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特許7402328無線センサ装置、無線通信システム及び無線通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】無線センサ装置、無線通信システム及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/00 20060101AFI20231213BHJP
   H04B 1/59 20060101ALI20231213BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20231213BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
G08C17/00 Z
H04B1/59
H04B5/02
G06K19/07 170
G06K19/07 230
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022527001
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(86)【国際出願番号】 JP2021019446
(87)【国際公開番号】W WO2021241456
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】P 2020090713
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】桝田屋 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】大城 和宣
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-053958(JP,A)
【文献】国際公開第2007/055015(WO,A1)
【文献】特開2006-108755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
H04B 1/59
H04B 5/00-5/06
G06K 17/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、
前記アンテナによって受信された搬送波を復調する復調部と、
センサの測定値に応じて変化する周波数の信号を発するセンサ部と、
所定の情報を記憶する記憶部と、
前記搬送波を変調し、変調後の前記搬送波を前記アンテナへ供給する変調部と、
前記アンテナによって受信された前記搬送波に含まれるモード切り替えコマンドに基づいて、前記記憶部に記憶されている前記所定の情報に基づく信号に基づいて前記変調部によって変調された前記搬送波を前記アンテナから送信する第1のモードと、前記センサ部の発する前記信号の周波数に基づいて前記変調部によって変調された前記搬送波を前記アンテナから送信する第2のモードと、を切り替える制御部と
前記復調部と前記制御部との間に接続された第1スイッチと、
前記復調部と前記センサ部との間に接続された第2スイッチと、
前記センサ部と前記変調部との間に接続された第3スイッチと
を備え、
前記制御部は、
前記第1のモードにおいて、前記第1スイッチをONにし、前記第2スイッチをOFFにすることによって、前記復調部から出力される信号が前記制御部に供給されるようにし、
前記第2のモードにおいて、前記第1スイッチをOFFにし、前記第2スイッチをONにし、前記第3スイッチをOFFにすることによって、前記復調部から出力される信号が前記センサ部に供給されるようにし、その後、前記第2スイッチをOFFにし、前記第3スイッチをONにすることによって、前記センサ部から発せられる前記信号が前記変調部に供給されるようにする
ことを特徴とする無線センサ装置。
【請求項2】
前記センサ部は、
測定値に応じて容量が変化するセンサと、
前記センサの容量に応じて共振周波数が変化する振動子と
を有することを特徴とする請求項1に記載の無線センサ装置。
【請求項3】
前記アンテナによって受信された前記搬送波に含まれる励振信号が、前記振動子に供給される
ことを特徴とする請求項2に記載の無線センサ装置。
【請求項4】
前記センサ部は、
測定値に応じて容量または抵抗値が変化するセンサと、
前記センサの容量または抵抗値に応じて発振周波数が変化する発振器と
を有することを特徴とする請求項1に記載の無線センサ装置。
【請求項5】
前記アンテナによって受信された前記搬送波のエネルギーを用いて電力を生成する起電部と、
前記アンテナと前記起電部との間に接続された第4スイッチと
をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1のモードにおいて、前記第4スイッチをONにすることによって、前記起電部に前記電力を生成させ、
前記第2のモードにおいて、前記起電部によって生成された電力が所定値以上となった場合、前記第4スイッチをOFFにする
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の無線センサ装置。
【請求項6】
前記第1スイッチは、非駆動状態においてONとなり、
前記第2スイッチは、非駆動状態においてOFFとなる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の無線センサ装置。
【請求項7】
前記所定の情報は、前記無線センサ装置の識別情報を含む
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の無線センサ装置。
【請求項8】
前記所定の情報は、前記センサの校正情報を含む
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の無線センサ装置。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載の無線センサ装置と、
前記無線センサ装置に対して前記搬送波の送受信を行う送受信機と
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
前記送受信機は、
前記所定の情報である前記無線センサ装置の識別情報に基づく信号に基づいて変調された前記搬送波を、前記無線センサ装置から受信した後、前記識別情報に対応する前記無線センサ装置に対して、前記モード切り替えコマンドを含む前記搬送波を送信することにより、前記識別情報に対応する前記無線センサ装置から、前記センサ部の発する前記信号の周波数に基づいて変調された前記搬送波を受信する
を備えることを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
【請求項11】
アンテナと、センサの測定値に応じて変化する周波数の信号を発するセンサ部と、所定の情報を記憶する記憶部とを備えた無線センサ装置による無線通信方法であって、
前記アンテナによって受信された搬送波を復調する復調工程と、
前記復調工程において復調された前記搬送波に含まれるモード切り替えコマンドに基づいて、前記無線センサ装置の動作モードを、第1のモードと第2のモードとの間で切り替える切替工程と、
前記第1のモードにおいて、前記搬送波を前記所定の情報に基づく信号に基づいて変調し、変調後の前記搬送波を前記アンテナへ供給する第1の変調工程と、
前記第2のモードにおいて、前記搬送波を前記センサ部の発する前記信号の周波数に基づいて変調し、変調後の前記搬送波を前記アンテナへ供給する第2の変調工程と
を含み
前記無線センサ装置は、
前記復調を行う復調部と前記切り替えを行う制御部との間に接続された第1スイッチと、
前記復調部と前記センサ部との間に接続された第2スイッチと、
前記センサ部と前記変調を行う変調部との間に接続された第3スイッチと
を備え、
前記制御部が、
前記第1のモードにおいて、前記第1スイッチをONにし、前記第2スイッチをOFFにすることによって、前記復調部から出力される信号が前記制御部に供給されるようにし、
前記第2のモードにおいて、前記第1スイッチをOFFにし、前記第2スイッチをONにし、前記第3スイッチをOFFにすることによって、前記復調部から出力される信号が前記センサ部に供給されるようにし、その後、前記第2スイッチをOFFにし、前記第3スイッチをONにすることによって、前記センサ部から発せられる前記信号が前記変調部に供給されるようにする
ことを特徴とする無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線センサ装置、無線通信システム及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動電源を必要としない通信装置として、電波による個体識別方式(RFID:Radio Frequency IDentification)を採用した装置、および振動子式のセンサが知られている。振動子式のセンサは、外部装置から受信した信号によって振動子を励振させた後に、センサの容量に応じて変化した振動子の共振周波数に関する信号を送信することで、外部装置によるセンサのセンサ値の推定を可能にするものである。下記特許文献1には、RFIDと振動子式センサとを組み合わせた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-154195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、RFIDからの応答信号を振動子が発するサブキャリアで振幅シフトキーイング(ASK:Amplitude Shift Keying)変調するものである。このため、特許文献1の技術は、同じ搬送波のエネルギーを、RFIDと振動子とで共有する必要がある。よって、センサが動作するのに十分な電力が供給されなかったり、返信波の信号強度が低下したりする虞がある。よって、特許文献1の技術は、センサの測定値を個別に送信する構成による利点と、記憶部に記憶されている所定の情報を個別に送信する構成による利点との双方を得ることができない。
【0005】
そこで、センサの測定値を個別に送信する構成による利点と、記憶部に記憶されている所定の情報を個別に送信する構成による利点との双方を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る無線センサ装置は、アンテナと、アンテナによって受信された搬送波を復調する復調部と、センサの測定値に応じて変化する周波数の信号を発するセンサ部と、所定の情報を記憶する記憶部と、搬送波を変調し、変調後の搬送波をアンテナへ供給する変調部と、アンテナによって受信された搬送波に含まれるモード切り替えコマンドに基づいて、記憶部に記憶されている所定の情報に基づく信号に基づいて変調部によって変調された搬送波を、アンテナから送信する第1のモードと、センサ部の発する信号の周波数に基づいて変調部によって変調された搬送波を、アンテナから送信する第2のモードと、を切り替える制御部とを備える。
【0007】
また、一実施形態に係る無線通信システムは、無線センサ装置と、無線センサ装置に対して搬送波の送受信を行う送受信機とを備える。
【0008】
また、一実施形態に係る無線通信方法は、アンテナと、センサの測定値に応じて変化する周波数の信号を発するセンサ部と、所定の情報を記憶する記憶部とを備えた無線センサ装置による無線通信方法であって、アンテナによって受信された搬送波を復調する復調工程と、復調工程において復調された搬送波に含まれるモード切り替えコマンドに基づいて、無線センサ装置の動作モードを、第1のモードと第2のモードとの間で切り替える切替工程と、第1のモードにおいて、搬送波を所定の情報に基づく信号に基づいて変調し、変調後の搬送波をアンテナへ供給する第1の変調工程と、第2のモードにおいて、搬送波をセンサ部の発する信号の周波数に基づいて変調し、変調後の搬送波をアンテナへ供給する第2の変調工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によれば、センサの測定値を個別に送信する構成による利点と、記憶部に記憶されている所定の情報を個別に送信する構成による利点との双方を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る無線通信システムの構成図
図2】第1実施形態に係る無線センサ装置による処理の手順を示すフローチャート
図3】第1実施形態に係る無線センサ装置の「第1のモード」の状態を表す図
図4】第1実施形態に係る無線センサ装置の「第2のモード」の状態を表す図
図5】第1実施形態に係る無線センサ装置の「第2のモード」の状態を表す図
図6】第2実施形態に係る無線通信システムの構成図
図7】第2実施形態に係る無線センサ装置による処理の手順を示すフローチャート
図8】第2実施形態に係る無線センサ装置の「第1のモード」の状態を表す図
図9】第2実施形態に係る無線センサ装置の「第2のモード」の状態を表す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る無線通信システム10の構成図である。図1に示す無線通信システム10は、無線センサ装置100および送受信機200を備える。無線通信システム10は、自動車等の車両に設置されることにより、無線センサ装置100によって車両の状態(例えば、タイヤの空気圧)を計測し、車両の状態の計測結果を、無線センサ装置100から送受信機200に無線送信することが可能なシステムである。
【0013】
図1に示すように、無線センサ装置100は、アンテナ101、充電部102、回路部110、およびセンサ部120を備える。
【0014】
アンテナ101は、送受信機200から送信された所定の周波数帯域(例えば、2.4GHz帯)の搬送波を受信する。また、アンテナ101は、回路部110の変調部117によって変調された搬送波を送受信機200へ送信する。
【0015】
センサ部120は、センサ121および振動子122を備える。センサ121は、振動子122に並列に接続され、測定値に応じて容量が変化する。センサ121としては、例えば、車両のタイヤの空気圧を測定する圧力センサ等が用いられる。振動子122は、アンテナ101によって受信された搬送波に含まれる励振信号が加えられることによって励振する。このため、励振信号の周波数は、振動子122の固有振動数と略等しい。振動子122は、初めに、励振信号を含む搬送波が受信されたときに、励振信号に基づき、振動子122とセンサ121とで構成される回路の共振周波数付近で励振する。その後、振動子122は、搬送波による励振が停止すると、例えば1msec程度の短時間のエコーイック期間において振動子122とセンサ121とで構成される回路の共振周波数で減衰振動する。振動子122が減衰振動する共振周波数は、センサ121の容量に応じて変化する。すなわち、振動子122が減衰振動する共振周波数は、センサ121の測定値に応じて変化する。これにより、センサ部120は、センサ121の測定値に応じた周波数の信号を発する。センサ部120から発せられた信号は、回路部110の変調部117へ供給される。
【0016】
回路部110は、記憶部111、復調部112、起電部113、電圧制御部114、制御部116、タイマ115、および変調部117を備える。
【0017】
記憶部111は、所定の情報を記憶する。例えば、記憶部111は、所定の情報として、無線センサ装置100に固有の、ID情報、センサ121の校正情報等を記憶する。センサ121の校正情報は、センサ121の測定値のばらつきを校正するための情報であり、例えば、参照テーブルの情報、または校正用の式で用いる係数の情報等が挙げられる。記憶部111は、例えば不揮発性メモリを含んで構成される。
【0018】
復調部112は、アンテナ101によって受信された搬送波を復調する。これにより、復調部112は、搬送波から、変調前の元の信号を取り出す。
【0019】
起電部113は、アンテナ101によって受信された搬送波のエネルギーを用いて、直流電力を生成する。起電部113は、例えばRF-DC変換回路を含んで構成される。
【0020】
電圧制御部114は、起電部113によって生成された直流電力を、充電部102に充電する。また、電圧制御部114は、充電部102に充電された電力を、制御部116等へ供給する。充電部102は、例えばコンデンサを含んで構成される。
【0021】
タイマ115は、制御部116が「第2のモード」において待機する一定時間を計測する。
【0022】
制御部116は、無線センサ装置100の全体を制御する。例えば、制御部116は、復調部112によって搬送波から取り出された信号にモード切り替えコマンドが含まれている場合、当該モード切り替えコマンドに基づいて、無線センサ装置100の動作モードを、「第1のモード」から「第2のモード」に切り替える。「第1のモード」は、搬送波を記憶部111に記憶されている所定の情報に基づく信号で変調し、当該変調後の搬送波を、アンテナ101を介して送受信機200へ送信する動作モードである。すなわち、「第1のモード」は、所定の情報を搬送波に含めて送受信機200へ送信する動作モードである。「第2のモード」は、搬送波をセンサ部120の発する信号の周波数で変調し、当該変調後の搬送波を、アンテナ101を介して送受信機200へ送信する動作モードである。すなわち、「第2のモード」は、センサ121の測定値を搬送波に含めて送受信機200へ送信する動作モードである。
【0023】
変調部117は、アンテナ101によって受信された搬送波を変調し、変調後の搬送波をアンテナ101へ供給する。「第1のモード」において、変調部117は、記憶部111に記憶されている所定の情報に基づく信号に基づいて、搬送波を変調する。これにより、変調後の搬送波は、所定の情報を含んだものとなる。「第2のモード」において、変調部117は、センサ部120の発する信号の周波数に基づいて、搬送波を変調する。これにより、変調後の搬送波は、センサ121の測定値を含んだものとなる。変調部117は、例えば電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)等のスイッチング素子を含んで構成される。
【0024】
また、回路部110は、スイッチSW1(第1スイッチ)、スイッチSW2(第2スイッチ)、スイッチSW3(第3スイッチ)、およびスイッチSW4(第4スイッチ)を備える。スイッチSW1は、復調部112と制御部116との間に設けられている。スイッチSW2は、復調部112とセンサ部120との間に設けられている。スイッチSW3は、センサ部120と変調部117との間に設けられている。スイッチSW4は、アンテナ101と起電部113との間に設けられている。スイッチSW1~SW4の各々の「ON」と「OFF」との間の切り替え動作は、制御部116によって制御される。スイッチSW1~SW4の各々としては、例えば、FET(Field effect transistor)が用いられる。なお、以下では、スイッチSW1,SW4として、非駆動時に「ON」となる、いわゆるノーマリーオンスイッチを用いる例で説明する。また、スイッチSW2,SW3として、非駆動時に「OFF」となる、いわゆるノーマリーオフスイッチを用いる例で説明する。スイッチSW1は、ノーマリーオンスイッチには限定されず、スイッチSW2,SW3は、ノーマリーオフスイッチには限定されない。また、スイッチSW4は、後述のステップS201を実行するためにノーマリーオンスイッチであることが必要だが、スイッチSW4を備えずに、アンテナ101と起電部113との間が常に通電されていてもよい。
【0025】
図2は、第1実施形態に係る無線センサ装置100による処理の手順を示すフローチャートである。
【0026】
まず、起電部113が、アンテナ101から受信した搬送波から電力を生成し、電圧制御部114が、生成された電力を充電部102に充電する(ステップS201)。次に、電圧制御部114が、充電部102に充電された電力の電圧が適正値になったか否かを判断する(ステップS202)。ステップS202において、充電部102に充電された電力の電圧が適正値になっていないと判断された場合(ステップS202:No)、電圧制御部114が、ステップS202を再度実行する。
【0027】
一方、ステップS202において、充電部102に充電された電力の電圧が適正値になったと判断された場合(ステップS202:Yes)、制御部116が、スイッチSW1をONに切り替え、スイッチSW2をOFFに切り替え、スイッチSW3をOFFに切り替える(ステップS203(切替工程))。但し、スイッチSW1がノーマリーオンスイッチであり、スイッチSW2,SW3がノーマリーオフスイッチである場合、これらのスイッチの初回の切り替えは不要である。
【0028】
次に、復調部112が、アンテナ101によって受信された搬送波を復調する(ステップS204(復調工程))。これにより、搬送波から取り出された元の命令を含む信号が、制御部116Aへ供給される。
【0029】
次に、制御部116が、復調部112によって搬送波から取り出された信号にモード切り替えコマンドが含まれているか否かを判断する(ステップS205)。
【0030】
ステップS205において、モード切り替えコマンドが含まれていないと判断された場合(ステップS205:No)、無線センサ装置100は、「第1のモード」で動作し、ステップS206~S209の処理を実行する。
【0031】
「第1のモード」では、まず、制御部116が、記憶部111に記憶されている所定の情報に基づく信号を、変調部117へ供給する(ステップS206)。
【0032】
そして、変調部117が、供給された所定の情報に基づく信号に基づいて、アンテナ101によって送信される搬送波を変調する(ステップS207(第1の変調工程))。
【0033】
また、変調部117が、変調後の搬送波を、アンテナ101へ供給する(ステップS208)。これにより、アンテナ101が、変調後の搬送波を、送受信機200へ送信する(ステップS209)。その後、無線センサ装置100は、ステップS201へ処理を戻す。
【0034】
一方、ステップS205において、モード切り替えコマンドが含まれていると判断された場合(ステップS205:Yes)、無線センサ装置100は、「第2のモード」で動作し、ステップS210~S217の処理を実行する。
【0035】
「第2のモード」では、まず、制御部116が、スイッチSW1をOFFに切り替え、スイッチSW2をONに切り替える(ステップS210(切替工程))。これにより、復調部112とセンサ部120とが接続され、復調部112から出力される信号が、センサ部120へ供給される。これにより、センサ部120が備える振動子122の励振が開始される(ステップS211)。
【0036】
そして、制御部116が、一定時間(第1の所定時間)待機する(ステップS212)。第1の所定時間は、復調部112からセンサ部120に供給される励振信号によって振動子122が励振するのに十分な時間である。第1の所定時間は、タイマ115によって計測される。
【0037】
そして、第1の所定時間が経過すると、制御部116が、スイッチSW2をOFFに切り替え、スイッチSW3をONに切り替える(ステップS213)。これにより、センサ部120と変調部117とが接続され、センサ部120から発せられる信号が、変調部117へ供給される。
【0038】
そして、変調部117が、供給された信号の周波数に基づいて、アンテナ101によって送信される搬送波を変調する(ステップS214(第2の変調工程))。
【0039】
また、変調部117が、変調後の搬送波を、アンテナ101へ供給する(ステップS215)。これにより、アンテナ101が、変調後の搬送波を、送受信機200へ送信する(ステップS216)。その後、無線センサ装置100は、一定時間(第2の所定時間)待機後(ステップS217)、ステップS201へ処理を戻す。
【0040】
図3は、第1実施形態に係る無線センサ装置100の「第1のモード」の状態を表す図である。図3に示すように、無線センサ装置100は、「第1のモード」において、スイッチSW1~SW4の各々が非駆動状態となる。すなわち、スイッチSW1,SW4が「ON」となり、スイッチSW2,SW3が「OFF」となる。
【0041】
これにより、無線センサ装置100は、「第1のモード」において、図3に示すように、アンテナ101と起電部113とが接続され、アンテナ101によって受信された搬送波が、起電部113に供給される(図中矢印A1)。そして、起電部113によって生成された直流電力が、電圧制御部114を介して充電部102に充電される。
【0042】
また、無線センサ装置100は、「第1のモード」において、図3に示すように、復調部112と制御部116とが接続され、復調部112から出力される信号(搬送波から取り出された変調前の元の信号)が、制御部116へ供給される(図中矢印A2)。
【0043】
制御部116は、信号を受信したことに応じて、記憶部111に記憶されている所定の情報に基づく信号を、変調部117へ供給する(図中矢印A3)。その結果、変調部117から、所定の情報に基づく変調後の搬送波(すなわち、所定の情報を含む搬送波)が、アンテナ101へ供給される(図中矢印A4)。アンテナ101は、変調部117から供給された変調後の搬送波を、送受信機200へ送信する。なお、所定の情報に基づく信号とは、所定の情報そのものであってもよく、所定の情報に何らかの加工を施すことによって生成される信号(例えば、暗号化のための乱数等)であってもよい。
【0044】
図4および図5は、第1実施形態に係る無線センサ装置100の「第2のモード」の状態を表す図である。無線センサ装置100の制御部116は、「第1のモード」において受信した信号に「第2のモード」へのモード切り替えコマンドが含まれている場合、無線センサ装置100の動作モードを、「第2のモード」に切り替える。
【0045】
具体的には、制御部116は、図4に示すように、スイッチSW1をOFFに切り替え、スイッチSW2をONに切り替える。これにより、図4に示すように、復調部112とセンサ部120とが接続され、復調部112から出力される信号が、センサ部120へ供給される(図中矢印B1)。センサ部120においては、振動子122に信号が供給されることによって、振動子122が、初めに、振動子122とセンサ121とで構成される回路の共振周波数付近で励振し、その後、信号の供給が遮断されることで振動子122とセンサ121とで構成される回路の共振周波数で減衰振動することにより、振動子122とセンサ121とで構成される回路の共振周波数と同じ周波数の信号を発する。振動子122は、センサ121の測定値に応じた周波数の信号を発する。
【0046】
制御部116は、「第2のモード」において、スイッチSW1,SW2の切り替えを行ってから、第1の所定時間が経過すると、図5に示すように、スイッチSW2をOFFに切り替え、スイッチSW3をONに切り替える。これにより、図5に示すように、センサ部120と変調部117とが接続され、センサ部120から発せられる信号が、変調部117へ供給される(図中矢印B2)。
【0047】
その結果、変調部117から、センサ部120から発せられる信号の周波数に基づく変調後の搬送波(すなわち、センサ121の測定値を含む搬送波)が、アンテナ101へ供給される(図中矢印B3)。アンテナ101は、変調部117から供給された変調後の搬送波を、送受信機200へ送信する。
【0048】
なお、制御部116は、「第1のモード」において、第4スイッチSW4をONにすることによって、起電部113に前記電力を生成させ、「第2のモード」において、起電部113によって生成された電力が所定値以上となった場合、第4スイッチをOFFにしてもよい。これにより、第1実施形態に係る無線センサ装置100は、制御部116への供給に十分な電力が確保できた場合に、アンテナ101によって受信された搬送波のエネルギーの殆どを、復調部112を介してセンサ部120に供給させることができる。制御部116は、例えば充電部102に充電された電圧が所定以上となった場合に、起電部113によって生成された電力が所定値以上となったと判定することができる。
【0049】
以上説明したように、第1実施形態に係る無線センサ装置100は、アンテナ101と、アンテナ101によって受信された搬送波を復調する復調部112と、センサ121の測定値に応じて変化する周波数の信号を発するセンサ部120と、所定の情報を記憶する記憶部111と、搬送波を変調し、変調後の搬送波をアンテナ101へ供給する変調部117と、アンテナ101によって受信された搬送波に含まれるモード切り替えコマンドに基づいて、記憶部111に記憶されている所定の情報に基づく信号に基づいて変調部117によって変調された搬送波を、アンテナ101から送信する第1のモードと、センサ部120の発する信号の周波数に基づいて変調部117によって変調された搬送波を、アンテナ101から送信する第2のモードと、を切り替える制御部116とを備える。
【0050】
これにより、第1実施形態に係る無線センサ装置100は、送受信機200からのモード切り替えコマンドに応じて、センサ121の測定値の搬送波による送信と、記憶部111に記憶されている所定の情報の搬送波による送信とを、選択的に切り替えて行うことができる。したがって、第1実施形態に係る無線センサ装置100によれば、センサ121の測定値を個別に送信する構成による利点と、記憶部111に記憶されている所定の情報を個別に送信する構成による利点との双方を得ることができる。
【0051】
なお、送受信機200は、無線センサ装置100に対応している。例えば、送受信機200は、無線センサ装置100へ、搬送波を送信する。この際、送受信機200は、無線センサ装置100から所定の情報を取得する場合には、搬送波にモード切り替えコマンドを含めない。この場合、送受信機200は、所定の情報を含む搬送波を、無線センサ装置100から受信する。したがって、送受信機200は、受信した搬送波を復調することにより、所定の情報を得ることができる。一方、送受信機200は、無線センサ装置100からセンサ121の計測値を取得する場合には、搬送波にモード切り替えコマンドを含める。この場合、送受信機200は、センサ121の計測値を含む搬送波を、無線センサ装置100から受信する。したがって、送受信機200は、受信した搬送波を復調してその周波数を計測することにより、センサ121の計測値を得ることができる。なお、例えば、送受信機200は、所定の情報として無線センサ装置100の識別情報を取得した後、当該識別情報に対応する無線センサ装置100に対して、モード切り替えコマンドを含む搬送波を送信することにより、当該識別情報に対応する無線センサ装置100のみから、センサ121の計測値を含む搬送波を受信することができる。
【0052】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。以下、第2実施形態に係る無線通信システム10Aに関し、第1実施形態からの変更点について説明する。
【0053】
図6は、第2実施形態に係る無線通信システム10Aの構成図である。図6に示すように、第2実施形態に係る無線通信システム10Aは、無線センサ装置100の代わりに、無線センサ装置100Aを備える。無線センサ装置100Aは、センサ部120の代わりに、センサ部150を備える。また、無線センサ装置100Aは、制御部116の代わりに、制御部116Aを備える。また、無線センサ装置100Aは、スイッチSW2を有しなくてよい。
【0054】
センサ部150は、センサ151および発振器152を備える。センサ151は、発振器152に接続される。センサ151としては、例えば、車両のタイヤの空気圧を測定する圧力センサ等が用いられる。発振器152は、制御部116Aから電源電圧Vccが供給されることにより、センサ151の測定値に応じた周波数で、自励発振する。これにより、センサ部150は、センサ151の測定値に応じた周波数の信号を発する。センサ部150から発せられた信号は、回路部110の変調部117へ供給される。
【0055】
図7は、第2実施形態に係る無線センサ装置100Aによる処理の手順を示すフローチャートである。
【0056】
まず、起電部113が、アンテナ101から受信した搬送波から電力を生成し、電圧制御部114が、生成された電力を充電部102に充電する(ステップS701)。次に、電圧制御部114が、充電部102に充電された電力の電圧が適正値になったか否かを判断する(ステップS702)。ステップS702において、充電部102に充電された電力の電圧が適正値になっていないと判断された場合(ステップS702:No)、電圧制御部114が、ステップS702を再度実行する。
【0057】
一方、ステップS702において、充電部102に充電された電力の電圧が適正値になったと判断された場合(ステップS702:Yes)、制御部116Aが、スイッチSW1をONに切り替え、スイッチSW3をOFFに切り替える(ステップS703(切替工程))。但し、スイッチSW1がノーマリーオンスイッチであり、スイッチSW3がノーマリーオフスイッチである場合、これらのスイッチの初回の切り替えは不要である。
【0058】
次に、復調部112が、アンテナ101によって受信された搬送波を復調する(ステップS704(復調工程))。これにより、搬送波から取り出された元の信号が、制御部116Aへ供給される。
【0059】
次に、制御部116Aが、復調部112によって搬送波から取り出された信号にモード切り替えコマンドが含まれているか否かを判断する(ステップS705)。
【0060】
ステップS705において、モード切り替えコマンドが含まれていないと判断された場合(ステップS705:No)、無線センサ装置100Aは、「第1のモード」で動作し、ステップS706~S709の処理を実行する。
【0061】
「第1のモード」では、まず、制御部116Aが、記憶部111に記憶されている所定の情報に基づく信号を、変調部117へ供給する(ステップS706)。
【0062】
そして、変調部117が、供給された所定の情報に基づく信号に基づいて、アンテナ101によって送信される搬送波を変調する(ステップS707(第1の変調工程))。
【0063】
また、変調部117が、変調後の搬送波を、アンテナ101へ供給する(ステップS708)。これにより、アンテナ101が、変調後の搬送波を、送受信機200へ送信する(ステップS709)。その後、無線センサ装置100Aは、ステップS701へ処理を戻す。
【0064】
一方、ステップS705において、モード切り替えコマンドが含まれていると判断された場合(ステップS705:Yes)、無線センサ装置100Aは、「第2のモード」で動作し、ステップS710~S716の処理を実行する。
【0065】
「第2のモード」では、まず、制御部116Aが、センサ部150の発振器152に、電源電圧Vccを供給する(ステップS710)。そして、一定時間待機後(ステップS711)、制御部116Aが、スイッチSW3をONに切り替える(ステップS712)。これにより、センサ部150と変調部117とが接続され、センサ部150から発せられる信号が、変調部117へ供給される。
【0066】
そして、変調部117が、供給された信号の周波数に基づいて、アンテナ101によって送信される搬送波を変調する(ステップS713(第2の変調工程))。
【0067】
また、変調部117が、変調後の搬送波を、アンテナ101へ供給する(ステップS714)。これにより、アンテナ101が、変調後の搬送波を、送受信機200へ送信する(ステップS715)。その後、無線センサ装置100Aは、一定時間(第2の所定時間)待機後(ステップS716)、ステップS701へ処理を戻す。
【0068】
図8は、第2実施形態に係る無線センサ装置100Aの「第1のモード」の状態を表す図である。図8に示すように、無線センサ装置100Aは、「第1のモード」において、スイッチSW1,SW3,SW4の各々が非駆動状態となる。すなわち、スイッチSW1,SW4が「ON」となり、スイッチSW3が「OFF」となる。
【0069】
これにより、無線センサ装置100Aは、「第1のモード」において、図8に示すように、アンテナ101と起電部113とが接続され、アンテナ101によって受信された搬送波が、起電部113に供給される(図中矢印C1)。そして、起電部113によって生成された直流電力が、電圧制御部114を介して充電部102に充電される。
【0070】
また、無線センサ装置100Aは、「第1のモード」において、図8に示すように、復調部112と制御部116Aとが接続され、復調部112から出力される信号(搬送波から取り出された変調前の元の信号)が、制御部116Aへ供給される(図中矢印C2)。
【0071】
制御部116Aは、信号を受信したことに応じて、記憶部111に記憶されている所定の情報に基づく信号を、変調部117へ供給する(図中矢印C3)。その結果、変調部117から、所定の情報に基づく変調後の搬送波(すなわち、所定の情報を含む搬送波)が、アンテナ101へ供給される(図中矢印C4)。アンテナ101は、変調部117から供給された変調後の搬送波を、送受信機200へ送信する。
【0072】
図9は、第2実施形態に係る無線センサ装置100Aの「第2のモード」の状態を表す図である。無線センサ装置100Aの制御部116Aは、「第1のモード」において受信した信号に「第2のモード」へのモード切り替えコマンドが含まれている場合、無線センサ装置100Aの動作モードを、「第2のモード」に切り替える。
【0073】
具体的には、制御部116Aは、図9に示すように、センサ部150の発振器152に、電源電圧Vccを供給する(図中矢印D1)。このとき、制御部116Aは、スイッチSW1を一定時間OFFに切り替え、起電部113により電力を供給することも可能である。これにより、発振器152は、センサ151の測定値に応じた周波数で、自励発振する。
【0074】
そして、制御部116Aは、図9に示すように、スイッチSW3をONに切り替える。これにより、図9に示すように、センサ部150と変調部117とが接続され、センサ部150から発せられる信号が、変調部117へ供給される(図中矢印D2)。
【0075】
その結果、変調部117から、センサ部150から発せられる信号の周波数に基づく変調後の搬送波(すなわち、センサ151の測定値を含む搬送波)が、アンテナ101へ供給される(図中矢印D3)。アンテナ101は、変調部117から供給された変調後の搬送波を、送受信機200へ送信する。
【0076】
以上説明したように、第2実施形態に係る無線センサ装置100Aは、アンテナ101と、アンテナ101によって受信された搬送波を復調する復調部112と、センサ151の測定値に応じて変化する周波数の信号を発するセンサ部150と、所定の情報を記憶する記憶部111と、搬送波を変調し、変調後の搬送波をアンテナ101へ供給する変調部117と、アンテナ101によって受信された搬送波に含まれるモード切り替えコマンドに基づいて、記憶部111に記憶されている所定の情報に基づいて変調部117によって変調された搬送波を、アンテナ101から送信する第1のモードと、センサ部150の発する信号の周波数に基づいて変調部117によって変調された搬送波を、アンテナ101から送信する第2のモードと、を切り替える制御部116Aとを備える。
【0077】
これにより、第2実施形態に係る無線センサ装置100Aは、送受信機200からのモード切り替えコマンドに応じて、センサ151の測定値の搬送波による送信と、記憶部111に記憶されている所定の情報の搬送波による送信とを、選択的に切り替えて行うことができる。したがって、第2実施形態に係る無線センサ装置100Aによれば、センサ151の測定値を個別に送信する構成による利点と、記憶部111に記憶されている所定の情報を個別に送信する構成による利点との双方を得ることができる。
【0078】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0079】
本国際出願は、2020年5月25日に出願した日本国特許出願第2020-090713号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0080】
10,10A 無線通信システム
100,100A 無線センサ装置
101 アンテナ
102 充電部
110 回路部
111 記憶部
112 復調部
113 起電部
114 電圧制御部
115 タイマ
116,116A 制御部
117 変調部
120 センサ部
121 センサ
122 振動子
150 センサ部
151 センサ
152 発振器
200 送受信機
SW1~SW4 スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9