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特許7402245センサーモジュールを自動的に較正するための方法および貯蔵システムまたは運搬システム内の材料容器を検出するセンサーモジュール
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  • 特許-センサーモジュールを自動的に較正するための方法および貯蔵システムまたは運搬システム内の材料容器を検出するセンサーモジュール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】センサーモジュールを自動的に較正するための方法および貯蔵システムまたは運搬システム内の材料容器を検出するセンサーモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01D 18/00 20060101AFI20231213BHJP
   G01B 21/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
G01D18/00
G01B21/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021546833
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2019084463
(87)【国際公開番号】W WO2020160816
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】102019103212.1
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521353676
【氏名又は名称】シュトイテ テクノロジーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベーヴェリング, ガブリエル
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202017103459(DE,U1)
【文献】特開2001-266702(JP,A)
【文献】特開平5-229532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 18/00-21/02
G01B 21/00-21/22
H01H 21/00-21/88
H01H 35/00-35/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーモジュール(1)の位置が固定された空間方向に対する角度(γ)として測定され、測定角度(γ)がスイッチング角度(γ)よりも大きいか小さいかに依存する出力信号を出力する位置センサーまたは加速度センサーを有するロッカー形式のセンサーモジュール(1)を自動的に較正するための方法であって、
前記測定角度(γ)が前記スイッチング角度(γ)を超えると、前記出力信号を第1の出力値に設定するステップと、
前記測定角度(γ)の値が大きくなり続ける限り、前記スイッチング角度(γ)を、前記測定角度(γ)からオフフリーピボット角度(Δ)を引いた値に設定するステップと、
前記測定角度(γ)が前記スイッチング角度(γ)を下回ると、前記出力信号を第2の出力値に設定するステップと、
前記測定角度(γ)の値が小さくなり続ける限り、前記スイッチング角度(γ)を、前記測定角度(γ)にオンフリーピボット角度(Δ)を加えた値に設定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記スイッチング角度(γ)が、前記オフフリーピボット角度(Δ)を超える場合、または前記オンフリーピボット角度(Δ)を下回る場合にのみ、前記スイッチング角度(γ)を、前記測定角度(γ)に依存する値に設定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スイッチング角度(γ)を、前記スイッチング角度(γ)を超えた直後や下回った直後の前記測定角度(γ)に依存する値に設定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記オフフリーピボット角度(Δ)の大きさおよび前記オンフリーピボット角度(Δ)の大きさが予め決定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記オフフリーピボット角度(Δ)の大きさおよび前記オンフリーピボット角度(Δ)の大きさが、前記センサーモジュール(1)の最大可能ピボット範囲(α)の1%から50%範囲内にある、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オフフリーピボット角度(Δ )の大きさおよび前記オンフリーピボット角度(Δ )の大きさが、前記センサーモジュール(1)の最大可能ピボット範囲(α)の25%から40%の範囲内にある、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記角度(γ)が重力(G)の方向に対して測定される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記出力信号の値が、無線方式で、無線で出力される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
貯蔵システムまたは運搬システム内の材料容器を検出するためのセンサーモジュール(1)であって、前記センサーモジュール(1)の位置を一定の空間方向に対する角度(γ)として測定することができる位置センサーまたは加速度センサーと、前記測定角度(γ)の関数として出力信号を出力するための前記位置センサーまたは前記加速度センサーの信号に対する評価ユニットと、を有し、前記評価ユニットが請求項1からのいずれか一項に記載の方法を行うように設定されていることを特徴とする、センサーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置センサーまたは加速度センサーを有し、これを介して、センサーモジュールの位置が固定された空間方向に対する角度として測定され、測定角度がスイッチング角度よりも大きいかまたは小さいかに依存する出力信号を送信する、センサーモジュールを自動的に較正するための方法に関する。本発明はさらに、貯蔵システムまたは運搬システム内の材料容器を検出するためのセンサーモジュールに関する。特に、本発明は、その特性を種々の設置位置に自動的に適合させることができるこのようなセンサーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
材料容器を検出するための無線センサーモジュールであって、その中に旋回可能に取り付けられたホルダーとロッカーとを有し、ロッカーと送信装置の位置を検出するためのセンサーとがロッカー内に配置されている無線センサーモジュールが、独国実用新案出願公開第202017103459号明細書から知られている。無線センサーモジュールの1つの設計では、センサーは、ロッカーの位置および/または位置の変化を検出する加速度センサーである。ロッカー内に評価ユニットを配置することができる。ロッカーは、加速度センサーによって測定された加速度値を評価するように設定される。このように、無線センサーモジュールは、ロッカーのスイッチング位置を直接送信することができる。このために、評価ユニットは、例えば、送信装置に接続され、ロッカーの位置および/または位置の変化に関する情報を送信装置に送信する。
【0003】
この考え方によれば、位置または位置の変化の検出は、このように重力の方向に関して行われる。欠点は、センサーモジュールのその端位置に対するスイッチングポイント位置が設置位置の傾きとともに変化するため、これが、センサーモジュールの設置位置がて制限されることである。この状況では、傾いた設置位置の場合、評価ユニットを外部から再調整する必要があるかもしれない。
【0004】
したがって、各設置位置への外部適合を必要とせずに、種々の設置位置で動作することができる上記タイプのセンサーモジュールが必要である。
【0005】
国際公開第2018/087511号には絶対方向センサーを有するセンサーユニットが記載されており、その測定値はプロセッサーによって処理されて回転要素の回転位置信号になる。このセンサーユニットが、変動接地の場合でも、変動接地に対して使用可能な処理済み測定値を提供するためには、これらの測定値の対応する補正が必要である。各補正量を決定するために、所定期間内に決定された絶対方向センサーの十分な数の測定値を一時的に記憶する。このように、平均的な位置によって変動する接地を補正することができるが、この方法は、種々の固定されている設置位置に適合させるために使用することはできない。さらに、センサーユニットに提供される計算能力と記憶容量とが強く要請され、これは高い費用を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】独国実用新案出願公開第202017103459号明細書
【文献】国際公開第2018/087511号
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、センサーモジュール、特にロッカーの位置が検出されるセンサーモジュールの自動較正のための方法を提供することであり、これによって、センサーモジュールの設置位置への自動適合が行われる。さらなる目的は、貯蔵システムまたは運搬システム内の材料容器を検出するためのセンサーモジュールを提供することであり、このセンサーモジュールは、それ自体を設置位置に適合させることができる。
【0008】
この目的は、各独立請求項の特徴を有する方法またはセンサーモジュールによって解決される。有利な設計およびさらなる開発が、従属請求項の主題である。
【0009】
最初に記載されたタイプの発明に係る方法は、測定角度がスイッチング角度を超えると、出力信号が第1の出力値に設定されることを特徴とする。測定角度の値がさらに大きくなると、スイッチング角度は、オフフリーピボット角度を引いた測定角度に対応する値に設定される。測定角度の値がスイッチング角度を下回ると、出力信号は第2の出力値に設定される。測定角度がさらに小さくなると、スイッチング角度は、オンフリーピボット角度を加えた測定角度に対応する値に設定される。角度は、例えば、重力の方向に対して、すなわち垂直に対して測定することができる。
【0010】
このように、スイッチング角度は、ロッカーとして設計されたセンサーモジュールの使用中に、実際に生じるピボット角度範囲に自動的に適合する。実際に生じるピボット角度範囲は、センサーモジュールの設置位置に依存するため、センサーモジュールは、これに自動的に適合する。さらに、一種のスイッチングヒステリシスは、オフフリーピボット角度またはオンフリーピボット角度を有するセンサーモジュールに対して設定され、これは、スイッチング時に安全な非変動スイッチング状態をもたらす。
【0011】
したがって、上記の欠点は、貯蔵システムまたは運搬システム内の材料容器の検出のための上記タイプのセンサーモジュールによって回避され、その評価ユニットは、端位置に対して所定の範囲内にあるように、その現在のスイッチングポイント位置を各動作で自動的に再調整する。
【0012】
本方法の有利な設計では、スイッチング角度が、オフフリーピボット角度以上だけ超える場合、またはオンフリーピボット角度以上だけ下回る場合のみ、スイッチング角度を測定角度に依存する値に設定する。あるいは、スイッチング角度がそれらを超えた直後や下回った直後に、スイッチング角度を設定するようにしてもよい。
【0013】
本方法のさらなる有利な設計では、オフフリーピボット角度の大きさおよびオンフリーピボット角度の大きさが予め決定される。それらは、好ましくは、センサーモジュールの最大可能ピボット範囲の1%から50%、特に25%から40%の範囲内にある。
【0014】
本方法のさらなる有利な設計では、出力信号の値は、無線方式で、無線で出力される。出力信号の第1の値および第2の値は、例えば、ロッカーとして設計されたセンサーモジュールの「フリー」状態および「動作」状態に対応する。
【0015】
本発明によるセンサーモジュールは、位置センサーまたは加速度センサーを有し、これを介して、センサーモジュールの位置を一定の空間方向に対する角度として測定することができる。センサーモジュールは、位置センサーまたは加速度センサーからの信号に対する評価ユニットをさらに備え、この評価ユニットは、測定角度に依存する出力信号を出力する。センサーモジュールは、評価ユニットが、上記の方法の1つを行うように設定されることを特徴とする。センサーモジュールが、選択された設置位置に自動的にそのスイッチングポイントを調整するという、本方法に関連して記載された利点が得られる。
【0016】
本発明は、例示的な実施形態によって、図を用いて以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ローラーコンベヤーに取り付けられたセンサーモジュールの例示的な実施形態の等角図を示す図である。
図2図1におけるセンサーモジュール上のローラーコンベヤー面の位置と平均的なスイッチングポイント位置とを2つの異なる傾きで示す図である。
図3a図1におけるセンサーモジュールのスイッチングポイント位置、ならびにローラーコンベヤー面の種々のセンサーモジュールの位置および傾きに対する関連する角度範囲を示す図である。
図3b図1におけるセンサーモジュールのスイッチングポイント位置、ならびにローラーコンベヤー面の種々のセンサーモジュールの位置および傾きに対する関連する角度範囲を示す図である。
図3c図1におけるセンサーモジュールのスイッチングポイント位置、ならびにローラーコンベヤー面の種々のセンサーモジュールの位置および傾きに対する関連する角度範囲を示す図である。
図3d図1におけるセンサーモジュールのスイッチングポイント位置、ならびにローラーコンベヤー面の種々のセンサーモジュールの位置および傾きに対する関連する角度範囲を示す図である。
図3e図1におけるセンサーモジュールのスイッチングポイント位置、ならびにローラーコンベヤー面の種々のセンサーモジュールの位置および傾きに対する関連する角度範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示されているロッカーとして設計されたセンサーモジュール1の例示的な実施形態は、ホルダー2によって傾いたローラーコンベヤー3上に配置されている。また、重力の方向Gおよびセンサーモジュール1の主平面Hと重力の方向Gとの間の角度γが示されており、これは、空間のその軸受中心軸の回りのセンサーモジュールの傾きを示している。角度γは、センサーモジュール1(以下センサーと称される)内に配置された加速度センサーまたは位置センサーの測定量である。
【0019】
ロッカーの、すなわちセンサーモジュール1の重量分布は、押し下げられないときに重力によりホルダー2内の静止位置をとるように選択される。この静止位置のロッカーが図1に示されている。
【0020】
センサーモジュール1の位置は、角度または角度を表す測定変数の形でセンサーによって検出され、その測定値は、センサーモジュール1に付属しセンサーモジュール1と一体になった評価ユニットの出力信号に変換され、その信号は、静止位置において「オフ」状態または「フリー」状態を表している。次に、対象(図示せず)、例えば材料容器がロッカーの上のローラーコンベヤー3上に配置されるとすぐに、これは、ホルダー2から上方に突出しているロッカーの一部を押し下げる。この新たな「押し下げられた」位置は、今度は、センサーモジュール1内に配置されたセンサーによって検出され、その測定値は、次に、「オン」状態または「動作」状態を表す出力信号に変換される。
【0021】
図2は、本発明の対象の一例として、図1における配置を示しており、これは、ローラーコンベヤーの第1の傾きR1および第2の傾きR2を有する2つの例示的な平面内に連続的に整列されている。ローラーコンベヤー3、ホルダー2、および第2のローラーコンベヤーの傾きR2を有するセンサーモジュール1が示されており、センサーモジュール1は、中間スイッチングポイント位置S2に示されている。スイッチングポイント位置は、信号伝達が、「オン」状態から「オフ」状態、またはその逆に変化するそれぞれの場合の位置である。関連する配置が、実線で示されている。分かりやすくするために、ローラーコンベヤー面R1と中間スイッチングポイント位置S1のみが、第1の傾きに対して破線で示されている。
【0022】
先行技術、例えば、独国実用新案出願公開第202017103459号明細書におけるセンサーモジュールでは、ロッカーが押し下げられると、出力状態の確実なスイッチングが行われるように、スイッチングポイント位置を設置位置に手動で調整することは避けられない。
【0023】
一方、本出願におけるセンサーモジュールは、例えばローラーコンベヤー面の2つの傾きR1およびR2を有する異なる設置位置であっても、このために、別個の調整、特に外部からの手動調整を必要とせずに、図1に記載の信号伝達挙動を示すように設定される。
【0024】
図3aから図3eに関連して、以下は、本発明によるセンサーモジュール1が、ローラーコンベヤーの傾きにその信号伝達挙動を自動的に適合させる方法を示している。
【0025】
一例として、信号伝達が、まず、配送状態からローラーコンベヤーの傾きR1に適合される方法を示している。次いで、ローラーコンベヤーの傾きをローラーコンベヤーの傾きR2に変更し、センサーモジュールがその信号伝達を傾きR2に適合させる方法が示されている。
【0026】
図3aでは、線R1は、第1のローラーコンベヤーの傾きR1のローラーコンベヤーを記号で表している。本発明におけるセンサーモジュールは、その主平面Hがとり得るピボット範囲αの中間範囲内にあるようにとり得る配送状態で、このローラーコンベヤーに取り付けられる。αは、その取り付けにおいて、センサーモジュール1の機械的止め部によって規定されるが、実際には、通常、センサーモジュールに完全には到達しない。
【0027】
この状況では、センサーモジュールは、例えば、工場で配送状態に予め設定されるか、またはセンサーモジュールの最初の通電後にランダムに設定されるスイッチングポイント位置Sを有している。このスイッチングポイント位置Sの周りには、全体フリーピボット角度Δが広がっており、これは、スイッチングポイント位置のオフ側のオフフリーピボット角度ΔOとスイッチングポイント位置のオン側のオンフリーピボット角度ΔIからなる。無効範囲U内にある角度γの値については、例示的なセンサーモジュールは、使用されるセンサーのため動作することができない。他のセンサーを使用する場合は、この制限が存在しない可能性がある。
【0028】
センサーモジュール1では、スイッチングポイント位置は、スイッチング角度γSによって表される。このスイッチング角度γSは、例えば、センサーモジュール1の評価ユニットのメモリ内に記憶される。スイッチング状態が「オン」または「オフ」のセンサーモジュール1の出力信号は、測定角度γとスイッチング角度γSとの対比に応じて設定される。
【0029】
以下に、センサーモジュールが、記載の配送状態からローラーコンベヤー面R1の傾きに適合する方法を説明している。他の配送状態では、特に、スイッチングポイント位置Sが、示されているスイッチングポイント位置から非常に大きく逸れる場合には、適合プロセスを完全に行うために、センサーモジュールに可能な限り両方向にピボット範囲αを通過させる必要がある場合がある。当業者が認識するように、動作モードは、以下に記載のプロセスに全体的に基づくものであり、このため、この場合は別個に記載されない。
【0030】
センサーモジュールが取り付けられ、動作した後、ローラーコンベヤー上に容器がないときは、「解放された」位置まで旋回する。このとき、主平面は、既にセンサーのオフフリーピボット角度ΔO内にあるか、スイッチングポイント位置Sを超えた後の状態となる。すなわち、測定角度γがスイッチング角度γSを超えるとすぐに、センサーモジュール1は、出力信号「オフ」を出力する。次に、ロッカーが振り上がり続け、測定角度γが、スイッチング角度γSにオフフリーピボット角度ΔOを加えた値よりも大きくなることにより、測定角度γが大きくなり続ける場合、スイッチング角度γSは、測定角度γからオフフリーピボット角度ΔOを引いた値に等しく設定される。本方法の代替設計では、測定角度γがスイッチング角度γSを超えると、すなわち初めて超える場合も、この値を速やかに設定することができる。
【0031】
本出願によれば、スイッチング角度γSは、測定角度γが大きくなるにつれて常に追跡されるため、オフピボット角度ΔOは、センサーモジュール1に対する一種の(スイッチオン)ヒステリシスを表している。したがって、スイッチングポイント位置Sは、主平面Hから一定の距離で追跡しながら、それとともに旋回される。全体フリーピボット角度Δがスイッチングポイント位置Sに対して固定されているため、全体フリーピボット角度Δも、それとともに旋回されるため、図3bに示されるように、センサーモジュールが完全に解放された後、その主平面Hは、スイッチングポイント位置Sから逃げるように動くオフフリーピボット角度ΔOの辺とともに、ピボット範囲αのオフ側の辺に近接して配置される。
【0032】
よりよく理解するために、図3bはまた、図3aのスイッチングポイント位置Sおよびフリーピボット角度Δに対応するスイッチングポイント位置S’およびフリーピボット角度Δ’を示している。
【0033】
ローラーコンベヤー上の容器の到達によってセンサーモジュールがこの位置から押し下げられると、センサーは、最初はスイッチングポイント位置Sを保持する。旋回中に主平面Hがスイッチングポイント位置Sを通過すると、測定角度γはスイッチング角度γSよりも小さくなり、そうすると出力信号は、「オフ」から「オン」に変化する。さらに「押し下げられた」方向に旋回中に、スイッチングポイント位置Sから逃げるように動くオンフリーピボット角度ΔIの辺が到達した主平面Hの位置から、スイッチングポイント位置Sは、主平面Hと一定の距離で追跡して、ともに旋回される。または、測定角度γに関して、測定角度γがスイッチング角度γSからオンフリーピボット角度ΔIを引いた値よりも小さくなるとすぐに、スイッチング角度γSは、測定角度γにオンフリーピボット角度ΔIを加えた値に設定される。全体フリーピボット角度Δがスイッチングポイント位置に対して固定されているため、前記角度もまたともに旋回されるため、図3cに示されるように、センサーモジュールが完全に押し下げられた後、その主平面Hは、スイッチングポイント位置Sから逃げるように動くオンフリーピボット角度ΔIの辺とともに、ピボット範囲αのオン側の辺に近接する。
【0034】
図3dは、ローラーコンベヤー面がセンサーモジュールが押し下げられることによりR1に対応する第1の傾きからR2に対応する第2の傾きに変化した後の状態を示している。このようなローラーコンベヤーの傾きの変化は、通常、実際には生じないが、この例は、センサーモジュールの自動調整の動作を示すのに適している。
【0035】
ローラーコンベヤー面R2の傾きが大きいため、センサーモジュールの主平面Hの角度γはさらに小さくなる。ピボット範囲αは、ローラーコンベヤー面に対して固定されているため、その傾きの変化に従う。このためにセンサーモジュールが重力に対して行う旋回動作は、図3cに関連して記載された「押し下げられた」方向への旋回動作に類似している。そこでは、スイッチングポイント位置S、すなわちスイッチング角度γSおよび全体フリーピボット角度Δもここで旋回されるため、ローラーコンベヤー面R2に対して傾きが大きくなった後に、ローラーコンベヤー面R1に対して図3cと同じ状況が生じる。
【0036】
よりよく理解するために、図3dはまた、図3cのスイッチングポイント位置Sおよびフリーピボット角度Δに対応するスイッチングポイント位置S’およびフリーピボット角度Δ’を示している。
【0037】
ローラーコンベヤー上の容器を取り外すことによって、センサーモジュールがこの位置から解放されると、図3bに関連して記載されたものと同様のプロセスが生じる。センサーは、最初はスイッチングポイント位置Sを保持している。旋回中に主平面Hがスイッチングポイント位置Sを通過すると、信号は、「オン」から「オフ」に変化する。「解放された」方向にさらに旋回中に、スイッチングポイント位置Sから逃げるように動くオフフリーピボット角度ΔOの辺が到達した主平面Hの位置に基づいて、スイッチングポイント位置Sも、測定角度γからオフフリーピボット角度ΔOを引いた値に等しいスイッチング角度γSを設定することによって、主平面Hから一定の距離で追跡して、ともに旋回される。全体フリーピボット角度Δがスイッチングポイント位置Sに対して固定されているため、全体フリーピボット角度Δも旋回され、図3eに示されるように、センサーモジュールが完全に解放された後、その主平面Hは、スイッチングポイント位置Sから逃げるように動くオフフリーピボット角度ΔOの辺とともに、ピボット範囲αのオフ側の辺に近接して配置される。
【符号の説明】
【0038】
1 センサーモジュール
2 ホルダー
3 ローラーコンベヤー
H センサーモジュールの主平面
G 重力
γ センサーモジュールの主平面と重力の方向との間の測定角度
γS スイッチング角度
1 第1の傾きを有するローラーコンベヤー面
2 第2の傾きを有するローラーコンベヤー面
1 第1の傾きを有するローラーコンベヤー面の中間スイッチングポイント位置
2 第2の傾きを有するローラーコンベヤー面の中間スイッチングポイント位置
S スイッチングポイント位置
S’ 前のスイッチングポイント位置
α センサーモジュールの可能なピボット範囲
Δ 全体フリーピボット角度
Δ’ 前の図による全体フリーピボット角度
ΔO オフフリーピボット角度
ΔI オンフリーピボット角度
U 無効範囲
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e