(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】ブラストホイールマシンのためのインペラ
(51)【国際特許分類】
B24C 5/06 20060101AFI20231213BHJP
B24C 7/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
B24C5/06 B
B24C7/00 Z
(21)【出願番号】P 2021575362
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 EP2020061389
(87)【国際公開番号】W WO2020259893
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-12-24
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517082124
【氏名又は名称】ホイーラブレイター グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ベア, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ワイセンバーガー, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンクリック, スタニスラフ
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/061989(WO,A1)
【文献】実開昭55-080164(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 5/06
B24C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心ブラストホイールマシンであって、該遠心ブラストホイールマシンは、
複数のブレードを有するホイールアセンブリであって、該複数のブレードは、該ホイールアセンブリの中に導入されたブラストメディアを工作物に対して投射するように構成されている、ホイールアセンブリと、
該ホイールアセンブリの軸の周りに位置付けられたインペラであって、該インペラは、ブラストメディアを受け取るように適合された一端におけるメディア入口と、複数のインペラメディア出口とを有し、該複数のインペラメディア出口は、該インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置されている、インペラと、
該インペラに結合され、該インペラおよび該ホイールアセンブリの該回転を駆動するモーターと、
該インペラを包囲する制御ケージと
を備え、
該制御ケージは、内部チャンバーを画定する円筒形の本体を含み、該円筒形の本体は、該円筒形の本体の中に形成された開口部を有し、該開口部は、該内部チャンバーからのブラストメディアの退出を可能にし、
該インペラは、該インペラの一端に提供されたハブであって、該ハブは、該モーターに結合されるように構成されている、ハブと、該ハブの反対側の端に提供された先細部分であって、該先細部分は、ブラストメディアを受け取るためのメディア入口を画定する、先細部分と、該ハブと該先細部分との間に位置付けられた複数の滴形状のベーンとを含み、該複数の滴形状のベーンは、該ハブおよび該先細部分の周縁上で互いに間隔を置かれ、該複数の滴形状のベーンは、複数のインペラメディア出口を画定し、該複数のインペラメディア出口は、該インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置され、
各ベーンは、該インペラの回転の方向に向けられた先行側と該先行側の反対側にある後続側とを有する滴形状であり、
該複数の滴形状のベーンの該ベーンは、該ハブおよび該先細部分の周縁上で等距離で互いに間隔を置かれており、
該複数の滴形状のベーンは、事前に画定された距離で該制御ケージから間隔を置かれており、
各滴形状のベーンは、50°~70°の該先行側の角度と、3mm~8mm該後続側の半径とを有する、
遠心ブラストホイールマシン。
【請求項2】
前記事前に画定された距離は、少なくとも3mmである、請求項1に記載の遠心ブラストホイールマシン。
【請求項3】
前記複数の滴形状のベーンは、8つの滴形状のベーンを含む、請求項1に記載の遠心ブラストホイールマシン。
【請求項4】
前記複数の滴形状のベーンの各ベーンは、ベーンの数によって決定付けられた中心間の距離を伴って互いに間隔を置かれている、請求項1に記載の遠心ブラストホイールマシン。
【請求項5】
遠心ブラストホイールマシンのためのインペラであって、該インペラは、
該インペラの一端に提供されたハブであって、該ハブは
、モーターに結合されるように構成されている、ハブと、
該ハブの反対側の端に提供された先細部分であって、該先細部分は、ブラストメディアを受け取るためのメディア入口を画定する、先細部分と、
該ハブと該先細部分との間に位置付けられた複数の滴形状のベーンと
を備え、
該複数の滴形状のベーンは、該ハブおよび該先細部分の周縁上で互いに間隔を置かれ、該複数の滴形状のベーンは、複数のインペラメディア出口を画定し、該複数のインペラメディア出口は、該インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置され、
各ベーンは、該インペラの回転の方向に向けられた先行側と該先行側の反対側にある後続側とを有する滴形状であり、
該複数の滴形状のベーンの該ベーンは、該ハブおよび該先細部分の周縁上で等距離で互いに間隔を置かれており、
該複数の滴形状のベーンは、事前に画定された距離で制御ケージから間隔を置かれており、
各滴形状のベーンは、50°~70°の該先行側の角度と、3mm~8mm該後続側の半径とを有する、
インペラ。
【請求項6】
前記事前に画定された距離は、少なくとも3mmである、請求項5に記載のインペラ。
【請求項7】
前記複数の滴形状のベーンは、8つの滴形状のベーンを含む、請求項5に記載のインペラ。
【請求項8】
前記複数の滴形状のベーンの各ベーンは、ベーンの数によって決定付けられた中心間の距離を伴って互いに間隔を置かれている、請求項5に記載のインペラ。
【請求項9】
遠心ブラストホイールマシンを動作させる方法であって、該方法は、
供給スパウトから該遠心ブラストホイールマシンのインペラの中にブラストメディアを供給することと、
該インペラを回転させることによって該ブラストメディアを加速させ、遠心力を生じさせることであって、該遠心力は、該インペラの軸から離れるように半径方向に該ブラストメディアを移動させる、ことと、
概ね円周方向に、該インペラと制御ケージとの間の空間の中に該ブラストメディアを移動させることと、
該制御ケージの開口部を通して、ブラストホイールのブレードの上にある量のブラストメディアを供給することと、
該ブレードの長さに沿って該ブラストメディアを移動させ、該ブラストメディアを加速させ、該ブラストメディアを工作物に向かって投射することと
を含み、
該インペラは、該インペラの一端に提供されたハブであって、該ハブは
、モーターに結合されるように構成されている、ハブと、該ハブの反対側の端に提供された先細部分であって、該先細部分は、ブラストメディアを受け取るためのメディア入口を画定する、先細部分と、該ハブと該先細部分との間に位置付けられた複数の滴形状のベーンとを含み、該複数の滴形状のベーンは、該ハブおよび該先細部分の周縁上で互いに間隔を置かれ、該複数の滴形状のベーンは、複数のインペラメディア出口を画定し、該複数のインペラメディア出口は、該インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置され、
各ベーンは、該インペラの回転の方向に向けられた先行側と該先行側の反対側にある後続側とを有する滴形状であり、
該複数の滴形状のベーンの該ベーンは、該ハブおよび該先細部分の周縁上で等距離で互いに間隔を置かれており、
該複数の滴形状のベーンは、事前に画定された距離で該制御ケージから間隔を置かれており、
各滴形状のベーンは、50°~70°の該先行側の角度と、3mm~8mm該後続側の半径とを有する、
方法。
【請求項10】
前記事前に画定された距離は、少なくとも3mmである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の滴形状のベーンは、8つの滴形状のベーンを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
各滴形状のベーンは、55°~60°の前記先行側の角度と、4mm~7mmの前記後続側の半径とを有する、請求項1に記載の遠心ブラストホイールマシン。
【請求項13】
各滴形状のベーンは、55°~60°の前記先行側の角度と、4mm~7mmの前記後続側の半径とを有する、請求項5に記載のインペラ。
【請求項14】
各滴形状のベーンは、55°~60°の前記先行側の角度と、4mm~7mmの前記後続側の半径とを有する、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本開示の背景)
(1.本開示の分野)
本開示は、概して、工作物の表面を洗浄または処理するための研磨材ブラストホイールおよび方法に関連し、より具体的には、研磨材がブラストホイールによって適用される前に研磨材が破砕されることを防止することと、ブラストホイールによって処理される表面に投射される研磨材の量を改良することとを行うように設計された改良型インペラに関連する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の検討)
遠心ブラストホイールマシンは、一般的に、放射状に延びたブレードを有する1枚のプレート、または間隔を置かれた一対のプレートを有する回転式ホイールを含む。粒子状物質が、ブラストホイールの中心から洗浄または処理されるべき工作物の表面に対して粒子状物質を推進する回転しているブレードの表面上に排出される。具体的には、ブラストメディアが、供給スパウトからブラストホイールの中心にある制御ケージ内に位置する回転インペラの中に供給される。メディアは、制御ケージの開口部を通り、インペラから回転しているブレードの後端または内端上に供給される。メディアは、ブレードの面に沿って進み、ブレードの先端から処理されるべき工作物の表面に投射される。
【0003】
ブラストホイールの内部動作の観察と、ブラストホイールのメンテナンスを通した観察とから、インペラおよび制御ケージの内制御面は、投射ブレードの表面上への流動の形状に直接影響し、それは、時間とともにブレードの一方の縁がブレードの他方の縁より摩耗することを引き起こし得る。従前のインペラベーンの鋭利な縁は、制御ケージの開口部とインペラとの間にせん断点を生み出し、破砕された研磨材メディアをもたらし、メディアがインペラ内に充満することと、制御ケージの外側の路に容易に脱出しないこととを引き起こす。
【0004】
ショットブラストマシンの所有の全費用のうちの大部分が、研磨材の消費に関連する。ブラストホイールの全体性能を改良すること、主に、研磨材の消費を削減しつつ、同じまたは同様のレベルで他のブラストホイールパラメータ(研磨材のスループット、ブラストパターン、ブラスト強度)を働かせることが、望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(本開示の概要)
本開示の一局面は、ホイールアセンブリの中に導入されたブラストメディアを工作物に対して投射するように構成された複数のブレードを有するホイールアセンブリを備えた遠心ブラストホイールマシンを対象としている。遠心ブラストホイールマシンは、ホイールアセンブリの軸の周りに位置付けられたインペラをさらに備えている。インペラは、ブラストメディアを受け取るように適合された一端におけるメディア入口と、複数のインペラメディア出口を有し、複数のインペラメディア出口は、インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置されている。マシンは、インペラおよびホイールアセンブリの回転を駆動するためにインペラに直接結合されたモーター、または、モーター、トランスミッションおよびインペラに結合されたベアリングユニットシャフトを伴うベアリングユニットと、インペラを包囲し、ホイールアセンブリに固定された制御ケージとをさらに含む。制御ケージは、内部チャンバーを画定する円筒形の本体を含む。円筒形の本体は、その中に形成された開口部を有し、開口部は、内部チャンバーからのブラストメディアの退出を可能にする。インペラは、インペラの一端に提供されたハブを含む。ハブは、モーターまたはベアリングユニットシャフトに結合されるように構成されている。先細部分が、ハブの反対側の端に提供され、先細部分は、ブラストメディアを受け取るためのメディア入口を画定する。複数の滴形状のベーンが、ハブと先細部分との間に位置付けられ、複数の滴形状のベーンは、ハブおよび先細部分の周縁上で互いに間隔を置かれている。複数の滴形状のベーンは、インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置された複数のインペラメディア出口を画定する。
【0006】
マシンの実施形態は、ハブおよび先細部分の周縁上で複数の滴形状のベーンを等距離で互いに間隔を置くことをさらに含み得る。一実施形態では、各滴形状のベーンは、鋭利な縁を含み、鋭利な縁は、ブラストホイールアセンブリの回転方向における先行側であり、滴形状のベーンの後続側が、それに続く。各滴形状のベーンは、50°~70°の先行側上の角度、好ましくは、55°~65°の先行側の角度を有し得る。各滴形状のベーンは、3mm~8mmの後続側の半径、好ましくは、4mm~7mmの後続側の半径を有し得る。複数の滴形状のベーンの各ベーンは、ベーンの数によって決定付けられた中心間の距離で互いに間隔を置かれ得る。複数の滴形状のベーンは、事前に画定された距離で制御ケージから間隔を置かれ得る。事前に画定された距離は、少なくとも3mmであり得る。複数の滴形状のベーンは、8つのベーンを含み得る。
【0007】
本開示の別の局面は、遠心ブラストホイールマシンのためのインペラを対象としている。一実施形態では、インペラは、インペラの一端に提供されたハブを備え、ハブは、モーターまたはベアリングユニットシャフトに結合されるように構成されている。インペラは、ハブの反対側の端に提供された先細部分をさらに含み、先細部分は、ブラストメディアを受け取るためのメディア入口を画定する。インペラは、ハブと先細部分との間に位置付けられた複数の滴形状のベーンをさらに含む。複数の滴形状のベーンは、ハブおよび先細部分の周縁上で互いに間隔を置かれている。複数の滴形状のベーンは、インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置された複数のインペラメディア出口を画定する。
【0008】
本開示のさらに別の実施形態は、遠心ブラストホイールマシンを動作させる方法を対象としている。一実施形態では、方法は、供給スパウトから遠心ブラストホイールマシンのインペラの中にブラストメディアを供給することと、インペラを回転させることによってブラストメディアを加速させ、遠心力を生じさせることであって、遠心力は、インペラの軸から離れるように半径方向にブラストメディアを移動させる、ことと、概ね円周方向に、インペラと制御ケージとの間の空間の中にブラストメディアを移動させることと、制御ケージの開口部を通して、ブラストホイールのブレードの上にある量のブラストメディアを供給することと、ブレードの長さに沿ってブラストメディアを移動させ、ブラストメディアを加速させ、それを工作物に向かって投射することとを含む。インペラは、インペラの一端に提供されたハブを含み、ハブは、モーターまたはベアリングユニットシャフトに結合されるように構成されている。インペラは、ハブの反対側の端に提供された先細部分をさらに含み、先細部分は、ブラストメディアを受け取るためのメディア入口を画定する。インペラは、ハブと先細部分との間に位置付けられた複数の滴形状のベーンをさらに含む。複数の滴形状のベーンは、ハブおよび先細部分の周縁上で互いに間隔を置かれ、複数の滴形状のベーンは、インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置された複数のインペラメディア出口を画定する。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
遠心ブラストホイールマシンであって、該遠心ブラストホイールマシンは、
複数のブレードを有するホイールアセンブリであって、該複数のブレードは、該ホイールアセンブリの中に導入されたブラストメディアを工作物に対して投射するように構成されている、ホイールアセンブリと、
該ホイールアセンブリの軸の周りに位置付けられたインペラであって、該インペラは、ブラストメディアを受け取るように適合された一端におけるメディア入口と、複数のインペラメディア出口とを有し、該複数のインペラメディア出口は、該インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置されている、インペラと、
該インペラに結合され、該インペラおよび該ホイールアセンブリの該回転を駆動するモーターと、
該インペラを包囲し、該ホイールアセンブリに固定された制御ケージと
を備え、
該制御ケージは、内部チャンバーを画定する円筒形の本体を含み、該円筒形の本体は、該円筒形の本体の中に形成された開口部を有し、該開口部は、該内部チャンバーからのブラストメディアの退出を可能にし、
該インペラは、該インペラの一端に提供されたハブであって、該ハブは、該モーターに結合されるように構成されている、ハブと、該ハブの反対側の端に提供された先細部分であって、該先細部分は、ブラストメディアを受け取るためのメディア入口を画定する、先細部分と、該ハブと該先細部分との間に位置付けられた複数の滴形状のベーンとを含み、該複数の滴形状のベーンは、該ハブおよび該先細部分の周縁上で互いに間隔を置かれ、該複数の滴形状のベーンは、複数のインペラメディア出口を画定し、該複数のインペラメディア出口は、該インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置され、
各ベーンは、該インペラの回転の方向に向けられた先行側と該先行側の反対側にある後続側とを有する滴形状である、
遠心ブラストホイールマシン。
(項目2)
前記複数の滴形状のベーンは、前記ハブおよび前記先細部分の周縁上で等距離で互いに間隔を置かれている、項目1に記載の遠心ブラストホイールマシン。
(項目3)
前記複数の滴形状のベーンは、事前に画定された距離で前記制御ケージから間隔を置かれている、項目2に記載の遠心ブラストホイールマシン。
(項目4)
前記事前に画定された距離は、少なくとも3mmである、項目3に記載の遠心ブラストホイールマシン。
(項目5)
前記複数の滴形状のベーンは、8つの滴形状のベーンを含む、項目3に記載の遠心ブラストホイールマシン。
(項目6)
各滴形状のベーンは、50°~70°の前記先行側の角度、好ましくは、55°~60°の角度と、3mm~8mm、好ましくは、4mm~7mmの前記後続側の半径とを有する、項目3に記載の遠心ブラストホイールマシン。
(項目7)
前記複数の滴形状のベーンの各ベーンは、ベーンの数によって決定付けられた中心間の距離を伴って互いに間隔を置かれている、項目6に記載の遠心ブラストホイールマシン。
(項目8)
遠心ブラストホイールマシンのためのインペラであって、該インペラは、
該インペラの一端に提供されたハブであって、該ハブは、該モーターに結合されるように構成されている、ハブと、
該ハブの反対側の端に提供された先細部分であって、該先細部分は、ブラストメディアを受け取るためのメディア入口を画定する、先細部分と、
該ハブと該先細部分との間に位置付けられた複数の滴形状のベーンと
を備え、
該複数の滴形状のベーンは、該ハブおよび該先細部分の周縁上で互いに間隔を置かれ、該複数の滴形状のベーンは、複数のインペラメディア出口を画定し、該複数のインペラメディア出口は、該インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置され、
各ベーンは、該インペラの回転の方向に向けられた先行側と該先行側の反対側にある後続側とを有する滴形状である、
インペラ。
(項目9)
前記複数の滴形状のベーンは、前記ハブおよび前記先細部分の周縁上で等距離で互いに間隔を置かれている、項目8に記載のインペラ。
(項目10)
前記複数の滴形状のベーンは、事前に画定された距離で制御ケージから間隔を置かれている、項目9に記載のインペラ。
(項目11)
前記事前に画定された距離は、少なくとも3mmである、項目10に記載のインペラ。
(項目12)
前記複数の滴形状のベーンは、8つの滴形状のベーンを含む、項目10に記載のインペラ。
(項目13)
各滴形状のベーンは、50°~70°の前記先行側の角度、好ましくは、55°~60°の角度と、3mm~8mm、好ましくは、4mm~7mmの前記後続側の半径とを有する、項目10に記載のインペラ。
(項目14)
前記複数の滴形状のベーンの各ベーンは、ベーンの数によって決定付けられた中心間の距離を伴って互いに間隔を置かれている、項目13に記載のインペラ。
(項目15)
遠心ブラストホイールマシンを動作させる方法であって、該方法は、
供給スパウトから該遠心ブラストホイールマシンのインペラの中にブラストメディアを供給することと、
該インペラを回転させることによって該ブラストメディアを加速させ、遠心力を生じさせることであって、該遠心力は、該インペラの軸から離れるように半径方向に該ブラストメディアを移動させる、ことと、
概ね円周方向に、該インペラと制御ケージとの間の空間の中に該ブラストメディアを移動させることと、
該制御ケージの開口部を通して、ブラストホイールのブレードの上にある量のブラストメディアを供給することと、
該ブレードの長さに沿って該ブラストメディアを移動させ、該ブラストメディアを加速させ、該ブラストメディアを工作物に向かって投射することと
を含み、
該インペラは、該インペラの一端に提供されたハブであって、該ハブは、該モーターに結合されるように構成されている、ハブと、該ハブの反対側の端に提供された先細部分であって、該先細部分は、ブラストメディアを受け取るためのメディア入口を画定する、先細部分と、該ハブと該先細部分との間に位置付けられた複数の滴形状のベーンとを含み、
該複数の滴形状のベーンは、該ハブおよび該先細部分の周縁上で互いに間隔を置かれ、該複数の滴形状のベーンは、複数のインペラメディア出口を画定し、該複数のインペラメディア出口は、該インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置され、
各ベーンは、該インペラの回転の方向に向けられた先行側と該先行側の反対側にある後続側とを有する滴形状である、
方法。
(項目16)
前記複数の滴形状のベーンは、前記ハブおよび前記先細部分の周縁上で等距離で互いに間隔を置かれている、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記複数の滴形状のベーンは、事前に画定された距離で前記制御ケージから間隔を置かれている、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記事前に画定された距離は、少なくとも3mmである、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記複数の滴形状のベーンは、8つの滴形状のベーンを含む、項目17に記載の遠心ブラストホイールマシン。
(項目20)
各滴形状のベーンは、50°~70°の前記先行側の角度、好ましくは、55°~60°の角度と、3mm~8mm、好ましくは、4mm~7mmの前記後続側の半径とを有する、項目17に記載の遠心ブラストホイールマシン。
【図面の簡単な説明】
【0009】
(図面の簡単な説明)
付属の図面は、一定の縮尺で描画されることを意図されていない。図面では、様々な図面内で図示された各同一の構成要素、または同一に近い構成要素が、同様の番号によって表現されている。明確性の目的のために、全ての構成要素が全ての図面内でラベルされてはいないことがある。
【0010】
【0011】
【
図3】
図3は、遠心ブラストホイールマシンの分解斜視図である。
【0012】
【
図4】
図4は、遠心ブラストホイールマシンの一部の分解斜視図である。
【0013】
【
図5】
図5および
図6は、遠心ブラストホイールマシン内で使用される本開示の実施形態のインペラの斜視図である。
【
図6】
図5および
図6は、遠心ブラストホイールマシン内で使用される本開示の実施形態のインペラの斜視図である。
【0014】
【0015】
【
図8】
図8は、インペラベーンの拡大断面図である。
【0016】
【0017】
【
図10】
図10は、遠心ブラストホイールマシンのインペラおよび制御ケージの正面図である。
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
遠心ブラストホイールマシンは、一般的に、放射状に延びたブレードを有する1枚のディスク、または間隔を置かれた一対のディスクを有する回転式ホイールを含む。ときに「研磨材」と称される粒子状物質が、ブラストホイールの中心から洗浄または処理されるべき工作物の表面に対して研磨材を推進する回転しているブレードの表面上に排出される。
【0020】
具体的には、ブラストメディアが、供給スパウトからブラストホイールの中心にある制御ケージ内に位置する回転インペラの中に供給される。メディアは、インペラへの供給パイプ、および制御ケージの開口部を通り、回転しているブレードの後端または内端上に供給される。メディアは、ブレードの面に沿って進み、ブレードの先端から処理されるべき工作物の表面に投射される。
【0021】
ブラストホイールの内部動作の観察と、ブラストホイールのメンテナンスの観察とから、インペラの制御面、制御ケージ、およびブレードは、研磨材の量と、投射ブレードの表面上への研磨材の流動と、研磨材に衝突される表面の形状および大きさ(ときに「ブラストパターン」と称される)と、工作物の表面上での研磨材の衝突(ときに「ブラスト強度」を称される)と、ブラストプロセス中使用され摩耗する研磨材(ときに「研磨材の消費」と称される)とに直接影響し、ショットブラストマシンの所有の全費用の増加を引き起こし得る。
【0022】
インペラベーンの異なる形状は、それらのパラメータに対して異なる影響を有し、大抵、いくつかのパラメータが改良されるが、同時に、他のパラメータが悪化させられ、従って、ブラストホイールの全体性能は、良くならない。
【0023】
本開示の実施形態の1つの目的は、ブラストホイールの内部で破砕される研磨材がより少ないことをもたらすインペラベーンの形状を発見することであり、それらの形状は、従って、マシンの動作時、より低い研磨材の消費と、研磨材に関するより低い費用とをもたらす。
【0024】
滴形状のインペラベーンを使用する限り、より低い研磨材の消費が、存在する(他の従前のインペラベーンの形状に対して、最高で15%)。これは、そのような滴形状のベーンをブラストホイールマシン内に有するインペラの使用者が研磨材に関する最高で15%の費用を節約できることを意味する。
【0025】
本開示の実施形態のブラストホイールは、金属のショット、グリット、カットワイヤーなどを投射するように設計され、それらは、「研磨材」、「研磨材ブラストメディア」、「研磨材メディア」、「ブラストメディア」、「メディア」、または粒子状物質の任意の好適な記載で総称され得る。ブラストホイールマシンは、典型的に、連動して作動する4つの主要な構成要素からなり、それらは、洗浄もしくはピーニングされるべき標的物体、または表面が別様に調製されるべき標的物体にメディアを投射する。メディアがホイールアセンブリ内に供給されると、インペラは、研磨材メディアを加速させるように作動する。インペラは、「インペラケース」とも称され得る制御ケージの内部で回転する。制御ケージは、制御ケージ内に形成された開口部を通して、研磨材ブラストメディアの流動を供給し、開口部の位置を調整することによって回転しているブレード上にメディアの流動を向けるように作動する。動作条件下では、制御ケージは、ブラストホイール内で静止している。(一般的に、数において2~12の)ブレードが、制御ケージの外側で回転し、それらの半径方向長さに沿って標的に向かって研磨材ブラストメディアを推進する。「ランナーヘッド」または単に「ホイール」とも称され得るベアホイールは、インペラおよびブレードを保持し、典型的に、電力源(一実施形態では、電気モーター)によって毎分1500~3600回転(rpm)でインペラおよびブレードを回転させる。
【0026】
本開示の実施形態は、研磨材のスループット、ブラストパターン、およびブラスト強度のような他のパラメータを従前のベーンの形状を伴うインペラと同様のレベルに維持しつつ、インペラ内部での研磨材の丁寧な取り扱いと、制御ケージ内の開口部を通したインペラの内部空間からブレードへの研磨材の円滑な移行とを通して研磨材の消費を削減するように構成された改良型インペラを対象としている。
【0027】
図面、より具体的には
図1~3を参照すると、遠心ブラストホイールマシンが、一般に10で示されている。一実施形態では、遠心ブラストホイールマシン10は、遠心ブラストホイールマシンの構成要素を格納するように設計されたハウジング(一般に12で示されている)を含む。遠心ブラストホイールマシン10は、ドライブシャフトによって支持された回転インペラ(一般に14で示されている)と、インペラを包囲した制御ケージアセンブリ(一般に16で示されている)と、制御ケージアセンブリを受け取るブラストホイールアセンブリ(一般に18で示されている)とをさらに含む。モーター20が、提供され、インペラ14およびブラストホイールアセンブリ18の回転を駆動する。別の配置は、モーター20、トランスミッション20-a、ベアリングユニット20-bであり、ベアリングシャフト20-cを伴う。その配置は、供給スパウト22から回転インペラ14の中にブラストメディアが供給されるようなものであり、インペラ14は、モーター20によって直接駆動されるか、または、モーター20、トランスミッション20-a、ベアリングユニット20-b、およびベアリングシャフト20-cによって駆動される。ブラストメディアの粒子は、回転インペラ14のベーン(および既にインペラの中にあるメディアの他の粒子)との接触によって加速させられ、加速は、インペラの軸から離れるように半径方向に粒子を移動させる遠心力を生じさせる。今、概ね円周方向に、かつ外向きに移動しているブラストメディアの粒子は、インペラ14の中に形成された開口部を通り、インペラと制御ケージ16との間の空間の中に移動し、その後も、インペラベーン(インペラダムとしても知られている)および他の粒子の移動によって運搬される。
【0028】
インペラの開口部を通り、インペラ14と制御ケージ16との間の空間の中に入ったブラストメディアの粒子が制御ケージアセンブリ内に提供された開口部に到達すると、回転力および遠心力が、開口部を通して粒子を移動させる。制御ケージ16は、ブラストホイールアセンブリ18のブレード上へのブラストメディアの一貫した適切な量を供給するように機能する。インペラ14のベーンが回転すると、ブラストメディアの粒子は、それらがベーンの端に到達し、ベーンの端から投射されるまでベーンの長さに沿って移動させられ、加速する。インペラ14が円筒形の形状であることが示されているが、インペラの大きさおよび厚みは、ブラストホイールアセンブリの大きさと、所望の性能特性とに依存して変動し得る。例えば、インペラ14は、その軸に沿ったいずれかの方向に先細の内壁または外壁を有し得る。典型的に、インペラは、鋳鉄もしくは機械加工の鉄、またはスチールなどの強磁性物質で作られるが、他の物質も、適切であり得る。一具体的実施形態では、インペラは、白鋳鉄から形成される。インペラ14の具体的な構築は、下でさらに詳細に記載される。
【0029】
遠心ブラストホイールマシン10のブラストホイールアセンブリ18は、ハブまたはホイール24と、複数のブレード(各々が26で示されている)とを含み、複数のブレードは、ホイールアセンブリの中に導入されたブラストメディアを投射し、ハウジング12内に含まれる工作物を処理する。その配置は、インペラ14がブラストホイールアセンブリ18のホイール24の軸の周りに位置付けられているようなものであり、インペラは、ブラストメディアを受け取るように適合された一端におけるメディア入口と、複数のインペラメディア出口を有し、複数のインペラメディア出口は、インペラの回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置されている。制御ケージ16は、制御ケージのメディア出口がブラストホイールアセンブリ18のブレードの後端へのブラストメディアの通過のために適合された位置でインペラ14を包囲している。上述のように、モーター20は、ドライブシャフトによってインペラ14およびブラストホイールアセンブリ18に結合され、インペラおよびホイールアセンブリの回転を駆動する。別の実施形態では、モーター20は、ベアリングユニットシャフト20-cによってトランスミッション20-aおよびベアリングユニット20-bに結合され、インペラおよびホイールアセンブリの回転を駆動する。
【0030】
図4を参照すると、一実施形態では、制御ケージ16は、内部チャンバーを画定するハウジングを形成する円筒形の壁30と、内部チャンバーからのブラストメディアの退出を可能にするために円筒形の壁において形成されたメディア出口または開口部32とを有する。制御ケージ16を有する典型的な遠心ブラストホイールマシン10が、ブラストメディア(示されていない)を工作物の表面(示されていない)に発射することによって表面を処理するために使用される。処理は、洗浄、ピーニング、研磨、エロ―ジョン、デバリング、デフラッシングなどの性質を有し得、ブラストメディアは、典型的に、ショット、グリット、ワイヤーの断片、重炭酸ナトリウム、または他の研磨材などの固形粒子からなる(処理される表面、および/または表面から除去される物質に依存する)。
【0031】
典型的に鋳鉄(または同様の物質)から形成される制御ケージ16は、インペラ14の周りに同心円状に位置付けられ、概ね円筒の形状をしている。しかしながら、制御ケージ16は、インペラ14と同様、他の形状を有し得、例えば、その軸に沿ったいずれかの方向に内側および/または外側に先細であり得る。制御ケージ16は、外部フランジ17も含み、次に、外部フランジ17は、ブラストホイールアセンブリ18のハウジング12に取り付けられ、制御ケージをホイールに対して固定し、ブラストホイールアセンブリ10の動作時、制御ケージがホイールに対して回転することを防止する。次に、制御ケージ上に供給スパウト22を設置することによって、および、供給スパウトのブラケットをしっかりと固定することによって、制御ケージ16は、所定の場所に係止される。
【0032】
他の実施形態では、制御ケージ16は、ブラストホイールアセンブリ18または(上で示されたような)その周囲の他の静止した要素への取り付けによって移動を抑制され得るか、または、いくつかの場合、制御ケージ16は、一方向または双方向に回転することを可能にされるか、または、そうさせられ得る。示されているように、ブラストホイールアセンブリ18によって投射されるメディアの方向を制御するために、外部フランジは、使用者がある所望の回転の向きにおいて制御ケージ16を位置付けることを可能にするマーキングまたは他の印を有する。
【0033】
上述のように、制御ケージ16のメディア開口部32は、ブラストホイールアセンブリ18の動作時、ブラストメディアの退出を可能にする。図示された実施形態では、メディア開口部32は、側面から(すなわち、その軸に垂直な方向から)見られるとき、概ね長方形の形状をしている。しかしながら、メディア開口部32の大きさ、形状、および位置は、用途に依存して変動し得る。メディア開口部32の長さは、回転の方向において最も先行する開口部の最も内側の部分から後続部分の最も外側の縁までの角度において測定される。示された実施形態のメディア開口部32はいずれかの方向に回転するホイールに関して概ね56度であるが、当業者によって理解されるように、他の実施形態では、(いずれかの方向の)開口部の長さは、ブラストホイールアセンブリ18の全体大きさ、投射されるメディアの性質、および所望の流動の速度などの非常に多くの要因に依存して変動し得る。
【0034】
制御ケージ16の周りに同心円状に配置されたブラストホイールアセンブリ18は、ホイールアセンブリのホイール24のリアホイールとフロントホイールとの間に挟まれた複数のブレード26を含む。ブラストホイールアセンブリ18の様々なパーツが典型的に鋳鉄から形成されるが、それらは、任意の他の適切な物質および/または方法でも作られ得る。ブラストホイールアセンブリの動作時、ホイールアセンブリがモーターによって回転させられ得るように、ブラストホイールアセンブリ18は、モーター20またはベアリングユニットシャフト20-cに接続され、一実施形態では、ドライブシャフトをホイールアセンブリのリアホイールに係止するために挿入される鍵を用いて接続される。別の実施形態では、ブラストホイールアセンブリ18は、ドライビングペグを使用してモーター20またはベアリングユニットシャフト20-cに接続され、ドライブシャフトをホイールアセンブリのリアに係止する。各々が後端および先端を有するブレード26は、処理される表面にブラストメディアを向けるように構築および配置されている。ブレード26は、部分的に曲がったブレードを具体化し得、各ブレードは、ホイールアセンブリの中央ハブに隣接して位置付けられた曲がった部分と、ホイールアセンブリから放射状に外向きに延びた曲がった部分と一体的に形成された真っ直ぐな部分とを有する。
【0035】
他の実施形態では、ブレードは、任意の好適な大きさであり得、真っ直ぐな形状、曲がった形状、広がった形状、平坦な形状、凹形状、または凸形状のうちの1つ以上を含む任意の好適な形状であり得る。
【0036】
本発明は、主として、金属のショット、グリット、カットワイヤーなどを投射するブラストホイールの用途に焦点を当てられている。上で検討されたように、ブラストホイールは、典型的に、連動して作動する4つの主要な構成要素からなり、それらは、洗浄もしくはピーリングされるべき標的物体、または表面が別様に調製されるべき標的物体にブラストメディアを投射する。それらの構成要素は、インペラ14、制御ケージ16、ブレード26、およびブラストホイール24である。
【0037】
遠心ブラストホイールマシン10の動作は、以下の通りである。ブラストメディアが、供給スパウト22から回転インペラ14の中に供給される。ブラストメディアの粒子は、回転インペラベーン(および既にインペラ14の中にあるメディアの他の粒子)との接触によって加速させられ、加速は、インペラの軸から離れるように半径方向に粒子を移動させる遠心力を生じさせる。今、概ね円周方向に、かつ外向きに移動しているブラストメディアの粒子は、インペラの開口部を通り、インペラ14と制御ケージ16との間の空間の中に移動し、その後も、インペラベーンおよび他の粒子の移動によって運搬される。
【0038】
ブラストメディアの粒子がインペラの開口部を通り、インペラ14と制御ケージ16との間の空間の中に入り、メディア開口部32まで進むと、回転力および遠心力が、メディア開口部を通してブレード26の後端上に粒子を移動させる。制御ケージ16は、ブレード26上へのブラストメディアの一貫した適切な量を供給するように機能する。ブラストホイール24のブレード26が回転すると、ブラストメディアの粒子は、それらが先端に到達するまでベーンの長さに沿って移動させられ、加速し、それらは、先端地点で工作物に向けてブレードの端から投射される。
【0039】
図4は、組み立て前のインペラ14、制御ケージ16、およびブラストホイールアセンブリ18の関係を図示している。示されているように、インペラ14は、制御ケージ16の本体30内に収まり、次に、本体30は、ブラストホイールアセンブリ18のブラストホイール24内に収まる。下でさらに詳細に示されるように、インペラ14は、滴形状のベーンを含み、インペラ内部での研磨材の丁寧な取り扱いと、制御ケージ内の開口部を通したインペラの内部空間からブレードへの研磨材の円滑な移行とを通して研磨材の消費を削減する。インペラ14の滴形状のベーンは、研磨材のスループット、ブラストパターン、およびブラスト強度のような他のブラストホイールパラメータを従前のベーンと同じまたは同様にさらに維持する。
【0040】
図5~8を参照すると(
図7は、インペラの断面図である)、インペラ14の実施形態が、記載されている。示されているように、インペラ14は、インペラの一端に提供されたハブ40を含む。ハブ40は、円筒形の本体を具体化し、本体は、その中に形成された中央開口部を有し、中央開口部は、モーター20またはベアリングユニットシャフト20-cからドライブシャフトを受け取り、鍵またはなんらかの他の好適な結合によってドライブシャフトに結合される。インペラ14は、ハブの反対側の端に提供された先細部分44をさらに含む。先細部分44は、供給スパウト22からブラストメディアを受け取るためのメディア入口46を画定する。インペラ14は、ハブ40と先細部分44との間に位置付けられた複数の滴形状のベーン(各々が48で示されている)をさらに含む。示されているように、滴形状のベーン48は、ハブ40および先細部分44によって画定されたインペラ14の周縁上で等距離で互いに間隔を置かれている。滴形状のベーン48は、インペラ14の回転時、ブラストメディアの退出を可能にするように構築および配置された複数のインペラメディア出口(各々が50で示されている)を画定する。
【0041】
インペラの表面のうちの1つ(大抵、インペラの先細部分のフロント面)は、滴形状のベーンを伴うインペラの回転方向を示す矢印34または他の印を含み得る。インペラがブラストホイールアセンブリ内で組み立てられるとき、矢印34は、ブラストホイールハウジングに取り付けられ、ブラストホイールアセンブリの回転方向を示す矢印36と同じ方向を示していなければならない。
【0042】
一実施形態では、複数の滴形状のベーン48は、8つの滴形状のベーンを含み、8つの滴形状のベーンの各々は、50°~70°の先行側42上の角度41、好ましくは、55°~65°の先行側の角度と、3mm~8mmの後続側45の半径43、好ましくは、4mm~7mmの後続側の半径とを有する。8つの滴形状のベーン48が存在するので、従って、8つのメディア開口部50が、隣接して設置されたベーン間に存在する。一実施形態では、滴形状のベーン48は、ボルト、例えば、M5×20のボルトによってそれらのそれぞれのハブ40および先細部分44に固定されている(
図5)。示されているように、滴形状のベーン48は、インペラ14の周縁の周りで等距離で互いに間隔を置かれている。一実施形態では、滴形状のベーン48は、8または12個の等しい円形パターンにおいて互いに間隔を置かれ、それらは、それぞれ、45度および30度の角度をもたらす。滴形状のベーンは、互いに間隔を置かれ、中心間の距離は、ベーンの数によって決定付けられる。
【0043】
加えて、
図10および
図11を参照すると、滴形状のベーン48は、52によって示されるような事前に画定された距離で制御ケージ16から間隔を置かれている(
図11)。一実施形態では、事前に画定された間隔の距離は、少なくとも3mmである。上で記載されたように、その配置は、供給スパウト22からインペラ14内に供給されたブラストメディアが回転インペラの滴形状のベーン48と接触し、インペラの軸から離れるように半径方向にメディアの粒子を移動させる遠心力を生じさせるように加速させられるようなものである。ブラストメディアの粒子は、インペラ14の中に形成されたメディア開口部50を通り、インペラと制御ケージ16との間の空間52内に移動する。インペラ14のメディア開口部50を通り、インペラ14と制御ケージ16との間の空間の中に入ったブラストメディアの粒子が制御ケージ内に提供された開口部32に到達すると、回転力および遠心力が、開口部を通してブラストホイールアセンブリ18のブレード26に粒子を移動させる。
【0044】
いくつかの実施形態では、遠心ブラストホイールマシンを動作させる方法は、供給スパウトから遠心ブラストホイールマシンのインペラの中にブラストメディアを供給することと、インペラを回転させることによってブラストメディアを加速させ、遠心力を生じさせることであって、遠心力は、インペラの軸から離れるように半径方向にブラストメディアを移動させる、ことと、概ね円周方向に、インペラと制御ケージとの間の空間の中にブラストメディアを移動させることと、制御ケージの開口部を通して、ブラストホイールのブレードの上にある量のブラストメディアを供給することと、ブレードの長さに沿ってブラストメディアを移動させ、ブラストメディアを加速させ、それを工作物に向かって投射することとを含む。一実施形態では、方法は、本明細書内で示され記載された滴形状のベーンを有するインペラ14を使用して実施される。
【0045】
本発明は、当該産業において研磨材を投射するために使用される任意の公知のブラストホイールに対して使用されることができる。インペラの形状、および制御ケージの内面との関係に着手することは、研磨材の流動に対する障害を最小限にすることにおいて重要であり、2つの制御面間の距離は、典型的に、4.75mm~5.75mmの範囲である。加えて、研磨材の移動は制御ケージの内面に対して線形運動から回転運動に移行するので、流動は、インペラの面がどのように制御ケージの内面に関連しているかに影響される。インペラの滴形状のベーンの滴形状の形態は、インペラ内部での研磨材の丁寧な取り扱いと、制御ケージ内の開口部を通したインペラの内部空間からブレードへの研磨材の円滑な移行とを確実にし、研磨材の消費を削減する。
【0046】
従って、投射表面の効率の全体的な増加がインペラ内部での研磨材の丁寧な取り扱いと、インペラからの研磨材のより円滑な移行とに連動し、インペラが制御ケージ内の開口部を通したインペラから投射ブレードの表面へのメディアの放出を最適な滴形状のベーンによって改良するように設計されていることが、留意されるべきである。
【0047】
インペラの実施形態は、研磨材の消費を削減するが、研磨材のスループット、ブラストパターン、およびブラスト強度のような他のブラストホイールパラメータを、以前達成されたものと同じレベルの電力を使用して従前のインペラベーンと同じまたは同様のレベルに維持し、それは、インペラの構成を滴形状のベーンに変更することによって達成される。インペラは、研磨材のより良い使用を提供し、遠心ホイールによる表面調製またはショットピーニングの機能を実施することが可能である。
【0048】
インペラの実施形態は、当該産業において使用されるインペラの設計のいずれに対しても使用されることができ、制御ケージの開口部の形状および大きさは、変動する。さらに、インペラベーンは、メディアの優れた取り扱いと、制御ケージ内の開口部を通したインペラの内部空間からブレードへの円滑な移行とを可能にし、インペラの形状は、従前のベーンと比較して研磨材の消費の削減を促進する。
【0049】
滴形状のインペラベーンの各々は、50°~70°の先行側上の角度、好ましくは、55°~65°の先行側の角度と、3mm~8mmの後続側の半径、好ましくは、4mm~7mmの後続側の半径とを有する。
【0050】
インペラの滴形状のベーンは、研磨材の消費を削減するが、従前のベーンと比較して以前達成されたものと同じレベルの電力を使用して、研磨材のスループット、ブラストパターン、およびブラスト強度のような他のブラストホイールパラメータを従前のインペラベーンと同じまたは同様に維持する。
【0051】
こうして、本開示の少なくとも一実施形態のいくつかの局面を記載してきたが、様々な代替、修正、および改良が当業者によって直ちに行われるであろうことが、理解されるべきである。そのような代替、修正、および改良は、本開示の一部であることを意図されており、本開示の精神および範囲内であることを意図されている。従って、上記の説明および図面は、例示のみを手段としている。
【0052】
特許請求の範囲を示す。