(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/393 20060101AFI20231214BHJP
G03G 15/36 20060101ALI20231214BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H04N1/393
G03G15/36
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2020025735
(22)【出願日】2020-02-18
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】木村 新一
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-148362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/38- 1/393
G03G 15/36
G03G 21/00
G06T 3/00- 3/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント装置と、
原稿を配置可能な所定範囲の画像を読取画像として光学的に読み取る画像読取装置と、
前記画像読取装置を使用してカード原稿のおもて面画像を含む第1読取画像と前記カード原稿の裏面画像を含む第2読取画像とを取得し、前記プリント装置を使用して前記第1読取画像内の前記おもて面画像および前記第2読取画像内の前記裏面画像をプリントシートの両面にそれぞれプリントすることで、前記カード原稿の両面コピーのジョブを実行するジョブ管理部と、
前記第1読取画像内の前記おもて面画像の原稿画像領域と、前記第2読取画像内の前記裏面画像の原稿画像領域とを特定する原稿検出処理部とを備え、
前記ジョブ管理部は、前記おもて面画像の原稿画像領域のサイズと前記裏面画像の原稿画像領域のサイズとの差が所定閾値を超えている場合、(a)画像領域適正化処理として、(a1)前記おもて面画像の原稿画像領域および前記裏面画像の原稿画像領域のうちのサイズの大きいほうのサイズを共通画像領域サイズに選択し、(a2)前記第1読取画像から前記共通画像領域サイズで前記おもて面画像を抽出し、前記第2読取画像から前記共通画像領域サイズで前記裏面画像を抽出し、(b)前記プリント装置を使用して、プリントシートのおもて面および裏面のそれぞれの所定の位置に、抽出した前記おもて面画像と抽出した前記裏面画像とを、互いに同一の変倍率でプリントすること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ジョブ管理部は、前記おもて面画像の原稿画像領域のサイズと前記裏面画像の原稿画像領域のサイズとの差が前記所定閾値を超えていない場合、(a)前記第1読取画像から、前記おもて面画像の原稿画像領域における画像を前記おもて面画像として抽出し、前記第2読取画像から、前記裏面画像の原稿画像領域における画像を前記裏面画像としてを抽出し、(c)前記プリント装置を使用して、プリントシートのおもて面および裏面のそれぞれの所定の位置に、抽出した前記おもて面画像と抽出した前記裏面画像とを、互いに同一の変倍率でプリントすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
表示装置と、入力装置とをさらに備え、
前記ジョブ管理部は、前記おもて面画像の原稿画像領域のサイズと前記裏面画像の原稿画像領域のサイズとの差が前記所定閾値を超えている場合、(a)前記表示装置に、前記おもて面画像と、前記裏面画像と、複数処理の選択肢を示すメッセージとを表示し、(b)前記入力装置で、前記複数処理の選択肢からいずれか1つを選択するユーザー操作を検出し、検出した前記ユーザー操作の示す選択肢に対応する処理を実行し、
前記選択肢は、(a)前記画像領域適正化処理を実行し、前記プリント装置を使用して、プリントシートのおもて面および裏面のそれぞれの所定の位置に、抽出した前記おもて面画像と抽出した前記裏面画像とを、互いに同一の変倍率でプリントする処理、並びに、(b)前記画像領域適正化処理を実行せずに、前記プリント装置を使用して、プリントシートのおもて面および裏面のそれぞれの所定の位置に、抽出した前記おもて面画像と抽出した前記裏面画像とを、互いに同一の変倍率でプリントする処理を含むこと、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記選択肢は、(c)前記画像読取装置を使用して前記カード原稿の前記おもて面画像を含む第1読取画像と前記カード原稿の前記裏面画像を含む第2読取画像とを再取得する処理をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記所定閾値は、ユーザーが設定可能であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像処理装置は、読取画像における原稿エッジを濃度差に基づき検出し、検出した原稿エッジに基づいて、読取画像における原稿画像の領域を特定し、その領域の画像を原稿画像として抽出している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IDカードのような小型のカード原稿を両面コピーを行い複製物を生成する場合、プリントシートの両面にカード原稿のおもて面の画像と裏面の画像とがそれぞれプリントされる。
【0005】
カード原稿の両面コピーにおいては、カード原稿のおもて面の画像および裏面の画像が光学的に読み取られるが、読取画像において、おもて面画像または裏面画像の画像領域が、実際のおもて面画像または裏面画像の画像領域より狭く検出されることがあり、その場合、おもて面画像または裏面画像の画像が欠けた状態でプリントされ、カード原稿の両面コピーで得られるプリント生成物のおもて面や裏面の画像が欠けてしまうことがある。
【0006】
例えば、上述の画像処理装置のように上述の画像領域がエッジ検出によって検出される場合、適切なエッジ検出位置が得られないと、画像領域が実際より狭く検出される。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、両面コピーによって、カード原稿の複製物を適切に生成する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、プリント装置と、原稿を配置可能な所定範囲の画像を読取画像として光学的に読み取る画像読取装置と、前記画像読取装置を使用してカード原稿のおもて面画像を含む第1読取画像と前記カード原稿の裏面画像を含む第2読取画像とを取得し、前記プリント装置を使用して前記第1読取画像内の前記おもて面画像および前記第2読取画像内の前記裏面画像をプリントシートの両面にそれぞれプリントすることで、前記カード原稿の両面コピーのジョブを実行するジョブ管理部と、前記第1読取画像内の前記おもて面画像の原稿画像領域と、前記第2読取画像内の前記裏面画像の原稿画像領域とを特定する原稿検出処理部とを備える。そして、前記ジョブ管理部は、前記おもて面画像の原稿画像領域のサイズと前記裏面画像の原稿画像領域のサイズとの差が所定閾値を超えている場合、(a)画像領域適正化処理として、(a1)前記おもて面画像の原稿画像領域および前記裏面画像の原稿画像領域のうちのサイズの大きいほうのサイズを共通画像領域サイズに選択し、(a2)前記第1読取画像から前記共通画像領域サイズで前記おもて面画像を抽出し、前記第2読取画像から前記共通画像領域サイズで前記裏面画像を抽出し、(b)前記プリント装置を使用して、プリントシートのおもて面および裏面のそれぞれの所定の位置に、抽出した前記おもて面画像と抽出した前記裏面画像とを、互いに同一の変倍率でプリントする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、両面コピーによって、カード原稿の複製物を適切に生成する画像形成装置が得られる。
【0010】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1における操作パネル4の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す画像形成装置におけるカード原稿の両面コピーについて説明する図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す画像形成装置は、複合機であるが、コピー機などでもよい。
【0014】
図1に示す画像形成装置は、プリント装置1、画像読取装置2、通信装置3、操作パネル4、記憶装置5、およびコントローラー6を備える。
【0015】
プリント装置1は、原稿画像をプリントシート(プリント用紙など)にプリントする内部装置である。プリント装置1は、両面プリント機能を備えている。
【0016】
画像読取装置2は、原稿から原稿画像を読み取る内部装置である。具体的には、原稿を配置可能な所定範囲(例えば、原稿を載置されるプラテングラスの所定範囲)の画像(以下、読取画像という)を光学的に読み取り、読取画像を示す画像データを出力する。
【0017】
通信装置3は、ネットワークなどを介して外部装置との間でデータ通信を行う内部装置である。
【0018】
操作パネル4は、当該画像形成装置の筺体に設置されたユーザーインターフェイスであって、表示装置11および入力装置12を備える。
図2は、
図1における操作パネル4の一例を示す図である。表示装置11は、ユーザーに対して各種情報を含む画面を表示する、液晶ディスプレイなどの装置である。入力装置12は、当該画像形成装置に指令を入力するためのユーザー操作を受け付ける、ハードキー12a、ソフトキーのためのタッチパネル12bなどの装置である。
【0019】
記憶装置5は、不揮発性の記憶装置であって、プログラムやデータなどを格納する。
【0020】
コントローラー6は、プログラムを実行するマイクロプロセッサー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを備え、マイクロプロセッサー、ASICなどで、上述の内部装置を制御するとともに、各種処理を実行する。ここでは、コントローラー6は、ジョブ管理部31および原稿検出処理部32として動作する。
【0021】
ジョブ管理部31は、操作パネル4に対するユーザー操作に基づくジョブ要求、通信装置3によって図示せぬホスト装置から受信されたジョブ要求などに従って、プリント装置1、画像読取装置2などを使用してジョブを実行する。
【0022】
特に、ジョブ管理部31は、カード原稿(IDカードなどの硬質な板状の小型プラスティックカード)の両面コピーのジョブを実行する。両面コピーのジョブでは、ジョブ管理部31は、画像読取装置2を使用してカード原稿のおもて面画像を含む第1読取画像とそのカード原稿の裏面画像を含む第2読取画像とを取得し、プリント装置1を使用して第1読取画像内のおもて面画像および第2読取画像内の裏面画像をプリントシートの両面にそれぞれプリントする。
【0023】
図3は、
図1に示す画像形成装置におけるカード原稿の両面コピーについて説明する図である。例えば
図3に示すように、まず、プラテングラス2aにおもて面101aを向けた状態でカード原稿101がプラテングラス2aに載置され、1回目の画像読取が実行される。これにより第1読取画像が得られ、その後、プラテングラス2aに裏面101bを向けた状態でカード原稿101がプラテングラス2aに載置され、2回目の画像読取が実行される。これにより第2読取画像が得られる。
【0024】
原稿検出処理部32は、上述の第1読取画像内のおもて面画像の原稿画像領域と、上述の第2読取画像内の裏面画像の原稿画像領域とを特定する。例えば、原稿検出処理部32は、上述の読取画像内のエッジを検出し、エッジで囲まれる領域(あるいはその外接矩形領域)を原稿画像領域として特定する。
【0025】
例えば
図3に示すように、おもて面画像111に対応する原稿画像領域121が特定され裏面画像112に対応する原稿画像領域122が特定される。原稿画像領域121と原稿画像領域122とのサイズの差(例えば高さの差および幅の差の大きいほう、面積の差など)が所定閾値を超えていなければ、読取画像における原稿画像領域121の画像がおもて面画像111として抽出され、読取画像における原稿画像領域122の画像が裏面画像112として抽出される。
【0026】
そして、例えば
図3に示すように、抽出されたおもて面画像111が、プリントシート201のおもて面201aの所定位置(
図3では左上角)にプリントされ、抽出された裏面画像112がその所定位置に対応する裏面201bの位置(つまり、おもて面画像111がプリントされた位置の裏側の位置であり、
図3では右上角)にプリントされる。
【0027】
おもて面画像111の原稿画像領域121のサイズと裏面画像112の原稿画像領域122のサイズとの差が所定閾値を超えている場合、ジョブ管理部31は、(a)画像領域適正化処理として、(a1)おもて面画像111の原稿画像領域121および裏面画像112の原稿画像領域122のうちのサイズの大きいほうのサイズを共通画像領域サイズに選択し、(a2)第1読取画像から共通画像領域サイズでおもて面画像111を抽出し、第2読取画像から共通画像領域サイズで裏面画像112を抽出し、(b)プリント装置1を使用して、プリントシート201のおもて面201aおよび裏面201bのそれぞれの所定の位置に、抽出したおもて面画像111と抽出した裏面画像112とを、互いに同一の変倍率(ここでは、1倍であるが、拡大倍率や縮小倍率でもよい)でプリントする。
【0028】
なお、上述の所定閾値は、固定値でもよいし、ユーザーが設定可能であってもよい。
【0029】
具体的には、元の原稿画像領域のサイズが共通画像領域サイズより小さい面(おもて面または裏面)については、ジョブ管理部31は、原稿画像領域(矩形領域)の所定頂点(または中心)を固定して、原稿画像領域を共通画像領域サイズまで拡大し、拡大後の原稿画像領域からおもて面画像111または裏面画像112を抽出する。
【0030】
また、おもて面画像111の原稿画像領域121のサイズと裏面画像112の原稿画像領域122のサイズとの差が所定閾値を超えていない場合、上述したように、ジョブ管理部31は、(a)第1読取画像から、おもて面画像111の原稿画像領域121のサイズで、おもて面画像111を抽出し、第2読取画像から、裏面画像112の原稿画像領域122のサイズで、裏面画像112を抽出し、(c)プリント装置1を使用して、プリントシート201のおもて面201aおよび裏面201bのそれぞれの所定の位置に、抽出したおもて面画像111と抽出した裏面画像112とを、互いに同一の変倍率でプリントする。
【0031】
さらに、この実施の形態では、おもて面画像111の原稿画像領域121のサイズと裏面画像112の原稿画像領域122のサイズとの差が所定閾値を超えている場合、(a)ジョブ管理部31は、例えば
図2に示すように、表示装置11に、おもて面画像21(原稿画像領域121から抽出された画像)と、裏面画像22(原稿画像領域122から抽出された画像)と、複数処理の選択肢を示すメッセージ23(ガイダンスなど)とを表示し、(b)入力装置12で、その複数処理の選択肢からいずれか1つを選択するユーザー操作(例えばソフトキー24,25の押下操作)を検出し、検出したユーザー操作の示す選択肢に対応する処理を実行する。
【0032】
上述の選択肢は、例えば
図2に示すように、(a)上述の画像領域適正化処理を実行し、上述のようなおもて面画像と裏面画像との両面プリントを行う処理、並びに、(b)画像領域適正化処理を実行せずに、上述のようなおもて面画像と裏面画像との両面プリントを行う処理を含む。
【0033】
ここでは、さらに、上述の選択肢は、(c)画像読取装置2を使用してカード原稿のおもて面画像を含む第1読取画像とカード原稿の裏面画像を含む第2読取画像とを再取得する処理をさらに含むようにしてもよい。これにより、再取得された第1読取画像および第2読取画像からおもて面画像および裏面画像が抽出され、表示されているおもて面画像および裏面画像が更新される。
【0034】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
図4は、
図1に示す画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【0035】
ジョブ管理部31は、カード原稿101の両面コピーのジョブ要求を受け付けると、そのジョブの実行を開始する。まず、ジョブ管理部31は、ユーザーがカード原稿101を画像読取装置2のプラテングラス2aに載置した後に行う所定の操作を入力装置12で検出すると、画像読取装置2に画像読取を実行させ、第1読取画像を取得する(ステップS1)。
【0036】
次に、ジョブ管理部31は、ユーザーがカード原稿101を反転させて画像読取装置2のプラテングラス2aに載置した後に行う所定の操作を入力装置12で検出すると、画像読取装置2に画像読取を実行させ、第2読取画像を取得する(ステップS2)。
【0037】
第1および第2読取画像が取得されると、原稿検出処理部32は、上述の第1読取画像内のおもて面画像の原稿画像領域121と、上述の第2読取画像内の裏面画像の原稿画像領域122とを特定する(ステップS3,S4)。
【0038】
ジョブ管理部31は、特定された原稿画像領域121,122のサイズの差を導出し、その差が所定閾値を超えているか否かを判定する(ステップS5)。
【0039】
特定された原稿画像領域121,122のサイズの差が所定閾値を超えていないと判定した場合、ジョブ管理部31は、第1読取画像におけるその原稿画像領域121,122からおもて面画像111および裏面画像112をそれぞれ抽出し(ステップS6)、抽出したおもて面画像111および裏面画像112を上述のようにして両面プリントする(ステップS7)。
【0040】
一方、上述のサイズの差が所定閾値を超えていると判定した場合、ジョブ管理部31は、例えば
図2に示すようなガイダンスを表示装置11に表示し(ステップS8)、表示された処理の選択肢のいずれかを選択するユーザー操作が入力装置12で検出されると、そのユーザー操作に基づいて、原稿画像領域のサイズ適正化を行うか否かを判定する(ステップS9)。
【0041】
ジョブ管理部31は、原稿画像領域のサイズ適正化を許可するユーザー操作が行われた場合(例えば
図2におけるソフトキー25が押下された場合)、原稿画像領域のサイズ適正化を行うと判定し、原稿画像領域のサイズ適正化を拒否するユーザー操作が行われた場合(例えば
図2におけるソフトキー24が押下された場合)、原稿画像領域のサイズ適正化を行わないと判定する。
【0042】
原稿画像領域のサイズ適正化を行うと判定した場合、ジョブ管理部31は、2つの原稿画像領域121,122のうち、サイズの大きい原稿画像領域のサイズを共通画像領域サイズとし(ステップS10)、おもて面画像111および裏面画像112を両方とも共通画像領域サイズで抽出し(ステップS11)、抽出したおもて面画像111および裏面画像112を上述のようにして両面プリントする(ステップS7)。これにより、読取画像内でおもて面画像のサイズおよび裏面画像のサイズのいずれかが適切に検出されていなくても、おもて面画像および裏面画像が共通画像領域サイズで適切に抽出されるため、おもて面画像および裏面画像の一方が、その一部が欠けた状態でプリントされることがない。
【0043】
一方、原稿画像領域のサイズ適正化を行わないと判定した場合、ジョブ管理部31は、第1読取画像におけるその原稿画像領域121,122からおもて面画像111および裏面画像112をそれぞれ抽出し(ステップS6)、抽出したおもて面画像111および裏面画像112を上述のようにして両面プリントする(ステップS7)。
【0044】
以上のように、上記実施の形態によれば、ジョブ管理部31は、画像読取装置2を使用してカード原稿のおもて面画像を含む第1読取画像とカード原稿の裏面画像を含む第2読取画像とを取得し、プリント装置1を使用して第1読取画像内のおもて面画像および第2読取画像内の裏面画像をプリントシートの両面にそれぞれプリントすることで、カード原稿の両面コピーのジョブを実行する。原稿検出処理部32は、第1読取画像内のおもて面画像の原稿画像領域と、第2読取画像内の裏面画像の原稿画像領域とを特定する。そして、ジョブ管理部31は、おもて面画像の原稿画像領域のサイズと裏面画像の原稿画像領域のサイズとの差が所定閾値を超えている場合、(a)画像領域適正化処理として、(a1)おもて面画像の原稿画像領域および裏面画像の原稿画像領域のうちのサイズの大きいほうのサイズを共通画像領域サイズに選択し、(a2)第1読取画像から共通画像領域サイズでおもて面画像を抽出し、第2読取画像から共通画像領域サイズで裏面画像を抽出し、(b)プリント装置1を使用して、プリントシートのおもて面および裏面のそれぞれの所定の位置に、抽出したおもて面画像と抽出した裏面画像とを、互いに同一の変倍率でプリントする。
【0045】
これにより、カード原稿のおもて面および裏面のいずれか一方の原稿画像領域が適切に検出されなくても、両面コピーによって、カード原稿の複製物が適切に生成される。
【0046】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0047】
例えば、上述の実施の形態では、ユーザーがカード原稿101をプラテングラス2aに2回載置して2回の画像読取を行っているが(つまり、手動による両面画像読取を行っているが)、カード原稿を自動搬送可能な装置を画像読取装置2が備えている場合には、自動的にそのような両面画像読取を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、例えば、画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 プリント装置
2 画像読取装置
31 ジョブ管理部
32 原稿検出処理部