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  • 特許-スポット溶接用電極検査装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】スポット溶接用電極検査装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 11/36 20060101AFI20231214BHJP
   B23K 11/11 20060101ALI20231214BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B23K11/36
B23K11/11
G01N21/88 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019190391
(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公開番号】P2021065889
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】591260948
【氏名又は名称】株式会社キョクトー
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】手澤 和宏
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-158772(JP,A)
【文献】特開2010-051997(JP,A)
【文献】特開2018-206964(JP,A)
【文献】特開2013-230506(JP,A)
【文献】特表2019-502553(JP,A)
【文献】特開2008-178887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 11/36
B23K 11/11
G01N 21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用ロボット周りに位置する機器に取り付けられた収容ケース部、及び、該収容ケース部に収容され、当該収容ケース部の内側において溶接ガンに装着保持されたスポット溶接用電極の先端を撮影するカメラ本体を有するカメラユニットと、
上記産業用ロボットから離間した位置に配設され、且つ、上記カメラユニットを制御する制御ユニットと、
上記カメラユニットに一端が接続される一方、上記制御ユニットに他端が接続されたカメラケーブルと
金属材からなる被取付体と、を備え、
上記制御ユニットは、上記カメラ本体で撮影した画像を処理するとともに当該画像の処理結果と予め設定された設定値とを比較して上記電極の状態を判定する制御基板と、該制御基板を収容するとともに上記被取付体に取り付けられた金属製のケーシングとを備えていることを特徴とするスポット溶接用電極検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスポット溶接用電極検査装置において、
上記制御基板は、シングルボードコンピュータであり、ネットワークケーブルを接続可能に構成され、当該ネットワークケーブルを介して繋がるパーソナルコンピュータに対して信号を送受信可能なネットワーク接続部、モニタに接続可能に構成され、当該モニタに対して信号を送信可能なモニタ接続部、及び、上記溶接ガンがアーム先端に固定された産業用ロボットに接続可能に構成され、当該ロボットに対して信号を送受信可能なロボット接続部の少なくとも1つを有していることを特徴とするスポット溶接用電極検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスポット溶接用電極検査装置において、
上記電極は、上記カメラユニットを挟んで一対設けられ、
上記カメラユニットは、上記各電極の先端側を挿入して当該各電極をそれぞれ固定する一対の固定用孔が形成された測定基準部と、
上記一対の固定用孔の間において上記各電極に対して傾斜配置され、上記各固定用孔に固定された状態の各電極の先端をそれぞれ映し出す鏡面を両側に有する板状のミラーとを備え、
上記カメラ本体は、上記両固定用孔の並設方向と直交する方向で、且つ、上記ミラーの両側において当該ミラーの各鏡面をそれぞれ撮影可能に一対配設されていることを特徴とするスポット溶接用電極検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車生産ラインにおいて用いられるスポット溶接用の電極検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車生産ラインでは、溶接ガンの先端に装着保持した電極を鋼板に押し付けて加圧し、通電することにより鋼板を抵抗発熱させて溶接するスポット溶接が実施されている。スポット溶接は、通電時の電流値、通電時間、加圧力及び電極の状態を適切に管理することにより品質を安定させることができる。この中で、電極の先端は、真円で、且つ、不要物が付着していない状態であれば最も溶接の品質を安定させることができるが、溶接を所定回数行うと摩耗して真円でなくなったり、あるいは、酸化被膜等が付着して状態が悪化し、その状態のまま続けて溶接を行うと溶接部の品質が安定しなくなる。したがって、悪化した電極先端を適切な状態に研磨する必要があり、その研磨状態を適切に管理する必要がある。例えば、特許文献1では、溶接ガンに装着保持された電極の先端を撮影するカメラ本体と、該カメラ本体を制御する制御基板と、カメラ本体及び制御基板を収容するケーシングとを備え、制御基板は、カメラ本体で撮影した画像を処理するとともに当該画像の処理結果と予め設定された設定値とを比較して電極の状態を判定するようになっていて、これにより、電極の研磨状態を管理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-502553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の如き溶接ガンは、自動車生産ラインにおいては、産業用ロボットのアーム先端に固定されて使用されることが多い。したがって、特許文献1の如きスポット溶接用電極検査装置は、産業用ロボットの周囲に配置する必要があるが、産業用ロボットの周囲には各種設備が配置されていて利用できるスペースが限定されるため、出来るだけコンパクトな形状であることが要求される。
【0005】
これに対応するために、カメラ本体及び制御基板を収容するケーシング全体を小型化することも考えられるが、ケーシング全体を単に小型化してしまうと、当該ケーシング内部の空間が狭くなって熱がこもり易くなるので、連続使用時においては制御基板に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、産業用ロボット周りのスペースが狭い場合であっても設置することができ、しかも、連続使用時においても制御基板に悪影響を及ぼし難い放熱性の高いスポット溶接用電極検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、電極を撮影するカメラ本体を有するカメラユニットとカメラ本体を制御する制御ユニットとを別体構造にするとともに離間可能な構成にし、さらには、制御ユニットが放熱し易くなるように工夫を凝らしたことを特徴とする。
【0008】
すなわち、第1の発明では、産業用ロボット周りに位置する機器に取り付けられた収容ケース部、及び、該収容ケース部に収容され、当該収容ケース部の内側において溶接ガンに装着保持されたスポット溶接用電極の先端を撮影するカメラ本体を有するカメラユニットと、上記産業用ロボットから離間した位置に配設され、且つ、上記カメラユニットを制御する制御ユニットと、上記カメラユニットに一端が接続される一方、上記制御ユニットに他端が接続されたカメラケーブルと、金属材からなる被取付体と、を備え、上記制御ユニットは、上記カメラ本体で撮影した画像を処理するとともに当該画像の処理結果と予め設定された設定値とを比較して上記電極の状態を判定する制御基板と、該制御基板を収容するとともに上記被取付体に取り付けられた金属製のケーシングとを備えていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、上記制御基板は、シングルボードコンピュータであり、ネットワークケーブルを接続可能に構成され、当該ネットワークケーブルを介して繋がるパーソナルコンピュータに対して信号を送受信可能なネットワーク接続部、モニタに接続可能に構成され、当該モニタに対して信号を送信可能なモニタ接続部、及び、上記溶接ガンがアーム先端に固定された産業用ロボットに接続可能に構成され、当該ロボットに対して信号を送受信可能なロボット接続部の少なくとも1つを有していることを特徴とする。
【0010】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記電極は、上記カメラユニットを挟んで一対設けられ、上記カメラユニットは、上記各電極の先端側を挿入して当該各電極をそれぞれ固定する一対の固定用孔が形成された測定基準部と、上記一対の固定用孔の間において上記各電極に対して傾斜配置され、上記各固定用孔に固定された状態の各電極の先端をそれぞれ映し出す鏡面を両側に有する板状のミラーとを備え、上記カメラ本体は、上記両固定用孔の並設方向と直交する方向で、且つ、上記ミラーの両側において当該ミラーの各鏡面をそれぞれ撮影可能に一対配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明では、カメラユニットがカメラケーブルを介して制御ユニットから離間しているので、カメラユニットのみを産業用ロボット周りに設置可能になる。したがって、産業用ロボット周りのスペースが狭い場合であっても電極検査装置を設置することができる。また、制御基板を収容するケーシングが金属製であるとともに金属材からなる被取付体に接触しているので、ケーシング内部で発生する熱が当該ケーシングを介して被取付体へと移動し易くなる。したがって、ケーシング内部に熱がこもり難くなり、連続使用時においても制御基板に悪影響を及ぼし難くすることができる。
【0012】
第2の発明では、ネットワーク接続部を介して電極検査装置をパーソナルコンピュータに直接接続できるので、例えば、制御基板による電極の状態の判定結果等を集計したり、或いは、データ解析等を行ったりすることが簡単に行えるようになる。また、モニタ接続部を介して電極検査装置をモニタに直接接続できるので、制御基板による電極の状態の判定結果等をモニタに簡単に表示させることができる。さらに、ロボット接続部を介して電極検査装置を産業用ロボットに直接接続できるので、制御基板と産業用ロボットとの間における検査開始信号や検査終了信号などの信号のやり取りを制御基板と産業用ロボットとの間において直接行うことができる。つまり、生産ラインに電極検査装置を導入するに当たり、各種装置との間における接続を用途に応じて簡単に行うことができ、生産ラインの設計が容易になる。
【0013】
第3の発明では、測定基準部によって各電極からミラーを介しての各カメラ本体までの距離が一定となるので、測定値にばらつきが発生し難くなる。また、ミラーによって各電極の先端を真正面から各カメラ本体で撮影できるようになるので、撮影画像を制御基板で処理することによって少なくとも2方向以上の先端径を一度に測定できるようになる。これらにより、生産ラインの稼働率を下げることなく各電極の先端径の測定、つまり真円であるか否かの測定を正確に行うことができる。また、ミラーの両側の鏡面が各電極の先端を同時に映し出すことにより、一対の電極の先端の画像を同時に撮影できるようになり、生産ラインの稼働率を下げることなく電極先端の測定を行うことができる。さらに、一対の電極の先端間にはカメラ本体を配設せず、ミラーのみを配設しているだけなので、カメラユニットの電極間の距離を短くでき、カメラユニットをコンパクトな構造にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るスポット溶接用電極検査装置の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るカメラユニットの斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る制御ユニットを下方から見た分解斜視図である。
図4図2のIV-IV線における断面図である。
図5】本発明の実施形態に係るスポット溶接用電極検査装置を他の機器に接続した一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0016】
図1乃至図4は、本発明の実施形態に係るスポット溶接用電極検査装置1を示す。この電極検査装置1は、自動車の生産ラインにおいて、鋼板をスポット溶接にて溶接する際に使用する溶接ガンGのシャンク先端に装着保持した一対の電極10の状態を検査するためのものであり、電極10の先端を撮影するカメラユニット2と、当該カメラユニット2を制御する制御ユニット3と、カメラユニット2に一端が接続される一方、制御ユニット3に他端が接続されたカメラケーブル4とを備えている。
【0017】
カメラユニット2は、略直方体形状をなす収容ケース部21と、該収容ケース部21の一方の側面に設けられた平面視で略L字状をなす板状のブラケット部22とを備え、該ブラケット部22により他の機器9に取付可能になっている。
【0018】
収容ケース部21における長手方向一方側の上壁及び下壁には、図4に示すように、上下に対向する一対の測定基準部21aが設けられている。
【0019】
各測定基準部21aの中央部分には、収容ケース部21の内部に連通する固定用孔21bが互いに対応するように形成され、各固定用孔21bの内周面は、収容ケース部21の内部に近づくにつれて次第に縮径する湾曲形状をなしている。
【0020】
固定用孔21bの内周面は、電極10の先端側の形状に対応していて、電極10の先端側を固定用孔21bに挿入すると、当該固定用孔21bの中心線に電極10の中心軸が一致した状態で電極10が固定されるようになっている。
【0021】
収容ケース部21内部における両測定基準部21aの間には、図4に示すように、収容ケース部21の幅方向に延びるミラーモジュール5が配設されている。
【0022】
該ミラーモジュール5は、当該ミラーモジュール5の骨格をなす樹脂製のモジュールフレーム5aを備え、該モジュールフレーム5aの各固定用孔21bに対応する位置には、それぞれ開口部5bが形成されている。
【0023】
モジュールフレーム5aにおける両開口部5bの間には、両側に鏡面を有する板状のミラー6が設けられている。
【0024】
該ミラー6は、両開口部5bの間において各固定用孔21bに固定された各電極10に対して傾斜配置されており、ミラー6の各鏡面は、各固定用孔21bに固定された状態の各電極10の先端をそれぞれ映し出すようになっている。
【0025】
モジュールフレーム5a内部における長手方向両端寄りの位置には、ミラー6の各鏡面に反射して映し出された各電極10の先端をそれぞれ真正面から撮影する一対のカメラ本体7が組み付けられている。
【0026】
すなわち、各カメラ本体7は、両固定用孔21bの並設方向と直交する方向で、且つ、ミラー6の両側において当該ミラー6の各鏡面をそれぞれ撮影可能に一対配設されている。
【0027】
各カメラ本体7の周りには、ミラー6の鏡面を介して電極10の先端を照明する複数の照明用光源7aが配設されている。
【0028】
また、各カメラ本体7の先端側には、乳白色の樹脂からなる拡散板7bが配設され、該拡散板7bは、照明用光源7aから発せられてミラー6に向かう光を拡散させることにより、光の輝度分布の不均一を改善するようになっている。
【0029】
さらに、各測定基準部21aとモジュールフレーム5aとの間には、固定用孔21bを塞いでゴミ等がミラーモジュール5内へ侵入するのを防止する透明樹脂製の保護カバー8が設けられている。
【0030】
該保護カバー8の固定用孔21bに対応する位置には、中央部が周縁部よりも電極10側に位置するように緩やかに湾曲する湾曲面部8aが設けられている。
【0031】
該湾曲面部8aは、ミラー6で反射した照明用光源7aの光をカメラ本体7の撮影範囲外に反射させてカメラ本体7のレンズに写り込まなくなるようにすることにより、電極10の先端面が鮮明に撮影されるようにしている。
【0032】
収容ケース部21の上面には、図1及び図2に示すように、当該収容ケース部21の上面全域に対応する形状をなすカバープレート23が設けられている。
【0033】
該カバープレート23は、収容ケース部21に対して当該収容ケース部21の長手方向にスライド可能になっていて、一方側にスライドすると、図1に示すように、固定用孔21bを覆って当該固定用孔21bから収容ケース部21内部にゴミ等が入り込まないようにする一方、他方側にスライドすると、図2に示すように、固定用孔21bを開放して電極10の検査を行えるようになっている。
【0034】
制御ユニット3は、図1及び図3に示すように、厚みを有する扁平な略板状をなしており、その裏面全域が金属材で形成された架台11(被取付体)に接するように当該架台11に取り付けられている。
【0035】
制御ユニット3は、図3に示すように、表面側が緩やかに膨らむ湾曲形状をなす金属製のケーシング31と、該ケーシング31に収容された略矩形板状をなす制御基板32とを備えている。
【0036】
該制御基板32は、シングルボードコンピュータであり、各カメラ本体7で撮影した画像をカメラケーブル4を介して取り込むとともに処理し、且つ、当該画像の処理結果と予め設定された設定値とを比較して電極10の状態を判定するようになっている。
【0037】
また、制御基板32には、図3及び図5に示すように、ネットワークケーブル12を接続可能なネットワーク接続部32aが設けられ、該ネットワーク接続部32aは、ネットワークケーブル12を介して繋がるパーソナルコンピュータ13に対して信号を送受信可能になっている。
【0038】
さらに、制御基板32には、モニタ14を接続可能なモニタ接続部32bが設けられ、該モニタ接続部32bは、各カメラ本体7で撮影した画像や当該画像の処理結果等をモニタ14に送信可能になっている。
【0039】
それに加えて、制御基板32には、溶接ガンGがアーム先端に固定された産業用ロボット15に接続可能なロボット接続部32cが設けられ、該ロボット接続部32cは、産業用ロボット15に対して、例えば、測定開始信号や測定終了信号等の信号を送受信可能になっている。
【0040】
尚、制御基板32におけるカメラ本体7で撮影した画像の具体的な演算処理方法や電極10の状態の判定処理方法は、特許文献1に開示されている演算処理方法や判定処理方法を適用することができる。
【0041】
以上より、本発明の実施形態によると、カメラユニット2がカメラケーブル4を介して制御ユニット3から離間しているので、カメラユニット2のみを産業用ロボット15周りに設置可能になる。したがって、産業用ロボット15周りのスペースが狭い場合であっても電極検査装置1を設置することができる。
【0042】
また、制御基板32を収容するケーシング31が金属製であるとともに金属材からなる架台11に接触しているので、ケーシング31内部で発生する熱が当該ケーシング31を介して架台11へと移動し易くなる。したがって、ケーシング31内部に熱がこもり難くなり、連続使用時においても制御基板32に悪影響を及ぼし難くすることができる。
【0043】
また、ネットワーク接続部32aを介して電極検査装置1をパーソナルコンピュータ13に直接接続できるので、例えば、制御基板32による電極10の状態の判定結果等を集計したり、或いは、データ解析等を行ったりすることが簡単に行えるようになる。また、モニタ接続部32bを介して電極検査装置1をモニタ14に直接接続できるので、制御基板32による電極10の状態の判定結果等をモニタ14に簡単に表示させることができる。また、ロボット接続部32cを介して電極検査装置1を産業用ロボット15に直接接続できるので、制御基板32と産業用ロボット15との間における検査開始信号や検査終了信号などの信号のやり取りを制御基板32と産業用ロボット15との間において直接行うことができる。つまり、生産ラインに電極検査装置1を導入するに当たり、各種装置との間における接続を用途に応じて簡単に行うことができ、生産ラインの設計が容易になる。
【0044】
さらに、各測定基準部21aに設けられた固定用孔21bによって、当該各固定用孔21bに固定した各電極10からミラー6を介しての各カメラ本体7までの距離が一定となるので、測定値にばらつきが発生し難くなる。また、ミラー6によって各電極10の先端を真正面から各カメラ本体7で撮影できるようになるので、撮影画像を制御基板32で処理することによって少なくとも2方向以上の先端径を一度に測定できるようになる。これらにより、生産ラインの稼働率を下げることなく各電極10の先端径の測定、つまり真円であるか否かの測定を正確に行うことができる。
【0045】
また、ミラー6の両側の鏡面が各電極10の先端を同時に映し出すことにより、一対の電極10の先端の画像を同時に撮影できるようになり、生産ラインの稼働率を下げることなく電極10先端の測定を行うことができる。さらに、一対の電極10の先端間にはカメラ本体7を配設せず、ミラー6のみを配設しているだけなので、カメラユニット2の電極10間の距離を短くでき、カメラユニット2をコンパクトな構造にすることができる。
【0046】
尚、本発明の実施形態では、一対のカメラ本体7で一対の電極10の各先端面を撮影して画像処理を行うようにしているが、1つのカメラ本体7で1つの電極10の先端面を撮影して画像処理を行う構成であってもよい。
【0047】
また、本発明の実施形態では、制御ユニット3を金属材からなる架台11に取り付けているが、その他の箇所に取り付けるようにしてもよく、例えば、金属材からなる他の設備等に取り付けるようにしてもよい。
【0048】
また、本発明の実施形態では、制御基板32にネットワーク接続部32a、モニタ接続部32b及びロボット接続部32cが設けられているが、これに限らず、ネットワーク接続部32a、モニタ接続部32b及びロボット接続部32cの少なくとも1つが設けられていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、例えば、自動車生産ラインにおいて用いられるスポット溶接用の電極検査装置に適している。
【符号の説明】
【0050】
1 スポット溶接用電極検査装置
2 カメラユニット
3 制御ユニット
4 カメラケーブル
6 ミラー
7 カメラ本体
10 電極
11 架台(被取付体)
12 ネットワークケーブル
13 パーソナルコンピュータ
14 モニタ
15 産業用ロボット
21a 測定基準部
21b 固定用孔
31 ケーシング
32 制御基板
32a ネットワーク接続部
32b モニタ接続部
32c ロボット接続部

図1
図2
図3
図4
図5