(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】回路構成体の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20231214BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20231214BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H05K3/34 505C
H05K1/18 S
B23K1/00 330E
(21)【出願番号】P 2020038394
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西塚 万規夫
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-103618(JP,A)
【文献】特開2001-168516(JP,A)
【文献】特開2011-060479(JP,A)
【文献】特開2018-206850(JP,A)
【文献】特開2014-212241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
H05K 1/18
B23K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ端子及び複数の第1電子部品の端子が半田付けされる複数の半田付け部を有する基板に、段差状に厚みの異なる複数の領域を有し、各前記領域に半田通し孔が貫通形成されたマスクを重ねるマスク工程と、
前記マスク上に配したペースト状の半田を前記半田通し孔に通して半田を基板上に転写する転写工程と、
前記基板に重ねられた前記マスクを前記基板から除去する除去工程と、
前記複数の半田付け部に前記コネクタ端子及び前記第1電子部品の前記端子を載せた状態で前記ペースト状の半田を加熱して半田付けする実装工程と、を行う回路構成体の製造方法であって、
前記複数の半田付け部は、前記第1電子部品の各前記端子が半田付けされる
第1半田付け部と、前記コネクタ端子が半田付けされる第4半田付け部と、を備え、前記第1半田付け部は、前記複数のコネクタ端子の並び方向に沿って並んで配されて
おり、前記転写工程では、前記第4半田付け部については、前記第1半田付け部と比較して、塗布される半田の厚み寸法が大きくされている、回路構成体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、回路構成体及び回路構成体の製造方法に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に電子部品の端子を半田付けする技術が知られている。特開2007-266110号公報(特許文献1)のプリント基板は、絶縁部材の表面の配線パターンのランドに、コネクタの端子がリフローはんだ付けされることにより、プリント基板にコネクタが実装されている。コネクタの複数の端子は、ハウジングから延出され、ハウジングの長手方向に沿って配列されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板に電子部品が実装されて構成される回路構成体では、基板上の電子部品の実装密度を高めて小型化することが求められている。ここで、基板に実装される電子部品をコネクタの近傍にも配置することができれば、基板上における電子部品の実装密度を高めることができるため、回路構成体の小型化が可能になると考えられる。一方、コネクタのコネクタ端子については、コネクタ端子特有の細長い形状であることによる半田付け不良を抑制するために、コネクタ端子については半田付けの際の半田の量を増やすことが好ましいと考えられる。しかしながら、コネクタ端子の半田の量を増やす場合には、コネクタ端子の近傍の電子部品に半田の影響が及ぶことによる半田付け不良が懸念される。
【0005】
本明細書に記載された技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電子部品の実装密度を高めつつ、半田付け不良を抑制することが可能な回路構成体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載された回路構成体は、導電路を有する基板と、複数のコネクタ端子と前記複数のコネクタ端子を並べた状態で保持するハウジングとを有し、前記複数のコネクタ端子が前記導電路に半田付けされるコネクタと、前記導電路に半田付けされる複数の端子を有する第1電子部品と、を備え、前記基板の導電路は、前記第1電子部品の各前記端子が半田付けされる複数の第1半田付け部を備え、前記複数の第1半田付け部は、前記複数のコネクタ端子の並び方向に沿って並んで配されている。
【0007】
本明細書に記載された回路構成体の製造方法は、コネクタ端子及び複数の第1電子部品の端子が半田付けされる複数の半田付け部を有する基板に、段差状に厚みの異なる複数の領域を有し、各前記領域に半田通し孔が貫通形成されたマスクを重ねるマスク工程と、前記マスク上に配したペースト状の半田を前記半田通し孔に通して半田を基板上に転写する転写工程と、前記基板に重ねられた前記マスクを前記基板から除去する除去工程と、前記複数の半田付け部に前記コネクタ端子及び前記第1電子部品の端子を載せた状態で前記ペースト状の半田を加熱し、前記コネクタ端子及び前記第1電子部品の端子を実装する実装工程と、を行う回路構成体の製造方法であって、前記複数の半田付け部は、前記第1電子部品の各前記端子が半田付けされるとともに、前記複数のコネクタ端子の並び方向に沿って並んで配されている。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に記載された技術によれば、回路構成体における電子部品の実装密度を高めつつ、半田付け不良を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】
図4は、基板にマスクが重ねられた状態を示す平面図である。
【
図6】
図6は、マスク上に配されたペースト状の半田をスキージで塗り潰す工程を説明する図である。
【
図7】
図7は、マスクの半田通し孔にペースト状の半田が充填された状態を示す断面図である。
【
図8】
図8は、マスクを取り外した状態の基板を示す断面図である。
【
図9】
図9は、
図2のB-Bの位置において、一対の第1半田付け部上にペースト状の半田が塗布された状態を示す断面図である。
【
図10】
図10は、
図9に対する比較例としての前後方向に並んだ一対の半田付け部上にペースト状の半田が塗布された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の回路構成体は、導電路を有する基板と、複数のコネクタ端子と前記複数のコネクタ端子を並べた状態で保持するハウジングとを有し、前記複数のコネクタ端子が前記導電路に半田付けされるコネクタと、前記導電路に半田付けされる複数の端子を有する第1電子部品と、を備え、前記基板の導電路は、前記複数のコネクタ端子の並び方向に沿って並んで配され、前記第1電子部品の各前記端子が半田付けされる複数の第1半田付け部を備える。
上記構成によれば、複数のコネクタ端子の並び方向に沿って並んで配された複数の第1半田付け部に対して第1電子部品の複数の端子を半田付けすることができるため、回路構成体における電子部品の実装密度を高めることができる。また、仮に、製造時において、コネクタ端子を半田付けする際のペースト状の半田が複数の第1半田付け部のペースト状の半田に積層されて第1半田付け部上のペースト状の半田の高さが高くなる場合であっても、複数の第1半田付け部が複数のコネクタ端子の並び方向に沿って並んで配されるため、複数の第1半田付け部のそれぞれにペースト状の半田が同程度積層されることにより、複数の第1半田付け部上のペースト状の半田の高さ(量)のばらつきを抑制することができる。これにより、電子部品の複数の端子に付着する半田の高さ(量)が異なることによる端子の浮き等の半田付け不良を抑制することができる。よって、電子部品の実装密度を高めつつ、半田付け不良を抑制することが可能になる。
【0011】
(2)本開示の回路構成体の製造方法は、コネクタ端子及び複数の第1電子部品の端子が半田付けされる複数の半田付け部を有する基板に、段差状に厚みの異なる複数の領域を有し、各前記領域に半田通し孔が貫通形成されたマスクを重ねるマスク工程と、前記マスク上に配したペースト状の半田を前記半田通し孔に通して半田を基板上に転写する転写工程と、前記基板に重ねられた前記マスクを前記基板から除去する除去工程と、前記複数の半田付け部に前記コネクタ端子及び前記第1電子部品の端子を載せた状態で前記ペースト状の半田を加熱して半田付けする実装工程と、を行う回路構成体の製造方法であって、前記複数の半田付け部は、前記第1電子部品の各前記端子が半田付けされるとともに、前記複数のコネクタ端子の並び方向に沿って並んで配されている。
【0012】
(3)前記導電路に半田付けされる複数の端子を有し、前記基板上の占有面積が前記第1電子部品よりも大きい第2電子部品を備え、前記基板の導電路は、前記第2電子部品の各前記端子が半田付けされる複数の第2半田付け部を備え、前記複数の第2半田付け部は、前記複数の第1半田付け部よりも前記コネクタから離れた位置に配されている。
このようにすれば、第2電子部品よりも専有面積が小さい第1電子部品をコネクタ側に配置することができるため、コネクタ側の空きスペースを有効に利用することができる。
【0013】
(4)前記ハウジングの側面に沿って並んで配される複数の第3半田付け部と、各前記第3半田付け部に半田付けされる複数の端子を有する第3電子部品と、を備える。
このようにすれば、コネクタ端子を半田付けする際のペースト状の半田が複数の第3半田付け部のペースト状の半田に積層されて第3半田付け部上のペースト状の半田の高さが高くなる場合であっても、複数の第3半田付け部のそれぞれにペースト状の半田が同程度積層されることにより、複数の第3半田付け部上のペースト状の半田の高さ(量)のばらつきを抑制することができる。
【0014】
(5)前記第1電子部品は、抵抗、コンデンサ及びバリスタのいずれか一つを含む。
(6)前記第1半田付け部は、前記基板の板面に設けられている。
このようにすれば、基板に対して第1電子部品が表面実装されるために端子の浮きが生じやすい構成において、端子の浮きを抑制することができる。
【0015】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0016】
<実施形態>
本実施形態について
図1~
図10を参照しつつ説明する。
本実施形態の回路構成体10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載することができる。回路構成体10は任意の向きで配置することができるが、以下では、
図1のX方向を左方、Y方向を前方、Z方向を上方として説明する。
【0017】
回路構成体10は、
図1に示すように、基板11と、基板11に表面実装されるコネクタ20と、基板11に表面実装される第1~第3電子部品31~33と、を備える。基板11は、
図2に示すように、絶縁板に銅箔等からなる導電路13がプリント配線技術により形成されたプリント基板が用いられている。この基板11は、前端部側に配されてコネクタ20が実装されるコネクタ実装領域12Aと、コネクタ実装領域12Aに対して所定寸法以上離れた主部品実装領域12Bと、コネクタ20の近傍において、コネクタ実装領域12Aの周りに配される副部品実装領域12Cと、を有する。
【0018】
主部品実装領域12Bは、基板11の後方側に配され、多数の第2電子部品32が実装される。副部品実装領域12Cは、基板11のうち、コネクタ実装領域12A(コネクタ20)の後方側、及び、側方側に隣接する領域に設けられ、複数の第1電子部品31及び複数の第3電子部品33が実装される。
【0019】
導電路13は、基板11の片面又は両面に設けられており、半田付けされるランド(パッド)としての複数の半田付け部14~17が形成されている。複数の半田付け部14~17は、基板11における電子部品31~33の実装面に設けられており、各半田付け部14~17は、例えば長方形状の領域とされる。複数の半田付け部14~17は、第1電子部品31の端子35が半田付けされる複数の第1半田付け部14と、第2電子部品32の端子35が半田付けされる複数の第2半田付け部15と、第3電子部品33の端子35が半田付けされる複数の第3半田付け部16と、コネクタ端子22が半田付けされる複数の第4半田付け部17と、を備える。
【0020】
複数の第1半田付け部14は、副部品実装領域12Cにおいてコネクタ20の背面に沿うように設けられており、本実施形態では、コネクタ20に対して一対の第1半田付け部14が左右両側に設けられている。複数の第2半田付け部15は、副部品実装領域12Cよりも広い主部品実装領域12Bに設けられている。複数の第3半田付け部16は、副部品実装領域12Cにおいてコネクタ20の側面に沿うように設けられている。複数の第4半田付け部17は、コネクタ実装領域12Aに設けられ、コネクタ端子22の位置に応じて左右方向に並んで設けられている。
【0021】
コネクタ20は、
図1に示すように、ハウジング21と、ハウジング21に固定される複数のコネクタ端子22とを備え、基板11の前端部に固定されている。ハウジング21は、合成樹脂製であって、フード状に開口するフード部と、フード部を閉鎖する奥壁部とを有し、奥壁部に貫通形成された圧入穴に複数のコネクタ端子22が圧入されて固定されている。複数のコネクタ端子22は、左右方向に並んで設けられており、共にクランク状に屈曲した形状でハウジング21の後方に延びている。各コネクタ端子22の後端側は、基板11の上面11A(板面)に沿って後方に延びている。各コネクタ端子22が対応する第4半田付け部17に半田付けされることにより、各コネクタ端子22が基板11の導電路13に電気的に接続される。ここで、コネクタ端子22については、電子部品31~33の端子35と比較して、細くて長いため、半田付けをした際に端子35が浮きやすい。そのため、第4半田付け部17については、他の半田付け部14~16と比較して、第4半田付け部17上に重ねられる半田Sの厚み寸法(塗布されるペースト状の半田SPの厚み寸法)が大きくされている。
【0022】
各第1電子部品31及び各第3電子部品33は、例えば、チップ抵抗、セラミックコンデンサ等の小さいコンデンサ、バリスタ等とされ、部品本体34(
図9参照)と部品本体34の外方に延びる端子35(
図9参照)とを有し、
図1に示すように、各電子部品31,33の基板11上における占有面積(基板11に投影される面積)が第2電子部品32よりも小さくなっている。各第2電子部品32は、FET(Field effect transistor)、コイル、大きいコンデンサ、マイコン等とされ、基板11上における占有面積(基板11の板面に対して垂直方向から投影される面積)が(第1電子部品31及び第3電子部品33よりも)大きくなっている。
【0023】
回路構成体10の製造方法について説明する。
まず、導電路13及び複数の半田付け部14~17が形成された基板11(
図2)を用意する。
(マスク工程)
次に、
図5に示すように、基板11に対してマスク40を重ねるマスク工程を行う。ここで、マスク40は、板状の金属製からなり、
図4,
図5に示すように、第4半田付け部17(及びコネクタ20)に対応する領域の厚み寸法が大きくされた厚肉部41と、厚肉部41の外側において、厚肉部41よりも厚み寸法が小さくされた薄肉部42とを有する。厚肉部41と薄肉部42との間は、段差状に高さ寸法が変わる段差部43とされている。マスク40には、各半田付け部14~17に対応する位置に、複数の半田通し孔41A,42A,42Bが貫通形成されている。複数の半田通し孔41A,42A,42Bは、薄肉部42を貫通する浅孔42A,42Bと、厚肉部41を貫通し、浅孔42A,42Bよりも深く貫通する深孔41Aとを有する。浅孔42A,42Bは、段差部43の近傍において段差部43に沿って配される第1浅孔42Aと、段差部43から離れた位置に配される第2浅孔42Bと、を有する。
【0024】
(転写工程)
次に、
図6に示すように、ペースト状の半田SPをマスク40上に重ねる。なお、
図6では、厚肉部41に半田SPが重ねられているが、薄肉部42についても半田SPが重ねられる。そして、円柱状のスキージ50を厚肉部41(基板11)上で回転させ、ペースト状の半田SPを押し潰しつつ移動(例えば
図6の矢印A1の方向に移動)する。これにより、厚肉部41については、半田通し孔41Aにペースト状の半田SPが充填される。なお、薄肉部42についても同様にスキージ50を薄肉部42(基板11)上で回転させることで半田通し孔42A,42Bに半田SPが充填される。半田SPが半田通し孔41A,42A,42Bに充填されることにより、
図7に示すように、基板11の各半田付け部14~17に半田SPが塗布される。ここで、スキージ50を回転させて半田SPを押し潰した際に、マスク40における薄肉部42と段差部43の間には、その立ち上がる形状により、ペースト状の半田SPが窪みに入り込みやすい(
図7のSP1)。そのため、段差部43の近傍の第1浅孔42Aに充填された半田SPの上方に半田SP2が重なり、半田付け部14上については、半田SPの高さがマスク40の上面40Aよりも高くなりやすい。
【0025】
(除去工程)
次に、基板11に重ねられたマスク40を基板11から除去する。マスク40(及び
図7のSP1)が除去されると(
図8)、基板11の半田付け部14~17の上に、ペースト状の半田SPが重ねられた状態で残される。
【0026】
(実装工程)
各半田付け部14~17に重ねられたペースト状の半田SPの上に、電子部品31~33の端子35を載置する。そして、例えば、基板11をリフロー炉に通して加熱することにより、ペースト状の半田SPが溶融状態となる。その後、半田Sが固化することにより、電子部品31~33の端子35やコネクタ端子22が対応する各半田付け部14~17に半田付けされた状態となる。これにより、回路構成体10(
図1)が形成される。
【0027】
ここで、例えば、
図10の比較例に示すように、コネクタ端子22の近傍において、一つの電子部品31~33の一対の端子35に半田付けされる一対の半田付け部P1,P2の並び方向が前後方向である場合には、この前後方向に並んだ半田付け部P1,P2に付着する半田SPの量に差異(
図10参照)が生じ、端子35の浮き等の半田付け不良の発生が懸念される。これに対して、本実施形態によれば、一つの電子部品31の一対の端子35に半田付けされる一対の半田付け部14,14の並び方向が左右方向(複数の端子35の並び方向に沿う方向)であるため、一対の半田付け部14,14に対して、ほぼ同じ量(高さ)のペースト状の半田SPが付着する(
図9)。これにより、一対の半田付け部14,14と一対の端子35とを接続する半田SPの量(高さ)をほぼ同じ量(高さ)とすることができるため、半田SPの量が異なることによる端子35の浮き等の半田付け不良の発生を抑制することができる。
そして、回路構成体10は、ケース60(
図1参照)に収容され、電気接続箱として車両に搭載される。
【0028】
本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏する。
上記実施形態によれば、複数のコネクタ端子22の並び方向に沿って並んで配された複数の第1半田付け部14に対して第1電子部品31の端子35を半田付けすることができるため、回路構成体10における電子部品31~33の実装密度を高めることができる。また、仮に、製造時において、コネクタ端子22を半田付けする際のペースト状の半田SPが複数の第1半田付け部14のペースト状の半田SPに積層されて第1半田付け部14上のペースト状の半田SPの高さが高くなる場合であっても、複数の第1半田付け部14が複数のコネクタ端子22の並び方向に沿って並んで配されるため、複数の第1半田付け部14のそれぞれにペースト状の半田SPが同程度積層されることにより、複数の第1半田付け部14上のペースト状の半田SPの高さ(量)のばらつきを抑制することができる。これにより、電子部品31~33の複数の端子35に付着する半田Sの高さ(量)が異なることによる端子35の浮き等の半田付け不良を抑制することができる。
【0029】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、コネクタ20、第1電子部品31及び第2電子部品32は、基板11に表面実装されるものとしたが、これに限られない。例えば、基板11にスルーホールを貫通形成し、コネクタ端子22や電子部品31~33の端子35をスルーホールに挿通して半田付けするようにしてもよい。
【0030】
(2)第3電子部品33を備える構成としたが、第3電子部品33を備えない構成としてもよい。
(3)一対の第1半田付け部14,14は、基板11上において前後方向に同じ位置に配されていたが、一対の第1半田付け部14,14に塗布される半田SPの量が大きく異ならない程度に前後方向に位置ずれしていてもよい。また、一対の第3半田付け部16,16についても同様に、基板11上において左右方向に同じ位置に配されていたが、一対の半田付け部16,16に塗布される半田SPの量が大きく異ならない程度に左右方向に位置ずれしていてもよい。
(4)第1~第3電子部品31~33の端子35は、電子部品の電極部を含めてもよい(端子は電極部としてもよい)。
【符号の説明】
【0031】
10: 回路構成体
11: 基板
12A: コネクタ実装領域
12B: 主部品実装領域
12C: 副部品実装領域
13: 導電路
14: 第1半田付け部
15: 第2半田付け部
16: 第3半田付け部
17: 第4半田付け部
20: コネクタ
21: ハウジング
22: コネクタ端子
31: 第1電子部品
32: 第2電子部品
33: 第3電子部品
34: 部品本体
35: 端子
40: マスク
40A: 上面
41: 厚肉部
41A: 深孔(半田通し孔)
42: 薄肉部
42A: 第1浅孔(半田通し孔)
42B: 第2浅孔(半田通し孔)
43: 段差部
50: スキージ
60: ケース
S: 半田
SP: ペースト状の半田