IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼市合元科技有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-エアロゾル生成装置 図1
  • 特許-エアロゾル生成装置 図2
  • 特許-エアロゾル生成装置 図3
  • 特許-エアロゾル生成装置 図4
  • 特許-エアロゾル生成装置 図5
  • 特許-エアロゾル生成装置 図6
  • 特許-エアロゾル生成装置 図7
  • 特許-エアロゾル生成装置 図8
  • 特許-エアロゾル生成装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20231213BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20231213BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231213BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20231213BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/465
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022559657
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2021084050
(87)【国際公開番号】W WO2021197337
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】202020437195.7
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王剣平
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209931485(CN,U)
【文献】国際公開第2019/208996(WO,A1)
【文献】中国実用新案第208941044(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを備える、吸引可能な材料を加熱して吸い込み用のエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置であって、前記ハウジング内には開口端と閉鎖端を含む断熱筒が設けられ、前記断熱筒内には、
前記断熱筒の軸方向に沿って延びる管状に構成された支持体であって、前記支持体の管状中空の少なくとも一部がチャンバを形成し、吸引可能な材料は、前記開口端を通して前記チャンバに少なくとも部分的に収容されるか、または前記チャンバから取り外すことができる支持体と、
少なくとも一部が前記チャンバの軸方向に沿って延びるピンまたはブレード状に構成されるヒータであって、
前記支持体と断熱筒の間に一定の間隔が保持され、前記チャンバを囲む第1の空気媒体層を形成し、前記第1の空気媒体層は、前記ヒータが発生した熱の径方向に沿った外側への伝導を低減するように構成されるヒータと、
少なくとも一部が前記第1の空気媒体層において前記閉鎖端から開口端に向かって延びる第1の部分と、前記チャンバにおいて前記開口端から閉鎖端に向かって延びる第2の部分とを含む空気流路と、が設けられることを特徴とする、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記支持体は、開口端に近接する箇所に空気孔が設けられ、前記第1の部分と第2の部分は、前記空気孔を介して前記断熱筒内の開口端に近接する位置で合流することを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記ヒータは、変化する磁場が通過すると発熱し、さらに吸引可能な材料を加熱するレセプタであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記チャンバの軸方向に沿って延びる筒状に構成された抽出器をさらに含み、吸引可能な材料は、当該抽出器の保持によって前記開口端を通して前記チャンバ内に少なくとも部分的に収容されるか、または前記チャンバから取り外され、
前記第2の部分は、前記チャンバの径方向に沿って前記抽出器の外面と支持体の内面との間に延びるように構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記空気流路は、前記抽出器内において前記閉鎖端から開口端に向かって延びる第3の部分をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記第3の部分と第2の部分は、前記チャンバの閉鎖端に近接する部分で合流することを特徴とする、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記断熱筒には、閉鎖端に近接して設けられた吸気孔が設けられ、前記第1の部分は当該吸気孔と気流連通し、かつ前記断熱筒は、外部空気が前記吸気孔だけから前記断熱筒内に入れるように構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記断熱筒は、使用時に、前記断熱筒内の空気またはエアロゾルが前記開口端以外の手段を介して出ることを防止するように構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記断熱筒には、径方向に沿って外側に延びる保持部がさらに設けられ、かつ当該保持部を介して前記ハウジング内に安定的に保持されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記断熱筒は、前記ハウジングとの間に径方向に沿って一定の間隔が保持されて第2の空気媒体層を形成し、前記第2の空気媒体層は、前記ヒータが発生した熱の前記ハウジングへの伝導を低減するように構成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年03月30日に中国特許局に提出された、実用新案の名称が「エアロゾル生成装置」の中国特許出願第2020204371957号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願の実施例は、加熱式タバコの技術分野に関し、特に、エアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0003】
タバコ製品(例えば、タバコ、シガーなど)は、使用時にタバコ葉を燃焼させてタバコベイパーを発生させる。上記のようなタバコ葉を燃焼させる製品の代わりに、燃焼させずに化合物を放出する製品を作る試みがなされている。
【0004】
このような製品の一例として、材料を燃焼させるのではなく、加熱することで化合物を放出する加熱装置が挙げられる。例えば、当該材料は、タバコ葉類製品や、ニコチンを含んでも含まなくてもよい他の非タバコ葉類製品であってもよい。別の例として、ヒータによってタバコ製品を加熱することで、それに化合物を放出させてエアロゾルを生成する加熱装置が存在する。例えば、公知技術の特許201680049874.3号には、電磁誘導式発熱型のヒータによってタバコ製品を加熱する加熱装置が提案されている。以上の既存装置の使用時に、ヒータからの熱は、径方向に沿って外側に放射されるか、または装置のケースに伝達され、その結果、ケースの温度が上昇する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術におけるエアロゾル生成装置のケースの温度が上昇するという課題を解決するために、本出願の実施例は、ケースの温度の上昇を防止するエアロゾル生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上より、本出願は、ハウジングを備える、吸引可能な材料を加熱して吸い込み用のエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置を提供し、前記ハウジング内には開口端と閉鎖端を含む断熱筒が設けられ、前記断熱筒内には、
前記断熱筒の軸方向に沿って延びる管状に構成された支持体であって、前記支持体の管状中空の少なくとも一部がチャンバを形成し、吸引可能な材料は、前記開口端を通して前記チャンバに少なくとも部分的に収容されるか、または前記チャンバから取り外すことができる支持体と、
少なくとも一部が前記チャンバの軸方向に沿って延びるピンまたはブレード状に構成されるヒータであって、
前記支持体と断熱筒の間に一定の間隔が保持され、前記チャンバを囲む第1の空気媒体層を形成し、前記第1の空気媒体層は、前記ヒータが発生した熱の径方向に沿った外側への伝導を低減するように構成されるヒータと、
少なくとも一部が前記第1の空気媒体層において前記閉鎖端から開口端に向かって延びる第1の部分と、前記チャンバにおいて前記開口端から閉鎖端に向かって延びる第2の部分とを含む空気流路と、が設けられる。
【0007】
好ましい実施形態において、前記支持体は、開口端に近接する箇所に空気孔が設けられ、前記第1の部分と第2の部分は、前記空気孔を介して前記断熱筒内の開口端に近接する位置で合流する。
【0008】
好ましい実施形態において、前記ヒータは、変化する磁場が通過すると発熱し、さらに吸引可能な材料を加熱するレセプタである。
【0009】
好ましい実施形態において、前記チャンバの軸方向に沿って延びる筒状に構成された抽出器をさらに含み、吸引可能な材料は、当該抽出器の保持によって前記開口端を通して前記チャンバ内に少なくとも部分的に収容されるか、または前記チャンバから取り外され、
前記第2の部分は、前記チャンバの径方向に沿って前記抽出器の外面と支持体の内面との間に延びるように構成される。
【0010】
好ましい実施形態において、前記空気流路は、前記抽出器内において前記閉鎖端から開口端に向かって延びる第3の部分をさらに含む。
【0011】
好ましい実施形態において、前記第3の部分と第2の部分は、前記チャンバの閉鎖端に近接する部分で合流する。
【0012】
好ましい実施形態において、前記断熱筒には、閉鎖端に近接して設けられた吸気孔が設けられ、前記第1の部分は当該吸気孔と気流連通し、かつ前記断熱筒は、外部空気が前記吸気孔だけから前記断熱筒内に入れるように構成される。
【0013】
好ましい実施形態において、前記断熱筒は、使用時に、前記断熱筒内の空気またはエアロゾルが前記開口端以外の手段を介して出ることを防止するように構成される。
【0014】
好ましい実施形態において、前記断熱筒には、径方向に沿って外側に延びる保持部がさらに設けられ、かつ当該保持部を介して前記ハウジング内に安定的に保持される。
【0015】
好ましい実施形態において、前記断熱筒は、前記ハウジングとの間に径方向に沿って一定の間隔が保持されて第2の空気媒体層を形成し、前記第2の空気媒体層は、前記ヒータが発生した熱の前記ハウジングへの伝導を低減するように構成される。
【0016】
上記のエアロゾル生成装置では、加熱機構部とハウジング内の空間とは断熱筒で分離され、かつ気流通過構造により、ハウジング内の空気は断熱筒に入り、往復して還流した後引き離され、拡散した熱をできるだけ回収し、これにより、熱利用率を向上させると同時にハウジングの表面温度を下げることができる。また、断熱筒の設計により、空気が一方向にしか流れないため、加熱部分とハウジング内の空気の対流が防がれ、熱の対流拡散が効果的に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
1つ以上の実施例は、それに対応する図面によって例示的に説明されており、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、同じ参照数字番号を有する図面の素子は、類似の素子を示し、図面では、特に説明されていない限り、縮尺の限定を構成しない。
【0018】
図1】一実施例によって提供されるエアロゾル生成装置を示す模式図である。
図2図1に示すエアロゾル生成装置の別の状態を示す模式図である。
図3図2に示すエアロゾル生成装置の使用状態を示す模式図である。
図4図3に示すエアロゾル生成装置の断面模式図である。
図5図4における加熱機構を示す模式図である。
図6図5に示す加熱機構の組立前の各部分の分解模式図である。
図7】抽出器が吸引可能な材料を抽出する様子を示す模式図である。
図8図7における抽出器が吸引可能な材料を抽出する様子を示す断面図である。
図9図4に記載のエアロゾル生成装置の吸引における気流経路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願を容易に理解するために、以下は図面および具体的な実施形態と合わせて、本出願をより詳細に説明する。
【0020】
本出願の一実施例は、タバコなどの吸引可能な材料を燃焼させるのではなく加熱し、さらに、吸引可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させまたは放出し、吸い込み用のエアロゾルを形成するエアロゾル生成装置を提案する。
【0021】
好ましい実施形態では、エアロゾル生成装置による吸引可能な材料の加熱は、電磁誘導式発熱の形式で行われ、例えば、磁場発生装置を利用して変化する磁場を形成し、磁場中にあるレセプタが渦電流効果を発生させて発熱させるように誘導し、さらに、吸引可能な材料を加熱して少なくとも1つの揮発成分を揮発させ、吸い込み用のエアロゾルを生成する。
【0022】
本出願の一実施例に係るエアロゾル生成装置の構造は、図1図3を参照でき、装置の外形全体はほぼ平たい円筒形として構成され、エアロゾル生成装置の外部部材は、
内部が中空の構造であり、さらに誘導加熱などの必要な機能部品用の組立空間を形成するハウジング10と、
ハウジング10の長さ方向に沿った上端部に位置する上部カバー11と、を備え、当該上部カバー11は、エアロゾル生成装置が完全で美しい外観を有するようにハウジング10の上端を覆うことができる一方で、ハウジング10の上端部から取り外すこともでき、それによって、ハウジング10での各機能部品の着脱・交換を容易にする。
【0023】
さらに、図1および図3から分かるように、上部カバー20には、幅方向に延びるスロット21と、開口22とが設けられ、スロット21内には、スロットの延び方向にスライドして開口を開閉する可動カバー30が設けられる。使用時に、吸引可能な材料Aは、当該開口22を介してハウジング10の長さ方向に沿って少なくとも部分的にハウジング10に収容されて加熱することができ、または当該開口22を介してハウジング10から取り外すことができる。
【0024】
さらに図4に示すように、ハウジング10内には、
電力を供給する電気コア50と、
エアロゾル生成装置の作動を制御するための、回路が集積された制御回路基板51と、が設けられる。
【0025】
吸引可能な材料Aを加熱するために、ハウジング10内には加熱機構40が設けられ、加熱機構40の組立後の形態および構造は図5を参照でき、加熱機構40全体は、組み込まれた後、上端が開口する筒状構造となり、かつハウジング10の長さ方向に沿ってハウジング10内に取り付けられ、吸引可能な材料Aを受け入れて加熱するために使用される。
【0026】
具体的には、加熱機構40は、断熱筒41と、支持体42と、誘導コイル43と、ヒータとを含む。
【0027】
径方向に沿って外層に位置する断熱筒41は、開口端41aと閉鎖端41bを有し、開口端41aと閉鎖端41bはそれぞれ、断熱筒41の両端に位置する。断熱筒41は、PEEK、セラミックスなどの熱伝導率の比較的低い材料から作製することが好ましく、実施中、ハウジング10の内壁と断熱筒41との間に、空気を媒体として残す一定の間隔が保持され、さらに空気の低い熱伝導率を利用して外部への熱伝導を低減する。
【0028】
径方向に沿って断熱筒41内に位置する支持体42は、断熱筒41の長さ方向に沿って延びる管状に構成され、その内部の管状中空の少なくとも一部が吸引可能な材料Aを収容するためのチャンバ42aを形成し、同様に、支持体42と断熱筒41との間にも、空気を媒体として残し、第1の空気媒体層を形成するための一定の間隔が保持され、それによって、空気の低い熱伝導率を利用して外部への熱伝導をさらに低減する。
【0029】
誘導コイル43は、支持体42の外に取り付けられ、かつ支持体42の軸方向に沿って延びる螺旋状を呈し、交番電流を供給する時に交番磁場を発生させるために使用される。
【0030】
ヒータは、少なくとも一部が支持体42の軸方向に沿ってチャンバ内に延びるピンまたはブレード状に構成される。いくつかの実施例では、ヒータは、誘導コイル43が発生する交番磁場が通過すると発熱可能なレセプタ44であり、吸引可能な材料Aがチャンバ内に収容される場合、吸引可能な材料A内に挿入されて加熱を行うために使用される。
【0031】
さらに図4図7および図8に示すように、使用時に吸引可能な材料Aの抽出を容易にするために、上部カバー20には加熱機構40に向かって延びる抽出器23がさらに設けられ、ここで、当該抽出器23は、長さ方向に沿って延びる筒状に構成され、使用時に、吸引可能な材料Aは、当該抽出器23内に保持され、加熱機構40の上端の開口部から支持体42のチャンバ内に延在し、吸引終了後、上部カバー20を上向きに抜き取るだけで、吸引可能な材料Aは、抽出器23に保持される状態で取り出すことができる。もちろん、実施中、抽出器23の下端にはレセプタ44を貫入するためのアイレット231が設けられ、それによって、使用時に、レセプタ44は、当該アイレット231を通過して、抽出器23に保持される吸引可能な材料A内に貫入されて加熱を行うことができる。
【0032】
さらに図5および図6に示すように、断熱筒41は、長さ方向に沿って対向する上端410および下端420を有し、ここで、上端410は、抽出器23を貫入するための開口413を有し、下端は閉鎖され、また、使用中の気密性を維持するために、開口413内には、抽出器23を貫入すると抽出器23の外壁に柔軟に貼り合わせ、当該開口413からの内部空気またはエアロゾルの脱出、および当該開口413からの外部空気の進入を防止するためのシリコンリング46が設けられる。
【0033】
さらに気流の設計では、断熱筒41の下端420に近接する位置に第1の空気孔411が設けられ、当該第1の空気孔411は、ハウジング10上の通気隙間または吸気孔などの構造と気流連通し、それによって、吸引中では外部空気は当該第1の空気孔411を通じてのみ加熱機構40に進入することができる。
【0034】
支持体42には、断熱筒41の上端410に近接する位置において第2の空気孔421が設けられ、それによって、第1の空気孔411から入った空気は、当該第2の空気孔421を通じてのみ支持体42のチャンバ内に進入することができる。
【0035】
吸引中での気流の経路は、図9に示すように、第1の空気孔411から断熱筒41に入った後、断熱筒41と支持体42との間の空気層で上向きに第2の空気孔421に流動して支持体42内に入り、その後、さらに第2の空気孔421から下向きにチャンバの底部に移動し、かつレセプタ30と抽出器23のアイレット231との間の隙間を経由して吸引可能な材料Aに入り、最後に使用者によって吸引されるということである。
【0036】
図6に示す好ましい実施形態では、支持体42内には、レセプタ44の温度を感知するための温度センサ441がさらに設けられ、当該温度センサ441は、レセプタ44の底部に当接するように取り付けられ、また、支持体42内には、さらに柔軟なシリコーンシート442が設けられ、弾力を付与して温度センサ441とレセプタ44を常に緊密に当接させ、ガタによる隙間が温度測定の精度に影響を与えることを防止するために用いられる。
【0037】
また、支持体42の下端には、支持体42の下端を閉鎖するとともに、上記レセプタ44、温度センサ441、柔軟なシリコーンシート442を、支持体42内に安定的に封入できるように支持するためのエンドキャップ45がさらに設けられる。
【0038】
図6に示す好ましい実施形態では、断熱筒41には、径方向に沿って外側に延びる接続部412がさらに設けられ、使用時には、当該接続部412と協働する当接材やクランプ部材などの保持構造をハウジング10内に設けることで、加熱機構40をハウジング10内に保持する。
【0039】
また、断熱筒41の下端420に近接する箇所にはさらに、外面に突出したシリコンリング47が少なくとも一つ設けられ、断熱筒41の取り付けを容易にするために、シリコンリング47の取り付けを補助するための取付溝414が対応して設けられ、かつ図6から分かるように、シリコンリング47はそれぞれ第1の空気孔411の上側と下側に設けられ、使用中に、柔軟な支持により、組立後に第1の空気孔411とハウジング10の内壁との隙間が遮断されないように保持され、それによって、さらに、空気を順調に入れることができる。
【0040】
実施中の実データに基づき、上記断熱筒41を備えた加熱機構40と、断熱筒41を備えない加熱装置との吸引の比較試験を行ったところ、上記断熱筒41を備えたエアロゾル生成装置では、3枚目のタバコが連続して吸い込まれた場合、温度はケースの最高温度より5~13℃低減することができる。
【0041】
上記のエアロゾル生成装置では、加熱機構部とハウジング内の空間とは断熱筒で分離され、かつ気流通過構造により、ハウジング内の空気は断熱筒に入り、往復して還流した後引き離され、拡散した熱をできるだけ回収し、これにより、熱利用率を向上させると同時にハウジングの表面温度を下げることができる。また、断熱筒の設計により、空気が一方向にしか流れないため、加熱部分とハウジング内の空気の対流が防がれ、熱の対流拡散が効果的に抑制される。
【0042】
なお、本出願の明細書およびその図面は、本出願の好ましい実施例を示したが、本明細書で記載された実施例に限定されるものではなく、さらに、当業者であれば、上記の説明に基づいて改良または変形を行うことができ、これらの改良や変形は全て、本出願に添付された請求項の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9