(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】多機能発音デバイス
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
B06B1/04 S
(21)【出願番号】P 2022208095
(22)【出願日】2022-12-26
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】202220721213.3
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(73)【特許権者】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】肖 波
(72)【発明者】
【氏名】孔 晨亮
(72)【発明者】
【氏名】章 ▲統▼
(72)【発明者】
【氏名】令狐 ▲榮▼林
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-238093(JP,A)
【文献】中国実用新案第201001193(CN,Y)
【文献】特開2019-097229(JP,A)
【文献】特開2019-093336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能発音デバイスであって、
前記多機能発音デバイスは、ハウジングと、第1振動システムと、第2振動システムと、磁気回路システムと、弾性部材とを含み、
前記ハウジングには、収容キャビティが設けられ、
前記第1振動システムは、前記ハウジングに対して第1方向に沿って振動発音可能であり、
前記第2振動システムは、前記ハウジングに接続され、且つ前記ハウジングに対して第2方向及び/又は第3方向に沿って振動可能であり、前記第2方向は、前記第1方向に垂直であり、前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直であり、
前記磁気回路システムは、前記ハウジングに接続され、前記磁気回路システムは、前記第1振動システムと前記第2振動システムとの振動を駆動し、
前記弾性部材は、前記第2振動システムに固定され
て略第3方向に沿って延在する変形部と、前記変形部の両端から
略第2方向に沿ってそれぞれ延在し且つ前記ハウジングに固定された取付部とを含み、前記第2振動システムは、前記弾性部材を介して前記収容キャビティ内に懸架され、
前記多機能発音デバイスは、フレキシブル回路板を更に含み、前記フレキシブル回路板は、
略第2方向に沿って前記変形部に貼り合わせられた貼り合わせ部と、前記貼り合わせ部から折り曲げて延在し且つ少なくとも部分的に前記収容キャビティ外に位置する延在部とを含むことを特徴とする多機能発音デバイス。
【請求項2】
多機能発音デバイスであって、
前記多機能発音デバイスは、ハウジングと、第1振動システムと、第2振動システムと、磁気回路システムと、弾性部材とを含み、
前記ハウジングには、収容キャビティが設けられ、
前記第1振動システムは、前記ハウジングに対して第1方向に沿って振動発音可能であり、
前記第2振動システムは、前記ハウジングに接続され、且つ前記ハウジングに対して第2方向及び/又は第3方向に沿って振動可能であり、前記第2方向は、前記第1方向に垂直であり、前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向に垂直であり、
前記磁気回路システムは、前記ハウジングに接続され、前記磁気回路システムは、前記第1振動システムと前記第2振動システムとの振動を駆動し、
前記弾性部材は、前記第2振動システムに固定されて略第3方向に沿って延在する変形部と、前記変形部の両端から略第2方向に沿ってそれぞれ延在し且つ前記ハウジングに固定された取付部とを含み、前記第2振動システムは、前記弾性部材を介して前記収容キャビティ内に懸架され、
前記多機能発音デバイスは、フレキシブル回路板を更に含み、前記フレキシブル回路板は、貼り合わせ部と、前記貼り合わせ部から折り曲げて延在し且つ少なくとも部分的に前記収容キャビティ外に位置する延在部とを含み、
前記多機能発音デバイスは、接続部材を更に含み、前記フレキシブル回路板と前記弾性部材との間は、前記接続部材を介して接続され、
前記貼り合わせ部は、前記変形部の前記第2振動システムから離れる側に固定され、前記接続部材は、前記貼り合わせ部の前記延在部から離れる端部と前記変形部との間に設けられていることを特徴とする多機能発音デバイス。
【請求項3】
前記変形部は、前記第2振動システムに固定された固定アームと、前記固定アームの両端から
略第3方向に沿って延在する弾性アーム部とを含み、前記貼り合わせ部は、前記固定アームに固定された固定部と、前記固定部の一端から
略第3方向に沿って延在し且つ前記弾性アーム部に貼り合わせられた接続アームとを含み、
前記接続アームの前記第1方向に沿った幅は、前記弾性アーム部の前記第1方向に沿った幅以下であることを特徴とする請求項1に記載の多機能発音デバイス。
【請求項4】
前記延在部は、収容キャビティ外に位置する第1折曲部と、前記第1折曲部に接続され且つ前記第2方向に沿って折り曲げて延在する第2折曲部と、前記第2折曲部に接続され且つ前記第1方向に沿って折り曲げて延在する第3折曲部とを含み、
前記貼り合わせ部は、前記第3折曲部の前記第2折曲部から離れる一端に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の多機能発音デバイス。
【請求項5】
前記弾性部材の数は、複数であり、前記弾性部材は、前記第2方向及び/又は前記第3方向に沿って対称的に設けられていることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の多機能発音デバイス。
【請求項6】
前記第2振動システムは、駆動コイル及びカウンタウェイトを含み、前記カウンタウェイトは、第1スルーホールが貫設され、前記駆動コイルは、前記第1スルーホール内に収容され且つ前記磁気回路システムに正対して間隔を隔てて設けられ、前記駆動コイルと前記磁気回路システムとは、相互作用して前記カウンタウェイトが前記第2方向及び/又は前記第3方向に沿って振動するように駆動し、
前記弾性部材の前記変形部は、前記カウンタウェイトに固定されていることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の多機能発音デバイス。
【請求項7】
前記カウンタウェイトは、底壁と、前記底壁から前記第1振動システムへ折り曲げて延在する側壁とを有し、前記弾性部材の前記変形部は、前記側壁に固定されていることを特徴とする請求項
6に記載の多機能発音デバイス。
【請求項8】
前記ハウジングは、順次接続された第1ハウジング、第2ハウジング及びカバープレートを含み、前記第1ハウジング、前記第2ハウジング及び前記カバープレートは、前記収容キャビティを囲み、前記底壁は、第2スルーホールが貫設され、前記カバープレートの前記第2スルーホールに対応する箇所は、前記磁気回路システムへ突出してボスを形成し、前記磁気回路システムは、前記ボスに固定されていることを特徴とする請求項
7に記載の多機能発音デバイス。
【請求項9】
前記カバープレートには、前記収容キャビティ外まで延在するカバープレート延在部が設けられ、前記延在部は、前記カバープレート延在部に固定されていることを特徴とする請求項
8に記載の多機能発音デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発音デバイスの技術分野に関し、特に多機能発音デバイス及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の多機能発音デバイスは、ハウジングと、第1振動システムと、第2振動システムと、磁気回路システムと、弾性部材と、フレキシブル回路板とを含む。多機能発音デバイスが動作した時に、磁気回路システムは、第1振動システムが振動発音するように駆動可能であり、且つ磁気回路システムは、第2振動システムが振動するように駆動可能である。ここで、弾性部材は、第2振動システムの回復運動を容易にすることができ、フレキシブル回路板は、第1振動システム及び第2振動システムへ電気信号を提供する。一般的に、弾性部材とフレキシブル回路板とは、互いに独立してそれぞれ振動し、弾性部材の振動ダンピングが大きく、耐用寿命が短い。
【0003】
したがって、弾性部材の耐用寿命を延長するために、多機能発音デバイスを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、フレキシブル回路板を弾性部材に接続することにより、弾性部材の振動ダンピングを低減し、更に弾性部材の耐用寿命を延長するという目的を達成する多機能発音デバイス及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の解決手段を講じる。該多機能発音デバイスは、ハウジングと、第1振動システムと、第2振動システムと、磁気回路システムと、弾性部材と、フレキシブル回路板とを含み、
ハウジングには、収容キャビティが設けられ、
第1振動システムは、ハウジングに対して第1方向に沿って振動発音可能であり、
第2振動システムは、ハウジングに接続され、且つ第2振動システムがハウジングに対して第2方向及び/又は第3方向に沿って振動可能であり、第2方向は、第1方向に垂直であり、第3方向は、第1方向及び第2方向に垂直であり、
磁気回路システムは、ハウジングに接続され、磁気回路システムは、第1振動システムと第2振動システムとの振動を駆動し、
弾性部材は、第2振動システムに固定された変形部と、変形部の両端からそれぞれ延在し且つハウジングに固定された取付部とを含み、第2振動システムは、弾性部材を介して収容キャビティ内に懸架され、
フレキシブル回路板は、変形部に貼り合わせられた貼り合わせ部と、貼り合わせ部から折り曲げて延在し且つ少なくとも部分的に収容キャビティ外に位置する延在部とを含む。
【0006】
本発明において、フレキシブル回路板を弾性部材に接続するため、フレキシブル回路板の振動が弾性部材の振動と結合し、それにより弾性部材のダンピングを低減し、弾性部材が振動した場合に受ける応力を低減し、更に弾性部材の耐用寿命を延長する。
【0007】
可能な設計において、変形部は、第2振動システムに固定された固定アームと、固定アームの両端から延在する弾性アーム部とを含み、貼り合わせ部は、固定アームに固定された固定部と、固定部の一端から延在し且つ弾性アーム部に貼り合わせられた接続アームとを含み、
接続アームの第1方向に沿った幅は、弾性アーム部の第1方向に沿った幅以下である。
【0008】
可能な設計において、延在部は、収容キャビティ外に位置する第1折曲部と、第1折曲部に接続され且つ第2方向に沿って折り曲げて延在する第2折曲部と、第2折曲部に接続され且つ第1方向に沿って折り曲げて延在する第3折曲部とを含み、
貼り合わせ部は、第3折曲部の第2折曲部から離れる一端に接続されている。
【0009】
可能な設計において、多機能発音デバイスは、接続部材を更に含み、フレキシブル回路板と弾性部材との間は、接続部材を介して接続される。
【0010】
可能な設計において、貼り合わせ部は、変形部の第2振動システムから離れる側に固定され、接続部材は、貼り合わせ部の延在部から離れる端部と変形部との間に設けられている。
【0011】
可能な設計において、第2振動システムは、駆動コイル及びカウンタウェイト含み、カウンタウェイトは、第1スルーホールが貫設され、駆動コイルは、第1スルーホール内に収容され且つ磁気回路システムに正対して間隔を隔てて設けられ、駆動コイルと磁気回路システムとは、相互作用してカウンタウェイトが第2方向及び/又は第3方向に沿って振動するように駆動し、
弾性部材の変形部は、カウンタウェイトに固定されている。
【0012】
可能な設計において、カウンタウェイトは、底壁と、底壁から第1振動システムへ折り曲げて延在する側壁とを有し、弾性部材の変形部は、側壁に固定されている。
【0013】
可能な設計において、ハウジングは、順次接続された第1ハウジング、第2ハウジング及びカバープレートを含み、第1ハウジング、第2ハウジング及びカバープレートは、収容キャビティを囲み、
底壁は、第2スルーホールが貫設され、カバープレートの第2スルーホールに対応する箇所は、磁気回路システムへ突出してボスを形成し、磁気回路システムは、ボスに固定されている。
【0014】
可能な設計において、カバープレートには、収容キャビティ外まで延在するカバープレート延在部が設けられ、延在部が前記カバープレート延在部に固定されている。
【0015】
理解すべきことは、以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る多機能発音デバイスの実施例における構成を示す模式図である。
【
図3】
図1におけるA-A線に沿った断面図である。
【
図5】
図2における第1音膜の構成を示す模式図である。
【
図6】
図2における第2音膜の構成を示す模式図である。
【
図7】
図2における振動膜の構成を示す模式図である。
【
図8】
図2における骨格の構成を示す模式図である。
【
図9】
図2におけるカウンタウェイトの構成を示す模式図である。
【
図10】
図1における第2ハウジングを取り外した後の構成を示す模式図である。
【
図12】
図2における弾性部材の構成を示す模式図である。
【
図13】
図2におけるフレキシブル回路板の一部の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下は図面及び実施形態を参照して本発明を更に説明する。
【0018】
本発明は、電子機器を提供し、該電子機器は、本体と、本体に取り付けられる多機能発音デバイスとを含み、多機能発音デバイスが動作した時に、ユーザは、ニーズに応じて多機能発音デバイスの発音及び/又は振動を制御することができ、それによりユーザの使用体験を向上させる。
【0019】
図1に示すように、第1方向Z、第2方向X及び第3方向Yが定義され、第1方向Zは、第1振動システム2の振動方向であり、第2方向X及び/又は第3方向Yは、第2振動システム3の振動方向であり、第2方向Xは、第1方向Zに垂直であり、第3方向Yは、第1方向及び第2方向に垂直である。
【0020】
具体的には、
図1及び
図2に示すように、該多機能発音デバイスは、ハウジング1、第1振動システム2、第2振動システム3、磁気回路システム4、フレキシブル回路板6及び弾性部材5を含み、磁気回路システム4は、ハウジング1に接続され、第1振動システム2は、磁気回路システム4を介してハウジング1の収容キャビティ14内に懸架され、
図2、
図10~
図12に示すように、弾性部材5は、第2振動システム3に固定された変形部51と、変形部51の両端からそれぞれ延在し且つハウジング1に固定された取付部52とを含み、第2振動システム3は、弾性部材5を介して収容キャビティ14内に懸架され、
図2に示すように、多機能発音デバイスは、弾性支持アセンブリ8を更に含み、フレキシブル回路板6と弾性支持アセンブリ8とは、いずれも多機能発音デバイスと外部電子部品とを接続し、多機能発音デバイスの使用に役立つ。ここで、磁気回路システム4は、第1振動システム2が第1方向Zに沿って振動発音するように駆動し、且つ磁気回路システム4は、第2振動システム3が第2方向Xに沿って及び/又は第3方向Yに沿って振動するように駆動するため、多機能発音デバイスは、振動フィードバック機能及び音声フィードバック機能を兼ね備え、それにより多機能発音デバイスの使用性能を向上させる。
【0021】
図1及び
図2に示すように、ハウジング1は、順次接続された第1ハウジング11、第2ハウジング12及びカバープレート13を含み、第1ハウジング11、第2ハウジング12及びカバープレート13は、収容キャビティを囲み、第1ハウジング11と第2ハウジング12とは、固定接続されるか又は取り外し可能に接続され、第2ハウジング12は、カバープレート13に固定接続されるか又は取り外し可能に接続される。ハウジング1を第1ハウジング11、第2ハウジング12及びカバープレート13に別体に設けられ、且つ第1ハウジング11と第2ハウジング12が取り外し可能に接続され、第2ハウジング12とカバープレート13が取り外し可能に接続され、収容キャビティ内部の部品の取り付け、メンテナンス及び交換を容易にして、それにより多機能発音デバイスの耐用寿命を延長する。第1ハウジング11は、第2ハウジング12に固定接続され、第2ハウジング12は、カバープレート13に固定接続されるため、第1ハウジング11と第2ハウジング12、第2ハウジング12とカバープレート13との接続の安定性を増加させることができる。
【0022】
図2に示すように、磁気回路システム4は、主磁性鋼41及び副磁性鋼42を含み、副磁性鋼42は、主磁性鋼41を取り囲んで設けられることで磁気ギャップを形成し、磁気回路システム4は、主磁性鋼41に貼り付けられる主ポールプレート43と、主ポールプレート43を取り囲んで副磁性鋼42に貼り付けられる副ポールプレート44と、主ポールプレート43の主磁性鋼41から離れる側に貼り付けられる上磁性鋼45とを更に含む。副磁性鋼42は、副ポールプレート44を介してハウジング1の収容キャビティ14内に取り付けられ、副磁性鋼42の取付方式を簡略化し、副磁性鋼42の取り付けに必要な部品の数を減少させ、それにより副磁性鋼42の取り付けによって占有される収容キャビティ14の空間を減少させ、更に多機能発音デバイスのサイズを減少させ、多機能発音デバイスの製造コストを低下させるとともに、多機能発音デバイスの取り付けに必要な空間を減少させることにより、多機能発音デバイスの取り付け及び応用に役立つ。
【0023】
図2に示すように、第1振動システム2は、音膜21及びボイスコイル22を含み、音膜21は、第1音膜211及び第2音膜212を含み、
図5及び
図6に示すように、第1音膜211には、第1接続部211a及び第2接続部211bが設けられ、第2音膜212には、第3接続部212a及び第4接続部212bが設けられ、
図2に示すように、第1方向Zに沿って、第1振動システム2は、対向して設けられる上フレーム25及び下フレーム26と、音膜21に対向して設けられる振動膜24と、音膜21と振動膜24との間に設けられる骨格23を更に含み、
図7に示すように、振動膜24は、第5接続部241及び第6接続部242に設けられている。
図3及び
図4に示すように、第1音膜211の第1接続部211aは、上フレーム25と下フレーム26との間に挟持され、第1音膜211の第2接続部211bは、骨格23の一端に接続され、骨格23の他端は、振動膜24の第6接続部242に接続され、振動膜24の第5接続部241は、ハウジング1の内側壁に接続され、ここで、
図8に示すように、骨格23には、取付溝231及びスルーホール232が設けられ、第2音膜212の第3接続部212aは、取付溝231の側壁を介してボイスコイル22に接続され、上磁性鋼45の少なくとも一部は、スルーホール232を通過して第2音膜212の第4接続部212bに接続されている。
【0024】
本発明の実施例において、多機能発音デバイスが動作した時に、ボイスコイル22は、外部から交番電流を取得し、この時、ボイスコイル22は、主磁性鋼41及び副磁性鋼42から発生した磁界の作用で第1方向Zに沿った運動を発生し、骨格23を介して音膜21を第1方向Zに沿って振動させるように駆動するため、第1振動システム2を振動発音させる。
【0025】
ここで、
図2に示すように、第1振動システム2は、ドーム27を更に含み、ドーム27は、骨格23に固定され且つ第1接続部211aと第3接続部212aとの間に位置し、ドーム27によって骨格23の強度を補強可能であり、骨格23の耐ねじり能力及び耐スイング能力を向上させ、第1振動システム2の音響性能を向上させる。
【0026】
図2に示すように、第2振動システム3は、カウンタウェイト32を含み、
図9に示すように、カウンタウェイト32の底壁には、第2スルーホール324がが貫設され、カバープレート13の第2スルーホール324に対応する箇所は、磁気回路システム4へ突出してボス131を形成し、磁気回路システム4は、ボス131に固定されることで、磁気回路システム4の取付方式を簡略化する。第2振動システム3は、駆動コイル31を更に含み、駆動コイル31がカウンタウェイト32に固定接続され、それにより駆動コイル31がカウンタウェイト32を第2方向Xに沿って及び/又は第3方向Yに沿って振動させるように駆動し、カウンタウェイト32は、第1スルーホール321が貫設され、駆動コイル31が第1スルーホール321内に収容され且つ磁気回路システム4に正対して間隔を隔てて設けられ、
図3に示すように、駆動コイル31は、対向して設けられた第1側辺311及び第2側辺312を含み、第1方向Zに沿って、第1側辺311は、主磁性鋼41に対向して設けられ、第2側辺312は、副磁性鋼42に対向して設けられ、
図2、
図10~
図12に示すように、弾性部材5の変形部51は、カウンタウェイト32に接続され、弾性部材5の取付部52は、ハウジング1の側壁に接続され、第2振動システム3が第2方向Xに沿って及び/又は第3方向Yに沿って移動した場合に、弾性部材5は、弾性変形可能である。
【0027】
本発明の実施例において、駆動コイル31は、第1スルーホール321内に収容され、駆動コイル31とカウンタウェイト32との接続を簡略化可能であり、それにより駆動コイル31とカウンタウェイト32とが占用する多機能発音デバイスの内部空間を減少させる。駆動コイル31の側壁は、第1スルーホール321の側壁に当接可能であり、駆動コイル31がカウンタウェイト32を移動するように駆動しやすく、駆動コイル31とカウンタウェイト32との間に隙間が存在することにより駆動コイル21がカウンタウェイト32の運動を駆動できないという問題を回避し、それによりカウンタウェイト32の運動の感度を向上させ、更に多機能発音デバイスの動作の感度及び安定性を向上させる。
【0028】
多機能発音デバイスの動作時に、駆動コイル31、主磁性鋼41及び副磁性鋼42から発生した磁界の作用で第2方向X及び/又は第3方向Yに沿った運動を発生し、第2振動システム3を振動させる。磁気回路システム4は、駆動コイル31を介して磁気ヨーク32の運動を駆動し、磁気回路システム4は、第2振動システム3を振動するようにを駆動する構造を簡略化し、それにより多機能発音デバイスの構造を簡略化し、多機能発音デバイスの製造コストを低減する。
【0029】
第2振動システム3が振動した場合に、弾性部材5は、カウンタウェイト32の作用で弾性変形し且つ反発力を生成し、カウンタウェイト32が弾性部材5に対する制限をキャンセルしたとき又は電流方向が変更されたときに、弾性部材5が生成した反発力は、第2振動システム3をリセットするように駆動可能であり、それにより第2振動システム3の次回の運動を容易にする。したがって、弾性部材5を設け、第2振動システム3の複数回、持続動作に役立ち、それにより第2振動システム3の動作安定性及び使用性能を向上させ、更に多機能発音デバイスの動作安定性を向上させる。
【0030】
弾性部材5をカウンタウェイト32に接続することにより、弾性部材5を駆動コイル31に直接接続することによって駆動コイル31が正常に動作できないことは、回避可能である。それにより駆動コイル31の動作の安定性を向上させ、更に第2振動システム3の動作の安定性を向上させるとともに、弾性部材5と第2振動システム3との接続方式を簡略化可能であり、多機能発音デバイスの内部空間への占用を減少させる。
【0031】
より具体的には、
図2及び
図9に示すように、カウンタウェイト32は、底壁323と、底壁323から第1振動システム2へ折り曲げて延在する側壁322とを有し、弾性部材は、側壁322に固定接続されている。
【0032】
本発明の実施例において、弾性部材5は、側壁322に固定接続され、弾性部材5とカウンタウェイト32との接続形態を更に簡略化しつつ、弾性部材5とカウンタウェイト32との接続面積を増加させることができ、それにより弾性部材5とカウンタウェイト32との接続の安定性を増加させ、更に多機能発音デバイスの動作の安定性を向上させる。
【0033】
具体的には、
図2、
図10~
図12に示すように、変形部51は、第2振動システム3に固定された固定アーム511と、固定アーム511の両端から延在する弾性アーム部512とを含む。第2振動システム3が第2方向Xに沿って及び/又は第3方向Yに沿って移動した場合に、固定アーム511が第1取付部52及び第2取付部53に対して移動するように駆動可能であり、それにより弾性アーム部512が取付部52及び固定アーム511の作用で弾性変形する。ここで、
図12に示すように、弾性アーム部512の第1方向Zに沿った幅は、固定アーム511及び取付部52の第1方向Zに沿った幅よりも小さく、弾性アーム部512の引張変形を容易にする。
【0034】
本発明の実施例において、弾性部材5には、固定アーム511、弾性アーム部512及び取付部52が設けられ、弾性部材5の構造を簡略化しつつ、弾性部材5の変形に役立ち、それにより弾性部材5の製造コストを低減し、且つ弾性部材5の動作性能を向上させる。
【0035】
本発明の実施例において、固定アーム511、弾性アーム部512及び取付部52の間の接続方式は、取り外し可能な接続、溶接、接着、一体成形を含むが、それらに限定されず、本発明の実施例において、固定アーム511、弾性アーム部512及び取付部52は、一体成形されることにより、弾性部材5全体の構造の安定性を向上させる。ここで、弾性部材5は、U字形又はW型であり、弾性部材5の加工に役立ち、弾性部材5の製造コストを低減する。また、弾性部材5は、更に他の変形構造であってもよく、本発明の弾性部材5の具体的な構造及び形状は、特に限定されない。
【0036】
上述したいずれかの実施例において、弾性部材5の数は、複数であり、弾性部材5は、第2方向X及び/又は第3方向Yに沿って対称的に設けられ、すなわち複数の弾性部材5は、第2振動システム3の周囲に均一に分布し、第2振動システム3が受ける作用力を均一に分布させ、第2振動システム3の片側の応力による第2振動システム3の運動の不安定を回避し、それにより第2振動システム3の運動の安定性を向上させ、更に多機能発音デバイスの動作の安定性を向上させる。
【0037】
より具体的には、
図2、
図10、
図11及び
図13に示すように、フレキシブル回路板6は、変形部51に貼り合わせられた貼り合わせ部61と、貼り合わせ部61から折り曲げて延在し且つ少なくとも部分的に収容キャビティ外に位置する延在部62とを含み、フレキシブル回路板6と外部の電子部品との接続に役立ち、貼り合わせ部61は、固定アーム511に固定された固定部611と、固定部611の一端から延在し且つ弾性アーム部512に貼り合わせられた接続アーム612とを含む。
【0038】
本発明の実施例において、フレキシブル回路板6の固定部611は、固定アーム511に固定接続され、接続アーム612は、弾性アーム部512に貼り合わせるため、フレキシブル回路板6と弾性部材5との接続面積を増加させ、それによりフレキシブル回路板6と弾性部材5との接続の安定性を増加させるとともに、接続面積が増加して弾性部材5の振動に対するデカップリング効果を向上させることができる。フレキシブル回路板6は、弾性部材5に貼り付けられて弾性部材5のダンピングを増加させることができ、更に弾性部材5の振動時の応力を効果的に低減して弾性部材5の寿命を向上させる。
【0039】
ここで、接続アーム612の第1方向Zに沿った幅は、弾性アーム部512の第1方向Zに沿った幅以下であり、接続アーム612が弾性アーム部512よりも広いことにより接続アーム612が局所的に力を受けて破損するリスクを低減し、それによりフレキシブル回路板6の動作の安定性を向上させ、フレキシブル回路板6の耐用寿命を延長する。
【0040】
また、
図13に示すように、フレキシブル回路板6の延在部62は、収容キャビティ14外に位置する第1折曲部621と、第1折曲部621に接続され且つ第2方向Xに沿って折り曲げて延在する第2折曲部622と、第2折曲部622に接続され且つ第1方向Zに沿って折り曲げて延在する第3折曲部623とを含み、貼り合わせ部61の接続アーム612は、第3折曲部623の第2折曲部622から離れる一端に接続されている。
【0041】
本発明の実施例において、接続アーム612と第1折曲部621との間は、第2折曲部622及び第3折曲部623によって順次接続され、フレキシブル回路板6の構造を簡略化し、且つ第1折曲部621の取り付けの位置の多様性を増加させ、それによりフレキシブル回路板6と外部電子デバイスとの間の接続方式の多様性を増加させ、更にフレキシブル回路板6の適用範囲を増加させる。
【0042】
より具体的には、
図2、
図10及び
図11に示すように、多機能発音デバイスは、接続部材7を更に含み、フレキシブル回路板6と弾性部材5との間は、接続部材7を介して接続される。
【0043】
本発明の実施例において、フレキシブル回路板6と弾性部材5との間は、接続部材7を介して接続され、フレキシブル回路板6と弾性部材5との接続方式を簡略化可能であり、それによりフレキシブル回路板6と弾性部材5との接続時に必要な部品の数量を減少させ、更にフレキシブル回路板6と弾性部材5の多機能発音デバイスの内部空間への占用を減少させ、多機能発音デバイスの集積度及び使用性能を向上させる。
【0044】
上記したのは、本発明の実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱しない範囲において種々変更可能であるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属すると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0045】
1 ハウジング
11 第1ハウジング
12 第2ハウジング
13 カバープレート
131 ボス
14 収容キャビティ
2 第1振動システム
21 音膜
211 第1音膜
211a 第1接続部
211b 第2接続部
212 第2音膜
212a 第3接続部
212b 第4接続部
22 ボイスコイル
23 骨格
231 取付溝
232 スルーホール
24 振動膜
241 第5接続部
242第6接続部
25 上フレーム
26 下フレーム
27 ドーム部
3 第2振動システム
31 駆動コイル
311 第1側辺
312 第2側辺
32 カウンタウェイト
321 第1スルーホール
322 側壁
323 底壁
324 第2スルーホール
4 磁気回路システム
41 主磁性鋼
42 副磁性鋼
43 主ポールプレート
44 副ポールプレート
45 上磁性鋼
5 弾性部材
51 変形部
511 固定アーム
512 弾性アーム部
52 取付部
6 フレキシブル回路板
61 貼り合わせ部
611 固定部
612 接続アーム
62 延在部
621 第1折曲部
622 第2折曲部
623 第3折曲部
7 接続部材
8 弾性支持アセンブリ