(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20231214BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20231214BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20231214BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20231214BHJP
H04M 1/73 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/0482
G06F21/31
H04M1/00 R
H04M1/73
(21)【出願番号】P 2020185598
(22)【出願日】2020-11-06
(62)【分割の表示】P 2019220793の分割
【原出願日】2013-02-28
【審査請求日】2020-11-06
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2012047248
(32)【優先日】2012-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】凌 晶
【合議体】
【審判長】山澤 宏
【審判官】岩間 直純
【審判官】野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0009896(US,A1)
【文献】特開2011-199637(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0269040(US,A1)
【文献】特開平8-313905(JP,A)
【文献】特開2001-171390(JP,A)
【文献】ゲイザー著,「iPhone 4S スーパーマニュアル」,第1版,秀和システム,2011年12月03日,p.215-216
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01-3/0489
G06F 21/31
H04M 1/00
H04M 1/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
複数のアプリケーションプログラムがそれぞれ関連付けられた複数の指標を表示する表示部と、
前記表示
部への接触を検出するタッチパネルと
、
前記情報処理装置に第1の複数の処理又は第2の複数の処理を実行させる少なくとも1つの制御部と、
を備え、
前記第1の複数の処理は、
前記情報処理装置が
ロック状態にあるときに、第1のユーザ操作を受け付けたことに応じて、第1のアプリケーションプログラムに関連付けられた第1の指標を徐々
に表示し
、
前記第1の指標への接触を検出したことに応じて、前記第1のアプリケーションプログラムを実行する、ことを含み、
前記第2の複数の処理は、
前記情報処理装置が
ロック状態にあるときに、第2のユーザ操作を受け付けたことに応じて、ロック解除用情報を受け付けるためのインターフェースを表示し、
前記情報処理装置が前記ロック解除用情報を受け付けたことに応じて、第2のアプリケーションプログラムに関連付けられた第2の指標を表示し
、
前記第2の指標への接触を検出したことに応じて、前記第2のアプリケーションプログラムを実行する、ことを含み
、
前記第1のアプリケーションプログラムと前記第2のアプリケーションプログラムは、同一のプログラムであ
り、
前記第1の指標が表示される際の背景画像は、前記第2の指標が表示される際の背景画像とは異なり、
前記第1の指標が表示される際の背景画像は、前記ロック解除用情報を受け付けるための前記インターフェースが表示される際の背景画像とも異なり、
前記情報処理装置が前記第1のユーザ操作を受け付けたことに応じて表示する指標は、ユーザにより設定可能である、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記インターフェースは、前記ロック解除用情報を受け付けるウィンドウを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ロック解除用情報はパスワードを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1のユーザ操作は、前記タッチパネルへのスライド操作を含む
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2のユーザ操作を受け付けるハードキーを更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の指標の外観は、前記第2の指標の外観と異なる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の指標を表示した後、第1の時間内に前記第1の指標への接触が検出されない場合、前記表示部に何も表示されない状態に遷移する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数のアプリケーションプログラムがそれぞれ関連付けられた複数の指標を表示する表示部と、前記表示部への接触を検出するタッチパネルと、を備える情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、前記情報処理装置が第1の複数の処理又は第2の複数の処理を実行することを含み、
前記第1の複数の処理は、
前記情報処理装置がロック状態にあるときに、第1のユーザ操作を受け付けたことに応じて、第1のアプリケーションプログラムに関連付けられた第1の指標を徐々に表示し、
前記第1の指標への接触を検出したことに応じて、前記第1のアプリケーションプログラムを実行する、ことを含み、
前記第2の複数の処理は、
前記情報処理装置がロック状態にあるときに、第2のユーザ操作を受け付けたことに応じて、ロック解除用情報を受け付けるためのインターフェースを表示し、
前記情報処理装置が前記ロック解除用情報を受け付けたことに応じて、第2のアプリケーションプログラムに関連付けられた第2の指標を表示し、
前記第2の指標への接触を検出したことに応じて、前記第2のアプリケーションプログラムを実行する、ことを含み、
前記第1のアプリケーションプログラムと前記第2のアプリケーションプログラムは、同一のプログラムであり、
前記第1の指標が表示される際の背景画像は、前記第2の指標が表示される際の背景画像とは異なり、
前記第1の指標が表示される際の背景画像は、前記ロック解除用情報を受け付けるための前記インターフェースが表示される際の背景画像とも異なり、
前記情報処理装置が前記第1のユーザ操作を受け付けたことに応じて表示する指標は、ユーザにより設定可能である、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
前記第1の指標の外観は、前記第2の指標の外観と異なる
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記第1の指標を表示した後、第1の時間内に前記第1の指標への接触が検出されない場合、前記表示部に何も表示されない状態に遷移する
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
複数のアプリケーションプログラムがそれぞれ関連付けられた複数の指標を表示する表示部と、前記表示部への接触を検出するタッチパネルと、を備える情報処理装置に情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、前記情報処理装置が第1の複数の処理又は第2の複数の処理を実行することを含み、
前記第1の複数の処理は、
前記情報処理装置がロック状態にあるときに、第1のユーザ操作を受け付けたことに応じて、第1のアプリケーションプログラムに関連付けられた第1の指標を徐々に表示し、
前記第1の指標への接触を検出したことに応じて、前記第1のアプリケーションプログラムを実行する、ことを含み、
前記第2の複数の処理は、
前記情報処理装置がロック状態にあるときに、第2のユーザ操作を受け付けたことに応じて、ロック解除用情報を受け付けるためのインターフェースを表示し、
前記情報処理装置が前記ロック解除用情報を受け付けたことに応じて、第2のアプリケーションプログラムに関連付けられた第2の指標を表示し、
前記第2の指標への接触を検出したことに応じて、前記第2のアプリケーションプログラムを実行する、ことを含み、
前記第1のアプリケーションプログラムと前記第2のアプリケーションプログラムは、同一のプログラムであり、
前記第1の指標が表示される際の背景画像は、前記第2の指標が表示される際の背景画像とは異なり、
前記第1の指標が表示される際の背景画像は、前記ロック解除用情報を受け付けるための前記インターフェースが表示される際の背景画像とも異なり、
前記情報処理装置が前記第1のユーザ操作を受け付けたことに応じて表示する指標は、ユーザにより設定可能である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
前記第1の指標の外観は、前記第2の指標の外観と異なる
ことを特徴とする請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第1の指標を表示した後、第1の時間内に前記第1の指標への接触が検出されない場合、前記表示部に何も表示されない状態に遷移する
ことを特徴とする請求項11又は12に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末のなかには、一定期間操作が行われないと、消費電力の少ないスリープモードに入るものがある。スリープモードにある携帯端末を使用するためには、スリープモードを解除し、機能選択用のメニューを表示させ、メニューから、所望の機能(アプリケーション)を選択して起動するという操作が必要である。このため、より簡単な操作で、機能を使用したいという要望がある。
また、ロックモードを備える携帯端末が特許文献1に記載されている。ユーザは、ロックモードを解除しなければ、携帯端末を使用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮に、スリープモードとロックモードを共に備える携帯端末を使用する場合には、携帯端末を使用するために、以下の操作が必要になると予想される。(1)スリープモードを解除し、ロック解除用画面を表示させる操作、(2)ロック解除用画面においてロックを解除する操作、(3)アプリケーション選択用のメニューを表示させる操作、(4)メニューから、所望のアプリケーションを選択して起動する操作。しかしながら、上記のような一連の操作を行うことは、ユーザにとっては煩雑である。また、アプリケーションプログラムを実行する度に、上記のような一連の操作を行うと、消費電力が大きくなる。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するもので、機能を簡単に使用することが可能な情報処理装置、処理方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る情報処理装置は、
複数のアプリケーションプログラムがそれぞれ関連付けられた複数の指標を表示する表示部と、
前記表示部への接触を検出するタッチパネルと、
前記情報処理装置に第1の複数の処理又は第2の複数の処理を実行させる少なくとも1つの制御部と、
を備え、
前記第1の複数の処理は、
前記情報処理装置がロック状態にあるときに、第1のユーザ操作を受け付けたことに応じて、第1のアプリケーションプログラムに関連付けられた第1の指標を徐々に表示し、
前記第1の指標への接触を検出したことに応じて、前記第1のアプリケーションプログラムを実行する、ことを含み、
前記第2の複数の処理は、
前記情報処理装置がロック状態にあるときに、第2のユーザ操作を受け付けたことに応じて、ロック解除用情報を受け付けるためのインターフェースを表示し、
前記情報処理装置が前記ロック解除用情報を受け付けたことに応じて、第2のアプリケーションプログラムに関連付けられた第2の指標を表示し、
前記第2の指標への接触を検出したことに応じて、前記第2のアプリケーションプログラムを実行する、ことを含み、
前記第1のアプリケーションプログラムと前記第2のアプリケーションプログラムは、同一のプログラムであり、
前記第1の指標が表示される際の背景画像は、前記第2の指標が表示される際の背景画像とは異なり、
前記第1の指標が表示される際の背景画像は、前記ロック解除用情報を受け付けるための前記インターフェースが表示される際の背景画像とも異なり、
前記情報処理装置が前記第1のユーザ操作を受け付けたことに応じて表示する指標は、ユーザにより設定可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易に機能を使用することが可能な情報処理装置、処理方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願発明の実施形態に係る携帯型通信装置のハードウエア構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る携帯型通信装置の外観を示す図である。
【
図3】実施形態に係る携帯型通信装置の機能構成を示す図である。
【
図4】実施形態に係る携帯型通信装置のスリープモード時の画面の状態を説明するための図である。
【
図5】実施形態に係る携帯型通信装置の簡単メニューの表示例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る携帯型通信装置の簡単メニューの他の表示例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る携帯型通信装置のロック解除用画面の表示例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る携帯型通信装置が行う処理を説明するためのフローチャートである。
【
図9】実施形態に係る携帯型通信装置のモード遷移の一例を示す図である。
【
図11A】(a)~(c)は、実施形態に係る携帯型通信装置の操作例を示す図である。
【
図11B】(a)~(e)は、実施形態に係る携帯型通信装置の操作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る情報処理装置と処理方法を、携帯型通信装置を例に説明する。
【0010】
(1.携帯型通信装置のハードウエア構成)
まず、本実施形態に係る携帯型型通信装置1のハードウエア構成について説明する。携帯型通信装置1は、
図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)10と、不揮発性記憶部11と、RAM(Random Access Memory)12、無線通信部13と、画像処理部14と、音声処理部15と、ディスプレイ16と、操作部17と、タッチパネル18と、カメラ19と、スピーカ20と、マイク21と、イルミネーション部22と、クロック供給部23と、電源供給部24と、を備える。
【0011】
CPU10は、不揮発性記憶部11、RAM12に記憶されたアプリケーションプログラムを実行することにより、電話通話機能を含む種々の機能を実現する。また、CPU10は、携帯型通信装置1の動作モードを、通常モード、スリープモード、遷移モード等に設定する動作を行う。また、CPU10は、計時を行うタイマ10Tを備える。
【0012】
不揮発性記憶部11は、ROM(Read Only Memory)と書き換え可能な不揮発性メモリとを備える。ROMは、携帯型通信装置1全体の制御に必要なオペレーティングシステムや各種の固定データを記憶する。また、書き換え可能な不揮発性メモリは、フラッシュメモリ等から構成され、アプリケーションプログラム、例えば、ユーザがダウンロードしたアプリケーションプログラム等を記憶する。
【0013】
RAM12は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、CPU10が各種処理を実行する際のワークエリアとして機能する。
【0014】
無線通信部13は、基地局との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介してデータを送受信する。なお、無線通信部13は、無線LAN通信機能を有してもよい。この場合、無線通信部13は、アクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行う。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが付与されている。
【0015】
画像処理部14は、不揮発性記憶部11から読み出されたデータ、カメラ19により撮影された画像のデータ、又は、CPU10が処理したデータを加工し、RAM12に格納する。
【0016】
音声処理部15は、不揮発性記憶部11から読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、このアナログ音声信号を増幅して、スピーカ20や、携帯型通信装置1に接続されるヘッドフォンから出力させる。また、音声処理部15は、マイク21に入力された音声を、デジタル音声信号に変換し、RAM12に格納する。
【0017】
ディスプレイ16は、LCD(Liquid Crystal Display)161、バックライト162、ディスプレイコントローラ、等を備え、CPU10の制御に従って、画像を表示する。ディスプレイ16は、
図2に例示するように、筐体の一主面に配置され、種々の画像を表示する。
【0018】
図1に示す操作部17は、携帯型通信装置1の筐体に配置されたボタン等から構成され、ユーザの操作に従って、指示入力を受け付ける。操作部17は、
図2に例示するように、複数の操作キー17a、17b、17c、ディスプレイ16に表示されるソフトウェアキーボード31を含む。また、操作部17は図示しない電源ボタンも含む。
【0019】
図1に示すタッチパネル18は、ディスプレイ16の前面に重畳して配置され、ユーザの指又はタッチペンの接触による入力を受け付ける。
【0020】
カメラ19は、ユーザの指示に従い空間等を撮影し、撮影した映像を電気信号に変換する。カメラ19は、例えば、CMOS(Complimentary MOS)センサ等から構成される。
【0021】
スピーカ20は、音声処理部15にて増幅された音声信号に従って、音声を出力する。スピーカ20は、
図2に例示するように、筐体の上方に配置されている。
【0022】
図1に示すマイク21は、ユーザの声等のアナログ音声信号を受け付け、受け付けたアナログ音声信号は音声処理部15で処理される。マイク21は、
図2に例示するように、筐体の下方に配置されている。
【0023】
図1に示すイルミネーション部22は、例えば、1色又は複数色の光を発光する1又は複数のLED(Light Emitting Diode)から構成される。イルミネーション部22は、携帯型通信装置1において通話や種々の操作が行われている間、任意の色で発光する。LEDの配置位置及び数は任意である。
図2では、操作キー17bに配置されている。
【0024】
クロック供給部23は、発振回路を備え、各構成要素に対して、動作クロック信号を供給する。クロック供給部23は、CPU10の制御に従って、供給する動作クロックの周波数を切り替える。
【0025】
電源供給部24は、上述のCPU10~クロック供給部23に動作用電力を供給する。電源供給部24は、CPU10の制御に従って、電力の供給・停止、電圧等を制御する。
【0026】
(2.携帯型通信装置1の機能構成)
上記物理的構成を有する携帯型通信装置1は、機能的には、
図3に示すように、受付部101と、設定部102と、表示部103と、起動部104と、発光部105と、を備える。なお、携帯型通信装置1は、通話機能、カメラ機能等も備えるが、
図3では、特徴的な部分を主に示し、他を図示していない。
【0027】
受付部101は、ユーザの操作を受け付ける。例えば、
図2の状態において、ユーザがソフトウェアキーボード31にタッチすると、受付部101は、当該タッチを受け付ける。また、受付部101は、電源ボタン、操作キー17a~17cの押圧を受け付ける。受付部101は、CPU10、操作部17、及びタッチパネル18等から構成される。
【0028】
設定部102は、携帯型通信装置1の動作モードを設定する。携帯型通信装置1は、動作モードとして、通常モード、スリープモード、遷移モードを少なくとも備える。
【0029】
ここで、スリープモードとは、通話時やアプリケーションプログラム等を実行可能な動作モード(通常モード)よりも電力消費が低い状態であり、省電力モード、バックアップモード、休止モード等、表現は任意である。スリープモードにおいては、電源供給部24は、不揮発性記憶部11,画像処理部14,音声処理部15,ディスプレイ16(LCD161、バックライト162、ディスプレイコントローラ)、カメラ19、への電力の供給を停止する。また、電源供給部24は、CPU10に供給する電力の電圧を通常モード時の電圧よりも低下する。また、クロック供給部23は、スリープモードでCPU10に供給する動作クロックの周波数を、通常モードでCPU10に供給する動作クロックの周波数よりも低くする。従って、スリープモードは、一般的には、ディスプレイ16へ電力が供給されず、何も画面に表示されない状態であり、アプリケーションプログラムの実行もできない状態である。
【0030】
また、遷移モードは、スリープモードのうち省電力の程度の低いモードである。遷移モードでは、電源供給部24は、不揮発性記憶部11、画像処理部14、音声処理部15、ディスプレイ16(LCD161、バックライト162、ディスプレイコントローラ)、カメラ19、への電力の供給を停止した状態を維持する。一方、電源供給部24は、ディスプレイ16を構成するLCD161とディスプレイコントローラとに通常の動作電力を供給し、バックライト162には、通常より小さい電力を供給する。また、電源供給部24は、CPU10に通常モードと同様の電圧を供給する。また、クロック供給部23は、遷移モードでは、動作クロックの周波数を通常モードと同一の周波数とする。
【0031】
また、設定部102は、ロックを設定することができる。設定部102がロックを設定すると、受付部101は、後述する第1の操作と第2の操作を除いて、操作を受け付けない。
【0032】
設定部102は、CPU10とクロック供給部23と電源供給部24との協働により実現される。
【0033】
表示部103は、様々な画像を表示する。
【0034】
通常モードでは、表示部103は、
図2に例示するように、操作と処理とに応じた画面を表示する。また、表示部103は、通常モードにおいて、
図11B(d)に示すように複数の指標45を含む通常メニューを表示する。
【0035】
ここで、指標とは、携帯型通信装置1が実行可能なアプリケーションプログラム(機能)と予め対応付けられている指標(アイコン、ボタン等)である。
【0036】
一方、スリープモードでは、LCD161とバックライト162への電力の供給が停止されているので、
図4に示すように、画像は表示されない。
【0037】
一方、遷移モードでは、表示部103は、携帯型通信装置1が実行可能なアプリケーションプログラムのうちの予め選定された、少なくとも1個(本実施形態では3つ)のアプリケーションプログラム(機能)と、予め対応付けられている指標を少なくとも1つ含む簡単メニューを画面に表示する。ただし、バックライト162が通常モード時よりも暗いため、表示画像も通常モード時よりも暗い。
【0038】
なお、指標は、携帯型通信装置1において実行可能なアプリケーションプログラムが実現する複数の機能のうちの選定された一部の機能と予め対応付けられている指標(アイコン、ボタン)でもよい。
【0039】
ここで、予め選択された少なくとも1つの機能は、例えば、比較的多用される、音楽再生録音ソフトの再生機能、メールソフトの新着メール表示機能、又は、時刻表示機能等である。
【0040】
遷移モードにおいて表示部103が表示する簡単メニューに含まれる指標に対応付けられるアプリケーションプログラム又はアプリケーションプログラムの機能を、ユーザが適宜設定できるようにしてもよい。この際、簡単メニューに含まれる指標に対応付けることが可能なアプリケーションプログラム又はアプリケーションプログラムの一部の機能を、操作数が少ないアプリケーションプログラム又はアプリケーションプログラムの機能や、電力消費が少ないアプリケーションプログラム又はアプリケーションプログラムの機能に限定してもよい。具体的には、受付部101が、簡単メニューに含まれる指標に対応付けられるアプリケーションプログラム又はアプリケーションプログラムの機能を指定する操作を受け付ける。
【0041】
図10に示す管理テーブルは、通常メニュー及び簡単メニューに含まれる指標に対応付けられているアプリケーションプログラムを管理する。携帯型通信装置1が実行可能なN個のアプリケーションプログラムは、各アプリケーションプログラムを識別するためのアプリIDを割り当てられている。さらに、管理テーブルには、各アプリケーションプログラム又はそのアプリケーションプログラムが実現する機能のうちの一部の機能を示す指標のIDが登録されている。遷移モードにおいて表示される簡単メニューから選択可能なアプリケーションプログラム又は機能には、管理テーブルの簡単メニューの欄に「〇」が表示される。簡単メニューから選択できないアプリケーションプログラム又は機能の、簡単メニューの欄には「-」が表示される。
【0042】
表示部103は、簡単メニュー中の指標を画面に表示する際、指標の背景を、通常モードの画面に比べ暗く表示する。例えば、
図5に示すように、表示部103は、ディスプレイ16の指標41、42、43の背景の領域を、
図2の画面よりも暗く表示する。
【0043】
また、表示部103は、簡単メニュー中の指標を、通常モードで指標(メニュー)を表示するときの明るさ(明度、輝度、又は照度)より暗く表示する。
【0044】
また、表示部103は、簡単メニュー中の指標の背景を表示する明るさを、時間の経過に従い明るくしてもよい。例えば、
図5の指標41、42、43は、
図11B(d)に示す通常モードの画面で表示された通常メニュー中の指標45に比べて暗く表示されている。表示部103は、時間の経過に従い、指標41、42、43を表示する明るさを、時間の経過に従い明るくし、やがて、指標41、42、43を、
図6に示すように通常モードで表示される通常メニュー中の指標45と同等の明るさで表示する。
【0045】
表示部103は、CPU10と、画像処理部14、ディスプレイ16、及び電源供給部24との協働により実現する。
【0046】
ここで、受付部101が受け付ける操作と、設定部102が設定する動作モードと、表示部103が表示する画面との関係を説明する。
【0047】
携帯型通信装置1は、動作状態として、
図9に示す、動作モードが通常モードに設定された状態M1、スリープモードに設定されかつロックが設定された状態M2、遷移モードに設定された状態M3を少なくとも有する。
【0048】
設定部102は、受付部101が、第1の時間操作を受け付けない場合、動作モードを通常モードからスリープモードに設定する。なお、第1の時間とは、例えば、3分である。第1の時間は、ユーザの操作で変更可能である。
【0049】
設定部102は、携帯型通信装置1の動作モードをスリープモードに設定する際、ロックを設定する。ロックが設定されると、受付部101が、第1の操作及び第2の操作を除いて、操作を受け付けなくなる。
【0050】
ここで、第1の操作は、例えば、ユーザが指等で、ディスプレイ16に対して行うスライド操作又はジェスチャ操作のような、画面に所定の軌跡を示す操作である。なお、ここでいう「ジェスチャ操作」とは、指の移動距離や移動速度、移動軌跡、ダブルタップ等、指やタッチペン等が行う様々な動きであって、予め操作の意味付けが行われているものである。
【0051】
あるいは、第1の操作は、例えば、
図4に示すディスプレイ16のある位置32を所定の時間(例えば、3秒)押圧する操作のような、画面の所定の位置で所定の時間行われる操作でもよい。
【0052】
あるいは、第1の操作は、例えば、
図4に示すディスプレイ16のある領域33に接触する操作のような、画面の所定の領域に対して行われる操作でもよい。
【0053】
なお、第1の操作は、これらいずれかに限定してもよいし、これら全てを第1の操作としてもよい。
【0054】
設定部102は、スリープモードかつロックが設定された状態で、受付部101が、第1の操作(例えば、スライド操作)を受け付けた場合、動作モードを遷移モードに設定する。
【0055】
表示部103は、設定部102が、動作モードを遷移モードに設定すると、
図5に示すように、所定のアプリケーションプログラム(又は特定の機能)を示す指標41、42、43を含む簡単メニューをディスプレイ16に表示する。
【0056】
表示部103は、少なくとも1つの指標を含む簡単メニューを表示してから、受付部101が指標を指定する操作を受け付けることなく第2の時間が経過した場合、指標(簡単メニュー)の表示をやめる。
【0057】
例えば、表示部103は、指標41、42、43を含む簡単メニューを
図5に示すように表示してから、受付部101が指標を指定する操作を受け付けることなく第2の時間である1分が経過した場合、指標41、42、43の表示をやめ、ディスプレイ16は、
図4に示す画面に何も表示されない状態になる。
【0058】
一方、第2の操作は、例えば、操作キー17aを所定の時間押圧する操作である。
【0059】
表示部103は、スリープモードかつロックが設定された状態で、受付部103が第2の操作を受け付けた場合、ロックを解除するためのロック解除用画面を表示する。
【0060】
例えば、表示部103は、スリープモードかつロックが設定された状態で、ユーザが
図11B(a)に示すように操作キー17aを所定の時間(例えば、3秒)押圧した場合、
図7及び
図11B(b)に示すロック画像44を含むロック解除用画面を表示する。
【0061】
設定部102は、表示部103がロック解除用画面を表示してから受付部101が第1の操作を受け付けると、ロックを解除し、携帯型通信装置1の動作モードを遷移モードに設定する。表示部103は、設定部102がロックを解除し携帯型通信装置1の動作モードを遷移モードに設定すると、アプリケーションプログラムと予め対応付けられている指標を少なくとも1つ含む簡単メニューを画面に表示する。
【0062】
例えば、設定部102は、
図7で、ユーザがロック画像44において第1の操作である指をスライドさせる操作を行うと、ロックを解除し、携帯型通信装置1の動作モードを遷移モードに設定する。表示部103は、設定部102によってロックが解除され、携帯型通信装置1の動作モードが遷移モードに設定されると、
図5に示すように指標41、42、43を含む簡単メニューを表示する。
【0063】
ロック解除用画面が表示されてからロックを解除するために行われる第1の操作は、指標を表示するための第1の操作と同じであればよく、上記の例に限らない。例えば、ディスプレイ16のロック画像44以外の領域33におけるジェスチャ操作であってもよい。
【0064】
設定部102は、遷移モードにおいて、設定部101が第3の操作を受け付けると、動作モードを通常モードに設定する。そして、表示部103は、アプリケーションプログラムに対応付けられた指標をメニュー表示する。第3の操作は、例えば、操作キー17cの押圧である。例えば、
図11B(c)に示す簡単メニューが表示された状態で、第3の操作である操作キー17cの押圧が受け付けられると、動作モードが通常モードに設定され、
図11B(d)に示す指標45を含む通常メニューが表示される。
【0065】
起動部104は、受付部101が、指標を指定する操作を受け付けると、指定された指標に予め対応付けられているアプリケーションプログラムを起動する。
【0066】
例えば、
図11A(b)に示すように指標42を指定する操作として、ユーザの指が指標42に接触すると、起動部104は、指標42に予め対応付けられたアプリケーションプログラム(例えば、電卓ソフト)を起動する。
【0067】
図2に示す起動部104は、CPU10により実現する。
【0068】
発光部105は、通常モードで受付部101が操作を受け付けると、発光する。発光部105は、遷移モードで受付部101が操作を受け付けると、通常モードで操作を受け付けた場合よりも暗い光を発する。
【0069】
例えば、イルミネーション部22は、通常モードで受付部101が操作を受け付けると、
図2に示すように、発光する。イルミネーション部22は、通常モードからスリープモードに移行すると、
図4に示すように、消灯する。イルミネーション部22は、遷移モードで受付部101が操作を受け付けると、
図5に示すように、
図2の状態よりも暗い光を発する。
【0070】
発光部105は、CPU10及びイルミネーション部22の協働により実現する。イルミネーション部22は、CPU10の制御に従って、発光を制御する。
【0071】
(3.携帯型通信装置1の動作)
以下、携帯型通信装置1の動作について
図8を用いて説明する。尚、以下の説明においては携帯型通信装置1の特徴的な動作を主として説明する。詳細な説明は省略するものの、携帯型通信装置1は通常の携帯端末と同様に通話、撮影、音楽再生等種々の機能を実行可能である。
【0072】
携帯型通信装置1は、電源が投入されると、動作モードが通常モードに設定され、
図8のフローチャートに示す処理を開始する。
【0073】
設定部102は、タイマ10Tにより、受付部101が、第1の時間(例えば、3分間)、操作を受け付けていないかを判別する(ステップS101)。設定部102は、受付部101が、第1の時間、操作を受け付けていないと判別すると(ステップS101;Yes)、携帯型通信装置1の動作モードをスリープモードに設定し、例えば、電源供給部24を制御して、ディスプレイ16への電力の供給を停止する。さらに、同時にロックを設定する(ステップS102)。ロックが設定されると、上述したとおり、第1の操作と第2の操作を除いて、受付部101が受け付けた操作が無効にされる。
設定部102は、受付部101が、第1の時間が経過する前に操作を受け付けたと判別した場合、又は、受付部101が操作を受け付けていないものの、最後に受付部101が操作を受け付けてからまだ第1の時間が経過していないと判別した場合(ステップS101;No)、ステップS101を繰り返す。
【0074】
動作モードがスリープモードに設定されロックが設定された状態で、表示部103は、受付部101が第1の操作であるスライド操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS103)。表示部103は、受付部101が第1の操作を受け付けたと判別すると(ステップS103;Yes)、
図10に示す管理テーブルを参照し、簡易メニューに含める指標41,42,43を特定し、
図5に示すように、これらを表示する(ステップS104)。
【0075】
次に、発光部105は、通常モードにおいて受付部101が操作を受け付けた場合の発光よりも暗く発光する(ステップS105)。例えば、発光部105は、イルミネーション部22を構成する1又は複数のLEDを、定格よりも暗く発光させる(ステップS105)。
図5では、イルミネーション部22にドットを付すことにより、イルミネーション部22が、
図2に例示した通常モードで操作を受け付けたときのイルミネーション部22よりも暗く発光していることを示している。
【0076】
続いて、受付部101は、何らかの操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS106)。受付部101が、操作を受け付け、それが指標41~43の何れかを指定する操作であると(ステップS106;Yes)、設定部102は、動作モードを通常モードに設定し、起動部104は指定された指標に予め対応付けられたアプリケーションプログラム又は機能を起動する(ステップS107)。アプリケーションプログラムの起動後、処理はステップS101に戻り、次の入力操作を待機する。
また、受付部101が、受け付けた操作が第3の操作(操作キー17cの操作)であると判別すると(ステップS106;Yes)、設定部102は動作モードを通常モードに設定し、起動部104は、
図10に示す管理テーブルを参照して多数の指標を含む通常メニューを表示する。その後、処理はステップS101に戻り、次の入力操作を待機する。以後は、通常メニューの操作に応じた処理が実行される。
一方、ステップS106で、受付部101が指標を指定する操作を受け付けていないと起動部104が判別した場合(ステップS106;No)、設定部102は、第2の時間が経過したか否かを判別する(ステップS108)。
【0077】
設定部102が、ステップS104で指標を表示してから第2の時間が経過したと判別した場合(ステップS108;Yes)、処理はステップS102に戻り、設定部102は、再度、スリープモードを設定し、また、ロックを設定する。従って、例えば、ディスプレイ16は、
図5の表示状態から
図4の非表示状態に変化し、受付部101は、第1の操作と第2の操作を除いて受け付けられた操作を無効にする状態になる。設定部102が、指標を表示してから第2の時間が経過していないと判別した場合(ステップS108;No)、処理はS106に戻る。
【0078】
一方、ステップS103において、表示部103は、動作モードがスリープモードに設定され、かつ、ロックが設定された状態で、受付部101が第1の操作を受け付けていないと判別すると(ステップS103;No)、受付部101が第2の操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS109)。
【0079】
表示部103は、受付部101が第2の操作を受け付けたと判別すると(ステップS109;Yes)、ロック解除用画面を表示する(ステップS110)。例えば、表示部103は、受付部101が第2の操作である操作キー17aを押圧する操作を受け付けたと判別すると(ステップS109;Yes)、
図7に示すロック画像44を含むロック解除用画面を表示する。表示部103が、受付部101が第2の操作を受け付けていないと判別すると(ステップS109;No)、処理はステップS103に戻る。
【0080】
設定部102は、受付部101が、ロック解除用画面が表示されてから第1の操作を受け付けたか否かを判別する(ステップS111)。設定部102が、受付部101が第1の操作を受け付けたと判別すると(ステップS111;Yes)、設定部102はロックを解除し、表示部103はロック解除用画面を非表示にする(ステップS112)。なお、ロックの解除にパスワードの入力などを条件としてもよい。
続いて、処理は、ステップS104に進み、指標41、42、43を表示する(ステップS104)。
【0081】
なお、ロック解除用画面が表示されてから所定の時間第1の操作を受け付けない場合、ロック解除用画面を非表示にして、ステップS103に戻るようにしてもよい。
【0082】
次に、以上の動作を具体例に基づいて説明する。
例えば、
図11A(a)に示すように、携帯型通信装置1がスリープ状態にあるとする。この携帯型通信装置1の画面16をスライド操作すると、ステップS103でこれが検出される(ステップS103;Yes)。すると、
図11A(b)に示すように、簡単メニュー(指標41~43)が表示される(ステップS104)。指標41~43は、徐々に明るく表示される。また、イルミネーション22が暗く発光する(ステップS105)。
【0083】
ここで、
図11A(b)に示すように、ユーザが指標42を指定(選択)すると、ステップS106で検出され、
図11A(c)に示すように、対応するアプリケーションプログラム又はその一部の機能が起動される(ステップS107)。
【0084】
また、
図11B(a)に示すように、スリープ状態にある携帯型通信装置1の操作キー17aが操作されたとする。この操作(第2の操作)は、ステップS109で検出される(ステップS109;Yes)。すると、
図11B(b)に示すように、ロック解除用画面が表示される(ステップS110)。ここで、スライド操作(第1の操作)を実行すると、ステップS111でYesと判別され、
図11B(c)に示すように、ステップS104で、簡単メニュー(指標41~43)が表示される(ステップS104)。指標41~43は、徐々に明るく表示される。また、イルミネーション22が暗く発光する(ステップS105)。
【0085】
ここで、
図11B(c)に示すように、ユーザが操作キー17cを押したとする。この操作は、ステップS106で検出され、動作モードが通常モードに設定され、
図11B(d)に示すように、通常メニューが表示される(ステップS107)。ここで、通常メニュー上のいずれかの指標が指示されると、
図11B(e)に示すように、対応するアプリケーションプログラム又はその一部の機能が起動される(ステップS107)。
【0086】
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯型通信装置1の動作モードがスリープモードに設定されている場合、第1の特定の操作を行うことにより、特定のアプリケーションプログラム又は特定の機能を起動するための指標(メニュー)が表示される。従って、スリープモードに携帯型通信装置1を使用して、アプリケーションプログラムを簡易な操作で実行させることができる。
【0087】
また、指標が表示されてから、第2の時間、指標を指定する操作を受け付けない場合、指標を画面から消去することにより、電力消費を抑制することができる。なお、第2の時間は、動作モードがスリープモードに設定されるまでの第1の時間よりも短くしてもよい。第2の時間を第1の時間よりも短く設定することにより、指標が表示されても短い時間で非表示に戻ってしまうので、簡易に操作を行うための表示(画面)であることをユーザに認識させることができる。
【0088】
また、スリープモードで受付部101が操作を受け付けたときのイルミネーション部22の発光を、通常モードで受付部101が操作を受け付けたときの発光よりも抑制することにより、電力消費を抑制することができる。また、通常モードに比べて暗い光が放たれるので、簡易に操作を行うための表示であることをユーザに認識させることができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、スリープモードで、誤操作を防止するためのロックを設定することができる。ロックを解除するための操作と、指標を表示させるための操作と、を同じ操作にすることで、直感的な操作で指標を表示させることができる。
【0090】
また、簡単メニューで表示する指標(即ち、アプリケーションプログラム又はその一部機能)をユーザが適宜選択することができる。さらに、簡単メニューで表示する指標を、操作数が少ないアプリケーションプログラムや電力消費が少ないアプリケーションプログラム等の指標に限定するようにしてもよい。
【0091】
また、指標に、アプリケーションプログラムの所定の機能を対応付けることにより、「アプリケーションプログラムを選択する操作を行い、所望の機能を選択する操作を行い、その機能を使用する操作を行う」という通常の操作に比べ、機能の使用までの操作数が少なくて済むので電力消費を抑制することができる。
【0092】
また、所定の軌跡を示す操作、所定の位置で所定の時間行われる操作、あるいは、所定の領域に対して行われる操作を受け付けた場合に、指標が表示されるので、ユーザが意図的に操作したときに指標を表示することができる。従って、誤操作により指標が表示されるのを防ぐことができる。
【0093】
また、通常モードの画面に比べ指標の背景を暗く表示することにより、通常の画面ではなく、簡易にアプリケーションプログラムを実行させるための画面であることをユーザに視覚的に認識させることができる。また、指標と背景とを明確に区別することができる。
【0094】
また、指標が表示される明るさを、通常モードにおいてメニュー表示用指標が表示される明るさよりも暗く設定することにより、電力消費を抑えることができる。また、簡易に操作を行うための表示であることをユーザに認識させることができる。さらに、指標を表示する明るさを徐々に明るくすることにより、ユーザは指標が見難ければ待機すればよく、ユーザに見易くすることができる。
【0095】
上記実施の形態では、情報処理装置の一例として携帯型通信装置1(例えば、スマートフォン)を例示したが、スリープモードに設定される全ての情報処理装置に本願発明を適用可能である。
【0096】
また、上記実施の形態においては、スリープモードとして、ディスプレイ16を非表示とするモードとしたが、これに限定されない。例えば、スリープモードにおいて、CPU10に供給する動作クロックの周波数を通常モードよりも低下し、RAM12に印加する電圧を通常モードよりも下げる等してもよい。また、スリープモードで、タッチパネルへの電力の供給を停止してもよい。この場合は、第1の操作として、操作部17への操作が必要となる。
【0097】
携帯型通信装置1は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現することが可能である。例えば、携帯型通信装置1の動作を実行させるためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM等)に格納して配布し、上記コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上記動作を実行する携帯型通信装置1を実現してもよい。
【0098】
また、上記コンピュータプログラムを、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置(例えば、ディスク装置)に格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードすることによって携帯型通信装置1を実現してもよい。
【0099】
また、携帯型通信装置1の機能を、オペレーティングシステムとアプリケーションプログラムの協働により実現する場合には、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0100】
なお、上記コンピュータプログラムを搬送波に重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。
【0101】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【0102】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0103】
(付記1)
動作モードとして、画面に何も表示されないスリープモードが設定可能な情報処理装置であって、
ユーザから操作を受け付ける受付部と、
前記受付部が、第1の時間、操作を受け付けない場合、前記情報処理装置の動作モードを前記スリープモードに設定する設定部と、
前記情報処理装置の動作モードが前記スリープモードに設定された状態で、前記受付部が第1の操作を受け付けた場合、前記情報処理装置が実行可能なアプリケーションプログラムのうちの予め選定された少なくとも1個のアプリケーションプログラムと予め対応付けられた少なくとも1つの指標を、前記画面に表示する表示部と、
前記受付部が前記指標を指定する操作を受け付けると、当該指定された指標に対応付けられているアプリケーションプログラムを起動する起動部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0104】
(付記2)
前記指標が表示されてから、前記受付部が、第2の時間、操作を受け付けない場合、前記表示部は、前記指標を前記画面から消去する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0105】
(付記3)
前記受付部が操作を受け付けると、発光する発光部をさらに備え、
前記発光部は、前記情報処理装置の動作モードが前記スリープモードに設定されている状態で、前記受付部が操作を受け付けると、前記情報処理装置の動作モードが前記スリープモードに設定される前の状態で前記受付部が操作を受け付けたときよりも暗く発光する
ことを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
【0106】
(付記4)
前記設定部は、前記情報処理装置の動作モードを前記スリープモードに設定する際、ロックをさらに設定し、
前記受付部は、前記ロックが設定されると、前記ロックを解除する操作と第2の操作とを除いて、操作を受け付けず、
前記情報処理装置の動作モードが前記スリープモードに設定され、かつ、前記ロックが設定された状態で、前記受付部が第2の操作を受け付けた場合、前記表示部は、前記ロックを解除する操作が行われるロック解除用画面を表示し、
前記ロック解除用画面において前記ロックを解除する操作が行われると、前記設定部は前記ロックを解除し、前記表示部は前記指標を前記画面に表示する
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0107】
(付記5)
前記受付部は、前記第1の操作を、前記ロックを解除する操作として受け付ける
ことを特徴とする付記4に記載の情報処理装置。
【0108】
(付記6)
前記受付部は、アプリケーションプログラムを前記指標に対応付ける操作を受け付ける
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0109】
(付記7)
前記受付部は、アプリケーションプログラムが実現する複数の機能のうちの選定された一部の機能を前記指標に対応付ける操作を受け付ける
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0110】
(付記8)
前記受付部は、前記画面に軌跡を描く操作を、前記第1の操作として受け付ける
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0111】
(付記9)
前記表示部は、前記指標の背景を、前記情報処理装置の動作モードが前記スリープモードに設定される前の画面に比べ暗く表示する
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0112】
(付記10)
前記表示部は、前記情報処理装置の動作モードが前記スリープモードに設定される前の状態において、前記情報処理装置が実行可能なアプリケーションプログラムそれぞれを示している指標を表示し、
前記スリープモードにおいて、前記指標を、前記情報処理装置の動作モードが設定される前の状態において表示された指標よりも暗く表示する
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0113】
(付記11)
前記表示部は、前記指標を表示する明るさを、時間の経過に従い明るくする
ことを特徴とする付記10に記載の情報処理装置。
【0114】
(付記12)
第1の時間、ユーザの操作を受け付けない場合、スリープモードにする設定工程と、
スリープモードで、第1の操作を受け付けた場合、複数のアプリケーションプログラムのうちの予め選定された少なくとも1個のアプリケーションプログラムと予め対応付けられた少なくとも1つの指標を表示する表示工程と、
前記指標を指定する操作を受け付けると、当該指定された指標に対応付けられているアプリケーションプログラムを起動する起動工程と、
を備えることを特徴とする処理方法。
【0115】
(付記13)
コンピュータを、
ユーザから操作を受け付ける受付部、
前記受付部が、第1の時間、操作を受け付けない場合、前記コンピュータの動作モードを、スリープモードに設定する設定部、
前記コンピュータの動作モードが前記スリープモードに設定された状態で、前記受付部が第1の操作を受け付けた場合、前記コンピュータが実行可能なアプリケーションプログラムのうちの予め選定された少なくとも1個のアプリケーションプログラムと予め対応付けられた少なくとも1つの指標を表示する表示部、
前記受付部が前記指標を指定する操作を受け付けると、当該指定された指標に対応付けられたアプリケーションプログラムを起動する起動部、
として機能させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0116】
本出願は、2012年3月2日に出願された日本国特許出願2012-47248号に基づく。本明細書中に日本国特許出願2012-47248号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
【符号の説明】
【0117】
1 携帯型通信装置
10 CPU
11 不揮発性記憶部
12 RAM
13 無線通信部
14 画像処理部
15 音声処理部
16 ディスプレイ
17 操作部
17a、17b、17c 操作キー
18 タッチパネル
19 カメラ
20 スピーカ
21 マイク
22 イルミネーション部
23 クロック供給部
24 電力供給部
30 メールソフト
31 ソフトウェアキーボード
32 位置
33 領域
41、42、43、45 指標
44 ロック画像
101 受付部
102 設定部
103 表示部
104 起動部
105 発光部
161 LCD
162 バックライト