(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】記録管理システムおよび入力端末
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20231214BHJP
G16H 40/00 20180101ALI20231214BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G16H10/00
G16H40/00
A61G12/00 Z
(21)【出願番号】P 2020003497
(22)【出願日】2020-01-14
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】前田 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】海野 剛靖
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-339327(JP,A)
【文献】国際公開第2018/110294(WO,A1)
【文献】特開2006-019841(JP,A)
【文献】特開2007-087111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61G 9/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の部屋ごとに設置され、スタッフが介護記録または看護記録を入力するために使用する入力端末と、
上記入力端末に通信ネットワークを介して接続され、上記入力端末から送られてくる介護記録または看護記録を履歴として保存する管理装置とを備え、
上記入力端末は、
上記介護記録または看護記録の一部の情報を入力する操作が行われたときに、その操作が行われる前よりも入力操作画面の表示を目立たせるように制御するとともに、上記介護記録または看護記録の残りの情報の入力を開始する操作が行われたときに、上記入力操作画面の表示を目立たせている状態を解除するように制御する画面制御部と、
上記介護記録または看護記録の登録を指示する操作が行われたときに、その時点までに入力された記録情報を上記管理装置に送信して登録することを要求する登録要求部とを備え、
上記管理装置は、
上記登録要求部により登録が要求された記録情報を上記介護記録または看護記録の履歴として保存する記録保存部を備えた
ことを特徴とする記録管理システム。
【請求項2】
上記画面制御部は、上記介護記録または看護記録の一部の情報を入力する操作が行われたときに、その操作が行われる前よりも高輝度で上記入力操作画面を表示させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の記録管理システム。
【請求項3】
上記画面制御部は、上記介護記録または看護記録の一部の情報を入力する操作が行われたときに、上記入力操作画面の一部または全部を点滅表示させるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の記録管理システム。
【請求項4】
スタッフが介護記録または看護記録を入力するために使用する入力端末であって、
上記介護記録または看護記録の一部の情報を入力する操作が行われたときに、その操作が行われる前よりも入力操作画面の表示を目立たせるように制御するとともに、上記介護記録または看護記録の残りの情報の入力を開始する操作が行われたときに、上記入力操作画面の表示を目立たせている状態を解除するように制御する画面制御部と、
上記介護記録または看護記録の登録を指示する操作が行われたときに、その時点までに入力された記録情報を管理装置に送信して登録することを要求する登録要求部とを備えた
ことを特徴とする入力端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録管理システムおよび入力端末に関し、特に、介護記録または看護記録を登録して管理するシステムおよびこれに用いる入力端末に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、病気や怪我、あるいは高齢等の理由により介護を必要とする要介護者が増えている。要介護者は、介護施設に入所し、必要な介護を受けることが可能である。介護施設において介護士等のスタッフは、要介護者(施設利用者)の部屋を定期的に巡視することによって要介護者の安否や様子を確認したり、あらかじめ作成した介護計画あるいは要介護者からの呼び出しに従って必要な介助を行ったりする。そして、スタッフは、実際に行った介護行為の内容を介護記録として記録する。介護記録には、介護行為を行ったスタッフの氏名、要介護者の氏名、介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時などの情報が含まれる。
【0003】
従来、スタッフによる持ち運びが可能なタブレット端末に介護記録を入力したり、施設に設置された端末に介護記録を入力したりすることで、介護記録の入力作業を支援するシステムが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。また、病室の出入口付近に設置された液晶廊下灯に看護情報を入力するようにしたシステムも知られている(例えば、特許文献3,4参照)。部屋ごとに設置された端末から介護記録を入力するようにすることで、スタッフの一人ひとりにタブレット端末を支給する場合に比べて端末の所在などを管理するコストを削減でき、また、スタッフはタブレット端末を一々持ち運ばなくても済むというメリットを有する。
【0004】
部屋内に設置された端末から介護記録を入力する場合、スタッフは、入室した際に、端末を操作して介護行為の開始日時を入力する。また、介護行為が終わって退室する際に、介護行為の内容および介護行為の終了日時を入力する。スタッフの氏名および要介護者の氏名は、開始日時を入力する際または終了日時を入力する際に併せて入力する。こうして端末から入力された介護記録は、入力内容の確定または保存を指示する操作を行うと、通信ネットワークを介して接続された管理装置に送信されて保存される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-147104号公報
【文献】特開2018-120385号公報
【文献】特開2005-339327号公報
【文献】特開2006-19841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
部屋内に設置された端末から介護記録を入力する場合、スタッフは、入室した際に介護行為の開始日時を入力した後、介護行為が終わって退室する際に、介護行為の内容および終了日時を入力し忘れてしまうことがある。この場合、スタッフが入室した際に介護記録の入力を途中まで行っていても、管理装置に送信されて保存されることがなく、そのスタッフの介護記録が履歴として全く残らなくなってしまうという問題があった。このような問題は、病院において看護師が患者に対して行った看護行為を看護記録として記録する際にも同様に生じる。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、スタッフが入室した際に介護記録または看護記録の一部を部屋設置の端末に入力した後、介護行為または看護行為が終わって退室する際に、残りの介護記録または看護記録の入力をスタッフができるだけ忘れずに行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、施設の部屋ごとに設置された入力端末において介護記録または看護記録の一部の情報を入力する操作が行われたときに、その操作が行われる前よりも入力操作画面の表示を目立たせるようにするとともに、介護記録または看護記録の残りの情報の入力を開始する操作が行われたときに、入力操作画面の表示を目立たせている状態を解除するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、スタッフが入室した際に介護記録または看護記録の一部の情報を部屋設置の端末に入力した後、介護行為または看護行為が終わって退室する際に、入力操作画面が目立つように表示されているので、スタッフがその表示に気づきやすくなる。これにより、残りの介護記録または看護記録の入力を行うようにスタッフを意識づけることができ、残りの入力をスタッフができるだけ忘れずに行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態による記録管理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】スタッフが入力端末から介護記録を入力して管理装置に登録する際の操作手順の一例を説明するための図である。
【
図3】本実施形態による入力端末の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態による管理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態による入力端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態による管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による記録管理システムの全体構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の記録管理システムは、複数の入力端末1と、管理装置2とを備えて構成される。本実施形態の記録管理システムは、例えば介護施設または病院において利用されるものである。
【0012】
複数の入力端末1は、施設の部屋RM1,RM2,・・・(以下、特に区別しないときは単にRMと記す)ごとに設置され、介護施設または病院のスタッフが介護記録または看護記録を入力するために使用する。入力端末1は、例えば、各部屋RMの出入口DWの近傍の部屋壁に設置されたタッチパネル付きのタブレット端末である。なお、入力端末1は部屋RM内に設置可能であればよく、タブレット端末であることを必須とするものではない。また、入力端末1の設置場所を出入口DWの近傍の部屋壁とすることも必須ではないが、入退室の際にその存在に気づきやすい場所に設置するのが好ましい。
【0013】
管理装置2は、入力端末1に通信ネットワーク100を介して接続され、入力端末1から送られてくる介護記録または看護記録を履歴として保存する。管理装置2が履歴として保存する介護記録には、介護行為を行ったスタッフの氏名、介護行為を受けた要介護者(各部屋RMの入居者)の氏名、介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時などの情報が含まれる。また、管理装置2が履歴として保存する看護記録には、看護行為を行ったスタッフの氏名、看護行為を受けた患者(各病室RMの入院患者)の氏名、看護行為の内容、看護行為の開始日時および終了日時などの情報が含まれる。以下では、本実施形態の記録管理システムを介護施設で使用する場合について説明する。
【0014】
図2は、スタッフが入力端末1から介護記録を入力して管理装置2に登録する際の操作手順の一例を説明するための図である。ここでは、入力端末1に表示される画面の遷移を示している。
【0015】
図2(1)に示す待機画面では、部屋RMの識別情報である部屋番号と、その部屋RMに入居している要介護者の氏名とが表示されている。なお、部屋RMの待機画面に何を表示するかは任意であるが、部屋番号および要介護者の氏名を表示しておくことにより、スタッフがこれから介護行為を行おうとする要介護者の部屋RMで間違いがないかどうかを確認できる点で好ましい。
【0016】
スタッフが待機画面をタッチすると、
図2(2)に示す「スタッフ選択画面」が表示される。スタッフ選択画面には、入力端末1にあらかじめ登録されている複数のスタッフの氏名が、タッチして選択可能な名前ボタン201として表示される。スタッフは、自分の氏名が表示された名前ボタン201をタッチする。
【0017】
何れかの名前ボタン201がタッチされると、
図2(3)のように、タッチされた名前ボタン201のスタッフが介護行為に対応中であることを示す情報と、介護行為を行っている間の経過時間を示す情報とを含む「対応中画面」が表示される。なお、対応中画面の左上には戻るボタン202が表示されており、名前ボタン201を間違ってタッチしてしまった場合は、戻るボタン202をタッチすれば、
図2(2)のスタッフ選択画面に戻ることが可能である。
【0018】
スタッフは、名前ボタン201をタッチした後、要介護者に対して必要な介護行為を行う。そして、介護行為が終わった後、スタッフが対応中画面をタッチすると、
図2(4)に示す「大項目選択画面」が表示される。大項目選択画面は、介護行為の内容を表す情報として大項目を選択するための画面である。ここでは一例として、身体介助1、身体介助2、生活補助、その他の4つが、タッチして選択可能な大項目ボタン203として表示されている。
【0019】
スタッフが何れかの大項目ボタン203をタッチして選択すると、
図2(5)に示す「小項目選択画面」が表示される。小項目選択画面は、介護行為の内容を表す情報として小項目を選択するための画面であり、選択された大項目に属する複数の具体的な介護行為の名称が、タッチして選択可能な小項目ボタン205として表示されている。スタッフは、自分が実際に行った介護行為に対する小項目ボタン205を選んでタッチする。
【0020】
図2(4)に示す大項目選択画面には、大項目ボタン203の他に、キー入力ボタン204も表示されている。スタッフがこのキー入力ボタン204をタッチすると、
図2(6)に示す「キー入力画面」が表示される。キー入力画面には、ソフトウェアキーボード206、当該ソフトウェアキーボード206により入力された文字列を表示するための表示欄207、文字列の入力完了を指示するための完了ボタン208が表示されている。スタッフは、自分が実際に行った介護行為の文字列をソフトウェアキーボード206により入力した後、完了ボタン208をタッチする。
【0021】
図2(5)に示す小項目選択画面において何れかの小項目ボタン205をタッチするか、
図2(6)に示すキー入力画面において所望の文字列を入力して完了ボタン208をタッチすると、
図2(7)に示す「対応記録確認画面」が表示される。この対応記録確認画面には、介護行為を行ったスタッフの氏名、介護行為の開始時刻から終了時刻までを示す対応時間、小項目選択画面またはキー入力画面において入力された介護行為を示す対応内容が表示されている。
【0022】
また、この対応記録確認画面には、介護行為の追加入力を指示するための追加ボタン209,210と、入力した介護記録を管理装置2に送信して登録することを指示するための登録ボタン211とが表示されている。追加ボタン209,210には、大項目および小項目を選択して介護行為を追加入力することを指示する第1の追加ボタン209と、ソフトウェアキーボード206により介護行為を追加入力することを指示する第2の追加ボタン210とがある。第1の追加ボタン209がタッチされた場合は、
図2(4)の大項目選択画面に戻る。第2の追加ボタン210がタッチされた場合は、
図2(6)のキー入力画面に戻る。
【0023】
スタッフが登録ボタン211をタッチすると、
図2(1)の待機画面に表示されている要介護者の氏名(入力端末1にあらかじめ設定されている)、
図2(2)のスタッフ選択画面で選択したスタッフの氏名、
図2(4)~(6)の各画面において入力した介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時を含む介護記録の情報が通信ネットワーク100を介して管理装置2に送信され、登録される。そして、入力端末1の画面は
図2(1)の待機画面に戻る。
【0024】
図3は、本実施形態による入力端末1の機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態の入力端末1は、機能構成として、操作検出部11、計時部12、情報入力部13、画面制御部14および登録要求部15を備えている。また、入力端末1は、記憶媒体として、記録情報一時記憶部10を備えている。
【0025】
上記各機能ブロック11~15は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック11~15は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。なお、当該プログラムは、ハードディスクや半導体メモリ等の他の記録媒体に記憶されていてもよい。
【0026】
操作検出部11は、スタッフによる入力端末1のタッチパネルに対する操作を検出する。すなわち、操作検出部11は、
図2で説明した一連の操作の1つ1つを検出し、どのような操作が行われたかの操作内容を検出する。
【0027】
計時部12は、介護記録の一部の情報を入力する操作が行われたときに、その時点からの経過時間を計測する。本実施形態では、計時部12は、
図2(2)のスタッフ選択画面で何れかの名前ボタン201のタッチが操作検出部11により検出されたとき、すなわち、介護記録の一部の情報としてスタッフの氏名(スタッフを識別可能なスタッフ情報)が入力されたときに、経過時間の計測を開始する。なお、戻るボタン202がタッチされた場合、計時部12は経過時間をゼロにリセットし、何れかの名前ボタン201が再びタッチされたときに経過時間の計測を再開する。計時部12は、経過時間の計測を開始した後、
図2(3)の対応中画面(戻るボタン202以外の領域)のタッチが操作検出部11により検出されたときに、経過時間の計測を終了する。
【0028】
情報入力部13は、操作検出部11により検出される操作内容に応じて、介護記録に関する情報(以下、記録情報という)を入力し、入力した記録情報を記録情報一時記憶部10に逐次記憶していく。
【0029】
すなわち、情報入力部13は、
図2(1)に示す待機画面のタッチが操作検出部11により検出されたときに、要介護者の氏名の入力操作が行われたものとして、入力端末1にあらかじめ設定されている要介護者の氏名を入力し、これを記録情報一時記憶部10に記憶させる。また、情報入力部13は、
図2(2)に示すスタッフ選択画面で何れかの名前ボタン201のタッチが操作検出部11により検出されたときに、タッチされた名前ボタン201に対応するスタッフの氏名を入力するとともに、計時部12が経過時間の計測を開始した日時を介護行為の開始日時として入力し、これらを記録情報一時記憶部10に記憶させる。
【0030】
また、情報入力部13は、
図2(3)の対応中画面のタッチが操作検出部11により検出されたときに、計時部12が経過時間の計測を終了した日時を介護行為の終了日時として入力し、これを記録情報一時記憶部10に記憶させる。また、情報入力部13は、
図2(5)に示す小項目選択画面で小項目ボタン205のタッチが操作検出部11により検出されたときに、選択された介護行為の内容を入力し、これを記録情報一時記憶部10に記憶させる。また、情報入力部13は、
図2(6)に示すキー入力画面で完了ボタン208のタッチが操作検出部11により検出されたときに、表示欄207に表示されている文字列から成る介護行為の内容を入力し、これを記録情報一時記憶部10に記憶させる。
【0031】
登録要求部15は、介護記録の登録を指示する操作(登録ボタン211のタッチ)が行われたことが操作検出部11により検出された場合に、その時点までに入力された介護記録の情報、すなわち、その時点において記録情報一時記憶部10に記憶されている記録情報を管理装置2に送信して登録することを要求する。
【0032】
登録ボタン211のタッチが操作検出部11により検出された場合、その時点で記録情報一時記憶部10には、要介護者の氏名、スタッフの氏名、介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時が記憶されている。登録要求部15は、この記録情報一時記憶部10に記憶されている情報を介護記録に関する情報として管理装置2に送信して登録することを要求する。
【0033】
画面制御部14は、操作検出部11による各種操作の検出結果に基づいて、
図2に示した各種画面の表示を制御する。また、画面制御部14は、介護記録の一部の情報を入力する操作が行われたときに、その操作が行われる前よりも入力操作画面の表示を目立たせるように制御する。例えば、画面制御部14は、入力操作画面をそれまでよりも高輝度で表示させるように制御する。すなわち、画面制御部14は、
図2(2)のスタッフ選択画面で何れかの名前ボタン201のタッチが操作検出部11により検出されたときに、
図2(3)に示す次の対応中画面を、
図2(1)の待機画面および
図2(2)のスタッフ選択画面よりも高輝度で表示させる。
【0034】
対応中画面が高輝度で表示されていると、スタッフが介護行為を終えて部屋RMから退室しようとする際に、目立つように表示されている対応中画面にスタッフが気づきやすくなる。これにより、残りの介護記録の入力を行うようにスタッフを意識づけることができる。
【0035】
また、画面制御部14は、介護記録の残りの情報の入力を開始する操作が行われたときに、入力操作画面の表示を目立たせている状態を解除するように制御する。すなわち、画面制御部14は、
図2(3)に示す対応中画面のタッチが操作検出部11により検出されたときに、
図2(4)に示す次の大項目選択画面を、
図2(1)の待機画面や
図2(2)のスタッフ選択画面と同じ元の輝度で表示させるように制御する。
【0036】
ここで、対応中画面のタッチは、
図2(3)に示す対応中画面から
図2(4)に示す大項目選択画面に遷移させて入力操作を次に進めるための操作である。この操作が操作検出部11により検出されたということは、スタッフが介護記録の残りの情報の入力を忘れずに開始したことを意味する。よって、この段階で大項目選択画面の輝度は元に戻してよい。それ以降の小項目選択画面、キー入力画面および対応記録確認画面も大項目選択画面と同じ輝度で表示させる。
【0037】
以上のように、本実施形態では、
図2(1)に示す待機画面、
図2(2)に示すスタッフ選択画面、
図2(4)に示す大項目選択画面、
図2(5)に示す小項目選択画面、
図2(6)に示すキー入力画面、
図2(7)に示す対応記録確認画面を第1の輝度で表示させ、
図2(3)に示す対応中画面のみを、第1の輝度よりも高輝度である第2の輝度で表示させる。なお、名前ボタン201がタッチされた後、対応中画面で戻るボタン202がタッチされる可能性もある。そこで、名前ボタン201がタッチされた直後は対応中画面を第1の輝度で表示させ、その時点から所定時間が経過した後に、対応中画面の表示を第1の輝度から第2の輝度に変えるようにしてもよい。
【0038】
図4は、本実施形態による管理装置2の機能構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態の管理装置2は、機能構成として、登録要求受信部21および記録保存部22を備えている。また、管理装置2は、記憶媒体として、介護記録記憶部20を備えている。
【0039】
上記各機能ブロック21~22は、ハードウェア、DSP、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック21~22は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。なお、当該プログラムは、ハードディスクや半導体メモリ等の他の記録媒体に記憶されていてもよい。
【0040】
登録要求受信部21は、入力端末1の登録要求部15により送信される介護記録の登録要求を受信する。記録保存部22は、入力端末1の登録要求部15により登録が要求された記録情報を介護記録の履歴として介護記録記憶部20に保存する。
【0041】
図5は、上記のように構成した入力端末1の動作例を示すフローチャートである。
図5に示すフローチャートは、
図2(1)に示す待機画面がタッチされたときに開始する。なお、上述したように、初期状態において待機画面は第1の輝度で表示されている。
【0042】
待機画面がタッチされると、まず、情報入力部13は、入力端末1に設定されている要介護者の氏名を入力し、これを記録情報一時記憶部10記憶させる(ステップS1)。ここで、フローチャート中には図示していないが、画面制御部14は、
図2(2)に示すスタッフ選択画面を第1の輝度で表示させる。次に、操作検出部11は、スタッフ選択画面において何れかの名前ボタン201がタッチされたか否かを判定する(ステップS2)。名前ボタン201のタッチが操作検出部11により検出されない場合は、ステップS2の判定を継続する。
【0043】
一方、何れかの名前ボタン201のタッチが操作検出部11により検出された場合、計時部12は、経過時間の計測を開始する(ステップS3)。また、情報入力部13は、タッチされた名前ボタン201に対応するスタッフの氏名を入力するとともに、経過時間の計測の開始日時を介護行為の開始日時として入力し、これらを記録情報一時記憶部10に記憶させる(ステップS4)。また、画面制御部14は、
図2(3)に示す対応中画面を第1の輝度よりも高輝度の第2の輝度で表示させる(ステップS5)。
【0044】
次に、操作検出部11は、
図2(3)に示す対応中画面がタッチされたか否かを判定する(ステップS6)。対応中画面のタッチが操作検出部11により検出されない場合は、ステップS6の判定を継続する。一方、対応中画面のタッチが操作検出部11により検出された場合、計時部12は、経過時間の計測を終了する(ステップS7)。また、情報入力部13は、経過時間の計測の終了日時を介護行為の終了日時として入力し、これを記録情報一時記憶部10に記憶させる(ステップS8)。また、画面制御部14は、
図2(4)に示す大項目選択画面を元の第1の輝度で表示させる(ステップS9)。
【0045】
その後、操作検出部11は、介護行為の内容を入力する操作、すなわち、
図2(5)の小項目選択画面において何れかの小項目ボタン205をタッチする操作、または、
図2(6)のキー入力画面において完了ボタン208をタッチする操作が行われたか否かを判定する(ステップS10)。これらの操作が操作検出部11により検出された場合、情報入力部13は、検出された操作に対応する介護行為の内容を入力し、これを記録情報一時記憶部10に記憶させる(ステップS11)。
【0046】
次いで、操作検出部11は、
図2(7)の対応記録確認画面において登録ボタン211がタッチされたか否かを判定する(ステップS12)。登録ボタン211のタッチが操作検出部11により検出されない場合、処理はステップS10に戻る。ここで、介護行為の内容を追加入力する操作が行われると、その追加の介護行為の内容も情報入力部13により記録情報一時記憶部10に記憶される(ステップS11)。一方、ステップS12で登録ボタン211のタッチが操作検出部11により検出された場合、処理はステップS13に進む。
【0047】
ステップS13において、登録要求部15は、その時点において記録情報一時記憶部10に記憶されている記録情報を管理装置2に送信して登録することを要求する。すなわち、登録要求部15は、記録情報一時記憶部10に記憶されている要介護者の氏名、スタッフの氏名、介護行為の内容、介護行為の開始日時および終了日時を管理装置2に送信して登録することを要求する。これにより、
図5に示す入力端末1の動作が終了する。
【0048】
図6は、本実施形態による管理装置2の動作例を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートの処理は、管理装置2の電源がオンの間は常時実行されている。
【0049】
まず、登録要求受信部21は、入力端末1から送信されてくる介護記録の登録要求を受信したか否かを判定する(ステップS21)。登録要求受信部21が介護記録の登録要求を受信していない場合、ステップS21の判定を継続する。そして、登録要求受信部21が介護記録の登録要求を受信した場合、記録保存部22は、登録要求受信部21が登録要求と共に受信した記録情報を介護記録の履歴として介護記録記憶部20に保存する(ステップS22)。その後、処理はステップS21に戻る。
【0050】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、施設の部屋RMごとに設置された入力端末1において介護記録の一部の情報を入力する操作(スタッフ選択画面における名前ボタン201のタッチ)が行われたときに、次の対応中画面を高輝度で目立つように表示させるようにするとともに、介護記録の残りの情報の入力開始を意味する対応中画面のタッチが行われたときに、それ以降の入力操作画面を元の輝度で表示させるようにしている。
【0051】
このように構成した本実施形態によれば、スタッフが部屋RMに入室した際に介護記録の一部の情報を入力した後、介護行為が終わって退室する際に、対応中画面が目立つように表示されているので、スタッフがその表示に気づきやすくなる。これにより、残りの介護記録の入力を行うようにスタッフを意識づけることができ、残りの入力をスタッフができるだけ忘れずに行えるようにすることができる。
【0052】
なお、上記実施形態では、入力操作画面の表示を目立たせる態様の一例として、対応中画面を高輝度で表示させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、対応中画面の一部または全部を点滅表示させるようにしてもよい。また、対応中画面を高輝度で表示させるとともに、対応中画面の一部または全部を点滅表示させるようにしてもよい。
【0053】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 入力端末
2 管理装置
10 記録情報一時記憶部
11 操作検出部
12 計時部
13 情報入力部
14 画面制御部
15 登録要求部
20 介護記録記憶部
21 登録要求受信部
22 記録保存部