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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】業務支援装置及び業務支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20231214BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20231214BHJP
【FI】
G06Q50/20
G06Q50/00 300
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020079308
(22)【出願日】2020-04-28
(65)【公開番号】P2021174375
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】391011939
【氏名又は名称】株式会社日本標準
(73)【特許権者】
【識別番号】520150544
【氏名又は名称】株式会社リンクボックス
(73)【特許権者】
【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(72)【発明者】
【氏名】田川 正彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀一
(72)【発明者】
【氏名】釜山 吉宣
(72)【発明者】
【氏名】北野 幸子
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-200773(JP,A)
【文献】特開2005-092632(JP,A)
【文献】特開2018-093978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末に、投稿フェーズの処理と活用フェーズの処理とを実行させる業務支援装置であって、
前記投稿フェーズにおいて、
コンテンツの取り込みと、前記コンテンツのカテゴリー分類に指針を与える複数の選択肢を包摂する第1の区分からの選択肢の選択と、子どもの成長をみる視点を含む複数の選択肢を包摂する第2の区分からの選択肢の選択とを許容する編集画面を前記情報端末のディスプレイに表示させる手段と、
取り込まれたコンテンツと前記編集画面上で選択された選択肢とを組にした投稿データを前記情報端末に編集させて送信させる手段と、
前記情報端末から受信した投稿データを記憶部に保存する手段と、
を実行し、
前記編集画面は、前記第2の区分が用意する複数の選択肢から、一又は二以上の選択肢を選択することも、いずれの選択肢も選択しないことも許容し、
前記コンテンツと組にされる前記選択された選択肢は、抽出キーとして用いられるタグとして前記投稿データに付加され、
前記活用フェーズにおいて、
前記第1の区分が包摂する複数の選択肢と、前記第2の区分が包摂する複数の選択肢とのうち、情報端末に任意の種類及び数の選択肢のタグ前記抽出キーとして指定させる手段と、
コンテンツと選択肢とを組にして前記記憶部に保存された投稿データから、前記指定された抽出キーに合致する選択肢の所定期間ごとの合計数を算出する手段と、
前記算出した所定期間ごとの合計数を出力する手段と、
実行する、
業務支援装置。
【請求項2】
前記活用フェーズにおいて、
前記第1の区分の選択肢と前記第2の区分の選択肢との入力を許容する検索画面を前記情報端末のディスプレイに表示させる手段と、
前記検索画面上で入力された選択肢を含む検索データを前記情報端末に送信させる手段と、
前記情報端末から送信された検索データに含まれている選択肢に合致する投稿データを前記記憶部から抽出し、抽出した投稿データに含まれているコンテンツを既定の書式に当てはめた閲覧データを編集して前記情報端末に送信する手段と、
実行する、
請求項に記載の業務支援装置。
【請求項3】
保育者ごとに、前記抽出キーに合致する選択肢の所定期間ごとの合計数を算出して出力する、
請求項1又は2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
時間の流れに沿って前記所定期間ごとの合計数を出力する、
請求項1ないしのいずれか一に記載の業務支援装置。
【請求項5】
グラフ形式で前記合計数を出力する、
請求項に記載の業務支援装置。
【請求項6】
前記子どもの成長をみる視点は、3つの視点を含んでいる、
請求項1ないしのいずれか一に記載の業務支援装置。
【請求項7】
前記子どもの成長をみる視点は、5領域を含んでいる、
請求項1ないしのいずれか一に記載の業務支援装置。
【請求項8】
前記子どもの成長をみる視点は、10の姿を含んでいる、
請求項1ないしのいずれか一に記載の業務支援装置。
【請求項9】
前記第2の区分は、園児に関する情報を選択肢として含んでいる、
請求項1ないしのいずれか一に記載の業務支援装置。
【請求項10】
前記第2の区分は、場所を特定する情報を選択肢として含んでいる、
請求項1ないしのいずれか一に記載の業務支援装置。
【請求項11】
情報端末に、投稿フェーズの処理と活用フェーズの処理とを実行させる業務支援方法であって、
前記投稿フェーズにおいて、サーバが、
コンテンツの取り込みと、前記コンテンツのカテゴリー分類に指針を与える複数の選択肢を包摂する第1の区分からの選択肢の選択と、子どもの成長をみる視点を含む複数の選択肢を包摂する第2の区分からの選択肢の選択とを許容する編集画面を前記情報端末のディスプレイに表示させる工程と、
取り込まれたコンテンツと前記編集画面上で選択された選択肢とを組にした投稿データを前記情報端末に編集させて送信させる工程と、
前記情報端末から受信した投稿データを記憶部に保存する工程と、
を実行し、
前記編集画面は、前記第2の区分が用意する複数の選択肢から、一又は二以上の選択肢を選択することも、いずれの選択肢も選択しないことも許容し、
前記コンテンツと組にされる前記選択された選択肢は、抽出キーとして用いられるタグとして前記投稿データに付加され、
前記活用フェーズにおいて、前記サーバが、
前記第1の区分が包摂する複数の選択肢と、前記第2の区分が包摂する複数の選択肢とのうち、情報端末に任意の種類及び数の選択肢のタグ前記抽出キーとして指定させる工程と
コンテンツと選択肢とを組にして前記記憶部に保存されている投稿データから、前記指定された抽出キーに合致する選択肢の所定期間ごとの合計数を算出する工程と
前記算出した所定期間ごとの合計数を出力する工程と
を実行する、
業務支援方法。
【請求項12】
前記サーバが、
前記第1の区分の選択肢と前記第2の区分の選択肢との入力を許容する検索画面を前記情報端末のディスプレイに表示させ、
前記検索画面上で入力された選択肢を含む検索データを前記情報端末に送信させ、
前記情報端末から送信された検索データに含まれている選択肢に合致する投稿データを前記記憶部から抽出し、抽出した投稿データに含まれているコンテンツを既定の書式に当てはめた閲覧データを編集して前記情報端末に送信する、
請求項11に記載の業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保育及び児童教育の分野の業務を支援する業務支援装置及び業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
保育園、認定こども園、及び幼稚園(以下「園」という)で働く保育士や幼稚園教諭などの保育者には、さまざまな事務作業が課されている。例えば出席簿の記録、保育日誌や保健記録の作成、保護者に向けた連絡帳の作成などである。
【0003】
特許文献1、2には、情報処理技術を利用して、保育日誌の作成支援を行うようにした発明が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載された発明は、園児に装着したウェアラブル端末から園児の生体情報(体温、脈拍など)を取得し、保育者が所持する端末から保育関連情報を取得し、これらの取得情報に基づいて保育日誌等を自動生成するようにしている(特許文献1の段落[0012]参照)。
【0005】
特許文献2に記載された発明は、園児に装着した生体情報測定装置から園児の生体情報(心拍数など)を取得し、園内のカメラが定期的に撮影する画像に個々の園児の識別コードを自動付与して記憶部に保存しておく。保育者が所持する端末から園児を特定する情報と園児の状態を特定する情報との入力があると、システムは記憶部から該当する画像を呼び出して端末に送り、端末で選択された画像を日誌テンプレートにはめ込んだ日誌画像を生成し、端末に送信する。保育者は、日誌画像に必要事項を記入して保育日誌を完成させることができる(特許文献2の段落[0050]-[0125]参照)。
【0006】
非特許文献1には、タグカメラと題された記事が掲載されている。「写真を撮って画面の『録音マーク』を押しながら『〇〇君がご飯を食べています』と言うと、顔認証で子どもが判別され、その子のフォルダーにデータが保存」されるという内容である。また「時系列、言葉での検索も簡単にできます」とのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-093978号公報
【文献】特開2019-185188号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】保育ナビ2019年11月号 p.6-9 「タグカメラ」 株式会社フレーベル館 2019年11月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1、2に記載された発明は、保育日誌の作成を支援する。明示の記載はないものの、非特許文献1に記載されたタグカメラも同様である。これらの技術に共通することは、園児に関するデータを収集し、後からその利用を図っていることである。データの収集過程と利用過程とを持っているということができる。
【0010】
特許文献1、2に記載された発明では、保育日誌の作成が一つの目標になっており、この目標に向けて園児のデータを蓄積する。非特許文献1では、何が目標なのかについての明記はないものの、「保育の一瞬を保育者が記録すれば、それはその個人のねらいが反映された記録でしかありません。しかし、その事実が積み重ねられていくことで子どもの遊びの履歴となり、客観性のある記録になっていきます」とその哲学が語られている。
【0011】
特許文献1、2に記載された発明にせよ非特許文献1に記載されたタグカメラにせよ、利用用途が意図的であるか意図的でないかの違いはあるものの、園児に関するデータを蓄積していく点では共通している。このようなデータは日々蓄積され、いずれ膨大なデータを形成するはずである。こうして蓄積されるデータは、保育や幼児教育の現場という現実世界を映し出したいわば宝の山である。
【0012】
ところが特許文献1、2にも非特許文献1にも、日々蓄積されるデータを活用することについては言及がない。日々蓄積されるデータの貴重性には着目していないものと推察される。
【0013】
園で日々蓄積される園児などに関するデータを活用し、保育や幼児教育に役立たせ得るようにすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
情報端末に、投稿フェーズの処理と活用フェーズの処理とを実行させる業務支援装置の一態様は、前記投稿フェーズにおいて、コンテンツの取り込みと、前記コンテンツのカテゴリー分類に指針を与える複数の選択肢を包摂する第1の区分からの選択肢の選択と、子どもの成長をみる視点を含む複数の選択肢を包摂する第2の区分からの選択肢の選択とを許容する編集画面を前記情報端末のディスプレイに表示させる手段と、取り込まれたコンテンツと前記編集画面上で選択された選択肢とを組にした投稿データを前記情報端末に編集させて送信させる手段と、前記情報端末から受信した投稿データを記憶部に保存する手段と、を実行し、前記編集画面は、前記第2の区分が用意する複数の選択肢から、一又は二以上の選択肢を選択することも、いずれの選択肢も選択しないことも許容し、前記コンテンツと組にされる前記選択された選択肢は、抽出キーとして用いられるタグとして前記投稿データに付加され、前記活用フェーズにおいて、前記第1の区分が包摂する複数の選択肢と、前記第2の区分が包摂する複数の選択肢とのうち、情報端末に任意の種類及び数の選択肢のタグ前記抽出キーとして指定させる手段と、コンテンツと選択肢とを組にして前記記憶部に保存された投稿データから、前記指定された抽出キーに合致する選択肢の所定期間ごとの合計数を算出する手段と、前記算出した所定期間ごとの合計数を出力する手段と、を 実行する
【0015】
情報端末に、投稿フェーズの処理と活用フェーズの処理とを実行させる業務支援方法の一態様は、前記投稿フェーズにおいて、サーバが、コンテンツの取り込みと、前記コンテンツのカテゴリー分類に指針を与える複数の選択肢を包摂する第1の区分からの選択肢の選択と、子どもの成長をみる視点を含む複数の選択肢を包摂する第2の区分からの選択肢の選択とを許容する編集画面を前記情報端末のディスプレイに表示させる工程と、取り込まれたコンテンツと前記編集画面上で選択された選択肢とを組にした投稿データを前記情報端末に編集させて送信させる工程と、前記情報端末から受信した投稿データを記憶部に保存する工程と、を実行し、前記編集画面は、前記第2の区分が用意する複数の選択肢から、一又は二以上の選択肢を選択することも、いずれの選択肢も選択しないことも許容し、前記コンテンツと組にされる前記選択された選択肢は、抽出キーとして用いられるタグとして前記投稿データに付加され、前記活用フェーズにおいて、前記サーバが、前記第1の区分が包摂する複数の選択肢と、前記第2の区分が包摂する複数の選択肢とのうち、情報端末に任意の種類及び数の選択肢のタグ前記抽出キーとして指定させる工程と、コンテンツと選択肢とを組にして前記記憶部に保存されている投稿データから、前記指定された抽出キーに合致する選択肢の所定期間ごとの合計数を算出する工程と、前記算出した所定期間ごとの合計数を出力する工程と を実行する
【発明の効果】
【0016】
園で日々蓄積される園児などに関するデータを活用し、保育や幼児教育に役立たせ得るようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施の形態の全体のシステム構成を示す模式図。
図2】本実施の形態のシステムの利用の流れを説明する模式図。
図3】情報端末(保育者端末)に表示される編集画面に含まれている選択欄を示す模式図。
図4】サーバのブロック図。
図5】情報端末(保育者端末、保護者端末)のブロック図。
図6】情報端末(パソコン)のブロック図。
図7】保育者端末に表示されるホーム画面(検索画面)の一例を示す模式図。
図8】保育者端末に表示される編集画面の一例を示す模式図。
図9】保育者端末に表示される検索結果の一例を示す模式図。
図10】保育者端末に表示される保育日誌の一例を示す模式図。
図11】保育者端末に表示される子どもの姿の一例を示す模式図。
図12】保護者端末に表示されるトップ画面の一例を示す模式図。
図13】保護者端末に表示されるお知らせ画面の一例を示す模式図。
図14】保護者端末に表示される連絡帳の一例を示す模式図。
図15】保護者端末に表示されるアルバムの一例を示す模式図。
図16】アルバムから一枚の写真を選択したときの画面の一例を示す模式図。
図17】パソコンに表示される出力画面の一例を示す模式図。
図18】パソコンに表示される分析画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
業務支援装置、業務支援方法、業務支援用のコンピュータプログラム、及び記録媒体の実施の形態を図面に基づいて説明する。説明項目は以下のとおりである。
【0019】
1.全体のシステム構成
(1)ハードウエアの概要
(2)利用の流れ
2.機器のハードウエア
(1)サーバ
(2)情報端末
(3)パソコン
3.処理内容と画面遷移
(1)投稿
(2)検索
(3)活用例1(保育日誌)
(4)活用例2(子どもの姿)
(5)活用例3(トップ画面)
(6)活用例4(お知らせ)
(7)活用例5(連絡帳)
(8)活用例6(アルバム)
(9)活用例7(投稿出力)
4.分析
5.まとめ
【0020】
1.全体のシステム構成
(1)ハードウエアの概要
図1に示すように、本実施の形態のシステムは、保育園、認定こども園、及び幼稚園といった園で使用され、各種の業務支援を実行する。本システムの中核となるのは、業務支援装置としてのサーバ101である。サーバ101は、ネットワーク401を介してアクセスしてきた情報端末201、301に閲覧データを送信する。情報端末201、301は、ブラウジング機能を利用し、ネットワーク401を介してサーバ101から提供される閲覧データをディスプレイ211、311に表示する。閲覧データは構造化データであり、情報端末201、301に各種の振る舞い、例えば投稿データの作成処理や検索処理などを行わせる。
【0021】
本システムの運用上の中心は、保育士や幼稚園教諭などの保育者が所持する情報端末201である。説明の便宜上、保育者が所持する情報端末201を保育者端末201Aと呼び、保育や幼児教育の対象となる園児の保護者が所持する情報端末201を保護者端末201Bと呼ぶ。これらの保育者端末201A及び保護者端末201Bは、例えばスマートフォンやタブレット端末などである。
【0022】
図1では省略しているが、ネットワーク401には通信用の図示しない基地局が接続されている。携帯端末である情報端末201(201C、201P)は、WiFiなどの接続手法のほか、基地局を介してネットワーク401に接続可能である。
【0023】
携帯型の情報端末201とは異なり、情報端末301は、園に設置されるパソコンである。以下本明細書では、パソコンについても情報端末と同じ符号301を付して表記することがある。このため同じ符号を付した情報端末301とパソコン301とが併存する。
【0024】
本実施の形態では、管理会社がサーバ101の管理運営を担う一例を示している。サーバ101がアクセス可能な記憶装置151(記憶部)も管理会社31の管理下におかれている。このためユーザである園や保護者から見ると、記憶装置151はクラウド上に設置されていることになる。
【0025】
サーバ101及び記憶装置151の管理については、別の実施の形態であってもよい。例えばサーバ101及び記憶装置151は、一例として園に設置されて自主管理されてもよいし、複数の園を取りまとめるような組織づくりをして、そのような組織で管理するようにしてもよい。
【0026】
(2)利用の流れ
図2に示すように、本実施の形態のシステムは、保育者が日々の活動の中で、例えば園児の写真を撮影してそのデータを投稿という形態でサーバ101にアップロードしていくことを基本としている。このときサーバ101が保育者端末201Aに送信する閲覧データは、保育者が撮影した写真、あるいは撮りためている写真などのコンテンツを含む仮投稿データの作成処理と、このような仮投稿データに各種のタグを付した投稿データの編集処理とを保育者端末201Aに実行させるように構造化されている。
【0027】
図3を参照して、タグについて詳しく説明する。図3は、保育者端末201Aに表示される編集画面EI(図8参照)に含まれている選択欄E2を示す模式図である。
【0028】
編集画面EIは、コンテンツの作成と、分類のための複数の選択肢を用意する第1の区分からの選択肢の選択と、子どもの成長をみる視点を含む複数の選択肢を用意する第2の区分からの選択肢の選択とを許容する。第1の区分及び第2の区分に含まれている選択可能な要素は、仮投稿データにタグとして付される。タグのデータは、サーバ101に送信されて記憶装置151に記憶されることになる膨大なデータ群から、必要なデータを検索するときの検索キー、いわばフィルタリング用のデータとして使用される。
【0029】
図3に示すように、選択欄E2は、アプリE21、クラスE22、園児E23、場所E24、子どもの成長をみる視点E25、独自設定E26、及び都度設定E27という七種類の欄を含んでいる。アプリE21は第1の区分、アプリE21以外のE22~27は第2の区分に属している。
【0030】
アプリE21は、コンテンツを分類するための要素を提供する。図3では「内部投稿」「お知らせ」「連絡帳」「献立」「ヒヤリハット」という五種類の要素を選択肢として例示している。あくまでも例示であり、その他にも例えば「通常」のような選択肢を付加してもよい。アプリE21は、作成したコンテンツをどのカテゴリーに分類すればよいのかという問題に対して、一つの指針を与え得るものであればよい。
【0031】
クラスE22は園児のクラス、園児E23は園児、場所E24は場所を選択するための要素である。
【0032】
遊戯室で一人遊びをしているかめ組のAくんを撮影したとき、クラスE22からは「かめ組」、園児E23からは「A君」、場所E24からは「遊戯室」を選択する。このとき撮影した写真がもっぱら園内でのみ利用する用途であれば、アプリE21からは「内部投稿」を選択すればよい。
【0033】
あひる組のBちゃんとひよこ組のCくんとが園庭で遊んでいる姿を撮影したときには、クラスE22は「あひる組」「ひよこ組」、園児E23は「Bちゃん」「Cくん」、場所E24は「園庭」を選択する。この写真を保護者への連絡帳(図14参照)に使おうとする場合には、アプリE21からは「連絡帳」を選択しておく。
【0034】
別の観点の一例として、例えば階段の手すりが破損していることを発見した場合には、破損している手すりの写真を撮影し、アプリE21から「ヒヤリハット」、場所から「階段」を選択すればよい。
【0035】
以上例示したように、第2の区分は、個々の要素から複数の選択肢を選択することも、いずれの選択肢も選択しないことも可能である。このとき第1の区分であるアプリE21は、第2の区分(E22~27)から選択可能な要素を規定する。
【0036】
子供の成長をみる視点E25は、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領、幼稚園教育要領に規定されている3つの視点、5領域、10の姿に合致している。簡単に説明する。
【0037】
3つの視点は、保育園、認定こども園、幼稚園等に共通する育みたい資質や能力を意味する。具体的には、
・健やかに伸び伸びと育つ(健康=身体的発達に関する視点)
・身近な人と気持ちが通じ合う(言葉と人間関係=社会的発達に関する視点)
・身近なものと関わり感性が育つ(環境と表現=精神的発達に関する視点)
という3つの柱からなる。
【0038】
5領域は、従前のねらいを五つに分けたものである。
・健康
・人間関係
・環境
・言葉
・表現
の五つの領域からなる。
【0039】
10の姿は、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿である。つぎの10種類である。
・健康な心と体
・自立心
・共同性
・道徳性、規範意識の芽生え
・社会生活と関わり
・思考力の芽生え
・自然との関わり、生命尊重
・数量・図形、文字等への関心・感覚
・言葉による伝え合い
・豊かな感性と表現
【0040】
独自設定E26は、園の側で独自に設定可能な要素である。例えば園に設置されたパソコン301からサーバ101にアクセスし、サーバ101に独自設定E26の項目を設定させることができる。
【0041】
都度設定E27は、保育者が保育者端末201Aからその都度設定可能な要素である。
【0042】
編集画面EIの閲覧データは、コンテンツを含む仮投稿データに対して、選択欄E2から選択された第1の区分及び第2の区分をタグとして付加した投稿データを編集し得るように構造化されている。したがって第1の区分及び第2の区分は、コンテンツを含む仮投稿データにタグとして付加され、保育者端末201Aからサーバ101に投稿データとしてアップロードされる。
【0043】
図2に示すように、サーバ101にアップロードされた投稿データに含まれているコンテンツは、園に蓄積されるコンテンツとして利用されたり、保護者向けのコンテンツとして利用されたりする。
【0044】
園では、保育日誌、子どもの成長をみる視点(子どもの姿)、掲示物、ヒヤリハットや事故報告などに利用することができる。保育活動や教育活動の分析に役立つ。
【0045】
保護者向けのコンテンツとしては、投稿の閲覧(園でのようす)、連絡帳、献立、お知らせなどに利用することができる。子どもの成長記録やアルバム作りに生かされる。
【0046】
2.機器のハードウエア
(1)サーバ
図4に示すように、サーバ101のアーキテクチャは、一般的なサーバコンピュータと変わることがない。各種処理を実行して各部を集中的に制御するCPU102を中核に据え、メインメモリ103、フラッシュメモリ104、HDD105、ネットワーク401に接続するための通信インターフェース106、周辺機器を接続するためのI/O107がバス接続されている。I/O107には、ディスプレイ111と入力装置112とが接続されている。
【0047】
サーバ101のHDD105には、OSなどのような基本的なプログラムのほか、業務支援用の構造化データ及びプログラムが保存されている。構造化データは、アクセスしてきた情報端末、例えば保育者端末201A、保護者端末201B、パソコン301に閲覧データを送信したり、保育者端末201A及びパソコン301にコンテンツとタグとを含む投稿データを編集させたりする記述を含んでいる。プログラムは、例えば構造化データに組み込まれていたりする。
【0048】
(2)情報端末
図5に示すように、情報端末201のアーキテクチャは、一般的なスマートフォンやタブレット端末と変わることがない。各種処理を実行して各部を集中的に制御するCPU202を中核に据え、メインメモリ203、フラッシュメモリ204、RFモジュール205、ベースバンドプロセッサ206、無線LANユニット207、GPSモジュール208、カメラ209、及び周辺機器を接続するためのI/O210がバス接続されている。I/O210には、ディスプレイ211とタッチパネル212とが接続されている。情報端末201はマイクロフォン213及びスピーカ214も備えており、これらの機器も図示しないオーディオインターフェースを介してCPU202にバス接続されている。
【0049】
RFモジュール205は、ベースバンドプロセッサ206が処理可能な信号と無線帯域の高周波信号とを変換するインターフェースモジュールである。情報端末201は、RFモジュール205を介して基地局と通信し、ネットワーク401によってインターネットの世界と通信する。このようなインターネットを使った通信によって、情報端末201はサーバ101との間で通信を行ない、例えば構造化データの送受信などを実行する。
【0050】
このようなRFモジュール205を用いた通信とは別に、情報端末201は、無線LANユニット207を用いて近隣のアクセスポイント(図示せず)と通信し、例えばWiFiによってインターネットの世界と通信を行なう。
【0051】
GPSモジュール208は、図示しないGPS衛星からGPS情報を受信して解析し、位置情報を取得する。
【0052】
カメラ209は、静止画や動画を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、フラッシュメモリ204に格納される。
【0053】
マイクロフォン213から取り込んだ音声データも、フラッシュメモリ204に格納される。
【0054】
CPU202は、フラッシュメモリ204にインストールされている例えばOSのようなプログラムをメインメモリ203に読み込み、各種の処理を実行する。このようなプログラムの一つとして、フラッシュメモリ204にはブラウザもインストールされている。ブラウザは、HTMLをベースとする構造化データを解釈し、解釈した構造化データに応じた処理をCPU202に実行させる。フラッシュメモリ204には、音声認識を支援する音声解析プログラムも格納されている。音声解析プログラムは、マイクロフォン213から取り込まれた音声データを音声認識し、テキストデータに変換する。
【0055】
(3)パソコン
図6に示すように、パソコン301のアーキテクチャは、一般的なパーソナルコンピュータと変わることがない。各種処理を実行して各部を集中的に制御するCPU302を中核に据え、メインメモリ303、フラッシュメモリ304、HDD305、ネットワーク401に接続するための通信インターフェース306、周辺機器を接続するためのI/O307がバス接続されている。I/O307には、ディスプレイ311と入力装置312とが接続されている。
【0056】
HDD208には、OSのような基本的なプログラムのほか、ブラウザもインストールされている。ブラウザは、HTMLをベースとする構造化データを解釈し、解釈した構造化データに応じた処理をCPU202に実行させる。フラッシュメモリ204には、音声認識を支援する音声解析プログラムも格納されている。音声解析プログラムは、マイクロフォン213から取り込まれた音声データを音声認識し、テキストデータに変換する。
【0057】
3.処理内容と画面遷移
保育者は、日々の活動の中で、保育者端末201Aを利用して随時コンテンツを残していくことができる。保育者端末201Aによって作成可能なコンテンツは写真・動画、メモ、既存のデータの三種類である。既存のデータというのは、保育者端末201Aのフラッシュメモリ204に保存している写真、動画、テキストなどのデータのほか、別のメモリ空間から取得可能な各種のデータである。
【0058】
さまざまなコンテンツは、本実施の形態の業務支援装置であるサーバ101、サーバ101によって提供されたり、保育者端末201Aによって実行されたりする業務支援方法を利用することによって記憶装置151に蓄積される。記憶装置151に蓄積されたコンテンツは、保育や幼児教育の現場で得られた貴重な資産となる。この資産については、自らの利用はもとよりのこと、同僚の保育者、所属している園、この園に子どもをあずけている保護者などを対象として、利用の輪を広げていくことができる。
【0059】
本実施の形態のシステムを分析すると、投稿フェーズと活用フェーズとに分けて考えることができる。
【0060】
投稿フェーズは、保育者端末201Aからサーバ101にコンテンツをアップロードし、記憶装置151に蓄積するフェーズである。
【0061】
活用フェーズは、検索によって望みのコンテンツにアクセスし、さまざまな形態での利用を可能にするフェーズである。このフェーズでは、活用に先立って検索が行われる。
【0062】
(1)投稿
保育者端末201Aからサーバ101にアクセスすると、ログイン画面がディスプレイ211に表示される。ID及びパスワードを入力してログインすると、サーバ101は、ホーム画面(検索画面SI)の閲覧データを保育者端末201Aに送信する。
【0063】
サーバ101から提供される閲覧データは、情報端末201、301がインストールしているブラウザのブラウジング機能によって閲覧可能な構造化データである。情報端末201、301は、受信した構造化データに含まれている画像をディスプレイ211、311に表示し、構造化データに含まれている命令に応じた処理を実行する。
【0064】
図7に示すように、ホーム画面は検索画面SIになっている。検索画面SIにはタイトルバーTと検索条件入力欄S1とが含まれている。
【0065】
タイトルバーTにはホームボタン、検索ボタン、その他ボタン、アカウントボタンが表示される。ホームボタンは、ホーム画面(検索画面SI)への移行を指示する。検索ボタンは、検索の実行を指示する。その他ボタンは、設定、管理レポート、投稿出力、ヘルプなどの業務画面への移行を指示する。アカウントボタンは、アカウント管理の実行を指示する。
【0066】
検索条件入力欄S1は、検索条件を入力するための欄である。入力可能な項目は、開始日と終了日とからなる期間S11、クラスS12、園児S13、フリーワードS14、アプリS15、場所S16、子どもの成長をみる視点S17、独自設定S18の八種類である。これらの項目のほとんどは、編集画面EIの選択欄E2の項目と重複している。重複している項目については同じ意味内容を持っているため、説明は省略する。
【0067】
検索画面SIを含む各種の閲覧画面には、カメラマークM1が画面右下に表示される(図7図9図10参照)。カメラマークM1には、コンテンツの編集を指示するデータが埋め込まれている。カメラマークM1のタップがタッチパネル212から入力されると、画面が編集画面EIに切り替わる。
【0068】
このとき保育者端末201Aは、サーバ101から受信した構造化データにしたがい、編集画面EIをディスプレイ211に表示する処理を実行する。換言すると、サーバ101は、編集画面EIをディスプレイ211に表示させる処理を保育者端末201Aに実行させる。
【0069】
図8に示すように、編集画面EIにはタイトルバーT、コンテンツ取込欄E1、及び前述した選択欄E2が含まれている。コンテンツ取込欄E1は、コンテンツの取り込み操作を実行するための欄であり、画像E11、ファイルE12、及びコメントE13という三種類の取り込み欄を備えている。
【0070】
画像を取り込むには、図8に示されているインストラクションのとおり、画像E11の取り込み欄をタップする。これによってカメラ209から取り込まれて画像E11にあらかじめ表示される画像が取り込まれ、保育者端末201Aのメインメモリ203に一時記憶される。取り込まれた画像は、フラッシュメモリ204にも保存される。
【0071】
ファイルは、ファイルE12の取り込み欄を操作し、保存場所を指定して取り込む。保育者端末201Aからアクセス可能なメモリ空間に保存されているデータであれば、保育者端末201Aのフラッシュメモリ204に蓄積されているデータに限らず取り込むことができる。
【0072】
コメントは、各種の入力態様によって取り込むことが可能である。各種の入力態様は、例えば音声入力、フリック入力、フルキーボード入力などである。取り込まれたコメントは、コメントE13の取り込み欄に表示される。
【0073】
選択欄E2については、図3に基づいて前述したとおりである。説明は省略する。
【0074】
以上説明したとおり、編集画面EIは、コンテンツの取り込みと、分類のための複数の選択肢を用意する第1の区分(アプリE21)からの選択肢の選択と、子どもの成長をみる視点E25を含む複数の選択肢を用意する第2の区分(アプリ以外のE22~27)からの選択肢の選択とを許容する。編集画面EI上でコンテンツが取り込まれると、保育者端末201Aは仮投稿データを作成する。
【0075】
編集画面EIには、記録マークM2が画面右下に表示される。記録マークM2には、投稿データのアップロードを指示するデータが埋め込まれている。記録マークM2のタップがタッチパネル212から入力されると、保育者端末201Aは、サーバ101から受信した構造化データにしたがい、取り込まれたコンテンツと編集画面EI上で選択された選択肢とをタグの形態で組にした投稿データを編集してサーバ101にアップロードする。したがってサーバ101は、保育者端末201Aでの送信指示に応じて、投稿データを保育者端末201Aに編集させて送信させる処理を実行することになる。
【0076】
その後サーバ101は、アップロードされた投稿データを受信し、受信した投稿データを記憶装置151に保存する処理を実行する。
【0077】
(2)検索
【0078】
編集画面EI上で記録マークM2がタップされると、保育者端末201Aは、サーバ101から受信した構造化データにしたがい、画面をホーム画面(検索画面SI)に切り替える(図7参照)。したがってサーバ101は、第1の区分(アプリE21)の選択肢と第2の区分(アプリ以外のE22~27)の選択肢との入力を許容する検索画面SIを保育者端末201Aのディスプレイ211に表示させる処理を実行することになる。
【0079】
検索画面SIの検索条件入力欄S1に検索条件が入力された後、タイトルバーTの検索ボタンがタップされると、保育者端末201AのCPU202は、サーバ101から受信した構造化データにしたがい、入力された検索条件をサーバ101に送信する。つまりサーバ101は、検索画面SI上で入力された選択肢を含む検索データを保育者端末201Aに送信させる処理を実行する。
【0080】
検索データを受信したサーバ101は、受信した検索条件でフィルタリングした投稿データを記憶装置151から抽出する。サーバ101は、抽出した投稿データに含まれているコンテンツを既定の書式に当てはめた閲覧データを編集し、保育者端末201Aに送信する。
【0081】
図9に示すように、閲覧データを受信した保育者端末201Aは、ディスプレイ211の表示画面を検索結果画面SRに移行させる。
【0082】
(3)活用例1(保育日誌)
図10に示すように、閲覧結果画面SR(図9参照)からコンテンツをタップして選択すると、例えば保育日誌が表示される。保育日誌の画面には「一覧」「出席簿」「保育日誌」「保健記録」「午睡チェック」というラベル(タグ)が出現する。図10に例示する画面は、これらのラベルから「保育日誌」を選択したときの画面例である。選択するラベルによって、保育日誌は別の画面に遷移する。
【0083】
このような保育日誌の画面、あるいはラベルで選択された一覧、出席簿、保健記録、及び午睡チェックの画面は、検索画面SIで入力された検索条件を使ったフィルタリングにより記憶装置151から抽出された投稿データに基づいて作成される。サーバ101は、閲覧結果画面SRから選択されたラベルの書式を呼び出し、この書式に、検索画面SIで検索された投稿データのコンテンツをはめ込む編集作業を行なう。こうして作成されるのが、構造化データの形態をもつ閲覧データである。
【0084】
サーバ101は、編集した閲覧データを保育者端末201Aに向けて送信する。その結果保育者端末201Aのディスプレイ211に、保育日誌、あるいはラベルで選択された一覧、出席簿、保健記録、及び午睡チェックの画面が表示される。
【0085】
(4)活用例2(子どもの姿)
図11に示すのは、子どもの姿を表示する編集例である。この画面に出現しているラベル(タグ)は、「園児」「子どもの姿」「発達の姿」「身体測定」「登降園」である。図11に例示する画面は、これらのラベルから「子どもの姿」を選択したときの画面例である。選択するラベルによって、子どもの姿は別の画面に遷移する。
【0086】
このような子どもの姿の画面、あるいはラベルで選択された園児、子どもの姿、発達の姿、身体測定、及び登降園の画面は、検索画面SIで入力された検索条件を使ったフィルタリングにより記憶装置151から抽出された投稿データに基づいて作成される。サーバ101は、閲覧結果画面SRから選択されたラベルの書式を呼び出し、この書式に、検索画面SIで検索された投稿データのコンテンツをはめ込む編集作業を行なう。こうして作成されるのが、構造化データの形態をもつ閲覧データである。
【0087】
サーバ101は、編集した閲覧データを保育者端末201Aに向けて送信する。その結果保育者端末201Aのディスプレイ211に、保育日誌、あるいはラベルで選択された園児、子どもの姿、発達の姿、身体測定、及び登降園の画面が表示される。
【0088】
(5)活用例3(トップ画面)
図12に示すのは、サーバ101にアクセスした保護者端末201Bのディスプレイ211に表示されるトップ画面の一例である。トップ画面の表示内容は、記憶装置151に記憶されている投稿データに依存する。つまりサーバ101は、記憶装置151に保存されている閲覧データから、ログインによって特定される保護者の子どもが選択されている閲覧データを抽出する。そして抽出された閲覧データに含まれているコンテンツをトップ画面に表示するようにしている。
【0089】
トップ画面のタイトルバーTには、すべて、お知らせ、連絡帳、アンケート、アルバムが表示される。図12に示す表示例は、「すべて」が選択されているときの一例である。
【0090】
(6)活用例4(お知らせ)
図13に示すのは、保護者端末201Bに表示される閲覧画面中のタイトルバーTから「お知らせ」が選択されたときの表示の一例である。このときの画面の表示内容も、記憶装置151に記憶されている投稿データに依存する。つまりサーバ101は、記憶装置151に保存されている閲覧データから、ログインによって特定される保護者の子どもが選択されている閲覧データを抽出する。そして抽出された閲覧データに含まれているコンテンツをお知らせに表示するようにしている。
【0091】
(7)活用例5(連絡帳)
図14に示すのは、保護者端末201Bに表示される閲覧画面中のタイトルバーTから「連絡帳」が選択されたときの表示の一例である。このときの画面の表示内容も、記憶装置151に記憶されている投稿データに依存する。つまりサーバ101は、記憶装置151に保存されている閲覧データから、ログインによって特定される保護者の子どもが選択されている閲覧データを抽出する。そして抽出された閲覧データに含まれているコンテンツを連絡帳に表示するようにしている。
【0092】
(8)活用例6(アルバム)
図15に示すのは、保護者端末201Bに表示される閲覧画面中のタイトルバーTから「アルバム」が選択されたときの表示の一例である。このときの画面の表示内容も、記憶装置151に記憶されている投稿データに依存する。つまりサーバ101は、記憶装置151に保存されている閲覧データから、ログインによって特定される保護者の子どもが選択されている閲覧データを抽出する。そして抽出された閲覧データに含まれているコンテンツをアルバムに表示するようにしている。アルバムに表示されるのは、サムネール表示である。
【0093】
図16に示すように、アルバムのサムネールから特定の写真をタップすると、その写真が選択される。図16は、図15のサムネール中、右の一番上の写真がタップされて選択された一例を示している。
【0094】
(9)活用例7(投稿出力)
【0095】
以上、情報端末201(保育者端末201A、保護者端末201B)のディスプレイ211への各種の画面表示や画面操作について説明した。保育者端末201Aのディスプレイ211と同様の画面表示及び画面操作は、園に設置されているパソコン301でも閲覧及び実行可能である。
【0096】
例えば各種の画面に表示されるタイトルバーTのその他ボタンをタップすると、設定、管理レポート、投稿出力、ヘルプなどの業務画面に画面遷移することは前述したとおりである。このうち投稿出力を選択すると、その指令がサーバ101に送信される。投稿出力の指令を受信したサーバ101は、記憶装置151に蓄積する投稿データを例えば表計算ソフトの形態で出力可能な投稿出力データとして編集する。投稿出力データには、表計算ソフトの起動命令も含まれている。
【0097】
生成された投稿出力データは、サーバ101からパソコン301に送信される。パソコン301は、サーバ101から受信した投稿出力データにしたがい表計算ソフトを起動させ、投稿出力データに含まれている投稿データを表形式でディスプレイ311に表示する。
【0098】
図17は、表形式で表示される投稿データの一例を示している。
【0099】
4.分析
本実施の形態のシステムを利用することによって、タグ(第1及び第2の区分の要素)つきのコンテンツが日々蓄積され、いずれ記憶装置151には保育、幼児教育に関する膨大なデータが生成されていく。こうして生成されるデータは、保育や幼児教育の現場という現実世界を映し出したいわば宝の山であるということができる。
【0100】
そこで本実施の形態のシステムは、記憶装置151に蓄積されたタグつきのコンテンツを活用し、さまざまな分析画面AIを出力できるようにしている。園に設置されているパソコン301のディスプレイ311に分析画面AIを表示する一例を説明する。
【0101】
例えばタイトルバーTのその他ボタンから、管理レポートの出力処理に入る。
【0102】
この処理では、パソコン301のディスプレイ311に、コンテンツに対するタグづけ要素を規定する第1の区分と第2の区分とのそれぞれの選択肢から、任意の選択肢を選択するための画面を出現させる。図3に示すように、第1の区分の選択肢は、アプリE21に含まれている複数の要素である。第2の区分の選択肢は、クラスE22、園児E23、場所E24、視点E25、独自設定E26、及び都度設定E27にそれぞれ含まれている複数の要素である。
【0103】
園のユーザは、パソコン301の操作によって、任意の選択肢を選択する。選択された任意の選択肢は、抽出キーとして扱われる。抽出キーは、例えばアプリE21の個々の要素、子どもの成長をみる視点E25の3つの視点や5要素などである。
【0104】
したがってサーバ101は、第1の区分が包摂するコンテンツの分類のための複数の選択肢と、第2の区分が包摂する子どもの成長をみる視点を含む複数の選択肢とのうち、パソコン301に任意の選択肢を抽出キーとして指定させる処理を実行することになる。
【0105】
選択肢が選択されると、パソコン301からサーバ101に向けて、管理レポートの出力指令が送信される。管理レポートの出力指令を受信したサーバ101は、この出力指令に含まれている抽出キーをキーとして記憶装置151を検索し、抽出キーに合致する選択肢の所定期間ごとの合計数を算出する処理を実行する。
【0106】
このときの所定期間は、例えば特定の時間、一日、曜日、一週間、一か月などの単位である。
【0107】
その後サーバ101は、算出した所定期間ごとの合計数を出力する。一例として、合計数の出力は表計算ソフトのデータ形式で行われ、表計算ソフトのグラフ作成機能を利用したグラフ形式での表示が可能になるようにしている。グラフ形式での表示は、例えば表計算ソフト用のファイルに組み込んだマクロによって、グラフ作成機能を自動起動させることによって行われる。
【0108】
一例として、合計数の算出は、保育者ごとに、そして時間の流れに沿って所定期間ごとに行われる。
【0109】
図18は、分析画面AIの一例を示している。この一例は、三種類の抽出キーを設定した場合の分析結果を示している。三種類の抽出キーは、アプリE21の個々の要素、子どもの成長をみる視点E25のうちの3つの視点、そして5要素である。上下三段のグラフ中、一番上は、アプリE21の個々の要素に関する分析グラフである。真ん中は、3つの視点に関する分析グラフである。一番下は、要素に関する分析グラフである。いずれも一日を所定期間として、一日単位の時間の流れをグラフ化している。合計数の対象は、りす組の園児全員である。
【0110】
実際に実施する分析グラフでは、個々の項目が色分け表示される。どの色がどの項目に該当するのかは、グラフ右側に表示されるインストラクションによって明示される。図18は、白黒表示という制約上、色分け表示を表現しきれていないが、分析画面AIに表示される分析グラフの内容それ自体は十分に示されている。
【0111】
図18の分析画面AIに示されている分析グラフは、アプリE21の個々の要素、子どもの成長をみる視点E25のうちの3つの視点、そして5要素という三種類の抽出キーに基づくグラフである。抽出キーはこれらの三種類に限らないことはいうまでもない。実施に際しては、他の要素、例えば子どもの成長をみる視点E25のうちの10の姿、特定の保育士、特定の園児などを抽出キーとして分析グラフを表示するようにしてもよい。
【0112】
5.まとめ
本実施の形態のシステムによれば、園児や園内の様子を映した写真などを撮影したり、保育や幼児教育にまつわるさまざま記録を残したりした場合、写真や記録の分類、対象となる園児や場所、関係する子どもの成長をみる視点などをタグとして、写真や記録であるコンテンツと組にして記憶装置151に蓄積することができる。しかもコンテンツとタグとの組のデータ投稿データの形態で取得されるものであるため、コンテンツの作成時の状況をリアルタイムで反映したものとなっている。したがって本システムによれば、写真や記録などのコンテンツを、後から有効に活用することができる。
【0113】
またコンテンツには上記タグが組み合わされているので、後々の検索も容易であり、検索後の利用、例えば保育日誌や連絡帳などでの利用も容易である。
【0114】
しかもコンテンツに組み合わされたタグは、子どもの成長をみる視点を含んでいることから、保育や幼児教育の現場という現実世界を如実に映し出す要素を内在しており、分析のための要素として利用することができる。本システムは、任意の選択肢を抽出キーとして作成される分析グラフの形態でタグのデータを利用するので、保育や幼児教育の現場のさまざまな状況を可視化して示すことができ、客観的な分析に役立てることができる。
【0115】
実施に際しては、さまざまな変形や変更が許容される。
【符号の説明】
【0116】
101 サーバ
102 CPU
103 メインメモリ
104 フラッシュメモリ
105 HDD
106 通信インターフェース
107 I/O
111 ディスプレイ
112 入力装置
151 記憶装置
201 情報端末
201A 保育者端末
201B 保護者端末
202 CPU
203 メインメモリ
204 フラッシュメモリ
205 RFモジュール
206 ベースバンドプロセッサ
207 無線LANユニット
208 GPSモジュール
209 カメラ
210 I/O
211 ディスプレイ
212 タッチパネル
213 マイクロフォン
214 スピーカ
301 情報端末、パソコン
302 CPU
303 メインメモリ
304 フラッシュメモリ
305 HDD
306 通信インターフェース
307 I/O
311 ディスプレイ
312 入力装置
401 ネットワーク
AI 分析画面
EI 編集画面
E1 コンテンツ取込欄
E11 画像
E12 ファイル
E13 コメント
E2 選択欄
E21 アプリ
E22 クラス
E23 園児
E24 場所
E25 子どもの成長をみる視点
E26 独自設定
E27 都度設定
SI 検索画面
S1 検索条件入力欄
S11 期間
S12 クラス
S13 園児
S14 フリーワード
S15 アプリ
S16 場所
S17 視点
S18 独自設定
SR 検索結果画面
T タイトルバー
M1 カメラマーク
M2 記録マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18