重容器の縦断面構造図である。
図13】実施例3の二重容器の縦断面構造図である。
図14】実施例5の二重コップの概略構成図である。
図15】実施例5の二重コップの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下は、本発明の具体的実施例であり、図面を参照しつつ本発明の技術的手段をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0029】
(実施例1)
図1に示すように、この二重容器は、円錐台状を呈するコップ状容器であり、プラスチックで製造され、底部を有する内容器1と、紙で製造される筒状を呈する外層体2と、を備え、外層体2が内容器1を外嵌し、内容器1の口部は内容器の外壁に向けて反る環形リブ11を有し、外層体2に底部がなく、内容器1の環形リブ11及び底部が均しく外層体2の外に位置し、外層体2と内容器1との間に外層体2を内容器1の外周面に係着する係止構造が設けられ、外層体2に外層体2を引裂いて破壊するための引裂き部材4が設けられ、引裂き部材4の下にある胴部に外層体2を破壊しやすい引裂線5が設けられる。接着剤のない係止構造を用いて外層体2を内容器1に係止するため、外層体2が内容器1に堅固に結合され、分離しにくく、この二重容器を使用した後で回収する時、外層体2に設けられた引裂き部材4を介し、外層体2を簡単に壊れたり、はがれたりすることができるため、外層体2を内容器1から簡単に分離させることができることで、接着剤不純物のないプラスチック製内容器が得られ、迅速な回収を実現する。
【0030】
引裂き部材4は、多種多様な変化構造を有することができ、図2に示すように、二重容器の外層体2に二組の引裂き部材4及び引裂線5が設けられることで、外層体2の破壊を容易にする。さらに図3に示すように、引裂き部材4を外層体2の本体に設け、引裂線5を水平方向かつ環状に設け、さらに図4に示すように、本体の一部を引裂き部材4とし、すなわち、胴部上の直角等の形状の引裂線5によって形成された指で押した後で掴み易い部分を引裂き部材4となる。
【0031】
図5に示すように、係止構造は、二重容器の下部または中央下部に位置し、環形凹溝6と、環形突起7と、を備え、環形凹溝6が内容器1の半径方向に沿って凹むことで、内容器1の外周面に形成され、内容器1をプレス成形した時に直接形成される上下溝壁12を有し、断面形状が弧形である。環形突起7は、外層体2の内周面に巻くことによって形成され、外層体2の底部から内周面に巻かれてから成り、工程の違いにより、円形または楕円形に巻かれることができる。環形突起7は、環形凹溝6内に嵌め込まれ、環形突起7の幅が前記環形凹溝6の深さよりも大きく、内容器1の外壁と外層体2の内壁の間に隙間8が生じさせる。係止構造に十分な隙間8があることを確保するため、内容器1の底部近くの部分が内側に引っ込めることで、前記隙間8を増大させる。巻いて形成された環形突起7が調整可能で、隙間8を大きくする必要がある場合、環形突起7の外径を大きくすることができ、実際の製造で異なる使用環境に対し隙間の調整が容易になる。
【0032】
図6に示すように、係止構造が最初嵌着・組み立て時、合わせるサイズの誤差により、環形突起7は完全に環形凹溝6に係着できず、図6の左側は環形凹溝6の溝幅が環形突起7の幅よりも大きいので、環形突起7と環形凹溝6の嵌め合いが隙間嵌めであり、このような隙間嵌めがシェルを動かす場合があるが、内部に高温飲料を入れた時、プラスチックと紙の熱膨張係数が異なり、紙の熱膨張をほぼ考慮することなく、薄いプラスチック材質の環形凹溝6が少量の熱膨張を発生し、更に滿杯ホットドリンクでプラスチックの薄壁を変形させて図6の右側に示すような最良の状態を形成させ、環形凹溝が環形突起7に完全に包み・密着・挟持され、数回のサンプリング試験及び観察を経たところ、上下壁が確実に挟持係止を形成でき、動きの発生を減らすことができる。完全に包むことができない原因が非常に多く、温度、プラスチック材質等の複合的な影響がある可能性もある。
【0033】
図7に示すように、図7の左側には環形突起7の幅が環形凹溝6の溝幅よりも大きいことを示している。このため環形突起7は、環形凹溝6に部分的にのみ嵌め込まれ、このような構造が十分安定するのではなく、内容器1が外層体2内から外れやすくなり、高温飲料を入れた時、プラスチックと紙の熱膨張係数が異なり、紙の熱膨張をほぼ考慮することなく、薄いプラスチック材質の環形凹溝6が少量の熱膨張を発生し、プラスチックの薄壁を変形させることで図7の右側に示すような最良の状態を形成させ、環形突起7が環形凹溝6に完全に嵌め込まれ、数回のサンプリング試験及び観察を経たところ、上下壁が確実に環形突起7と接触して挟持を形成するより多くの接触面を有し、外層体2が内容器1から外れる状況を減らす。
【0034】
使用しない場合及びコールドドリンクを入れた場合、引裂き部材4を十分に活用して、引裂き部材4に外層体2を引き裂いて破壊すると共に外層体2と内容器1の接着剤のない固結を増強する能力を持たせ、この二重容器の強度を増加する。図5に示すように、引裂き部材4は、外層体2の口縁部に位置すると共に口部から延出され、環形リブ11は外層体2の口部から外側に巻いてから成り、引裂き部材4が外側に曲げて外層体2の外側壁に密着し、引裂き部材4の口部近くの部分が内容器1の環形リブ11に当接させる。このような構造は、外層体2の口部と環形リブ11との間に締まり嵌めを生じさせることで、外層体2が上部と下部に固定される。
【0035】
図1に示すように、引裂き部材4の外層体2の口部に接続する部分は、開始点であり、外層体2の胴部に開始点から入れる引裂線5が設けられ、引裂線5は胴部の厚さを薄くする切目が間隔を開けて配置して形成され、引裂線5及び引裂き部材4の組み合わせにより、外層体2がより破壊されやすくさせる。図8は、外層体2の展開図を示し、引裂線5の開始点にある端は、1セグションの切目であり、前記切目が外層体2の口部まで延び、引裂線5の他端が垂直方向に沿って下向き延ぶ。引裂き部材4を引き裂く時に発生する慣性力はこのセグションの切目と協働して外層体2を引裂線に沿って簡単に剥がすことができる
【0036】
(実施例2)
実施例2は、基本的に実施例1と同じであるが、その相違点は図12に示すように、係止構造が内容器1の外周面に形成される環形突起7と、外層体2の内周面に形成され、上下溝壁12を有する環形凹溝6と、を備え、環形突起7が環形凹溝6に嵌め込まれることである。内容器1上の環形突起7は、内側から外側に突起して形成され、環形凹溝6が外層体2の底部から曲げて形成される。図8に示すように、具体的なプロセスは、先に外層体2の扇形板紙を外層体2の底部の折り返し線13に沿って折り返して外層体2の内側壁と貼合させ、さらに折り返し部分上の折り線14をたどって2つの外向きに突起する溝壁12を半径方向に折り、その後扇形板紙を接着して円錐形の外層体を形成させ、プラスチック製内容器1に形成される環形突起7は内容器1を半径方向に補強し、外層体2に形成される環形凹溝6が2つの突起した上下溝壁12で形成され、外層体2の半径方向における強度が向上され、且つ内容器1もが少量の熱膨張を発生し、環形突起7が環形凹溝6に嵌め込まれることを踏まえ、環形突起7が微量熱膨張の環形凹溝6の上下溝壁12において挟持して係止され、外層体2及び内容器1の半径方向における全体的な強度が補強される。
【0037】
(実施例3)
実施例3は、基本的に実施例2と同じであるが、相違点は環形凹溝6の上下溝壁12である。図13及び図9に示すように、具体的なプロセスは、先に外層体2の扇形板紙を外層体2の底部の折り返し線13に沿って折り返して外層体2の内側壁と貼合させ、さらに折り返し部分上の折り線14をたどって1つの外向きに突起する上溝壁を半径方向に折り、その後扇形板紙を接着して円錐形の外層体を形成させ、折り返し線13に二重板紙を下溝壁として巻き、すなわち、下溝壁は二重板紙を巻いて形成させ、このような構造は外層体の半径方向における構造強度をさらに補強できる。
【0038】
(実施例4)
実施例4は、は、基本的に実施例1と同じであるが相違点は引裂き部材4が外側に曲げ・変形されることで弾性力を発生すると共に外層体2に作用し、外層体2の底部に環形凹溝6の係止構造を介して、初張力が存在することで動きを防ぐことができる。図9に示すように、図9に基づいて外層体2の展開図状態を切り出し、次に巻き及び接着を介して外層体2を形成した時、引裂き部材4と外層体2が一体型構造となり、このような引裂き部材4は、外側に曲げられた時より良好な弾性変形を保持できる。図10に示すように、環形リブ11は、外層体2の口部から外側に折り返して平面状にしてから成るか、または図11に示すように、環形リブ11は外層体2の口部から外側に2回折り返してL状にしてから成り、引裂き部材4が外側に曲げられて形成された弧形部分は環形リブ11に当接する。このような構造の引裂線の開始点にある端は、1セグションの切目であり、前記セグションの切目が外層体2の口部から一定の距離を離れることで、口部の強度を向上させ、引裂き部材4にも最高の弾性効果を持たせる。
【0039】
(実施例5)
図14に示すように、二重容器であって、プラスチックで製造され、底部を有する内容器1と、プラスチックで製造された外層体2と、を備え、外層体2が内容器1を外嵌し、外層体2と内容器1との間に外層体を内容器1の外周面に係着する係止構造が設けられる。外層体2に使用されるプラスチックは、プラスチック薄板であり、厚さが0.5mm~2mmの範囲であり、このようなプラスチック薄板を巻いて折り畳んで外層体2を製造し、係止構造が実施例1の係止構造と同じである。係止構造は、二重容器の下部または中央下部に位置し、環形凹溝6と、環形突起7と、を備え、環形凹溝6が内容器1の半径方向に沿って凹むことで、内容器1の外周面に形成され、内容器1をプレス成形した時に直接形成される上下溝壁12を有し、断面形状が弧形である。環形突起7は、外層体2の内周面に形成され、外層体2の底部から内周面に巻かれてから成り、工程の違いにより、円形または楕円形に巻かれることができる。環形突起7は、環形凹溝6内に嵌め込まれ、環形突起7の幅が前記環形凹溝6の深さよりも大きく、内容器1の外壁と外層体2の内壁の間に隙間8が生じさせる。或いは係止構造は、実施例2と同じである。図15に示すように係止構造は内容器1の外周面に形成される環形突起7と、外層体2の内周面に形成され、上下溝壁12を有する環形凹溝6と、を備え、環形突起7が環形凹溝6に嵌め込まれる。内容器1上の環形突起7は、内側から外側に突起して形成され、環形凹溝6が外層体2の底部から曲げて形成される。
【0040】
本明細書になされた具体的な実施例は、あくまでも本発明の技術内容を明らかにするものである。当業者は、記載されている具体的実施例を多種多様な修正または補足或いは類似の方式による置換を行うことができるが、本発明の範囲から逸脱することがないか、または特許請求の範囲で特定する範囲を超えることはない。
【符号の説明】
【0041】
1 内容器
11 環形リブ
12 上下溝壁
2 外層体
4 引裂き部材
5 引裂線
6 環形凹溝
7 環形突起
8 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15