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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-12
(45)【発行日】2023-12-20
(54)【発明の名称】付与装置、付与方法及び付与プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0211 20230101AFI20231213BHJP
【FI】
G06Q30/0211
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023070120
(22)【出願日】2023-04-21
(62)【分割の表示】P 2021162604の分割
【原出願日】2021-10-01
(65)【公開番号】P2023093651
(43)【公開日】2023-07-04
【審査請求日】2023-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓也
(72)【発明者】
【氏名】柤野 太希
(72)【発明者】
【氏名】今吉 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】久保 祐斗
(72)【発明者】
【氏名】山本 啓介
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-072526(JP,A)
【文献】特開2007-200013(JP,A)
【文献】特開2020-004122(JP,A)
【文献】特開昭61-114368(JP,A)
【文献】国際公開第2020/189326(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗端末から、利用者が利用する利用者端末を用いる電子決済の対象である取引対象の商品コードデータを含む決済情報を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けた前記決済情報に従い、決済処理を実行する決済処理部と、
前記決済情報に含まれる取引対象の商品コードデータから、電子決済サービスにおいて利用可能なクーポンであって前記利用者が獲得済のクーポンの適用対象外の取引対象を判定する判定部と、
前記決済情報に含まれる取引対象の合計額から前記クーポンの適用対象外の取引対象の額を除外した残りの取引対象の額を前記クーポンの適用対象の金額として決定し、前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を算出する決定部と、
前記決定部により算出された前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を前記利用者に付与する付与部と
を有することを特徴とする付与装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記決済情報に含まれる取引対象の合計額から前記クーポンの適用対象外の取引対象の額を除外した残りの取引対象の額が前記クーポンの適用条件を満たさない場合、前記クーポンを前記利用者に適用しないと決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の付与装置。
【請求項3】
本来は前記決済情報に含まれる全ての取引対象が前記クーポンの適用対象であり、
前記判定部は、前記決済情報に含まれる取引対象の中から、事後的に前記クーポンの適用対象外として設定された取引対象を判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の付与装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記クーポンの提供者から、前記クーポンの適用対象から除外する取引対象の一覧を示すリスト情報を受け付け、
前記判定部は、前記決済情報に含まれる取引対象の各々に対して、前記リスト情報に示された取引対象であるか否かを判定し、
前記決定部は、前記決済情報に含まれる取引対象の合計額から前記リスト情報に示された取引対象の額を除外した残りの取引対象の額を前記クーポンの適用対象の金額として決定し、前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を算出する
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の付与装置。
【請求項5】
前記リスト情報は、新たなリスト情報を受け付けることで随時更新可能である
ことを特徴とする請求項4に記載の付与装置。
【請求項6】
前記クーポンは、前記クーポンの適用対象となる取引対象ではなく、前記クーポンの適用対象から除外する取引対象のみが設定される
ことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1つに記載の付与装置。
【請求項7】
前記クーポンは、前記利用者が前記クーポンを獲得した後であっても、前記クーポンの適用対象から除外する取引対象を変更可能である
ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1つに記載の付与装置。
【請求項8】
前記付与部は、決済金額を条件とする前記クーポンの適用対象外の取引対象と、前記クーポンの適用対象外ではない取引対象とを別々に決済しなくとも、前記利用者にクーポンを適用し、前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を前記利用者に付与する
ことを特徴とする請求項1からのうちいずれか1つに記載の付与装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する付与方法であって、
店舗端末から、利用者が利用する利用者端末を用いる電子決済の対象である取引対象の商品コードデータを含む決済情報を受け付ける受付工程と、
前記受付工程により受け付けた前記決済情報に従い、決済処理を実行する決済処理工程と、
前記決済情報に含まれる取引対象の商品コードデータから、電子決済サービスにおいて利用可能なクーポンであって前記利用者が獲得済のクーポンの適用対象外の取引対象を判定する判定工程と、
前記決済情報に含まれる取引対象の合計額から前記クーポンの適用対象外の取引対象の額を除外した残りの取引対象の額を前記クーポンの適用対象の金額として決定し、前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を算出する決定工程と、
前記決定工程により算出された前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を前記利用者に付与する付与工程と
を有することを特徴とする付与方法。
【請求項10】
店舗端末から、利用者が利用する利用者端末を用いる電子決済の対象である取引対象の商品コードデータを含む決済情報を受け付ける受付手順と、
前記受付手順により受け付けた前記決済情報に従い、決済処理を実行する決済処理手順と、
前記決済情報に含まれる取引対象の商品コードデータから、電子決済サービスにおいて利用可能なクーポンであって前記利用者が獲得済のクーポンの適用対象外の取引対象を判定する判定手順と、
前記決済情報に含まれる取引対象の合計額から前記クーポンの適用対象外の取引対象の額を除外した残りの取引対象の額を前記クーポンの適用対象の金額として決定し、前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を算出する決定手順と、
前記決定手順により算出された前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を前記利用者に付与する付与手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする付与プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付与装置、付与方法及び付与プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の取引対象を購入する利用者に対して所定の利益を付与する技術が知られている。このような技術の一例として、任意の商品に対する割引クーポンを発行し、レジでの精算の際に該当商品の割引き決済を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-218483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利用者にとって利便性が良いとは限らない。
【0005】
例えば、上記の従来技術では、決済の際に、店舗内に設置されるクーポン発行装置が発行したクーポンを消費者が提示し、クーポン利用装置がクーポン情報を読み取る必要があり、利用者にとって利便性が良いとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、決済における利用者の利便性を向上させる付与装置、付与方法及び付与プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る付与装置は、店舗端末から、利用者が利用する利用者端末を用いる電子決済の対象である取引対象の商品コードデータを含む決済情報を受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けた前記決済情報に従い、決済処理を実行する決済処理部と、前記決済情報に含まれる取引対象の商品コードデータから、電子決済サービスにおいて利用可能なクーポンであって前記利用者が獲得済のクーポンの適用対象外の取引対象を判定する判定部と、前記決済情報に含まれる取引対象の合計額から前記クーポンの適用対象外の取引対象の額を除外した残りの取引対象の額を前記クーポンの適用対象の金額として決定し、前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を算出する決定部と、前記決定部により算出された前記クーポンの適用対象の金額に応じた特典を前記利用者に付与する付与部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、決済における利用者の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る付与処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るリスト情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るクーポン情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る付与処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る付与装置、付与方法及び付与プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る付与装置、付与方法及び付与プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の付与装置等により実現される付与処理について説明する。図1は、実施形態に係る付与処理の一例を示す図である。なお、図1では、本実施形態に係る付与装置の一例である決済サーバ10によって、実施形態に係る付与処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る付与処理システム1は、決済サーバ10と、利用者端末100と、店舗端末200とを含む。決済サーバ10、利用者端末100及び店舗端末200は、ネットワークN(例えば、図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した付与処理システム1には、複数台の決済サーバ10、複数台の利用者端末100及び複数台の店舗端末200が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す決済サーバ10は、実施形態に係る付与処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、決済サーバ10は、利用者端末100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供する。例えば、決済サーバ10は、取引対象の提供者(事業者)や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0014】
また、決済サーバ10は、電子決済サービスにおいて利用者に付与され、電子決済サービスにおいて利用可能なクーポンに関するクーポン情報を、クーポンの提供者(言い換えると、クーポンの企画、設定等を行い、クーポンの原資を出資(提供)する者)から受け付け、自装置の記憶部で管理する。例えば、決済サーバ10は、クーポンが利用者に適用される適用条件(決済による支払先や、決済金額)や、クーポンにより利用者に付与される利益の内容(決済金額のうち所定の割合のキャッシュバック等)、利用者がクーポンを獲得するための獲得条件などを含むクーポン情報を管理する。
【0015】
また、決済サーバ10は、クーポンの適用対象から除外する取引対象の一覧を示すリスト情報を自装置の記憶部で管理する。例えば、決済サーバ10は、クーポンの提供者により設定されたリスト情報を管理する。
【0016】
また、決済サーバ10は、利用者と、利用者が獲得したクーポンとを紐付け、自装置の記憶部で管理する。
【0017】
図1に示す利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者端末100は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例では、利用者端末100がスマートフォンである場合を示す。
【0018】
なお、利用者端末100は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ10から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語、Java(登録商標)等のプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語等により記述される。なお、決済サーバ10から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0019】
図1に示す店舗端末200は、利用者に取引対象を提供する店舗において利用される情報処理装置である。店舗端末200は、例えば、POS(Point of Sales)端末や、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、携帯電話機、PDA等により実現される。また、店舗端末200は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0020】
なお、図1に示す例では、店舗端末200が店舗に設置されたPOS端末であり、店舗において提供する取引対象に関する取引対象情報を管理するものとする。例えば、店舗端末200は、取引対象の価格を、取引対象に添付されるバーコードが示す情報(商品を識別するための識別情報)に紐づけて管理する。
【0021】
〔1-1.利用者端末100を用いた決済について〕
ここで、決済サーバ10が実行する付与処理に先立ち、利用者端末100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗Aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗Aを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者U1が利用者端末100を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の利用者端末100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0022】
例えば、利用者U1が店舗Aにて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者U1は、利用者端末100に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、利用者U1は、決済アプリを介して、店舗Aに設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、利用者端末100は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U1或いは店舗Aの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、利用者端末100は、利用者U1を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗A(若しくは店舗Aの事業者M1)を示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。
【0023】
このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗識別情報が示す店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ10は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100へと送信する。このような場合、利用者端末100は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。ここで、決済サーバ10は、店舗Aの口座へ電子マネーを移行させる際、若しくは、所定のタイミングで、所定の手数料(管理手数料等)を店舗Aの口座から減算してもよい。
【0024】
なお、利用者端末100を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、利用者端末100を用いた決済は、店舗Aに設置された店舗端末200を用いたものであってもよい。例えば、利用者端末100は、利用者U1を識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗Aに設置された店舗端末200は、利用者端末100に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者U1を示す情報(例えば、利用者ID))と、決済金額と、店舗Aを識別する情報とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗Aの口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗Aの店舗端末200或いは利用者端末100に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0025】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者U1が予め電子マネーをチャージした口座から店舗Aの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者U1が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、利用者端末100は、店舗Aの口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、利用者U1のクレジットカードの運用会社(カード会社)に対し、決済金額を請求してもよい。
【0026】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者U1の口座から店舗Aの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、決済サーバ10が、利用者U1の口座から決済金額分の電子マネーを引き出し、決済金額から所定の手数料(管理手数料等)を減算した額の現金を店舗Aの銀行口座に入金する処理が行われてもよい。このような場合、例えば、決済サーバ10は、各利用者から店舗Aに対する決済金額を、店舗Aの売上情報として管理し、所定のタイミングで、売上情報に基づき、店舗Aの銀行口座に、売り上げ(売上情報が示す決済金額の合計額)から所定の手数料を減算した額の現金を入金する。
【0027】
なお、決済サーバ10は、決済の際に利用されたクーポンの原資が店舗Aの負担するものである場合、店舗Aの銀行口座に現金を入金する際、若しくは、店舗Aの口座に電子マネーを移行する際等に、決済金額から負担分の現金を減算して銀行口座に入金、若しくは、決済金額から担分の電子マネーを減算して店舗Aの口座に移行させる処理を実行してもよい。
【0028】
〔1-2.実施形態の概要について〕
ここで、従来、所定の取引対象を購入する利用者に対して所定の利益を付与する技術の一例として、任意の商品に対する割引クーポンを発行し、レジでの精算の際に該当商品の割引き決済を行う技術が提案されている。しかしながら、このような技術では、決済の際に、店舗内に設置されるクーポン発行装置が発行したクーポンを消費者が提示し、クーポン利用装置がクーポン情報を読み取る必要があり、利用者にとって利便性が良いとは限らない。
【0029】
そこで、決済サーバ10は、実施形態に係る付与処理を実行する。以下、図1を用いて、決済サーバ10が実行する付与処理について説明する。なお、以下の説明では利用者端末100が利用者U1により利用され、店舗端末200が店舗Aに設置される例を示す。また、以下の説明では、利用者端末100を利用者U1と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を利用者端末100と読み替えることもできる。
【0030】
また、以下の説明では、決済サーバ10が、JANコードが示す取引対象の識別情報と、JANコードに紐付けられた取引対象の情報(名称等)とを外部のサーバ(JANコード統合商品情報データベース等)から取得し、取得した情報を取引対象情報として自装置の記憶部に記憶しているものとする。また、以下の説明では、決済サーバ10が、店舗Aを管理する事業者M1が独自に採番したインストアコードが示す識別情報や、取引対象の名称などを含む取引対象情報を、事業者M1が利用する事業者端末から受け付け、自装置の記憶部に記憶しているものとする。
【0031】
また、以下の説明では、決済サーバ10が、上述の決済アプリを用いた決済において利用可能なクーポン#1に関するクーポン情報、並びに、クーポン#1の適用対象から除外する取引対象の一覧を示すリスト情報#1を事業者M1が利用する事業者端末から受け付け、自装置の記憶部に記憶しているものとする。例えば、決済サーバ10は、自装置の記憶部に記憶した取引対象情報を示すコンテンツを事業者端末に提供し、当該コンテンツを介してクーポン情報及びリスト情報#1を受け付ける。なお、図1の例では、クーポン#1の適用条件が「店舗Aに対する1,000円以上の決済」、利益の内容が「決済金額の10%をキャッシュバック」と設定されているものとする。
【0032】
また、以下の説明では、クーポン#1の獲得条件を満たす利用者U1が、利用者端末100にあらかじめインストールされた決済アプリを起動し、配信されたクーポン#1を獲得するための所定の操作を行っているものとする。この場合、決済サーバ10は、利用者U1を示す利用者IDと、クーポン#1とを紐付け、自装置の記憶部で管理する。
【0033】
まず、店舗端末200は、店舗Aに来店した利用者U1が購入する各取引対象のバーコードと、利用者IDとを読み取る(ステップS1)。例えば、店舗端末200は、会計の際にバーコードリーダ等により、取引対象に添付されたバーコードが示す識別情報と、利用者端末100に表示される利用者IDとを読み取る。
【0034】
続いて、決済サーバ10は、利用者U1の店舗Aに対する決済に関する決済情報を店舗端末200から受け付ける(ステップS2)。例えば、決済サーバ10は、店舗Aの店舗IDや、ステップS1において店舗端末200が読み取った取引対象の識別情報、識別情報に紐付けられた各取引対象の価格の合計額(決済金額)、利用者U1の利用者IDなどを含む決済情報を受け付ける。なお、図1の例において、決済サーバ10は、価格が「400円」である取引対象#1、価格が「600円」である取引対象#2、価格が「500円」である取引対象#3の識別情報、並びに、決済金額「1,500円」を含む決済情報を受け付けたものとする。
【0035】
続いて、決済サーバ10は、決済情報が示す取引対象がリスト情報#1に含まれるか否かを判定する(ステップS3)。続いて、決済サーバ10は、判定結果に基づいて、クーポン#1の適用態様を決定する(ステップS4)。ここで、決済情報が示す取引対象#1がリスト情報#1に含まれ、取引対象#2及び#3がリスト情報#1に含まれない場合、決済サーバ10は、取引対象#1の価格「400円」を決済金額「1,500円」から除外した決済金額「1,100円」に基づき、クーポン#1の適用態様を決定する。このような場合、決済サーバ10は、決済金額「1,100円」がクーポン#1の適用条件を満たすため、クーポン#1を利用者U1に適用し、利用者U1に付与する利益の額を「1,100円」の10%である「110円」と決定する。
【0036】
また、決済情報が示す取引対象#2がリスト情報#1に含まれ、取引対象#1及び#3がリスト情報#1に含まれない場合、決済サーバ10は、取引対象#2の価格「600円」を決済金額「1,500円」から除外した決済金額「900円」に基づき、クーポン#1の適用態様を決定する。このような場合、決済サーバ10は、決済金額「900円」がクーポン#1の適用条件を満たさないため、クーポン#1を利用者U1に適用しないと決定する。
【0037】
また、決済情報が示す取引対象#1~#3がリスト情報#1に含まれない場合、決済サーバ10は、決済金額「1,500円」に基づき、クーポン#1の適用態様を決定する。このような場合、決済サーバ10は、決済金額「1,500円」がクーポン#1の適用条件を満たすため、クーポン#1を利用者U1に適用し、利用者U1に付与する利益の額を「1,500円」の10%である「150円」と決定する。
【0038】
続いて、決済サーバ10は、決済サーバ10は、決済情報に基づく決済処理を実行し、クーポン#1に基づく利益を利用者U1に付与する(ステップS5)。例えば、決済サーバ10は、利用者U1の口座から店舗Aの口座へと、決済金額「1,500円」分の電子マネーを移行させる処理を実行する。そして、決済サーバ10は、ステップS4において決定された適用態様に応じた利益を利用者U1に付与する。具体的な例を挙げると、決済情報が示す取引対象#1がリスト情報#1に含まれ、取引対象#2及び#3がリスト情報#1に含まれない場合、決済サーバ10は、「110円」分の電子マネーを、決済アプリにおいて利用者U1が保有する口座に入金する。また、決済情報が示す取引対象#1~3がリスト情報#1に含まれない場合、決済サーバ10は、「150円」分の電子マネーを、決済アプリにおいて利用者U1が保有する口座に入金する。なお、決済情報が示す取引対象#2がリスト情報#1に含まれ、取引対象#1及び#3がリスト情報#1に含まれない場合、決済サーバ10は、利益の付与を行わない。
【0039】
以上のように、実施形態に係る決済サーバ10は、クーポンの適用対象から除外する取引対象の一覧を示すリスト情報に基づき、利用者にクーポンを適用する。これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、リスト情報に含まれる取引対象と、リスト情報に含まれない取引対象とを別々に決済を行わなくとも、利用者にクーポンを適用し、利益を付与することができる。すなわち、実施形態に係る決済サーバ10は、決済における利用者の利便性を向上させることができる。
【0040】
〔2.決済サーバの構成〕
次に、図2を用いて、決済サーバ10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。図2に示すように、決済サーバ10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0041】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100、店舗端末200等との間で情報の送受信を行う。
【0042】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部30は、口座データベース31と、リスト情報データベース32と、クーポン情報データベース33と、利用者情報データベース34とを有する。
【0043】
(口座データベース31について)
口座データベース31は、利用者や店舗(事業者)などが電子決済サービスにおいて所有する口座に関する各種の情報を記憶する。ここで、図3を用いて、口座データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。図3の例において、口座データベース31は、「口座ID」、「所有者情報」、「口座残高」といった項目を有する。
【0044】
「口座ID」は、口座を識別するための識別情報を示す。「所有者情報」は、口座を所有する所有者に関する情報を示し、例えば、所有者を識別するための識別情報が格納される。「口座残高」は、口座の残高を示す。
【0045】
すなわち、図3では、口座ID「AID#1」によって識別される口座の保有者の情報が「利用者#1」であり、口座残高が「7,800円」である例を示す。
【0046】
(リスト情報データベース32について)
リスト情報データベース32は、クーポンの適用対象から除外する取引対象の一覧を示す情報を記憶する。ここで、図4を用いて、リスト情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係るリスト情報データベースの一例を示す図である。図4の例において、リスト情報データベース32は、「クーポンID」、「リスト情報」といった項目を有する。
【0047】
「クーポンID」は、クーポンを識別するための識別情報を示す。「リスト情報」は、クーポンの適用対象から除外する取引対象の一覧を示し、例えば、取引対象を識別するための識別情報が格納される。
【0048】
すなわち、図4では、クーポンID「CID#1」により識別されるクーポンの適用対象から除外する取引対象が「リスト情報#1」である例を示す。
【0049】
(クーポン情報データベース33について)
クーポン情報データベース33は、利用者に適用されるクーポンに関する各種の情報を記憶する。ここで、図5を用いて、クーポン情報データベース33が記憶する情報の一例を説明する。図5は、実施形態に係るクーポン情報データベースの一例を示す図である。図5の例において、クーポン情報データベース33は、「事業者ID」、「クーポン情報」といった項目を有する。
【0050】
「事業者ID」は、利用者へのクーポンの配信を依頼する事業者(言い換えると、クーポンの原資を提供する事業者)を識別するための識別情報を示す。「クーポン情報」は、クーポンに関する情報を示し、「クーポンID」、「利益内容」、「獲得条件」といった項目を有する。「クーポンID」は、クーポンを識別するための識別情報を示す。「利益内容」は、クーポンにより利用者に付与される利益の内容を示す。「獲得条件」は、利用者がクーポンを獲得するための条件(例えば、デモグラフィック属性や、サイコグラフィック属性、決済履歴)を示す。
【0051】
すなわち、図5では、事業者ID「MID#1」により識別される事業者により提供されるクーポンがクーポンID「CID#1」により識別され、利益内容が「利益内容#1」、獲得条件が「獲得条件#1」である例を示す。
【0052】
(利用者情報データベース34について)
利用者情報データベース34は、決済サーバ10が提供する電子決済サービスの利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、図6を用いて、利用者情報データベース34が記憶する情報の一例を説明する。図6は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。図6の例において、利用者情報データベース34は、「利用者ID」、「決済履歴」、「獲得済クーポン」といった項目を有する。
【0053】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「決済履歴」は、電子決済サービスを利用して行った決済の履歴を示し、例えば、決済先や、決済金額などといった情報が格納される。「獲得済クーポン」は、クーポン情報データベース33に格納されたクーポン情報が示すクーポンのうち、利用者が獲得したクーポンを示し、例えば、クーポンを識別するための識別情報が格納される。
【0054】
すなわち、図6では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者の決済履歴が「決済履歴#1」、獲得済クーポンが「獲得済クーポン#1」である例を示す。
【0055】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決済サーバ10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図2に示すように、受付部41と、判定部42と、決定部43と、決済処理部44と、付与部45とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0056】
(受付部41について)
受付部41は、利用者が利用する利用者端末を用いる決済の対象である取引対象を識別する識別情報を含む決済情報を受け付ける。例えば、図1の例において、受付部41は、利用者端末100に予めインストールされた決済アプリを用いた決済の対象である取引対象を識別する識別情報を含む決済情報を受け付ける。
【0057】
また、受付部41は、取引対象を提供する店舗が利用する店舗端末により読み取られる識別情報を含む決済情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部41は、店舗端末200のバーコードリーダ等により読み取られた取引対象の識別情報と、利用者端末100に表示される利用者IDとを含む決済情報を受け付ける。
【0058】
また、受付部41は、取引対象に添付されるバーコードが示す識別情報を含む決済情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部41は、取引対象に添付されたバーコードが示す識別情報を含む決済情報を店舗端末200から受け付ける。
【0059】
また、受付部41は、取引対象の提供者が独自に設定した識別情報を含む決済情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部41は、事業者M1が独自に採番したインストアコードが示す識別情報を含む決済情報を店舗端末200から受け付ける。
【0060】
また、受付部41は、取引対象を識別する情報として所定の機関により規格化された識別情報を含む決済情報を受け付けてもよい。例えば、図1の例において、受付部41は、JIS規格のバーコードが示す識別情報を含む決済情報を店舗端末200から受け付ける。
【0061】
(判定部42について)
判定部42は、クーポンの適用対象から除外する取引対象の一覧を示すリスト情報に、識別情報が示す取引対象が含まれているか否かを判定する。例えば、図1の例において、判定部42は、リスト情報データベース32を参照し、決済情報が示す取引対象がリスト情報#1に含まれるか否かを判定する。
【0062】
また、判定部42は、クーポンの提供者により設定されたリスト情報に、識別情報が示す取引対象が含まれているか否かを判定してもよい。例えば、図1の例において、判定部42は、事業者M1が利用する事業者端末から受け付けたリスト情報#1に決済情報が示す取引対象が含まれるか否かを判定する。
【0063】
また、判定部42は、クーポンの適用対象から除外する取引対象のカテゴリの一覧を示すリスト情報に、識別情報が示す取引対象が含まれるか否かを判定してもよい。例えば、判定部42は、リスト情報が示す取引対象のカテゴリに、決済情報が示す取引対象が含まれるか否かを判定する。具体的な例を挙げると、記憶部30は、取引対象の識別情報を、当該取引対象が属するカテゴリに関連付けて記憶する。そして、判定部42は、決済情報が示す取引対象に関連付けられているカテゴリを特定し、特定したカテゴリがリスト情報に含まれているか否かを判定する。より具体的な例を挙げると、決済情報が示す取引対象に関連付けられているカテゴリが「煙草」である場合、カテゴリ「煙草」がリスト情報に含まれているか否かを判定する。
【0064】
なお、リスト情報が示す取引対象のカテゴリは任意の粒度が採用可能である。例えば、店舗が提供する取引対象が、所定の階層関係を有するカテゴリに分類される場合、任意の階層のカテゴリに属する取引対象を、クーポンの適用対象から除外する取引対象としてもよい。
【0065】
(決定部43について)
決定部43は、識別情報が示す取引対象がリスト情報に含まれている場合は、リスト情報に含まれる取引対象を除外した決済情報に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンの適用態様を決定する。例えば、図1の例において、決済情報が示す取引対象#1がリスト情報#1に含まれ、取引対象#2及び#3がリスト情報#1に含まれない場合、決定部43は、クーポン情報データベース33を参照し、取引対象#1の価格「400円」を決済金額「1,500円」から除外した決済金額「1,100円」に基づき、クーポン#1の適用態様を決定する。
【0066】
また、決定部43は、識別情報が示す取引対象がリスト情報に含まれていない場合は、決済情報に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンの適用態様を決定してもよい。例えば、図1の例において、決済情報が示す取引対象#1~#3がリスト情報#1に含まれない場合、決定部43は、決済金額「1,500円」に基づき、クーポン#1の適用態様を決定する。
【0067】
また、決定部43は、決済情報が示す決済金額のうち、リスト情報に含まれる取引対象の価格を除外した金額に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンの適用態様を決定してもよい。例えば、図1の例において、決定部43は、リスト情報#1に含まれる取引対象#1の価格「400円」を決済金額「1,500円」から除外した決済金額「1,100円」がクーポン#1の適用条件を満たすため、クーポン#1を利用者U1に適用し、利用者U1に付与する利益の額を「1,100円」の10%である「110円」と決定する。
【0068】
(決済処理部44について)
決済処理部44は、受付部41が受け付けた決済情報に従い、決済処理を実行する。例えば、決済処理部44は、利用者IDが示す利用者の口座から、店舗IDが示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0069】
(付与部45について)
付与部45は、決定部43により決定された適用態様に基づく利益を利用者に付与する。例えば、図1の例において、付与部45は、決済情報が示す取引対象#1がリスト情報#1に含まれ、取引対象#2及び#3がリスト情報#1に含まれない場合、付与部45は、「110円」分の電子マネーを利用者U1に付与する。また、決済情報が示す取引対象#1~3がリスト情報#1に含まれない場合、付与部45は、「150円」分の電子マネーを利用者U1に付与する。なお、決済情報が示す取引対象#2がリスト情報#1に含まれ、取引対象#1及び#3がリスト情報#1に含まれない場合、付与部45は、利益の付与を行わない。
【0070】
〔3.付与処理のフロー〕
図7を用いて、実施形態に係る決済サーバ10の付与処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る付与処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0071】
図7に示すように、取引対象を識別する識別情報を含む決済情報を受け付ける(ステップS101)。続いて、決済サーバ10は、決済情報が示す取引対象がリスト情報に含まれるか否かを判定する(ステップS102)。決済情報が示す取引対象がリスト情報に含まれる場合(ステップS102;Yes)、決済サーバ10は、リスト情報に含まれる取引対象を除外した決済情報に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンの適用態様を決定する(ステップS103)。続いて、決済サーバ10は、決定された適用態様に基づく利益を付与し(ステップS105)、処理を終了する。
【0072】
一方、決済情報が示す取引対象がリスト情報に含まれない場合(ステップS102;No)、決済サーバ10は、決済情報に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンの適用態様を決定する(ステップS104)。続いて、決済サーバ10は、決定された適用態様に基づく利益を付与し(ステップS105)、処理を終了する。
【0073】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0074】
〔4-1.リスト情報について〕
上述の実施形態において、判定部42が、リスト情報が示すカテゴリ「煙草」、決済情報が示す取引対象が含まれるか否かを判定する例を示したが、リスト情報が示す取引対象はこのような例に限定されず、任意の取引態様が含まれてもよい。例えば、リスト情報には、カテゴリ「アルコール」に属する取引対象や、調剤により提供される取引対象(例えば、処方箋に基づき提供される医薬品)が含まれてもよい。
【0075】
また、リスト情報には、クーポンの適用対象から除外する対象として、所定のサービスの利用料金が含まれていてもよい。例えば、判定部42は、水道や電気、ガスなどの利用に応じて利用者に課金される料金(公共料金)が決済金額に含まれているか否かを判定する。そして、公共料金が決済金額に含まれている場合、決定部43は、決済金額から公共料金を除外した金額に基づき、クーポンの適用態様を決定する。
【0076】
〔4-2.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0077】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0078】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0079】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ10は、受付部41と、判定部42と、決定部43と、決済処理部44と、付与部45とを有する。受付部41は、利用者が利用する利用者端末を用いる決済の対象である取引対象を識別する識別情報を含む決済情報を受け付ける。また、受付部41は、取引対象を提供する店舗が利用する店舗端末により読み取られる識別情報を含む決済情報を受け付ける。判定部42は、クーポンの適用対象から除外する取引対象の一覧を示すリスト情報に、識別情報が示す取引対象が含まれているか否かを判定する。決定部43は、識別情報が示す取引対象がリスト情報に含まれている場合は、リスト情報に含まれる取引対象を除外した決済情報に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンの適用態様を決定する。また、決定部43は、識別情報が示す取引対象がリスト情報に含まれていない場合は、決済情報に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンの適用態様を決定する。また、決定部43は、決済情報が示す決済金額のうち、リスト情報に含まれる取引対象の価格を除外した金額に基づいて、利用者が予め獲得したクーポンの適用態様を決定する。決済処理部44は、受付部41が受け付けた決済情報に従い、決済処理を実行する。付与部45は、決定部43により決定された適用態様に基づく利益を利用者に付与する。
【0080】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、リスト情報に含まれる取引対象と、リスト情報に含まれない取引対象とを別々に決済を行わなくとも、利用者にクーポンを適用し、利益を付与することができるため、決済における利用者の利便性を向上させることができる。
【0081】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、受付部41は、取引対象に添付されるバーコードが示す識別情報を含む決済情報を受け付ける。また、受付部41は、取引対象の提供者が独自に設定した識別情報を含む決済情報を受け付ける。また、受付部41は、取引対象を識別する情報として所定の機関により規格化された識別情報を含む決済情報を受け付ける。
【0082】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、各種の識別情報を受け付け、クーポンの適用態様を決定して利益を付与することができるため、利便性を向上させることができる。
【0083】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、判定部42は、クーポンの提供者により設定されたリスト情報に、識別情報が示す取引対象が含まれているか否かを判定する。また、判定部42は、クーポンの適用対象から除外する取引対象のカテゴリの一覧を示すリスト情報に、識別情報が示す取引対象が含まれるか否かを判定する。
【0084】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、任意の取引対象をクーポンの適用対象から除外することができるため、利便性を向上させることができる。
【0085】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る決済サーバ10は、例えば、図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、決済サーバ10を例に挙げて説明する。図8は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0086】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0087】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0088】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0089】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0090】
例えば、コンピュータ1000が決済サーバ10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、決済サーバ10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0091】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0092】
また、上述した決済サーバ10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0093】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0094】
10 決済サーバ
20 通信部
30 記憶部
31 口座データベース
32 リスト情報データベース
33 クーポン情報データベース
34 利用者情報データベース
40 制御部
41 受付部
42 判定部
43 決定部
44 決済処理部
45 付与部
100 利用者端末
200 店舗端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8