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特許7402324ピクセル化光源と電流センサとを備えた照明システム
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  • 特許-ピクセル化光源と電流センサとを備えた照明システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】ピクセル化光源と電流センサとを備えた照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/44 20200101AFI20231213BHJP
   H05B 45/18 20200101ALI20231213BHJP
   H05B 45/37 20200101ALI20231213BHJP
【FI】
H05B45/44
H05B45/18
H05B45/37
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022522728
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 EP2020078974
(87)【国際公開番号】W WO2021074259
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】1911433
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ハフィド、エリドリッシ
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム、ザンテ
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ、バロルジュ
(72)【発明者】
【氏名】トマ、ジロー-ソバール
(72)【発明者】
【氏名】マルジャネ、カゼミ
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、クリック
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/003498(WO,A1)
【文献】特表2019-527015(JP,A)
【文献】特開2004-184328(JP,A)
【文献】特開2009-214789(JP,A)
【文献】特表2011-523210(JP,A)
【文献】特開2016-074235(JP,A)
【文献】特開2015-201384(JP,A)
【文献】特開2013-223389(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107787084(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00-1/56
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
H01L 33/00-33/46
H02M 3/00-3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.選択的に起動され得る複数の要素光源(21)を有するピクセル化光源(2)であって、各要素光源の起動は、当該要素光源に専用のスイッチ(22)のみにより制御されるピクセル化光源(2)と、
b.電力(Ps)を前記ピクセル化光源に提供するように構成された電力コンバータ(3)と、
c.前記電力コンバータにより提供される電圧(Vs)を制御するとともに、前記要素光源の起動を制御する前記スイッチを制御するように構成されたコントローラ(4)と、
を備える自動車用の照明システム(1)において、前記照明システムは電流センサ(5)を備え、前記電流センサ(5)は、前記電力コンバータにより前記ピクセル化光源に提供される電流(Is)を測定するとともに、この測定された電流に関する情報を前記コントローラに送信するように構成され
前記コントローラ(4)は、測定された前記電流(Is)に関する前記情報であって前記電流センサ(5)により送信された前記情報に応じて、前記電力コンバータ(3)により提供される前記電圧(Vs)の値を変更するように構成され、
前記照明システムは、前記ピクセル化光源(2)近傍の周囲温度を測定するように構成された温度センサと、前記ピクセル化光源の発光特性が格納されたメモリと、を備え、
前記コントローラ(4)は、測定された前記電流(Is)に関する前記情報であって前記電流センサ(5)により送信された前記情報、前記温度センサにより測定された前記周囲温度、および前記メモリに格納された前記ピクセル化光源の前記発光特性に応じて、前記電力コンバータ(3)により提供される前記電圧(Vs)の前記値を変更するように構成される、照明システム(1)。
【請求項2】
前記電流センサ(5)は、ホール効果センサを備える、
請求項1に記載の照明システム(1)。
【請求項3】
前記電流センサ(5)は、マグネトレジスタを備える、
請求項1および2のいずれか一項に記載の照明システム(1)。
【請求項4】
前記コントローラ(4)は、前記ピクセル化光源(2)により発光されるべき所望のピクセル化光線についての命令(Im)を受信するとともに、発光されるべき前記所望のピクセル化光線のために、前記電力コンバータ(3)により前記ピクセル化光源に提供されなければならない必要電力設定点を決定するように構成され、
前記コントローラは、前記電力コンバータにより提供される前記電力(Ps)が決定された前記必要電力設定点と同一になるように、測定された前記電流(Is)に関する前記情報であって前記電流センサにより送信された前記情報に応じて、前記電力コンバータ(3)により提供される前記電圧(Vs)の前記値を変更するように構成される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明システム(1)。
【請求項5】
前記コントローラ(4)および前記電力コンバータ(3)は、第1印刷回路基板に配置され、
前記ピクセル化光源(2)および前記電流センサ(5)は、第2印刷回路基板に配置され、
前記第1印刷回路基板と前記第2印刷回路基板とは、ケーブルハーネス(6)により互いに接続される、
請求項1~のいずれか一項に記載の照明システム(1)。
【請求項6】
前記コントローラ(4)は、測定された前記電流(Is)に関する前記情報であって前記電流センサ(5)により送信された前記情報に基づいて、前記ケーブルハーネス(6)におけるインピーダンス損失を判定するように構成される、
請求項に記載の照明システム(1)。
【請求項7】
前記コントローラ(4)は、前記コントローラにより判定された前記ケーブルハーネス(6)における前記インピーダンス損失を補償するように、前記電力コンバータ(3)により提供される前記電圧(Vs)の値を変更するように構成される、
請求項に記載の照明システム(1)。
【請求項8】
前記ピクセル化光源(2)は、複数の要素光エミッタ(21)を備えるモノリシックピクセル化光発光ダイオードを備え、
前記モノリシックピクセル化光発光ダイオードの前記要素エミッタの各々は、前記要素光源のうちの1つを形成する、
請求項1~のいずれか一項に記載の照明システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の照明の分野に関する。より具体的には、本発明は、ピクセル化光源を組み込んだ自動車の照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の照明の分野において、ピクセル化された光の機能を果たし得るのに十分な個数の選択的に制御可能な要素光源を備える照明システムであって、例えば少なくとも500個のピクセルを含み、各ピクセルは要素光源のうちの1つにより発光された要素光線から形成される照明システムが知られている。このタイプの照明システムにより、自動車は、例えば、ハイビームの一部のピクセルをオフにする、または暗くすることで、後続車や対向車等の眩惑を与えるべきでない対象物の周囲に暗領域を形成するというハイビーム防眩型の照明機能を実施することができる。
【0003】
このタイプの照明システムを作製するために、各々が要素光源の1つを形成する複数の要素光エミッタを備える、ピクセル化された光を発光するモノリシックな発光ダイオード(モノリシックピクセル化光発光ダイオード)を採用することが知られている。要素エミッタの各々は、このエミッタ専用の制御された電流源(被制御電流源)により電力が供給される。被制御電流源は、ピクセルの発光を起動する、またはしないようにすることができる。被制御電流源のセットは、例えば要素エミッタの下方に配置される同一の集積回路に組み込まれる。被制御電流源を使用するため、このタイプのシステムにはいくつかの欠点がある。すなわち、集積回路にもたらされる大きな電力損失、ピクセル化光発光ダイオードの反応時間の延長、および集積回路に必要なシリコン面、ひいてはコストの増加が挙げられる。
【0004】
この文脈において、これらの問題を克服することを可能にする別の解決策は、単一の専用スイッチにより要素光エミッタの各々を制御することからなる。所望の光機能を果たすために必要な電力を提供するように、ピクセル化光源は電圧制御電力コンバータにより電力を供給される。したがって、このタイプのシステムでは、電力コンバータによりピクセル化光源に提供される電流や、各要素エミッタ内を流れる電流の測定がない。被制御電流源に代えてスイッチを使用することにより、集積回路におけるシリコンの表面積を削減することができるとともに、ピクセル化光源の応答時間が長くなり、電力損失を制限することができる。
【0005】
しかしながら、このタイプの照明システムは、開ループシステムを形成するため、不安定であり、結果として信頼性が低い。具体的には、モノリシックピクセル化光発光ダイオードの特性、例えば、要素エミッタの閾値電圧は、特に温度に応じて変化し得る。したがって、電力コンバータにより提供される電力が調節されなければ、ピクセル化光源の出力における光束損失や、さらには熱暴走が観察されるかもしれない。さらに、ピクセル化光源は、電力コンバータから距離を置いている場合には、非常に長いケーブルハーネスが必要となり得る。これにより、インピーダンス損失が発生するため、システムの安定性が損なわれる。
【0006】
したがって、ピクセル化光源を備える照明システムであって、その要素光源がスイッチのみにより制御される照明システムを作製する需要が存在している。本発明は、この文脈に該当し、この需要に応えることを目的とする。
【発明の概要】
【0007】
これらの目的のために、本発明の主題は、
a.選択的に起動され得る複数の要素光源を有するピクセル化光源であって、各要素光源の起動は、当該要素光源に専用のスイッチのみにより制御されるピクセル化光源と、
b.電力を前記ピクセル化光源に提供するように構成された電力コンバータと、
c.前記電力コンバータにより提供される電圧を制御するとともに、前記要素光源の起動を制御する前記スイッチを制御するように構成されたコントローラと、
を備える自動車用の照明システムである。
【0008】
本発明は、前記照明システムが電流センサを備え、前記電流センサは、前記電力コンバータにより前記ピクセル化光源に提供される前記電流を測定するとともに、この測定された電流に関する情報を前記コントローラに送信するように構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明により、コントローラは、電力コンバータによりピクセル化光源に提供される電流の強度に関する情報を自由に利用できることを理解されたい。したがって、この情報は、コンバータの出力における電力を調節するように、コントローラにより利用され得る。この目的は、ピクセル化光源の(当該光源の周囲温度が大きく変動した場合を含む)需要に対してこの電力を安定させること、または、電力コンバータと光源との間のケーブルハーネスにおけるインピーダンス損失を補償することである。
【0010】
本発明によれば、ピクセル化光源が意味するものは、複数の要素光源を備える任意の光源である。各要素光源は、場合により電気光学素子と関連付けられて、光度が制御可能な要素光線を発光するように選択的に起動され得るとともに制御され得る。有利には、ピクセル化光源は、複数の要素光エミッタを備える、ピクセル化された光を発光するモノリシックな発光ダイオード(モノリシックピクセル化光発光ダイオード)を備え得る。モノリシックピクセル化光発光ダイオードの要素エミッタの各々は、要素光源のうちの1つを形成する。例えば、複数の要素光エミッタは、前記スイッチが組み込まれた集積回路上に積層され得る。必要に応じて、要素光源は、各要素光線がピクセルを形成するように、かつ、ピクセルのセットが、例えば、複数の行および列、例えば20行および25列に亘って分散配置された500個の0.05°~0.3°の寸法を有するピクセルを備えるピクセル化光線を形成するように、配置され得る。
【0011】
有利には、照明システムは、要素光源の各々に関連付けられた被制御電流源を有しない。さらに有利には、電流センサは、電力コンバータとピクセル化光源との間に接続される。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記電流センサは、ホール効果センサを備える。代替的または追加的に、電流センサは、(Tunnel MagnetoResistorの略称としてTMRセンサとも称される)トンネル効果マグネトレジスタ(tunnel effect magnetoresistor)等の磁気レジスタ(magnetoresistor)を備える。これらのタイプのセンサは、シャントタイプのレジスタと比較して、想定されるタイプのピクセル化光源について、測定ニーズを適切に満たす特性を有している。これに対して、シャントタイプのレジスタは、このニーズ、すなわち、電流強度を低い値で、かつ高い測定精度で測定するというニーズに対して、サイズ決めが複雑であり過ぎるため適さない。
【0013】
有利には、前記コントローラは、測定された前記電流に関する前記情報であって前記電流センサにより送信された前記情報に応じて、前記電力コンバータにより提供される前記電圧の値を変更するように構成される。例えば、測定された電流が所定の閾値よりも低い強度を有する場合、コントローラは、例えば一定の強度を有するピクセル化光源により発光される光束を保証するように、電力コンバータの出力において提供される電圧の増加を要求するように構成され得る。別の例において、測定された電流が所定の閾値よりも高い強度を有する場合、コントローラは、例えばピクセル化光源の熱暴走を防止するように、電力コンバータの出力において提供される電圧の低減を要求するように構成され得る。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記照明システムは、前記ピクセル化光源近傍の前記周囲温度を測定するように構成された温度センサと、前記ピクセル化光源の前記発光特性、特に要素光源の各々の閾値電圧が格納されたメモリと、を備え得る。必要に応じて、前記コントローラは、測定された前記電流に関する前記情報であって前記電流センサにより送信された前記情報、前記温度センサにより測定された前記周囲温度、および前記メモリに格納された前記ピクセル化光源の前記発光特性に応じて、前記電力コンバータにより提供される前記電圧の前記値を変更するように構成される。
【0015】
例えば、前記コントローラは、前記ピクセル化光源により発光されるべき所望のピクセル化光線についての命令を受信するとともに、発光されるべき前記所望のピクセル化光線のために、前記電力コンバータにより前記ピクセル化光源に提供されなければならない必要電力設定点を決定するように構成される。必要に応じて、前記コントローラは、前記電力コンバータにより提供される前記電力が決定された前記必要電力設定点と実質的に同一になるように、測定された前記電流に関する前記情報であって前記電流センサにより送信された前記情報に応じて、前記電力コンバータにより提供される前記電圧の前記値を変更するように構成され得る。例えば、コントローラは、発光されるべき所望のピクセル化光線についての命令を、前記所望のピクセル化光線の投影を表すデジタル画像の形態で受信するように構成され得る。デジタル画像内の各ポイントは、特に、スペース内のポイントにおけるピクセル化光線の光度を表している。本例において、コントローラは、例えば、ピクセル化光線の光度、特にピクセルの各々の光度がデジタル画像の光度に対応するように、電力コンバータによりピクセル化光源に提供されなければならない必要電力設定点を決定するように構成される。さらに、コントローラは、ピクセル化光源を、各光源がデジタル画像内の単数または複数のポイントに対応するピクセルを発光するように、制御するように構成され得る。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記コントローラおよび前記電力コンバータは、第1印刷回路基板に配置され、前記ピクセル化光源および前記電流センサは、第2印刷回路基板に配置される。必要に応じて、前記第1印刷回路基板と前記第2印刷回路基板とは、ケーブルハーネスにより互いに接続される。
【0017】
有利には、前記コントローラは、測定された前記電流に関する前記情報であって前記電流センサにより送信された前記情報に基づいて、前記ケーブルハーネスにおけるインピーダンス損失を判定するように構成される。さらに有利には、前記コントローラは、前記コントローラにより判定された前記ケーブルハーネスにおける前記インピーダンス損失を補償するように、前記電力コンバータにより提供される前記電圧の前記値を変更するように構成される。
【0018】
次に、本発明を、単なる例示であって本発明の範囲を一切限定しない実施例を使用して、添付図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態による照明システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に、本発明の一実施形態による自動車の照明システム1を示す。
【0021】
この照明システム1は、ピクセル化された光線(ピクセル化光線)を発光可能なピクセル化光源2を備えている。記載例において、ピクセル化光源2は、複数のスイッチ22が組み込まれた集積回路上に積層された複数の要素光エミッタ21を備える、ピクセル化された光を発光するモノリシックな発光ダイオード(モノリシックピクセル化光発光ダイオード)である。各スイッチ22は、要素光エミッタ21のうちの1つの起動または作動停止を制御し、その1つに専用となっている。発光素子21の各々は、光度が制御可能な要素光線を発光するようスイッチ22のみにより選択的に起動され得るとともに制御され得る要素光源を形成している。したがって、要素光源は、ピクセル化された光線のピクセルを形成する。照明システム1、特に光源2は、要素光エミッタ21の各々に組み合わされた被制御電流源を有していないことに留意されたい。
【0022】
ピクセル化光源2は、照明システムの光モジュールの一部を形成し得るため、その内部で、要素光線を成形可能な光学素子に組み合わせられ得る。例えば、光源2は、複数の行および列、例えば20行および25列に亘って分散配置された500個の要素光エミッタ21を備えている。各エミッタは、図示しない光学装置と組み合わされて、0.05°~0.2°の寸法を有するピクセルを発光することができる。照明システム2は、ピクセル化された、またはピクセル化されていない他の光モジュールまたは光源をさらに備え得る。
【0023】
ピクセル化光線を発光し得るように、照明システム1は、例えばDC/DCタイプの電力コンバータ3を備えている。電力コンバータ3は、バッテリ等の自動車のエネルギー源から受けた電力Peに基づいて、電力Psをピクセル化光源2に提供するように構成されている。さらに、ピクセル化光線の強度および分布を制御するために、照明システム1は、一方でピクセル化光源2、より具体的にはスイッチ22の各々を制御し、他方で電力コンバータ3を制御するように構成されたコントローラ4をさらに備えている。より具体的には、コントローラ4は、電力コンバータ3により提供される電圧Vsの値を制御および/または変更するように構成されている。
【0024】
電力コンバータ3によりピクセル化光源2に提供される電力Psを安定した態様で調節可能とするために、照明システム1は、コンバータ3によりピクセル化光源2に提供される電流Isを測定し、この測定された電流Isに関する情報をコントローラ4に送信するように構成された電流センサ5を備えている。この電流センサ5は、電力コンバータ3とピクセル化光源2との間に接続されたホール効果センサを備えている。
【0025】
記載例において、コントローラ4および電力コンバータ3は、第1印刷基板上に配置され、ピクセル化光源2および電流センサ5は、第2印刷基板上に配置されている。第1印刷基板と第2印刷基板とは、コンバータ3により提供される電力Psが流れるケーブルハーネス6により互いに接続されている。
【0026】
次に、センサ5によりコントローラ4に送信される、電流Isに関する情報を利用するいくつかの方法について説明する。
【0027】
記載例において、コントローラ4は、ピクセル化光源2により発光されるべき所望のピクセル化光線についての命令Imを、前記所望のピクセル化光線の投影を表すデジタル画像の形態で受信するように構成されている。デジタル画像内の各ポイントは、特に、スペース内のポイントにおけるピクセル化光線の光度を表している。したがって、コントローラ4は、例えば、ピクセル化光線の光度、特にピクセルの各々の光度がデジタル画像Imの光度に対応するように、発光されるべき前記所望のピクセル化光線のために、電力コンバータ3によりピクセル化光源2に提供されなければならない必要電力設定点を決定する。さらに、コントローラ4は、要素光エミッタ21の各々の起動または作動停止を指令することを目的として、デジタル画像Imに基づいて、起動命令をピクセル化光源2のスイッチ22に送信する。これにより、これらの要素エミッタ21により発光されたピクセルのセットが、デジタル画像Imに対応するピクセル化光線を形成する。
【0028】
コントローラ4は、特にコンバータ3により提供される電力Psをコントローラ4により決定された電力設定点に従って調節するように、測定された電流Isに関する前記情報であって電流センサ5により送信された情報に応じて、電力コンバータ3により提供される電圧Vsの値を変更するように構成されている。一例において、測定された電流Isが所定の閾値よりも低い強度を有する場合、コントローラ4は、一定の強度を有するピクセル化光源2により発光される光束を保証するように、電力コンバータ3の出力において提供される電圧Vsの増加を要求する。別の例において、測定された電流Isが所定の閾値よりも高い強度を有する場合、コントローラ4は、例えばピクセル化光源2の熱暴走を防止するように、電力コンバータ3の出力において提供される電圧Vsの低減を要求する。
【0029】
また、コントローラ4は、測定された電流Isに関する情報に基づいて、ケーブルハーネス6におけるインピーダンス損失を判定することができるため、ケーブルハーネス6におけるインピーダンス損失を補償するように、電力コンバータ3により提供される電圧Vsの値を変更することができる。
【0030】
上記記載は、特に、被制御電流源ではなくスイッチのみにより制御されるピクセル化光源に対して電力コンバータが提供する電流を測定する電流センサを組み込んだ照明システムを提案することにより、本発明が自ら設定した目的を如何に達成し得るかを明確に説明するものである。したがって、ピクセル化光源に提供される電力を調節するように、測定された電流に関する情報であってセンサにより提供される情報が、電力コンバータのコントローラにより利用され得ることが理解されるであろう。
【0031】
いずれにしても、本発明は、本文書に具体的に記載された実施形態に限定されるとみなされるべきではなく、特に任意の等価な手段およびこれらの手段の技術的に動作可能な組み合わせに及ぶものである。特に、測定された電流に関する情報であって電流センサにより送信される情報を利用する他の方法が、例えば、コントローラにピクセル化光源の特性マップを含むメモリ、およびピクセル化光源近傍の温度センサを組み込むことにより、提供され得る。また、他のタイプの電流センサ、特に、トンネル効果磁気レジスタ等の磁気レジスタを備えるセンサが提供され得る。
図1